JP2001329493A - 剥離紙用コーティング組成物 - Google Patents

剥離紙用コーティング組成物

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JP2001329493A JP2000140261A JP2000140261A JP2001329493A JP 2001329493 A JP2001329493 A JP 2001329493A JP 2000140261 A JP2000140261 A JP 2000140261A JP 2000140261 A JP2000140261 A JP 2000140261A JP 2001329493 A JP2001329493 A JP 2001329493A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 再利用可能な基材を用いて1コートで塗工し
て剥離紙を得る際に、少ないシリコーンの使用量で十分
な剥離性を付与することができる剥離紙用コーティング
組成物を提供する。 【構成】 水系樹脂と、該水系樹脂より表面エネルギー
が小さく数平均粒子径が400nm以下のシリコーンの
水分散体及び/または該水系樹脂より表面エネルギーが
小さいシリコーン水溶液とを含有する剥離紙用コーティ
ング組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘着テープや粘着
シートの台紙等に利用される剥離紙を製造するのに有用
な剥離紙用コーティング組成物、及びそれを用いて製造
される剥離紙に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に粘着ラベル、粘着シール、粘着テ
ープ等は、それが使用されるまで粘・接着剤層部分は剥
離紙に覆われている。この剥離紙の該粘・接着剤層との
接触表面には、使用時の剥離性を良好にするために剥離
剤として各種の剥離紙用コーティング組成物が基材の表
面に塗工されている。該剥離紙用コーティング組成物と
しては、シリコーン樹脂を用いたものが有効に利用でき
る。
【0003】ところで、剥離紙の基材としては、ポリエ
チレンラミネートタイプ、グラシンタイプ、スーパーカ
レンダードタイプ、クレーコートタイプ等が知られてい
る。これらの基材の中で、日本においてはポリエチレン
ラミネートタイプが一般的に用いられている。このポリ
エチレンラミネートタイプは木材パルプを主原料とする
上質紙、片艶紙及びクラフト紙等の表面に、押し出し加
工方式により厚さ10〜25ミクロン程度のポリエチレ
ンフィルム層を形成させたものである。ポリエチレンラ
ミネートの目的は、剥離剤の浸透を極力抑制することに
より、剥離性を最大限に向上させることである。しか
し、このポリエチレンをラミネートする方法で製造され
た剥離紙は、ポリエチレンが強固な連続皮膜を形成し、
かつそれが水に不溶のため、この剥離紙を回収し製紙工
程で再生利用することが極めて困難で、紙のリサイクル
システムにおいて、大きな問題となっている。
【0004】また、剥離紙用コーティング組成物も、従
来は大量の有機溶剤を用いる溶剤タイプのものが主流で
ある。しかし有機溶剤が大気汚染の原因となり、安全衛
生上も好ましくなく、溶剤回収には高価な装置を必要と
する等の問題がある。そのため、製紙行程で容易に再生
利用できる基材を用い、かつ従来のものより安全で環境
に優しい剥離剤との組み合わせによる剥離紙が望まれて
いる。これらの課題に対し、例えば紙の基材に直接に剥
離剤として無溶剤型シリコーン樹脂を塗工し剥離紙を得
る試みがなされているが、紙の表面の凹凸によって均一
な塗工が困難であった。
【0005】また、環境に優しいシリコーンの水分散体
をポリエチレンフィルム層のない基材に直接塗工するこ
とも試みられているが、エマルジョンが紙に浸透してし
まい、その結果良好な剥離性が得られないという問題を
抱えている。これに対して、特公表3−500060号
公報、特開平11−222557号公報、特開平5−2
22699号公報ではシリコーンの水分散体とラテック
スとからなる剥離紙用コーティング組成物を紙に直接塗
工し剥離性をコントロールする技術が開示されている。
しかしながら、これらの開示技術では該剥離紙用コーテ
ィング組成物中のシリコーンを剥離面(剥離剤層表面)
に存在させ、十分な剥離性を得るためには高価なシリコ
ーンを大量に使用しなければならず、製造される剥離紙
が非常に高価なものになるという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、再利
用可能な基材を用いて1コートで塗工して剥離紙を得る
際に、少ないシリコーンの使用量で十分な剥離性を付与
することができる剥離紙用コーティング組成物を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、基材に塗
工した際にシリコーンが剥離剤層の表面方向に非常に有
効に偏在化し、優れた剥離性を発現できる特定のシリコ
ーン水分散体及び/またはシリコーン水溶液と水系樹脂
からなる剥離紙用コーティング組成物を見いだし本発明
をなすに至った。すなわち、本発明は水系樹脂と、該水
系樹脂より表面エネルギーが小さく数平均粒子径が40
0nm以下のシリコーンの水分散体及び/または該水系
樹脂より表面エネルギーが小さいシリコーン水溶液とを
含有する剥離紙用コーティング組成物であり、さらには
該剥離紙用コーティング組成物から形成された剥離剤層
を有する剥離紙であって、該組成物中のシリコーンが剥
離剤層の表面方向に偏在化した剥離紙である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における剥離紙用コーティング組成物は、少なく
とも水系樹脂と、該水系樹脂より表面エネルギーが小さ
く数平均粒子径が400nm以下のシリコーンの水分散
体及び/または該水系樹脂より表面エネルギーが小さい
シリコーン水溶液とからなる。
【0009】本発明において用いられる水系樹脂として
は、例えば水溶性樹脂や数平均粒子径が30〜800n
m、好ましくは50〜400nmのエマルジョン(ラテ
ックス)を挙げることができる。上記水溶性樹脂として
は、ポリビニールアルコール水溶液、ポリアクリル酸水
溶液、ポリアクリルアミド水溶液等を挙げることができ
る。また、上記エマルジョンとしては、例えばスチレン
・ブタジエン樹脂エマルジョン、アクリロニトリル・ブ
タジエン樹脂エマルジョン、スチレ ン・イソプレン樹
脂エマルジョン、塩化ビニル樹脂エマルジョン、エチレ
ン・酢酸ビニル樹脂エマルジョン、エチレン・塩化ビニ
ル樹脂エマルジョン、アクリル酸エステル樹脂エマルジ
ョン、ウレタン樹脂エマルジョン及び天然ゴムエマルジ
ョン等を挙げることができる。
【0010】これらの中で、本発明に用いる水系樹脂と
しては、カルボキシル基を含有するエマルジョンが好ま
しい。その中でも、エチレン性不飽和カルボン酸単量体
と共役ジエン系単量体、そして必要によりこれらと共重
合可能なその他のビニル系単量体を含む単量体組成物を
乳化重合して得られるものが、製造が容易であることか
ら好ましい。エチレン性不飽和カルボン酸単量体として
は、例えば、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、
フマル酸、マレイン酸などが挙げられる。好ましくはニ
塩基酸であり、イタコン酸、フマル酸である。
【0011】また、共役ジエン系単量体としては、例え
ば、1,3−ブタジエン、1,3イソプレン、2−クロ
ロ−1,3−ブタジエン、クロロプレンなどが挙げられ
る。好ましくは、1,3−ブタジエンである。これら上
記二つの単量体に加えて、エマルジョンとして要求され
る様々な品質・物性を付与するために、これら以外のビ
ニル系単量体成分を使用することができる。それらの単
量体としては、例えば、スチレンを代表とする芳香族ビ
ニル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの
シアン化ビニル類、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エ
ステル類がある。好ましくはスチレンである。
【0012】さらに、水酸基、アミド基、アミノ基、メ
チロール基、グリシジル基、スルホン酸基、リン酸基な
どの官能基を有する各種のビニル系単量体を所望に応じ
て使用できる。本発明において好ましく用いられるエマ
ルジョンの単量体成分の一般的な組成は、エチレン性不
飽和カルボン酸単量体0.5〜10重量%、共役ジエン
系単量体10〜70重量%、芳香族ビニル系単量体10
〜79.5重量%およびこれらと共重合可能なビニル系
単量体0〜50重量%である。エチレン性不飽和カルボ
ン酸単量体の好ましい割合は0.5〜5%である。ま
た、共役ジエン系単量体の好ましい割合は、15〜65
重量%である。
【0013】また、上記エマルジョンは、例えば、乳化
重合法によって得られる。乳化重合の方法に関しては特
に制限はなく、従来公知の方法で、水性媒体中で前記の
単量体、連鎖移動剤、界面活性剤、ラジカル重合開始剤
および、必要に応じて用いられる他の添加剤成分を基本
組成成分とする分散系において、単量体を重合させてエ
マルジョンを製造することができる。本発明の剥離紙用
コーティング組成物に用いるシリコーンは、その性状を
選択することによって、該剥離紙用コーティング組成物
を基材に塗工した際にシリコーンが剥離剤層の表面方向
に非常に有効に偏在化し、優れた剥離性を発現すること
が可能となる。(以下、シリコーンが剥離剤層の表面方
向に偏在化する性質を「シリコーンの自己傾斜機能」と
呼ぶ。)このようにして得られた剥離剤層の表面におけ
るシリコーンの含有率は、該剥離紙用コーティング組成
物中のシリコーンの含有率に対し1.05倍以上、好ま
しくは1.2倍以上、より好ましくは1.5倍以上、さ
らに好ましくは5倍以上である。
【0014】上記自己傾斜機能の発現に必要なシリコー
ン性状の1つの要因は、水中におけるシリコーンの存在
状態である。すなわち、本発明に用いるシリコーンは数
平均粒子径が400nm以下、好ましくは200nm以
下の水分散体、あるいは水溶液であることが重要であ
る。数平均粒子径が400nmより大きくなるとシリコ
ーンの自己傾斜機能が消失、あるいは非常に弱くなるた
め、この様なシリコーンと前述した水系樹脂からなるコ
ーティング組成物からはシリコーンが表面に均一に析出
されている剥離剤層を得ることが困難であり、得られる
剥離紙の剥離力も弱いものとなる。
【0015】また、上記自己傾斜機能の発現に必要なシ
リコーン性状の他の要因は、シリコーンの表面エネルギ
ーである。すなわち、本発明に用いるシリコーンの表面
エネルギーは、前述した水系樹脂の表面エネルギーより
小さいことが必要であり、表面エネルギーが該水系樹脂
よりも2ダイン/cm以上小さいものが好ましい。表面
エネルギーが該水系樹脂の表面エネルギー以上であるシ
リコーンは自己傾斜機能が消失、あるいは非常に弱くな
るため、この様なシリコーンと該水系樹脂からなるコー
ティング組成物からはシリコーンが表面に均一に析出さ
れている剥離剤層を得ることが困難であり、得られる剥
離紙の剥離力も弱いものとなる。
【0016】ここで、上記表面エネルギーは例えば以下
の方法で測定することができる。すなわち、上記シリコ
ーン及び水系樹脂から各々それらの皮膜を有する基材を
調整し、脱イオン水を滴下して20℃における接触角
(θ)を測定し、下記のSellとNeumannの実
験式により、各々の表面エネルギーを求めることができ
る。
【0017】
【数1】
【0018】[式中、γsは脱イオン水の接触角を測定
した皮膜の表面エネルギー(ダイン/cm)を表し、γ
lは水の表面エネルギー{72.8ダイン/cm(20
℃)}を表わす。] 本発明に用いることができる上記シリコーンとしては、
例えば一般式(2)、(3)、(4)及び(5)で表さ
れるシリコーン結合の少なくとも1種の構造を含む1種
類以上のシリコーンであって、水に自己乳化あるいは強
制乳化または水溶化している状態のものを挙げることが
できる。
【0019】
【化1】
【0020】
【化2】
【0021】
【化3】
【0022】
【化4】
【0023】(式中、Rはそれぞれ独立に水素原子、直
鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、
炭素数5〜20のシクロアルキル基、もしくは置換され
ていないか或いは炭素数1〜20のアルキル基又は炭素
数1〜20のアルコキシ基、又はハロゲン原子で置換さ
れている炭素数6〜20のアリール基から選ばれた1種
もしくは2種以上からなる炭化水素基である。) 上記シリコーンのうち水に自己乳化あるいは水溶化する
ものとしては、下記平均組成式(1)で表される、親水
性基で変性されたシリコーンを挙げることができる。
【0024】 Hp1 qrsSiO(4-p-q-r-s)/2 (1) (式中、R1は、直鎖状または分岐状の炭素数が1〜3
0個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル
基、もしくは置換されていないか或いは炭素数1〜20
のアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ基、又は
ハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリー
ル基から選ばれた1種もしくは2種以上からなる炭化水
素基を表す。
【0025】Qは、カルボキシル基あるいはその塩を含
む1価の基、リン酸基あるいはその塩を含む1価の基、
スルホ基あるいはその塩を含む1価の基、ポリオキシア
ルキレン基からなる群から選ばれた少なくとも1つの親
水性基を表す。Xは、 直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のアルキル
基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、置換されてい
ないか又は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜2
0のアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群より選ば
れる少なくとも1つの置換基で置換されている炭素数6
〜20のアリール基、及び炭素数1〜30のフルオロア
ルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1つの疎水
性基、 ビニル基、エポキシ基、アクリロイル基、メタアクリ
ロイル基、メルカプト基、酸無水物基、ケト基、ヒドラ
ジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、
水酸基、アミノ基、環状カーボネート基、及びエステル
基からなる群より選ばれる少なくとも1つの反応性基か
らなる群より選ばれる少なくとも1つの機能性付与基を
含有する基を表し、0≦p<4、0<q<4、0<r<
4、0≦s<4、及び(p+q+r+s)<4であ
る。)
【0026】ここで、上記親水性基の好ましい具体例と
して、例えば式(6)で表されるポリオキシエチレン基
や式(7)で表されるスルホン酸基あるいはその塩、さ
らには式(8)、式(9)で表されるカルボキシル基あ
るいはその塩等を挙げることができる。 −CH2CH2CH2O(CH2CH2O)m2 (6) (式中、mは1〜1000の整数を表す。R2は、水素
原子或いは直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のア
ルキル基を表す。)
【0027】
【化5】
【0028】[式中、nは1〜100の整数を表す。R3
は、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のアルキル
基を表す。Bは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウ
ム又は下記式で表される置換アンモニウムを表す。 HNR456 (R4、R5、R6は、それぞれ独立して、水素原子、又
は置換されていないか或いは水酸基で置換されている直
鎖状または分岐状の炭素数1〜20のアルキル基を表
す。)]
【0029】
【化6】
【0030】(式中、Bは式(7)の定義と同じ。)
【0031】
【化7】
【0032】(式中、Bは式(7)の定義と同じ。) 上記平均組成式(1)で表される、親水性基で変性され
たシリコーンを得る方法としては、下記平均組成式(1
0)で表されるSi−H基含有シリコーンと、親水性基
を有する炭素−炭素不飽和結合化合物、さらに必要に応
じて機能性付与基を有する炭素−炭素不飽和結合化合物
をヒドロシリル化反応させる方法を挙げることができ
る。
【0033】 H(p+r+s)1 qSiO(4-p-q-r-s)/2 (10) (式中、R1は、平均組成式(1)の定義と同じ。0≦
p<4、0<q<4、0<r<4、0≦s<4、及び
(p+q+r+s)<4である。)上記式(10)で表
されるSi−H基含有シリコーンに親水性基を導入する
のに用いる炭素−炭素不飽和結合化合物としては、カル
ボキシル基あるいはその塩、リン酸基あるいはその塩、
スルホン酸基あるいはその塩、ポリオキシアルキレン
基、環状酸無水物からなる群から選ばれた少なくとも1
つの親水性基を有するオレフィン類、アリルエーテル
類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、(メタ)ア
クリル酸エステル類、スチレン誘導体等が挙げられる。
【0034】上記親水性基を有する炭素−炭素不飽和結
合化合物の好ましい具体例として、例えば式(11)で
表されるポリオキシエチレン基含有アリルエーテルや式
(12)で表されるスルホン酸基あるいはその塩を含む
1価の基を有するアリルエーテル、さらには5−ノルボ
ルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、アリル無水こは
く酸等を挙げることができる。ここでカルボン酸の無水
物を有する炭素−炭素不飽和結合化合物を使用する場
合、上記式(10)のシリコーンにヒドロシリル化反応
させた後、シリコーンに導入されたカルボン酸無水物基
を塩基の存在、あるいは非存在下で加水分解することに
よりカルボキシル基あるいはその塩を有するシリコーン
を得ることができる。
【0035】 CH2=CHCH2O(CH2CH2O)m2 (11) (式中、m及びR7は、式(6)の定義と同じ。)
【0036】
【化8】
【0037】(式中、n、R3、Bは、式(7)の定義
と同じ。) また、上記式(10)で表されるSi−H基含有シリコ
ーンに、機能性付与基として直鎖状または分岐状の炭素
数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロ
アルキル基、もしくは置換されていないか或いは炭素数
1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ
基、又はハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20
のアリール基から選ばれた疎水性基を導入する場合に用
いる炭素−炭素不飽和結合化合物としては、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、イソブ
テン、2−メチル−1−ブテン、2−ヘキセン、シクロ
ヘキセン、5−ノルボルネンの如きオレフィン類、酢酸
アリル、プロピオン酸アリル、2−エチルヘキサン酸ア
リル、安息香酸 アリル等のアリルエステル類、アリル
メチルエーテル、アリルエチルエーテル、アリル−n−
ヘキシルエーテル、アリルシクロヘキシルエーテル、ア
リル−2−エチルヘキシルエーテル、アリルフェニルエ
ーテル等のアリルエーテル類、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブ
チル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フ
ェニル等の(メタ)アクリル酸エステル類、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ステアリン酸ビ
ニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル
類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブ
チルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シク
ロヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類、スチ
レン、(メタ)アクリロニトリル、クロトン酸エステル
類等の炭素−炭素不飽和結合化合物等が挙げられる。こ
れらのうち、末端オレフィン類、5−ノルボルネン類、
アリルエステル類、アリルエーテル類が反応性の面で好
ましい。
【0038】また、上記式(10)で表されるSi−H
基含有シリコーンに、機能性付与基として炭素数1〜3
0のフルオロアルキル基を導入する場合に用いる炭素−
炭素不飽和結合化合物としては、例えば式(13)で表
されるパーフルオロアルキル基を有するオレフィン類、
アリルエーテル類、アリルエステル類、ビニルエーテル
類、(メタ)アクリル酸エステル類等を用いることがで
きる。 −(CF2gCF3 (13) (式中、gは0〜29の整数を表す。) また、上記式(10)で表されるSi−H基含有シリコ
ーンに機能性付与基として反応性基を導入するのに用い
る炭素−炭素不飽和結合化合物としては、エポキシ基、
(メタ)アクリロイル基、(環状)酸無水物基、ケト
基、カルボキシル基、ヒドラジン残基、イソシアネート
基、イソチオシアネート基、水酸基、アミノ基、環状カ
ーボネート基、エステル基からなる群から選ばれた少な
くとも1種の反応性基を有するオレフィン類、アリルエ
ーテル類、アリルエステル類、ビニルエーテル類、ビニ
ルエステル類、(メタ)アクリル酸エステル類、スチレ
ン誘導体等が挙げられる。
【0039】上記反応性基を有する炭素−炭素不飽和結
合化合物の好ましい具体例として、例えばアリルグリシ
ジルエーテル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メ
タ)アクリル酸アリル、ジアリルエーテル、ジアリルフ
タレート、(メタ)アクリル酸ビニル、クロトン酸ビニ
ル、エチレングリコールジ(メタ)アクリル酸エステ
ル、無水マレイン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカ
ルボン酸無水物、5−ヘキセン−2−オン、アリルイソ
シアネート、アリルアルコール、エチレングリコールモ
ノアリルエーテル、アリルアミン、アリルイソチオシア
ネート、アリルセミカルバジド、(メタ)アクリル酸ヒ
ドラジド、4−アリルオキシメチル−2−オキソ−1,
3−ジオキソラン等を挙げることができる。
【0040】上記炭素−炭素不飽和結合化合物と上記平
均組成式(10)で表されるSi−H基含有シリコーン
のヒドロシリル化反応は、好ましくは触媒の存在下、有
機溶媒の存在下あるいは非存在下において0〜200℃
で炭素−炭素不飽和結合化合物と平均組成式(10)で
表されるSi−H基含有シリコーンを接触させることに
より行うことができる。
【0041】ヒドロシリル化反応の触媒としては、白金
族触媒、すなわちルテニウム、ロジウム、パラジウム、
オスミウム、イリジウム、白金の化合物が適している
が、特に白金の化合物とパラジウムの化合物が好適であ
る。白金の化合物としては、例えば塩化白金(II)、テ
トラクロロ白金酸(II)、塩化白金(IV)、ヘキサクロ
ロ白金酸(IV)、ヘキサクロロ白金(IV)アンモニウ
ム、ヘキサクロロ白金(IV)カリウム、水酸化白金(I
I)、二酸化白金(IV)、ジクロロ−ジシクロペンタジ
エニル−白金(II)、白金−ビニルシロキサン錯体、白
金−ホスフィン錯体、白金−オレフィン錯体や白金の単
体、アルミナやシリカや活性炭に固体白金を担持させた
ものが挙げられる。パラジウムの化合物としては、例え
ば塩化パラジウム(II)、塩化テトラアンミンパラジウ
ム(II)酸アンモニウム、酸化パラジウム(II)等が挙
げられる。これら白金族触媒は、ヒドロシリル化反応の
後、必要に応じて各種の有機窒素化合物、有機リン化合
物、アセチレン系化合物などの活性抑制剤を添加する事
によって活性を制御することができる。
【0042】また、ヒドロシリル化反応に使用できる有
機溶媒としては、例えばトルエンやキシレン等の芳香族
炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の
脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエ
ステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等のエーテル類、ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルホルムアミド等のアミド類、クロロホルム、塩化メチ
レン、四塩化炭素等のハロゲン化合物類、ジメチルスル
ホキシド、ニトロベンゼン等やこれらの2種以上の混合
物が挙げられる。
【0043】上記親水性基で変性されたシリコーンの親
水性基の導入量としては、水中でのシリコーンの状態が
数平均粒子径で400nm以下の水分散体、あるいは水
溶液となるのに十分な量であって、表面エネルギーが混
合する水系樹脂の表面エネルギーより小さいことを満足
する量である。また、本発明のシリコーンのうち水に強
制乳化させたものとしては、例えば前述した一般式
(2)、(3)、(4)及び(5)で表されるシリコー
ン結合の少なくとも1種の構造を含む1種類以上のシリ
コーンと界面活性剤及び/又は保護コロイド、及び水と
を混合し強制乳化させたものを挙げることができる。
【0044】上記界面活性剤や保護コロイドとしては、
例えば例えば、前述した平均組成式(1)と同じ平均組
成式で表される親水性基で変性されたシリコーンや脂肪
酸石鹸、ロジン酸セッケン、アルキルスルホン酸塩、ア
ルキルコハク酸塩、ジアルキルアリールスルホン酸塩、
アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキ
ル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸
塩、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸塩等のア
ニオン性界面活性剤やポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシ
エチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、エチレ
ンオキサイドとリン酸類との公知の反応生成物等のノニ
オン性界面活性剤、4級アンモニウム塩等を含有するカ
チオン性界面活性剤、(部分鹸化)ポリビニルアルコー
ル等の高分子分散安定剤等やそれらの併用が挙げられ
る。
【0045】本発明に用いるシリコーンとしては、前述
した親水性基で変性されたシリコーンや、親水性基で変
性されたシリコーンを界面活性剤として用いて一般式
(2)、(3)、(4)及び(5)で表されるシリコー
ン結合の少なくとも1種の構造を含む1種類以上のシリ
コーンを強制乳化したものが好ましく使用される。本発
明に用いるシリコーンは、硬化性のシリコーンであるこ
とが望ましい。この場合、該シリコーンを含有する本発
明の剥離紙用コーティング組成物を用いて形成される剥
離剤層を有する剥離紙の剥離性能は非常に向上する。
【0046】硬化性のシリコーンとしては、熱硬化性シ
リコーン及び電離放射線硬化性シリコーンのどちらも採
用することができるが、熱硬化性シリコーンは取り扱い
が非常に容易であるため好ましい。熱硬化性シリコーン
としては、例えば上記平均組成式(10)や平均組成式
(1)(0<p<4)で表されるSi−H基含有シリコ
ーンを挙げることができる。この場合、架橋剤としては
多官能ビニル化合物を用いることができる。該多官能ビ
ニル化合物としては、ビニル基を有しSi−H基と反応
して硬化を促進するものであれば何でもよいが、剥離紙
の分野ではビニル基、ヘキセニル基などの炭素数2〜8
の1価不飽和炭化水素基を有するビニルシリコーンが一
般に用いられている。また、Si−H基含有シリコーン
とビニルシリコーンの反応を促進する目的で、触媒を添
加しても良い。該触媒としてはヒドロシリル化反応触媒
として前述した白金族触媒が好ましい。該白金族触媒は
Si−H基含有シリコーンとビニルシリコーンの合計量
に対し白金族金属の量で通常5〜1000ppmの範囲
内で使用されるが、これは反応性、経済性及び所望の硬
化速度等に応じて増減させることができる。また、必要
に応じて白金族触媒の活性を抑制し、ポットライフを延
長させる目的で、各種の有機窒素化合物、有機リン化合
物、アセチレン系化合物などの活性抑制剤を添加しても
よい。
【0047】また、熱硬化性シリコーンの他の例として
は、例えば上記平均組成式(1)において機能性付与基
として反応性基を有するシリコーン(0<s<4)を挙
げることができる。この場合、架橋剤としては多官能ビ
ニル化合物、ポリアミノ化合物、ポリカルボニル化合
物、ポリイソシアネート、ポリメチロール化合物、ポリ
アルコール、ポリセミカルバジド化合物、ポリヒドラジ
ド化合物、ポリエポキシ化合物、(メタ)アクリル化合
物、多価金属塩、多塩基酸の中から該シリコーンが有す
る反応性基に応じて適宜選択することができる。
【0048】本発明の剥離紙用コーティング組成物にお
いて、該組成物中のシリコーンが熱硬化性シリコーンの
場合は、基材に該組成物を塗工した後、熱硬化性シリコ
ーンの硬化に必要な温度条件での加熱が必要となる。ま
た、電離放射線硬化性シリコーンとしては、アクリル
官能性シリコーン、メルカプトアルキル官能性シリコ
ーンとビニルシリコーンの組み合わせ、エポキシ官能
性シリコーン等を挙げることができる。との場合は
ラジカル開裂型光触媒の添加が好ましく、の場合はカ
チオン発生型触媒の添加が好ましい。
【0049】本発明の剥離紙用コーティング組成物にお
いて、該組成物中のシリコーンが電離放射線硬化性シリ
コーンの場合は、基材に該組成物を塗工した後、電離放
射線硬化性シリコーンの硬化に必要な条件での電離放射
線(電子線または紫外線)の照射が必要となる。本発明
における剥離紙用コーティング組成物において、シリコ
ーン(A)と水系樹脂(B)の固形分重量比は、(A)
/(B)=0.001/99.999〜80/20で使
用することができるが、好ましくは(A)/(B)=
0.001/99.999〜25/75、さらに好まし
くは(A)/(B)=0.001/99.999〜5/
95である。すなわち、本発明の剥離紙用コーティング
組成物は、シリコーン含有量が5重量%未満といったシ
リコーンの使用量が非常に少ない領域において基材に十
分な剥離性を付与することができる。
【0050】ここで、剥離性性は測定の方法や種々の条
件によって異なるが、大体の目安としては剥離力が30
g/5cm以下のものを軽剥離、30g/5cm〜10
0g/5cmのものを中剥離、100g/5cmを超え
るものを重剥離と定義した場合、本発明の剥離紙用コー
ティング組成物から形成された剥離剤層を有する剥離紙
は軽剥離あるいは中剥離の剥離性を有するものである。
【0051】本発明の剥離紙用コーティング組成物は、
必要に応じて顔料を配合しても良い。顔料としては、特
に制約はなく、無機または有機の顔料が適宜使用でき
る。例えばマグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウ
ム、チタン、アルミニウム、アンチモン、鉛等の各種金
属酸化物、水酸化物、硫化物、炭酸塩、硫酸塩または珪
酸塩化合物やポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビ
ニル等の個体高分子微粉末等が挙げられる。具体的には
炭酸カルシウム、カオリン(クレー)、タルク、二酸化
チタン、水酸化アルミニウムシリカ、石膏、バライト
粉、アルミナホワイト、サチンホワイト等無機顔料が挙
げられる。
【0052】さらには必要に応じて、メチルセルロー
ス、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、デ
キストリン、酸化処理澱粉、架橋澱粉、澱粉エステル、
グラフトコポリマー澱粉等の澱粉誘導体等の各種水溶性
天然高分子類、さらには増粘剤、消泡剤、濡れ剤、レベ
リング剤、成膜助剤、可塑剤、分散剤、着色剤、耐水化
剤、潤滑剤および防腐剤等が配合されていてもよい。
【0053】本発明の基材に用いられる原紙は特に制約
はないが、例えば広葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹晒ク
ラフトパルプ等の化学パルプ、GP、RGP、TMP等
の機械パルプを原料として用い、長網多筒型抄紙機、長
網ヤンキー型抄紙機あるいは丸網抄紙機で抄紙される上
質紙、中質紙、片艶紙及びクラフト紙等の酸性紙、中性
紙、を包含するものである。原紙中には紙力増強剤、サ
イズ剤、填料、歩留向上剤等の抄紙補助薬品が含まれて
いてもよい。特に限定するものではないが、原紙の坪量
は50〜150g/m2程度のものが用いられる。
【0054】また、必要に応じて合成紙、蒸着紙、布、
不織布、金属ホイル、各種高分子フィルム等を使用して
もよい。基材に対する塗工設備としては例えばサイズプ
レス、ゲートロールコーター、バーコーター、ロールコ
ーター、エアナイフコーターおよびブレードコーター等
から任意に選定することができる。塗工量は絶乾重量で
0.5〜50g/m2塗工されるよう調整するのが望ま
しい。乾燥条件は80〜180℃で10〜300秒が好
ましい。本発明の組成物は、基材に2回以上の塗工操作
により塗工してもよい。
【0055】
【発明の実施の形態】実施例中に用いられる各種物性の
測定方法は、下記の通りである。 数平均分散粒子径 湿式粒度分析計(日機装(株)製 マイクロトラック
UPA−9230)を使用して測定した。 部材の水の接触角 部材の水の接触角は、接触角計(協和界面科学(株)製
CA−X150)を使用し、20℃環境下において脱
イオン水の水滴を滴下してから1分後の接触角を測定し
た。 表面エネルギー 部材の表面エネルギーは、上記方法()にて部材の水
の接触角(θ)を測定し、SellとNeumannの
実験式(数式1)により求めた。
【0056】
【数2】
【0057】[式中、γsは脱イオン水の接触角を測定
した皮膜の表面エネルギー(ダイン/cm)を表し、γ
lは水の表面エネルギー{72.8ダイン/cm(20
℃)}を表わす。] 塗工紙の剥離力 塗工紙の剥離力は以下の方法により測定した。(剥離力
測定法)JIS Z0437に準拠して剥離力の測定を
行った。具体的操作を以下に記す。本発明の剥離紙用コ
ーティング組成物をクラフト紙(86.5g/m2)に
7.5g/m2の量となるように塗工し、140℃の熱
風式乾燥機中で60秒加熱した後、20℃で48時間エ
ージングを行い塗工紙を得た。この塗工紙に、幅50m
mの粘着テープ(AT−050VP,プラス社製)を軽
く押し付け、その上を2kgのローラーで2往復させ貼
りつけた。20℃/65%RHの部屋に貼り付け後1時
間放置し、その後180°剥離強さを引っ張り試験機を
用いて測定した(クロスヘッドスピードは300mm/
min)。
【0058】
【合成例】還流冷却器、温度計および撹拌装置を有する
反応器にメチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシ
ロキサンコポリマー(旭化成ワッカーシリコーン社製
V−58)100g、ジオキサン100gを入れ、撹拌
下30℃に加熱した。これに白金ジビニルテトラメチル
ジシロキサン錯体の2.2wt%キシレン溶液0.57
gを添加した後、反応性乳化剤(旭電化社製 アデカリ
アソープ SE−10N)の10wt%ジオキサン溶液
150gを180分かけて滴下し、さらに30℃にて1
時間攪拌を続けた。得られた反応液に水を約1000重
量部滴下し、減圧化ジオキサンを除去し、固形分15w
t%のスルホン酸変性シリコーン(i)の水分散体を得
た。得られた(i)の水分散体の数平均粒子径は147
nmであった。また、得られた(i)の水分散体をPE
Tフィルムに塗布し、50℃にて3日間加熱乾燥するこ
とにより透明なコーティング膜を有するPETフィルム
を得た。得られたコーティング膜の20℃における水の
接触角は88゜であり、Sell−Numannの実験
式から求めた(i)の32.1ダイン/cm(20℃)
であった。
【0059】
【参考例】スチレン−ブタジエン樹脂エマルジョンの表
面エネルギーの測定 スチレン−ブタジエン樹脂エマルジョン(旭化成工業株
式会社製 L1571:固形分濃度;48.5wt%、
数平均粒子径;196nm)をPETフィルム上に膜厚
が20μとなるようにキャスティングした後、室温で2
日間乾燥し、続いて50℃にて3日間加熱することによ
り透明で平滑なコーティング膜を有するPETフィルム
を得た。得られたコーティング膜の20℃における水の
接触角は40.4゜であり、Sell−Numannの
実験式から求めた上記スチレン−ブタジエン樹脂エマル
ジョンの表面エネルギーは64.4ダイン/cm(20
℃)であった。
【0060】
【実施例1】スチレン−ブタジエン樹脂エマルジョン
(旭化成工業株式会社製 L1571:固形分濃度;4
8.5wt%、数平均粒子径;196nm、水の接触
角;40.4°(表面エネルギー;64.4ダイン/c
m(20℃))を固形分として50gに、シリコーンと
して合成例で得られたスルホン酸変性シリコーン(i)の
水分散体を固形分として1g加えて10分間撹拌するこ
とにより剥離紙用コーティング組成物を得た。得られた
剥離紙用コーティング組成物をクラフト紙(86.5g
/m2)に7.5g/m2の量となるように塗工し、14
0℃の熱風式乾燥機中で60秒加熱した後、20℃で4
8時間エージングを行い塗工紙を得た。この塗工紙に、
幅50mmの粘着テープ(AT−050VP,プラス社
製)を軽く押し付け、その上を2kgのローラーで2往
復させ貼りつけた。20℃/65%RHの部屋に貼り付
け後1時間放置し、その後180°剥離強さを引っ張り
試験機を用いて測定した(クロスヘッドスピードは30
0mm/min)。得られた塗工紙の剥離力は、100
g/5cmであり、中剥離性を示した。
【0061】
【実施例2】スチレン−ブタジエン樹脂エマルジョン
(旭化成工業株式会社製 L1571:固形分濃度;4
8.5wt%、数平均粒子径;196nm、水の接触
角;40.4°(表面エネルギー;64.4ダイン/c
m(20℃))を固形分として50gに、シリコーンと
して、合成例で得られたスルホン酸変性オルガノハイド
ロジェンポリシロキサン(i)の水分散体を固形分とし
て1gと、架橋剤となるビニルシリコーンと触媒の混合
エマルジョン(旭化成ワッカーシリコーン株式会社製
DEHESIVE39006VP)を固形分として1g
加えて10分間撹拌することにより剥離紙用コーティン
グ組成物を得た。
【0062】得られた剥離紙用コーティング組成物を用
い、実施例1と同様の操作を行って得られた塗工紙の剥
離力を測定したところ、剥離力は60g/5cmであ
り、架橋剤の使用によって剥離力はさらに軽減された。
【0063】
【比較例1】スチレン−ブタジエン樹脂エマルジョン
(旭化成工業株式会社製 L1571:固形分濃度;4
8.5wt%、数平均粒子径;196nm、水の接触
角;40.4°(表面エネルギー;64.4ダイン/c
m(20℃)))単独を用い、実施例1と同様の操作を
行って得られた塗工紙の剥離力を測定したところ、剥離
力は1040g/5cmであった。
【0064】
【比較例2】シリコーンとして、オルガノハイドロジェ
ンポリシロキサンとビニルポリシロキサンの混合エマル
ジョン(旭化成ワッカーシリコーン株式会社製 DEH
ESIVE39005VP:固形分濃度;50wt%)
を固形分として1g用いた以外は、実施例1の操作を繰
り返した。合成例と同様にしてDEHESIVE390
05VPのみの物性を測定したところ、水との接触角は
105°(表面エネルギー19.7ダイン/cm(20
℃))であったが、数平均粒子径は472nmと大きか
った。剥離力は920g/5cmであり、完全な重剥離
性を示した。
【0065】
【比較例3】シリコーンとして、DEHESIVE39
005VPを固形分として1gと、架橋剤を含むDEH
ESIVE39006VPを固形分として1g用いた以
外は、実施例1の操作を繰り返した。合成例と同様にし
てDEHESIVE39005VPとDEHESIVE
39006VPとの混合物の物性を測定したところ、水
との接触角は106.5°(表面エネルギー18.7ダ
イン/cm(20℃))であったが、数平均粒子径は5
62nmと大きかった。剥離力は400g/5cmであ
り、重剥離性であった。
【0066】
【発明の効果】本発明の剥離紙用コーティング組成物を
用いると再利用可能な基材を用いて1コートで塗工して
剥離紙を得る際に、非常に少ないシリコーンの使用量で
十分な剥離性を付与することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 113/02 C09D 113/02 183/04 183/04 Fターム(参考) 4F100 AH02B AH02H AH03B AH03H AH08B AH08H AK01B AK21B AK21H AK24B AK24J AK25B AK25H AK28B AK28J AK36B AK36H AK51B AK51H AK52B AK52K AK53B AK53H AK73 AL01B AL05B BA02 BA44 CA02B DG10A GB90 JB05B JB13B JB14B JL14 JL16 JM01B YY00B 4J038 CA011 CA021 CA041 CA051 CB031 CB051 CC041 CD031 CD041 CE021 CF031 CG001 CG031 CG141 CG161 CG171 DB002 DG182 DG191 DL042 DL052 DL072 DL082 DL092 DL112 DL122 GA06 HA126 KA03 KA04 MA08 MA10 MA14 NA10 PA17 PA19 4L055 AG63 AG76 AG86 AG97 AH38 FA22 GA43

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水系樹脂と、該水系樹脂より表面エネル
    ギーが小さく数平均粒子径が400nm以下のシリコー
    ンの水分散体及び/または該水系樹脂より表面エネルギ
    ーが小さいシリコーン水溶液とを含有する剥離紙用コー
    ティング組成物。
  2. 【請求項2】 シリコーン含有量が5重量%未満である
    ことを特徴とする請求項1記載の剥離紙用コーティング
    組成物。
  3. 【請求項3】 シリコーンが下記平均組成式(1)で表
    されることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載
    の剥離紙用コーティング組成物。 Hp1 qrsSiO(4-p-q-r-s)/2 (1) (式中、R1は、直鎖状または分岐状の炭素数が1〜3
    0個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル
    基、もしくは置換されていないか或いは炭素数1〜20
    のアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ基、又は
    ハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリー
    ル基から選ばれた1種もしくは2種以上からなる炭化水
    素基を表す。Qは、カルボキシル基あるいはその塩を含
    む1価の基、リン酸基あるいはその塩を含む1価の基、
    スルホ基あるいはその塩を含む1価の基、ポリオキシア
    ルキレン基からなる群から選ばれた少なくとも1つの親
    水性基を表す。Xは、 直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のアルキル
    基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、置換されてい
    ないか又は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜2
    0のアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群より選ば
    れる少なくとも1つの置換基で置換されている炭素数6
    〜20のアリール基、及び炭素数1〜30のフルオロア
    ルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1つの疎水
    性基、 ビニル基、エポキシ基、アクリロイル基、メタアクリ
    ロイル基、メルカプト基、酸無水物基、ケト基、ヒドラ
    ジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、
    水酸基、アミノ基、環状カーボネート基、及びエステル
    基からなる群より選ばれる少なくとも1つの反応性基か
    らなる群より選ばれる少なくとも1つの機能性付与基を
    含有する基を表し、 0≦p<4、 0<q<4、 0<r<4、 0≦s<4、 及び(p+q+r+s)<4である。)
  4. 【請求項4】 シリコーンが熱硬化性シリコーンである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の剥離
    紙用コーティング組成物。
  5. 【請求項5】 シリコーンが電離放射線硬化性シリコー
    ンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の剥離紙用コーティング組成物。
  6. 【請求項6】 多官能ビニル化合物、ポリアミノ化合
    物、ポリカルボニル化合物、ポリイソシアネート、ポリ
    メチロール化合物、ポリアルコール、ポリセミカルバジ
    ド化合物、ポリヒドラジド化合物、ポリエポキシ化合
    物、(メタ)アクリル化合物、多価金属塩、多塩基酸の
    少なくとも1種から選ばれた架橋剤を含むことを特徴と
    する請求項1から5のいずれかに記載の剥離紙用コーテ
    ィング組成物。
  7. 【請求項7】 シリコーンがSi−H基含有シリコーン
    及びビニルシリコーンからなり、さらに白金族化合物を
    含むことを特徴とする請求項4、5に記載の剥離紙用コ
    ーティング組成物。
  8. 【請求項8】 水系樹脂がエチレン性不飽和カルボン酸
    単量体と共役ジエン系単量体とを含む単量体組成物を乳
    化重合して得られるエマルジョンであることを特徴とす
    る請求項1〜7のいずれかに記載の剥離紙用コーティン
    グ組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の剥離紙
    用コーティング組成物から形成された剥離剤層を有する
    剥離紙であって、該組成物中のシリコーンが剥離剤層の
    表面方向に偏在化してなることを特徴とする剥離紙。
  10. 【請求項10】 請求項1〜8のいずれかに記載の剥離
    紙用コーティング組成物から形成された剥離剤層を有す
    る剥離紙であって、軽剥離性あるいは中剥離性を有する
    ことを特徴とする剥離紙。
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