JP2003218030A - 結晶シリコン半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

結晶シリコン半導体装置およびその製造方法

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JP2003218030A JP2002012437A JP2002012437A JP2003218030A JP 2003218030 A JP2003218030 A JP 2003218030A JP 2002012437 A JP2002012437 A JP 2002012437A JP 2002012437 A JP2002012437 A JP 2002012437A JP 2003218030 A JP2003218030 A JP 2003218030A
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crystalline silicon
layer
semiconductor device
silicon layer
silicon semiconductor
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Fumito Oka
史人 岡
Shinichi Muramatsu
信一 村松
Tadashi Sasaki
唯 佐々木
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Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶シリコン中に残留する触媒元素の量を減
らし、低コストで品質の良い結晶シリコン半導体装置を
提供すること。 【解決手段】 石英基板2の上に下地層3として酸化錫
を500nm形成し(ステップ201)、下地層3の上
の一部もしくは全面に触媒元素4としてNi層を0.6
nm形成し(ステップ202)、その上に非晶質シリコ
ン層5aを1μm形成する(ステップ203)。次に、
600℃の窒素雰囲気中で6時間熱処理を行い、非晶質
シリコン層5aを結晶化して結晶シリコン層5bに変換
する(ステップ204)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結晶シリコン半導
体装置及びその製造方法に関し、特に、非晶質シリコン
層に触媒元素を導入し熱処理を施して形成された結晶シ
リコン半導体装置及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、多結晶シリコンや微結晶シリコン
のような結晶シリコンを含む薄膜を用いた光電変換素子
の開発が盛んになっている。これらは、安価な基板上に
低温プロセスで良好な結晶性を持つ結晶シリコン薄膜を
形成し、これを光電変換装置に用いて、低コスト化と高
性能化を図るものである。
【0003】この結晶シリコン薄膜を光電変換素子に用
いることによって非晶質シリコン光電変換素子で問題に
なっている光劣化が観測されず、さらに非晶質シリコン
光電変換素子では感度の無い長波長光をも電気的エネル
ギーに変換することができる。この技術は光電変換素子
のみならず光センサ等の光電変換装置への応用も可能で
ある。
【0004】この結晶シリコン光電変換素子は、一般的
に、プラズマCVD法によって、直接結晶シリコン薄膜
を堆積させて形成させる。このプラズマCVDの形成条
件は、水素でシラン系原料ガスを15倍以上に希釈し、
プラズマ反応室内圧力を10mTorr〜10Tor
r、基板温度を150℃〜550℃、望ましくは400
℃以下の範囲に制御して成膜する。これによって結晶性
のシリコン薄膜を基板上に低温で形成し、結晶成分を含
むシリコン薄膜光起電力素子を低コストで製造できるた
め、広く試みられてきた。
【0005】しかしながら、このプラズマCVD法で
は、シリコン薄膜中に含まれる結晶成分は、80%程度
以上にはできないことが明らかになっている。また、特
に異種基板上、例えば電極直上における結晶化率が低い
という問題もあり、プラズマCVD法を用いて形成され
た薄膜の膜質は限界が見えており、それを用いた光起電
力素子の特性をこれ以上向上させることは難しい。
【0006】一方、非晶質シリコンに熱処理を施して固
相中で結晶化を行う方法がある。特開平7−33566
0に、この方法で形成した薄膜を太陽電池素子に用いた
一例として、プラズマCVD法によって非晶質シリコン
層中に核形成を行い、プラズマCVDチェンバー中で固
相成長を行う方法が開示されている。この方法によれ
ば、電極上に直接結晶化率の高いシリコン結晶薄膜を形
成することができる。
【0007】しかしながら、特開平7−335660に
開示されたプラズマCVDチェンバー中で固相成長を行
う方法によると、スループットの大幅な向上は望めな
い。光起電力素子の低コスト化のためには更に大幅なス
ループットの向上が必要とされるので、これも問題であ
る。
【0008】結晶シリコンの固相成長法は、R.C.C
amarataらによって非晶質シリコンに触媒元素を
導入し、熱処理を施すことで結晶シリコンに変換される
現象がJ.Mater.Re.、Vol5、No10
(1990)P.2133〜2138に報告されてい
る。この方法によれば低温かつ高速で多結晶の成膜が可
能であるとされ、特に低温での結晶化は、例えばNi金
属元素を導入して熱処理することで達成可能であるとさ
れている。この方法によって非晶質シリコンを従来の方
法よりも大幅に高速で結晶化することができる。
【0009】本出願人は、特願2000−145056
9に上記の非晶質シリコンに触媒元素を導入し、熱処理
を施すことによって光起電力素子の活性層であるi層を
結晶化する方法を特許出願中である。i層とは、シリコ
ン元素以外に意図的に不純物を混入させていない層であ
る。この方法によれば、活性層の結晶化時間を大幅に短
縮できるので、光起電力素子の製造コストの増大を防ぐ
ことができる。
【0010】しかし、この方法は、非晶質シリコンに導
入した触媒元素がそのまま結晶シリコン中に残留すると
いう問題がある。結晶シリコン中の触媒元素の量が5×
10 18atoms/cm3を超えて含まれると、触媒元
素として用いている金属の特性が半導体に顕れてしまい
好ましくない。
【0011】そこで、結晶シリコン中に残留する触媒元
素の量を減らすためには導入する触媒元素の量を少なく
すればよいが、導入する触媒元素の量を減らすと、非晶
質シリコンから結晶シリコンに変換する速度が下がり、
結晶化に時間が掛かるという問題が発生する。
【0012】また、触媒元素を減らした場合でも、結晶
シリコンの品質をより向上させるために、結晶シリコン
中に残留する触媒元素の量を5×1018atoms/c
3以下に減らす必要がある。これは、特開平10−0
84125に開示されたハロゲン元素又は15族元素に
よって半導体基板内の触媒元素をゲッタリングする方法
を用いれば解決される。
【0013】
【発明が解決しょうとする課題】特開平10−0841
25に開示された触媒元素の量を減らす方法は、結晶化
を行う第1の工程とは別に、ハロゲン元素又は15族元
素によって触媒元素をゲッタリングする第2の工程を必
要とする。第2の工程で触媒元素の量を5×10 18at
oms/cm3以下に減らすことができるが、太陽電池
素子は非常に低価格で供給する必要があるので、この半
導体装置を太陽電池素子に用いようとする場合、触媒元
素のゲッタリングに要するコストが問題となる。
【0014】さらに、触媒元素をゲッタリングする第2
の工程の温度が700℃〜1100℃と高温であり、触
媒元素を減らすために、この高温に耐える高価な基板を
用いる必要があり、これも製品価格を更に引き上げるこ
ととなり大きな問題である。
【0015】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、結晶シリコン中に
残留する触媒元素の量を減らし、低コストで品質の良い
結晶シリコン半導体装置を製造することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、第1の発明は、基板と、前記基板上に形成され
た下地層と、前記下地層上に形成された結晶シリコン層
とを備え、前記下地層は、非晶質シリコン層を加熱処理
によって前記結晶シリコン層にするために前記非晶質シ
リコン層の中に導入した触媒元素もしくは前記非晶質シ
リコン層に接するように形成した触媒元素を含んでいる
ことを特徴とする結晶シリコン半導体装置である。
【0017】第1の発明では、触媒の下に下地層を形成
したので触媒元素が非晶質シリコン層に拡散するのみな
らず下地層にも取り込まれるため、結晶シリコン中に拡
散する触媒元素の量を減少させることができる。更に、
非晶質シリコン層の結晶化のための熱処理によって触媒
元素をゲッタリングできるので、シリコン中に残留する
触媒元素の量を5×1018atoms/cm3以下に大
幅に減少させることができる。また、下地層にリンや砒
素等のゲッター効果のある元素を導入すればこの効果は
更に大きくなる。第1の発明の構造を用いることで、結
晶質シリコン中に残留する触媒元素の量が下地層を用い
ない場合に比べて減少し、高品質な半導体素子を提供で
きる。
【0018】第2の発明は、基板上に触媒元素を含まな
い下地層を形成する工程と、前記下地層の上に触媒元素
を含む触媒層を形成する工程と、前記触媒層の上に非晶
質シリコン層を形成する工程と、前記触媒層と前記非晶
質シリコン層を加熱する加熱工程とを有すことを特徴と
する結晶シリコン半導体装置の製造方法である。
【0019】第2の発明では、基板上に順に形成された
下地層、触媒層、非晶質シリコン層に熱処理を施す工程
で、非晶質シリコンを結晶化すると同時に触媒元素を結
晶シリコンから減らすことができる。触媒元素による結
晶化を行う加熱工程で触媒元素を十分に減少させること
ができるため、従来の技術では、触媒元素を取り除くた
めに不可欠であったゲッタリング工程が不要であり、製
造コストを大幅に低下させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の形態を図面に基づ
いて詳細に説明する。図1は本発明に係る結晶シリコン
半導体装置1bの製造過程を説明する図である。図1
(a)は、熱処理前のシリコン半導体装置1aの断面
図、図1(b)は、完成した結晶シリコン半導体装置1
bの断面図を示す。図1(a)に示すように、シリコン
半導体装置1aは、石英基板2をベースとし、下地層3
として酸化錫、触媒元素4としてNi層、非晶質シリコ
ン層5aからなる。
【0021】基板2にはガラス基板、石英基板、金属基
板、フィルム基板等、結晶半導体基板等結晶化を行うた
めの300℃〜800℃の熱処理に耐えうる材料であれ
ば他のものでも良い。下地層3は、太陽電池等の縦型素
子に用いる場合には、酸化錫、酸化亜鉛、ITO等の導
電性材料を用いる必要がある。触媒元素4には、Ni,
Ge,Fe,Co,Pt,Au,Pd,Al等がある。
【0022】図1(b)に示すように結晶シリコン半導
体装置1bは、(a)と同じく、石英基板2をベースと
し、下地層3としての酸化錫、結晶シリコン層5bから
なる。熱処理によって、非晶質シリコン層5aは結晶シ
リコン層5bに変換され、触媒元素4は下地層3と、結
晶シリコン層5bに吸収され消失する。
【0023】図2は、本発明に係る結晶シリコン半導体
装置1bの製造工程のフローチャートである。始めに石
英基板2の上に下地層3として酸化錫をスパッタリング
堆積法で500nm形成する(ステップ201)。下地
層3の形成方法は、他にEB(Electron Be
am)蒸着法等、酸化錫を形成できる方法であれば他の
方法を用いても良い。
【0024】次に、下地層3の上の一部もしくは全面に
触媒元素4としてNi層をEB蒸着法で0.6nm形成
し(ステップ202)、触媒元素4の上に非晶質シリコ
ン層5aをプラズマCVD法で1μm形成する(ステッ
プ203)。
【0025】非晶質シリコン層5aの形成方法は、MB
E(Moleculor BeamEpitaxic
y)法、熱CVD法、Cat−CVD法等、非晶質シリ
コン層5aを形成できればどのような方法でも良い。図
1の(a)は、ステップ203までの工程で作製された
シリコン半導体装置1aである。
【0026】次に、600℃の窒素雰囲気中で6時間熱
処理を行い、非晶質シリコン層5aを結晶化して結晶シ
リコン層5bに変換する(ステップ204)。熱処理の
温度は、用いる触媒元素の種類や量によって異なるが3
00℃〜800℃で行う。安価なガラス基板を用いる場
合は、ガラス基板が耐えうる温度として550℃以下の
温度にする。熱処理で非晶質シリコン層5aは結晶シリ
コン層5bに変換される。
【0027】加熱処理後の結晶シリコン層中に含まれる
触媒元素の量をSIMS(Secondary Ion
Mass Spectoroscopy)分析を行っ
て測定した。比較のために,下地層を用いず石英基板上
に直接触媒元素を形成し、その上に非晶質シリコン層を
形成したものに同じ時間、同じ温度で熱処理を施した結
晶シリコン半導体装置にも、SIMS分析を行った。
【0028】その結果、下地層を用いなかった結晶シリ
コン層中には1×1020atoms/cm3の触媒元素
が含まれていたのに対し、下地層を用いた結晶シリコン
層中には1×1018atoms/cm3の触媒元素しか
含まれていなかった。また、下地層側からTi、Niの
順に触媒元素を積層させると、加熱処理後(111)配
向し、且つ、結晶シリコン層における触媒元素の量も1
×1018atoms/cm3の濃度であった。
【0029】(実施例1)本発明を太陽電池に応用した
実施例について説明する。図3は、本発明を応用した太
陽電池11b、11cの製造過程を説明する図である。
図3(a)は、熱処理前のシリコン半導体装置11aの
断面図、図3(b)は、完成した太陽電池11bの断面
図、図3(c)は、完成した太陽電池11cの断面図で
ある。
【0030】図3(a)に示すように、シリコン半導体
装置11aは、基板12、金属電極13、下地層14、
触媒元素15としてNi層、燐を含んだ非晶質シリコン
層16a、ノンドープの非晶質シリコン層17a、ボロ
ンを含んだ非晶質シリコン層18aからなる。
【0031】シリコン半導体装置11aは次のようにし
て形成される。基板には石英基板12を用い、この上に
Agの金属電極13を用い、その上に下地層14として
酸化錫を200nm形成する。下地層14には酸化錫の
ほかにITO、酸化亜鉛でも効果が認められる。この上
に触媒元素15としてNi層を0.1nm形成し、その
上に燐を含んだ非晶質シリコン層16a、ノンドープの
非晶質シリコン層17a、ボロンを含んだ非晶質シリコ
ン層18aを順に積層する。
【0032】図3(b)に示すように太陽電池11b
は、基板12、金属電極13、下地層14、結晶シリコ
ン層16b、17b、18b、透明導電膜19、電極2
0からなる。熱処理によって図3(a)の非晶質シリコ
ン層16a、17a、18aは、触媒元素15の働きで
結晶シリコン層16b、17b、18bに変換され、触
媒元素15は吸収され消失する。
【0033】太陽電池11bは次のようにして形成され
る。図3(a)のシリコン半導体装置11aに550℃
の熱処理を7時間行い、非晶質シリコン層16a、17
a、18aを結晶シリコン層16b、17b、18bに
変換する。この結晶シリコン層18bの上部全面にIT
Oからなる透明導電膜19を形成し、このITOからな
る透明導電膜19の上に取り出し電極20としてAL電
極を形成し、太陽電池11bを形成する。
【0034】このように非晶質シリコン層16a、17
a、18aを3層にすると、発電層となるノンドープの
結晶シリコン層17bに残留する触媒元素の量を更に減
少させることができる。発電層であるノンドープの結晶
シリコン層17b中に残留する触媒元素は、光によって
励起されたホールと電子を再び再結合させる再結合サイ
トとなるので、この構造によって再結合サイトを減少さ
せることができ、高い変換効率の太陽電池を低コストで
供給することができる。
【0035】尚、結晶シリコン層18b上に透明導電膜
19を形成せず、反射防止膜として酸化シリコン、窒化
シリコン、酸化窒化シリコンを形成し、コンタクトホー
ルを形成した後、取り出し電極20を形成した構造とし
ても良い。
【0036】また、非晶質シリコン層18aを形成せ
ず、非晶質シリコン層16a、17aに対して結晶化を
行い、結晶化の後にプラズマCVDで結晶シリコン層1
7bの上にボロンを含んだ結晶シリコン層または非晶質
シリコン層を形成しても、同様な効果が得られる。
【0037】結晶シリコンの導電型は、本実施例で記載
のpin(P型/ノンドープ/n型)の構成のほかにも
pn型、pnn+(BSF構造:Back Surfa
ceField)型等を採用しても良い。
【0038】図3(c)に示すように太陽電池11c
は、太陽電池11bの結晶シリコン層18bと、透明導
電膜19の間に非晶質シリコン層21を形成したもので
ある。
【0039】太陽電池11cは、次のようにして形成さ
れる。図3(b)の太陽電池11bの結晶シリコン層1
8b上に原料ガスにモノシラン(SiH4)、ドーパン
ドガスにシラボン(B26)を用いてプラズマCVD法
で非晶質シリコン層21を2nm形成する。この上部全
面にITOからなる透明導電膜19を形成し、ITOか
らなる透明導電膜19の上に取り出し電極20としてA
L電極を形成する。
【0040】結晶シリコン層18b上に非晶質シリコン
層21を形成することによって、結晶シリコン層18b
表面での表面での再結合を飛躍的に減少させるだけでな
く、結晶シリコン層16b、17b、18bに含まれる
触媒元素を含む不純物が非晶質シリコン層21に更に吸
収されるため、結晶シリコン層16b、17b、18b
の特性が大きく向上する。そのため、太陽電池11cは
太陽電池11bに比べて短絡電流が1.2倍、開放電圧
は、1.15倍となった。また、非晶質シリコン層21
に水素プラズマ処理を加えるとさらに効果的である。非
晶質シリコン層21の水素含有率は0.1パーセント以
下とする。
【0041】(実施例2)本発明を横方向の結晶化に応
用した実施例について説明する。図4は、本発明を横方
向の結晶化に応用した結晶シリコン半導体装置31bの
製造過程を説明する図である。図4(a)は、熱処理前
のシリコン半導体装置31aの断面図、図4(b)は、
完成した結晶シリコン半導体装置31bの断面図を示
す。図4(a)に示すようにシリコン半導体装置31a
は、基板32、下地層33、触媒元素34としてNi
層、非晶質シリコン層35aからなる。
【0042】シリコン半導体装置31aは、次のように
して形成される。基板に石英基板32を用い、石英基板
32上に酸化亜鉛の下地層33を形成し、その上に触媒
元素34としてNi層を幅10μm、300μmピッチ
のライン上に形成し、その後非晶質シリコン層35aを
50nm形成する。
【0043】図4(b)に示すように結晶シリコン半導
体装置31bは、図4(a)と同じく、石英基板32を
ベースとし、下地層33としての酸化錫、結晶シリコン
層35bからなる。熱処理によって、非晶質シリコン層
35aは、触媒元素34の働きで結晶シリコン層35b
に変換され、触媒元素34は、下地層33と、結晶シリ
コン層35bに拡散し吸収される。
【0044】結晶シリコン半導体装置31bは、次のよ
うにして形成される。シリコン半導体装置31aに50
0℃の窒素雰囲気中にて28時間熱処理を行う。この熱
処理によって非晶質シリコン層35aは(220)配向
を有した結晶シリコン層35bに変換される。
【0045】結晶シリコン層35bの触媒元素濃度は1
×1018atoms/cm3であり、下地層を用いない
場合と比較すると約3桁含有濃度が低下した。
【0046】尚、本発明の結晶シリコン半導体薄膜装置
は、高品質な太陽電池の下地層の他にも、その他の半導
体装置、例えば、TFT(Thin Film Tra
nsistor)用基板、SOI(Silicon O
n Insulator)基板等にも応用可能である。
本発明は高品質で低コストな半導体装置の供給に寄与す
るものである。
【0047】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の結
晶シリコン半導体装置及びその製造方法によると、下地
層を触媒層の下に設けたため、非晶質シリコン層と触媒
元素を加熱して触媒元素で非晶質シリコン層を結晶化さ
せ結晶シリコン半導体装置を製造するとき、余分な触媒
元素が下地層に吸収され結晶シリコン半導体装置が触媒
元素を吸収する濃度を十分低く抑えられるので、高品質
の結晶シリコン半導体装置を安価に提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る結晶シリコン半導体装置1bの製
造過程を説明する図
【図2】本発明に係る結晶シリコン半導体装置1bの製
造工程のフローチャート
【図3】本発明を応用した太陽電池11b、11cの製
造過程を説明する図
【図4】本発明を横方向の結晶化に応用した結晶シリコ
ン半導体装置31bの製造過程を説明する図
【符号の説明】
1a、11a、31a………シリコン半導体装置 1b、31b………結晶シリコン半導体装置 2、12、32………基板 3、14、33………下地層 4、15、34………触媒元素 5a、35a………非晶質シリコン層 5b、35b、16b、17b、18b………結晶シリ
コン層 11b、11c………太陽電池 13………金属電極 16a………燐を含んだ非晶質シリコン層 17a………ノンドープな非晶質シリコン層 18a………ボロンを含んだ非晶質シリコン層 19………透明導電膜 20………Al電極 21………非晶質シリコン層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 唯 東京都千代田区大手町一丁目6番1号 日 立電線株式会社内 Fターム(参考) 5F051 AA02 CB02 CB12 CB24 CB30 5F052 AA11 DA02 DB01 DB03 DB06 EA11 EA15 FA06 JA01 JA09

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、 前記基板上に形成された下地層と、 前記下地層上に形成された結晶シリコン層とを備え、 前記下地層は、非晶質シリコン層を加熱処理によって前
    記結晶シリコン層にするために前記非晶質シリコン層の
    中に導入した触媒元素もしくは前記非晶質シリコン層に
    接するように形成した触媒元素を含んでいることを特徴
    とする結晶シリコン半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記基板は、導電性もしくは非導電性を
    有することを特徴とする請求項1記載の結晶シリコン半
    導体装置。
  3. 【請求項3】 前記下地層は、導電性を有することを特
    徴とする請求項1記載の結晶シリコン半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記下地層は、酸化錫、酸化亜鉛、IT
    O(IndiumTin Oxyside)もしくはこ
    れらを含む化合物であることを特徴とする請求項1記載
    の結晶シリコン半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記触媒は、前記下地層と前記非晶質シ
    リコン層の間の一部もしくは全面に形成されることを特
    徴とする請求項1記載の結晶シリコン半導体装置。
  6. 【請求項6】 前記触媒は、Ni、Ge、Fe、Co、
    Pt、Au、Pd、Al、Tiの中の一種類もしくは、
    少なくとも2種類以上の混合物であることを特徴とする
    請求項1記載の結晶シリコン半導体装置。
  7. 【請求項7】 前記結晶シリコン層は、5×1018at
    oms/cm3以下の前記触媒元素を含有すること特徴
    とする請求項1記載の結晶シリコン半導体装置。
  8. 【請求項8】 前記結晶シリコン層は、2つ以上の導電
    型を有することを特徴とする請求項1記載の結晶シリコ
    ン半導体装置。
  9. 【請求項9】 前記基板と前記下地層との間に形成され
    た金属電極と、 前記結晶シリコン層の上部表面の一部もしくは全面に形
    成された導電性を有する電極層とを更に備えることを特
    徴とする請求項1から請求項8記載の結晶シリコン半導
    体装置。
  10. 【請求項10】 前記結晶シリコン層と前記電極層の間
    の一部もしくは全面に形成された透明導電膜ITOを更
    に備えることを特徴とする請求項9記載の結晶シリコン
    半導体装置。
  11. 【請求項11】 前記結晶シリコン層と前記電極層の間
    の一部もしくは全面に形成された反射防止膜を更に備え
    ることを特徴とする請求項9記載の結晶シリコン半導体
    装置。
  12. 【請求項12】 前記結晶シリコン層と前記電極層との
    間に形成された非晶質シリコン層を更に備えることを特
    徴とする請求項9または請求項10記載の結晶シリコン
    半導体装置。
  13. 【請求項13】 前記非晶質シリコン層は、0.1パー
    セントの水素を含むことを特徴とする請求項12記載の
    結晶シリコン半導体装置。
  14. 【請求項14】 基板上に触媒元素を含まない下地層を
    形成する工程と、 前記下地層の上に触媒元素を含む触媒層を形成する工程
    と、 前記触媒層の上に非晶質シリコン層を形成する工程と、 前記触媒層と前記非晶質シリコン層を加熱する加熱工程
    とを有すことを特徴とする結晶シリコン半導体装置の製
    造方法。
  15. 【請求項15】 前記加熱工程は、加熱温度を300℃
    〜800℃とすることを特徴とする請求項14記載の結
    晶シリコン半導体装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008283105A (ja) * 2007-05-14 2008-11-20 Seika Sangyo Kk 太陽電池パネルの製造方法
JP2010533384A (ja) * 2007-07-31 2010-10-21 ティージー ソーラー コーポレイション 太陽電池及びその製造方法
WO2012096364A1 (ja) * 2011-01-13 2012-07-19 学校法人 芝浦工業大学 基板上にSiおよび/またはGeの多結晶薄膜を形成する方法

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