JP3830329B2 - アルカノールアミン製造用触媒の再生方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルカノールアミン製造用のマイクロポーラスマテリアル触媒を再生する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルキレンオキシドをアンモニアでアミノ化してアルカノールアミン類を製造する方法としては、工業的にエチレンオキシドと濃度20〜40質量%のアンモニア水とを反応させてエタノールアミン類を製造する方法が採用されている。
【0003】
この方法では、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンの3種類が生成するが、トリエタノールアミンの需要が減退している現在、トリエタノールアミンの生成を抑える製造方法が求められている。このため、エチレンオキシド1モルに対してアンモニアを3〜5モル程度にして、アンモニアを大過剰の条件下で反応を行いトリエタノールアミンの生成を抑制させているが、それでもトリエタノールアミンの選択率は10〜20質量%またはこれ以上であり、ジエタノールアミンの選択率は40質量%以下である。また、アンモニア水のように水を触媒として用いると水の回収作業が必要となりエタノールアミン類の安価な製造が困難となる。
【0004】
一方、水が存在しない系ではアルキレンオキシドとアンモニアとはほとんど反応せず、触媒の存在が不可欠である。アルキレンオキシドをアンモニアでアミノ化してアルカノールアミン類を製造する触媒として、例えば有機酸類、無機酸類、アンモニウム塩などの均一系の触媒や、スルホン酸基を樹脂に固定したイオン交換樹脂、または酸活性化粘土触媒、各種ゼオライト触媒、更に希土類担持触媒の使用が提案されている。しかし、有機酸類、無機酸類等の均一系の触媒を使用すると、生成物たるアルカノールアミンと触媒との分離操作が必要となり、触媒と生成物との相が同じ均一系では、安価かつ簡便なアルカノールアミンの製造が困難である。
【0005】
この様な経緯から、生成物と触媒との分離操作を簡便化し、かつ触媒活性を向上させてアルカノールアミンの収率を向上させる方法の一つとして、均一系の酸触媒を固定化して使用する方法が開発されている。
【0006】
例えば、均一系の酸触媒を固定化した触媒として、ゼオライトの一種であるZSM−5に希土類金属で交換したマイクロポーラスマテリアルが高性能をもたらすことが知られている。
【0007】
また、特開平11−322681号公報には、マイクロポーラスマテリアルからなる触媒を用いた、ジアルカノールアミンの選択率に優れるジアルカノールアミン製造用触媒に関する発明が開示されている。該公報に記載された触媒は、有効細孔径が0.45nmないし0.8nmであるマイクロポーラスマテリアル、またはマイクロポーラスマテリアルを希土類元素でイオン交換した触媒であって、これを用いることによってジアルカノールアミンを選択性高く製造することができるとしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、マイクロポーラスマテリアルを触媒として用いると、比較的短い時間で触媒の活性低下が起こる場合がある。このようなアルカノールアミンの製造に際して活性低下が起こることは従来知られていなかった。
【0009】
一方、触媒は高価であるため使い捨てにすることはできず、実用的には触媒を何らかの形で再使用する必要がある。しかしながら、工業的に有利に実施できる具体的な再生方法が未だ知られていない。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討の結果、活性の低下した触媒に100〜350℃で、アンモニアを流通させ蓄積した有機物を分解処理および/または抽出処理により除去し触媒活性を再生できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、上記課題は以下の(1)〜(3)によって解決される。
【0012】
(1)アンモニアとアルキレンオキシドとの反応によるアルカノールアミン製造用触媒の再生方法であって、該触媒がマイクロポーラスマテリアル触媒であり、かつ該触媒に100〜350℃で、1〜30MPaの圧力でアンモニアを流通させることを特徴とするアルカノールアミン製造用触媒の再生方法。
【0014】
(2)該再生処理が、該触媒を反応器内部に充填したまま行うものである、上記(1)記載の再生方法。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の第一は、アンモニアとアルキレンオキシドとの反応によるアルカノールアミン製造用触媒の再生方法であって、該触媒がマイクロポーラスマテリアル触媒であり、かつ該触媒に100〜350℃でアンモニアを流通させることを特徴とするアルカノールアミン製造用触媒の再生方法。
【0016】
本発明で使用するマイクロポーラスマテリアルとしては、均一な径の細孔を持つ結晶体であり、メタロシリケートタイプとアルミノフォスフェートタイプがある。
【0017】
アルミノフォスフェートタイプとしては、アルミノフォスフェート(ALP0)、メタロアルミノフォスフェート(MAPO)、シリコアルミノフォスフェート(SAPO)が知られており、いずれを使用することもできる。
【0018】
またメタロシリケートは、アルミノシリケート、ガロシリケート、フェリシリケート、ボロシリケート、ジンコシリケートなどのケイ素以外の金属原子(=T原子)がAl、Ga、Fe、B、Zn、Co、Ni、Cr、Sc、Ge、Tiなどのものが挙げられる。
【0019】
メタロシリケートの種類としては、国際ゼオライト学会の構造を示すフレームワークトポロジーコードで示すと、MFI、MEL、BEA、MOR、MTW、BOG、TONなどが挙げられるがジアルカノールアミンの選択率の面からMFIあるいはMELが好ましい。
【0020】
MFI構造を有するものとしては、合成高シリカ型ゼオライトとして知られるZSM−5がある。またMEL構造を有するものとしては、同じく合成高シリカ型ゼオライトとして知られるZSM−11がある。MFIとMELは構造がよく似ており、インターグロースが起こって一つの結晶の中に両方の構造を含む場合があるが、本発明ではいずれも使用できる。
【0021】
本発明で使用するメタロシリケートは、公知の方法で調製することができる。例えば、通常シリカ源・T原子源と構造指示剤を水中に分散させ、オートクレーブ中で加熱するいわゆる水熱合成法によって調製できる。またシリカ源・T原子源と構造指示剤とを濃縮乾固したゲルをオートクレーブ中で水蒸気と接触させる、いわゆるドライゲル法などで調製することもできる。なお、上記ZSM−5やZSM−11などの市販のゼオライトを用いることもできる。
【0022】
なお、アルキレンオキシドとアミンとの反応は主として細孔内で起こるので、選択性を発現させるためには上記マイクロポーラスマテリアルの有効ミクロ細孔径は0.45〜0.8nmであり、好ましくは0.5〜0.7nmである。
【0023】
このようなマイクロポーラスクリスタルの例としては、国際ゼオライト学会の構造を示すフレームワークトポロジーコードで表すと、MFI、MEL、MOR、BOG、TON、MTW、ATO、AFR、BEAなどが挙げられる。中でもジエタノールアミンの選択性の面からはZSM−5(国際ゼオライト学会の構造を示すフレームワークトポロジーコードMFIに属する)やZSM−11(国際ゼオライト学会の構造を示すフレームワークトポロジーコードMELに属する)が好ましい。
【0024】
上記有効ミクロ細孔径の範囲は、反応原料が細孔内に拡散することが困難になって活性が低下することがなく、逆にトリアルカノールアミンが細孔内で生成することがなくジアルカノールアミンの選択率が低下することがない点で好ましい。
【0025】
内部に大きなキャビティを持つX型やY型ゼオライト(国際ゼオライト学会の構造を示すフレームワークトポロジーコードで表すと、両方ともFAUに属する)は、このキャビティで大きな分子が生成できるので細孔出入口の細孔径から期待される形状選択性を示すことは少ない。
【0026】
また、細孔外での反応は形状選択性が期待できないため、結晶1次粒子の外表面を不活性化することが好ましい。不活性化処理の方法としては高温でのスチーミング処理、四塩化珪素処理、アルコキシシラン処理など挙げられる。またメタロシリケートを合成する場合、イオン交換サイトにはアルカリ金属イオンが入っている。その状態では酸性がほとんどなく活性が低い。そこでアルカリ金属イオンをプロトン、アンモニウムイオン、多価カチオン、特に希土類元素などでイオン交換して活性を上げることが望ましい。
【0027】
具体的な調製方法としては、メタロシリケートは、通常、シリカ源・金属源と構造指示剤を水中に分散させ、オートクレーブ中で加熱するいわゆる水熱合成法やシリカ源・金属源と構造指示剤とを濃縮乾固したゲルをオートクレーブ中で水蒸気と接触させるいわゆるドライゲル法などで調製することができる。また、ALPO、MAPO、SAPOもリン酸を用いる以外は、同じように水熱合成によって調製することができる。また、ZSM−5、BETAなどは市販されているので、これらを用いることもできる。
【0028】
通常、水熱合成では生成したマイクロポーラスマテリアル中にアルカリ金属が対カチオンとして含まれているので、一旦NH4 +イオンでイオン交換し、その後、高温で焼成することによってプロトン型に交換することができる。また、多価カチオンでイオン交換することもでき、特に希土類元素で交換すると、活性、選択性とも向上することが多いので好ましい。
【0029】
工業的な利用においては、上記のいずれの触媒も利用に際して触媒を成形することが好ましい。触媒の形状としては特に制限はないが、球形、円柱、中空円柱などを例示できる。メタロシリケートは非常に微細な結晶からなっており、単独では成形性が非常に悪く、成形するためには助剤あるいはバインダーを使わなければならない場合も多い。その場合の助剤あるいはバインダーとしては、シリカゾル、アルミナゾル、ジルコニアゾルなどの各種酸化物ゾルや粘土鉱物類などが用いられる。このような成形助剤を用いると、円滑に成形でき、且つ成形助剤そのものも活性選択性を持つため、本発明触媒の本来の性能を損なうことがない。
【0030】
成形助剤を使用する場合には、成形助剤の使用量は触媒が成形されれば特に制限はされないが、マイクロポーラスマテリアル10質量部に対し、通常、50質量部以下、さらに好ましくは40質量部以下の範囲である。また、成形してある程度の大きさになった触媒において、触媒内部の拡散の影響による活性・選択性の低下を防止するため、細孔容積を大きくすることが好ましい。このため、成形時に細孔形成剤を加えて成形し、焼成操作によって除去して、細孔容積を増加させることが好ましい。
【0031】
この細孔形成剤としては、例えば硝酸アンモニウム・酢酸アンモニウムなどの各種アンモニウム塩、蓚酸・尿素などの有機化合物、各種ポリマー・繊維などの非水溶性有機化合物などが挙げられる。細孔の生成効率、成形のし易さなどの面から非水溶性化合物が好適に使用でき、その非水溶性有機化合物としてはある程度吸湿性が有り、微細な粉体になっており数百度の高温処理により燃焼除去可能で有ればよく、特に結晶性セルロースが取り扱い性の面で好ましい。結晶性セルロースとしては、濾紙や粉砕した粉末や、パルプを粉砕した粉体などが用いられる。結晶性セルロースなどの有機物の細孔形成剤を用いるときは、単なる加熱処理では分解できないので、酸素を含む窒素、ヘリウム、二酸化炭素などの気体中(空気を用いるのが便利である)で燃焼除去する。
【0032】
本発明に使用されるアルキレンオキシドは、アルキレンオキシドであり、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等の2〜4個の炭素原子を有するアルキレンオキシドが例示される。これらの原料に対応してアルカノールアミンが得られる。具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン類等が例示される。
【0033】
アルカノールアミンの製造反応自体は従来公知の方法、装置を採用することができる。例えば、反応は液相状態で行わなければならないので、一般的には、反応圧力は反応器内の最高温度における反応液の蒸気圧より高く保つ必要があるが、アルキレンオキシドの濃度が高く反応熱の除去が困難な場合はアンモニアの一部を気化させてその蒸発潜熱で反応熱を除去することもできる。この場合は、反応圧力を反応系内の最高温度での反応液の蒸気圧より低くすることが好ましい。
【0034】
通常、アルカノールアミン類の製造は、40〜300℃の温度範囲で実施することができる。好ましい範囲は80〜200℃である。操作圧力は、1〜30MPa、好ましくは5〜20MPa、特に好ましくは8〜15MPaである。
【0035】
また、上述の条件下、液毎時空間速度(LHSV)に特に制限はないが、0.1〜100hr-1以上の条件が通常用いられる。なお、上記LHSVは次のように定義する。
【0036】
【数1】
【0037】
マイクロポーラスマテリアルを触媒に用いれば特にモノアルカノールアミンをリサイクルしなくとも、高効率でジアルカノールアミンを製造することができるが、断熱1段反応で実施する場合など、反応器入り口のアルキレンオキシド濃度に制約がある場合やモノアルカノールアミンをあまり製造する必要のない場合などには、生成したモノアルカノールアミンの一部を反応器にリサイクルすることにより、ジアルカノールアミンの生成量を増加させることもできる。
【0038】
このようなジアルカノールアミンの製造にマイクロポーラスマテリアル触媒を長時間反応に使用すると、触媒への有機物の蓄積が原因と思われる活性の低下が見られ、目的生成物であるアルカノールアミンの収率が低下する。図1に、触媒活性の低下の進行度合いを示す反応器内温度分布の経時変化の一例を示す。アンモニアとアルキレンオキシドとの反応は発熱反応であるため、反応活性と触媒温度とはほぼ比例すると考えられる。図1に示すように、断熱型反応器を用いると反応の初期には十分に高い活性があり触媒層の入口部で反応が完了し、およそ触媒層中央部ないし出口部では原料のアルキレンオキシドがすでに消費されるため触媒層温度の上昇は見られない。しかし、反応の経過とともに徐々に触媒層の入口部から活性が低下し始め、反応速度が小さくなり、入口部での発熱が少なくなるため、触媒層の高温部が触媒層の後ろへずれ込んでいき、最終的には原料であるアルキレンオキシドが十分転化しなくなる。
【0039】
反応器の連続運転可能な時間(=寿命)は、最初に充填した触媒の量が多ければ多いほど長くなるが、その一方で、液時空間速度(LHSV)が非常に小さいと大量の触媒と非常に大きな反応器が必要となる。また、活性低下した触媒を観察すると、触媒はあまり変色しておらず、有機物の蓄積はあるが触媒の活性低下でよく見られるいわゆるコーキングではない。コーキングが起こると触媒は黒変し、有機物は炭素状析出物となって高温での酸化処理でないと除去できなくなる。しかし、本反応での活性低下はコーキングではないため、液相で100〜350℃でアンモニアを流通させると、蓄積した有機物を分解しまたは抽出処理することによって触媒を再生することができる。
【0040】
処理する温度は100〜350℃、好ましくは120〜330℃、更に好ましくは140〜300℃である。100℃を下回ると分解および/または抽出の効率が低く十分触媒を再生できない。一方、350℃を越えると、有機物のコーク化が起こったり溶媒の分解が起こったりする上、反応器も高温に耐える設計とするため高価になり好ましくない。
【0041】
また、再生処理の圧力は、1〜30MPaであることが好ましく、より好ましくは1〜25MPa、特に好ましくは1〜20MPaである。1MPaを下回ると再生が十分に行われず、その一方、30MPaを上回ると反応器が高価となるからである。
【0042】
本発明の再生方法では、一旦反応器から触媒を抜き出して処理することも可能であるが、操作が煩雑になるため触媒を反応器内に充填したまま処理を行うことが工業的実施では有利である。この場合、アンモニアを触媒充填層へ流通させることになる。流通させるアンモニアの量は、アンモニア中に移行した分解物を除去できるのに十分な量であればよく特に制限はないが、通常、LHSVで0.01〜50hr-1である。
【0043】
処理の時間は触媒活性が十分回復するだけ必要であり、用いるアンモニアの通液時間は処理温度によって変わるので一概にいえないが、通常1〜500時間の範囲である。
【0044】
なお、本発明では該再生工程の前に洗浄工程を設けることが好ましい。洗浄工程は系内のアルカノールアミン類を反応器外へ洗い流し、また触媒に吸着したアルカノールアミン類を脱着、除去する工程であり、液体アンモニアで洗浄する。
【0045】
次に、図面を用いて本発明の触媒の再生方法について説明する。図2はアルカノールアミンの製造工程および触媒の再生工程を説明するための一例を示す図面である。最初にアルカノールアミンの製造工程について説明する。図2において、原料であるアルキレンオキシドの1種である所定量のエチレンオキシドを、エチレンオキシド原料タンク211から高圧ポンプ204を介して予熱器202に供給するとともに、所定量のアンモニアをアンモニア原料タンク210から高圧ポンプ203を介して予熱器202に供給する。予熱された原料混合物を、圧力制御弁206で圧力を調整しながら、触媒の充填された反応管201に供給して反応させ、エタノールアミン類を得る。得られたエタノールアミン類をアンモニアフラッシュ塔に導き、塔底液としてエタノールアミン類を回収し、未反応のアンモニアを塔頂から留出させ、熱交換器209で凝縮させて回収アンモニアタンク208で貯蔵する。回収アンモニアは高圧ポンプ205を介して再使用する。
【0046】
次に、触媒の再生工程について説明する。反応が終わった後、液体アンモニアを必要により予熱して使用済みの触媒を洗浄し、出口215から系外に排出する。その後、再生溶媒を溶媒タンク213から高圧ポンプ212を介して予熱器202に供給する。再生アンモニアを予熱し、反応管201に導入し触媒を処理し、出口215から排出する。
【0047】
また、触媒の再生に使用したアンモニアは、回収して反応に用いることもできる。
【0048】
【実施例】
実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。説明は主にアルキレンオキシドとしてエチレンオキシドを用い、エタノールアミン類を製造する場合について述べる。
【0049】
(参考例)
ZSM−5ゼオライト(Si/A1原子比28、プロトン型、zeolyst社製)2kgを60℃に加温した1mol/リットル硝酸ランタン水溶液10リットルに投入し、12時間撹拌しながら60℃に保ちイオン交換を行った。ろ過、水洗後120℃で12時間乾燥した。このランタンイオン交換ZSM−5の粉体に700gの粘土を加え、ニーダーで混合しながら調湿した後、押出成型器を用いてドーム状のダイスで0.4mm(直径)の紐状に押し出した。得られた成型体を一旦120℃で2時間乾燥し、整粒器で2〜5mmの長さに揃えた後、120℃で12時間乾燥した。得られた成型体を空気中550℃で3時間焼成した。これを触媒Aとする。
【0050】
(実施例1)
図2に示す装置を用いて反応を行った。反応管201は、内径15mm、長さ40mmのステンレス製の、放熱を補償するヒーターを巻き、保温したチューブを用いた。反応器201内部には、固定触媒層の温度プロファイルを測定するために熱電対を挿入できる保護管を設けた。この反応器201に触媒A50cm3を充填し、予熱器202で60℃に加熱した原料(アンモニア/エチレンオキシドのモル比:8)を5hr-1(LHSV)で流通させて反応させた。反応圧力は10MPaで、反応は気液混合相になっていた。反応熱による温度上昇は、初期は入口100mm程度で150℃になったが、200時間経過後には触媒層出口付近で漸く温度150℃近くまで上昇するプロファイルとなり、触媒の活性低下が見られた。
【0051】
このときの反応結果は、エチレンオキシド転化率100%、生成したエタノールアミン類の生成比率でモノエタノールアミン/ジエタノールアミン/トリエタノールアミン=51/46/3であった。トリエタノールアミンの生成が少ないにも関わらず、ジエタノールアミンが選択率よく生成していた。
【0052】
反応停止後、100℃で液体アンモニアをLHSV5hr-1で10分間流通させて洗浄した。分析のため、活性の低下した触媒を反応器から取り出し、分析用にごく一部を水洗し、触媒中に付着した有機物の元素分析を行ったところ、炭素6.4質量%、水素1.6質量%、窒素1.3質量%であった。
【0053】
この触媒を再度反応器に充填し、さらに反応器の圧力を15MPaに制御し、予熱器の温度を180℃に上げ液体アンモニアをLHSV5hr-1で反応器へ供給して1回目の再生を行った。処理を50時間行い再生処理した触媒を反応器から取り出し、同様に一部を水洗せずに触媒中に付着した有機物の元素分析を行ったところ、炭素0.88質量%、水素0.71質量%、窒素2.18質量%であった。窒素は吸着したアンモニアによるものであり、有機物はほとんど除去されていることがわかる。
【0054】
さらに、この触媒を反応器に充填し初期と同様の条件で反応を再開した。再生後の反応初期の触媒層温度分布は入口から150mm程度で温度が150℃程度になり、かなり活性が回復していることが分かる。このまま200時間反応を継続し触媒活性が低下してきたところで、初期と同じ条件で2回目のアンモニア処理による再生を行った。この処理によって活性は1回目の再生後と同じレベルに回復していた。
【0055】
(実施例2)
実施例1と同じ条件で反応を行い、処理温度を200℃とする以外は同じ条件で再生処理を行った。再生処理後の反応初期の触媒層温度分布は入口から130mm程度で温度が150℃程度になり、かなり活性が回復していた。
【0056】
(実施例3)
実施例1と同じ条件で反応を行い、処理圧力を10MPaとする以外は同じ条件で再生処理を行った。再生処理後の反応初期の触媒層温度分布は入口から130mm程度で温度が150℃程度になり、かなり活性が回復していた。
【0057】
(実施例4)
実施例1と同じ条件で反応を行い、処理温度を230℃、処理時間を24時間とする以外は実施例3と同じ条件で再生処理を行った。再生処理後の触媒の一部を取り出し水洗せずに触媒中に付着した有機物の元素分析を行ったところ、炭素0.37質量%、水素0.64質量%、窒素1.43質量%であった。窒素は吸着したアンモニアによるものであり、有機物はほとんど除去されていることがわかる。
【0058】
再生処理後の反応初期の触媒層温度分布は入口から130mm程度で温度が150℃程度になり、かなり活性が回復していた。
【0059】
(比較例1)
実施例1と同じ条件で反応を行った。反応終了後液体アンモニアで洗浄し、更にアンモニアをパージ後、反応器に200℃に加熱した窒素ガスをSV200hr-1で72時間流通させた。処理後の触媒を抜き出したところ、灰色に変色していた。触媒中に付着した有機物の元素分析では、炭素6.3質量%、水素1.5質量%、窒素1.2質量%であり、処理前とほとんど変化しておらず触媒から有機物を除去することはできなかった。
【0060】
(比較例2)
実施例1と同じ条件で反応を行った。反応終了後液体アンモニアで洗浄し、反応器に200℃に加熱したアンモニアガスをSV200hr −1 で72時間流通させた。処理後の触媒を抜き出したところ、わずかに灰色に変色していた。触媒中に付着した有機物の元素分析では、炭素5.3質量%、水素1.7質量%、窒素1.6質量%であり、有機物は減少しているもののその割合は小さく、触媒から十分に有機物を除去することができなかった。
【0061】
【発明の効果】
活性の低下した触媒を100〜350℃の温度でアンモニアを流通させ、蓄積した有機物を分解処理しおよび抽出処理により除去し、触媒を簡便に再生することができる。しかも、使用する溶媒がアンモニアであって、製造原料ともなるものである。従って、再生処理後に目的物の製造を容易に開始することができる。なお、本発明の再生方法は、活性の低下した触媒を反応器内で再生処理できる点でも、操作が簡便である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は触媒活性の低下の進行度合いを示す反応器内温度分布の経時変化の一例を示す模式図である。
【図2】 実施例で用いた反応装置の模式図である。
【符号の説明】
201・・・反応管、
202・・・予熱器、
203、204、205、212・・・高圧ポンプ、
206・・・圧力制御弁、
207・・・アンモニアフラッシュ塔、
208・・・回収アンモニアタンク、
210・・・エチレンオキシド、
211・・・アンモニア、
213・・・酸化剤溶液タンク、
215・・・出口。
Claims (2)
- アンモニアとアルキレンオキシドとの反応によるアルカノールアミン製造用触媒の再生方法であって、該触媒がマイクロポーラスマテリアル触媒であり、かつ該触媒に100〜350℃で、1〜30MPaの圧力でアンモニアを流通させることを特徴とするアルカノールアミン製造用触媒の再生方法。
- 該再生処理が、該触媒を反応器内部に充填したまま行うものである、請求項1記載の再生方法。
Priority Applications (5)
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