JP4432352B2 - 酸化ジルコニウム粉末の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はフェルール、ポンプ部材、工具、酸素センサー、燃料電池などに適用する部分安定化ジルコニア焼結体、及びその原料粉末並びにそれらの製造方法に関するものである。本発明の安定化剤を含んだ酸化ジルコニウム粉末は焼結助剤を添加しなくても低温焼結性に優れており、それを焼結した部分安定化ジルコニア焼結体は耐熱水劣化等の安定性に優れている。
【0002】
【従来の技術】
従来、酸化イットリウム等を安定化剤として含む部分安定化ジルコニア焼結体は、ジルコニウムとイットリウムの塩を用い、加水分解法や共沈法によって均一な酸化ジルコニウムと酸化イットリウムの混合粉末を得、該混合粉末を焼成(以降、仮焼と称する)した後、粉砕、成形、焼結して得られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
しかし、仮焼によって酸化ジルコニウム中に安定化剤を固溶させた粉末は、粒成長しており、高密度の焼結体を得るためには高温焼結が必要であった。また低温で焼結するためには長時間の粉砕による微細化が必要であった。
【0004】
一方、平均粒径が3〜10μmのバデライト鉱石(天然の酸化ジルコニウム鉱石)と安定化剤(酸化イットリウム)を混合し、径が2mm以下の粉砕メディアを用いた攪拌ミルで湿式粉砕して酸化イットリウムを固溶させ、成形、焼成する方法が知られている(例えば特許文献2参照)。
【0005】
しかしバデライト鉱石を用いて湿式粉砕によって安定化剤を固溶する方法では、上述の仮焼法による様な粒成長はなかったが、焼結体中に単斜晶が生成し易く、焼結体の品質が低いという問題があった。単斜晶生成は純度が99%以上の高純度天然バデライト鉱石を用いても避けられず、ごく希に単斜晶のない焼結体が得られることはあっても、再現性良く単斜晶のない焼結体を得ることはできなかった。
【0006】
さらに酸化ジルコニウム粉末に10モル%以上の安定化剤を加え、乾式粉砕により固溶することも報告されている(例えば非特許文献1)。しかし当該報告においても酸化ジルコニウムへの安定化剤の固溶については報告されているが、原料粉末の粒径の影響、固溶粉末の焼結特性について示唆されていなかった。
【0007】
【特許文献1】
特開昭63−185821号公報
【特許文献2】
特開平6―56527号公報
【非特許文献1】
J.Am.Ceram.Soc.76[11],2884−2888(1993)
【0008】
【発明が解決しようとしている課題】
仮焼法により安定化剤を固溶させた酸化ジルコニウム粉末は、粒成長しているために焼結性が悪く、焼結するためには長時間の粉砕が必要であった。また従来の粉砕による安定化剤を固溶した酸化ジルコニウム粉末では、焼結体中に単斜晶の生成が避けられず、その用途が限定された。本発明は、高密度で耐久性に優れた部分安定化ジルコニウム焼結体、及びその原料に好適な酸化ジルコニウム粉末、並びにそれらの製造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は酸化ジルコニウム粉末への安定化剤の固溶とその焼結について鋭意検討を重ねた結果、平均粒径が1μm以下の酸化ジルコニウムに安定化剤を加えた混合粉末をスラリー濃度30重量%以下で湿式粉砕し、平均粒径0.1μm以下までに微細化することにより格子定数が増大した粉末は低温焼結性に優れており、焼結体が高品質、高耐久性であることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0011】
本発明の製造方法より得られる酸化ジルコニウム粉末は、酸化ジルコニウムと安定化剤からなる粉末であり、酸化ジルコニウム格子中に安定化剤が固溶しており、結晶子径が25nm以下、平均粒径が0.01〜0.1μm、BET比表面積が30m2/g以上を満足する酸化ジルコニウム粉末である。
【0012】
本発明の製造方法により得られる酸化ジルコニウム粉末は、安定化剤と混合粉砕することによって安定化剤が酸化ジルコニウム粉末中に固溶した粉末である。安定化剤が固溶することにより、当該粉末のX線回折では安定化剤のピークが小さい、或いはピークが全く見られないものである。
【0013】
また本発明の製造方法により得られる粉末は、粉砕による安定化剤の固溶によって酸化ジルコニウムのX線回折の格子定数が粉砕前に比べて0.1%以上、特に好ましくは0.2%以上変動した粉末であることが好ましい。本発明の製造方法により得られる粉末と従来の粉末のXRDを図1に、格子定数を表1に示す。
【0014】
酸化ジルコニウムの格子定数が変動する原因は、粉砕によって結晶中のジルコニウムイオンが安定化剤のイオン(例えばイットリウムイオン)に置き換わることによるものである。例えばZr4+のイオン半径は0.86オングストローム、Y3+のイオン半径は1.04オングストロームであり、安定化剤のイオン半径の方が大きいために、安定化剤が固溶すると格子定数が増大する。同様にジルコニウムイオンより小さい安定化剤のイオン(例えばMg2+のイオン半径0.63オングストローム)を用いた場合には粉末の格子定数は減少する。
【0015】
酸化ジルコニウムの格子定数は、粉末X線回折装置のピークd値およびそこに対応するミラー指数(h,k,l)、結晶の晶系(今回の場合は単斜晶)から計算で求めることができる。計算方法はセラミックス基礎講座3−X線回折分析―(加藤誠軌著1990年)2.2.4(P57)(表2.2.1)および2.2.7(P63)(表2.2.5、式(2.2.6)(2.2.7)に記載されている方程式に各測定値を代入、方程式を解くことにより計算することができる。
【0016】
本発明の製造方法により得られる酸化ジルコニウム粉末は、仮焼によらず粉砕によって安定化剤を固溶させているものであり、結晶子径が25μm以下、平均粒径0.1μm以下、なおかつBET値が30m2/gより大きいものである。平均粒径が0.1μmを越える、或いはBET値が30m2/g未満の粉末では焼結性が悪く、それを焼結しても後述する本発明の焼結体は得られない。
【0017】
粉末の結晶子径は電子顕微鏡観察、或いはX線回折の半値幅測定によって評価でき、粒径は分散粉末の顕微鏡観察の画像解析、BET値はガス吸着による汎用のBET測定装置によって夫々評価することができる。
【0018】
従来、仮焼によって酸化ジルコニウム中に安定化剤を固溶した粉末では、粉砕によって平均粒径を0.1〜0.6μm程度としたものは報告されているが、仮焼によって結晶成長しているため、結晶子径が25nmを越えるものしか得られない。また従来の粉砕によって安定化剤を固溶させた粉末では、結晶子径が25nm以下のものはあっても、上記の平均粒径、BET値、或いは格子定数の関係を満足するものは得られていない。
【0019】
本発明における安定化剤は、イットリウム、セリウム、マグネシウム、カルシウム、スカンジウムの中から選ばれる少なくとも1つの元素を含むもの、例えばこれらの酸化物であることが好ましい。
【0020】
安定化剤の添加量は、酸化ジルコニウム:安定化剤のモル比で98:2〜88:12の範囲が好ましく、特に98:2〜90:10、さらには98:2〜95:5の範囲が好ましい。モル比で98:2より安定化剤が少ないと焼結体中に単斜晶が生成し易く、焼結体の品質が低い。一方、モル比で88:12よりも安定化剤が多い場合、焼結性が低く、得られた焼結体を酸素イオン伝導体として用いる場合に性能(イオン伝導性)が低い。
【0021】
上述の酸化ジルコニウム粉末は、平均粒径が1μm以下の酸化ジルコニウムと安定化剤の混合粉末をスラリー濃度30重量%以下とし、湿式粉砕によって平均粒径0.1μm以下とすることによって得られる。
【0022】
粉砕する酸化ジルコニウム粉末の平均粒径は1μm以下であることが好ましく、特に好ましくは0.5〜1μmであることが好ましい。平均粒径が1μmより大きい酸化ジルコニウム粉末を用いた場合、安定化剤の分散、固溶が不均一となり、それを成形焼結しても本発明の焼結体は得られ難い。また用いる平均粒径が1μm以下の酸化ジルコニウムとしては、粒径がその範囲内であれば特に限定しないが、例えばジルコニウム塩の加水分解、中和沈殿物を熱処理した合成品を用いることが好ましい。
【0023】
安定化剤の平均粒径は特に限定しないが5μm以下、特に2μm以下の微細なものを用いることが好ましい。
【0024】
酸化ジルコニウム粉末と安定化剤の平均粒径は、夫々顕微鏡観察の画像解析或いは、液中レーザー回折法による粒度分布測定(例えばマイクロトラック(日機装製))等で測定することができる。
【0025】
本発明の製造方法により得られる酸化ジルコニウム粉末は低温焼結性に優れるため、アルミナ等の焼結助剤の添加が不要であり、高純度とすることができる。酸化ジルコニウム及び安定化剤の純度は特に限定しないが99%以上、特に99.9%以上の高純度品を用いることが好ましい。中でもSi、Feなどの不純物を含まない方が好ましく、またなるべく塩素を含まないことが望ましい。塩素を含有していると、成形、焼結時に空孔や亀裂の発生を助長するためである。
【0026】
本発明における湿式粉砕では、スラリー濃度が30重量%以下、特に20%重量以下であることが好ましい。スラリー濃度が高くなると、粘度が高くなり、安定化剤の固溶、固溶が十分でない。一方、スラリー濃度が低すぎると1バッチあたりの粉砕量が減少し、粉砕効率も悪くなるため、スラリー濃度の下限は5重量%程度である。
【0027】
用いる溶媒は特に限定されず、水、アルコール等の溶媒が用いることが出来る。またスラリーに分散剤を加えることによって粘度を下げ、粉砕効率を上げることも可能である。
【0028】
湿式粉砕に用いる装置としては、メディア攪拌型ミル、遊星形ボールミルなど、微粉砕が可能な装置を用いることが好ましい。ここで不純物の問題を考慮すると、各装置の内壁、粉砕メディアとしてセラミックス製、特に酸化ジルコニウムのメディアを用いたものが望ましい。
【0029】
用いる粉砕メディアの大きさは小さい方が好ましく、2mm以下、特に0.5mm以下のものを用いると良い。粉砕メディア径が2mmより大きいものでは、粉砕並びに安定化剤の固溶の効率が悪いためである。
【0030】
次に本発明の製造方法により得られる粉末から得られる部分安定化ジルコニア焼結体を説明する。
【0031】
本発明の製造方法により得られる粉末から得られる部分安定化ジルコニア焼結体は、相対密度が95%以上、X線回折における回折ピークが酸化ジルコニウムの正方晶及び/又は立方晶のみからなり、焼結体の焼結粒径の平均粒径のプラスマイナス30%の範囲にある粒径が全体の55%以下である部分安定化ジルコニア焼結体である。
【0032】
本発明の製造方法により得られる粉末から得られる部分安定化ジルコニア焼結体は相対密度が95%以上である。焼結密度が95%より小さいと、焼結体の強度が不十分である。部分安定化ジルコニア焼結体の真密度(相対密度100%)は、安定化剤の量、種類によって異なる。例えばイットリアが3モル%の場合の真密度は6.09g/cm3、8モル%では5.95g/cm3である。またセリアを安定化とした酸化ジルコニアの場合、12モル%入っている場合で6.25g/cm3である。これらの焼結密度は一般的なアルキメデス法で測定できる。
【0033】
本発明の製造方法により得られる粉末から得られる部分安定化ジルコニア焼結体は、X線回折における回折ピークが正方晶及び/又は立方晶のみからなるものである。部分安定化ジルコニア焼結体において、正方晶とはX線回折の線源としてCuKαを用いた場合、代表的なピークとして例えば2θの30°付近に(111)面が現れるものであり、同様に立方晶とは30°付近に(111)面、また単斜晶とは28°付近に(−111)面および31°付近に(111)面が現れるものである。焼結体のX線回折ピークを図2に示す。
【0034】
さらに本発明の製造方法により得られる粉末から得られる焼結体は、焼結粒径の平均粒径のプラスマイナス30%の範囲にある粒径が全体の55%以下であり、焼結粒径の分布がブロードな焼結体である。部分安定化ジルコニアは、用いる安定化剤によって焼結粒径の大きさは異なるが、従来の焼結体は焼結粒径のサイズが揃っており、平均粒径のプラスマイナス30%の範囲の粒径が55%を越えるものであった。それに対して、本発明の製造方法により得られる粉末から得られる焼結体は、焼結粒径の分布がブロードであり、平均焼結粒径のプラスマイナス30%より小さな焼結粒径と大きな焼結粒径を含むものである。この様なサイズの粒径を含むことにより、本発明の製造方法により得られる粉末から得られる焼結体は高品質となる。従来、小さい焼結粒径のみを含む焼結体、或いは大きい焼結粒径だけによる焼結体は、焼結温度を変えれば得られるが、その様な方法では本発明の様な焼結粒径の分布を有する焼結体は得られない。本発明の製造方法により得られる粉末から得られる焼結体と従来の焼結体の焼結粒径分布のを図3に示す。
【0035】
本発明の製造方法により得られる粉末から得られる焼結体は、上述した本発明の製造方法により得られる粉末を乾燥、成形、焼結することによって得ることが出来る。粉末の成形法は特に限定されず、プレス成形、鋳込み成形等が適用できる。焼結温度は特に限定しないが、部分安定化ジルコニアの場合(例えば酸化イットリウム含有量2〜5mol%)、焼結温度は1250〜1500℃で行うことが好ましい。1250℃それよりも低い温度では密度が上り難い。一方、1500℃以上としても焼結密度は飽和し、向上しない。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実験例に基づき説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
【0037】
実施例1
酸化ジルコニウム粉末(東ソー株式会社製TZ−0 平均粒径0.1μm)と酸化イットリウム粉末(平均粒径1.4μm)をモル比で97:3の割合で混合し、純水を加えてスラリー濃度が20重量%のスラリーとした。スラリーの平均粒径は分散させた粉末のSEM像を画像解析することによって算出した。該スラリーを遊星形ボールミル(フリッチュ製)にてボール:スラリー粉末重量比30:1、回転速度220rpm、粉砕時間5時間で強粉砕した。粉砕後のスラリー中の粒子粒径は上記と同様の方法の測定で0.05μmであった。次に粉砕されたスラリーをロータリーエバポレーターを用いて乾燥した。その後ステンレス製篩にて150μm以下の大きさに篩って乾燥粉とした。
【0038】
乾燥後の粉末のX線回折を図1に示す。粉末には酸化イットリウムのピークは認められず、全て固溶していた。またわずかに正方晶のピーク生成が認められた。
【0039】
次に上記の粉末を一軸プレス成形にて予備成形した後、さらにCIP(2000kgf/cm2)の圧力で成形体とした。当該成形体を大気焼成炉にて100℃/hrで1400℃まで昇温し、1400℃で2時間保持した後、200℃/hrにて降温した。
【0040】
図2に得られた焼結体のX線回折ピーク図、表1に回折ピークから求めた格子定数を示す。得られた焼結体は酸化ジルコニウムの正方晶のピークのみが見られ、単斜晶のピークは見られなかった。
【0041】
得られた焼結体についてアルキメデス法により見掛密度を測定した結果、6.02g/cm3であり、相対密度で98.9%であった。
【0042】
同様の方法にて調製した成形体を1100℃から1400℃まで温度を変えて焼結した。得られた焼結体の見掛密度の変化を図4に示す。横軸は焼結温度、縦軸は3モル%イットリウム含有酸化ジルコニウムの真密度を6.09g/cm3とした場合の相対密度である。本発明では、比較的低温から高い焼結密度が得られた。
【0043】
次に得られた焼結体を100℃で115時間煮沸した。本発明の製造方法により得られる粉末から得られる焼結体は、単斜晶の生成率が小さく、耐熱水劣化に優れていた。結果を図5に示す。
【0044】
結果を表2に示す。
【0045】
比較例1
実施例1と同様の原料スラリーをポットミルにて粉砕ボール径10mm、スラリー濃度35%、ボール:スラリー粉末重量比20:1、回転速度60rpm、粉砕時間24時間で粉砕した。粉砕されたスラリーは実施例1と同様の操作にて乾燥粉末および焼結体を得た。
【0046】
得られた粉末のX線回折測定を行ったところ、酸化ジルコニウムの単斜晶および酸化イットリウムのピークが見られ、酸化イットリウムが酸化ジルコニウム中に固溶しておらず、格子定数の増加も0.01%より小さかった。同様に得られた焼結体のX線回折測定を行った結果、単斜晶のピークが見られた。
【0047】
さらに得られた焼結体を100℃で115時間煮沸した。実施例1の焼結体に比べて単斜晶の比率が高く、耐熱水劣化に劣っていた。結果を図5に示す。
【0048】
比較例2
酸化ジルコニウム(平均粒径0.1μm)と酸化イットリウム(平均1.4μm)をモル比の97:3で混合後900℃で仮焼し、イットリウムの固溶した酸化ジルコニウム粉末を調製し、当該粉末を用いて実施例1と同様の操作にて焼結体とした。焼結体のX線回折では、酸化ジルコニウムの正方晶のピークのみが見られ、単斜晶のピークは見られなかった。また、得られた焼結体の密度は6.07g/cm3で、相対密度で99.7%であった。
【0049】
得られた焼結体を100℃で115時間煮沸した。煮沸後の単斜晶の生成率は実施例1と比べて高く、耐熱水劣化に劣っていた。
【0050】
同様の方法にて作成した成形体を1100℃から1400℃までの間で温度を変えて焼結を行った見掛密度を図4に示す。実施例1と比較して、緻密となるために高い温度が必要であった。結果を表2に示す。
【0051】
【表1】
【表2】
【発明の効果】
本発明の製造方法により得られる酸化ジルコニウム粉末及びその粉末から得られる部分安定化ジルコニア焼結体は以下の効果を有する。
1)本発明の製造方法により得られる酸化ジルコニウム粉末は低温焼結性に優れ、なおかつ焼結した際に単斜晶の生成がない。
2)本発明の製造方法により得られる粉末から得られる部分安定化ジルコニア焼結体は、耐熱水劣化性に優れる。
3)本発明の方法は、粉末及び焼結体の製造工程が簡便である。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸化ジルコニウム粉末、及び酸化ジルコニウムと安定化剤(酸化イットリウム)を粉砕した後のX線回折パターン。
【図2】安定化剤を含む酸化ジルコニウムの焼結体のX線回折パターン。
【図3】安定化剤を含む酸化ジルコニウムの焼結体粒子サイズの分布。
【図4】安定化剤を含む酸化ジルコニウムの焼結温度と焼結密度の関係。
【図5】安定化剤を含む酸化ジルコニウムの煮沸時間と単斜晶率の関係。
Claims (1)
- 平均粒径が1μm以下の酸化ジルコニウムと安定化剤の混合粉末を、スラリー濃度30重量%以下で湿式粉砕することにより平均粒径0.1μm以下とすることを特徴とする、酸化ジルコニウム格子中に安定化剤が固溶しており、結晶子径が25nm以下、平均粒径が0.01〜0.1μm、BET比表面積が30m 2 /g以上の酸化ジルコニウム粉末の製造方法。
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