JP3369414B2 - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物

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JP3369414B2 JP28384396A JP28384396A JP3369414B2 JP 3369414 B2 JP3369414 B2 JP 3369414B2 JP 28384396 A JP28384396 A JP 28384396A JP 28384396 A JP28384396 A JP 28384396A JP 3369414 B2 JP3369414 B2 JP 3369414B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規にして有用なる
熱硬化性樹脂組成物に関し、さらに詳細には、液晶の表
示装置あるいは撮影素子に用いられるカラーフィルター
の保護膜に適する熱硬化樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子や固体撮影素子は、ガラス
やシリコンの基板上に駆動用の電気配線、スイッチング
素子、色分離のためのカラーフィルター、光電変換素子
などを積層して形成される。このような素子において
は、電気的に絶縁化したり、平坦化したり、また外的要
因による素子の物理的な破壊を防止する目的で保護膜と
呼ばれる有機塗膜層が形成される。
【0003】この保護膜に対しては、透明性、接着性、
平滑性、強靱性、耐熱性、耐光性、耐水性、耐薬品性お
よび該保護膜を均一に形成させるため、例えばスピンコ
ータによる回転塗布法を用いた場合の塗装適性等の性能
が要求されている。さらに該保護膜上に透明電極として
酸化インジウムと酸化スズとからなる薄膜(ITO)を
高温、高真空下でスパッタリング等により形成させるこ
ともあり、この高温、高真空下に耐え得る、いわゆるI
TO形成時において優れた耐スパッタ性を有する保護膜
が要望されている。
【0004】従来、該保護膜形成材料の一つとして(メ
タ)アクリル系樹脂(例えば特開昭60−216307
号公報)、エポキシ系樹脂(例えば特開平4−9710
2号公報、特公平3−8652号公報)、ポリイミド系
樹脂(例えば特開平1−229203号公報)などが検
討されてきた。これらの樹脂のうち(メタ)アクリル系
樹脂は、接着性、耐スパッタ−性、耐熱性などの物性の
バランスをとることに若干問題点を有している。これら
の欠点を改良するために多くの提案がなされてきた。
【0005】例えば、前記特開昭60−216307号
公報および特開平4−97102号公報ではエポキシ基
含有ポリマーに多価カルボン酸無水物を混合し、加熱に
より架橋、硬化膜を形成する方法が開示されているが、
エポキシ基含有ポリマーと多価カルボン酸無水物との相
溶性や塗布性が劣っていた。また、特公平3−8652
号公報ではエポキシ基含有ポリマーに多価カルボン酸無
水物および/または多価カルボン酸と官能性シランカッ
プリング剤を混合し同様に加熱、架橋せしめて硬化膜を
形成させる方法も開示されているが、配合後の貯蔵安定
性に難があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、エポキシ系
樹脂が本来有している優れた特性に加え、貯蔵安定性と
塗装作業性に優れ、しかも光沢性、基板との接着性、平
坦性および表面平滑性にも優れるとともに、高温、高真
空下でのITO膜形成時においた優れた耐スパッタ性を
有する硬化塗膜が容易に得られるようなエポキシ系熱硬
化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討を行った結果、特定のエポキシ
基を有する化合物を重合成分とする重合体からなる熱硬
化性樹脂組成物を用いることにより、前記保護膜の要求
性能を満たすことを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】すなわち、本発明は、分子中に1個の重合
性不飽和二重結合と1個以上の脂環式エポキシ基とを有
する単量体(I)と、該単量体(I)と共重合可能な他
の重合性単量体とを、重合成分として共重合して得られ
る重合体(A)と、多価カルボン酸およびその無水物か
らなる群から選ばれる1種以上の化合物(B)と、カッ
プリング剤(C)とを含有することを特徴とする、熱硬
化性樹脂組成物である。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【発明の実施の形態】ここで、本発明に用いられる分子
中に1個の重合性不飽和二重結合と1個以上の脂環式エ
ポキシ基とを有する単量体(I)として、代表的なもの
を例記するに止めれば、アクリル酸3,4−エポキシシ
クヘキシル、メタクリル酸3,4−エポキシシクヘキシ
ル、ラクトン変性アクリル酸3,4−エポキシシクヘキ
シル、ラクトン変性メタクリル酸3,4−エポキシシク
ヘキシル、ビニルシクロヘキセンオキシド等が挙げられ
る。これらの単量体はそれぞれ単独でも2つ以上の化合
物の混合でも使用できる。
【0017】さらに、分子中に2個以上の脂環エポキシ
基を有する化合物と、分子中に1個の重合性不飽和二重
合結合と1個の脂環エポキシ基と反応性を有する基とを
合わせ持つ化合物とを反応せしめて得られる、分子中に
1個の重合性不飽和二重結合と1個以上の脂環式エポキ
シ基とを有する化合物も用いることができる。
【0018】分子中に2個以上の脂環エポキシ基を有す
る化合物として特に代表的なものを例記するに止めれ
ば、2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−5,1−
スピロ(3,4−エポキシシクロヘキシル−m−ジオキ
サン)、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘ
キシル)アジペート、3,4−エポキシシクロヘキシル
メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレ
ート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメ
チル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレー
ト、4−ビニルシシクロヘキセンジオキシド、1−
(1’−メチル−1,2−エポキシエチル)−3,4−
3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンなどのシ
クロヘキセンオキサイド基を有する脂環族エポキシ化合
物;
【0019】ジ(7,8−エポキシトリシクロ[4.3.
2,5.0]デカ−3−イル)エーテル、エチレングリコ
ールジ(7,8−エポキシトリシクロ[4,3,12,5.
0]デカ−3−イル)エーテル、(7,8−エポキシト
リシクロ[4,3,12,5.0]デカ−3−イル)−2’,
3’−エポキシプロピルエーテルなどのトリシクロデセ
ンオキサイド基を有する脂環族エポキシ化合物などが挙
げられる。
【0020】また、分子中に1個の重合性不飽和二重合
結合と1個の脂環エポキシ基と反応性を有する基とを合
わせ持つ化合物として代表的なものを例記するに止めれ
ば、アクリル酸、メタクリル酸、エチレンオキサイド変
性こはく酸アクリレート、エチレンオキサイド変性こは
く酸メタクリレートなどのカルボキシル基含有化合物、
β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート、β−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、β−ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリセロ
ールアクリレート、グリセロールメタクリレート、エピ
クロルヒドリン変性ブチルアクリレート、エピクロルヒ
ドリン変性ブチルメタクリレート、ポリプロピレングリ
コール変性アクリレート、ポリプロピレングリコール変
性メタクリレート、ポリエチレングリコール変性アクリ
レート、ポリエチレングリコール変性メタクリレートな
どの水酸基含有化合物などが挙げられる。
【0021】また、重合体(A)の重合に用いる重合成
分中にしめる単量体(I)の含量は、30重量%以上で
あることが好ましく、より好ましくは50重量%以上で
あり、さらに好ましくは70重量%以上である。
【0022】重合成分中にしめる該単量体(I)の含量
が30重量%未満であると、本発明による熱硬化性樹脂
組成物の硬化性が劣り、耐熱性が不十分となり、その結
果として耐スパッター性が低下し、所定の目的を達成す
ることができない。また該単量体(I)の含量が70重
量%以上である熱硬化樹脂組成物は、硬化性に非常に優
れ耐スパッター性が飛躍的に向上する。
【0023】本発明で用いる重合体(A)は、単量体
(I)と、該単量体(I)と共重合可能な他の重合性単
量体とを、重合成分として共重合することにより得るこ
とができる。他の重合性単量体として代表的なものを例
記するに止めれば、(1)アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オ
クチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリ
ル酸ドデシル、アクリル酸テトラデシル、アクリル酸ヘ
キサデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸オクタ
デシル、アクリル酸ドコシルなどの炭素数1〜22のア
ルキル基を持つアクリル酸エステル、または上記と同様
のアルキル基を有するメタクリル酸エステル(2)アク
リル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボロニル、アク
リル酸ジシクロペンテニルオキシエチル等の脂環式のア
ルキル基を有するアクリル酸エステル、または上記と同
様の脂環式のアルキル基を有するメタクリル酸エステル
等や、テトラヒドロフルフリルアルコールとε−カプロ
ラクトン付加物のアクリル酸エステルまたはメタクリル
酸エステル等
【0024】(3)アクリル酸ヒドロキエチル、アクリ
ル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸グリセロールなど
のヒドロキシアルキル基を有するアクリル酸エステルま
たは上記と同様のヒドロキシアルキル基を有するメタク
リル酸エステルやラクトン変性アクリル酸ヒドロキシエ
チルまたはメタクリル酸レートヒドロキシエチル (4)アクリル酸ベンゾイルオキシエチル、アクリル酸
ベンジル、アクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸フ
ェノキシジエチレングリコール、アクリル酸2−ヒドロ
キシ−3−フェノキシプロピル等の芳香環を有するアク
リル酸エステル、または上記と同様の芳香環を有するメ
タクリル酸エステル等
【0025】(5)アクリル酸ポリエチレングリコー
ル、アクリル酸ポリプロピレングリコールなどのポリア
ルキレングリコール基を有するアクリル酸エステルまた
は上記と同様のポリアレキレングリコール基を有するメ
タクリル酸エステル (6)アクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グ
リシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α
−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,
4−エポキシブチル、アクリル酸−4,5−エポキシペ
ンチル、アクリル酸−6,7−エポキシペンチル、アク
リル酸−6,7−エポキシペンチル、α−エチルアクリ
ル酸−6,7−エポキシペンチルなどのグリシジル基を
有するアクリル酸エステルまたは上記と同様のグリシジ
ル基を有するメタクリル酸エステル
【0026】(7)フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチ
ル、フマル酸ジブチル、イタコン酸ジメチル、イタコン
酸ジブチル、フマル酸メチルエチル、フマル酸メチルブ
チル、イタコン酸メチルエチルなどの不飽和ジカルボン
酸エステル (8)スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン
などのスチレン誘導体 (9)ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、ジメチル
ブタジエンなどのジエン系化合物 (10)塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ
化ビニリデンなどのハロゲン化ビニルやハロゲン化ビニ
リデン (11)メチルビニルケトン、ブチルビニルケトンなど
の不飽和ケトン (12)酢酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル (13)メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル
などのビニルエーテル (14)アクリロニトリル、メタクリロニトリル、シア
ン化ビニリデンなどのシアン化ビニル (15)アクリルアミドやそのアルキド置換アミド (16)N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシル
マレイミドなどのN−置換マレイミドなどが挙げられ
る。
【0027】これら単量体(I)と共重合可能な他の重
合性単量体は、それぞれ単独でも2つ以上の単量体を併
用して使用することができるが、この中でも、下記一般
式で表される単量体(II)を、重合成分として単量体
(I)と共に用いることが、種々の基体への接着性や本
発明の熱硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性が向上すること
から好ましい。
【0028】
【化3】
【0029】(式中、Rは水素又はメチル基であり、
は低級アルキル基であり、nは1〜5の整数であ
る。)
【0030】単量体(II)として、代表的なものを例記
するに止めれば、Rの低級アルキル基がメチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ア
ミル等で、Rが水素またはメチル基であるアルリル酸
エステルまたはメタクリル酸エステル等が挙げられる。
これらの化合物はそれぞれ単独でも2つ以上の化合物の
混合でも使用できるが、Rがメチル基であるアクリル
酸メチルグリシジルまたはメタクリル酸メチルグリシジ
ルが好ましい。
【0031】上記の単量体(I)と共重合可能な重合性
単量体の重合成分中に占める含量は、70重量%を越え
ない範囲であることが望ましい。この含量が70重量を
越えると、本発明による熱硬化性樹脂組成物の硬化性が
低下し、さらには基体に対する接着性が低下するととも
に耐スパッター性も低下する。
【0032】上記の単量体(I)を重合成分として用い
た重合体(A)の共重合形態は、特に制限されず、付加
重合によるランダム共重合体、ブロック共重合体等のい
ずれでもよく、また共重合方法も溶液重合法、乳化重合
法等のいずれでもよい。
【0033】上記の方法にて得られる重合体(A)の分
子量は、本発明熱硬化性樹脂組成物を基体に均一な塗膜
として塗布することができる限り特に限定されないが、
通常ポリスチレン換算重量平均分子量が3000〜30
000であり、形成する塗膜の厚さ、塗布方法等の塗膜
形成の目的や条件に応じて適宜選択することができる。
【0034】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記重合
体(A)とともに多価カルボン酸およびその酸無水物か
らなる群から選ばれる1種以上の化合物(B)を含有す
る。
【0035】本発明に用いられる多価カルボン酸の代表
的なものを例記すれば、 (1)コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ブタンテト
ラカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸等の脂肪族多価
カルボン酸 (2)ヘキサヒドロフタル酸、1,2−シクロヘキサン
カルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン
酸、シクロペンタンテトラカルボン酸等の脂環式多価カ
ルボン酸およびフタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,4,5,8−
ナフタレンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸等を挙げることができる。
【0036】また、多価カルボン酸無水物の代表的なも
のを例記すれば、 (1)無水フタル酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、
無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリ
カルバリル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタ
ル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミッ
ク酸等の脂肪酸ジカルボン酸無水物 (2)1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水
物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪
族多価カルボン酸二無水物 (3)無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水
ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物 (4)エチレングリコールビストリメリテイト、グリセ
リントリストリメテイト等のエステル基含有酸無水物等
を挙げることができる。
【0037】また、このカルボン酸無水物としては、市
販の無色の酸無水物からなるエポキシ樹脂硬化剤も好適
に用いることができる。具体例としては、アデカハード
ナーEH−700[商品名(以下同じ)旭電化工業
(株)製]、リカシッド−HH、同MH−700[新日本
理化(株)製]、エピキニ126、同YH−306、同
DX−126[油化シェルエポキシ(株)製]等を挙げ
ることができる。
【0038】さらに、多価カルボン酸およびその酸無水
物からなる群から選ばれる1種以上の化合物として、分
子中に2個以上のカルボキシル基またはその無水物を有
する樹脂でもよく、それ自体が公知であるようなものも
使用できる。それらのうちでも特に代表的なものを例示
すれば、例えばカルボキシル基を有する、ウレタン樹
脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ラクトン変性ポ
リエステル樹脂、ポリエステルアミド樹脂、アルキド樹
脂、ポリエーテル樹脂、変性ポリエーテル樹脂、ポリチ
オエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセター
ル樹脂、ポリオレフィン樹脂、エポキシ変性樹脂、シリ
コーン樹脂、またはフッ素樹脂などを挙げることができ
る。
【0039】これらのなかでも、芳香族多価カルボン酸
無水物が相溶性や作業性の点から特に好ましい。また、
上記に示した多価カルボン酸および多価カルボン酸無水
物は、1種単独でも2種以上の組み合わせで用いること
ができる。
【0040】本発明の熱硬化性樹脂組成物における化合
物(B)成分の配合量は、(A)成分である重合体10
0重量部当たり1〜100重量部の範囲であり、好まし
くは5〜50重量部である。(B)成分の配合量が1重
量部未満であると、本発明の熱硬化性樹脂組成物の硬化
性が不十分となって強靱な塗膜を形成することができ
ず、また、100重量部を越えると塗膜の基体への接着
性を低下する上に、回転塗布法により均一で平滑な塗膜
を形成することが困難となる。
【0041】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、カップリ
ング剤(C)を含有する。ここで、カップリング剤と
は、無機材料と有機材料において、化学的に両者を結び
付ける、あるいは化学的反応を伴って親和性を改善し、
複合系材料の機能を高める化合物と定義するが、代表的
なカップリング剤としては、シラン系化合物、チタン系
化合物、アルミニウム系化合物が挙げられる。それらの
うちでも代表的なものを例記するに止めれば、
【0042】シランカップリング剤としては(1)γ−
(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジ
メトキシシラン、(2)γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、(3)γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)エチルトリメトキシシラン、(4)γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン (5)ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキ
シシラン、(6)トリメトキシシリル安息香酸 (7)γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン等
やこれらシランカップリング剤等からなるオリゴマーや
ポリマー類を挙げることができる。
【0043】チタンカップリング剤としては、テトラ−
i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、
テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、テトラス
テアロキシチタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチ
ルアセトナト)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(トリ
エタノールアミナト)チタン、ジヒドロキシ・ビス(ラ
クタト)チタン、テトラキス(2−エチルヘキサンジオ
ラト)チタン、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレ
ート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、
イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネー
ト、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェー
ト)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチル
ホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジト
リデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−
ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデ
シル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイ
ロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス
(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネー
ト、イソプロピルトリオクタノルチタネート、イソプロ
ピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプ
ロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプ
ロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イ
ソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピ
ルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネー
ト、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジ
イソステアロイルエチレンチタネート等が挙げることが
できる。
【0044】また、アルミニウムカップリング剤として
は、アルミニウムイソプロピレート、モノsec−ブト
キシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムs
ec−ブチレート、アルミニウムエチレート、エチルア
セトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アル
ミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキル
アセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、ア
ルミニウムモノアセチルアセテートビス(エチルアセト
アセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネ
ート)、環状アルミニウムオキサイドイソプロピレート
等を挙げることができる。
【0045】中でも、種々の基体に対して特に優れた平
滑性、接着性、耐水性および耐溶剤性を与える点で、γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン等のエポキシ基を有するシランカップリング剤
が好ましい。これらのカップリング剤は、1種単独でも
2種以上の組み合わせで使用することができる。
【0046】本発明の樹脂組成物における、(C)成分
としてのカップリング剤の配合量は、(A)成分である
重合体100重量部当たり0.1〜30重量部の範囲で
あり、好ましくは0.5〜20重量部である。カップリ
ング剤である(C)成分の配合量が0.1重量部未満で
は、形成される塗膜の平滑性ならび基体との接着性、耐
水性および耐溶剤性が不十分であり、また30重量部を
越えると接着性の向上はもはや望めないばかりでなく、
形成される塗膜の硬化性が低下するため好ましくない。
【0047】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、重合体
(A)の重合成分として単量体(I)を用いることによ
り、アクリル酸グリシジルエステルやメタアクリル酸グ
リシジルエステル系単量体を用いた重合体と比して、得
られた硬化塗膜の耐熱性に優れ、耐スパッター性が向上
するとともに、さらに単量体(II)を重合体(A)の重
合成分として用いることにより、各種基体に対する付着
性や硬化剤である多価カルボン酸および/またはその無
水物(B)およびカップリング剤(C)を配合した後の
貯蔵安定性に優れることに特徴を有している。
【0048】また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上
述した(A)及び(B)、又は(A)、(B)及び
(C)を必須成分とするものであるが、必要に応じて酸
化化防止剤、紫外線吸収剤等の安定剤やレベリング剤等
を透明性を損なわない程度に各種の添加剤を添加するこ
とができる。なお、塗膜の目的によって透明性が求めら
れない場合には、顔料、塗料、充填剤等を配合すること
もできる。
【0049】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記諸成
分を均一に混合することにより得られる。これらの成分
を混合する方法としては、通常、これらの成分を適当な
溶媒に溶解、混合する溶剤混合法が好ましい。溶剤混合
に用いる溶媒としては、上記各成分を溶解し、かつこれ
らの成分と反応しないものであれば、特に限定されるも
のではなく、種々の溶媒を使用することができ、代表的
なものを例記するに止めれば、
【0050】(1)アセトン、メチルエチルケトン、メ
チル−n−プロピルケトン、メチルイソプロピルケト
ン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、メチル−n−アミルケトン、メチル−n−ヘキシル
ケトン、ジエチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、
ジ−n−プロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノン、ホロン等のケトン系溶媒 (2)エチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブ
チルエーテル、ジイソアミルエーテル、エチレングリコ
ールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエ
ーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエ
チレングリコール、ジオキサン、テトラヒドロフラン等
のエーテル系溶媒 (3)ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸−n−ブチル、
酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、
酢酸−nーブチル、酢酸−n−アミル、エチレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコー
ルモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒を
挙げることができる。
【0051】本発明の熱硬化性樹脂組成物を溶媒混合に
より調製する場合の混合順序は特に限定するものではな
く、例えば全成分を同時に溶媒に溶解して本発明組成物
の溶液を調整してもよいし、必要に応じて各成分を別々
に同一または異種の溶媒に溶解して2つ以上の溶液と
し、これらの溶液を混合して本発明熱硬化性組成物の溶
液を調整してもよい。
【0052】例えば(B)成分の溶液と、残りの他の成
分の溶液の2種とを調製しておき、使用直前に所望の比
率で混合することによって、各成分の長期にわたる貯蔵
安定性を向上させたり、2種の溶液の混合比率をかえる
だけで、目的に応じ簡単に塗膜性能を変化させることが
可能になる。
【0053】本発明の熱硬化性樹脂組成物溶液の濃度
は、特に限定されるものではなく、使用目的に応じて適
宜選定することができるが、一般的には5〜50重量%
程度を使用する。
【0054】上記のようにして調製した本発明の樹脂組
成物の溶液を基体表面に塗布し、加熱により硬化させる
ことにより所望の塗膜を得ることができる。
【0055】本発明の熱硬化性樹脂組成物の溶液を基体
表面に塗布する方法は特に限定されず、例えばスプレー
法、ロールコート法、回転塗布法など各種の方法を用い
ることができ、本発明の熱硬化性樹脂組成物が回転塗布
法にも適している点は本発明の特徴の一つである
【0056】本発明の熱硬化性樹脂組成物の熱硬化条件
は、樹脂組成物の各成分の種類、配合割合等によって適
宜選択されるが、通常80〜250℃で15分〜10時
間程度である。
【0057】本発明の熱硬化性樹脂組成物は貯蔵安定性
に優れ、かつ該熱硬化性組成物から得られる塗膜は、紫
外から可視の領域にわたる広い範囲の波長域において高
い光線透過率を有して透明性に優れているほか、種々の
基体に対して優れた接着性を示す。基体としては、ガラ
ス、金属、プラスチック等が挙げられる。
【0058】またこの塗膜は平滑、強靱で、耐光性およ
び耐熱性に優れており、特に高温・高真空下における耐
スパッター性に優れ、さらに長期にわたる使用によって
も変色などの変質を起こすこともなく、耐水性、耐溶剤
性および耐汚染性にも優れたもので、かつ硬度の高いも
のである。
【0059】これらの特徴により、本発明の熱硬化性樹
脂組成物により形成される塗膜は、各種物品の基体表面
の保護塗膜として有用であるのみならず、色分離フィル
ターの防染保護層、表面保護層等として極めて好適であ
り、色の鮮明度や明るさに優れ、信頼性の高い色分離フ
ィルターを得ることができる。
【0060】
【実施例】次に実施例によって本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。なお、以下において、部および%は特に断り
のない限り、すべて重量基準であるものとする。
【0061】<重合体(A)の合成> 合成例−1 窒素雰囲気下、2000mlのフラスコにプロピレング
リコールモノメチルエーテルアセテート(以後PGMA
Cと略記する)の500.0部を仕込み、攪拌しながら
115℃まで昇温したのち、メタクリル酸3,4−エポ
キシシクロヘキシル(以後ECHMAと略記する)50
0.0部とパーブチルO[日本油脂(株)製 有機過酸
化物 t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネー
ト]の25.0部との混合物を1時間かけて滴下した。滴
下後115℃にて1時間保持した後、パーブチルZ[日
本油脂(株)製 有機過酸化物 t−ブチルパーオキシ
ベンゾエート]の0.3部を加え、さらに同温度で6時間
反応させた。得られた樹脂溶液の不揮発分(150℃、
1時間乾燥後の残留樹脂重量%)は49.5%、ガード
ナー粘度はL−Mでポリスチレン換算の数平均分子量は
4800であった。以後この重合体をA−1と略記す
る。
【0062】合成例−2 合成例−1においてECHMAの500.0部にかえ
て、ECHMAの400.0部とメタクリル酸メチルグ
リシジル(以後M−GMAと略記する)の100.0部
を用いた以外は合成例−1と同様にして、不揮発分が4
9.7%、粘度がLで数平均分子量が4600の樹脂溶
液を得た。以後この重合体をA−2と略記する。
【0063】合成例−3 合成例−1においてECHMAの500.0部にかえ
て、ECHMAの250.0部とM−GMAの250.0
部を用い、他は合成例−1と同様にして、不揮発分が4
9.7%、粘度がJで数平均分子量が4500の樹脂溶
液を得た。以後この重合体をA−3と略記する。
【0064】合成例−4 合成例−1においてECHMAの500.0部にかえ
て、ECHMAの250.0部とM−GMAの250.0
部を用い、さらにパーブチルOの25.0部を10.0部
に変更した以外は合成例−1と同様にして、不揮発分が
50.5%、粘度がV−Wで数平均分子量が12000
の樹脂溶液を得た。以後この重合体をA−4と略記す
る。
【0065】合成例−5 合成例−1においてECHMAの500.0部にかえ
て、ECHMAの100.0部とM−GMAの400.0
部を用いた以外は合成例−1と同様にして、不揮発分が
49.7%、粘度がK−Lで数平均分子量が4600の
樹脂溶液を得た。以後この重合体をA−5と略記する。
【0066】合成例−6 合成例−1においてECHMAの500.0部にかえ
て、ECHMAの400.0部とM−GMAの50.0部
およびメタクリル酸ステアリルの50.0部を用いた以
外は合成例−1と同様にして、不揮発分が49.4%、
粘度がI−Jで数平均分子量が4700の樹脂溶液を得
た。以後この重合体をA−6と略記する。
【0067】合成例−7 合成例−1においてECHMAの500.0部にかえ
て、アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルの25
0.0部とM−GMAの250.0部を用いた以外は合成
例−1と同様にして、不揮発分が49.9%、粘度がE
−Fで数平均分子量が4600の樹脂溶液を得た。以後
この重合体をA−7と略記する。
【0068】合成例−8 合成例−1においてECHMAの500.0部にかえ
て、メタクリル酸グリシジルの500.0部を用いた以
外は合成例−1と同様にして、不揮発分が49.9%、
粘度がL−Mで数平均分子量が4400の樹脂溶液を得
た。以後この重合体をA−8と略記する。
【0069】合成例−9 合成例−1においてECHMAの500.0部にかえ
て、メタクリル酸グリシジルの250.0部とM−GM
Aの250.0部を用いた以外は合成例−1と同様にし
て、不揮発分が49.8%、粘度がH−Iで数平均分子
量が4600の樹脂溶液を得た。以後この重合体をA−
9と略記する。
【0070】実施例−1 合成例−1で得られた重合体A−1の30.0部をガラ
ス容器に秤取り、PGMACの29.4部とγ−グルシ
ドキシプロピルトリメトキシシランの0.9部を室温に
て混合攪拌し、次いで得られた溶液にジメチルジグリコ
ール(以下DMDGと略記する)にて20%に溶解させ
たトリメリット酸無水物溶液の8.4部を加え、均一に
なるまで混合させた。かくして得られた樹脂溶液の粘度
は11cps.であった。このものを、孔径0.2μmの
フィルターでろ過した後、スピンコーターを用いてガラ
ス板上に回転数1000rpmで回転塗布した。塗布
後、ガラス板を100℃で2分間予備乾燥させ、その後
230℃の恒温槽中にて30分間熱処理し塗膜を硬化さ
せた。得られた塗膜は表面が極めて滑らかであり、膜厚
は3.1μmであった。
【0071】以上のようにして作成した塗膜について、
以下の試験を行った。まず、上記の方法で塗布し硬化さ
せたガラス板の吸収スペクトルを、用いたガラス板その
ものを基準に測定した。350nm〜800nmの全領
域において光透過率は95%以上であった。
【0072】次に上記塗布ガラス板上にITOスパッタ
装置:ULUVAC SH−450[日本真空技術
(株)製]を用い、ターゲットに二酸化珪素/酸化イン
ジュウムが5/95(wt%)を使用して、温度230
℃、真空度10ー5〜10ー6torr.で30分間スパッ
ターを行い外観を観察した。その結果、白化やクラック
等は観察されず、耐スッパター性が良好であることを確
認した。
【0073】次ぎにこのガラス板に塗布し硬化させた塗
膜の接着性を調べるためにセロハン粘着テープによる剥
離試験を行った。その結果、剥離は全く認められなかっ
た。また、このガラス板を100℃の沸騰水中に10分
間処理したのち、同様にして剥離試験を行ったが、剥離
は認められなかった。
【0074】また、上記ガラス板を40℃の10重量%
塩酸水溶液中に30分間処理したのちの剥離試験でも剥
離は認められなかった。また、上記ガラス板を40℃の
2重量%水酸化ナトリウム水溶液中に30分間処理した
のちの剥離試験でも剥離は認められなかった。また、上
記ガラス板を23℃のNーメチルー2ーピロリドン中で
処理しても、剥離は認められなかった。
【0075】さらに、上記で配合した樹脂溶液を40℃
で1ケ月保存したが、ゲル化せず粘度の変化は初期の1
1cps.から20cps.に上昇しただけであった。以
上の結果から、本発明の樹脂組成物は貯蔵安定性に優
れ、かつ該樹脂組成物から得られる硬化塗膜は透明性、
耐スパッター性、接着性、耐水性、耐酸性、耐アルカリ
性および耐溶剤性に極めて優れていることが明かであ
る。
【0076】実施例−2 下掲する如き物質を使用するように変更した以外は実施
例−1と同様の操作を行い樹脂組成物を得た。
【0077】重合体A−2の30.0部、 PGMACの29.6部、 γ−グルシドキシプロピルトリメトキシシランの0.9
部 TMA(20%DMDG溶液)の8.8部 を用いて樹脂溶液を調整した。得られた樹脂溶液の粘度
は12cpsであった。
【0078】次いで実施例−1と同様にして回転塗布法
によりガラス板上に硬化後の膜厚2.7μmの塗膜を形
成させた。塗膜の表面は非常に平滑であった。得られた
塗膜について実施例−1と同じ試験を行った結果を表1
に示した。
【0079】実施例−3 下掲する如き物質を使用するように変更した以外は実施
例−1と同様の操作を行い樹脂組成物を得た。
【0080】重合体A−3の30.0部、 PGMACの29.6部、 γ−グルシドキシプロピルトリメトキシシランの0.9
部 TMA(20%DMDG溶液)の9.4部 を用いて樹脂溶液を調整した。得られた樹脂溶液の粘度
は10cpsであった。
【0081】次いで実施例−1と同様にして回転塗布法
によりガラス板上に硬化後の膜厚3.0μmの塗膜を形
成させた。塗膜の表面は非常に平滑であった。得られた
塗膜について実施例−1と同じ試験を行った結果を表1
に示した。
【0082】実施例−4 下掲する如き物質を使用するように変更した以外は実施
例−1と同様の操作を行い樹脂組成物を得た。
【0083】重合体A−4の30.0部、 PGMACの35.9部、 γ−グルシドキシプロピルトリメトキシシランの0.9
部 TMA(20%DMDG溶液)の9.4部 を用いて樹脂溶液を調整した。得られた樹脂溶液の粘度
は13cpsであった。
【0084】次いで実施例−1と同様にして回転塗布法
によりガラス板上に硬化後の膜厚3.6μmの塗膜を形
成させた。塗膜の表面は非常に平滑であった。得られた
塗膜について実施例−1と同じ試験を行った結果を表1
に示した。
【0085】実施例−5 下掲する如き物質を使用するように変更した以外は実施
例−1と同様の操作を行い樹脂組成物を得た。
【0086】重合体A−5の30.0部、 PGMACの29.6部、 γ−グルシドキシプロピルトリメトキシシランの0.9
部 TMA(20%DMDG溶液)の10.1部 を用いて樹脂溶液を調整した。得られた樹脂溶液の粘度
は11cpsであった。次いで実施例−1と同様にして
回転塗布法によりガラス板上に硬化後の膜厚3.2μm
の塗膜を形成させた。塗膜の表面は非常に平滑であっ
た。得られた塗膜について実施例−1と同じ試験を行っ
た結果を表1に示した。
【0087】実施例−6 下掲する如き物質を使用するように変更した以外は実施
例−1と同様の操作を行い樹脂組成物を得た。
【0088】重合体A−6の30.0部、 PGMACの29.3部、 γ−グルシドキシプロピルトリメトキシシランの0.9
部 TMA(20%DMDG溶液)の7.7部 を用いて樹脂溶液を調整した。得られた樹脂溶液の粘度
は11cpsであった。
【0089】次いで実施例−1と同様にして回転塗布法
によりガラス板上に硬化後の膜厚3.5μmの塗膜を形
成させた。塗膜の表面は非常に平滑であった。得られた
塗膜について実施例−1と同じ試験を行った結果を表1
に示した。
【0090】実施例−7 下掲する如き物質を使用するように変更した以外は実施
例−1と同様の操作を行い樹脂組成物を得た。
【0091】重合体A−7の30.0部、 PGMACの29.9部、 γ−グルシドキシプロピルトリメトキシシランの0.9
部 TMA(20%DMDG溶液)の9.8部 を用いて樹脂溶液を調整した。得られた樹脂溶液の粘度
は12cpsであった。
【0092】次いで実施例−1と同様にして回転塗布法
によりガラス板上に硬化後の膜厚3.6μmの塗膜を形
成させた。塗膜の表面は非常に平滑であった。得られた
塗膜について実施例−1と同じ試験を行った結果を表1
に示した。
【0093】比較例−1 下掲する如き物質を使用するように変更した以外は実施
例−1と同様の操作を行い樹脂組成物を得た。
【0094】重合体A−8の30.0部、 DMDGの29.9部、 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの0.9
部 TMA(20%DMDG溶液)の11.5部 を用いて樹脂溶液を調整した。得られた樹脂溶液の粘度
は11cpsであった。
【0095】次いで実施例−1と同様にして回転塗布法
によりガラス板上に硬化後の膜厚3.4μmの塗膜を形
成させた。塗膜の表面は非常に平滑であった。得られた
塗膜について実施例−1と同じ試験を行った結果を表1
に示した。
【0096】比較例−2 下掲する如き物質を使用するように変更した以外は実施
例−1と同様の操作を行い樹脂組成物を得た。
【0097】重合体A−9の30.0部、 PGMACの29.8部、 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの0.9
部 TMA(20%DMDG溶液)の11.0部 を用いて樹脂溶液を調整した。得られた樹脂溶液の粘度
は12cpsであった。
【0098】次いで実施例−1と同様にして回転塗布法
によりガラス板上に硬化後の膜厚3.2μmの塗膜を形
成させた。塗膜の表面は非常に平滑であった。得られた
塗膜について実施例−1と同じ試験を行った結果を表1
に示した。
【0099】
【表1】
【0100】
【発明の効果】本発明は、特に耐スパッタ性に優れ、か
つ優れた耐熱性、透明性、接着性、耐水性、耐酸性、耐
アルカリ性、耐溶剤性を有し、塗装作業性や表面平滑性
にも優れた硬化塗膜が容易に作成可能な、貯蔵安定性に
も優れた熱硬化型樹脂組成物を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−157410(JP,A) 特開 平2−113019(JP,A) 特開 平7−188385(JP,A) 特開 昭60−216307(JP,A) 特開 平4−236212(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 59/42 C08K 5/541 - 5/5435 C08L 63/00 G02B 5/20

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子中に1個の重合性不飽和二重結合と
    1個以上の脂環式エポキシ基とを有する単量体(I)
    と、該単量体(I)と共重合可能な他の重合性単量体と
    を、重合成分として共重合して得られる重合体(A)
    と、多価カルボン酸およびその無水物からなる群から選
    ばれる1種以上の化合物(B)と、カップリング剤
    (C)とを含有することを特徴とする、熱硬化性樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 重合体(A)が、分子中に1個の重合性
    不飽和二重結合と1個以上の脂環式エポキシ基とを有す
    る単量体(I)を、重合成分中に占める含量が30重量
    %以上となる範囲で用いて得られる重合体である、請求
    項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 多価カルボン酸およびその無水物からな
    る群から選ばれる1種以上の化合物(B)、重合体
    (A)100重量部当たり1〜100重量部含有する、
    請求項1または2記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 カップリング剤(C)が、エポキシ基を
    有するシランカップリング剤である、請求項1、2また
    は3記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 カップリング剤(C)、重合体(A)
    100重量部当たり0.1〜30重量部含有する、請求
    項1〜4のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 重合体(A)が、分子中に1個の重合性
    不飽和二重結合と1個以上の脂環式エポキシ基とを有す
    る単量体(I)と共に下記一般式 【化1】 (式中、Rは水素又はメチル基であり、Rは低級ア
    ルキル基であり、nは1〜5の整数である。)で表され
    る単量体(II)を、重合成分として用いて得られる重合
    体である、請求項1〜5のいずれか1項記載の熱硬化性
    樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 一般式中のR が、メチル基である、請
    求項6記載の熱硬化性樹脂組成物。
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