JP2001342261A - 混練り方法 - Google Patents
混練り方法Info
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Abstract
程に送る前に再練りをしなくても適度なムーニー粘度、
充填剤の分散度を有する練りゴムを提供する。 【解決手段】 密閉混練機にて、天然ゴムを20重量%
以上含むゴム成分と充填剤、オイル、可塑剤、老化防止
剤などを混練する方法であって、カーボンブラックなど
の充填剤を分割して投入し、混練りを行なう。
Description
わけ天然ゴムを含むゴム組成物の混練り方法に関する。
のムーニー粘度を下げるため、素練りした天然ゴムを使
用していたが、ブロックタイプの天然ゴムを使用した
り、天然ゴムを事前に細かく破砕することにより、素練
り工程を除去することが可能となった。
は、工程の最初にポリマー(天然ゴム、合成ゴムなどの
ゴム成分)と同時にカーボンなどの充填剤、亜鉛華など
の薬品類を投入して混練りするか、ポリマーのみを投入
して素練りを行なってからカーボン、薬品類を投入して
混練りする方法などを行なってきた。
含むゴム成分100重量部に対して、ハードカーボンを
35重量部以上含む配合の場合、カーボンを初期に投入
しても、途中で投入しても、いずれも充分な剪段がポリ
マーにかからず、ムーニー粘度が低下しないという問題
がある。その結果、架橋剤などを投入して行なう仕上げ
練りの前に再練り工程を追加していた。
成分100重量部に、さらに、オイル、可塑剤、老化防
止剤、粘着剤(レジンなど)などのオイル類を5重量部
以上含む配合の場合、カーボンなどの充填剤が前記オイ
ル類と凝集塊を作るため、カーボンなどの充填剤の分散
がわるくなるという問題がある。その結果、仕上げ練り
の前に、再練り工程を追加していた。解決方法として、
混練りの途中で、ポリマー中にカーボンなどの充填剤が
分散したのちにオイル、可塑剤、老化防止剤などのオイ
ル類を投入することが考えられるが、オイル類はミキサ
ー中で混練りする際に溶けてオイル状になり、スリップ
の原因になるので、練り時間が長くなるという問題があ
る。
だけで、そののち、仕上げ練り工程に送る前に再練りを
しなくても適度なムーニー粘度、充填剤の分散度を有す
る練りゴムを提供することを課題とする。
て、天然ゴムを20重量%以上含むゴム成分と充填剤を
混練する方法であって、充填剤を分割して投入すること
を特徴とする混練り方法(請求項1)、充填剤の一部と
同時にオイル類を投入する請求項1記載の混練り方法
(請求項2)、オイル類の投入量が、ゴム成分100重
量部に対して5重量部以上である請求項2記載の混練り
方法(請求項3)、1回目の充填剤の投入量が、総充填
剤投入量の30重量%以上である請求項1、2または3
記載の混練り方法(請求項4)、充填剤が、ヨウ素吸着
量80g/kg以上、DBP吸油量100×10-5m3
/kg以上のカーボンであり、投入量がゴム成分100
重量部に対して35重量部以上である請求項1、2、3
または4記載の混練り方法(請求項5)にかかわる。
練りする混練り方法にかかわる。
ベース練り工程において、充填剤を1バッチ内で2回以
上に分割して投入することにより、ハードカーボンを使
用してその比率が高い配合においても、初期の充填率の
確保とスリップの防止によりせん断効率が向上し、ムー
ニー粘度の低下効果が大きく、従来必要とされた再練り
工程を行なわなくてもよいレベルまで低下させることが
可能となる。
ホワイトカーボンなどの充填剤を1バッチ内で2回以上
に分割して投入することにより、初期に充填剤の分散を
向上させ、またオイル類を充填剤の一部と同時に投入す
ることにより、オイル、可塑剤、老化防止剤、粘着剤な
どのオイル類が通常より多く配合される場合において
も、オイル類によるスリップを防止することができる。
などの密閉式混練機を用いて行なう。
を20重量%以上含む。天然ゴムの配合量が20重量%
未満の配合の場合、従来の混練り工程でもムーニー粘度
は比較的容易に低下させることができる。
は、とくに制限はないが、たとえば、ブタジエンゴム、
スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴ
ム、アクリロニトリロブタジエンゴム、クロロプレンゴ
ム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン
−ジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、スチレン−
イソプレン−ブタジエンゴム、イソプレン−ブタジエン
ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、
エピクロルヒドリンゴム、多加硫ゴム、シリコーンゴ
ム、フッ素ゴム、ウレタンゴムなどがあげられる。これ
らは、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いて
もよい。
ック、シリカ、クレー、アルミナ、タルク、炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化
マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタンなどがあ
げられ、これらは単独でまたは2種類以上を混合して用
いることができる。とくに、ヨウ素吸着量80g/kg
以上、DBP吸油量100×10-5m3/kg以上のカ
ーボン(ハードカーボン)をゴム成分100重量部に対
して35重量部以上、とりわけ40重量部以上使用する
とき、本発明の効果は大きい。カーボンは、粒子径、ス
トラクチャー(粒子同士のつながり)によって分類さ
れ、粒子径が小さいほど、また、ストラクチャーが大き
いほど硬いカーボン(ハードカーボン)になる。ハード
カーボンになるほど、配合上では耐磨耗性がよく、発熱
が大きくなり、加工性の面では逆に粘度が上がり、加工
性がわるくなる。一般にタイヤ用ゴム組成物では、トレ
ッドなどにはハードカーボン、インナーやサイドウォー
ルにはソフトカーボンを使用する。一般にタイヤ用では
N110、N220、N330、N550、N660な
どが使用されており、数字が小さいグレードほどハード
カーボンになる。
に分割して投入されるが、1回目の投入量は、総充填剤
量の30重量%以上であることが好ましく、50〜70
重量%であることがより好ましい。1回目の投入量が3
0重量%未満では、初期の混練り(1回目の充填剤の混
練り)工程の段階で充填率が不足し、練り効率がわる
く、生産性が低下する傾向がある。また、70重量%を
こえるとカーボンによるスリップで練り効率がわるく、
生産性が低下する傾向がある。
に、オイル、可塑剤、老化防止剤、ワックス、粘着剤な
どのオイル類を用いることができる。オイル類は、ゴム
成分と混練りする際に溶けてオイル状になり、スリップ
の原因となる。
が、たとえば、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン
系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイルなどがあげ
られる。
に制限はないが、たとえば、ジフェニルアミン系、p−
フェニレンジアミン系などのアミン誘導体、キノリン誘
導体、ハイドロキノン誘導体、モノフェノール類、ジフ
ェノール類、チオビスフェノール類、ヒンダードフェノ
ール類、亜リン酸エステルなどがあげられる。
が、たとえば、クマロン樹脂、フェノール・ホルムアル
デヒド樹脂、テルペン・フェノール樹脂などがあげられ
る。
ックスなどのオイル類の合計配合量は、とくに制限はな
いが、ゴム成分100重量部に対して、たとえば、タイ
ヤサイドウォール用ゴム組成物では、5重量部以上、と
りわけ10〜20重量部とすることができ、タイヤトレ
ッド用ゴム組成物では、3〜4重量%とすることができ
る。オイル類の配合がゴム成分100重量部に対して5
重量部以上であるときに本発明の効果は大きい。
明するが、本発明はこれらのみに制限されるものではな
い。
練り促進剤およびN220カーボンの57%分を投入
し、フローティングウエイトを降下させ60秒間混練り
したのち、フローティングウエイトを上昇させ残りのN
220カーボン、亜鉛華、ステアリン酸および老化防止
剤を投入した。こののち、再びフローティングウエイト
を降下させて90秒間混練りしたのち、下部排出口より
排出した。
し、フローティングウエイトを降下させて120秒間混
練りしたのち、排出した(素練り)。
ーボン全量、亜鉛華、ステアリン酸および老化防止剤を
同時に投入しフローティングウエイトを降下させ110
秒間混練りしたのち、排出した(ベース練り)。
ローティングウエイトを降下させて混練りした。
素練り促進剤を投入し、130秒混練りしたのち、フロ
ーティングウエイトを上昇させ、カーボン全量およびそ
のほかの薬品を投入し、フローティングウエイトを降下
して混練りした。
定められたムーニー粘度の測定法にしたがい、130℃
で1分間予熱したあと4分間測定し、比較例1を100
として指数化した。指数が小さいほど粘度が低く、良好
である。
ボン分散度を測定し、比較例1を100として指数化し
た。指数が大きいほど、分散度が高く、良好である。
モール(Leigh Dugmoer)が確立した方法で、ダンロッ
プ法またはレイ ダグモール(Leigh Dugmore)法とも
よばれている。未加硫ゴムまたは加硫ゴムの試片(約3
mm巾×8mm長×2mm厚)を採り、ミクロトームの
試料台に貼りつけ、液体窒素またはドライアイスで冷却
し硬化させる。ガラスナイフを装着したミクロトームで
2μm前後の薄片を作製し、薄片をソルベントナフサに
浸漬し膨潤させる。膨潤後の薄片を顕微鏡のプレートガ
ラス上に広げ、接眼レンズに10×10μm、横目10
0目(計10000目)の格子状スケールを置き、全倍
率75〜100倍にして1目の1/2以上の未分散塊の
数を数える。分散度は次式より算出する。
の面積) L:コンパウンド中のカーボンブラック(CB)容積分
率(%)
ー種の影響が少なく、カーボンブラック未分散塊を直接
測定できる点にある。試料調製や測定に時間を要し、ゴ
ム混練工程の工程管理には適用し難い点もあるが、カー
ボンブラック分散度の定量法として最も評価されている
方法である。 生産性 仕上げ練り前までの練り時間の積算値を生産性として求
めた。比較例1では、素練りした天然ゴムの1バッチの
約50%をベース練りで使用したので、素練り時間を6
0秒と計算し、練り時間は170秒とした。 エネルギー(使用電力) 仕上げ練り前までの電力値の積算値を使用電力として求
めた。
し、素練りを行なわない比較例2は、ムーニー粘度が高
くなり、カーボン分散度が小さかった。
生産性が低かった。
素練りを行なわなかったが、素練りを行なった比較例1
と等しいムーニー粘度、カーボン分散性を維持したま
ま、生産性を高め、省電力化を図ることができた。
較例1〜3の混練りにおける電力値の経時変化を示す電
力チャートを、それぞれ図1および図2に示す。チャー
ト中の↑はカーボンを投入したタイミングを表わす。な
お、図2において、(a)は比較例1を、(b)は比較
例2を、(c)は比較例3を示す。
たため、初期の混練り工程(Aの部分)において同時に
投入したカーボン、薬品類は容易にポリマーに取り込ま
れ、混練りが進むにつれて分散され粘度が低下した(電
力値が下がってきた)。
の初期にカーボンを一度に投入した比較例2では、カー
ボンによるスリップが起こり、初期は練りの効率がわる
く、練り時間が長くなる原因となった。
を行なったため、そののち投入されるカーボン、薬品類
は分散されやすくなっていたが、初期充填率が低すぎる
ためAの部分での練り効率がわるく、練り時間が長くな
る原因となった。
練りによるムーニー粘度の低下が効率よく行なわれ、ま
た、そののち投入されるカーボン、薬品類の分散もよ
く、ムーニー粘度も低下することができた。
よびカーボンの90%を投入し、フローティングウエイ
トを降下させ50秒間混練りしたのち、フローティング
ウエイトを上昇してオイル、亜鉛華、ステアリン酸、老
化防止剤および残りのカーボンを投入し、降下させて混
練りしたのち、排出した。
ーボン全量を投入し、フローティングウエイトを降下さ
せ50秒間混練りしたのち、フローティングウエイトを
上昇させ、オイル、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤
およびレジンを投入し、降下させて混練り、排出した。
0として指数化した。 カーボン分散度 ASTM D2663B法によりベース練り後のカーボ
ン分散度を測定し、比較例4を100として指数化し
た。 生産性 仕上げ練り前までの練り時間の積算値を生産性として求
めた。 エネルギー(使用電力) 仕上げ練り前までの電力値の積算値を使用電力として求
めた。
と比較して、オイルなどと同時に少量のカーボンを投入
した実施例2は、ムーニー粘度の低下および分散性を維
持しながら、生産性を向上し、省電力化を図ることがで
きた。
較例4の混練りチャートを、図3および図4に示す。チ
ャート中の↑はカーボンの投入タイミングを表わす。
では、オイル類の投入後スリップが発生し、再度トルク
がかかりだすまでの時間が工程のロスとなり(このあい
だ練りは進んでいない)、練り時間が長くなった。これ
に対し、実施例2においては、オイル類と同時に少量の
カーボンを投入したことにより、スリップの発生が抑え
られ、工程ロスが小さく、練り時間も短くなった。
混練りにおいて、ムーニー粘度を高めることなく、ま
た、充填剤の分散度を下げることなく、工程削減による
混練り時間の削減と、省電力化が可能となる。
示す電力チャートである。
化を示す電力チャートである((a):比較例1、
(b):比較例2、(c):比較例3)。
示す電力チャートである。
示す電力チャートである。
Claims (5)
- 【請求項1】 密閉混練機にて、天然ゴムを20重量%
以上含むゴム成分と充填剤を混練する方法であって、充
填剤を分割して投入することを特徴とする混練り方法。 - 【請求項2】 充填剤の一部と同時にオイル類を投入す
る請求項1記載の混練り方法。 - 【請求項3】 オイル類の投入量が、ゴム成分100重
量部に対して5重量部以上である請求項2記載の混練り
方法。 - 【請求項4】 1回目の充填剤の投入量が、総充填剤投
入量の30重量%以上である請求項1、2または3記載
の混練り方法。 - 【請求項5】 充填剤が、ヨウ素吸着量80g/kg以
上、DBP吸油量100×10-5m3/kg以上のカー
ボンであり、投入量がゴム成分100重量部に対して3
5重量部以上である請求項1、2、3または4記載の混
練り方法。
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