JP2001353821A - 熱収縮性多層フィルム - Google Patents

熱収縮性多層フィルム

Info

Publication number
JP2001353821A
JP2001353821A JP2000176375A JP2000176375A JP2001353821A JP 2001353821 A JP2001353821 A JP 2001353821A JP 2000176375 A JP2000176375 A JP 2000176375A JP 2000176375 A JP2000176375 A JP 2000176375A JP 2001353821 A JP2001353821 A JP 2001353821A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
component
styrene
meth
monomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000176375A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4702980B2 (ja
Inventor
Hideki Totani
英樹 戸谷
Masahiko Aoki
賢彦 青木
Eiji Sato
英次 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denki Kagaku Kogyo KK filed Critical Denki Kagaku Kogyo KK
Priority to JP2000176375A priority Critical patent/JP4702980B2/ja
Publication of JP2001353821A publication Critical patent/JP2001353821A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4702980B2 publication Critical patent/JP4702980B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バージン材でも、バージン材にリターン材混
入して得たフイルムでも透明性、熱収縮性、剛性、衝撃
強度に優れた熱収縮性多層フィルムを提供すること。 【解決手段】 スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸
エステル単量体からなる特定の屈折率を有する共重合体
と特定の屈折率を有するゴム状弾性体とからなるA成分
で形成され少なくとも1層と、スチレン系単量体と共役
ジエンからなるブロック共重合体、スチレン系重合体、
スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル及び/
又は(メタ)アクリル酸からなる共重合体を主体とした
特定の屈折率からなるB成分で形成された少なくとも1
層からなる熱収縮性多層フイルムとすること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バージン材で得た
フイルムでも、バージン材にリターン材を混入して得た
フイルムでも透明性、熱収縮性、剛性、衝撃強度に優れ
た熱収縮性多層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、容器の収縮包装や収縮ラベルとし
て用いられる熱収縮性フィルムには、熱収縮性や収縮後
の仕上がりがよく、廃棄の際にもポリ塩化ビニルのよう
な有害物質の問題がない点から、スチレン−ブタジエン
系ブロック共重合体フィルムが用いられている。しか
し、このフィルムは柔らかく腰がない、自然収縮が大き
いといった問題があり、これらの欠点を改良すべく各種
多層フィルムが提案されている(特開平9−11438
0号公報、特開平11−77916号公報)。一方、実
際のフィルム製膜は、得られたフィルムの端や良品が得
られるまでにできた不要フィルムをリターン材としてバ
ージン材と混ぜて行うのが通常である。しかしながら、
上記の各種多層フィルムは、リターン材をバージン材と
混合した際に白濁してしまい、フィルムとして使用でき
ないという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な状況を踏まえ、バージン材で得たフイルムの透明性、
熱収縮性、剛性、衝撃強度に優れ、さらにバージン材に
リターン材を混入して得たフイルムでも透明性、熱収縮
性、剛性、衝撃強度に優れた熱収縮性多層フィルムを提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる目
的を果たすべく鋭意研究を重ねた結果、スチレン系単量
体と(メタ)アクリル酸エステルからなる特定の屈折率
を有する共重合体と特定の屈折率を有するゴム状弾性体
とからなる組成物を多層フィルムの少なくとも1層と
し、スチレン系単量体と共役ジエンからなるブロック共
重合体、スチレン系重合体、並びにスチレン系単量体と
(メタ)アクリル酸エステル及び/又は(メタ)アクリ
ル酸からなる共重合体より選ばれた少なくとも1種以上
の重合体を主体とした少なくとも1層を他層として形成
させることにより、バージン材で得たフイルムの透明
性、熱収縮性、剛性、衝撃強度に優れ、さらにリターン
材が混入したフイルムでも透明性、熱収縮性、剛性、衝
撃強度に優れた多層フィルムが得られることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、(a)温度23℃にお
ける屈折率が1.550〜1.580であるスチレン系
単量体と(メタ)アクリル酸エステルからなる共重合体
(以下、スチレン系単量体−(メタ)アクリル酸エステ
ル共重合体という)と、(b)温度23℃における屈折
率が1.535〜1.550のゴム状弾性体の質量比
が、(a)/(b)=60/40〜97/3であるA成
分で形成された少なくとも1層と、(I)スチレン系単
量体と共役ジエンからなるブロック共重合体(以下、ス
チレン系単量体−共役ジエンブロック共重合体とい
う)、(II)スチレン系重合体、並びに(III)ス
チレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル及び/又
は(メタ)アクリル酸からなる共重合体より選ばれた少
なくとも1種以上の重合体を主体とし、温度23℃にお
ける屈折率が1.568〜1.582であるB成分で形
成された少なくとも1層を有する熱収縮性多層フィルム
である。
【0006】特に、表裏層が(a)温度23℃における
屈折率が1.550〜1.580であるスチレン系単量
体−(メタ)アクリル酸エステル共重合体と、(b)温
度23℃における屈折率が1.535〜1.550のゴ
ム状弾性体の質量比が、(a)/(b)=60/40〜
97/3であるA成分で形成され、中間層が(I)スチ
レン系単量体−共役ジエンブロック共重合体、(II)
スチレン系重合体、並びに(III)スチレン系単量体
と(メタ)アクリル酸エステル及び/又は(メタ)アク
リル酸からなる共重合体より選ばれた少なくとも1種以
上の重合体を主体とし、かつ温度23℃における屈折率
が1.568〜1.582であるB成分で形成された熱
収縮性多層フィルムである。
【0007】また、逆に表裏層が(I)スチレン系単量
体−共役ジエンブロック共重合体、(II)スチレン系
重合体、並びに(III)スチレン系単量体と(メタ)
アクリル酸エステル及び/又は(メタ)アクリル酸から
なる共重合体より選ばれた少なくとも1種以上の重合体
を主体とし、かつ温度23℃における屈折率が1.56
8〜1.582であるB成分で形成され、中間層が
(a)温度23℃における屈折率が1.550〜1.5
80であるスチレン系単量体−(メタ)アクリル酸エス
テル共重合体と、(b)温度23℃における屈折率が
1.535〜1.550のゴム状弾性体の質量比が、
(a)/(b)=60/40〜97/3であるA成分で
形成された熱収縮性多層フィルムである。
【0008】また、A成分の(a)温度23℃における
屈折率が1.550〜1.580であるスチレン系単量
体−(メタ)アクリル酸エステル共重合体として、スチ
レン系単量体がスチレン及び(メタ)アクリル酸エステ
ル単量体がメチルメタクリレートである単量体を重合し
て得られる重合体、又はスチレン系単量体がスチレン及
び(メタ)アクリル酸エステル単量体がメチルメタクリ
レートとn−ブチルアクリレートである単量体を重合し
て得られる重合体を用いることが特に好ましい熱収縮性
多層フィルムである。
【0009】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の
A成分として用いられる(a)スチレン系単量体−(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体に使用されるスチレン
系単量体及び(メタ)アクリル酸エステルは下記のとお
りである。スチレン系単量体とは、スチレン、α−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチ
レンなどをあげることができるが、好ましくはスチレン
である。これらスチレン系単量体は、単独で用いてもよ
いが二種以上を併用してもよい。一方(メタ)アクリル
酸エステル単量体とは、メチルメタクリレート、エチル
メタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、n−ブチルアクリレート、2−メチルヘキシルア
クリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチ
ルアクリレートなどがあげられるが、好ましくはメチル
メタクリレート及び/又はn−ブチルアクリレートであ
る。これらの(メタ)アクリル酸エステル単量体は単独
で用いてもよいが二種以上を併用してもよい。メチルメ
タクリレートとn−ブチルアクリレートの併用は好適な
例である。また、必要に応じて、本発明の目的を損なわ
ない範囲で他の単量体を用いることもできる。例えば共
重合可能な単量体としてアクリル酸、メタアクリル酸、
マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸等が用いられ
る。
【0010】本発明に用いる(a)スチレン系単量体−
(メタ)アクリル酸エステル共重合体の製造法には、ス
チレン系重合体の製法で常用されている塊状重合法、溶
液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などが用いられる。
また、回分式重合法、連続式重合法のいずれの方法も用
いることができる。
【0011】これらの重合法は、重合開始剤としてアゾ
ビスブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニ
トリルなどのアゾ化合物や、ベンゾイルパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパ
ーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチル
パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、エチル−
3,3−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブチレートなど
の有機過酸化物を用いることができる。また、分子量調
整剤としてt−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメ
ルカプタン、4−メチル−2,4−ジフェニルペンテン
−1を、可塑剤としてはブチルベンジルフタレートやジ
イソブチルアジペートなどを必要に応じて添加してもよ
い。
【0012】本発明に用いる(a)スチレン系単量体−
(メタ)アクリル酸エステル共重合体の温度23℃にお
ける屈折率は、1.550〜1.580である。1.5
50未満ではリターン材を混入時の透明性が劣り、1.
580を超えるとフィルム製造時の延伸温度が高くな
り、またフイルムの熱収縮性が劣るので、実用に供せな
い。
【0013】本発明に用いる(b)ゴム状弾性体として
は、スチレン系単量体と共役ジエンからなるブロック共
重合体、MBS樹脂、MBAS樹脂があげられる。これ
らのゴム状弾性体は単独でも、混合しても用いることが
できる。なお、これらは用いる際の屈折率は後記するよ
うに1.535〜1.550の範囲を満足することが必
要である。
【0014】スチレン系単量体と共役ジエンからなるブ
ロック共重合体は、有機溶剤中で有機リチウム化合物を
開始剤としてスチレン系単量体と共役ジエンを特定の条
件下で重合することによって得られる。有機溶剤として
はブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタ
ン、オクタン、イソオクタンなどの脂肪族炭化水素、シ
クロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなど
の脂環式炭化水素あるいはベンゼン、トルエン、エチル
ベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素など公知の有
機溶剤が使用できる。また、有機リチウム化合物は分子
中に1個以上のリチウム原子が結合した化合物であり、
例えばエチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプ
ロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチル
リチウム、t−ブチルリチウムなどが使用できる。
【0015】使用されるスチレン系単量体としては、前
記の(a)スチレン系単量体−(メタ)アクリル酸エス
テル共重合体で述べたと同様のものがあげられる。ま
た、使用される共役ジエンとしては、1,3−ブタジエ
ン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、
2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペン
タジエン、1,3−ヘキサジエンなどあげられるが、特
に一般的なものとしては、1,3−ブタジエン、イソプ
レンである。
【0016】使用されるブロック共重合体の構造や組成
などに特に制限はない。全体の構造としては線状の共重
合体、星形の共重合体があげられる。線状の共重合体の
分子量を上げたり、星形にするために公知のカップリン
グ剤を使用することができる。また、ブロック共重合体
を構成する各ブロック部分の構造もスチレン系単量体、
あるいは共役ジエン単量体の単独ブロック、両者のテー
パードブロック、ランダムブロックのどれでも良い。テ
ーパードブロックやランダムブロック部分を形成するた
めに、公知のランダム化剤を用いたり、両者を重合缶に
連続フィードしたり、交互に少量ずつ添加しても良い。
【0017】MBS樹脂、MBAS樹脂は、まずポリブ
タジエン又はブタジエンを主成分とするスチレンとの共
重合体ゴムラテックスを公知の乳化重合法で製造する。
この際に、架橋剤や連鎖移動剤を使用しても良い。次
に、MBS樹脂は、このゴムラテックスにスチレン及び
メチルメタクリレートを、MBAS樹脂はスチレン、メ
チルメタクリレート、アルキルアクリレート及び/又は
アクリロニトリルを添加し、グラフト重合を行うことに
よって得られる。MBAS樹脂に使用されるアルキルア
クリレートは、前記の(a)スチレン系単量体−(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体で述べたと同様のもの
があげられる。
【0018】本発明に用いる(b)ゴム状弾性体の温度
23℃における屈折率は、1.535〜1.550であ
る。1.535未満ではリターン材を混入時の透明性が
劣り、1.550を超えると衝撃強度に劣り、実用に供
せない。
【0019】本発明のA成分を構成する(a)スチレン
系単量体−(メタ)アクリル酸エステル共重合体と、
(b)ゴム状弾性体の質量比は、(a)/(b)=60
/40〜97/3であり、好ましくは70/30〜95
/5であり、さらに好ましくは75/25〜91/9で
ある。(a)の割合が60質量%では剛性が劣り、97
質量%以上では衝撃強度に劣り、実用に供せない。
【0020】(a)と(b)の混合方法は特に規定はな
いが、例えばヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、
Vブレンダーなどでドライブレンドしてもよく、さらに
押出機で溶融化してペレット化しても良い。
【0021】つぎに、本発明のB成分として用いられる
(I)スチレン系単量体−共役ジエンブロック共重合
体、(II)スチレン系重合体、並びに(III)スチ
レン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル及び/又は
(メタ)アクリル酸からなる共重合体について説明す
る。本発明の(I)スチレン系単量体−共役ジエンブロ
ック共重合体は、スチレン系単量体と共役ジエンを、前
記の(b)のスチレン系単量体と共役ジエンのブロック
共重合体で述べたと同様の有機溶媒、開始剤を用いて重
合することによって得られる。
【0022】使用されるスチレン系単量体としては、前
記の(a)スチレン系単量体−(メタ)アクリル酸エス
テル共重合体や(b)スチレン系単量体と共役ジエンの
ブロック共重合体で述べたと同様のものがあげられる。
また、使用される共役ジエンとしては、(b)スチレン
系単量体と共役ジエンのブロック共重合体で述べたと同
様のものがあげられる。
【0023】使用されるブロック共重合体の構造や組成
などに特に制限のないことも、前記の(b)スチレン系
単量体と共役ジエンのブロック共重合体と同様である。
【0024】つぎに、本発明に用いられる(II)スチ
レン系重合体としては、前記の(a)スチレン系単量体
−(メタ)アクリル酸エステル共重合体や(b)スチレ
ン系単量体と共役ジエンのブロック共重合体で述べたと
同様のスチレン系単量体を用い、これらスチレン系単量
体の単独重合体又は二種以上の共重合体、さらには耐衝
撃性ポリスチレン(HIPS)があげられる。
【0025】また、本発明に用いられる(III)スチ
レン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル及び/又は
(メタ)アクリル酸からなる共重合体は、スチレン系単
量体と(メタ)アクリル酸エステル及び/又は(メタ)
アクリル酸を重合することによって得られる。スチレン
系単量体としては、前記の(a)スチレン系単量体−
(メタ)アクリル酸エステル共重合体や(b)スチレン
系単量体と共役ジエンのブロック共重合体で述べたと同
様のスチレン系単量体があげられる。(メタ)アクリル
酸エステルとしては、前記の(a)スチレン系単量体と
(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体で述べたと同
様の(メタ)アクリル酸エステルがあげられる。また、
(メタ)アクリル酸としては、アクリル酸、メタアクリ
ル酸があげられる。
【0026】本発明において、(I)スチレン系単量体
−共役ジエンブロック共重合体、(II)スチレン系重
合体、(III)スチレン系単量体と(メタ)アクリル
酸エステル及び/又は(メタ)アクリル酸からなる共重
合体は、それぞれ単独で多層フィルムの層を形成しても
良いし、二種以上の混合物を主体として多層フィルムの
層を形成しても良い。混合する際は、前記したA成分の
場合と同様の方法を用いることができる。
【0027】なお、このB成分の温度23℃における屈
折率は、1.568〜1.582である。1.568未
満では剛性に劣り、1.582を超えるとフィルム製造
時の延伸温度が高くなり、またフイルムの熱収縮性に劣
るので、実用に供せない。
【0028】また、本発明に用いる各(共)重合体に
は、必要に応じて、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、可塑
剤、粘着付与剤、着色剤、帯電防止剤、鉱油、難燃化
剤、フィラーなどの添加剤を本発明の効果を阻害しない
範囲で配合しても良い。添加剤を配合する方法について
は、特に規定はないが、たとえばヘンシェルミキサー、
リボンブレンダー、Vブレンダーなどでドライブレンド
しても良く、さらに押出機で溶融してペレット化しても
良い。あるいは、各重合体の製造時、重合開始前、重合
反応途中、重合体の後処理などの段階で、添加しても良
い。
【0029】なお、本発明で用いる可塑剤としては、オ
レイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸など脂肪族
−塩基酸エステル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ
イソブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸
ジ−2−エチルヘキシル、サバシン酸ジブチル、サバシ
ン酸ジ−2−エチルヘキシルなどの脂肪族−二塩基酸エ
ステル、あるいはフタル酸ジメチル、フタル酸ジエチ
ル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フ
タル酸ジ−2−エチルヘキシルなどのフタル酸エステル
が好ましい。好ましい添加量としては、A成分100質
量部に対して0〜3質量部添加することが好ましい。
【0030】本発明の熱収縮性多層フィルムは、表裏層
用、中間層用に上記の樹脂を各々押出機で溶融し、それ
をダイ内又はフイードブロックなどで多層化後、一軸、
二軸あるいは多軸に延伸することによって得られる。ダ
イは、Tダイ、環状ダイなど公知のものが使用できる。
一軸延伸の例としては、押し出されたシートをテンター
で押し出し方向と直交する方向に延伸する方法、押し出
されたチューブ状フィルムを円周方向に延伸する方法な
どがあげられる。二軸延伸の例としては、押し出された
シートをロールで押し出し方向に延伸した後、テンター
などで押し出し方向と直交する方向に延伸する方法、押
し出されたチューブ状フィルムを押し出し方向及び円周
方向に同時又は別々に延伸する方法などがあげられる。
【0031】本発明において、延伸温度は60〜120
℃が好ましい。60℃では延伸時にシートやフィルムが
破断してしまい、また、120℃を越える場合は良好な
収縮特性が得られないため好ましくない。延伸倍率は、
特に制限はないが、1.5〜8倍が好ましい。1.5倍
では熱収縮性が不足してしまい、また、8倍を越える場
合は延伸が難しいため好ましくない。これらのフィルム
を熱収縮性ラベルや包装材料として使用する場合、熱収
縮率は温度80℃において20%以上必要である。20
%では収縮時に高温が必要となるため、被覆される物品
に悪影響を与えてしまい好ましくない。フィルムの厚さ
は10〜300μmが好適である。
【0032】また、本発明は、本発明の熱収縮性多層フ
ィルムのリターン材を、A成分及び/又はB成分のバー
ジン材に混入して得た熱収縮性多層フィルムは、透明
性、熱収縮性、剛性、衝撃強度にも優れた熱収縮性多層
フィルムを形成するものである。この混合割合は、特に
限定されるものではないが、好ましくはA成分及び/又
はB成分のバージン材に50質量%以下(但し、0質量
%は含まず)混合することが透明性から望まれる。
【0033】また、本発明では、得られたフィルムの表
面特性を良好にするために帯電防止剤や滑剤などを表面
に塗布してもよい。
【0034】本発明の熱収縮性フィルムの用途として
は、熱収縮性ラベル、熱収縮性キャップシールなどが特
に好適であるが、その他、包装フィルムなどにも適宜利
用することができる。
【0035】
【実施例】次に実施例をもって本発明をさらに説明する
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0036】実施例1〜9及び比較例1〜8 (イ)原料重合体について A成分:(a)スチレン系単量体−(メタ)アクリル酸
エステル共重合体 表1に示すとおりのスチレン系単量体−(メタ)アクリ
ル酸エステル共重合体を用いた。
【0037】
【表1】
【0038】A成分:(b)ゴム状弾性体 表2に示すとおりのゴム状弾性体を用いた。
【0039】
【表2】
【0040】B成分:表3に示すとおりの(I)スチレ
ン系単量体−共役ジエンブロック共重合体、(II)ス
チレン系重合体、並びに(III)スチレン系単量体と
(メタ)アクリル酸エステル及び/又は(メタ)アクリ
ル酸からなる共重合体を用いた。
【0041】
【表3】
【0042】屈折率は、各重合体の射出成形品(厚さ2
mm)を、JIS K7105に準拠しアタゴ社製デジ
タル屈折率計RX−2000を用い温度23℃で測定し
た。
【0043】(ロ)フイルムの製造 A成分として表1に示した(a)スチレン系単量体−
(メタ)アクリル酸エステル共重合体、及び表2に示し
た(b)ゴム状弾性体、並びにB成分として表3に示し
た重合体を用いて、表4〜表7に示した各層の原料重合
体の配合量(質量部)、層比(%)で熱収縮性多層フィ
ルムを作成した。なお、実施例9ではA成分に可塑剤ア
ジピン酸ジイソブチル(DIBA)を添加して実施し
た。フィルムは、まず各層に対応する重合体又は重合体
組成物を別々の押出機で溶融し、Tダイ内で多層化し、
厚さ0.3mmのシートを成形した。また、得られた多
層シートの一部をペレット化し(このペレットをリター
ン材という)、中間層を構成する成分に30質量%混合
し、上記と同様の方法でシートを作成した。その後、東
洋製作所社製の二軸延伸装置を用い、温度90℃で5倍
に横一軸延伸することによって延伸フイルム作成した。
【0044】表4〜表7に各層の原料重合体の配合量
(質量部)、層比(%)とともに物性を示した。なお、
実施例3の表裏層の屈折率は1.573、実施例4の表
裏層の屈折率は1.577あった。また、比較例1,6
はシート成形はできたが延伸フイルムは得られなかっ
た。
【0045】なお、フィルムの各物性は下記の方法によ
った。 (1)曇度:ASTM D1003に準拠し、日本電色
工業製HAZEメーター(NDH−1001DP型)を
用いて測定した。 (2)熱収縮率:80℃の温水中に30秒間浸漬し、次
式より算出した。 熱収縮率(%)={(L1−L2)/L1}×100、 但し、L1:浸漬前の長さ(延伸方向)、L2:80℃
の温水中に30秒間浸漬した収縮後の長さ(延伸方向) (3)引張弾性率:JIS k6871に準拠し、エー
・アンド・デイ製テンシロン万能試験機(RTC−12
10A)を用いて測定した。 (4)フィルムインパクト:延伸フイルムを用いてテス
ター産業製フィルムインパクトテスターを用いて測定し
た。
【0046】表4〜表7に示した物性より、本発明のフ
ィルムは、バージン材で得たフイルムでも、バージン材
にリターン材を混入して得たフイルムでも透明性、熱収
縮性、剛性、衝撃強度に優れることがわかる。
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【0050】
【表7】
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、バージン材で得たフイ
ルムの透明性、熱収縮性、剛性、衝撃強度に優れ、さら
にバージン材にリターン材を混入して得たフイルムの透
明性、熱収縮性、剛性、衝撃強度にも優れた熱収縮性多
層フィルムを提供することができる。本フイルムは、各
種物品の包装に用いたり、印刷を施してラベルとして用
いることが出来る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 33/04 C08L 33/04 53/02 53/02 Fターム(参考) 4F100 AK12A AK12B AK25A AK25B AK28B AK73B AL01A AL01B AL02B AN02A BA02 BA03 BA06 GB15 GB90 JA03 JK01 JK07A JK10 JL16A JL16B JN01 JN18A JN18B YY00A YY00B 4F210 AA13E AA21E AA46 AA47 AG01 AG03 RA03 RC02 RG02 RG09 RG43 4J002 BC071 BG021 BN142 BN162 BP012 GG02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)温度23℃における屈折率が1.
    550〜1.580であるスチレン系単量体と(メタ)
    アクリル酸エステルからなる共重合体と、(b)温度2
    3℃における屈折率が1.535〜1.550のゴム状
    弾性体の質量比が、(a)/(b)=60/40〜97
    /3であるA成分で形成された少なくとも1層と、
    (I)スチレン系単量体と共役ジエンからなるブロック
    共重合体、(II)スチレン系重合体、並びに(II
    I)スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル及
    び/又は(メタ)アクリル酸からなる共重合体より選ば
    れた少なくとも1種以上の重合体を主体とし、かつ温度
    23℃における屈折率が1.568〜1.582である
    B成分で形成された少なくとも1層を有することを特徴
    とする熱収縮性多層フィルム。
  2. 【請求項2】 A成分の(a)の共重合体において、ス
    チレン系単量体がスチレンで(メタ)アクリル酸エステ
    ル単量体がメチルメタクリレートである単量体混合物を
    重合して得られる重合体、又はスチレン系単量体がスチ
    レンで、(メタ)アクリル酸エステル単量体がメチルメ
    タクリレートとn−ブチルアクリレートである単量体混
    合物を重合して得られる重合体であることを特徴とする
    請求項1記載の熱収縮性多層フィルム。
  3. 【請求項3】 B成分がスチレンとブタジエンからなる
    ブロック共重合体であることを特徴とする請求項1又は
    2記載の熱収縮性多層フィルム。
  4. 【請求項4】 表裏層が請求項1又は2記載のA成分で
    形成され、中間層が、請求項1又は3記載のB成分で形
    成されたことを特徴とする熱収縮性多層フィルム。
  5. 【請求項5】 表裏層が請求項1又は3記載のB成分で
    形成され、中間層が、請求項1又は2記載のA成分で形
    成されたことを特徴とする熱収縮性多層フィルム。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至3記載の熱収縮性多層フイ
    ルムのリターン材をA成分及び/又はB成分のバージン
    材に50質量%以下(但し、0質量%は含まず)混合し
    なること特徴とする熱収縮性多層フイルム。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の熱収縮性多層フイルムの
    リターン材をA成分及び/又はB成分のバージン材に5
    0質量%以下(但し、0質量%は含まず)混合しなるこ
    と特徴とする熱収縮性多層フイルム。
  8. 【請求項8】 請求項5記載の熱収縮性多層フイルムの
    リターン材をA成分及び/又はB成分のバージン材に5
    0質量%以下(但し、0質量%は含まず)混合しなるこ
    と特徴とする熱収縮性多層フイルム。
JP2000176375A 2000-06-13 2000-06-13 熱収縮性多層フィルム Expired - Fee Related JP4702980B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000176375A JP4702980B2 (ja) 2000-06-13 2000-06-13 熱収縮性多層フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000176375A JP4702980B2 (ja) 2000-06-13 2000-06-13 熱収縮性多層フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001353821A true JP2001353821A (ja) 2001-12-25
JP4702980B2 JP4702980B2 (ja) 2011-06-15

Family

ID=18678107

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000176375A Expired - Fee Related JP4702980B2 (ja) 2000-06-13 2000-06-13 熱収縮性多層フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4702980B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009285892A (ja) * 2008-05-27 2009-12-10 Ps Japan Corp 熱収縮性多層フィルム
US9555419B2 (en) 2012-05-07 2017-01-31 Eastman Chemical Company Films containing foamable inks or coatings and process for separating similar density materials

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000000932A (ja) * 1998-06-15 2000-01-07 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 熱収縮性ポリスチレン系積層フィルム
JP2000143836A (ja) * 1998-11-09 2000-05-26 Gunze Ltd 熱収縮性フィルム及びそれを装着した容器

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000000932A (ja) * 1998-06-15 2000-01-07 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 熱収縮性ポリスチレン系積層フィルム
JP2000143836A (ja) * 1998-11-09 2000-05-26 Gunze Ltd 熱収縮性フィルム及びそれを装着した容器

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009285892A (ja) * 2008-05-27 2009-12-10 Ps Japan Corp 熱収縮性多層フィルム
US9555419B2 (en) 2012-05-07 2017-01-31 Eastman Chemical Company Films containing foamable inks or coatings and process for separating similar density materials

Also Published As

Publication number Publication date
JP4702980B2 (ja) 2011-06-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100748048B1 (ko) 블록 공중합체, 그 조성물 및 그것으로 이루어진 필름
JPH055659B2 (ja)
JP3270503B2 (ja) 熱収縮性硬質フィルム
JP3356232B2 (ja) ブロック共重合体組成物及び熱収縮性フィルム
JPH0637587B2 (ja) ブロック共重合体組成物
JP4812946B2 (ja) ブロック共重合体組成物、並びにその熱収縮性フィルム及び熱収縮性多層フィルム
JP2005213520A (ja) ブロック共重合体、その組成物及びそれよりなるフィルム
JP4459422B2 (ja) 熱収縮性多層フィルム
JP5010075B2 (ja) 熱収縮性フィルム
JP2001191461A (ja) 熱収縮性多層フィルム
JP4702980B2 (ja) 熱収縮性多層フィルム
JPS6125819A (ja) 低温収縮性フイルム及びその製造方法
JP2004250680A (ja) スチレン系樹脂組成物
JPS60224521A (ja) ブロツク共重合体又はブロツク共重合体組成物からなる熱収縮性フイルム
JPH035306B2 (ja)
JP2002201324A (ja) 樹脂組成物及び熱収縮性フィルム、熱収縮性多層フィルム
JP4896306B2 (ja) 熱収縮性多層フィルム
JPS60224522A (ja) 熱収縮性のフイルム
CN102574380A (zh) 热收缩性层叠膜
JP2002127317A (ja) 熱収縮性多層フィルム
JP2003041090A (ja) 熱収縮性フィルム
JPH0250857B2 (ja)
JP3496794B2 (ja) 熱収縮性フィルム
JPS60223812A (ja) ブロツク共重合体及び該ブロツク共重合体を含有する組成物
JP3734381B2 (ja) 熱収縮性ポリスチレン系積層フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070601

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100406

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100604

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101214

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110210

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110308

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110308

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees