JP2001323045A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物

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JP2001323045A
JP2001323045A JP2000140973A JP2000140973A JP2001323045A JP 2001323045 A JP2001323045 A JP 2001323045A JP 2000140973 A JP2000140973 A JP 2000140973A JP 2000140973 A JP2000140973 A JP 2000140973A JP 2001323045 A JP2001323045 A JP 2001323045A
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thermosetting resin
acrylate
resistance
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Eiju Konno
英寿 今野
Naoyuki Seike
奈緒之 清家
Hidenori Ishikawa
英宣 石川
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗装作業性に優れ、しかも優れた透明性、基
板との密着性、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、耐溶剤
性を有する硬化塗膜の作成が可能で、さらに得られた塗
膜がシール材との密着性に優れ、かつ耐スパッタ性に優
れた熱硬化性樹脂組成物及びかかる熱硬化性樹脂組成物
からなるカラーフィルター用保護膜の提供。 【解決手段】 次の成分を含有してなる熱硬化性樹脂組
成物。(A)成分:分子中に1個以上のt−アルキルオ
キシカルボニル基を有するエチレン性不飽和単量体(A
1)及び分子中に1個以上のグリシジル基を有するエチ
レン性不飽和単量体(A2)とを必須成分として重合し
てなる共重合体。(B)成分:多価カルボン酸及び/又
はその無水物る(C)成分:カップリング剤;並びにか
かる熱硬化性樹脂組成物からなるカラーフィルター保護
膜材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規にして有用なる
熱硬化性樹脂組成物に関し、さらに詳細には、液晶の表
示装置あるいは撮影素子等に用いられるカラーフィルタ
ーの保護膜に適する熱硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示パネルや固体撮影素子は、ガラ
スやシリコンの基板上に、駆動用の電気配線、スイッチ
ング素子、色分離のためのカラーフィルター、光電変換
素子などを積層して形成される。このような素子におい
ては、電気的に絶縁化したり、平坦化したり、また外的
要因による素子の物理的な破壊を防止する目的で保護膜
と呼ばれる有機塗膜層が形成される。
【0003】この保護膜に対しては、透明性、接着性、
平滑性、強靭性、耐熱性、耐光性、耐水性、耐薬品性及
び該保護膜の均一形成性等が要求される。このため、か
かる保護膜には、例えばスピンコータによる回転塗布法
を用いた場合の塗装適性等の性能が優れていること、あ
るいは該保護膜上に透明電極としてITO(酸化インジ
ウムと酸化スズからなるの薄膜)膜を高温、高真空下で
スパッタリング等により形成させることもあることか
ら、この高温、高真空条件に耐え得る、いわゆるITO
形成時において優れた耐スパッタ性を有することが要望
されている。
【0004】さらに、ITO形成後の基板は、エッチン
グや配向膜形成処理後、液晶表示パネル組み立てのため
の対基板をシール材により張り合わすため、このシール
材との密着性に優れた保護膜が要望されている。シール
材との密着性が弱いと、液晶パネルが、外力や熱・湿度
の影響により剥離等を生じ、液晶パネルに不具合を発生
することになる。
【0005】従来、該保護膜形成材料の一つとして、
(メタ)アクリル系樹脂(例えば特開昭60−2163
07号公報)、エポキシ系樹脂(例えば特開平4−97
102号公報)、ポリイミド系樹脂(例えば特開平1−
229203号公報)などが検討されてきた。これらの
樹脂のうち、(メタ)アクリル系樹脂は、接着性、耐ス
パッタ性、耐熱性などの物性のバランスに若干問題点を
有している。そこで、これらの欠点を改良するために多
くの提案がなされてきた。
【0006】例えば、前記特開昭60−216307号
公報及び特開平4−97100号公報では、エポキシ基
含有ポリマーに多価カルボン酸無水物を混合し、加熱に
より架橋、硬化膜を形成する方法が開示されている。ま
た、特公平3−8652号公報では、エポキシ基含有ポ
リマーに多価カルボン酸無水物及び/又は多価カルボン
酸と官能性シランカップリング剤を混合し、同様に加
熱、架橋せしめて硬化膜を形成させる方法が開示されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
60−216307号公報及び特開平4−97100号
公報の技術では、エポキシ基含有ポリマーと多価カルボ
ン酸無水物との相溶性や塗布性が劣っていた。また、特
公平3−8652号公報の技術では、シール材との密着
性に難があった。
【0008】このため、エポキシ系樹脂が本来有してい
る優れた特性に加え、塗装作業性に優れ、しかも光沢
性、基板との接着性、平坦性および表面平滑性にも優れ
るとともに、高温、高真空下でのITO膜形成時におい
て優れた耐スパッタ性を有し、かつシール材との密着性
に優れた硬化塗膜が容易に得られるようなエポキシ系熱
硬化性樹脂組成物の出現が望まれていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討を行った結果、分子中に1個以
上のt−アルキルオキシカルボニル基を有するエチレン
性不飽和単量体(A1)及び分子中に1個以上のグリシ
ジル基を有するエチレン性不飽和単量体(A2)とを必
須成分として重合してなる共重合体、多価カルボン酸及
び/又はその無水物、並びにカップリング剤を含有して
なる熱硬化性樹脂組成物であれば、前記要求を満たす保
護膜を形成し得ることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0010】すなわち、本発明は、次の成分を含有して
なる熱硬化性樹脂組成物を提供するものである。(A)
成分:分子中に1個以上のt−アルキルオキシカルボニ
ル基を有するエチレン性不飽和単量体(A1)及び分子
中に1個以上のグリシジル基を有するエチレン性不飽和
単量体(A2)とを必須成分として重合してなる共重合
体(B)成分:多価カルボン酸及び/又はその無水物
(C)成分:カップリング剤本発明はまた、かかる熱硬
化性樹脂組成物において、分子中に1個以上のt−アル
キルオキシカルボニル基を有するエチレン性不飽和単量
体(A1)が、t−アルキル(メタ)アクリレートであ
る熱硬化性樹脂組成物を提供するものである。本発明は
また、かかる熱硬化性樹脂組成物において、t−アルキ
ルオキシカルボニル基が、t−ブチルオキシカルボニル
基である熱硬化性樹脂組成物を提供するものである。本
発明はまた、かかる熱硬化性樹脂組成物からなるカラー
フィルター保護膜材料を提供するものである。
【0011】
【発明の実態の形態】本発明において、t−アルキルオ
キシカルボニル基としては、t−ブチルオキシカルボニ
ル基が好ましい。また、分子中に1個以上のt−アルキ
ルオキシカルボニル基を有するエチレン性不飽和単量体
(A1)としては、t−アルキル(メタ)アクリレート
が好ましく、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタ
クリレートがより好ましい。本発明においては、これら
の化合物を1種又は2種以上使用することができる。こ
のうち、シール材の密着性の観点から、t−ブチルメタ
クリレートが特に好ましい。
【0012】共重合体(A)成分中の、単量体(A1)
の含有量は、1モル%〜30モル%であることが好まし
く、より好ましくは5モル%〜25モル%であり、さら
に好ましくは10モル%〜20モル%である。該単量体
(A1)の含量が1モル%未満であると、本発明による
熱硬化性樹脂組成物のシール材密着性が十分でない場合
が生じ易くなり、本発明の用途の1つである液晶パネル
が、外力や熱・湿度の影響により剥離等を生じ易くな
る。また、該単量体(A1)の含量が30モル%を超え
ると、熱硬化性樹脂組成物が、高温処理時に膜減りが大
きくなり易く、耐熱性時の寸法安定性等に支障を生じ易
い。
【0013】分子中に1個以上のグリシジル基を有する
エチレン性不飽和単量体(A2)としては、例えば以下
のものが挙げられる。 (1)アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジ
ル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピ
ルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グ
リシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタ
クリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−
4,5−エポキシペンチル、アクリル酸−6,7−エポ
キシペンチル、メタクリル酸−6,7−エポキシペンチ
ル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシペンチル
等の(メタ)アクリル酸(エポキシ)アルキルエステ
ル;
【0014】(2)アクリル酸−3,4−エポキシシク
ロヘキシル、メタクリル酸−3,4−エポキシシクロヘ
キシル、ラクトン変性アクリル酸−3,4−エポキシシ
クロヘキシル、ラクトン変性メタクリル酸−3,4−エ
ポキシシクロヘキシル、ビニルシクロへキセンオキシド
等の脂環式エポキシ単量体;分子中に2個以上の脂環エ
ポキシ基を有する化合物と、分子中に1個の重合性不飽
和二重結合及び1個の脂環エポキシ基と反応性を有する
基を合わせ持つ化合物と、を反応せしめて得られるグリ
シジル基含有エチレン性不飽和単量体;
【0015】(3)次式で示されるグリシジル基含有エ
チレン性不飽和単量体。
【0016】
【化1】
【0017】(式中、R1は水素又は低級アルキル基で
あり、R2は低級アルキル基であり、nは1〜5の整数
である。)このうち、R1がメチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、イソブチル基、アミル基等、R2がメチ
ル基等であるアリルエステル、メタクリル酸エステル等
が好ましい。
【0018】本発明においては、これらのグリシジル基
を有するエチレン性単量体(A2)を1種又は2種以上
使用できるが、耐熱性の観点から、メタクリル酸−3,
4−エポキシシクロヘキシル等の脂環式エポキシ単量体
が特に好ましい。
【0019】共重合体(A)成分中の単量体(A2)の
含有量は、30モル%以上であることが好ましく、より
好ましくは50モル%以上であり、さらに好ましくは7
0モル%以上である。該単量体(A2)の含量が30モ
ル%未満であると、熱硬化性樹脂組成物の硬化性、耐熱
性が不十分となり易く、その結果として耐スパッタ性が
低下し易くなる。また、該単量体(A2)の含量が70
モル%以上であれば、熱硬化性樹脂組成物は、硬化性に
非常に優れ耐スパッタ性が飛躍的に向上する。
【0020】上記単量体(A1)及び(A2)は、該単
量体と共重合可能な他のエチレン性単量体(A3)と共
重合して用いることができる。他のエチレン性単量体
(A3)としては、例えば以下のものが挙げられる。 (1)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、
アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸
ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、アク
リル酸テトラデシル、アクリル酸ヘキサデシル、アクリ
ル酸ステアリル、アクリル酸オクタデシル、アクリル酸
ドゴシルなどの炭素数1〜22のアルキル基を持つアク
リル酸エステル、または上記と同様のアルキル基を有す
るメタクリル酸エステル; (2)アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボロ
ニル、アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル等の
脂環式のアルキル基を有するアクリル酸エステル、上記
と同様の脂環式のアルキル基を有するメタクリル酸エス
テル等、テトラヒドロフルフリルアルコールとε−カプ
ロラクトン付加物のアクリル酸エステルまたはメタクリ
ル酸エステル等; (3)アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロ
キシプロピル、アクリル酸グリセロールなどのヒドロキ
シアルキル基を有するアクリル酸エステル、上記と同様
のヒドロキシアルキル基を有するメタクリル酸エステ
ル、又はラクトン変性アクリル酸ヒドロキシエチル、メ
タクリル酸ヒドロキシエチル; (4)アクリル酸ベンゾイルオキシエチル、アクリル酸
ベンジル、アクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸フ
ェノキシジエチレングリコール、アクリル酸2−ヒドロ
キシ−3−フェノキシプロピル等の芳香環を有するアク
リル酸エステル、または上記と同様の芳香環を有するメ
タクリル酸エステル等; (5)アクリル酸ポリエチレングリコール、アクリル酸
ポリプロピレングリコールなどのボリアルキレングリコ
ール基を有するアクリル酸エステルまたは上記と同様の
ポリアレキレングリコール基を有するメタクリル酸エス
テル; (6)フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸
ジブチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジブチル、
フマル酸メチルエチル、フマル酸メチルブチル、イタコ
ン酸メチルエチルなどの不飽和ジカルボン酸エステル;
【0021】(7)スチレン、α−メチルスチレン、ク
ロロスチレンなどのスチレン誘導体 (8)ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、ジメチル
ブタジエンなどのジエン系化合物 (9)塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化
ビニリデンなどのハロゲン化ビニルやハロゲン化ビニリ
デン (10)メチルビニルケトン、ブチルビニルケトンなど
の不飽和ケトン (11)酢酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル (12)メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル
などのビニルエーテル (13)アクリロニトリル、メタクリロニトリル、シア
ン化ビニリデンなどのシアン化ビニル (14)アクリルアミドやそのアルキド置換アミド (15)N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシル
マレイミドなどのN−置換マレイミド (16)アクリル酸ヘプタデカプロロデシルやメタクリ
ル酸へプタデカプロロデシル等のフッ素含有(メタ)ア
クリレート (17)γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン等のシリル基含有(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。
【0022】これらエチレン性不飽和単量体(A1)お
よび(A2)と共重合可能なエチレン性単量体(A3)
は、1種又は2種以上を併用して使用することができ
る。これらは、本発明の熱硬化性樹脂組成物の塗膜物性
等の調整用として適宜、適量用いることができる。これ
らは、共重合体(A)成分中に69モル%未満含有する
ことが好ましい。
【0023】上記の単量体(A1)及び(A2)、さら
に必要に応じて(A3)で表される化合物を用いた共重
合体の共重合形態は、特に制限されず、付加重合による
ランダム共重合体、ブロック共重合体等のいずれでもよ
く、また共重合方法も溶液重合法、乳化重合法等のいず
れでもよい。
【0024】上記の方法にて得られる共重合体(A)成
分の分子量は、本発明熱硬化性樹脂組成物を基体にして
均一な塗膜として塗布することができる限り、特に限定
されず、形成する塗膜の厚さ、塗布方法等の塗膜形成の
目的や条件に応じて適宜選択することができるが、通常
ポリスチレン換算重量平均分子量が3000〜3000
0であることが好ましい。
【0025】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記共重
合体(A)とともに多価カルボン酸及び/又はその酸無
水物からなる群がら選ばれる1種以上の化合物((B)
成分)を含有する。かかる多価カルボン酸としては、例
えば以下のものが挙げられる。 (1)コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ブタンテト
ラカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸等の脂肪族多価
カルボン酸 (2)ヘキサヒドロフタル酸、1,2−シクロヘキサン
カルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン
酸、シクロペンタンテトラカルボン酸等の脂環式多価カ
ルボン酸及びフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、
トリメリット酸、ピロメリット酸、1,4,5,8−ナ
フタレンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸等を挙げることができる。
【0026】また、多価カルボン酸無水物としては、例
えば以下のものを挙げることができる。 (1)無水フタル酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、
無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリ
カルバリル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタ
ル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミッ
ク酸等の脂肪酸ジカルボン酸無水物 (2)1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水
物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪
族多価カルボン酸二無水物 (3)無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水
ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物 (4)エチレングリコールビストリメリテイト、グリセ
リントリストリメリテイト等のエステル基含有酸無水物
を挙げることができる。
【0027】また、このカルボン酸無水物としては、市
販の無色の酸無水物からなるエポキシ樹脂硬化剤も好適
に用いることができる。具体例として、アデカハードナ
ーEH−700(商品名(以下同じ)旭電化工業(株)
製)、リカシッド−HH、リカシッドMH−700(新
日本理化(株)製)、エピキニ126、エピキニYH−
306、エピキニDX−126(油化シェルエポキシ
(株)製)等を挙げることができる。
【0028】さらに、(B)成分は、1分子中に2個以
上のカルボキシル基又はその無水物を有する樹脂組成物
でもよい。例えばカルボキシル基を有するウレタン樹
脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ラクトン変性ポ
リエステル樹脂、ポリエステルアミド樹脂、アルキド樹
脂、ポリエーテル樹脂、変性ポリエーテル樹脂、ポリチ
オエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセター
ル樹脂、ポリオレフィン樹脂、エポキシ変性樹脂、シリ
コーン樹脂、又はフッ素樹脂などが挙げらる。これらの
なかでも、芳香族多価カルボン酸無水物が相溶性や作業
性の点から特に好ましい。また、上記に示した多価カル
ボン酸及びその酸無水物は、1種又は2種以上用いるこ
とができる。
【0029】(B)成分は、本発明の熱硬化性樹脂組成
物中、(A)成分100重量部に対して1〜100重量
部、特に5〜50重量部含有することが好ましい。1重
量部未満であると、本発明の熱硬化性樹脂組成物の硬化
性が不十分となり易く、強靭な塗膜を形成することがで
き難くなる。また、100重量部を越えると塗膜の基体
への接着性を低下し易くなり、また回転塗布法により均
一で平滑な塗膜を形成することが困難となる。
【0030】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、カップリ
ング剤((C)成分)を含有する。ここで、カップリン
グ剤とは、一般に無機材料と有機材料において、化学的
に両者を結び付ける、あるいは化学的反応を伴って親和
性を改善し、複合系材料の機能を高める化合物である。
代表的なカップリング剤としては、シラン系化合物、チ
タン系化合物、アルミニウム系化合物等が挙げられる。
【0031】シランカップリング剤としては、(1)γ
−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン、(2)γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、(3)γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン、(4)γ−メルカ
プトプロピルトリメトキシシラン(5)ビニルトリアセ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、(6)トリ
メトキシシリル安息香酸(7)γ−イソシアナトプロピ
ルトリエトキシシラン等やこれらシランカップリング剤
等からなるオリゴマーやポリマー類を挙げることができ
る。
【0032】チタンカップリング剤としては、例えばテ
トラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチ
タン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、テ
トラステアロキシチタン、ジ−i−プロボキシ・ビス
(アセチルアセトナト)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビ
ス(トリエタノールアミナト)チタン、ジヒドロキシ・
ビス(ラクタト)チタン、テトラキス(2−エチルヘキ
サンジオラト)チタン、トリ−n−ブトキシチタンモノ
ステアレート、イソプロピルトリイソステアロイルチタ
ネート、イソプロピルトリドデシルベンセンスルホニル
チタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホ
スフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジ
オクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビ
ス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ
(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス
(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジ
オクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネ
ート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレン
チタネート、イソプロピルトリオクタノルチタネート、
イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネー
ト、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネー
ト、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタ
ネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、
イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)
チタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネ
ート、ジイソステアロイルエチレンチタネート等が挙げ
ることができる。
【0033】また、アルミニウムカップリング剤として
は、例えばアルミニウムイソプロピレート、モノsec
−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニ
ウムsec−ブチレート、アルミニウムエチレート、エ
チルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレー
ト、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、
アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソブロピレ
ート、アルミニウムモノアセチルアセテートビス(エチ
ルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチル
アセトネート)、環状アルミニウムオキサイドイソプロ
ピレート等を挙げることができる。
【0034】中でも、種々の基体に対して特に優れた平
滑性、接着性、耐水性及び耐溶剤性を与える点で、γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン等のエポキシ基を有するシランカップリング剤が好ま
しい。これらのカップリング剤を、1種又は2種以上用
いることができる。
【0035】(C)成分の含有量は、本発明の熱硬化性
樹脂組成物中、(A)成分100重量部に対して、好ま
しくは0.1〜30重量部、より好ましくは0.5〜2
0重量部、特に好ましくは1.0〜10.0重量部であ
る。0.1重量部未満では、形成される塗膜の平滑性な
らび基体との接着性、耐水性及び耐溶剤性が不十分とな
り易く、また30重量部を越えると接着性の向上が必ず
しも十分でなく、形成される塗膜の硬化性が低下し易く
なる。
【0036】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、共重合体
((A)成分)が、グリシジル基を有する単量体(A
2)と共にt−アルキルオキシカルボニル基を有する単
量体(A1)を含有していることに特徴がある。すなわ
ち、該樹脂組成物を、基板等に塗布し、好ましくは20
0〜230℃で30分程度処理することにより、共重合
体((A)成分)中のグリシジル基と、多価カルボン酸
及び/又はその無水物とが架橋反応し、強靭な保護膜が
得られる。同時に共重合体((A)成分)中のt−アル
キルオキシカルボニル基が熱分解され、イソブテンガス
等を発生すると共に、カルボキシル基が再生する。次
に、該保護膜上に熱硬化性エポキシシール材を塗布し、
好ましくは150℃で30分程度加熱処理することによ
り、シール材中のエポキシ基と、該保護膜中に再生した
カルボキシル基とが反応し、シール材と保護膜との密着
性が飛躍的に向上する。
【0037】高温熱処理による熱分解、さらに熱硬化性
エポキシシール材との反応性を意図し、保護膜組成物中
にt−アルキルオキシカルボニル基を意図的に導入せし
めた点において、本発明の樹脂組成物は、新規かつ有用
なものである。
【0038】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上述した
(A)〜(C)を必須成分とするものであるが、必要に
応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤等の安定剤やレベリン
グ剤等の各種添加剤を、透明性を損なわない程度に添加
することができる。なお、塗膜の目的によって透明性が
求められない場合には、顔料、塗料、充填剤等を配合す
ることもできる。
【0039】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記諸成
分を均一に混合することにより得られる。これらの成分
を混合する方法としては、通常、これらの成分を適当な
溶媒に溶解、混合する溶剤混合法が好ましい。溶剤混合
に用いる溶媒としては、上記各成分を溶解し、かつこれ
らの成分と反応しないものであれば、特に限定されるも
のではない。例えば以下のものが挙げられる。 (1)アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プ
ロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチル−n
−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n
−アミルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジエチ
ルケトン、エチル−n−ブチルケトン、ジ−n−プロピ
ルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ホ
ロン等のケトン系溶媒 (2)エチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブ
チルエーテル、ジイソアミルエーテル、エチレングリコ
ールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエ
ーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエ
チレングリコール、ジオキサン、テトラヒドロフラン等
のエーテル系溶媒 (3)ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸−n−ブチル、
酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、
酢酸−n−ブチル、酢酸−n−アミル、エチレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコー
ルモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒等
を挙げることができる。
【0040】本発明の熱硬化性樹脂組成物を溶媒混合に
より調製する場合の混合順序は、特に限定されるもので
はなく、例えば全成分を同時に溶媒に溶解してもよい
し、必要に応じて各成分を別々に同一又は異種の溶媒に
溶解して2つ以上の溶液とし、これらの溶液を混合して
調整してもよい。例えば(B)成分の溶液と、残りの他
の成分の溶液の2種とを調製しておき、使用直前に所望
の比率で混合するという混合方法を用いれば、各成分の
長期にわたる貯蔵安定性を向上させることができ、また
2種の溶液の混合比率をかえるだけで、目的に応じて簡
単に塗膜性能を変化させることが可能になる。
【0041】本発明の熱硬化性樹脂組成物溶液の濃度
は、特に限定されるものではなく、使用目的に応じて適
宜選定することができるが、一般的には5〜50重量%
程度が好ましい。上記のようにして調製した本発明の樹
脂組成物の溶液を基体表面に塗布し、加熱により硬化さ
せることにより所望の塗膜を得ることができる。
【0042】本発明の熱硬化性樹脂組成物の溶液を基体
表面に塗布する方法は、特に限定されず、例えばスプレ
ー法、ロールコート法、回転塗布法など各種の方法を用
いることができる。本発明の熱硬化性樹脂組成物が回転
塗布法にも適している点は、本発明の特徴の一つである
【0043】本発明の熱硬化性樹脂組成物の熱硬化条件
は、樹脂組成物の各成分の種類、配合割合等によって適
宜選択することができるが、通常80〜250℃で15
分〜10時間程度が好ましい。シール材との密着性を向
上させる場合には、200〜230℃で30分〜60分
が好ましい。
【0044】このようにして本発明の熱硬化性樹脂組成
物から得られる塗膜は、紫外から可視の領域にわたる広
い範囲の波長域において、高い光線透過率を有し、透明
性に優れているほか、ガラス、金属、プラスチック等の
種々の材科からなる基体に対して優れた接着性を示す。
また、この塗膜は、平滑、強靭で、耐光性及び耐熱性に
優れており、特に高温・高真空下における耐スパッタ性
に優れ、さらに長期にわたる使用によっても変色などの
変質を起こすこともなく、耐水性、耐溶剤性及び耐汚染
性にも優れ、特に、熱硬化性エポキシ系シール材との密
着性に優れたものである。
【0045】これらの特徴により、本発明の熱硬化性樹
脂組成物により形成される塗膜は、カラーフィルター保
護膜材料として有用であり、特に色分離フィルターの防
染保護層、表面保護層等として極めて好適であり、色の
鮮明度や明るさに優れ、信頼性の高い色分離フィルター
を得ることができる。
【0046】
【実施例】次に実施例によって本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。なお、以下において、部及び%は特に断りの
ない限り、すべて重量基準であるものとする。
【0047】((A)成分の合成) 参考例1 窒素雰囲気下、2000m1のフラスコに、プロピレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート(以後PGM
ACと略記する)500.0部を仕込み、撹拌しながら
115℃まで昇温したのち、メタクリル酸3,4−エポ
キシシクロヘキシル(以後ECHMAと略記する)46
2.7部、ターシャリーブチルメタクリレート(以後t
−BMAと略記する)37.3部、パーブチルO(日本
油脂(株)製有機過酸化物t−ブチルパーオキシ−2−
エチルヘキサネート)25.0部の混合物を1時間かけ
て滴下した。滴下後115℃にて1時間保持した後、パ
ーブチルZ(日本油脂(株)製有機過酸化物t−ブチル
パーオキシベンゾエート)0.3部を加え、さらに同温
度で6時間反応させた。得られた樹脂溶液の不揮発分
(150℃、1時間乾燥後の残留樹脂重量%)は48.
1%、ガードナー粘度はK−Lで、ポリスチレン換算の
数平均分子量は4900あった。以後この重合体をA−
1と略記する。
【0048】参考例2 参考例1において、ECHMA462.7部とt−BM
A37.3部にかえて、ECHMA357.3部、メタ
クリル酸グリシジル(以後GMAと略記する)92.7
部及びt−BMA50.0部を用い、他は参考例1と同
様にして、不揮発分が48.3%、粘度がM−Lで、数
平均分子量が4800の樹脂溶液を得た。以後この重合
体をA−2と略記する。
【0049】参考例3 参考例1において、ECHMA462.7部、t−BM
A37.3部にかえて、ECHMA361.4、とメタ
クリル酸メチルグリシジル92.7部及びt−BMA4
5.9部を用い、他は参考例1と同様にして、不揮発分
が49.1%、粘度がJ−Kで、数平均分子量が460
0の樹脂溶液を得た。以後この重合体をA−3と略記す
る。
【0050】参考例4 参考例1において、ECHMA462.7部とt−BM
A37.3部にかえて、ECHMA466.2部、ター
シャリーブチルアクリレート(以後t−BAと略記す
る)33.8部を用い、他は参考例1と同様にして、不
揮発分が48.6%、粘度がI−Jで、数平均分子量が
4500の樹脂溶液を得た。以後この重合体をA−4と
略記する。
【0051】参考例5 参考例1において、ECHMA462.7部とt−BM
A37.3部にかえて、ECHMA423.3部、t−
BMA76.7部を用い、他は参考例1と同様にして、
不揮発分が48.8%、粘度がJ−Kで、数平均分子量
が4700の樹脂溶液を得た。以後この重合体をA−5
と略記する。
【0052】参考例6 参考例1において、ECHMA462.7部とt−BM
A37.3部にかえて、ECHMA359.7部、t−
BMA140.3部を用い、他は参考例1と同様にし
て、不揮発分が48.2%、粘度がI−Jで、数平均分
子量が4800の樹脂溶液を得た。以後この重合体をA
−6と略記する。
【0053】参考例7 参考例1において、ECHMA462.7部とt−BM
A37.3部にかえて、ECHMA500.0部を用
い、他は参考例1と同様にして、不揮発分が48.3
%、粘度がL−Mで、数平均分子量が4600の樹脂溶
液を得た。以後この重合体をA−7と略記する。
【0054】参考例8 参考例1において、ECHMA462.7部とt−BM
A37.3部にかえて、ECHMA462.7部とイソ
ブチルメタクリレート(以後i−BMAと略記する)3
7.3部を用い、他は参考例1と同様にして、不揮発分
が48.3%、粘度がI−Jで、数平均分子量が460
0の樹脂溶液を得た。以後この重合体をA−8と略記す
る。
【0055】参考例9 参考例1において、ECHMA462.7部とt−BM
A37.3部にかえて、ECHMAの462.7部とノ
ルマルプチルメタクリレート(以後n−BMAと略記す
る)37.3部を用い、他は参考例1と同様にして、不
揮発分が47.6%、粘度がK−Lで、数平均分子量が
4700の樹脂溶液を得た。以後この重合体をA−9と
略記する。
【0056】参考例10 参考例1において、ECHMA462.7部とt−BM
A37.3部にかえて、ECHMA472.2部とスチ
レン(以後Stと略記する)27,8部を用い、他は参
考例1と同様にして、不揮発分が49.1%、粘度がN
−Oで、数平均分子量が4500の樹脂溶液を得た。以
後この重合体をA−10と略記する。
【0057】参考例11 参考例1において、ECHMA462.7部とt−BM
A37.3部にかえて、ECHMA473.2部とメチ
ルメタクリレート(以後MMAと略記する)26.8部
を用い、他は参考例1と同様にして、不揮発分が49.
2%、粘度がN−Oで、数平均分子量が4800の樹脂
溶液を得た。以後この重合体をA−11と略記する。
【0058】実施例1 参考例1で得られた重合体A−l 30.0部を、ガラ
ス容器に秤取り、PGMAC27.7部とγ−グルシド
キシプロピルトリメトキシシラン0.9部を室温にて混
合撹伴し、次いで得られた溶液にジメチルジグリコール
(以下DMDGと略記する)にて20%濃度に溶解した
トリメリット酸無水物(以下TMAと略記する)溶液
8.5部を加え、均一になるまで混合、撹拌した。かく
して得られた樹脂溶液の粘度は11cpsであった。こ
れを、孔径0.2μmのフィルターでろ過した後、スピ
ンコーターを用いて、ガラス板上に回転数1000rp
mで回転塗布した。塗布後、ガラス板を100℃で2分
間予備乾燥させ、その後230℃の恒温槽中にて30分
間熱処理し、塗膜を硬化させた。得られた塗膜は表面が
極めて滑らかであり、膜厚は2.9μmであった。
【0059】以上のようにして作成した塗膜について、
以下の試験を行った。まず、上記の方法で塗布して硬化
させたガラス板の吸収スペクトルを、用いたガラス板そ
のものを基準に測定した。350nm〜800nmの全
領域において、光透過率は95%以上であった.
【0060】次に、上記塗布ガラス板上にITOスパッ
タ装置:ULUVAC SH−450(日本真空技術
(株)製)を用い、ターゲットに二酸化珪素/酸化イン
ジュウムが5/95(wt%)を使用して、温度230
℃、真空度10-5〜10-6torr.で30分間スパッ
タを行い、外観を観察した。その結果、白化やクラック
等は観察されず、耐スパッタ性が良好であることを確認
した。
【0061】次に、このガラス板に塗布し硬化させた塗
膜の接着性を調べるために、セロハンテープによる剥離
試験を行った。その結果、剥離は全く認められなかっ
た。また、このガラス板を100℃の沸騰水中に10分
問処理したのち、同様にして剥離試験を行ったが、剥離
は認められなかった。また、上記ガラス板を40℃の1
0%塩酸水溶液中に30分間処理したのちの剥離試験で
も、剥離は認められなかった。また、上記ガラス板を4
0℃の2%水酸化ナトリウム水溶液中に30分間処理し
たのちの剥離試験でも剥離は認められなかった。また、
上記ガラス板を23℃のN−メチル−2−ピロリドン中
で処理しても、剥離は認められなかった。
【0062】さらに、以下の方法で最大剥離強度を測定
した。上記ガラス板上に、シール剤としてSTRUCT
BOND XN−21−S(三井化学株式会社製)、
スペーサー材として粒子径が6ミクロンのミクロパール
SP−206(積水ファインケミカル株式会社製)を2
重量%添加し、撹拌、混合したものを0.01gのせ、
70℃で20分乾燥させた。得られたガラス基板のシー
ル剤面に、別のガラス板をのせクリップにて固定し、1
50℃で60分間硬化させて試験板を作製した。次に、
この試験板をTENSlLON UTM−1 5000
B(株式会社東洋ボールドウィン製)を用いて剥離試験
を行い、ガラス板が剥離するときの最大強度を測定し
た。その結果、最大剥離強度は3.27kg/cm2
あった。これらの試験結果を表1に示す。
【0063】実施例2 下掲する如き物質を使用するように変更した以外は、実
施例1と同様の操作を行い樹脂組成物を得た。重合体A
−2 30.0部、PGMAC30.0部、γ−グルシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン0.9部、TMA
(20%DMDG溶液)8.8部 得られた樹脂溶液の粘度は12cpsであった。次い
で、実施例1と同様にして、回転塗布法によりガラス板
上に硬化後の膜厚2.6μmの塗膜を形成させた。塗膜
の表面は非常に平滑であった。得られた塗膜について、
実施例1と同じ試験を行った結果を表1に示す。
【0064】実施例3 下掲する如き物質を使用するように変更した以外は、実
施例1と同様の操作を行い樹脂組成物を得た。重合体A
−3 30.0部、PGMAC28「9部、γ−グルシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン0.9部TMA(2
0%DMDG溶液)8.5部 得られた樹脂溶液の粘度は10cpsであった。次い
で、実施例1と同様にして、回転塗布法によりガラス板
上に硬化後の膜厚.2.8μmmの塗膜を形成させた。
塗膜の表面は非常に平滑であった。得られた塗膜につい
て、実施例1と同じ試験を行った結果を表1に示す。
【0065】実施例4 下掲する如き物質を使用するように変更した以外は、実
施例1と同様の操作を行い樹脂組成物を得た。重合体A
−4 30.0部、PGMAC28.3部、γ−グルシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン0.9部TMA(2
0%DMDG溶液)8.9部 得られた樹脂溶液の粘度は10cpsであった.次い
で、実施例1と同様にして、回転塗布法によりガラス板
上に硬化後の膜厚2.7μmの塗膜を形成させた。塗膜
の表面は非常に平滑であった。得られた塗膜について、
実施例1と同じ試験を行った結果を表1に示す。
【0066】実施例5 下掲する如き物質を使用するように変更した以外は、実
施例1と同様の操作を行い樹脂組成物を得た。重合体A
−5 30.0部、PGMAC28.6部、γ−グルシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン0.9部TMA(2
0%DMDG溶液)7.3部 得られた樹脂溶液の粘度は12cpsであった。次い
で、実施例1と同様にして、回転塗布法によりガラス板
上に硬化後の膜厚2.6μmの塗膜を形成させた。塗膜
の表面は非常に平滑であった。得られた塗膜について、
実施例1と同じ試験を行った結果を表1に示す。
【0067】実施例6 下掲する如き物質を使用するように変更した以外は、実
施例1と同様の操作を行い樹脂組成物を得た。重合体A
−6 30.0部、PGMAC28.0部、γ−グルシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン0.9部TMA(2
0%DMDG溶液)9.0部 得られた樹脂溶液の粘度は12cpsであった。次い
で、実施例1と同様にして、回転塗布法によりガラス板
上に硬化後の膜厚2.5μmの塗膜を形成させた。塗膜
の表面は非常に平滑であった。得られた塗膜について、
実施例1と同じ試験を行った結果を表1に示す。
【0068】比較例1 下掲する如き物質を使用するように変更した以外は、実
施例1と同様の操作を行い樹脂組成物を得た。重合体A
−7 30.0部、PGMAC27.8部、γ−グルシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン0.9部TMA(2
0%DMDG溶液)8.5部 得られた樹脂溶液の粘度は12cpsであった。次い
で、実施例1と同様にして、回転塗布法によりガラス板
上に硬化後の膜厚2.6μmの塗膜を形成させた。塗膜
の表面は非常に平滑であった。得られた塗膜について、
実施例1と同じ試験を行った結果を表1に示す。
【0069】比較例2 下掲する如き物質を使用するように変更した以外は、実
施例1と同様の操作を行い樹脂組成物を得た。重合体A
−7 30.0部、PGMAC28.0部、γ−グルシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン0.9部TMA〈2
0j%DMDG溶液)8.5部 得られた樹脂溶液の粘度は12cpsであった。次い
で、実施例1と同様にして、回転塗布法によりガラス板
上に硬化後の膜厚2.6μmの塗膜を形成させた。塗膜
の表面は非常に平滑であった。得られた塗膜について、
実施例1と同じ試験を行った結果を表一1に示す。
【0070】比較例3 下掲する如き物質を使用するように変更した以外は、実
施例1と同様の操作を行い樹脂組成物を得た。重合体A
−7 30.0部、PGMAC27.1部、γ−グルシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン0.9部TMA(2
0%DMDG溶液)8.3部 得られた樹脂溶液の粘度は11cpsであった。次い
で、実施例1と同様にして、回転塗布法によりガラス板
上に硬化後の膜厚2.8μmの塗膜を形成させた。塗膜
の表面は非常に平滑であった。得られた塗膜について、
実施例1と同じ試験を行った結果を表1に示す。
【0071】比較例4 下掲する如き物質を使用するように変更した以外は、実
施例1と同様の操作を行い樹脂組成物を得た。重合体A
−7 30.0部、PGMAC28.9部、γ−グルシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン0.9部TMA(2
0%DMDG溶液)8.6部 得られた樹脂溶液の粘度は12cpsであった。次い
で、実施例1と同様にして、回転塗布法によりカラス板
上に硬化後の膜厚2.7μmの塗膜を形成させた。塗膜
の表面は非常に平滑であった。得られた塗膜について、
実施例1と同じ試験を行った結果を表1に示す。
【0072】比較例5 下掲する如き物質を使用するように変更した以外は、実
施例1と同様の操作を行い樹脂組成物を得た。重合体A
−7 30.0部、PGMAC29.0部、γ−グルシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン0.9部TMA(2
0%DMDG溶液)9.2部 得られた樹脂溶液の粘度は12cpsであった。次い
で、実施例1と同様にして、回転塗布法によりガラス板
上に硬化後の膜厚2.6μmの塗膜を形成させた。塗膜
の表面は非常に平滑であった。得られた塗膜について、
実施例1と同じ試験を行った結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】実施例1〜6においては、塗布性、光線透
過率、耐スパッタ性、シール材密着性、密着性のいずれ
もが優れていた。これに対し、比較例1〜5は、シール
材密着性が劣っていた。
【0075】
【発明の効果】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、従来の
アクリルエステル基含有重合体に比して、優れたシール
材密着性を有しており、しかも塗布性、透明性、耐スパ
ッタ性、密着性、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、耐溶
剤性及び高温・高真空時下における耐スパッタ性を有す
る硬化塗膜の作成が可能である。特に液晶表示パネルに
用いられるカラーフィルター保護膜を容易に形成できる
熱硬化性樹脂組成物を提供できる。かかる効果は、分子
中に1個以上のt−アルキルオキシカルボニル基を有す
るエチレン性不飽和単量体が、t−アルキル(メタ)ア
クリレートである場合、t−アルキルオキシカルボニル
基がt−ブチルオキシカルボニル基である場合により顕
著である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H048 BB37 BB42 2H091 FA02X FA02Y FA02Z FB03 FC01 GA16 LA01 LA12 LA30 4J036 AK11 DA04 DB15 DB17 FA13 FA14 GA28 JA01 JA09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の成分を含有してなる熱硬化性樹脂組
    成物。 (A)成分:分子中に1個以上のt−アルキルオキシカ
    ルボニル基を有するエチレン性不飽和単量体(A1)及
    び分子中に1個以上のグリシジル基を有するエチレン性
    不飽和単量体(A2)とを必須成分として重合してなる
    共重合体 (B)成分:多価カルボン酸及び/又はその無水物 (C)成分:カップリング剤
  2. 【請求項2】 分子中に1個以上のt−アルキルオキシ
    カルボニル基を有するエチレン性不飽和単量体(A1)
    が、t−アルキル(メタ)アクリレートである請求項1
    記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 t−アルキルオキシカルボニル基が、t
    −ブチルオキシカルボニル基である請求項1又は2記載
    の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載の熱硬
    化性樹脂組成物からなるカラーフィルター保護膜材料。
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