JP2001334609A - 化粧シート及びそれを使用した絵付樹脂成形品 - Google Patents

化粧シート及びそれを使用した絵付樹脂成形品

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ABS樹脂成形品から分離しなくても成形用
樹脂として再利用可能なABS樹脂成形品の絵付用の化
粧シート、及びそれを用いて製造したリサイクル性を備
えた絵付樹脂成形品を提供する。 【解決手段】 表面側から順に、透明アクリル系樹脂シ
ート層11、絵柄印刷インキ層12、ABS樹脂シート
層13、及びABS樹脂バッカー層14が積層された化
粧シート1である。ABS樹脂バッカー層14側をAB
S樹脂成形品側に向けて積層して絵付樹脂成形品を得
る。絵柄印刷インキ層12は、ABS樹脂シート層13
の表面に転写法によって形成すると、印刷インキ中の溶
剤によってABS樹脂シート層13が侵されず、表面性
や鮮映性に優れた化粧シート1が容易に得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築内装材や家具
材、車両内装材等として使用するための化粧シート、及
び、当該化粧シートを使用した絵付樹脂成形品に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば自動車のフロントパネル等
として使用されるABS(アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体)樹脂成形品に、印刷による繊細
な絵柄の意匠を施すために、予め熱可塑性樹脂シートに
絵柄の印刷を施した化粧シートを、ABS樹脂成形品の
成形後若しくは成形と同時に、その表面に積層する手法
が、広く用いられている。
【0003】係るABS樹脂成形品への絵付用の化粧シ
ートとしては、従来は主として、ポリ塩化ビニル樹脂シ
ートの表面に絵柄印刷インキ層を設け、該絵柄印刷イン
キ層上に、耐候性に優れた透明アクリル系樹脂シートを
積層し、更に、前記ポリ塩化ビニル樹脂シートの裏面
に、ABS樹脂バッカー層を積層した構成の化粧シート
が用いられている。
【0004】ところで、係るABS樹脂成形品は従来、
不良品や使用後の廃棄時には、チップ状に粉砕されて埋
め立て処分されたり、焼却処理に付されたりする場合が
多かったが、近年の環境保護意識の高まりを受けて、粉
砕後に再度成形用樹脂として再利用する、リサイクル化
の必要性が指摘される様になっている。
【0005】しかしながら、前記した従来の化粧シート
を用いた絵付樹脂成形品は、ABS樹脂とは全く異質な
樹脂であるポリ塩化ビニル樹脂を使用していたために、
そのまま粉砕しても成形用樹脂として再利用することが
できない。化粧シートを樹脂成形品から剥離して分別回
収することも困難であり、リサイクル化の目処が立って
いないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記した様な問題点を解決するためになされた
ものであり、その目的とするところは、ABS樹脂成形
品から分離しなくても成形用樹脂として再利用可能なA
BS樹脂成形品の絵付用の化粧シート、及びそれを用い
て製造したリサイクル性を備えた絵付樹脂成形品を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、表面側から順
に、透明アクリル系樹脂シート層、絵柄印刷インキ層、
ABS樹脂シート層、及びABS樹脂バッカー層が積層
されていることを特徴とする化粧シートである。
【0008】また特に、本発明は、前記絵柄印刷インキ
層が、真珠光沢顔料を含有する印刷インキを少なくとも
含むことを特徴とする化粧シートである。
【0009】また特に、本発明は、前記絵柄印刷インキ
層が、ABS樹脂シート層の表面に、転写シートを使用
した転写法によって形成されたものであることを特徴と
する化粧シートである。
【0010】また本発明は、上記化粧シートを、 AB
S樹脂成形品の表面に、そのABS樹脂バッカー層面側
を向けて積層してなることを特徴とする絵付樹脂成形品
である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の化粧シートは、図1に示
す様に、表面側から順に、透明アクリル系樹脂シート層
11、絵柄印刷インキ層12、ABS樹脂シート層1
3、及びABS樹脂バッカー層14が積層されて構成さ
れるものである。なお、以下は図示しないが、必要に応
じて、任意の層間に接着剤層を設けたり、透明アクリル
系樹脂シート層11の表面にエンボス加工やワイピング
加工、表面保護層等を施したり、ABS樹脂バッカー層
14の裏面に接着剤層又は易接着プライマー層を設けた
りすることも任意である。
【0012】透明アクリル系樹脂シート層11は、例え
ばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のアクリル系単量体
の単独重合体や、それらの2種以上の共重合体、或い
は、これらのアクリル系単量体の1種以上と、それらと
共重合可能な重合性不飽和単量体の1種以上との共重合
体などからなる熱可塑性のシートである。
【0013】中でも、透明性、耐候性、表面硬度、成形
性などの観点から、メタクリル酸メチルを主成分とする
単独重合体又は共重合体からなるシートを用いることが
最も望ましい。また、耐衝撃性の観点からは、例えばブ
タジエン系、アクリル酸エステル系、アクリル酸エステ
ル−スチレン共重合体系、エチレン−酢酸ビニル共重合
体系等のゴム成分を配合したアクリル系樹脂からなるシ
ートを用いることが望ましい。
【0014】透明アクリル系樹脂シート層11は、完全
な無色透明に限定されるものではなく、少なくとも絵柄
印刷インキ層12が透視可能な程度の透明度を有してい
れば半透明や着色透明であってもよく、その範囲内で染
料又は顔料等の着色剤が添加されていてもよい。また、
必要に応じて更に、例えば充填剤、減摩剤、艶調整剤、
帯電防止剤、滑剤、難燃剤、抗菌剤、防黴剤、紫外線吸
収剤、光安定剤、熱安定剤等の各種の添加剤が添加され
ていてもよい。
【0015】ABS樹脂シート層13及びABS樹脂バ
ッカー層14は、公知のABS樹脂すなわちアクリロニ
トリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂からなるシ
ートであり、該ABS樹脂の組成や構造は特に限定され
るものではないが、一般的には、アクリロニトリル10
〜30重量%、ブタジエン10〜40重量%及びスチレ
ン35〜75重量%(但し、スチレン/アクリロニトリ
ルの重量比は60/40〜85/15)からなり、アク
リロニトリル−スチレン共重合体の樹脂相中にグラフト
重合されたポリブタジエンのゴム相が島状に分散された
構造を有する樹脂などが好適に使用される。
【0016】ABS樹脂シート層13及びABS樹脂バ
ッカー層は、染料又は顔料等の着色剤の添加により、適
宜の色彩に着色することもできる。特に、ABS樹脂シ
ート層13は、絵柄印刷インキ層12の背景色となる色
彩に着色したものを使用することが望ましい。また更に
必要に応じて、透明アクリル系樹脂シート層11の場合
と同様に、各種の添加剤が添加されていてもよい。
【0017】以上の各シート層の厚さや化粧シートの総
厚は特に限定されるものではないが、取り扱い性やAB
S樹脂成形品への積層の加工適性等を考慮し、一般的に
は、透明アクリル系樹脂シート層11及びABS樹脂シ
ート層13の厚さは20〜150μm程度、ABS樹脂
バッカー層14の厚さは50〜300μm程度、化粧シ
ートの総厚は100〜500μm程度とすることが望ま
しい。
【0018】絵柄印刷インキ層12は、透明アクリル系
樹脂シート層11の裏面又はABS樹脂シート層12の
表面に設けられるものであり、そのインキの組成や印刷
方法等は特に限定されるものではないが、例えばアクリ
ル系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系、ウレタン
系、ポリエステル系、繊維素誘導体系、塩素化ポリプロ
ピレン系、ポリビニルブチラール系等又はそれらの2種
以上の混合系等の印刷インキ又は塗料を使用して、例え
ばグラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、オフセ
ット印刷法、ドライオフセット印刷法、フレキソ印刷
法、凸版印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット印
刷法、静電印刷法等の各種印刷法や、ロールコート法、
グラビアコート法、ナイフコート法、リップコート法、
ダイコート法、コンマコート法等の各種塗工法、その
他、フォトリソグラフ法、電子写真法、転写法等、適宜
の画像形成方法で形成すればよい。
【0019】絵柄印刷インキ層12がなす絵柄の種類は
特に限定されず、所望により任意であるが、例えば木目
柄、石目柄、布目柄、抽象柄、幾何学図形、文字、記号
等、或いはそれらの2種以上の組み合わせ等であり、全
面ベタ印刷であってもよい。
【0020】絵柄印刷インキ層12の形成に際し、溶剤
系の印刷インキ又は塗料を使用して、透明アクリル系樹
脂シート層11の裏面又はABS樹脂シート層13の表
面に直接印刷しようとすると、これらの樹脂シートは、
印刷適性に劣るために、印刷された絵柄がかすれたり、
シートの耐溶剤性に劣るために、印刷面が荒れて絵柄の
鮮映性が低下したり、樹脂シート中に膨潤浸透して残留
した溶剤が、貼り合わせ後に気化して膨れを生じたりす
る場合がある。
【0021】係る問題を回避するためには、これらのシ
ートへの直接印刷に代えて、予め離型性の転写基材シー
ト21の表面に絵柄印刷インキ層12を形成した転写シ
ート2を用意しておき、この転写シート2を使用して、
透明アクリル系樹脂シート層11の裏面又はABS樹脂
シート層13の表面に絵柄印刷インキ層12を転写形成
する方法によると良い(図2(a)〜(c))。
【0022】この方法によると、印刷適性に優れた転写
基材シート21の表面への印刷により、かすれのない良
好な画質の絵柄印刷インキ層12が得られることはもと
より、絵柄印刷インキ層12を転写基材シート21上で
十分に乾燥させて溶剤分を除去しておくことにより、透
明アクリル系樹脂シート層11やABS樹脂シート層1
3印刷インキ層12の溶剤に侵されて表面が荒らされた
り、貼り合わせ後に残留溶剤の気化により膨れを発生し
たりする問題を回避することができる。
【0023】上記方法において、転写基材シート21と
しては、印刷インキに対する離型性や印刷適性、寸法安
定性、耐熱性、耐溶剤性に優れたシート状体を使用する
ことが望ましい。また、印刷面の表面平滑性に優れたシ
ート状体を使用すると、転写後の絵柄印刷インキ層12
面が平滑になることから、極めて鮮映性に優れた化粧シ
ートが得られる利点がある。
【0024】特に、絵柄印刷インキ層12に照り感や光
沢感のある意匠表現のために真珠光沢顔料を使用する場
合には、真珠光沢顔料の粒径が大きい(通例5〜100
μm程度)ことから、直接印刷では印刷面が荒れ易い問
題があるが、このような場合にも、上記した転写法を採
用すれば、印刷面の荒れの問題を回避し、鮮映性に優
れ、しかも照り感や光沢感を有する化粧シートを容易に
得ることができる。
【0025】上記転写基材シート21として具体的に
は、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレート等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリ塩化
ビニル樹脂フィルム、エチレン−テトラフロロエチレン
共重合体等のフッ素系樹脂フィルム等、或いはそれらの
非印刷面に紙を積層したもの(例えばポリエチレンラミ
ネート紙、ポリプロピレンラミネート紙等)等を使用す
ることができる。
【0026】中でも、転写後の絵柄印刷インキ層12の
表面平滑性に優れた高鮮映性の化粧シートを得る目的で
は、印刷適性、耐溶剤性、耐熱性に加え、フィルム自体
の表面平滑性にも優れた、二軸延伸ポリエチレンテレフ
タレート樹脂フィルム等の二軸延伸ポリエステル系樹脂
フィルムを使用することが最も望ましい。
【0027】転写シート2には、以下図示しないが、転
写基材シート21の印刷面に印刷インキに対する離型性
の向上のための離型層を設けたり、絵柄印刷インキ層1
2の転写基材シート21側に転写基材シート21からの
剥離性の向上のための剥離層を設けたり、絵柄印刷イン
キ層12の転写基材シート21とは反対側に接着剤層を
設けたりすることもできる。
【0028】なお、転写シート2による絵柄印刷インキ
層12の被転写面は、透明アクリル系樹脂シート層11
の裏面であってもよいのであるが、その場合には、転写
シート2に形成する絵柄印刷インキ層12の印刷順序
が、通常の転写シートの場合とは逆の順序となる。ま
た、ABS樹脂シート層13が着色されている場合に
は、製品の色調の確認は、絵柄印刷インキ層12が転写
された透明アクリル系樹脂シート層11の裏面にABS
樹脂シート層13を積層してから行う必要があるので、
色調の確認までに手間がかかり、色調不良の場合の材料
ロスも多くなる。
【0029】これに対し、被転写面をABS樹脂シート
層13の表面とすれば、転写シート2への絵柄印刷イン
キ層12の印刷順序は通常通りとなり、汎用の転写シー
トの使用も可能となる。また、透明アクリル系樹脂シー
ト層11が無色透明かそれに近く、ABS樹脂シート層
13が着色されている場合には、ABS樹脂シート層1
3の表面に転写した段階で色調の確認を行うことがで
き、材料ロスを軽減することが可能となる。係る理由に
より、転写シート2による絵柄印刷インキ層12の転写
は、ABS樹脂シート層13の表面に行うことが望まし
い。
【0030】透明アクリル系樹脂シート層11、ABS
樹脂シート層13及びABS樹脂バッカー層14の積層
方法は特に限定されず、例えばドライラミネート法、ウ
ェットラミネート法、熱ラミネート法、サンドラミネー
ト法、エクストルージョンラミネート法等任意である。
最も簡便には、絵柄印刷インキ層12として熱接着性に
優れた印刷インキ(例えば、アクリル系樹脂、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ウレタン系樹脂等をビ
ヒクルとする印刷インキ等)を使用すれば、3枚のシー
トを重ね合わせて加熱加圧する熱ラミネート法で容易に
積層することができる(図2(d)〜(e))。
【0031】こうして得た本発明の化粧シート1は、そ
のABS樹脂バッカー層14面をABS樹脂成形品5の
表面に向けて積層して、絵付樹脂成形品6として各種の
用途に供される。化粧シート1とABS樹脂成形品5と
の積層のための接着方法としては、接着剤を介したドラ
イラミネート法又はウェットラミネート法や、接着剤を
介した又は介さない熱ラミネート法等、任意である。
【0032】また、化粧シート1とABS樹脂成形品と
の積層のためのラミネート方法としては、ABS樹脂成
形品5が平板状であれば平圧ラミネート法又はロールラ
ミネート法等であり、立体形状を有する場合には、ラッ
ピングラミネート法や真空成形ラミネート法、射出成形
同時ラミネート法などによることもできる。
【0033】特に、上記射出成形同時ラミネート法は、
ABS樹脂成形品5の成形用の射出成形金型の雌型3と
雄型4との間に、化粧シート1をそのABS樹脂バッカ
ー層14面側を雄型4側に向けて挿入し、必要に応じて
化粧シート1を雌型3の内面に沿って真空成形法等によ
り密着させた後、雄型4側から溶融樹脂を射出すること
により、 ABS樹脂成形品5の成形と同時に化粧シー
ト1をラミネートする方法であり(図3(a)〜
(c))、生産性に優れ、平板状から複雑な立体形状に
至るまでの多様な種類の形状に対応可能である利点があ
る。
【0034】こうして得た本発明の絵付樹脂成形品は、
自動車のフロントパネルやドアパネル、シート裏面材等
の各種車両内装材や、住宅等の建築物における壁材、化
粧柱、扉材、窓・扉等の枠材等の建具、幅木、飾り縁等
の造作材、浴室や洗面所・厨房等の壁面パネルや装飾材
等の各種建築内装材、収納家具の扉材、家具装飾材等の
各種家具材等として、幅広く利用可能である。
【0035】
【実施例】二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フ
ィルム(厚さ25μm、コロナ放電処理無し)に、3色
の油性アクリル系インキ(東洋インキ製造株式会社製
「VCGT」、内1色は真珠光沢顔料配合)を使用し
て、木目柄の絵柄を印刷して、転写シートを得た。
【0036】上記転写シートの絵柄印刷インキ層面に、
厚さ100μmの着色ABS樹脂シートを宛い、転写シ
ートの背面に表面温度120℃の熱ゴムロール、着色A
BS樹脂シートの裏面に室温の金属ロールが接するよう
にして両ロール間を通した後、二軸延伸ポリエチレンテ
レフタレート樹脂フィルムを剥離して、絵柄印刷インキ
層を着色ABS樹脂シートの表面に転写させた。
【0037】しかる後、絵柄印刷インキ層が転写された
着色ABS樹脂シートの絵柄印刷インキ層面に厚さ10
0μmの透明アクリル系樹脂シート(三菱レイヨン株式
会社製「アクリプレン」)を、裏面に厚さ100μmの
着色ABS樹脂バッカーシートをそれぞれ重ね合わせ、
温度200℃で熱ロールラミネートして、本発明の化粧
シートを作製した。
【0038】この化粧シートの製造工程において、着色
ABS樹脂シートの表面に転写された絵柄印刷インキ層
の表面は鏡面状であり、かすれもなく、しかも、絵柄印
刷インキ層内の残留溶剤量は約50mg/m2と、通常の
印刷条件で同一の印刷インキをABS樹脂シートに印刷
した場合の300〜700mg/m2よりも格段に少な
いことが確認された。
【0039】また、得られた化粧シートを使用して、射
出成形同時ラミネート法によりABS樹脂成形品の表面
に積層した絵付樹脂成形品を作製した。この絵付樹脂成
形品は、化粧シートを分離せずにそのまま粉砕しても、
再度射出成形用樹脂として再利用することができること
が確認された。
【0040】
【発明の効果】本発明の化粧シートは、透明アクリル系
樹脂シート層、絵柄印刷インキ層、ABS樹脂シート層
及びABS樹脂バッカー層を順次積層した構成により、
これをABS樹脂成形品の表面に積層して絵付樹脂成形
品を製造した場合に、化粧シートそのものもABS樹脂
及びそれとの相溶性に優れたアクリル系樹脂からなるこ
とから、化粧シートをABS樹脂成形品から分離しなく
ても、絵付樹脂成形品全体をそのまま粉砕して再生樹脂
として使用することができるリサイクル性を具備したも
のである。また、ポリ塩化ビニル樹脂を使用していない
ことから、リサイクルに適さない用途の場合には焼却処
分も可能なことは勿論である。
【0041】また特に、前記絵柄印刷インキ層を、AB
S樹脂シート層の表面に、転写シートを使用した転写法
によって形成すると、ABS樹脂シート層の印刷適性の
不足にも拘わらず、かすれ等のない良好な絵柄の形成が
可能であるほか、ABS樹脂シート層の耐溶剤性の不足
による印刷面の荒れや、残留溶剤による貼り合わせ後の
膨れ等の問題を発生することもなく、鏡面性に優れた高
鮮映性の化粧シートを容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧シートの一例を模式的に示す断面
図である。
【図2】(a)〜(e)は、本発明の化粧シートの製造
工程の一例を模式的に示す説明図である。
【図3】(a)〜(c)は、本発明の化粧シートを使用
した絵付成形品の製造工程の一例を模式的に示す説明図
である。
【符号の説明】
1 化粧シート 11 透明アクリル系樹脂シート層 12 絵柄印刷インキ層 13 ABS樹脂シート層 14 ABS樹脂バッカー層 2 転写シート 21 転写基材シート 3 雌型 4 雄型 5 ABS樹脂成形品 6 絵付樹脂成形品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 55:02 B29K 55:02 B29L 9:00 B29L 9:00 Fターム(参考) 3D023 BA01 BE07 BE31 4F100 AK25A AK74C AK74D AK74E AR00B BA04 BA05 BA07 BA10A BA10D BA10E BA13 CA13B EC04B EJ91 GB08 GB33 GB81 HB01 HB31B JK15 JL00 JL16 JN01A JN22B JN22H 4F206 AA13 AD20 AG03 AH17 AH48 JA07 JB12 JB13 JB19 JF05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面側から順に、透明アクリル系樹脂シー
    ト層、絵柄印刷インキ層、ABS樹脂シート層、及びA
    BS樹脂バッカー層が積層されていることを特徴とする
    化粧シート。
  2. 【請求項2】前記絵柄印刷インキ層が、真珠光沢顔料を
    含有する印刷インキを少なくとも含むことを特徴とする
    請求項1に記載の化粧シート。
  3. 【請求項3】前記絵柄印刷インキ層が、ABS樹脂シー
    ト層の表面に、転写シートを使用した転写法によって形
    成されたものであることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の化粧シート。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の化粧シー
    トを、 ABS樹脂成形品の表面に、そのABS樹脂バ
    ッカー層面側を向けて積層してなることを特徴とする絵
    付樹脂成形品。
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