JP3257095B2 - ジルコニア粉末の製造方法 - Google Patents

ジルコニア粉末の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジルコニア系セラミッ
クスの原料であるジルコニア粉末、とくに、上記原料粉
末を成形性によいものとすることができるジルコニア粉
末の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、成形性の改良されたジルコニア粉
末としては、 X線回折による結晶子径10〜25nm,BET法
による比表面積が20〜40m2/gを示し、イットリ
アを2〜5mol%固溶安定化させたジルコニア粉末
(特開昭62−207761公報) BET法比表面積が12m2/g以下であり、かつ
平均粒子径と該BET法比表面積との積が3μm・m2
/g以下であり、イットリアを2〜10mol%固溶し
た射出成形用のジルコニア粉末(特開平3−17435
6公報) などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、で限定さ
れた結晶子径、比表面積などを満足してもかならずし
も、成形性の良好なジルコニア粉末とはならない。たと
えば、通常の乾式プレスを行なうと、プレス時に金型壁
面と成形体との付着力が大きく、金型から成形体を取り
出す際、成形体の破片が金型に貼りつきやすい。バイン
ダーを添加すればこの問題を回避することができるが、
焼結時の脱脂性が悪く、得られる焼結体にキズや割れが
発生する。BET比表面積が大きいほどこれらの欠点が
著しい。また、の条件を満足するジルコニア粉末も、
かならずしも成形性が良好ではない。すなわち、乾式プ
レスによって成形すると、得られた成形体の強度が低
く、エッジ部に欠けや割れが起こりやすい。
【0004】本発明では、このような従来方法における
欠点を解消した、成形性のよい、特にプレス成形によ
く、かつ、焼結性にも優れたジルコニア粉末、および転
動成形性にも優れたジルコニア粉末を簡易なプロセスに
より製造することのできる方法の提供を目的とするもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らが、水和ジル
コニアゲルの微細構造と仮焼時の粒子構造の変化とに着
目して詳細に検討したところによれば、アルカリ金属の
化合物を含有する水和ジルコニアゲルまたは該ゾルとジ
ルコニア系セラミックスの製造に常用されるイットリ
ア,カルシア,マグネシア,セリアなどの安定化剤との
混合物を水蒸気雰囲気のもとで仮焼すると、比較的低い
温度でジルコニア粉末を製造することができ、該粉末は
プレス成形性がよく、かつ、焼結性にも優れており、さ
らに転動成形性にも優れたジルコニア粉末であることを
見出し、本発明に到達した。
【0006】即ち、本発明は、アルカリ金属の化合物を
含有する水和ジルコニアゲルを、水蒸気分圧20mmH
g以上の雰囲気で、700〜1200℃の温度で仮焼し
て、粉砕することによるジルコニア粉末の製造方法を要
旨とするものである。
【0007】本明細書において、ジルコニア粉末に係わ
る「平均粒径」とは、体積基準分布が中央値(メディア
ン)である2次凝集粒子と同じ体積の球の直径をいい、
レーザ回折法,遠心沈降法などの粒度分布測定装置によ
って測定することができる。「BET比表面積」とは、
吸着分子として窒素を用いて測定したものをいう。ま
た、水和ジルコニアゾルに係わる「平均粒径」は、光子
相関法によるが、電子顕微鏡によって測定したものと、
実質上同じ値を示す。
【0008】ジルコニア粉末が成形性および焼結性に優
れたものであるためには、そのBET比表面積は3.5
〜20m2/gでなければならない。ジルコニア粉末の
BET比表面積が3.5m2/gよりも小さくなると低
温側で焼結しにくい粉末となり、いっぽう、20m2
gよりも大きくなると、粒子間の凝集力が著しく大きく
なって、プレス成形時に粒子−金型壁面間および粒子間
の摩擦力が大きくなり、得られる成形体の密度分布が不
均一になり、多数のラミネーション,割れおよびエッジ
の欠けが発生するからである。より好ましいBET比表
面積は、4〜16m2/gである。転動成形を供するに
は、5〜13m2/gが最適である。また、2次凝集粒
子の平均粒径は、0.3〜2μmの範囲のものでなけれ
ばならない。平均粒径が0.3μmよりも小さくなる
と、粒子間の凝集力が極めて強くなり、上記BET比表
面積が20m2/gより大きい場合と同様の問題を起こ
すことになる。転動成形を行なう場合には、粒子間の凝
集力が大きすぎると、転動圧密化されにくくなるため
に、成形体表面が凹凸になり、かつ、真球度が劣ったも
のとなるので、平均粒径は1μm以上が望ましい。いっ
ぽう、2μmよりも大きくなると、硬い凝集粒子を含む
粗粒が多くなり、硬い粒子がそのままに近い形状で成形
体中に残り、それによって焼結時に不均一収縮が起こ
り、かつ成形体に気孔が残ることになるからである。ま
た、このような粉末にバインダーを加えて成形し焼結す
ると、脱脂性が悪くなる。とくに、成形体を大きくしま
たはその形状を複雑にすると、脱脂性の低下に起因する
割れが顕著になる。
【0009】さらに、上記のジルコニア粉末は、緻密な
2次粒子からなる2次凝集粒子でなければならない。こ
こで、緻密な2次粒子とは、電子顕微鏡の観察から約2
〜10個の1次粒子が焼結して1個の緻密な2次粒子を
構成しており、2次粒子内部の閉気孔が、実質上、観測
されない粒子のことである。2次粒子内部に閉気孔が観
測されると、成形体密度が低下し、かつ、ラミネーショ
ンが発生するため成形性の劣ったものとなる。また、焼
結時に2次粒子内部の閉気孔が残るために焼結体特性も
低下する。
【0010】本発明によれば、以上の条件を満足する、
すなわちBET比表面積が3.5〜20m2/gであ
り、2次凝集粒子の平均粒径が0.3〜2μmであり、
かつ2次粒子内部の閉気孔が実質上観測されないジルコ
ニア粉末がえられる。
【0011】水和ジルコニアゲルがアルカリ金属の化合
物を含有していなければならない。アルカリ金属化合物
を存在させることによって、仮焼時の粒成長速度が速め
られ、閉気孔を持たない2次粒子からなるすなわち成形
性のよいジルコニア粉末をより低い温度でうることがで
きるからである。このアルカリ金属化合物の含有量は、
ZrO2に対する酸化物換算として、0.01重量%以
上であることが好ましい。より望ましくは、0.03〜
1重量%である。上記の水和ジルコニアゲルにアルカリ
金属の化合物を含有させる方法には制限がなく、例え
ば、水和ジルコニアゾル含有液に添加して乾燥させる方
法、あるいは該含有液にアルカリなどを添加して濾過・
水洗のあとに添加する方法などを挙げることができる
が、これらの他に原料液となるジルコニウム塩水溶液に
前もって添加してもよく、水和ジルコニアゾルの乾燥粉
と乾式で混合してもよい。アルカリ金属の化合物として
は、リチウム,ナトリウム,カリウムなどの塩化物,炭
酸塩,硝酸塩および硫酸塩を挙げることができる。ま
た、上記の水和ジルコニアゾルは、平均粒径が0.15
μm以下であることが好ましい。平均粒径が0.15μ
mよりも大きくなると、比較的低い温度で緻密な2次粒
子が得にくくなるからである。より好ましい平均粒径は
0.03〜0.11μmであり、さらに望ましくは0.
05〜0.09μmである。
【0012】上記の水和ジルコニアゲルを700〜12
00℃の温度で仮焼しなければならない。仮焼温度が約
600℃以上であればえられたジルコニア粉末の2次凝
集粒子の平均粒径を0.3μm以上とすることができる
が、700℃より低いと次の粉砕によって得られるジル
コニア粉末のBET比表面積が20m2/gよりも大き
くなり、いっぽう、1200℃よりも高くなるとボール
ミル,振動ミル,パールミルなどの慣用の粉砕手段で粉
砕時間をいくら長くとっても得られる2次凝集粒子の平
均粒径が2μmよりも大きくなって、あるいはBET比
表面積が3.5m2/gよりも小さくなって、目的とす
るジルコニア粉末が得られなくなるからである。さら
に、仮焼温度が1200℃より高くなると、工業的な大
量生産が困難になって実用的でなくなる。より好ましい
仮焼温度は、700〜1000℃であり、さらに望まし
くは、仮焼温度T(℃)が、上記の700〜1000の
範囲にあって、水和ジルコニアの平均粒径φ(μm)と
の間の関係が、 T≧3000・φ+550 を満足するものである。
【0013】また、上記の仮焼は、水蒸気分圧を20m
mHg以上にして行わねばならない。水蒸気分圧が20
mmHgよりも低くなると、仮焼時に水和ジルコニアゲ
ルに含まれるアルカリ金属化合物の粒成長促進作用が低
下するため、低い温度で緻密な2次粒子が得られなくな
る。より好ましい水蒸気分圧は30mmHg以上であ
り、さらに望ましくは40〜760mmHgである。雰
囲気ガスとしては、空気,二酸化炭素,窒素,酸素,ア
ルゴン,ヘリウムなどを挙げることができる。
【0014】仮焼温度の保持時間は、0.5〜10時間
がよく、昇温速度は0.5〜10℃/minが好まし
い。保持時間が0.5時間よりも小さくなると均一に仮
焼されにくく、10時間よりも長くなると生産性が低下
するので好ましくない。また、昇温速度が0.5℃/m
inよりも小さくなると設定温度に達するまでの時間が
長くなり、10℃/minよりも大きくなると仮焼時に
粉末が激しく飛散して操作性が悪くなり生産性が低下す
る。
【0015】次いで、上記の仮焼粉を、2次凝集粒子の
平均粒径が0.3〜2μmになるまで粉砕する。粉砕方
法としては、乾式または湿式のどちらの方法を選んでも
よい。粉砕機器としては、種々の機種を選ぶことがで
き、ボールミル,振動ミル,パールミルなどを挙げるこ
とができる。また、粉砕条件は機種により異なるが、ボ
ールミルを用いた場合、スラリー濃度30〜50wt
%,粉砕時間は10〜80時間がよく、振動ミルの場
合、30〜60wt%,4〜30時間が最適である。ま
た、このときに焼結助剤として、例えば、アルミナなど
を添加してもよい。
【0016】水和ジルコニアゾルの平均粒径は、上記の
とおり、0.15μm以下がよく、0.03〜0.11
μmがよりよく、0.05〜0.09μmがさらによ
い。水和ジルコニアゾルをジルコニウム塩水溶液の加水
分解反応によって製造する場合、得られる水和ジルコニ
アゾルの平均粒径は、反応終了時の反応液のpHを調整
することにより制御することができる。このpHすなわ
ち水和ジルコニアゾルの平均粒径を制御する方法として
は、例えば、ジルコニウム塩水溶液にアルカリまたは酸
などを添加する;陰イオン交換樹脂によりジルコニウム
塩を構成している陰イオンの一部を除去することにより
pHを調整して加水分解させる;水酸化ジルコニウムと
酸との混合スラリーのpHを調整して加水分解させるな
どの方法を挙げることができる。また、加水分解反応を
促進させるために、水和ジルコニアゾルを反応液に添加
して、加水分解を行ってもよい。このときの水和ジルコ
ニアゾルの添加量は、ZrO2換算でジルコニウム塩に
対して0.5〜20%が最適である。水和ジルコニアゾ
ルの製造に用いられるジルコニウム塩としては、オキシ
塩化ジルコニウム,硝酸ジルコニル,塩化ジルコニウ
ム,硫酸ジルコニウムなどが挙げられるが、このほかに
水酸化ジルコニウムと酸との混合物を用いてもよい。水
和ジルコニアゾルの平均粒径を制御するために添加する
アルカリとしては、アンモニア,水酸化ナトリウム,水
酸化カリウムなどが挙げられることができるが、これら
の他に尿素のように分解して塩基性を示す化合物でもよ
い。また、酸としては塩酸,硝酸,硫酸を挙げることが
できるが、これらのほかに酢酸,クエン酸などの有機酸
を用いてもよい。
【0017】また、安定化剤の固溶しているジルコニア
粉末を製造する場合は、水和ジルコニアゾル含有液に仮
焼によって安定化剤となる、例えば、Y,Ca,Mg,
Ceなどの化合物を添加して乾燥してもよく、さらに原
料液とジルコニウム塩水溶液に前もって添加してもよ
い。また、必要に応じて安定化剤となるもの以外の金属
化合物、例えば、Al,遷移金属などの化合物も上記と
同様に添加してよく、水和ジルコニアゾルの乾燥粉と乾
式混合してもよい。
【0018】
【作用】ジルコニウム塩水溶液の加水分解で得られる水
和ジルコニアゲルを仮焼すると、該ゲルが緻密な1次粒
子になり、そして1次粒子間の焼結が起って緻密な2次
粒子を形成していくことが電子顕微鏡により観察され
る。したがって、アルカリ金属の化合物を含む水和ジル
コニアゲルを水蒸気雰囲気のもとで仮焼すると、アルカ
リ金属化合物が比較的低い温度で分解して反応活性な超
微細酸化物になり、それが水和ジルコニアゲルの粒成長
を顕著に促進させる作用があるために、2次粒子の緻密
化速度が大きくなって、低温度で緻密な2次粒子が得ら
れるものと推察される。
【0019】
【発明の効果】以上、説明したとおり、本発明で得られ
るジルコニア粉末は、成形性がよく、さらに焼結性にも
優れている。また、本発明の方法により、容易に上記の
ジルコニア粉末を製造することができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。例中、水和ジルコニアゾルの平均粒径は、光子相関
法により求めた。ジルコニア粉末の2次凝集粒子の平均
粒径は、レーザー回折法を用いて測定した。また、ジル
コニア粉末の成形は、金型プレスにより成形圧力700
kgf/cm2で行い、得られた成形体は1500℃,
2時間の条件で焼結させた。転動成形で得られた焼結体
の真球度は、長軸/短軸の比による。
【0021】実施例1 0.4mol/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液2リ
ットルを160時間煮沸したあと、この溶液に2mol
/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液3.6リットルと
蒸留水4.4リットルとを加えて、さらに45時間煮沸
して、平均粒径0.05μmの水和ジルコニアゾルを得
た。
【0022】上記の水和ジルコニアゾル含有液1リット
ルと2mol/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液3.
6リットルとを混合し、さらに塩化ナトリウム7.4g
(ZrO2に対する酸化物換算量として0.4重量%)
および蒸留水を5.4リットル加えて、0.72mol
/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液10リットルを調
製した。この反応液を攪拌しながら、加水分解反応を煮
沸温度で45時間おこなった。得られた水和ジルコニア
ゾルの平均粒径は0.06μmであった。
【0023】次いで、上記の水和ジルコニアゾル含有液
に塩化イットリウムを97g添加して、加熱濃縮したあ
とスプレーで乾燥させた。得られた水和ジルコニアゲル
を水蒸気分圧100mmHgの空気中で、900℃の温
度で2時間仮焼した。この仮焼粉を水洗したあと、振動
ミルで、スラリー濃度35重量%,粉砕時間16時間の
条件で粉砕した。
【0024】得られたジルコニア粉末は、2次凝集粒子
の平均粒径が0.8μmであり、BET比表面積が14
2/gであった。また、電子顕微鏡の観察により緻密
な2次粒子を形成していることが確認された。
【0025】次いで、上記で得られたジルコニア粉末を
用いて、プレス成形により成形体を作製したところ、成
形体密度は2.73g/cm3であった。この成形体を
焼成して得られた焼結体の密度は6.05g/cm3
あり、曲げ強度は120kgf/mm2であった。ま
た、得られた焼結体を観察したところ、焼結体表面のキ
ズおよびエッジ部の欠けは見られなかった。
【0026】上記製品ジルコニア粉末に有機バインダー
としてポリアクリル系バインダーを3重量%添加してプ
レス成形により成形体を作製したところ、成形体密度は
2.82g/cm3であった。この成形体を焼成して得
られた焼結体の密度は6.05g/cm3であり、曲げ
強度は123kgf/mm2であった。また、得られた
焼結体を観察したところ、焼結体表面のキズおよびエッ
ジ部の欠けは見られなかった。
【0027】実施例2 仮焼温度を970℃に設定して、さらに粉砕時にアルミ
ナを0.25重量%添加した以外は、実施例1と同じ条
件にしてジルコニア粉末を得た。得られたジルコニア粉
末は、2次凝集粒子の平均粒径が0.7μmであり、B
ET比表面積が11m2/gであった。また、電子顕微
鏡の観察により緻密な2次粒子を形成していることが確
認された。
【0028】次いで、上記で得られたジルコニア粉末を
用いて、プレス成形により成形体を作製したところ、成
形体密度は2.76g/cm3であった。この成形体を
焼成して得られた焼結体の密度は6.08g/cm3
あり、曲げ強度は136kgf/mm2であった。ま
た、得られた焼結体を観察したところ、焼結体表面のキ
ズおよびエッジ部の欠けは見られなかった。
【0029】上記製品ジルコニア粉末に有機バインダー
としてポリアクリル系バインダーを3重量%添加してプ
レス成形により成形体を作製したところ、成形体密度は
2.92g/cm3であった。この成形体を焼成して得
られた焼結体の密度は6.05g/cm3であり、曲げ
強度は120kgf/mm2であった。また、得られた
焼結体を観察したところ、焼結体表面のキズおよびエッ
ジ部の欠けは見られなかった。
【0030】実施例3 スラリー濃度45重量%,8時間の条件で粉砕する以外
は、実施例2と同じ条件にしてジルコニア粉末を得た。
得られたジルコニア粉末は、2次凝集粒子の平均粒径が
1.3μmであり、BET比表面積が9m2/gであっ
た。また、電子顕微鏡の観察により緻密な2次粒子を形
成していることが確認された。
【0031】次いで、上記で得られたジルコニア粉末を
用いて、プレス成形により成形体を作製したところ、成
形体密度は2.82g/cm3であった。この成形体を
焼成して得られた焼結体の密度は6.06g/cm3
あり、曲げ強度は133kgf/mm2であった。ま
た、皿型造粒機を用いて転動造粒を行ない、直径5mm
の成形体を作製して焼結したところ、得られた焼結体の
密度は、6.03g/cm3,真球度は1.03,圧潰
強度は1050kgf/個であった。
【0032】実施例4 仮焼温度を750℃に設定した以外は、実施例1と同じ
条件にしてジルコニア粉末を得た。得られたジルコニア
粉末は、2次凝集粒子の平均粒径が1.0μmであり、
BET比表面積が19m2/gであった。また、電子顕
微鏡の観察により緻密な2次粒子を形成していることが
確認された。
【0033】次いで、上記で得られたジルコニア粉末を
用いて、プレス成形により成形体を作製したところ、成
形体密度は2.63g/cm3であった。この成形体を
焼成して得られた焼結体の密度は6.03g/cm3
あり、曲げ強度は110kgf/mm2であった。ま
た、得られた焼結体を観察したところ、焼結体表面のキ
ズおよびエッジ部の欠けは見られなかった。
【0034】比較例1 塩化ナトリウムの反応液への無添加,仮焼温度を750
℃および粉砕時間を35時間に設定した以外は、実施例
1と同様の条件にしてジルコニア粉末を得た。得られた
ジルコニア粉末は、2次凝集粒子の平均粒径が0.7μ
mであり、BET比表面積が33m2/gであった。ま
た、電子顕微鏡により2次粒子の内部に閉気孔が観察さ
れた。
【0035】次いで、上記で得られたジルコニア粉末を
用いて、プレス成形により成形体を作製したところ、成
形体密度は2.53g/cm3であり、多数のラミネー
ションが観察された。この成形体を焼成して得られた焼
結体の密度は5.90g/cm3であり、曲げ強度は7
0kgf/mm2であった。また、得られた焼結体を観
察したところ、焼結体表面の多数のキズおよびエッジ部
の欠けが見られた。 比較例2 仮焼温度を700℃および水蒸気分圧を20mmHgに
設定した以外は、実施例1と同様の条件にしてジルコニ
ア粉末を得た。得られたジルコニア粉末は、2次凝集粒
子の平均粒径が0.6μmであり、BET比表面積が2
8m2/gであった。また、電子顕微鏡により2次粒子
の内部に閉気孔が観察された。
【0036】次いで、上記で得られたジルコニア粉末を
用いて、プレス成形により成形体を作製したところ、成
形体密度は2.55g/cm3であり、多数のラミネー
ションが観察された。この成形体を焼成して得られた焼
結体の密度は5.92g/cm3であり、曲げ強度は7
5kgf/mm2であった。また、得られた焼結体を観
察したところ、焼結体表面の多数のキズおよびエッジ部
の欠けが見られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−5006(JP,A) 特開 平4−357115(JP,A) 特開 昭61−256973(JP,A) 特開 平3−16918(JP,A) 特開 平4−209719(JP,A) 特開 平3−212905(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01G 25/00 - 47/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルカリ金属の化合物を含有する水和ジル
    コニアゲルを、水蒸気分圧20mmHg以上の雰囲気
    で、700〜1200℃の温度で仮焼して、粉砕するこ
    とを特徴とするジルコニア粉末の製造方法。
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