JP2001326177A - 結晶シリコン半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

結晶シリコン半導体装置およびその製造方法

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JP2001326177A
JP2001326177A JP2000145069A JP2000145069A JP2001326177A JP 2001326177 A JP2001326177 A JP 2001326177A JP 2000145069 A JP2000145069 A JP 2000145069A JP 2000145069 A JP2000145069 A JP 2000145069A JP 2001326177 A JP2001326177 A JP 2001326177A
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crystalline silicon
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Shinichi Muramatsu
信一 村松
Yasushi Minagawa
康 皆川
Susumu Takahashi
進 高橋
Yoshiaki Yazawa
義昭 矢澤
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Hitachi Cable Ltd
Hitachi Ltd
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Hitachi Cable Ltd
Hitachi Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Abstract

(57)【要約】 【課題】半導体装置として必要な所定の厚さの多結晶シ
リコン層を効率よく形成することのできるコスト的に有
利な結晶シリコン半導体装置とその製造方法を提供す
る。 【解決手段】基板1の上に、(111)面に配向させた
多結晶シリコン層3と、Niより構成される金属触媒層
4と、多結晶シリコン層5を順に形成し、さらに、この
上に所定の厚さの非晶質シリコン層6を形成した後、熱
処理を施すことによって金属触媒層4からNi元素を非
晶質シリコン層6の中に拡散させ、これにより非晶質シ
リコン層6を多結晶シリコン層6′に結晶化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結晶シリコン半導
体装置およびその製造方法に関し、特に、多結晶シリコ
ン層を効率よく形成することのできる結晶シリコン半導
体装置とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス板のようなシリコンと異質の基板
の上に多結晶シリコン層を形成した、太陽電池として好
適な半導体装置が知られている。この半導体装置は、大
面積および高品質のシリコン基板を必要としないため、
大幅なコストダウンが見込まれるが、高い特性の半導体
装置とするためには、高品質の多結晶シリコン層を形成
しなければならない。通常、高品質の多結晶シリコン層
は、耐熱性の石英板の上に高温下で堆積させることによ
って形成されるが、石英板は高価であり、コスト的に問
題がある。
【0003】この問題を解決する方法として、基板上に
形成した非晶質シリコン薄膜をレーザーアニールで溶融
結晶化し、その上に多結晶シリコン層を成長させる方法
が提案されている。K.Yamamoto他による19
94 IEEE FirstWorld Confer
ence on photovoltaic Ener
gy Coversion(1994年)のp.157
5〜1578にこの方法が示されており、これによれ
ば、基板温度の上昇が抑制され、さらに、低コストの基
板の使用が可能であるとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ここに示され
た結晶シリコン半導体装置の製造方法によると、非晶質
シリコン薄膜を溶融結晶化により均一な粒径のもとに形
成するためには、プラズマCVD法で非晶質シリコン薄
膜を形成した後、膜中の水素を熱的に放出させる処置を
行う必要があり、さらに、その後でレーザーアニール処
理をしなければならないことを考えると、多大な手間と
時間を必要とし、これによるコスト的負担は大きなもの
となる。
【0005】また、このようにして形成された多結晶シ
リコン薄膜の上に、所定の厚さとなるまで高品質の多結
晶シリコン層を成長させるには、この成長が低速度であ
るために極めて長い時間を必要とするとともに、この間
のシリコン原料の使用効率も低いものとなり、このた
め、安価な基板を使用できる利点はあるが、全体を考察
するとき、この方法は、コスト的に不利な方法であると
言わざるを得ない。
【0006】従って、本発明の目的は、安価な基板の上
に所定の厚さの多結晶シリコン層を効率よく形成するこ
とのできるコスト的に有利な結晶シリコン半導体装置と
その製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、基板上に形成された所定の配向性を有す
る1導電型の多結晶シリコン層と、前記1導電型の多結
晶シリコン層を種結晶層とすることにより、その上に形
成された実質的に真正な非晶質シリコン層の結晶化に基
づいて形成された所定の配向性を有する実質的に真正な
多結晶シリコン層を含むことを特徴とする結晶シリコン
半導体装置を提供するものである。
【0008】また、本発明は、上記の目的を達成するた
め、基板上に形成された所定の配向性を有する1導電型
の多結晶シリコン層と、前記1導電型の多結晶シリコン
層を種結晶層とすることにより、その上に形成された実
質的に真正な非晶質シリコン層の結晶化に基づいて形成
された所定の配向性を有する実質的に真正な多結晶シリ
コン層と、前記結晶化に基づいて形成された多結晶シリ
コン層の上に形成された他の導電型の非単結晶シリコン
層を含むことを特徴とする結晶シリコン半導体装置を提
供するものである。
【0009】さらに、本発明は、上記の目的を達成する
ため、基板の上に所定の厚さの多結晶シリコン層を形成
する結晶シリコン半導体装置の製造方法において、前記
基板の上に、(111)面、(110)面あるいは(1
00)面のいずれかに配向させた多結晶シリコン層、金
属触媒層、および所定の厚さの非晶質シリコン層を形成
し、前記所定の厚さの非晶質シリコン層に熱処理を施す
ことによって前記所定の厚さの非晶質シリコン層を配向
性を有した多結晶シリコン層に結晶化させることを特徴
とする結晶シリコン半導体装置の製造方法を提供するも
のである。
【0010】本発明は、以上のように、非晶質シリコン
を金属触媒と熱処理によって多結晶シリコンに結晶化さ
せるため、従来の方法には見られない低コスト性を有す
ることになる。即ち、非晶質シリコンは、膜質を考慮す
ることなく高速での成長が可能であり、従って、非晶質
シリコンを生成させてこれを結晶化させれば、従来より
格段に速く所定の厚さの多結晶シリコン層を形成するこ
とができる。
【0011】前記のいずれかに配向させた(以下、「配
向させた」という)多結晶シリコン層と金属触媒層を形
成する時間、および熱処理時間を考慮したとしても、従
来の方法より格段に短い作業時間となり、その分、低コ
スト化が図れることになる。また、作業時間が短いた
め、原料ロスが少なくなる利点も生ずる。
【0012】非晶質シリコンの結晶化を助長する金属触
媒層の形成位置としては、配向させた多結晶シリコン層
の内部、配向させた多結晶シリコン層と非晶質シリコン
層の間、あるいは非晶質シリコン層と接触する配向させ
た多結晶シリコン層の裏面のいずれかとすることが好ま
しい。金属触媒層の構成材としては、非晶質シリコン層
の結晶化を効率よく行わせる意味から、Ni、Fe、C
o、Pt、Cu、あるいはAuより選択することが好ま
しい。
【0013】配向させた多結晶シリコン層と非晶質シリ
コン層の位置関係は、前者を後者の基板側としても、あ
るいは表面側としてもよく、いずれの場合も非晶質シリ
コン層を良好な配向性のもとに多結晶化することができ
る。非晶質シリコン層の上下に多結晶シリコン層を形成
し、その一方をp型、他方をn型とすることは実際的で
ある。また、この場合、配向させた多結晶シリコン層の
側でないシリコン層を、微結晶あるいは非晶質のシリコ
ン薄膜によって構成することは可能である。
【0014】金属触媒層を配向させた多結晶シリコン層
の内部に形成する方法としては、イオン注入法、あるい
はプラズマドーピング法などが適している。また、複数
の多結晶シリコン層の間に金属触媒の薄膜を介在させ、
これによって多結晶シリコン層の内部に金属触媒を形成
した形とすることは可能である。配向させた多結晶シリ
コン層の表面に金属触媒層を形成する手段としては、蒸
着法、あるいは金属塩溶液のスピン塗布法などが好適で
ある。
【0015】金属触媒は、熱処理時に非晶質シリコン層
の中を厚さ方向に一方側から他方側に移動し、この移動
の中で非晶質シリコンを多結晶化させる作用をする。従
って、その量は極少でよく、形成される薄膜の厚さとし
ては、数オングストローム程度の薄さに形成されるのが
普通である。
【0016】非晶質シリコン層は、蒸着法、p−CVD
法、CVD法、あるいはスバッタリング法などによって
形成される。その厚さは、半導体装置として光吸収に必
要な厚さによって決定され、多くの場合、500nm〜
10μmの範囲に設定されるが、50μmクラスの厚さ
に設定される場合もある。
【0017】熱処理の温度は、450〜700℃が好ま
しく、より好ましくは500〜600℃である。また、
熱処理は、1段階で行ってもよく、あるいは、たとえ
ば、水素雰囲気で400℃前後に予備加熱して層中の水
素量を1%以下、好ましくは0.3%以下に減少させた
後、上記温度に加熱する2段階で行ってもよい。熱処理
の雰囲気としては、水素、窒素、Ar、ハロゲン化物、
あるいは真空が好ましい。
【0018】基板の構成材としては、半導体装置への光
の入射方向によって様々である。基板側からの入射光を
利用する場合には、透明ガラス、透明セラミック、石
英、あるいはサファイア等が使用され、その逆からの入
光の場合には、SUS、Al、タングステン、あるいは
金属シリコンのような金属板などが使用される。金属の
基板の表面に凹凸を形成し、これにより入射光を基板表
面で散乱させて短絡電流を増大させることは可能であ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明による結晶シリコン
半導体装置およびその製造方法の実施の形態を説明す
る。図1は、基板の側から光を入射させる半導体装置を
対象としたもので、まず、図1の(a)において透明ガ
ラスの基板1を準備し、この上に表面に凹凸を有した厚
さ800nmのSnO2 による透明電極2を形成した
後、透明電極2の表面にH2 、SiH4 、およびB2
6 の混合ガスを導入し、圧力0.5torr、基板温度
400℃、および周波数50MHzの条件のもとにp−
CVD法によりp型の多結晶シリコン層3を20nmの
厚さに形成した。
【0020】この多結晶シリコン層3は、大部分が厚さ
方向に(111)面に配向していることが確認された。
配向させた多結晶シリコン層3の中には、条件によって
0.1〜5%の水素が含まれることになるが、配向性は
水素含有量0.1〜0.2%で特に良好であった。
【0021】次に、金属触媒層4をNiの蒸着により1
nmの厚さに形成し、さらに、この上にp型の多結晶シ
リコン層5を多結晶シリコン層3と同じ条件のもとに2
0nmの厚さに形成した。この場合、多結晶シリコン層
3と5は、光が基板1側から入射するので、できるだけ
薄くすべきであり、その厚さは合計で8〜100nm程
度に設定することが好ましい。
【0022】6は多結晶シリコン層5の上に形成された
i型(真正)の非晶質シリコン層を示す。多結晶シリコ
ン層5の表面にH2 とSiH4 の混合ガスを導入し、圧
力0.5torr、基板温度420℃、および周波数6
0MHzの条件のもとにp−CVD法により形成された
もので、2μmの厚さを有している。この非晶質シリコ
ン層6が含む水素の濃度は、多くの場合0.5〜8%で
ある。
【0023】次に、窒素ガス雰囲気の中に以上の積層物
を入れ、550℃に加熱してNiの拡散処理を行った。
金属触媒層4を構成するNi元素は、この熱処理によっ
て多結晶シリコン層5を通過して非晶質シリコン層6の
中に拡散することになり、その結果、非晶質シリコン層
6は、膜厚方向に配向した良質の多結晶シリコン層に変
態することになる。
【0024】図1の(b)の6′は、熱処理により結晶
化した多結晶シリコン層を示す。この多結晶シリコン層
6′は、良好な結晶組織を有していることが確認され、
また、その内部の水素濃度は、0.1〜2%に減少させ
られていることも確認された。金属触媒層4は、多結晶
シリコン層6′の表面に移動したために消失しており、
さらに、多結晶シリコン層6′の中のNi元素は、トレ
ース量程度しか残存していないことが確認された。
【0025】仮に、多結晶シリコン層6′の結晶性が良
好でないとして、その場合には、層中の結晶欠陥位置に
Ni原子が取り残されることになるが、その場合でも、
最大の濃度は2×1017/cm-3程度でしかなく、従っ
て、この程度のNiが太陽電池特性に悪影響を与えるこ
とはない。良好な結晶組織であれば、問題は皆無とな
る。
【0026】次に、多結晶シリコン層6′の表面に
2 、SiH4 、およびPH3 の混合ガスを導入し、圧
力0.3torr、基板温度200℃、および周波数1
3.56MHzのもとにp−CVD法によりn型の多結
晶シリコン層7を形成した後、蒸着法によって1μm厚
さのAlの裏面電極8を形成し、これにより所定の結晶
シリコン半導体装置とした。以上により得られた半導体
装置の透明電極2と裏面電極8を直列につなぐ接続方法
に基づいて複数の半導体装置を接続したところ、50段
の接続でも各半導体装置が有する個々の電圧を合計した
特性が得られた。
【0027】なお、本実施の形態においては、金属触媒
層4の形成位置を同じ厚さの多結晶シリコン層3と5の
間としたが、多結晶シリコン層3、5の厚さを異ならせ
たり、その形成位置を多結晶シリコンの層3の下あるい
は5の上としてもよい。非晶質シリコン層6に近く形成
するほど、多結晶シリコン層6′の生成は速くなる。
【0028】また、本実施の形態においては、層7を多
結晶シリコンにより構成したが、これを非晶質シリコン
によって構成してもよい。この層7の最適膜厚は、結晶
性によっても異なるが、10〜100nm、より好まし
くは30〜60nmである。裏面電極8の構成材として
は、Al以外にAg、Mo等が好適である。
【0029】図2は、本発明の他の実施の形態を示し、
基板の反対側より光を入射させる構成の半導体装置に関
する。図2の(a)において、まず、フレキシブルなS
USの基板1を準備し、この上に絶縁膜9として厚さ2
00nmのSiO2 膜を形成した後、絶縁膜9の上に5
00nm厚さのSUSの裏面電極10を形成した。
【0030】次に、この裏面電極10の表面にH2 、S
iH4 、およびPH3 の混合ガスを導入し、圧力0.3
torr、基板温度200℃、および周波数80MHz
の条件のもとにp−CVD法によりn型の多結晶シリコ
ン層11を50nmの厚さに形成した。このシリコン層
11を調べたところ、厚さ方向に(110)面に配向し
た多結晶の組織となっていることが確認された。
【0031】次いで、配向させた多結晶シリコン層11
の上にNi塩溶液をスピン塗布して乾燥することにより
金属触媒層4を形成した後、シリコンターゲット材から
のスバッタリングによって厚さ5μmのi型の非晶質シ
リコン層6を形成した。この層6は、10nm/sの速
度で形成された。また、その含有水素濃度を確認したと
ころ、0.1%以下の結果が得られた。
【0032】次に、非晶質シリコン層6の表面にH2
SiH4 、およびB2 6 の混合ガスを導入し、圧力
0.5torr、基板温度400℃、および周波数50
MHzの条件のもとにp−CVD法によってp型の多結
晶シリコン層12を形成した後、これを圧力が1tor
rのH2 の中に入れて550℃×30分の熱処理を行う
ことにより非晶質シリコン層6を結晶化させた。
【0033】図2の(b)の6′は、以上により非晶質
シリコン層6から結晶化された多結晶シリコン層を示
す。金属触媒層4を構成するNiは、多結晶シリコン層
6′の中を通過して多結晶シリコン層12に取り込ま
れ、この結果、金属触媒層4は消失した。
【0034】また、多結晶シリコン層6′の中には、N
iが殆ど残っていないことが確認され、さらに、非晶質
シリコン層6の中には、多結晶シリコン層11および1
2との境界の界面近傍を除いては水素が殆ど存在してい
ないが、このため非晶質シリコン層6の結晶化が効率的
に進行した。また、層6′の良質な結晶組織が確認され
た。
【0035】次に、この多結晶シリコン層6′の上に透
明電極13として厚さ70nmのITO膜を形成し、さ
らに、この上に厚さ1μmのAlの金属電極14を局部
的に設け、これによって所定の結晶シリコン型半導体装
置を構成した。図1と同程度の電気特性を有しているこ
とが確認され、さらに、その表面には、(110)面配
向による利点として、(111)面配向の場合とは異り
自然なテクスチャーが形成されていることが確認され
た。
【0036】図3は、本発明のさらに他の実施の形態を
示し、非晶質シリコン層の表面側に(100)面に配向
させた多結晶シリコン層を配置した例である。図2の場
合と同じく、光は基板の反対側から入射される。図3の
(a)において、1はガラスの基板を示し、まず、この
基板1の表面に、裏面電極15として厚さが50nm/
1μm/50nmのTi/Ag/Tiの複合膜を形成し
た。
【0037】次に、この裏面電極15の表面にH2 、S
iH4 、およびPH3 を導入し、圧力0.3torr、
基板温度200℃,および周波数13.56MHzの条
件でp−CVD法によりn型の微結晶シリコン層16を
50nmの厚さに形成した。このシリコン層16を観察
したところ、完全にランダム配向した微結晶組織を呈し
ていた。
【0038】次いで、電子ビーム蒸着法により、微結晶
シリコン層16の上に3μmの厚さのi型の非晶質シリ
コン層6を15nm/sの速度で形成した。この層6の
中に占める水素量を確認した結果、0.1%以下であっ
た。引き続き、電子ビーム蒸着法により厚さが3オング
ストロームのNiの金属触媒層4を形成し、さらに、こ
の上にH2 、Si2 6 、およびB2 6 の混合ガスを
導入して圧力0.5torr、基板温度200℃、およ
び周波数50MHzの条件のもとにp−CVD法によっ
て厚さが15nmのp型の多結晶シリコン層17を形成
した。
【0039】この多結晶シリコン層17は、少なくとも
その表面近傍が厚さ方向に(100)面に配向している
ことが確認された。次に、これを1torrのH2 の中
に入れて600℃×2分/回の条件でラピッド・サーマ
ル・アニールを3回行い、これにより非晶質シリコン層
6を結晶化させた。金属触媒層4を構成するNi元素
は、非晶質シリコン層6の中を通過し、この過程で非晶
質シリコン層6を多結晶化させた後、その殆どが微結晶
シリコン層16の中に取り込まれた。
【0040】図3の(b)は、結晶シリコン半導体装置
としての完成構造を示す。透明電極18としてITO膜
を70nmの厚さに形成し、さらに、これに厚さが20
nm/1μmのTi/Alによる金属電極19を局部的
に形成することにより、所定の結晶シリコン型半導体装
置とした。(100)面に配向された多結晶シリコン層
6′は、層中に欠陥がなく、従って、本実施の形態によ
り得られた結晶シリコン型半導体装置は、高い移動度を
示した。
【0041】なお、本発明による結晶シリコン半導体装
置は、太陽電池として、たとえば、家庭の電力供給シス
テムの電源、あるいは電卓や時計のような携帯機器の電
源に使用される。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による結晶
シリコン半導体装置およびその製造方法によれば、所定
の配向性を有する多結晶シリコン層、金属触媒層、およ
び所定の厚さの非晶質シリコン層を基板上に形成し、こ
れに熱処理を施すことによって非晶質シリコン層を多結
晶シリコン層に配向結晶化させるため、形成速度の速い
非晶質シリコン層の形成を基盤とした効率的な多結晶シ
リコン層の形成が可能となり、従って、コストの安い結
晶シリコン半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による結晶シリコン半導体装置およびそ
の製造方法の実施の形態を示す説明図であり、(a)は
熱処理前の半導体装置の構造、(b)は半導体装置とし
ての完成構造を示す。
【図2】本発明の他の実施の形態を示す説明図であり、
(a)は熱処理前の半導体装置の構造、(b)は半導体
装置としての完成構造を示す。
【図3】本発明のさらに他の実施の形態を示す説明図で
あり、(a)は熱処理前の半導体装置の構造、(b)は
半導体装置としての完成構造を示す。
【符号の説明】
1 基板 2、13、18 透明電極 3 p型多結晶シリコン層(111面配向) 4 金属触媒層 5、12 p型多結晶シリコン層 6 非晶質シリコン層 6′ 多結晶シリコン層 7 n型多結晶シリコン層 8、10、15 裏面電極 9 絶縁膜 11 n型多結晶シリコン層(110面配向) 14、19 金属電極 16 n型微結晶シリコン層 17 p型多結晶シリコン層(100面配向)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 皆川 康 茨城県土浦市木田余町3550番地 日立電線 株式会社アドバンスリサーチセンター内 (72)発明者 高橋 進 茨城県土浦市木田余町3550番地 日立電線 株式会社アドバンスリサーチセンター内 (72)発明者 矢澤 義昭 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 5F051 AA03 BA14 CB04 CB12 CB24 CB29 DA04 FA03 FA06 FA19 GA02 GA03 5F052 AA17 CA10 DA01 DA02 DB01 DB03 DB04 DB07 EA13 GB05 JA09

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に形成された所定の配向性を有する
    1導電型の多結晶シリコン層と、 前記1導電型の多結晶シリコン層を種結晶層とすること
    により、その上に形成された実質的に真性な非晶質シリ
    コン層の結晶化に基づいて形成された所定の配向性を有
    する実質的に真性な多結晶シリコン層を含むことを特徴
    とする結晶シリコン半導体装置。
  2. 【請求項2】基板上に形成された所定の配向性を有する
    1導電型の多結晶シリコン層と、 前記1導電型の多結晶シリコン層を種結晶層とすること
    によりその上に形成された実質的に真性な非晶質シリコ
    ン層の結晶化に基づいて形成された所定の配向性を有す
    る実質的に真性な多結晶シリコン層と、 前記結晶化に基づいて形成された多結晶シリコン層の上
    に形成された他の導電型の非単結晶シリコン層を含むこ
    とを特徴とする結晶シリコン半導体装置。
  3. 【請求項3】前記1導電型の多結晶シリコン層は、(1
    11)面、(110)面、あるいは(100)面に優先
    的に配向していることを特徴とする請求項2項記載の結
    晶シリコン半導体装置。
  4. 【請求項4】前記実質的に真性な多結晶シリコン層は、
    前記1導電型の多結晶シリコン層の中、その表面、ある
    いはその裏面に形成された金属触媒層のもとで前記実質
    的に真性な非晶質シリコン層に熱処理を施して形成され
    ることを特徴とする請求項2項記載の結晶シリコン半導
    体装置。
  5. 【請求項5】前記実質的に真正な非晶質シリコン層は、
    大部分が0.3%以下の水素しか含まないことを特徴と
    する請求項2項記載の結晶シリコン半導体装置。
  6. 【請求項6】前記実質的に真正な多結晶シリコン層は、
    その厚さ方向に配向性を有することを特徴とする請求項
    2項記載の結晶シリコン半導体装置。
  7. 【請求項7】前記1導電型の多結晶シリコン層と前記他
    の導電型の非単結晶シリコン層は、互いに異なる導電型
    であることを特徴とする請求項2項記載の結晶シリコン
    半導体装置。
  8. 【請求項8】前記1導電型の多結晶シリコン層と前記他
    の導電型の非単結晶シリコン層は、0.1%以上の水素
    を含むことを特徴とする請求項2項記載の結晶シリコン
    半導体装置。
  9. 【請求項9】基板の上に所定の厚さの多結晶シリコン層
    を形成する結晶シリコン半導体装置の製造方法におい
    て、 前記基板の上に、(111)面、(110)面あるいは
    (100)面のいずれかに配向させた多結晶シリコン
    層、金属触媒層、および所定の厚さの非晶質シリコン層
    を形成し、 前記所定の厚さの非晶質シリコン層に熱処理を施すこと
    によって前記所定の厚さの非晶質シリコン層を配向性を
    有した多結晶シリコン層に結晶化させることを特徴とす
    る結晶シリコン半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】前記金属触媒層は、前記いずれかに配向
    させた多結晶シリコン層の内部に形成されることを特徴
    とする請求項9項記載の結晶シリコン半導体装置の製造
    方法。
  11. 【請求項11】前記金属触媒層は、前記いずれかに配向
    させた前記多結晶シリコン層と前記所定の厚さの非晶質
    シリコン層の間に形成されることを特徴とする請求項9
    項記載の結晶シリコン半導体装置の製造方法。
  12. 【請求項12】前記金属触媒層は、前記いずれかに配向
    させた多結晶シリコン層の前記基板側に形成されること
    を特徴とする請求項9項記載の結晶シリコン半導体装置
    の製造方法。
  13. 【請求項13】前記金属触媒層は、Ni、Fe、Co、
    Pt、Cu、あるいはAuより選択されることを特徴と
    する請求項9項記載の結晶シリコン半導体装置の製造方
    法。
  14. 【請求項14】前記いずれかに配向させた多結晶シリコ
    ン層は、前記所定の厚さの非晶質シリコン層の基板側に
    形成されることを特徴とする請求項9項記載の結晶シリ
    コン半導体装置の製造方法。
  15. 【請求項15】前記いずれかに配向させた多結晶シリコ
    ン層は、前記所定の厚さの非晶質シリコン層の表面側に
    形成されることを特徴とする請求項9項記載の結晶シリ
    コン半導体装置の製造方法。
  16. 【請求項16】前記所定の厚さの非晶質シリコン層は、
    その両面に、前記いずれかに配向させた多結晶シリコン
    層を含むシリコン層が形成されることを特徴とする請求
    項9項記載の結晶シリコン半導体装置の製造方法。
  17. 【請求項17】前記シリコン層は、一方がp型の多結晶
    シリコン層であり、他方がn型の多結晶シリコン層であ
    ることを特徴とする請求項16項記載の結晶シリコン半
    導体装置の製造方法。
  18. 【請求項18】前記シリコン層は、前記いずれかに配向
    させた多結晶シリコン層でない側が微結晶あるいは非晶
    質のシリコン層であることを特徴とする請求項16項記
    載の結晶シリコン半導体装置の製造方法。
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