JP2001340763A - 気相オゾンによる触媒の活性化方法 - Google Patents

気相オゾンによる触媒の活性化方法

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JP2001340763A
JP2001340763A JP2000166882A JP2000166882A JP2001340763A JP 2001340763 A JP2001340763 A JP 2001340763A JP 2000166882 A JP2000166882 A JP 2000166882A JP 2000166882 A JP2000166882 A JP 2000166882A JP 2001340763 A JP2001340763 A JP 2001340763A
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reaction
ozone
reactor
regeneration
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Tomoharu Oku
智治 奥
Hideaki Tsuneki
英昭 常木
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Nippon Shokubai Co Ltd
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    • Y02P20/584Recycling of catalysts

Abstract

(57)【要約】 【課題】 無機固体触媒中の有機物を、熱的な劣化が起
こらない穏和な条件で除去し、触媒を活性化する。 【解決手段】 気相状態のオゾンを用いて、無機固体触
媒中の有機物を酸化除去し、触媒を活性化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 気相状態のオゾンと接触さ
せて触媒を活性化する方法に関する。詳しくは、無機固
体触媒中に含有される有機物を、気相オゾンにより分解
除去することにより、触媒を活性化する方法に関するも
のである。例えば、マイクロポーラスマテリアルを触媒
として用いアンモニアとアルキレンオキシドとを反応さ
せてアルカノールアミンを製造する際に反応に供して劣
化した触媒を気相状態のオゾンを用いて再活性化する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】 一般に無機酸化物担体に貴金属成分を
均一に担持させる際に、競争吸着剤として種々の有機酸
が使用される。また他の場合には、触媒原料として金属
酢酸塩、アルコキシド化合物、アセチルアセトナート錯
塩などの有機配位子を有する化合物を使用することによ
り、高性能の無機酸化物触媒が調製される。これらの方
法では、従来、触媒前駆体中に含まれる有機物を、分子
状酸素含有ガスの存在下に、高温度下で加熱処理するこ
とにより活性化処理を行なう方法が知られている。
【0003】マイクロポーラスマテリアルを触媒として
使用する際にも、合成段階で所謂テンプレート剤として
使用された有機物を除去する必要があり、従来、分子状
酸素含有ガスの存在下に、高温度下で加熱処理する方法
などが知られている。
【0004】また一般に、無機固体触媒は使用中に活性
を失うことが多く、その原因は、触媒の熱的な劣化や、
有機物が触媒表面に付着堆積して活性表面を被覆するこ
となどが挙げられる。従来、有機成分の堆積による原因
で活性劣化した無機固体触媒を再活性化する方法とし
て、分子状酸素含有ガスの存在下に、高温下で加熱処理
する方法などが知られている。
【0005】このような方法では、分子状酸素を酸化剤
として使用するため、高温度(例えば350℃以上)で
実施する必要があった。ゼオライトに代表されるマイク
ロポーラスマテリアルや、担持型金属触媒は、それぞれ
熱的な構造変化や、担持金属成分のシンタリングが起こ
りやすいため、高温度での活性化処理により、触媒性能
が本来の性能より大幅に低下してしまうという問題があ
る。さらに、ゼオライトに代表されるマイクロポーラス
マテリアル触媒上に堆積した有機成分は、一般に燃焼し
難いため、より高温度(例えば550℃以上)が必要と
なるため、熱的な劣化が著しい。
【0006】また、固定床反応器に充填された無機固体
触媒は、例えば断熱型反応器を使用したプロセスに於い
ては、再活性化時の燃焼熱を除熱することが困難である
ため、通常、触媒を反応器内より抜き出して、酸素含有
ガスで再活性化を行なう必要があった。このため、触媒
の再活性化時に抜き出し工程、再生工程、再充填工程等
が必要であり、工業的には煩雑となるため好ましくな
い。
【0007】従来、有機成分の堆積による原因で活性劣
化した無機固体触媒を再活性化する方法として、特公平
3−2014号では、水中で過酸化水素などの酸化剤に
より処理する方法が提案されている。この方法では、再
生時の発熱量を水の大きな熱容量によって抑制してい
る。しかしながら、液相の水を使用する場合には、例え
ば活性成分が溶出したり、あるいは水和により構造が不
可逆的に破壊されるなど、水により劣化する触媒には使
用することができない問題点を有している。また、再生
工程で残存した水分が反応に悪影響を与える場合には、
再生後に充分な乾燥を実施することが必須になるため、
乾燥工程にコストがかかる問題点を有している。
【0008】例えば、アルキレンオキシドをアンモニア
でアミノ化してアルカノールアミン類を製造する方法に
おいて、触媒としてマイクロポーラスマテリアルを使用
することにより、トリエタノールアミンの生成量を低減
できることが提案されている。近年、トリエタノールア
ミンの需要が減退しているので、トリエタノールアミン
の生成を抑えることが求められている。特開平11−3
22681号では、固定床反応器に充填された有効細孔
径が0.45nmないし0.8nmであるマイクロポーラス
マテリアルあるいは、これらのマイクロポーラスマテリ
アルをイオン交換および/または表面処理した触媒を用
いて断熱反応することによって、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンの3種
生成比率を速度的に制御し、ジアルカノールアミンの選
択性の高い製造方法が提案されている。
【0009】しかしながら、これらのマイクロポーラス
マテリアルを触媒として用いると比較的短い期間で触媒
の劣化が起こる場合がある。その場合には、実用的には
触媒を再生することが求められるが、熱的な劣化が起こ
りやすい触媒を、断熱反応器から抜き出すことなく、穏
和な条件で再生する方法は知られていなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】 本発明の目的は、無
機固体触媒中の有機物を穏和な条件で除去することによ
り、触媒を活性化する方法を提供することにある。詳し
くは、固定床反応器で使用され、有機物の触媒表面堆積
により劣化した無機固体触媒を、反応器から抜き出すこ
となく、穏和な条件で再活性化する方法を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】 この課題を解決するた
め、鋭意検討の結果、触媒を気相でオゾンによって活性
化処理することで、穏和な条件で触媒を活性化できるこ
とを見いだし本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち本発明は、無機固体触媒中の有機
物を除去して触媒を活性化するに際し、気相状態のオゾ
ンと接触させることを特徴とする、液相の水による劣化
の恐れのない乾燥工程も不要な触媒の活性化方法であ
る。
【0013】本発明は、有機物の触媒表面への堆積によ
り劣化した無機固体触媒を、気相状態のオゾンと接触さ
せることによって、触媒の熱的な劣化を与えることな
く、触媒を再活性化する方法である。
【0014】また、本発明は、マイクロポーラスマテリ
アルを触媒として用いてアンモニアとアルキレンオキシ
ドを反応させてアルカノールアミンを製造する際に、劣
化した触媒を気相でオゾンと接触させることによって触
媒を再生し、実質的に実用に耐えうる触媒寿命を付与す
るアルカノールアミン製造用触媒の再生方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】本願発明における触媒の活性化と
は、触媒表面または触媒中の有機物を酸化的に除去する
事を意味する。 例えば、反応に供じて劣化した触媒中
の有機物を除去して触媒として再使用できる程度まで活
性をもどしたり(再活性化)、触媒調製時に使用した有
機金属塩の有機物を、酸化的に分解して、触媒としての
活性が得られる様にする、などが挙げられる。ここでい
う触媒とは、有機反応触媒でも排ガスや排液を処理する
触媒であっても良いが、有機反応触媒が好適に用いられ
る。
【0016】本発明にかかる触媒は、無機固体触媒であ
れば特に限定されないが、熱的な劣化により触媒性能が
大幅に低下する場合に好適である。例えば、熱的な構造
変化の起こしやすい触媒としては、マイクロポーラスマ
テリアルを含有する触媒が挙げられる。このような触媒
は、例えばクラッキング触媒、アルキル化触媒、水和触
媒、アルコール付加触媒、アミノ化触媒、水素化触媒、
酸化触媒、脱水反応触媒、ベックマン転位触媒などに使
用され、反応中に有機物の堆積により劣化する。ここで
言うマイクロポーラスマテリアルとは、分子のオーダー
の均一な径の細孔を持つ結晶体であり、メタロシリケー
トタイプとアルミノフォスフェートタイプがある。メタ
ロシリケートとしては金属がアルミニウムであるアルミ
ノシリケートはいわゆるゼオライトとして良く知られて
おり、その他のメタロシリケートを形成する金属として
Fe,Ga,B,Co,Ni,Cr,Sc,Ge,Ti
などが知られている。アルミノフォスフェートタイプと
しては、アルミノフォスフェート(ALP0)、メタロ
アルミノフォスフェート(MAPO)、シリコアルミノ
フォスフェート(SAPO)が知られている。これらマ
イクロポーラスマテリアルは、高温加熱や共存する水分
によって構造変化し、触媒性能が不可逆的に劣化する。
【0017】また、熱的な劣化を起こしやすい触媒とし
ては、アルミナやシリカ等に代表される無機担体に貴金
属成分を担持したクラッキング触媒、水素化触媒、酸化
触媒、脱硝触媒および脱硫触媒などが挙げられる。担持
型貴金属触媒は、一般に、担持された貴金属成分の分散
度によって触媒活性に大きな差異が認められる。高温度
条件になると、高分散状態にあった貴金属微粒子が凝集
(シンタリング)することによって分散度が低下するの
に伴い、触媒活性が不可逆的に劣化する。
【0018】このような特性を有する触媒が、反応中に
表面に堆積した有機物によって触媒活性が劣化する場合
に、本発明の方法が効率的に使用される。特に、触媒表
面上で重合しやすいアルキレンオキシドが、反応原料あ
るいは反応生成物として関与する反応に使用された触媒
の再生に、好ましく適用される。アルキレンオキシドの
重合物は、気相状態のオゾンによって、穏和な条件でも
容易に酸化分解されるからである。
【0019】具体的には、形状選択的アルカノールアミ
ン製造触媒を例示することができる。
【0020】形状選択的アルカノールアミン製造触媒と
は、アルキレンオキシドとアンモニアとからアルカノー
ルアミン特にジアルカノールアミンを液相で製造するた
めの反応に好適に用いられる触媒であって、有効細孔径
が0.45nmないし0.8nmであるマイクロポーラスマ
テリアルあるいは、これらのマイクロポーラスマテリア
ルをイオン交換および/または表面処理した触媒であ
る。
【0021】アルキレンオキシドとアンモニアもしくは
アミンとの反応は主として細孔内で起こるので、選択性
を発現させるためには上述したマイクロポーラスクリス
タルの有効ミクロ細孔径は0.45〜0.8nmであ
り、好ましくは0.5〜0.7nmである.このような
マイクロポーラスクリスタルの例としてはZSM−5,
ZSM−11、モルデナイト、TON、MTW、ALP
O−31,SAPO-40,BETAなどが挙げられ
る。中でもジアルカノールアミンの選択性の面からはZ
SM−5やZSM−11が好ましい。
【0022】また、細孔外での反応は形状選択性が期待
できないため結晶1次粒子の外表面を不活性化すること
が好ましい。不活性化処理の方法としては高温でのスチ
ーミング処理、四塩化珪素処理、アルコキシシラン処理
など挙げられる。またマイクロポーラスマテリアルを合
成する場合、イオン交換サイトにはアルカリ金属イオン
が入っている。その状態では酸性がほとんどなく活性が
低い。そこでアルカリ金属イオンをプロトン、アンモニ
ウムイオン、多価カチオン(特に希土類元素が好まし
い)などでイオン交換して、活性および選択性を上げる
ことが好ましい。
【0023】本発明に係わる原料のアルキレンオキシド
は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等の2から
4個の炭素原子を有するアルキレンオキシドが例示され
る。これらの原料に対応するアルカノールアミンが得ら
れる。具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン,プロパノールア
ミン類等が例示される。
【0024】反応は液相状態で行わなければならないの
で、一般には反応圧力は反応器内の最高温度における反
応液の蒸気庄より高く保つ必要があるが、アルキレンオ
キシドの濃度が高く反応熱の除去が困難な場合はアンモ
ニアの一部を気化させてその蒸発潜熱で反応熱を除去す
ることもできる。この場合は反応圧力を反応系内の最高
温度での反応液の蒸気圧より低くすることが好ましい。
【0025】通常、アルカノールアミン類の製造は、4
0〜300℃の温度範囲で実施することができる。好ま
しい範囲は80〜200℃である。操作圧力は、1〜2
0MPaである,また、上述の条件下、液毎時空間速度
(LHSV)に特に制限はないが0.1hr−1以上の
条件が通常用いられる。
【0026】マイクロポーラスマテリアル触媒を長期間
反応に供すると、活性の劣化が見られる。図1の模式図
に示すように断熱型反応器を用いると、初期は十分高い
活性があり、触媒層の前の部分で十分反応が完了し、ア
ルキレンオキシドが消費された後は温度の上昇は見られ
ない。反応の経過と共に徐々に触媒層の入口部から活性
が劣化していき、反応速度が小さくなるために入口部で
の発熱が少なくなるため、温度のプロファイルが触媒層
の後ろへずれ込んでいき、最後にはアルキレンオキシド
が十分転化されなくなってしまう。
【0027】反応器としての連続運転可能時間(=寿
命)は、初期に充填した触媒の量が多ければ多いほど長
くなるが、液時空間速度(LHSV)が非常に小さくな
り大量の触媒と非常に大きな反応器が必要となり工業的
に実施するには問題がある。
【0028】劣化した触媒を分析した結果、触媒上への
有機物の蓄積が劣化の原因と思われる。通常、劣化触媒
の炭素含有率は、0.5〜15質量パーセントの範囲で
ある。
【0029】このため、劣化した触媒を何らかの方法で
再生して、繰り返し使用することが求められる。従来知
られている分子状酸素含有ガスを使用する再生方法で
は、高温度(400℃以上好ましくは500℃以上)で
の燃焼処理が必要となる。触媒上に存在する大量の有機
物を分子状酸素含有ガスで燃焼除去する際には、発熱量
が極めて大きくなるため、再生時の触媒温度が極めて高
くなってしまう。これにより、マイクロポーラスマテリ
アル触媒が熱的な構造破壊を受けて、触媒活性が不可逆
的に劣化するため、実質的に再生できない。
【0030】特に、反応装置内に触媒を充填したまま再
生する場合には、反応温度よりも300〜400℃も高
い温度に耐える反応容器の設計にしなければならず、反
応が10MPa前後という高圧であることを考えるとこ
のような反応器を用いることは非常に困難である。
【0031】また、触媒を反応器から抜き出して処理を
行う場合はこのような問題は生じないが、別途触媒再生
装置を設ける必要がある上触媒の抜き出し、再生、再充
填と言った非常に煩雑な操作が必要になり実用上は困難
である。
【0032】本発明の方法においては、穏和な条件で再
生を実現するために、気相状態のオゾンを酸化剤として
使用する。酸化力の強いオゾンの使用により、再生温度
を低くすることができ、再生時の触媒の熱的劣化を防ぐ
ことができるのである。
【0033】本発明で使用されるオゾン含有ガスは、空
気放電方式、高濃度酸素含有ガス中での放電および水の
電気分解方式など如何なる方式によって発生させたオゾ
ン含有ガスでもそのまま用いることができるが、必要に
応じて窒素や触媒層出口からの燃焼ガスなどの不活性気
体で希釈することが、再生ガス中のオゾン濃度を簡便に
制御できる点で好ましい。
【0034】再生時の圧力は特に限定されるものではな
く、通常、常圧から5000hPa、好ましくは常圧か
ら3000hPaの範囲である。高圧のオゾン含有ガス
は、発生コストが高くなるので好ましくない。
【0035】触媒層へ供給する再生ガスのオゾン濃度は
特に限定されないが、処理時間などを考慮すれば、通
常、0.05〜5vol%、更には0.1〜3vol%
の範囲が好ましい。
【0036】再生ガスの流量は、GHSVで表すと、通
常、毎時50〜10000、好ましくは毎時80〜80
00の範囲であるが、特に制限されるものではない。オ
ゾン転化率が低い場合には、再生ガスの一部を入口部に
リサイクルすることが好ましい。
【0037】再生時間は、処理温度、オゾン濃度、蓄積
有機物量、酸化剤溶液量などによって変化するが、一般
的には1〜500時間で行われる。
【0038】再生温度は、触媒が熱的劣化しない条件で
あれば、特に限定されるものではないが、室温から反応
器の耐熱設計の範囲までが好ましく、通常、300℃以
下、より好ましくは200℃以下である。オゾンにより
有機物が酸化分解されるため、通常、触媒層には温度分
布が生じる。再生工程による触媒の熱的劣化を防ぐため
に、触媒層の最高温度が、前記温度範囲を超えないよう
に制御することが必要である。
【0039】例えば、断熱反応器に充填したままの触媒
を抜き出さずに再生する場合には、酸化反応熱を、再生
ガスの顕熱で除熱する。再生工程の一例を挙げれば、多
量の有機物が堆積している再生初期段階は、再生速度が
速いので、供給再生ガス温度とオゾン濃度を低く設定
し、有機物量を徐々に減少させる。有機物堆積量が少な
くなると、再生速度が遅くなる。このため、供給再生ガ
ス温度とオゾン濃度を次第に引き上げる。このとき、触
媒層の最高温度が、前記温度範囲を超えないように設定
することが重要である。そのような条件は、堆積有機物
量や触媒の伝熱係数や比熱、オゾン濃度、さらには再生
ガス流量などによって多様化するため、一義的には規定
できないが、通常、前記条件内から選択することにより
実施することができる。
【0040】無機固体触媒と気相状態のオゾンを接触さ
せる方法としては、例えば、反応器から抜き出した触媒
をオゾン含有ガスの雰囲気下に曝すことによる方法や、
流動床あるいは固定床反応器によりオゾン含有ガスを連
続的に流通させる方法などが挙げられる。劣化した触媒
のオゾン処理は、一旦反応器から抜き出して処理を行う
こともできるが、操作が煩雑になるため反応器内に充填
したまま処理を行うことが工業的実施においては有利で
ある。この場合オゾン含有ガスを触媒充填層へ流通させ
ることになる。
【0041】再生工程の前に、洗浄工程を設けることが
好ましい。洗浄工程は系内のアルカノールアミン類を反
応器外へ洗い流し、また触媒に吸着したアルカノールア
ミン類を脱着、除去する工程であり、アンモニアや二酸
化炭素などの液体及び/又は亜臨界状態あるいは超臨界
状態の流体で洗浄する。場合によっては更に他の溶剤で
洗浄しても良い。
【0042】また、本発明の活性化方法は、触媒の調製
段階で含まれる有機物を除去する場合にも好ましく使用
される。例えば合成したままの(有機テンプレート剤を
含有した)マイクロポーラス触媒や、競争吸着剤として
有機酸を使用する場合、有機配位子を有する金属成分を
触媒原料として使用する場合、あるいは担持の際に有機
溶媒を使用する場合などの、有機物を除去する前処理工
程に好適である。前処理工程においても、再生工程と同
様に触媒の熱的劣化が起こらないためである。
【0043】減圧乾燥工程、洗浄工程や熱分解工程等の
方法で、あらかじめ有機物の含有量を減らした後に本発
明の方法を適応することもできる。これにより、活性化
時間または再生時間を短縮することができる場合があ
る。
【0044】
【発明の効果】無機固体触媒中の有機物を除去して活性
化するに際し、気相状態のオゾンを使用することによ
り、熱的な劣化がなく、効率的に活性化できる。
【0045】
【実施例】以下実施例によって本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。説明は主にアルキレンオキシドとしてエチレンオキ
シドを用い、エタノールアミン類を製造する場合につい
て述べる。 (参考例1) Zeolyst社製 ZSM−5ゼオラ
イト(Si/Al原子比28、プロトン型)2kgを6
0℃に加温した1mol/L硝酸ランタン水溶液10L
に投入し、12時間撹拌しながら60℃に保ちイオン交
換を行った。ろ過、水洗後120℃で12時間乾燥を行
った。このランタンイオン交換ZSM−5の粉体に70
0gの粘土を加え、ニーダーで混合しながら調湿した
後、押出成型器を用いてドーム状のダイスで0.5mm
φの径のひも状に押し出した。得られた成形体を一旦1
20℃で2時間乾燥し、整粒機で2−5mmの長さにそ
ろえた後120℃で12時間乾燥した。得られた成形体
を空気中550℃で3時間焼成した。これを触媒Aとす
る。 (実施例1)図2に示す装置を用いて反応を行った。反
応管201は内径40mm長さ80mmのステンレス製
直管に放熱を補償するヒーターを巻き保温したチューブ
を用いた。反応器内部には触媒層の温度プロファイルを
測定するために熱電対を挿入できる保護管を設けた。こ
の反応器に触媒A50mLを充填し、予熱器202で6
0℃に加熱した原料(アンモニア/エチレンオキシドモ
ル比14)をLHSV5hr−1で流通させ反応させ
た。
【0046】反応熱による温度上昇は、初期は入口20
mm程度で150℃になったが、500時間経過後には
触媒層出口付近でようやく温度150℃近くまで上昇す
るプロファイルとなり、触媒の劣化が見られた。
【0047】この時の反応成績は エチレンオキシド転
化率100%、生成したエタノールアミン類の生成比率
は重量比率でモノエタノールアミン/ジエタノールアミ
ン/トリエタノールアミン=69/30/1とトリエタ
ノールアミンの生成が少ないにも関わらずジエタノール
アミンが選択率良く生成していた。
【0048】反応停止後、液体アンモニアをLHSV
5hr−1で30分流通させて反応管内部を置換した。
【0049】液体アンモニアを停止し、パージして常圧
まで降圧した後、表1記載の条件で、オゾン含有ガスを
流通させ(GHSV=200h−1)、触媒の再生を行
なった。再生時の触媒最高温度(極大値)は、148℃
であった。再生後の触媒を一部抜き出し、触媒中に堆積
した有機物の元素分析を行ったところ、炭素0.1質量
%、水素0.5質量%、窒素0.15質量%であった。
【0050】再生後、同様に反応を行ったところ初期と
同様の活性を示し、生成物分布も変化が無く活性・選択
性共に回復していることが分かった。 (実施例2)実施例1と同様の条件で500時間反応を
行った。
【0051】反応停止後、液体アンモニアをLHSV
5hr−1で30分流通させて反応管内部を置換した。
【0052】液体アンモニアを停止し、パージして常圧
まで降圧した後、表1記載の条件でオゾン含有ガスを流
通させ(GHSV=400h−1)、触媒の再生を行な
った。再生時の触媒最高温度(極大値)は、176℃で
あった。再生後の触媒を一部抜き出し、触媒中に堆積し
た有機物の元素分析を行ったところ、炭素0.07質量
%、水素0.1質量%、窒素0.07質量%であった。
【0053】再生後、同様に反応を行ったところ初期と
同様の活性を示し、生成物分布も変化が無く活性・選択
性共に回復していることが分かった。
【0054】
【表1】
【0055】(比較例1)実施例1と同様の条件で50
0時間反応を行った。
【0056】反応停止後、液体アンモニアをLHSV
5hr−1で30分流通させて反応管内部を置換した。
【0057】劣化した触媒を反応器から取り出し、水洗
後触媒中に付着した有機物の元素分析を行ったところ、
炭素6.5質量%、水素1.6質量%、窒素1.3質量
%であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 触媒の劣化の進行度合いを示す反応器内温度
分布の経時変化の模式図である。
【図2】 実施例で用いた反応装置の模式図である。
【符号の説明】
201 反応管 202 予熱器 203,204,205 高圧ポンプ 206 圧力制御弁 207 アンモニアフラッシュ塔 208 回収アンモニアタンク 210,211 原料タンク(210:エチレンオキシ
ド、211:アンモニア) 212,213 ガスボンベ(212:窒素ガス、21
3:純酸素ガス) 214 オゾン発生装置 215 オゾン濃度計 216、217 流量調整装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4G069 AA02 AA03 AA08 AA10 AA15 BA07B BC42B CB77 DA05 GA02 GA06 ZA11A ZA11B ZD01 4H006 AA02 AC41 AC52 BA68 BA71 BA84 BE14 4H039 CA60 CA71 CF90

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気相状態のオゾンと接触させることを特
    徴とする触媒の活性化方法。
  2. 【請求項2】 該触媒の活性化方法が、無機固体触媒中
    の有機物を除去することを特徴とする請求項1に記載の
    触媒の活性化方法。
  3. 【請求項3】 該触媒の活性化が触媒の再生である請求
    項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 請求項2または3に記載の触媒の再生方
    法であって、反応器で反応に供され、無機固体触媒を、
    反応器内に充填したままの状態で気相のオゾンと接触さ
    せることを特徴とする触媒の再活性化方法。
  5. 【請求項5】 該反応器が固定床であることを特徴とす
    る請求項4に記載の触媒の再活性化方法。
  6. 【請求項6】 無機固体触媒がマイクロポーラスマテリ
    アル触媒である請求項1〜5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 アンモニアとアルキレンオキシドの反応
    によるアルカノールアミンの製造に供したマイクロポー
    ラスマテリアル触媒を再活性化するに当たり、気相でオ
    ゾンにより再生処理することを特徴とするアルカノール
    アミン製造用触媒の再活性化方法。
  8. 【請求項8】 該処理温度が300℃以下であることを
    特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 該再生処理を劣化触媒を反応器内部に充
    填したまま行うことを特徴とする請求項7または8に記
    載のアルカノールアミン製造用触媒の再活性化方法。
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