JP2002069151A - 熱硬化性樹脂組成物および光ディバイス用保護膜材料 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物および光ディバイス用保護膜材料

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JP2002069151A
JP2002069151A JP2000260763A JP2000260763A JP2002069151A JP 2002069151 A JP2002069151 A JP 2002069151A JP 2000260763 A JP2000260763 A JP 2000260763A JP 2000260763 A JP2000260763 A JP 2000260763A JP 2002069151 A JP2002069151 A JP 2002069151A
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thermosetting resin
acid
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JP2000260763A
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Nobuo Kobayashi
伸生 小林
Hiroyuki Tokuda
博之 徳田
Hidenori Ishikawa
英宣 石川
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Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルカリ洗浄性を有し、塗装作業
性や表面平滑性にも優れた硬化塗膜が容易に作成可能な
貯蔵安定性に優れ、且つ耐熱性、PCT耐性に優れた1
液型熱硬化性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 カルボキシラン基とエポキシ基と
を含有する化合物と、エポキシ基活性化触媒、カップリ
ング剤とを含んでなるこ1液型熱硬化性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規にして有用な
る熱硬化性樹脂組成物に関する。特に光ディバイス用保
護膜材料に関し、さらに詳細には、液晶表示素子あるい
は撮影素子に用いられるカラーフィルター用保護膜材料
に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子や撮影素子においては、ガ
ラスやシリコンの基盤上に駆動用の電気配線、スイッチ
ング素子、色分離のためのカラーフィルター、光電変換
素子などを積層して形成される。
【0003】このような素子は、電気的に絶縁し、赤・
緑・青といった着色層を平坦化し、また外的要因による
素子の物理的破壊を防止する目的で有機塗膜による保護
膜が形成される。
【0004】このような有機塗膜層からなる保護膜は、
透明性、接着性、平滑性、強靱性、耐熱性、耐候性、耐
湿性、耐水性、耐薬品性等が要求されている。さらに該
保護膜を均一に形成させるため、たとえば、スピンコー
ターによる回転塗布法を用いた場合の塗装適性等の性能
が要求されている。また、該保護膜上に透明電極として
酸化イリジウムと酸化スズとからなる薄膜(ITO)を
高温、高真空下でスパッタリング等により形成させるこ
とがあるため、ITO形成時における耐スパッタ性を有
する保護膜が要求されている。
【0005】有機塗膜層からなる保護膜の接着性、耐ス
パッター性、耐熱性等の物性バランスを改善する方法と
して特開昭60−216307号公報、及び特開平4−
97102号公報では、エポキシ基含有ポリマーに多価
カルボン酸無水物を混合し、加熱により架橋、硬化して
保護膜を形成する方法が開示されている。また、特公平
3−8652号公報ではエポキシ基含有ポリマーに多価
カルボン酸及び/または多価カルボン酸と官能性シラン
カップリング剤とを混合し、加熱により架橋、硬化して
保護膜を形成する方法が開示されている。
【0006】しかしながら、これらはいずれも主剤とし
てのエポキシ基含有ポリマーと、硬化剤としての多価カ
ルボン酸無水物とを配合、混合して塗布する2液型塗装
剤であるため、作業が煩雑であり、さらに2液を混合し
た後は主剤と硬化剤の反応の進行と共に塗装剤の粘度が
上昇するため、速やかに使用しなければならないという
問題点があった。
【0007】この問題点を解決する方法として、特開平
11−335510号公報では、分子中にカルボキシシ
ラン基とグリシジル基とを有する共重合体と、カップリ
ング剤とを含有する、貯蔵安定性に優れた1液型の塗装
剤を用いる方法が開示されている。
【0008】しかしながら、硬化反応が遅く、しかも耐
熱性、耐候性、耐湿性等の物性が不十分であるという問
題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、塗装作業性と貯蔵安定性に優れていると共
に、完全硬化前であれば、アルカリ水溶液に可溶、且つ
洗浄可能であり、光沢性、基板との接着性、平坦性およ
び表面平滑性等が良好で、耐熱性、耐スパッタ性、耐候
性および耐湿性等の物性に優れた、硬化速度の速い1液
型の熱硬化性樹脂組成物および光ディバイス用保護膜材
料を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、カルボキシシラン
基とエポキシ基とを含有する化合物と、エポキシ基活性
化触媒、カップリング剤とを含んでなる熱硬化性樹脂組
成物を用いることにより、上記した目的を達成すること
が可能となることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0011】即ち、本発明は、(I)カルボキシシラン
基とエポキシ基とを含有する化合物(A)と、エポキシ
基活性化触媒(B)とを含んでなることを特徴とする熱
硬化性樹脂組成物を提供するものであり、また本発明
は、(II)化合物(A)が、カルボキシシラン基を有す
るエチレン性不飽和単量体(a1)とエポキシ基を有す
るエチレン性不飽和単量体(a2)とを必須成分として
重合させてなる共重合体(A′)である、(I)記載の
熱硬化性樹脂組成物を提供するものであり、また本発明
は。(III)エポキシ基活性化触媒(B)がリンを含む
化合物である(I)または(II)記載の熱硬化性樹脂組
成物を提供するものであり、また本発明は、(IV)さら
にカップリング剤(C)を含んでなる(I)、(II)、
または(III)記載の熱硬化性樹脂組成物を提供するも
のであり、また本発明は、(V)カップリング剤(C)
を、化合物(A)または共重合体(A’)100重量部
当たり0.1〜30重量部含んでなる(I)〜(IV)の
いずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物であり、また本
発明は、(VI)(I)〜(V)のいずれか1項記載の熱硬
化性樹脂組成物を含んでなることを特徴とする光ディバ
イス用保護膜材料を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明における化合物(A)としては、例えば、一般式
(1)で表されるカルボキシシラン基と、エポキシ基と
を含有する化合物が挙げられる。
【化1】 (式中R1、R2及びR3は炭素数が1〜18のアルキル
基、フェニル基、アリル基、または水素原子を示し、そ
れぞれ同一でも異種でもよい。)
【0013】化合物(A)としては特に、カルボキシシ
ラン基を有するエチレン性不飽和単量体(a1)とエポ
キシ基を有するエチレン性不飽和単量体(a2)とを必
須成分として重合させてなる共重合体(A′)であるこ
とが好ましい。
【0014】カルボキシシラン基を有するエチレン性不
飽和単量体(a1)としては、1分子中にエチレン性不
飽和基とカルボキシラン基を含有するビニル系単量体を
使用することができる。
【0015】カルボキシシラン基を有するエチレン性不
飽和単量体(a1)の製法例を示せば、トリエチルアミ
ンやピリジンに代表される塩酸捕捉剤の存在下で、カル
ボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と、一般式
(2)で表されるシラン化合物を反応させる方法が挙げ
られる。
【0016】
【化2】 (式中R1、R2及びR3は炭素数が1〜18のアルキル
基、フェニル基、アリル基又は水素原子を示し、それぞ
れ同一でも異種でもよい。)
【0017】カルボキシル基を有するエチレン性不飽和
単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、
クマロン酸、マレイン酸、フマル酸;マレイン酸モノア
ルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル;イタ
コン酸モノアルキルエステル;無水コハク酸、無水トリ
メリット酸等酸無水物と水酸基を有するエチレン性不飽
和単量体とを反応させて得られるカルボキシル基含有エ
チレン性不飽和単量体等が挙げられる。
【0018】また、一般式(2)で示されるシラン化合
物としては、例えば、トリメチルクロルシラン等のトリ
アルキルクロルシラン;ジエチルクロルシラン等のジア
ルキルクロルシラン;トリフェニルクロルシラン、トリ
アリルクロルシラン等が挙げられる。
【0019】これらカルボキシシラン基を有するエチレ
ン性不飽和単量体(a1)は、単独でも2種以上の混合
で用いても良い。
【0020】本発明で用いるエポキシ基を有するエチレ
ン性不飽和単量体(a2)としては、例えば、アクリル
酸−3,4−エポキシシクロヘキシル、メタクリル酸−
3,4−エポキシシクロヘキシル、ラクトン変性アクリ
ル酸−3,4−エポキシシクロヘキシル、ラクトン変性
メタクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシル、ビニ
ルシクロヘキセンオキシド等の脂環式エポキシ単量体お
よび分子中に2個以上の脂環エポキシ基を有する化合物
と分子中に1個の重合性不飽和二重結合と1個の脂環エ
ポキシ基と反応性を有する基とを合わせ持つ化合物とを
反応せしめて得られるエポキシ基含有エチレン性不飽和
単量体;
【0021】一般式(3)で表される化合物、
【化3】 (式中、R1、R2は炭素数が1〜18のアルキル基、フ
ェニル基、アリル基又は水素原子であり、nは1〜5の
整数を示す。) 例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジ
ル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピ
ルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グ
リシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタ
クリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−4,
5−エポキシペンチル、アクリル酸−6,7−エポキシ
ペンチル、メタクリル酸−6,7−エポキシペンチル、
α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシペンチル等が
挙げられる。
【0022】本発明で用いるカルボキシシラン基を有す
るエチレン性不飽和単量体(a1)とエポキシ基を有す
るエチレン性不飽和単量体(a2)は、これらの単量体
と共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体(b)と併
用できる。他のエチレン性不飽和単量体(b)として
は、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)
アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メ
タ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチ
ル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デ
シル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル
酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、
(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オ
クタデシル、(メタ)アクリル酸ドコシルなどの炭素数
1〜22のアルキル基を持つ(メタ)アクリル酸エステ
ル;
【0023】(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メ
タ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸ジシ
クロペンテニルオキシエチル等の脂環式のアルキル基を
有するアクリル酸エステル;テトラヒドロフルフリルア
ルコールとεーカプロラクトン付加物の(メタ)アクリ
ル酸エステル;
【0024】(メタ)アクリル酸ヒドロキエチル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル
酸グリセロールなどのヒドロキシアルキル基を有するア
クリル酸エステル;ラクトン変性(メタ)アクリル酸ヒ
ドロキシエチル;
【0025】(メタ)アクリル酸ベンゾイルオキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸
フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシジエ
チレングリコール、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ
−3−フェノキシプロピル等の芳香環を有するアクリル
酸エステル;
【0026】(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコー
ル、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコールなど
のポリアルキレングリコール基を有する(メタ)アクリ
ル酸エステル;
【0027】フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フ
マル酸ジブチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジブ
チル、フマル酸メチルエチル、フマル酸メチルブチル、
イタコン酸メチルエチル等の不飽和ジカルボン酸エステ
ル;
【0028】スチレン、α−メチルスチレン、クロロス
チレン等のスチレン誘導体;ブタジエン、イソプレン、
ピペリレン、ジメチルブタジエン等のジエン系化合物;
塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリ
デン等のハロゲン化ビニルやハロゲン化ビニリデン;
【0029】メチルビニルケトン、ブチルビニルケトン
等の不飽和ケトン;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のビニル
エステル;メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテ
ル等のビニルエーテル;アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル、シアン化ビニリデン等のシアン化ビニル;ア
クリルアミドやそのアルキド置換アミド;N−フェニル
マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置
換マレイミド;
【0030】γーメタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメト
キシシラン等のシリコンを有する(メタ)アクリル酸エ
ステルやビニルシラン;トリフロロエチルアクリレー
ト、テトラフロロプロピルアクリレート、オクタフロロ
ペンチルアクリレート、ヘプタデカフロロデシルアクリ
レートもしくはパーフルオロエチルオキシエチル(メ
タ)アクリレートの如き(パー)フルオロアルキル基の
炭素数が1から18なる(パー)フルオロアルキル(メ
タ)アクリレートなどのフッ素を有する(メタ)アクリ
ル酸エステル;ジメチルアミノエチルメタクリレート、
ジエチルアミノエチルメタクリレートなどのアミノ基を
有する(メタ)アクリル酸エステル;2−メタクリロイ
ロキシエチルアシッドホスフェートに代表されるリンを
有する(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられ、これ
らのエチレン性不飽和単量体(b)は、それぞれ単独で
も2つ以上を併用してもよい。
【0031】また、カルボキシシラン基を有するエチレ
ン性不飽和単量体(a1)とエポキシ基を有するエチレ
ン性不飽和単量体(a2)の、カルボキシシラン基とエ
ポキシ基との割合は各種塗膜性能およびアルカリ洗浄性
の面から、(0.2〜5.0):1.0モルが好ましい。
【0032】エチレン性不飽和単量体(a1)および
(a2)を用いた共重合体(A′)の共重合方法は特に
制限されず、付加重合によるランダム共重合体、ブロッ
ク共重合体、グラフト共重合体等のいずれでもよく、ま
た共重合方法も溶液重合法、乳化重合法等のいずれでも
よい。
【0033】本発明で用いるエポキシ基活性化触媒
(B)とは、エポキシ基の環構造(オキシラン環)の開
裂とそれに伴う他の官能基との結合反応の活性化自由エ
ネルギーを低下させる効果を有する化合物を指し、触媒
(B)を用いることにより得られる熱硬化物は、1)耐
水性等の物性面において好ましくない影響を及ぼす未反
応官能基を削減でき、2)反応点の増加によって、より
強固な架橋構造を有する硬化物を得ることができ、さら
には、3)熱硬化時に要するエネルギーが削減できる等
の利点がある。触媒(B)として具体的には、求電子試
薬、求核試薬等が挙げられる。
【0034】求電子試薬とは一般に、エポキシ基の酸素
原子に対して求電子的反応を起こす効果を有する化合物
であって、例えば、カルボン酸、フェノール、などのプ
ロトン酸、フッ化ホウ素、塩化マグネシウムなどのルイ
ス酸等が挙げられる。
【0035】求核試薬とは一般に、エポキシ基の炭素原
子に対して求核的反応を起こす効果を有する化合物であ
って、例えば、ジエチレントリアミンなどの第一級アミ
ン、メタフェニレンジアミンなどの第二級アミン;2,
4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、
ベンジルジメチルアミン、1,8−ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデカン(DBU)などの第三級アミ
ン等のアミン類;2−メチル−4−エチルイミダゾール
等のイミダゾール類;テトラメチルホスホニウムブロマ
イド、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類;フェ
ニルセレン等の有機セレン類等が挙げられる。これらの
エポキシ基活性化触媒(B)は、それぞれ単独で用いて
も2つ以上を併用して使用してもよい。
【0036】このうち第三級アミン類、イミダゾール
類、ホスフィン類は、それ自身が組成物に組み込まれれ
ることなく、触媒的に利用されるため好ましい。
【0037】なかでもイミダゾール類、ホスフィン類
は、常温においてはエポキシ基を有する化合物との混合
状態でも触媒効果を発揮せず、特定の温度を与えること
により容易に触媒効果を発揮するという熱潜在性を有す
ることから、保存安定性が要求される1液型の熱硬化性
樹脂組成物としてより好ましい。特にホスフィン類は、
熱による着色が低く、さらに熱潜在性能も高いため、光
ディバイス用保護膜材料用途のなかでもカラーフィルタ
ー用保護膜材料用途として、より好ましい。
【0038】エポキシ活性化触媒(B)の配合量は、触
媒としての効果を十分発揮させかつ、保存安定性、基体
との接着性などの塗膜物性を良好に保つため、化合物
(A)または(A′)100重量部当たり0.01〜1
0重量部の範囲であり、好ましくは0.03〜5重量部
の範囲であり、なかでも0.05〜3重量部であること
が特に好ましい。
【0039】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、カップリ
ング剤(C)を含むことが好ましい。ここで、カップリ
ング剤とは、無機材料と有機材料とを化学的に結び付
け、あるいは化学的反応を伴って親和性を改善する複合
系材料の機能を高める化合物と定義するが、代表的なカ
ップリング剤としては、シラン系化合物、チタン系化合
物、アルミニウム系化合物が挙げられる。
【0040】シランカップリング剤としては、例えば、
γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−
アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ
−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ
トキシシラン;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン;ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキ
シシラン;トリメトキシシリル安息香酸;γ−イソシア
ナトプロピルトリエトキシシラン等や、これらシランカ
ップリング剤等からなるオリゴマーやポリマー類が挙げ
られる。
【0041】チタンカップリング剤としては、例えば、
テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシ
チタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、
テトラステアロキシチタン、ジ−i−プロポキシ・ビス
(アセチルアセトナト)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビ
ス(トリエタノールアミナト)チタン、ジヒドロキシ・
ビス(ラクタト)チタン、テトラキス(2−エチルヘキ
サンジオラト)チタン、トリ−n−ブトキシチタンモノ
ステアレート、イソプロピルトリイソステアロイルチタ
ネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニル
チタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホ
スフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジ
オクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビ
ス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ
(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス
(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジ
オクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネ
ート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレン
チタネート、イソプロピルトリオクタノルチタネート、
イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネー
ト、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネー
ト、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタ
ネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、
イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)
チタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネ
ート、ジイソステアロイルエチレンチタネート等が挙げ
られる。
【0042】アルミニウムカップリング剤としては、例
えば、アルミニウムイソプロピレート、モノsec−ブ
トキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウム
sec−ブチレート、アルミニウムエチレート、エチル
アセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、ア
ルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキ
ルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、
アルミニウムモノアセチルアセテートビス(エチルアセ
トアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセト
ネート)、環状アルミニウムオキサイドイソプロピレー
ト等が挙げられる。
【0043】なかでも、種々の基体に対して特に優れた
平滑性、接着性、耐水性および耐溶剤性を与える点で、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン等のエポキシ基を有するシランカップリング剤
が好ましい。これらのカップリング剤は、1種単独でも
2種以上の組み合わせでも使用することができる。
【0044】カップリング剤(C)の配合量は、形成さ
れる塗膜の平滑性ならび基体との接着性、耐水性および
耐溶剤性を良好にし、また接着性を向上して形成される
塗膜の硬化性を向上させるため、上記重合体(A′)1
00重量部当たり0.1〜30重量部の範囲であり、好
ましくは0.5〜20重量部であり、なかでも1.0〜1
0.0重量部であること特に好ましい。
【0045】本発明の熱硬化性樹脂組成物には、必要に
応じて多価カルボン酸およびその酸無水物、エポキシ化
合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の安定剤やレベリン
グ剤等の各種の添加剤を、透明性を損なわない程度に添
加することができる。なお、塗膜の目的によって透明性
が求められない場合には、顔料、塗料、充填剤等を配合
することもできる。
【0046】多価カルボン酸としては、例えば、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、ブタンテトラカルボン
酸、マレイン酸、イタコン酸等の脂肪族多価カルボン
酸;ヘキサヒドロフタル酸、1,2−シクロヘキサンカ
ルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、
シクロペンタンテトラカルボン酸等の脂環式多価カルボ
ン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメ
リット酸、ピロメリット酸、1,4,5,8−ナフタレン
テトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等
を挙げることができる。
【0047】多価カルボン酸無水物としては、例えば、
無水フタル酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シ
トラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバ
リル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、
無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸等
の脂肪酸ジカルボン酸無水物;1,2,3,4−ブタンテ
トラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボ
ン酸二無水物等の脂肪族多価カルボン酸二無水物;無水
ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸無水物;エチレングリコールビス
トリメリテイト、グリセリントリストリメテイト等のエ
ステル基含有酸無水物等を挙げることができる。
【0048】また、このカルボン酸無水物としては、市
販の無色の酸無水物からなるエポキシ樹脂硬化剤も好適
に用いることができる。具体例としては、アデカハード
ナーEH−700[商品名(以下同じ)旭電化工業
(株)製]、リカシッド−HH、同MH−700[新日本
理化(株)製]、エピキニ126、同YH−306、同
DX−126[油化シェルエポキシ(株)製]等を挙げ
ることができる。
【0049】さらに、多価カルボン酸およびその酸無水
物としては、分子中に2個以上のカルボキシル基または
その無水物を有する樹脂でもよい。例えば、カルボキシ
ル基を有する、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエス
テル樹脂、ラクトン変性ポリエステル樹脂、ポリエステ
ルアミド樹脂、アルキド樹脂、ポリエーテル樹脂、変性
ポリエーテル樹脂、ポリチオエーテル樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリオレフィン樹
脂、エポキシ変性樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等
が挙げられる。これらの多価カルボン酸および多価カル
ボン酸無水物は、1種単独でも2種以上の組み合わせで
も用いることができる。
【0050】エポキシ化合物としては、例えば、フェノ
ール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラ
ック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノール
A・ノボラック型エポキシ樹脂や各種グリコール、アル
キレンオキシド変性エポキシ樹脂等が挙げられ、これら
は単独でも2種以上の組み合わせでも用いることができ
る。
【0051】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記諸成
分を均一に混合することにより得られる。これらの成分
を混合する方法としては、通常、これらの成分を適当な
溶媒に溶解、混合する溶剤混合法が好ましい。
【0052】溶剤混合に用いる溶媒としては、上記各成
分を溶解し、かつこれらの成分と反応しないものであれ
ば、特に限定されるものではなく、各種の溶媒を使用す
ることができる。例えば、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチル−n−プロピルケトン、メチルイソプロピル
ケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、メチル−n−アミルケトン、メチル−n−ヘキ
シルケトン、ジエチルケトン、エチル−n−ブチルケト
ン、ジ−n−プロピルケトン、ジイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン、ホロン等のケトン系溶媒;
【0053】エチルエーテル、イソプロピルエーテル、
n−ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、エチレン
グリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエ
チルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、ジエチレングリコール、ジオキサン、テトラヒドロ
フラン等のエーテル系溶媒;
【0054】ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸−n−ブ
チル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロ
ピル、酢酸−nーブチル、酢酸−n−アミル、エチレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレング
リコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレング
リコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレング
リコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレング
リコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系
溶媒等が挙げられる。
【0055】熱硬化性樹脂組成物を溶媒混合により調製
する場合の混合順序は特に限定するものではなく、例え
ば、全成分を同時に溶媒に溶解して本発明組成物の溶液
を調整してもよいし、必要に応じて各成分を別々に同一
または異種の溶媒に溶解して2つ以上の溶液とし、これ
らの溶液を混合して調整してもよい。
【0056】熱硬化性樹脂組成物溶液の濃度は、特に限
定されるものではなく、使用目的に応じて適宜選定する
ことができるが、一般的には5〜50重量%程度を使用
する。
【0057】上記のようにして調製した樹脂組成物の溶
液を基体表面に塗布し、加熱により硬化させることによ
り所望の塗膜を得ることができる。塗布する方法は特に
限定されず、例えばスプレー法、ロールコート法、スピ
ンコーターによる回転塗布法など各種の方法を用いるこ
とができ、特に回転塗布法にも適している点は本発明の
特徴の一つである
【0058】熱硬化条件は、樹脂組成物の各成分の種
類、配合割合等によって適宜選択されるが、通常80〜
250℃で15分〜10時間程度である。
【0059】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、1液型熱
硬化型樹脂組成物として使用することができ、カルボキ
シシラン基とエポキシ基とが反応する前の塗布板、例え
ば、100℃以下の予備乾燥等の比較的温和な条件下で
処理した塗布板は、炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウム
のようなアルカリ水溶液、またはテトラメチルアンモニ
ウムハイドロキサイドのような有機アルカリ液で簡単に
可溶化、洗浄することもできる。
【0060】即ち、樹脂組成物をスピンコーター等で塗
布している最中、あるいは塗布後のセッティング中およ
び100℃以下で数分の予備乾燥中に、ハジキ、塗布ム
ラそして異物等の塗膜欠陥が生じた場合にアルカリ水溶
液を用いて簡単に可溶化・洗浄することにより高価な基
板等の再利用が可能となり、資源の有効利用にも寄与す
ることができる。炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウムの
濃度は適宜決定すればよく、通常、0.1〜5%の濃度
のものを用い、シャワーリングやディップ法により洗浄
する。
【0061】また本発明の熱硬化性樹脂組成物は1液型
であるため、2液型のような主剤と硬化剤との配合や混
合さらには脱泡等の作業が省かれるために作業性が優れ
ると共に、密栓状態では長期の貯蔵安定性に優れてい
る。
【0062】また、該熱硬化性組成物から得られる塗膜
は、紫外から可視の領域にわたる広い範囲の波長域にお
いて高い光線透過率を有して透明性に優れているほか、
種々の基体に対して優れた接着性を示す。基体として
は、例えば、ガラス、金属、プラスチック等が挙げられ
る。
【0063】さらに、この塗膜は平滑、強靭で、耐光性
および耐熱性に優れており、特に高温・高真空下におけ
る耐スパッター性に優れ、長期にわたる使用によっても
変色などの変質を起こすこともなく、耐水性、耐溶剤性
および耐汚染性にも優れたもので、かつ硬度の高いもの
である。
【0064】これらの特徴により、本発明の熱硬化性樹
脂組成物により形成される塗膜は、各種物品の基体表面
の保護塗膜として有用である。
【0065】
【実施例】次に実施例によって本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。なお、以下において、部および%は特に断り
のない限り、すべて重量基準であるものとする。
【0066】合成例1〔カルボキシシラン基を有するエ
チレン性不飽和単量体の調製1〕 温度計、還流冷却器、撹拌機および窒素ガス導入口を備
えた四つフラスコに、n−ヘキサン320.0部、メタ
クリル酸86.0部、トリエチルアミン111.0部を仕
込み、氷水で冷却下、トリメチルクロルシラン120.
0部を発熱に注意しながら30℃以下に保ちながら滴下
し、30℃で1時間反応を続けた。その後、トリエチル
アミンの塩酸塩をろ過し、ろ液を減圧脱溶剤にてn−ヘ
キサンを除去した後、減圧蒸留にて精製し、カルボキシ
シラン基を有するエチレン性不飽和単量体を得た。以後
このエチレン性不飽和単量体を〔M−1〕と略記する。
【0067】合成例2〔カルボキシシラン基を有するエ
チレン性不飽和単量体の調製2〕 合成例1と同様の反応器を用い、n−ヘキサン303.
0部、アクリル酸72.0部、トリエチルアミン111.
0部を仕込み、氷水で冷却下、トリメチルクロルシラン
120.0部を発熱に注意しながら30℃以下に保ちな
がら滴下し、30℃で1時間反応を続けた。その後の処
理は合成例1と同様に行い、カルボキシシラン基を有す
るエチレン性不飽和単量体を得た。以後このエチレン性
不飽和単量体を〔M−2〕と略記する。
【0068】製造例1〔カルボキシラン基及びエポキシ
基を含有する共重合体の調製1〕 合成例1と同様の反応器に、プロピレングリコールモノ
メチルエーテルアセテート(以後PGMAcと略記す
る)100.0部を仕込み、撹拌しながら60℃まで昇
温したのち、エチレン性不飽和単量体〔M−1〕27.
0部、メタクリル酸グリシジル(以下GMAと略記す
る)30.0部、スチレン(以下Stと略記する)38.
0部、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)(以下ABN−Vと略記する)6.0部の混合
溶解物を1時間かけて滴下した。滴下後60℃にて1時
間保持したのち、ABN−V0.08部を加え、さらに
同温度で6時間反応させた。得られた樹脂溶液の不揮発
分(150℃、1時間乾燥後の残留樹脂重量%)は4
7.6%、ガードナー粘度はP−Qで溶液の酸価(試料
1g中に存在する酸分を規定の方法に基き、中和するの
に要した水酸化カリウムのミリグラム数)は48、ポリ
スチレン換算の数平均分子量は11000であった。以
後この共重合体を〔P−1〕と略記する。
【0069】製造例2〔カルボキシラン基及びエポキシ
基を含有する共重合体の調製2〕 PGMAc100.0部をジエチレングリコールジメチ
ルエーテル(以後DMDGと略記する)100.0部
に、GMA30.0部をメタクリル酸メチルグリシジル
(以後M−GMAと略記する)32.5部に、Stの3
8.0部を35.5部に、ABN−V6.0部を9.0部に
変更した以外は、製造例1と同様にして、不揮発分が4
8.2%、ガードナー粘度がF−G、溶液酸価が48、
数平均分子量が5000の樹脂溶液を得た。以後この共
重合体を〔P−2〕と略記する。
【0070】製造例3〔カルボキシラン基及びエポキシ
基を含有する共重合体の調製3〕 GMAの30.0部をメタクリル酸3,4−エポキシシク
ロヘキシル(以後ECHMAと略記する)40.8部
に、Stの38.0部を27.2部に変更した以外は、製
造例1と同様にして、不揮発分が47.2%、ガードナ
ー粘度がJ−K、溶液酸価が49、数平均分子量が10
000の樹脂溶液を得た。以後この共重合体を〔P−
3〕と略記する。
【0071】製造例4〔カルボキシシラン基及びエポキ
シ基を含有する共重合体の調製4〕 PGMAc100.0部をジエチレングリコールモノエ
チルエーテルアセテート(以後EDGAと略記する)1
00.0部に、St38.0部をメチルメタクリレート
(以後MMAと略記する)38.0部に、そしてABN
−V6.0部を4.0部に変更した以外は、製造例1と同
様にして、不揮発分が47.1%、ガードナー粘度がR
−S、溶液酸価が48、数平均分子量が20000の樹
脂溶液を得た。以後この共重合体を〔P−4〕と略記す
る。
【0072】製造例5〔カルボキシシラン基及びエポキ
シ基を含有する共重合体の調製5〕 St38.0部をMMA19.0部とプラクセルFM−4
(ダイセル化学工業株式会社製ラクトン変性ヒドロキシ
エチルメタクリレート)19.0部に変更した以外は、
製造例1と同様にして、不揮発分が47.3%、ガード
ナー粘度がN−O、溶液酸価が48、数平均分子量が1
0000の樹脂溶液を得た。以後この共重合体を〔P−
5〕と略記する。
【0073】製造例6〔カルボキシシラン基及びエポキ
シ基を含有する共重合体の調製6〕 エチレン性不飽和単量体〔M−1〕27.0部をエチレ
ン性不飽和単量体〔M−2〕24.6部に、GMA30.
0部を29.6部に、St38.0部を40.8部、そし
てABN−V6.0部を5.5部に変更した以外は、製造
例1と同様にして、不揮発分が47.7%、ガードナー
粘度がO−P、溶液酸価が48、数平均分子量が110
00の樹脂溶液を得た。以後この共重合体を〔P−6〕
と略記する。
【0074】製造例7〔カルボキシシラン基及びエポキ
シ基を含有する共重合体の調製7〕 PGMAc100.0部をDMDG100.0部に、エチ
レン性不飽和単量体〔M−1〕27.0部をエチレン性
不飽和単量体〔M−2〕24.6部に、GMA30.0部
をECHMA40.8部に、St38.0部をMMA2
9.6部に、ABN−V6.0部を7.0部に変更した以
外は、製造例1と同様にして、不揮発分が47.2%、
ガードナー粘度がM−N、溶液酸価が48、数平均分子
量が7000の樹脂溶液を得た。以後この共重合体を
〔P−7〕と略記する。
【0075】製造例8〔カルボキシシラン基及びエポキ
シ基を含有する共重合体の調製8〕 エチレン性不飽和単量体〔M−1〕27.0部を34.0
部に、GMA30.0部を36.6部に、St38.0部
を24.4部、ABN−V6.0部を4.0部に変更した
以外は、製造例1と同様にして、不揮発分が47.0
部、ガードナー粘度がL−M、溶液酸価が60、数平均
分子量が22000の樹脂溶液を得た。以後この共重合
体を〔P−8〕と略記する。
【0076】製造例9〔カルボキシシラン基及びエポキ
シ基を含有する共重合体の調製9〕 製造例1において、エチレン性不飽和単量体〔M−1〕
27.0部を16.9部に、GMA30.0部を18.2部
に、そしてSt38.0部を59.9部に変更した以外
は、製造例1と同様にして、不揮発分が46.9部、ガ
ードナー粘度がH−I、溶液酸価が30、数平均分子量
が9000の樹脂溶液を得た。以後この共重合体を〔P
−9〕と略記する。
【0077】製造例10〔カルボキシシラン基及びエポキ
シ基を含有する共重合体の調製10〕 エチレン性不飽和単量体〔M−1〕27.0部を12.0
部に、GMA30.0部を12.9部に、そしてSt3
8.0部を70.1部に変更した以外は、製造例1と同様
にして、不揮発分が46.7部、ガードナー粘度がI−
J、溶液酸価が21、数平均分子量が10000の樹脂
溶液を得た。以後この共重合体を〔P−10〕と略記す
る。
【0078】製造例11〔カルボキシシラン基及びエポキ
シ基を含有する共重合体の調製11〕 ABN−V6部を1.0部に変更した以外は、製造例1
と同様にして、不揮発分が47.3部、ガードナー粘度
がZ−Z1、溶液酸価が48、数平均分子量が5500
0の樹脂溶液を得た。以後この共重合体を〔P−11〕
と略記する。
【0079】製造例12〔カルボキシシラン基及びエポキ
シ基を含有する共重合体の調製12〕 製造例1において、ABN−V6部を9.5部に変更し
た以外は、製造例1と同様にして、不揮発分が47.5
部、ガードナー粘度がE−F、溶液酸価が48、数平均
分子量が4000の樹脂溶液を得た。以後この共重合体
を〔P−12〕と略記する。
【0080】実施例1〜12および比較例1〜4 上記で得られた重合体P1〜12を用いて、第1表、第
2表、第3表に示す配合処方にて熱硬化性樹脂組成物を
作成した。 <評価方法>得られた樹脂組成物を用いて、以下に説明
する方法で塗布、硬化、及び評価を行った。
【0081】(1)塗布方法:孔径0.2μmのフィル
ターで各樹脂組成物を濾過した後、スピンコーターを用
いてガラス板上に回転数1000rpmで7秒間回転し
て塗布した。 (2)硬化方法:上記(1)で塗布したガラス板を80
℃で2分間予備乾燥させ、その後230℃の恒温槽中で
30分間熱処理をして塗膜を硬化させた。 (3)塗布性評価:上記(1)、(2)で塗布し硬化さ
せた塗布面の外観を目視により評価した。外観に異常が
なかったものを○、塗面にムラが見られたものを△、塗
面にムラや異物などが多く見られたものを×とした。 (4)アルカリ可溶性試験:上記(1)で塗布したガラ
ス板を80℃で2分間予備乾燥した塗膜を、3時間静置
した後、40℃の1%炭酸ナトリウム水溶液中に2分間
浸積し、その後流水で洗浄し、塗膜の剥離・溶解性を観
察した。完全に溶解したものを◎、わずかに塗膜が残る
ものを○とした。 (5)PCT耐性試験:耐候性、耐湿性の試験として、
上記(1)、(2)で塗布し硬化させたガラス板をプレ
ッシャークッカー試験機((株)平山製作所製PC−3
04RIII)を用いて、温度120℃、湿度100%R
T、気圧202.6kPaの条件下で2時間放置した後
の、塗膜白化や塗膜異常を確認した。外観に全く異常が
なかったものを○、しわやひび割れ等、塗膜に微細な欠
陥が見られたものを△、大幅に塗膜異常が見られたもの
を×とした。 (5)耐熱性試験:上記(1)、(2)で塗布し硬化さ
せたガラス板を230℃の恒温槽中10時間加熱し、こ
の前後での色変化(色差△E)を色差計(日本電色工業
(株)製 ZE2000)にて測定した。さらに膜厚の
変化(残膜率)を接触表面粗さ計((株)東京精密製
サーフコム550)により測定した。 (6)貯蔵安定性試験:第1表、第2表、第3表で配合
した樹脂溶液を25℃で密栓1ケ月保存し、B型粘度計
(東京計器製造所製)により粘度の変化を測定した。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
【表3】
【表4】
【0085】
【発明の効果】本発明は、塗装作業性と貯蔵安定性に優
れていると共に、予備乾燥後のアルカリ洗浄性を有し、
表面平滑性にも優れた硬化塗膜が容易に作成可能な耐ス
パッタ性、耐熱性、耐候性、耐湿性等の物性に優れた1
液型熱硬化性樹脂組成物を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 133/14 C09D 133/14 143/04 143/04 163/00 163/00 Fターム(参考) 4J036 AK11 FA13 GA04 JA09 4J038 CG141 CH171 CJ181 DG221 GA07 GA14 GA15 HA106 JA35 JA64 JA75 JB01 JB32 JC21 JC30 JC38 KA03 KA06 MA09 NA01 NA03 NA04 NA05 NA11 NA12 NA14 NA24 NA26 PA19 PB08 PB09 PB11 PC02 PC03 PC08 4J100 AL08P AL10Q AL41P AL46P BA02H BA72P CA04 CA31 HA53 JA39

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシシラン基とエポキシ基を含有
    する化合物(A)と、エポキシ基活性化触媒(B)とを
    含んでなることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 化合物(A)が、カルボキシシラン基を
    有するエチレン性不飽和単量体(a1)とエポキシ基を
    有するエチレン性不飽和単量体(a2)とを必須成分と
    して重合させてなる共重合体(A′)である、請求項1
    記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 エポキシ基活性化触媒(B)がリンを含
    む化合物である請求項1または2記載の熱硬化性樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】 さらにカップリング剤(C)を含んでな
    る請求項1、2、または3記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 カップリング剤(C)を、化合物(A)
    または共重合体(A′)100重量部当たり0.1〜3
    0重量部含んでなる請求項1〜4のいずれか1項記載の
    熱硬化性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項記載の熱硬
    化性樹脂組成物を含んでなることを特徴とする光ディバ
    イス用保護膜材料。
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