JP3331633B2 - 水和ジルコニアゾルおよびジルコニア粉末を製造する方法 - Google Patents

水和ジルコニアゾルおよびジルコニア粉末を製造する方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジルコニア薄膜材料、
ジルコニア系セラミックス原料粉末などに用いられる水
和ジルコニアゾル、および成形性によいものとすること
ができるジルコニア粉末に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ジルコニア微粉末の製造法として
は、 安定化剤の溶解している水和ジルコニアの微粒子の懸
濁液にアンモニア水を添加して、濾過,水洗,仮焼して
ジルコニア粉末を得る方法(特開昭63−129017
公報) ジルコニウム塩水溶液を加水分解処理したあと、粒径
0.1〜0.3μmの水和ジルコニアゾルを沈降法など
で分離して、ジルコニア粉末を得る方法(特開昭58−
217430号公報) 等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、のジルコ
ニア粉末は、BET比表面積が非常に大きい、即ち、粒
径の小さい微粉末であり、このように粒径が極めて小さ
くなると、粒子間の凝集力が著しく増加するために、得
られるジルコニア粉末は強固な凝集粉末になって、成形
しにくいものとなる。の方法で得られるジルコニア粉
末は、粒径の大きい粒子であり、このような粉末を用い
て得られる成形体は、粒子間の凝集力が著しく減少する
ため成形体強度が弱く、かつ、多数のラミネーションが
発生するため、成形しにくいものとなる。
【0004】本発明は、このような従来方法における欠
点を解消した、即ち、平均粒径が0.03μm以上0.
09μm以下の水和ジルコニアゾルを高濃度で、かつ、
短時間で製造することができ、さらに、その水和ジルコ
ニアゾルを用いて、成形性のよい、即ち、プレス成形性
がよく、さらに焼結性にも優れたジルコニア粉末を簡易
なプロセスにより製造することのできる方法の提供を目
的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らが、ジルコニ
ウム塩水溶液に水和ジルコニアを添加し、該水溶液はを
加水分解させて得られる水和ジルコニアゾルの平均粒
径、および仮焼による該ゾルの粒子構造の変化に注目し
て詳細に検討したところによれば、ジルコニウム塩水溶
液に水和ジルコニアを添加し、かつ、陰イオン濃度を
.2グラムイオン/l以上に調整するだけで、平均粒
径が0.03μm以上0.09μm以下の単斜晶系の水
和ジルコニアゾルを高濃度で、かつ、短い反応時間で容
易に得ることができ、さらに該ゾルまたは該ゾルとジル
コニア系セラミックスの製造に常用されるイットリア,
カルシア,マグネシア,セリアなどの安定化剤との混合
物を仮焼すると、成形性のよい、即ち、プレス成形性が
よく、さらに焼結性にも優れたジルコニア微粉末になる
ことを見い出し、本発明に到達した。即ち、本発明は、
ジルコニウム塩水溶液に水和ジルコニアをジルコニア換
算として5%以上添加し、かつ、陰イオン濃度を1.2
グラムイオン/l以上として加水分解させることを特徴
とする水和ジルコニアゾルの製造方法、および該ゾルの
懸濁液を乾燥したあと仮焼する、ジルコニア粉末の製造
方法を要旨とするものである。以下、本発明を更に詳細
に説明する。
【0006】本明細書において、水和ジルコニアゾルに
係わる「平均粒径」は、光子相関法によるが、電子顕微
鏡によって測定したものと実質上同じ値を示す。ジルコ
ニア粉末に係わる「平均粒径」とは、粒度分布測定装置
で測定される体積基準分布の累積分布が、50%に相当
するものをいう。「BET比表面積」とは、吸着分子と
して窒素を用いて測定したものをいう。加水分解反応に
係わる「水和ジルコニアの添加量」とは、原料仕込みの
ZrO量に対する水和ジルコニアのZrO量の比率
で表したものをいう。
【0007】本発明で得られるジルコニア粉末は、BE
T比表面積が3.5〜20m/gである。ジルコニア
微粉末のBET比表面積が3.5m/gよりも小さく
なると低温側で焼結しにくい粉末となり、また、20m
/gよりも大きくなると粒子間の凝集力が著しい粉末
となるために、セラミックス原料粉末として扱いにくく
適さないものとなる。より好ましいBET比表面積は、
4〜15m/gであり、さらに望ましくは、6〜13
/gである。
【0008】上記のジルコニア粉末は、凝集粒子の平均
粒径が3μm以下にあるものである。平均粒径が3μm
よりも大きくなると、硬い凝集粒子を含む粗粒が多くな
り、このような粉末を用いてプレス成形を行うと、硬い
凝集粒子はそのままに近い形状で成形体中に残り、それ
によって気孔径分布が広がるために成形体密度が低下
し、さらに焼結時には、多数の硬い凝集粒子が原因とな
って、不均一収縮が起り、かつ、焼結体中に気孔が数多
く残って焼結体特性の劣ったものになる。より好ましい
平均粒径は、0.3〜2μmであり、望ましくは0.5
〜1.5μmである。さらに、上記のジルコニア粉末
は、緻密な2次粒子を単位粒子として構成されている凝
集粒子である。ここで、緻密な2次粒子とは、電子顕微
鏡の観察から2〜10固の1次粒子が焼結して1個の緻
密な2次粒子を構成しているが、2次粒子内部の閉気孔
が、実質上、観測されない粒子のことである。2次粒子
内部に閉気孔が観測されると、成形体密度が低下し、か
つ、多数のラミネーションが発生するため成形性、さら
に焼結性の劣ったものとなる。
【0009】本発明で得られる水和ジルコニアゾルは、
平均粒径が0.03μm以上0.09μm以下であり、
かつ、結晶性のよい単斜晶系の結晶構造のものである。
平均粒径が0.03μmよりも小さくなると、仮焼する
際に粒径が小さいために強固な焼結が著しく起って、硬
い凝集を含む粗粒が多くなり、焼結体特性の劣ったもの
となる。また、単斜晶系よりも結晶性が悪くなって、陰
イオンを含む低周期性の化合物になると、酸性水溶液中
で安定に存在できにくくなり、長時間放置すると溶解し
ていくからである。より好ましい平均粒径は0.05〜
0.09μmである。
【0010】本発明において、ジルコニウム塩水溶液
に、ジルコニア換算量として5%以上の水和ジルコニア
を添加して、加水分解反応を行なうことを必要とする。
添加量が5%よりも小さくなると、単斜晶系の結晶構造
をもつ水和ジルコニアゾルが得られなくなり、さらに、
反応が完結するまでに長い時間がかかるため、工業的な
大量生産に適さないものとなる。より好ましい水和ジル
コニアの添加量は8〜30%である。また、ジルコニウ
ム塩水溶液に添加する水和ジルコニアは、結晶子径が1
5nm以下のものがよく、さらに、望ましくは2〜8n
mである。ここで、添加する水和ジルコニアとしては、
ジルコニム塩水溶液の加水分解により得られる水和ジル
コニアゾルの懸濁液、また、ジルコニム塩水溶液に酸ま
たはアルカリを添加した水溶液の加水分解により得られ
る水和ジルコニアゾルの懸濁液、さらに、それらの懸濁
液を乾燥したもの、懸濁液を蒸留水で洗浄して乾燥した
もの、または懸濁液をアルカリで中和して水洗したあと
に乾燥させた水和ジルコニアゾルの乾燥粉末を用いても
よい。
【0011】次に、ジルコニウム塩水溶液の濃度調整
は、該水溶液の陰イオン濃度が1.2グラムイオン/l
以上になるように設定しなければならない。陰イオン濃
度が1.2グラムイオン/lよりも小さくなると、次の
仮焼によって緻密な2次粒子が得られなくなり、かつ、
2次粒子間の凝集性が強くなって、プレス成形しにくい
ものとなるからである。さらに、加水分解時の生産性も
低下する。より好ましい陰イオン濃度は、1.2〜4グ
ラムイオン/lであり、さらに望ましくは1.5〜3グ
ラムイオン/lである。また、ジルコニウム塩水溶液の
ジルコニルイオン濃度は、陰イオン濃度が1.2グラム
イオン/l以上に設定できればいかなる濃度に設定して
もよいが、好ましくは0.5〜2.0mol/lであ
り、さらに望ましいは0.6〜1.5mol/lであ
る。水和ジルコニアゾルの製造に用いられるジルコニウ
ム塩としては、オキシ塩化ジルコニウム,硝酸ジルコニ
ウム,硫酸ジルコニウム,塩化ジルコニウム等が挙げら
れるが、これらの他に水酸化ジルコニウムと酸との混合
物を用いてもよい。水酸化ジルコニムを用いる場合、そ
の製造法としては種々の方法が選択でき、例えば、水溶
性のジルコニウム塩水溶液をアルカリで中和することに
より水酸化ジルコニウムを得ることができる。
【0012】上記の水和ジルコニアを含むジルコニウム
塩水溶液を加水分解するときの反応温度は、60〜15
0℃の範囲が好ましい。反応温度が150℃よりも高く
なると、水熱領域であることから工業的な大量生産が困
難になり、反応温度が60℃よりも低くなると、加水分
解反応の完結に長大な時間を要するため、生産効率が低
下するからである。望ましい反応温度は、80℃〜沸点
以下である。また、加水分解に要する反応時間は、水和
ジルコニアの添加量にもよるが、1〜80時間程度であ
る。
【0013】この反応によって得られた水和ジルコニア
含有液の乾燥方法に制限がなく、例えば、水和ジルコニ
アゾルを含む懸濁液をそのまま、または該懸濁液に有機
溶媒を添加してスプレーする方法、該懸濁液にアルカリ
などを添加して、濾過,水洗したあとに乾燥する方法を
挙げることができる。また、安定化剤の固溶しているジ
ルコニア微粉末を得るときには、水和ジルコニアゾルの
懸濁液に安定化剤、例えば、Y,Ca,Mg,Ceなど
の化合物を添加して乾燥してもよく、あるいは加水分解
反応のときに前もって添加してもよい。また、必要に応
じて安定化剤以外の金属化合物、例えば、Al,遷移金
属,希土類,アルカリ金属,アルカリ土類金属などの化
合物を上記と同様に添加してもよい。
【0014】次いで、本発明では、上記で乾燥した水和
ジルコニアゾルを仮焼する。仮焼するときの温度は、8
00〜1300℃の範囲に設定するとよい。仮焼温度が
800℃よりも小さくなると、次の粉砕によって得られ
るジルコニア微粉末のBET比表面積が20m/gよ
りも大きくなり、いっぽう、1300℃よりも大きくな
ると3.5m/gよりも小さくなって、本発明のジル
コニア粉末が得にくくなるからである。さらに、このよ
うな高い仮焼温度では、工業的な大量生産が困難である
ため、実用的でなくなる。より好ましい仮焼温度は、8
50〜1100℃であり、さらに望ましくは、仮焼温度
T(℃)が、上記の850〜1100℃の範囲内にあっ
て、水和ジルコニアの平均粒径φ(μm)との間の関係
が、 T≧3000φ+650 を満足するものである。
【0015】仮焼時の雰囲気ガスは、種々のガスを選択
することができる。このときに使用するガスは水蒸気を
含んでいるほうがよく、水蒸気分圧が30mmHg以上
のガスを用いたほうがよい。30mmHgよりも小さく
なると、仮焼時の水和ジルコニアの粒成長が抑制される
ために、低い仮焼温度で緻密な2次粒子が得にくくな
る。より好ましい水蒸気分圧は、40〜760mmHg
である。ガスの種類としては、空気,二酸化炭素,窒
素,酸素などを挙げることができる。仮焼の保持時間
は、0.5〜10時間がよく、昇温速度は0.5〜10
℃/minが好ましい。保持時間が0.5時間よりも小
さくなると均一に仮焼されにくく、10時間よりも長く
なると生産性が低下するので好ましくなくなる。また、
昇温速度が0.5℃/minよりも小さくなると設定温
度に達するまでの時間が長くなり、10℃/minより
も大きくなると仮焼時に粉末が激しく飛散して操作性が
悪くなり、生産性が低下する。尚、仮焼粉に含まれる不
純物は、水洗することにより容易に除去することができ
る。
【0016】上記の仮焼した粉末は、平均粒径が3μm
以下になるまで粉砕するほうがよい。平均粒径が3μm
よりも大きくなると、上記に記述したとおり、硬い凝集
粒子を含む粗粒が多くなって、焼結体特性が悪くなるか
らである。また、上記の平均粒径の範囲になるまで、粉
砕すると、通常、BET比表面積は仮焼粉のそれに対し
て、1.2〜3まで増加する。粉砕方法としては、乾式
または湿式のどちらを選んでもよい。粉砕機器として
は、種々の機器を選ぶことができ、ボールミル,振動ミ
ル,パールミルなどを挙げることができる。また、粉砕
条件は機種により異なるが、ボールミルを用いた場合、
スラリー濃度30〜50wt%,粉砕時間は10〜80
時間がよく、振動ミルを用いた場合、30〜60wt
%,粉砕時間は4〜30時間が最適である。
【0017】
【作用】ジルコニウム塩水溶液の加水分解により得られ
る水和ジルコニアゾルの結晶構造と平均粒径とが、水和
ジルコニアの添加量および陰イオン濃度に依存する理由
は明らかではないが、水和ジルコニアの構造は結晶性の
よい1次粒子が凝集した2次粒子からなっており、添加
した水和ジルコニアの1次粒子径と陰イオンとの相乗効
果により加水分解反応が促進され、単斜晶系の構造をも
つ1次粒子が生成し、さらに、その相乗効果と1次粒子
との相互作用により生成ゾルの2次粒子径に影響するも
のと推察される。
【0018】
【発明の効果】以上、説明したとおり、本発明によれ
ば、平均粒径が0.03μm以上の水和ジルコニアゾル
を高濃度で、かつ、短時間で製造することができ、さら
に、その水和ジルコニアゾルを用いて、成形性のよい、
即ち、プレス成形性がよく、さらに焼結性にも優れたジ
ルコニア微粉末を簡易なプロセスにより製造することが
できる。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。例中、水和ジルコニアの添加量は、[水和ジルコニ
アのZrO量]/[Zr OClのZrO量]の比
率(%)で表した。水和ジルコニアゾルの平均粒径は、
光子相関法により求めた。また、ジルコニア微粉末の平
均粒径は、遠心沈降法により求めた。
【0020】ジルコニア粉末のプレス成形は、金型プレ
スにより成形圧力700kgf/cmで行った。得ら
れた成形体は、1500℃,2時間の条件で焼結させ
た。
【0021】実施例1 0.4mol/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液を撹
拌しながら、加水分解反応を煮沸温度で160時間おこ
なった。得られた水和ジルコニア含有液2リットルを2
mol/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液3.6リッ
トルに添加し、蒸留水を加えて0.72mol/lのオ
キシ塩化ジルコニウム水溶液10リットルを調製した
(すなわち、水和ジルコニア添加量11%)。この原料
液を撹拌しながら、加水分解反応を煮沸温度で45時間
おこなった。得られた水和ジルコニアゾルの平均粒径は
0.06μmであり、粉末X線回折による回折パターン
は単斜晶系であった。
【0022】次いで、水和ジルコニアゾルを含む懸濁液
に塩化イットリウム97g添加して、スプレー乾燥させ
て、水和ジルコニアの乾燥粉末を調製した。その乾燥粉
末を水蒸気分圧100mmHgの空気中で、1035℃
の温度で2時間仮焼した。この仮焼粉を水洗したあと、
振動ミルでスラリー濃度35wt%,粉砕時間16時間
の条件で粉砕した。得られたジルコニア粉末は、BET
比表面積が10m2/gであり、平均粒径が0.6μm
であった。
【0023】上記で得られたジルコニア粉末を用いて、
プレス成形により成形体を作成したところ、成形体密度
は2.75g/cmであった。この成形体を焼成して
得られた焼結体の密度は6.05g/cmであり、3
点曲げ強度は120kgf/mmであった。
【0024】実施例2 0.4mol/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液を撹
拌しながら、加水分解反応を煮沸温度で160時間おこ
なった。得られた水和ジルコニア含有液1.5リットル
を2mol/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液2.7
リットルに添加し、蒸留水を加えて0.54mol/l
のオキシ塩化ジルコニウム水溶液10リットルを調製し
た(すなわち、水和ジルコニア添加量11%)。この原
料液を撹拌しながら、加水分解反応を煮沸温度で40時
間おこなった。得られた水和ジルコニアゾルの平均粒径
は0.07μmであり、粉末X線回折による回折パター
ンは単斜晶系であった。
【0025】次いで、水和ジルコニアゾルを含む懸濁液
に塩化イットリウム73g添加して、スプレー乾燥させ
て、水和ジルコニアの乾燥粉末を調製した。その乾燥粉
末を水蒸気分圧100mmHgの空気中で、1040℃
の温度で2時間仮焼した。この仮焼粉を水洗したあと、
振動ミルでスラリー濃度45wt%,粉砕時間8時間の
条件で粉砕した。得られたジルコニア粉末は、BET比
表面積が11m/gであり、平均粒径が1.1μmで
あった。
【0026】上記で得られたジルコニア粉末を用いて、
プレス成形により成形体を作成したところ、成形体密度
は2.83g/cmであった。この成形体を焼成して
得られた焼結体の密度は6.04g/cmであり、3
点曲げ強度は123kgf/mmであった。
【0027】実施例3 0.4mol/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液を撹
拌しながら、加水分解反応を煮沸温度で160時間おこ
なった。得られた水和ジルコニア含有液3.75リット
ルを2.5mol/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液
5.4リットルに添加し、蒸留水を加えて1.35mo
l/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液10リットルを
調製した(すなわち、水和ジルコニア添加量11%)。
この原料液を撹拌しながら、加水分解反応を煮沸温度で
45時間おこなった。得られた水和ジルコニアゾルの平
均粒径は0.05μmであり、粉末X線回折による回折
パターンは単斜晶系であった。
【0028】次いで、水和ジルコニアゾルを含む懸濁液
に塩化イットリウム181g添加して、スプレー乾燥さ
せて、水和ジルコニアの乾燥粉末を調製した。その乾燥
粉末を水蒸気分圧100mmHgの空気中で、1000
℃の温度で2時間仮焼した。この仮焼粉を水洗したあ
と、振動ミルでスラリー濃度35wt%,粉砕時間16
時間の条件で粉砕した。得られたジルコニア粉末は、B
ET比表面積が10m/gであり、平均粒径が0.7
μmであった。
【0029】上記で得られたジルコニア粉末を用いて、
プレス成形により成形体を作成したところ、成形体密度
は2.78g/cmであった。この成形体を焼成して
得られた焼結体の密度は6.05g/cmであり、3
点曲げ強度は121kgf/mmであった。
【0030】比較例1 0.8mol/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液を撹
拌しながら、加水分解反応を煮沸温度で300時間おこ
なった。得られた水和ジルコニアゾルの粉末X線回折に
よる回折パターンは、単斜晶系とは異なるものであっ
た。示差熱分析を行ったところ450℃付近に発熱ピー
クが観測され、結晶性の低い水和ジルコニアゾルである
ことを確認した。
【0031】比較例2 1.35mol/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液を
撹拌しながら、加水分解反応を煮沸温度で200時間お
こなったが、水和ジルコニアゾルは、ほとんど生成しな
かった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01G 25/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジルコニウム塩水溶液の加水分解により水
    和ジルコニアゾルを得る方法において、ジルコニウム塩
    水溶液に水和ジルコニアをジルコニア換算として5%以
    上添加し、かつ、陰イオン濃度を1.2グラムイオン/l
    以上として加水分解させることを特徴とする平均粒径
    0.03〜0.09μmの水和ジルコニアゾルを製造す
    る方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の方法で得られた水和ジルコ
    ニアゾルの懸濁液を乾燥したあと、仮焼することを特徴
    とするジルコニア粉末を製造する方法。
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