JP2001149796A - アルカノールアミン製造用触媒の再生方法 - Google Patents

アルカノールアミン製造用触媒の再生方法

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JP2001149796A
JP2001149796A JP33602999A JP33602999A JP2001149796A JP 2001149796 A JP2001149796 A JP 2001149796A JP 33602999 A JP33602999 A JP 33602999A JP 33602999 A JP33602999 A JP 33602999A JP 2001149796 A JP2001149796 A JP 2001149796A
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Tomoharu Oku
智治 奥
Hideaki Tsuneki
英昭 常木
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アンモニアとアルキレンオキシドの反応によ
ってアルカノールアミンの製造を行う際に用いるマイク
ロポーラスマテリアル触媒の寿命を延長する。 【解決手段】 使用済み触媒を、酸化剤を用いて液相で
処理して再生し、アルカノールアミンの製造を可能とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】アルカノールアミンの製造用
のマイクロポーラスマテリアル触媒を再生する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】アルキレンオキシドをアンモニアでアミ
ノ化してアルカノールアミン類を製造する方法として
は、工業的にエチレンオキシドとアンモニア水(20〜
40質量%のアンモニア濃度)とを反応させてエタノー
ルアミン類を製造する方法が採用されている。この方法
では、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ト
リエタノールアミンの3種類が生成するが、これらの中
でトリエタノールアミンの需要が減退しているので、ト
リエタノールアミンの生成を抑えることが求められてい
る。そのため、通常、アンモニアとエチレンオキシドと
のモル比を3〜5程度とアンモニアを大過剰にして反応
を行うが、それでもトリエタノールアミンの選択率は1
0〜20質量%以上ないしそれ以上であり、ジエタノー
ルアミンの選択率は40質量%以下である。
【0003】一方、水が存在しない系ではアルキレンオ
キシドとアンモニアとはほとんど反応しない。したがっ
て、このような反応には、触媒の存在が不可欠であり、
例えば有機酸類、無機酸類、アンモニウム塩などの均一
系の触媒、スルホン酸基を樹脂に固定したイオン交換樹
脂、酸活性化粘土触媒、各種ゼオライト触媒や希土類担
持触媒が提案されている。しかし、これらの触媒の目的
はモノアルカノールアミンを高選択的に製造することに
あり、近年需要が増大しているジアルカノールアミンを
製造するにはまだ不十分である。
【0004】有効細孔径が0.45nmないし0.8n
mであるマイクロポーラスマテリアルあるいはこれらの
マイクロポーラスマテリアルをイオン交換および/また
は表面処理した触媒を用いることによって、ジアルカノ
ールアミンの選択性の高い触媒を得ることができる。
【0005】これらの触媒を用いて、さらにジアルカノ
ールアミンを高い選択率で得たい場合には、生成したモ
ノアルカノールアミンを分離した後、その一部を反応系
にリサイクルすることによりジアルカノールアミンの生
成量を増大させることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】マイクロポーラスマテ
リアルを触媒として用いると、比較的短い時間で触媒の
活性低下が起こる場合がある。アルカノールアミンの製
造に際して活性低下が起こることは従来知られていなか
った。触媒は高価であるため使い捨てにすることはでき
ず、実用的には触媒を何らかの形で再使用する必要があ
るが、工業的に有利に実施できる具体的な再生方法が未
だ知られていないのである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するた
め、本発明者らは、鋭意検討の結果、活性の低下した触
媒を液相で酸化剤によって処理することで触媒を再生す
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】本発明の目的は、アンモニアとアルキレン
オキシドの反応によるアルカノールアミンの製造に供し
たマイクロポーラスマテリアル触媒を再生するに際し、
酸化剤を用いて液相で前記触媒を再生処理することを特
徴とするアルカノールアミン製造用触媒の再生方法によ
って達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に使用される触媒は、アル
キレンオキシドとアンモニアから、トリアルカノールア
ミンの生成を抑制しながら、アルカノールアミン、特に
ジアルカノールアミンを液相で製造するために用いられ
るマイクロポーラスマテリアル触媒であればいずれでも
制限を受けることはない。マイクロポーラスマテリアル
触媒は、通常、有効細孔径が0.45nmないし0.8
nmであるマイクロポーラスマテリアルまたはマイクロ
ポーラスマテリアルをイオン交換および/または表面処
理した触媒を挙げることができる。
【0010】マイクロポーラスマテリアルとは、分子オ
ーダーのほぼ均一な径の細孔を持つ結晶体であり、メ
タロシリケートタイプとアルミノフォスフェートタイ
プが挙げられる。メタロシリケートタイプとしては、
金属がアルミニウムであるアルミノシリケートはいわゆ
るゼオライトとして知られており、その他のメタロシリ
ケートを形成する金属としてFe、Ga、B、Co、N
i、Cr、Sc、Ge、Tiなどが知られている。ア
ルミノフォスフェートタイプとしては、アルミノフォス
フェート(ALP)、メタロアルミノフォスフェート
(MAPO)、シリコアルミノフォスフェート(SAP
O)などが知られている。
【0011】アルキレンオキシドとアンモニア若しくは
アミンとの反応は主として細孔内で起こるので、選択性
を発現させるためには、上述したマイクロポーラスマテ
リアルの有効細孔径は、通常、0.45〜0.8nmで
あり、好ましくは0.5〜0.7nmである。このよう
なマイクロポーラスマテリアルの例としては、ZSM−
5、ZSM−11、モルデナイト、TON、MTW、A
LPO−31、SAPO−40、BETAなどが挙げら
れる。なかでも、ジエタノールアミンの選択性の面から
は、ZSM−5やZSM−11が好ましい。
【0012】内部に大きなキャビティを有するX型やY
型ゼオライトは、このキャビティで大きな分子が生成で
きるので、細孔出入口の細孔径から期待される形状選択
性を示すことは少ない。また、細孔外での反応は形状選
択性が期待できないため、結晶1次粒子の外表面を不活
性化することが好ましい。不活性化の方法としては、高
温でのスチーミング処理、四塩化珪素処理、アルコキシ
シラン処理などが挙げられる。また、マイクロポーラス
マテリアルを合成する場合、イオン交換サイトにはアル
カリ金属イオンが入っている。その状態では活性が低い
ことが多いので、アルカリ金属イオンをプロトン、アン
モニウムイオン、多価カチオン(特に、希土類元素が好
ましい)などでイオン交換して活性を上げることが望ま
しい。
【0013】具体的な調製方法としては、メタロシリケ
ートは、通常、シリカ源・金属源と構造指示剤を水中に
分散させ、オートクレーブ中で加熱するいわゆる水熱合
成法やシリカ源・金属源と構造指示剤を濃縮乾固したゲ
ルをオートクレーブ中で水蒸気と接触させるいわゆるド
ライゲル法などで調製することができる。また、ALP
O、MAPO、SAPOもリン酸を用いる以外は、同じ
ように水熱合成によって調製することができる。また、
ZSM−5、BETAなどは市販されているので、これ
らを用いることもできる。通常、水熱合成では生成した
マイクロポーラスマテリアル中にアルカリ金属が対カチ
オンとして含まれているので、一旦NH 3イオンでイオ
ン交換し、その後、高温で焼成することによってプロト
ン型に交換することができる。また、多価カチオンでイ
オン交換することもでき、特に希土類元素で交換する
と、活性、選択性とも向上することが多いので好まし
い。
【0014】工業的な利用においては、触媒を成形する
ことが好ましい。触媒の形状としては特に制限はされな
いが、球形、円柱、中空円柱などを例示できる。メタロ
シリケートなどのマイクロポーラスマテリアル類は非常
に微細な結晶からなっており、単独では成形性が非常に
悪い。このため、成形するためには成形助剤あるいはバ
インダーを用いることが好ましい。その場合の成形助剤
・バインダーとしては、シリカゾル・アルミナゾル・ジ
ルコニアなどの各種酸化物ゾルや粘土鉱物類などが用い
られる。成形性の改善の面からはスメクタイト系やカオ
リンのような粘土鉱物が好ましい。触媒のもっている本
来の活性・選択性を損なわないためには、それ自体で、
アンモニアとアルキレンオキシドの反応に活性を持つス
メクタイト系の粘土、中でもモンモリナイトが好まし
い。このような成形助剤を用いると円滑に成形でき、か
つ、成形助剤そのものも活性選択性を持つため、本発明
に用いる触媒の本来の性能を損なうことがない。成形助
剤を使用する場合には、成形助剤の使用量は触媒が成形
されれば特に制限はされないが、マイクロポーラスマテ
リアル100質量部に対し、通常、50質量部以下、さ
らに好ましくは40質量部以下の範囲である。また、成
形してある程度の大きさになった触媒において、触媒内
部の拡散の影響による活性・選択性の低下を防止するた
め、細孔容積を大きくすることが好ましい。このため、
成形時に細孔形成剤を加えて成形し、焼成操作によって
除去して、細孔容積を増加させることが好ましい。この
細孔形成剤としては、例えば硝酸アンモニウム・酢酸ア
ンモニウムなどの各種アンモニウム塩、蓚酸・尿素など
の有機化合物、各種ポリマー・繊維などの非水溶性有機
化合物などが挙げられる。細孔の生成効率、成形のし易
さなどの面から非水溶性化合物が好適に使用でき、その
非水溶性有機化合物としてはある程度吸湿性が有り、微
細な粉体になっており数百度の高温処理で燃焼除去可能
で有ればよく、特に結晶性セルロースが取り扱い性の面
で好ましい。結晶性セルロースとしては、濾紙や粉砕し
た粉末や、パルプを粉砕した粉体などが用いられる。結
晶性セルロースなどの有機物の細孔形成剤を用いるとき
は、単なる加熱処理では分解できないので、酸素を含む
窒素、ヘリウム、二酸化炭素などの気体中(空気を用い
るのが便利である)で燃焼除去する。
【0015】本発明に使用される原料のアルキレンオキ
シドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシドなどの
炭素数2〜4のアルキレンオキシドが例示される。反応
によりこれらの原料に対応するアルカノールアミンが得
られる。具体例としては、モノエタノールアミン、ジエ
タノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノール
アミン類などが例示される。
【0016】反応自体は従来公知の方法、装置を採用す
ることができる。例えば、反応は溶液状態で行わなけれ
ばならないので、一般的には、反応圧力は反応器内の最
高温度における反応液の蒸気圧より高く保つ必要がある
が、アルキレンオキシドの濃度が高く反応熱の除去が困
難な場合はアンモニアの一部を気化させてその蒸発潜熱
で反応熱を除去することもできる。この場合は、反応圧
力を反応系内の最高温度での反応液の蒸気圧より低くす
ることが好ましい。
【0017】通常、アルカノールアミン類の製造は、4
0〜300℃の温度範囲で実施することができる。好ま
しい範囲は80〜200℃である。操作圧力は,1〜2
0MPaである。また、上述の条件下、液毎時空間速度
(LHSV)に特に制限はないが、0.1hr-1以上の
条件が通常用いられる。
【0018】マイクロポーラスマテリアルを触媒に用い
れば特にモノアルカノールアミンをリサイクルしなくと
も、高効率でジアルカノールアミンを製造することがで
きるが、断熱1段反応で実施する場合など、反応器入口
のアルキレインオキシド濃度に制約がある場合やモノア
ルカノールアミンをあまり製造する必要のない場合など
には、生成したモノアルカノールアミンの一部を反応器
にリサイクルすることにより、ジアルカノールアミンの
生成量を増加させることもできる。
【0019】マイクロポーラスマテリアル触媒を長時間
反応に供すると、触媒への有機物の蓄積が原因と思われ
る活性の低下が見られ、目的生成物であるアルカノール
アミンの収率が低下する。図1は触媒活性の低下の進行
度合いを示す反応器内温度分布の経時変化の一例を示す
模式図である。図1に示されるように、断熱型反応器を
用いると、反応の初期には十分に高い活性があり、触媒
層の入口部で反応が完了し、およそ触媒層中央部ないし
出口部では原料のアルキレンオキシドがすでに消費され
ていて触媒層温度の上昇は見られない。反応の経過とと
もに、徐々に触媒層の入口部から活性が低下し始め、反
応速度が小さくなり入口部での発熱が少なくなるため、
触媒層の温度プロファイルにおける高温部が触媒層の後
ろへずれ込んでいき、最終的には原料であるアルキレン
オキシドが十分転化しなくなってしまう。
【0020】反応器の連続運転可能な時間(=寿命)
は、最初に充填した触媒の量が多ければ多いほど長くな
るが、その一方で、液時空間速度(LHSV)が非常に
小さくて大量の触媒と非常に大きな反応器が必要とな
り、工業的に実施するためには問題となる。
【0021】活性低下した触媒を観察すると、触媒はあ
まり変色しておらず有機物の蓄積があるが、触媒の活性
低下でよく見られるいわゆるコーキングではないようで
ある。コーキングが起こると触媒は黒変し、有機物は炭
素状析出物となって、高温での酸化処理でないと除去で
きなくなる。しかし、本反応での活性低下はコーキング
ではないため、反応温度前後またはそれ以下といった比
較的穏和な条件でも適当な酸化剤を用いれば有機物を酸
化除去できる。
【0022】酸化剤としては、過酸化水素、過酢酸など
の過酸;アルキルペルオキシド、ジアルキルペルオキシ
ドなどの各種有機過酸化物;硝酸;窒素酸化物;過塩素
酸;過ヨウ素酸;過マンガン酸;重クロム酸などが挙げ
られる。触媒へのイオン交換が起こったり、あるいは結
晶格子からの脱アルミニウムが起こったりする不都合が
起こらないようにするためには、過酸化水素やアルキル
ペルオキシド、ジアルキルペルオキシドからなる有機過
酸化物が好ましい。特に、過酸化水素は水と酸素しか生
成しないので好ましい。
【0023】酸化剤の使用量は、活性低下した触媒に蓄
積した有機物の量と酸化剤の有効利用率によって変化
し、一義的に規定することはできないが、一般的には使
用する酸化剤と活性低下触媒の質量比で表して、通常、
0.01乃至100、好ましくは0.02〜20の範囲
である。
【0024】酸化剤を用いる場合には、水などの溶剤に
溶解して用いる。酸化剤の濃度は特に制限はされない
が、過酸化物による爆発などの危険性を考慮すれば、上
限は50質量%以下、さらには40質量%以下が好まし
い。また、処理時間などを考慮すれば、下限は0.01
質量%以上、さらには0.1質量%以上が好ましい。最
も好ましくは、0.2〜30質量%の範囲である。
【0025】処理温度は室温から反応器の耐圧の範囲ま
でのどの温度でもよいが、反応温度より高くすると、装
置の耐熱設計を必要以上に高くしなければならないの
で、200℃以下が好ましく、さらに150℃以下が好
ましい。
【0026】処理時間は、処理温度、酸化剤濃度、蓄積
有機物量、酸化剤溶液量などによって変化するが、通
常、500時間以内、さらに1〜500時間が好まし
い。
【0027】活性低下した触媒の酸化処理は、一旦反応
器から抜き出さして処理することも可能であるが、操作
が煩雑になるため、反応器内に充填したまま処理を行う
ことが工業的実施では有利である。この場合、酸化剤含
有溶液を触媒充填層へ流通させることになる。
【0028】再生工程の前に、洗浄工程を設けることが
好ましい。洗浄工程は系内のアルカノールアミン類を反
応器外へ洗い流し、また触媒に吸着したアルカノールア
ミン類を脱着、除去する工程であり、液体アンモニアで
洗浄する。さらに、水などのその他の溶剤で洗浄しても
よい。特に、酸化剤水溶液を再生に用いる場合は水洗す
ることがことが好ましい。
【0029】本発明による酸化処理を行った後に、処理
済み触媒をメタノールなどの極性有機溶媒および/また
は水で洗浄することが好ましい。さらに、洗浄後、通
常、窒素などの不活性気体を用いて必要により50〜1
50℃の温度加熱して乾燥することが好ましい。
【0030】次に、図面を用いて触媒の生成処理につい
て説明する。
【0031】図2はアルカノールアミンの製造工程およ
び触媒の再生工程を説明するための一例を示す図面であ
る。
【0032】最初にアルカノールアミンの製造工程につ
いて説明する。図2において、原料であるアルキレンオ
キシドの1種である所定量のエチレンオキシドを、エチ
レンオキシド原料タンク211から高圧ポンプ204を
介して予熱器202に供給するとともに、所定量のアン
モニアをアンモニア原料タンク210から高圧ポンプ2
03を介して予熱器202に供給する。予熱された原料
混合物を、圧力制御弁206で圧力を調整しながら、触
媒の充填された反応管201に供給して反応させ、エタ
ノールアミン類を得る。得られたエタノールアミン類を
アンモニアフラッシュ塔に導き、塔底液としてエタノー
ルアミン類を回収し、未反応のアンモニアを塔頂から留
出させ、熱交換器209で凝縮させて回収アンモニアタ
ンク208で貯蔵する。回収アンモニアは高圧ポンプ2
05を介して再使用する。
【0033】次に、触媒の再生工程について説明する。
反応が終わった後、液体アンモニアを必要により予熱し
て、使用済みの触媒を洗浄し、出口215から系外に排
出する。必要により、イオン交換水などの溶剤を用い、
酸化剤溶液と同様な方法で反応器に供給して触媒を洗浄
する(タンクなどは図示せず)。その後、酸化剤溶液を
酸化剤溶液タンク213から高圧ポンプ212を介して
予熱器202に供給する。必要により酸化剤溶液を予熱
し、反応管201に導入し触媒を洗浄し、出口215か
ら排出する。酸化剤処理後、必要によりイオン交換する
などの溶剤で触媒および処理経路を洗浄する。さらに、
必要により加熱して窒素などの不活性気体を用いて触媒
および処理経路を乾燥または溶剤を除去してもよい。
【0034】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0035】説明は主にアルキレンオキシドとしてエチ
レンオキシドを用い、エタノールアミン類を製造する場
合について述べる。
【0036】参考例 ZSM−5ゼオライト(Si/Al原子比28、プロト
ン型、Zeolyst社製)2kgを60℃に加温した
1mol/L硝酸ランタン水溶液 10Lに投入し、1
2時間撹拌しながら60℃に保ちイオン交換を行った。
ろ過、水洗後120℃で12時間乾燥した。このランタ
ンイオン交換ZSM−5の粉体に700gの粘土を加
え、ニーダーで混合しながら調湿した後、押出成型器を
用いてドーム状のダイスで0.4mm(直径)の紐状に
押し出した。得られた成型体を一旦120℃で2時間乾
燥し、整粒器で2〜5mmの長さに揃えた後、120℃
で12時間乾燥した。得られた成型体を空気中550℃
で3時間焼成した。これを触媒Aとする。
【0037】実施例1 図2に示される装置を用いて反応を行った。反応管20
1は、内径15mm、長さ400mmのステンレス製
の、放熱を補償するヒーターを巻き、保温したチューブ
を用いた。反応器201内部には、固定触媒層の温度プ
ロファイルを測定するために熱電対を挿入できる保護管
を設けた。この反応器201に触媒A50mLを充填
し、予熱器202で60℃に加熱した原料(アンモニア
/エチレンオキシドのモル比:14)を5hr-1(LH
SV)で流通させて反応させた。
【0038】反応熱による温度上昇は、初期は入口10
0mm程度で150℃になったが、500時間経過後に
は触媒層出口付近で漸く温度150℃近くまで上昇する
プロファイルとなり、触媒の活性低下が見られた。
【0039】このときの反応結果は、エチレンオキシド
転化率100%、生成したエタノールアミン類の生成比
率でモノエタノールアミン/ジエタノールアミン/トリ
エタノールアミン=69/30/1であった。トリエタ
ノールアミンの生成が少ないにも関わらず、ジエタノー
ルアミンが選択率よく生成していた。
【0040】反応停止後、100℃で液体アンモニアを
LHSV 5hr-1で30分間流通させて洗浄した。活
性の低下した触媒を反応器から取り出し、水洗後触媒中
に付着した有機物の元素分析を行ったところ、炭素6.
5質量%、水素1.6質量%、窒素1.3質量%であっ
た。この触媒を1Lの三口フラスコに移し、200mL
の水を加え、上部を徐々に撹拌しながら70℃に加熱し
た。そこに、30質量%過酸化水素水500mLを10
時間かけて滴下し、酸化処理を行った。触媒を分離、洗
浄後、100℃の空気中で12時間乾燥した。この再生
した触媒を同様に元素分析したところ、窒素は0.74
質量%残っていたが、炭素はわずかした検出されなかっ
た。
【0041】未処理の活性低下触媒と再生触媒のそれぞ
れのFTIRスペクトルを図3に示す。再生触媒では、
活性低下触媒に見られた2900cm-1付近のCH伸縮
振動および1450cm-1付近のアミンによる弱いNH
変角振動が消失し、1400cm-1にアンモニウムイオ
ンによる強いNH変角振動が現れている。このことか
ら、酸化処理により有機物が酸化処理され、窒素は一部
がアンモニアとして触媒に残存していることがわかる。
【0042】酸化処理により再生した触媒を反応器に充
填し、同様に反応を行ったところ、フレッシュな触媒と
同様な活性を示し、生成物分布も変化がなく、活性、選
択性ともに回復していることがわかった。
【0043】実施例2 実施例1と同様に条件で500時間反応を行った。反応
停止後、100℃で液体アンモニアをLHSV 5hr
-1で30分流通させて洗浄した。さらに、解圧してアン
モニアをパージした後、LHSV 5hr-1でイオン交
換水を30分間流通させて水洗した。
【0044】予熱器を70℃に加熱し、10質量%過酸
化水素水を毎分1mLの速度で30時間供給して酸化処
理した。処理液を反応器からパージした後、一旦イオン
交換水で30分間水洗した後、予熱器を120℃に加熱
し、毎分1Lの窒素を反応器に10時間供給して触媒を
乾燥した。
【0045】乾燥後、同様に反応を行ったところ、フレ
ッシュな触媒と同様な活性を示し、生成物分布も変化が
なく、活性、選択性ともに回復していることがわかっ
た。
【0046】
【発明の効果】活性の低下した触媒を酸化剤を用いて液
相で処理することにより、触媒を再生することができ
る。
【0047】活性の低下した触媒を反応器内で再生処理
できるので、極めて経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】触媒の活性低下の進行度合いを示す反応器内温
度分布の経時変化の一例を示す模式図である。
【図2】実施例で用いた反応装置の模式図である。
【図3】実施例1で用いた触媒のFTIRスペクトルで
ある。
【符号の説明】
201…反応管 202…予熱器 203〜205、212…高圧ポンプ 207…アンモニアフラッシュ塔 208…回収アンモニアタンク 210…アンモニア原料タンク 211…エチレンオキシド原料タンク 213…酸化剤溶液タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA10 BA07A BA07B BA21C BB01C BD01C BD02C BE05C CB25 CB77 GA10 GA14 GA16 ZA01A ZA11B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンモニアとアルキレンオキシドの反応
    によるアルカノールアミンの製造に供したマイクロポー
    ラスマテリアル触媒を再生するに際し、酸化剤を用いて
    液相で前記触媒を処理することを特徴とするアルカノー
    ルアミン製造用触媒の再生方法。
  2. 【請求項2】 前記酸化剤が、過酸化水素および/また
    は有機過酸化物であることを特徴とする請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 前記再生処理が、200℃以下で行われ
    ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 前記再生処理が、前記触媒を反応器内部
    に充填したまま行われることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれか1項に記載の方法。
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