JP2003147024A - 熱硬化性樹脂組成物、光ディバイス用保護膜材料、樹脂硬化物およびカラーフィルター - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物、光ディバイス用保護膜材料、樹脂硬化物およびカラーフィルター

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JP2003147024A
JP2003147024A JP2001348666A JP2001348666A JP2003147024A JP 2003147024 A JP2003147024 A JP 2003147024A JP 2001348666 A JP2001348666 A JP 2001348666A JP 2001348666 A JP2001348666 A JP 2001348666A JP 2003147024 A JP2003147024 A JP 2003147024A
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Japan
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ethylenically unsaturated
unsaturated monomer
resin composition
thermosetting resin
group
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JP2001348666A
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Nobuo Kobayashi
伸生 小林
Hiroyuki Tokuda
博之 徳田
Hidenori Ishikawa
英宣 石川
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗布面にムラが発生しにくく塗装作業性
に優れ、加熱による着色や減量のない耐熱性に優れる硬
化塗膜が得られる熱硬化性樹脂組成物および光ディバイ
ス用保護膜材料、更にこれらを用いてなる樹脂硬化物お
よびカラーフィルターを提供すること。 【解決手段】 エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体
(a1)と、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量
体(a2)と、反応性シリル基含有エチレン性不飽和単
量体(a3)と、その他のエチレン性不飽和単量体(a
4)とを重合させて得られた共重合体(A)を含有して
なる熱硬化性樹脂組成物、この熱硬化性樹脂組成物を硬
化させてなる樹脂硬化物、前記熱硬化性樹脂組成物から
なる光ディバイス用保護膜材料、この光ディバイス用保
護膜材料からなる硬化膜を表面保護膜として有するカラ
ーフィルター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規にして有用な
る熱硬化性樹脂組成物、該熱硬化性樹脂組成物からなる
光ディバイス用保護膜材料、該熱硬化性樹脂組成物を硬
化させてなる樹脂硬化物および該光ディバイス用保護膜
材料からなる硬化膜を表面保護膜として有するカラーフ
ィルターに関する。さらに詳細には、液晶ディスプレイ
(LCD)等の表示素子のカラーフィルター等の製造に
好適な光ディバイス用保護膜材料、および該保護膜材料
を用いてなるカラーフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子や撮影素子は、ガラス、シ
リコン、プラスチックなどの基盤上に駆動用の電気配
線、スイッチング素子、色分離のためのカラーフィルタ
ー、光電変換素子などを積層して形成される。
【0003】このような素子におけるカラーフィルター
上には、電気的に絶縁し、赤・緑・青といった着色層を
平坦化し、また外的要因による素子の劣化を防止する目
的で有機塗膜による保護膜が形成される。
【0004】このような保護膜には、透明性、平坦性、
基材への接着性、強靱性、耐熱性、耐候性、耐湿性、耐
水性、耐薬品性等に優れることが要求されている。さら
に該保護膜を均一に形成させるため、例えば、スピンコ
ーターによる回転塗布法を用いた場合の塗装適性や、塗
布ムラ等が発生した場合の塗膜除去のためのアルカリ溶
液による洗浄性も良好であることが要求されている。
【0005】これらの要求特性を備えた保護膜材料とし
て特開昭60−217230号公報では、エポキシ基含
有重合体に多価カルボン酸無水物および多価カルボン酸
とシランカップリング剤を混合したものが提案されてい
る。しかしながら、この方法は、塗装する直前に主剤で
あるエポキシ基含有重合体と硬化剤である多価カルボン
酸無水物および/または多価カルボン酸を混合する2液
型であるため、作業が煩雑であり、また速やかに使用し
なければならない。
【0006】また、特開平06−157716号公報で
は、分子中にカルボキシル基とエポキシ基とを有する共
重合体を有機溶剤に溶解してなる、シランカップリング
剤を含有してもよい1液型の熱硬化性樹脂組成物が、更
に、特開平11−335510号公報では、分子中にカ
ルボキシシラン基とグリシジル基とを有する共重合体と
カップリング剤とを含有する1液型の熱硬化性樹脂組成
物が提案されている。しかしながら、上記した方法は、
いずれも基材との密着性を確保するために、カップリン
グ剤を添加すると、低分子量成分であるカップリング剤
の混入により、塗布面にムラが発生しやすく、加熱によ
る着色や減量があり、良好な塗面状態の硬化塗膜が得に
くく、塗膜の耐熱性に劣るという傾向があり、満足なも
のは得られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、塗布面にムラが発生しにくく塗装作業性に
優れ、加熱による着色や減量のない耐熱性に優れる硬化
塗膜が得られる熱硬化性樹脂組成物および光ディバイス
用保護膜材料、更にこれらを用いてなる樹脂硬化物およ
びカラーフィルターを提供することにある。なかでも好
ましくは、耐熱性と共に耐スパッタリング性にも優れる
硬化塗膜が得られる熱硬化性樹脂組成物および光ディバ
イス用保護膜材料と、これらを用いてなるカラーフィル
ターを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、エポキシ基を有す
るエチレン性不飽和単量体(a1)と、ブロックされて
いてもよいカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単
量体(a2)と、反応性シリル基を有するエチレン性不
飽和単量体(a3)と、その他の共重合可能なエチレン
性不飽和単量体(a4)とを重合させて得られた共重合
体(A)を含有してなる熱硬化性樹脂組成物、好ましく
はエポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(a1)
の一部乃至全部が脂環式エポキシ基を有するエチレン性
不飽和単量体(a12)である熱硬化性樹脂組成物、こ
の熱硬化性樹脂組成物からなる光ディバイス用保護膜材
料、更にこれらを用いてなる樹脂硬化物およびカラーフ
ィルターは、カップリング剤の添加がなくとも前記課題
を解決することが可能となることを見いだし、本発明を
完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、エポキシ基を有するエチ
レン性不飽和単量体(a1)と、ブロックされていても
よいカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体
(a2)と、反応性シリル基を有するエチレン性不飽和
単量体(a3)と、その他の共重合可能なエチレン性不
飽和単量体(a4)とを重合させて得られた共重合体
(A)を含有してなることを特徴とする、熱硬化性樹脂
組成物を提供するものである。
【0010】また、本発明は、前記熱硬化性樹脂組成物
からなることを特徴とする、光ディバイス用保護膜材料
を提供するものである。
【0011】更に、本発明は、前記熱硬化性樹脂組成物
を硬化させてなることを特徴とする、樹脂硬化物を提供
するものである。
【0012】更にまた、本発明は、前記光ディバイス用
保護膜材料からなる硬化膜を表面保護膜として有するこ
とを特徴とする、カラーフィルターを提供するものであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明で用いるエポキシ基を有するエチレン性不飽和単
量体(a1)としては、例えば、下記一般式(1)
【化1】 (式中、R1、R2は、同一でも異なっていてもよく、炭
素原子数が1〜18のアルキル基、フェニル基、アリル
基または水素原子であり、nは1〜5の整数を示す。)
で表される化合物(a11)や、脂環式エポキシ基を有
するエチレン性不飽和単量体(a12)が挙げられる。
【0014】前記一般式(1)で表される化合物(a1
1)としては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジ
ル、α−メチル(メタ)アクリル酸グリシジル、α−エ
チル(メタ)アクリル酸グリシジル、α−n−プロピル
(メタ)アクリル酸グリシジル、α−n−ブチル(メ
タ)アクリル酸グリシジル等のグリシジル基含有(メ
タ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸−3,4
−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸−4,5−エポ
キシペンチル、(メタ)アクリル酸−6,7−エポキシ
ペンチル、α−エチル(メタ)アクリル酸−6,7−エ
ポキシペンチル等の(メタ)アクリル酸エポキシアルキ
ルなどが挙げられ、なかでもグリシジル基含有(メタ)
アクリル酸エステルが好ましく、(メタ)アクリル酸グ
リシジルが特に好ましい。
【0015】また、前記脂環式エポキシ基を有するエチ
レン性不飽和単量体(a12)としては、例えば、(メ
タ)アクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシル、ラ
クトン変性(メタ)アクリル酸−3,4−エポキシシク
ロヘキシル等の(メタ)アクリル酸エポキシシクロヘキ
シル;ビニルシクロヘキセンオキシド等のビニルシクロ
アルキルオキシドなどが挙げられ、なかでも(メタ)ア
クリル酸エポキシシクロヘキシルが好ましく、(メタ)
アクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルが特に好
ましい。
【0016】本発明で用いる共重合体(A)を重合する
際、単量体組成中に、これらエポキシ基を有するエチレ
ン性不飽和単量体(a1)を単独でも2種以上を含んで
も良い。
【0017】本発明で用いる共重合体(A)を重合する
際、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(a
1)の一部乃至全部として、前記脂環式エポキシ基を有
するエチレン性不飽和単量体(a12)を用いること
が、耐スパッタリング性に優れる硬化塗膜が得られるこ
とから好ましい。なかでも、耐スパッタリング性に優れ
る硬化塗膜が耐熱性の低下なしに得られることから、エ
ポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(a1)中
に、脂環式エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体
(a12)を含有率が5〜60モル%となる範囲で含有
させたものがより好ましく、10〜40モル%となる範
囲で含有させたものが特に好ましい。また、これらのよ
うに、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(a
1)の一部として前記脂環式エポキシ基を有するエチレ
ン性不飽和単量体(a12)を用いる場合、その他のエ
ポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体として、前記
一般式(1)で表される化合物(a11)を併用するこ
とが好ましい。
【0018】本発明で用いるブロックされていてもよい
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(a
2)としては、ブロックされていないカルボキシル基を
有するエチレン性不飽和単量体(a21)とブロックさ
れたカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体
(a22)とが挙げられ、共重合体(A)の製造に際し
て、カルボキシル基とエポキシ基の反応によるゲル化が
起こりにくく、製造が容易で、貯蔵安定性に優れる熱硬
化性樹脂組成物および光ディバイス用保護膜材料が得ら
れることや、塗布不良等が発生しても、完全硬化前であ
ればアルカリ溶液による洗浄が可能なことから、ブロッ
クされたカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量
体(a22)が好ましい。
【0019】ブロックされていないカルボキシル基を有
するエチレン性不飽和単量体(a21)としては、例え
ば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸等の不飽和一塩基
酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和二塩
基酸などが挙げられ、なかでも不飽和一塩基酸が好まし
く、メタクリル酸が特に好ましい。
【0020】また、ブロックされたカルボキシル基を有
するエチレン性不飽和単量体(a22)としては、アミ
ンによりブロックされたアミド基、アルコールによりブ
ロックされたエステル基、ビニルエーテルによりブロッ
クされたアセタールエステル基、シラノールによりブロ
ックされたカルボキシシラン基等のブロックされたカル
ボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体が挙げら
れ、なかでも、カルボキシシラン基を有するエチレン性
不飽和単量体が好ましい。
【0021】前記カルボキシシラン基を有するエチレン
性不飽和単量体としては、なかでも、下記一般式(2)
【化2】 (式中R、RおよびR は、同一でも異なってい
てもよく、炭素原子数が1〜18のアルキル基、フェニ
ル基、アリル基または水素原子を示す。)で表されるカ
ルボキシシラン基を有するエチレン性不飽和単量体が好
ましい。
【0022】前記カルボキシシラン基を有するエチレン
性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸
トリメチルシラン等のトリアルキルシランを有する(メ
タ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸ジエチルシラン等
のジアルキルシランを有する(メタ)アクリル酸;(メ
タ)アクリル酸トリフェニルシラン、(メタ)アクリル
酸トリアリルシラン等が挙げられ、なかでも、トリアル
キルシランを有する(メタ)アクリル酸が好ましく、
(メタ)アクリル酸トリメチルシランが特に好ましい。
【0023】本発明で用いる共重合体(A)を重合する
際、単量体組成中に、これらブロックされていてもよい
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(a
2)を単独でも2種以上含んでも良い。
【0024】本発明では、基材との密着性を確保し、か
つ低分子量成分の混合による樹脂組成物の不安定化や形
成される塗膜状態の悪化を防ぐために、反応性シリル基
を有するエチレン性不飽和単量体(a3)を共重合体
(A)を重合する際に用いる。共重合体(A)が有する
反応性シリル基は、基材との密着に関与するだけでな
く、この反応性シリル基同士や、他の官能基との反応に
も関与するため、形成された塗膜はより強固なものとな
り、耐熱性や耐水性などの保護膜特性を向上させるとい
う点において優れる。
【0025】前記反応性シリル基を有するエチレン性不
飽和単量体(a3)としては、例えば、β−(メタ)ア
クリロキシエチルトリメトキシシラン、β−(メタ)ア
クリロキシエチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)ア
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)
アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等の(メタ)
アクリロキシアルキルトリアルコキシシラン;ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニ
ルトリアルコキシシラン等が挙げられ、なかでも反応性
シリル基の反応性が高く、安定性も良好なことから、
(メタ)アクリロキシアルキルトリアルコキシシランが
好ましく、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメト
キシシランが特に好ましい。
【0026】本発明で用いる共重合体(A)を重合する
際、単量体組成中に、これら反応性シリル基を有するエ
チレン性不飽和単量体(a3)を単独でも2種以上含ん
でも良い。
【0027】本発明で用いるその他の共重合可能なエチ
レン性不飽和単量体(a4)としては、例えば、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸
ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アク
リル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)ア
クリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、
(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸
ステアリル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メ
タ)アクリル酸ドコシル等の炭素原子数1〜22のアル
キル基を持つ(メタ)アクリル酸エステル;
【0028】(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メ
タ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸ジシ
クロペンテニルオキシエチル等の脂環式のアルキル基を
有するアクリル酸エステル;テトラヒドロフルフリルア
ルコールとεーカプロラクトン付加物の(メタ)アクリ
ル酸エステル;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アク
リル酸グリセロール、ラクトン変性(メタ)アクリル酸
ヒドロキシエチル等の末端に水酸基を有する(メタ)ア
クリル酸エステル;
【0029】(メタ)アクリル酸ベンゾイルオキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸
フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシジエ
チレングリコール、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ
−3−フェノキシプロピル等の芳香環を有するアクリル
酸エステル;(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコー
ル、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール等の
ポリアルキレングリコール基を有する(メタ)アクリル
酸エステル;フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フ
マル酸ジブチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジブ
チル、フマル酸メチルエチル、フマル酸メチルブチル、
イタコン酸メチルエチル等の不飽和ジカルボン酸エステ
ル;
【0030】スチレン、α−メチルスチレン、クロロス
チレン等のスチレン系化合物;ブタジエン、イソプレ
ン、ピペリレン、ジメチルブタジエン等のジエン系化合
物;塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビ
ニリデン等のハロゲン化ビニルやハロゲン化ビニリデ
ン;メチルビニルケトン、ブチルビニルケトン等の不飽
和ケトン;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステ
ル;メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等の
ビニルエーテル;アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、シアン化ビニリデン等のシアン化ビニル;アクリル
アミドやそのアルキド置換アミド;N−フェニルマレイ
ミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレ
イミド;
【0031】トリフロロエチルアクリレート、テトラフ
ロロプロピルアクリレート、オクタフロロペンチルアク
リレート、ヘプタデカフロロデシルアクリレート、パー
フルオロエチルオキシエチル(メタ)アクリレート等の
炭素原子数1〜18の(パー)フルオロアルキル基を有
する(パー)フルオロアルキル(メタ)アクリレートな
どに代表されるフッ素含有(メタ)アクリル酸エステ
ル;ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルア
ミノエチルメタクリレート等のアミノ基を有する(メ
タ)アクリル酸エステル;2−メタクリロイロキシエチ
ルアシッドホスフェートに代表されるリンを有する(メ
タ)アクリル酸エステルなどが挙げられ、これらは、そ
れぞれ単独でも2つ以上を併用してもよい。
【0032】前記その他の共重合可能なエチレン性不飽
和単量体(a4)のなかでは、アルキル基を持つ(メ
タ)アクリル酸エステル、スチレン系化合物、末端に水
酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル、フッ素を有
する(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、スチレン
を必須成分とし、更に必要に応じてアルキル基を持つ
(メタ)アクリル酸エステル、末端に水酸基を有する
(メタ)アクリル酸エステル、フッ素を有する(メタ)
アクリル酸エステル等を併用することが特に好ましい。
【0033】本発明で用いる共重合体(A)を重合する
際に用いる前記単量体の使用割合としては、エポキシ基
を有するエチレン性不飽和単量体(a1)が通常30〜
80重量%、好ましくは40〜70重量%、ブロックさ
れていてもよいカルボキシル基を有するエチレン性不飽
和単量体(a2)が通常5〜40重量%、好ましくは1
0〜30重量%、反応性シリル基を有するエチレン性不
飽和単量体(a3)が通常0.1〜20重量%、好まし
くは0.5〜10重量%、その他の共重合可能なエチレ
ン性不飽和単量体(a4)が通常5〜40重量%、好ま
しくは10〜30重量%〔(a1)〜(a4)の合計を
100重量%とする。〕である。
【0034】なお、エポキシ基を有するエチレン性不飽
和単量体(a1)として、脂環式エポキシ基を有するエ
チレン性不飽和単量体(a12)を含有率が5〜60モ
ル%となる範囲で含有させたものを用い、かつ、ブロッ
クされていてもよいカルボキシル基を有するエチレン性
不飽和単量体(a2)として、ブロックされたカルボキ
シル基を有するエチレン性不飽和単量体(a22)を用
いる場合の単量体の使用割合としては、耐熱性と耐スパ
ッタリング性に優れ、しかも、完全硬化前であればアル
カリ水溶液による洗浄が容易なことから、エポキシ基を
有するエチレン性不飽和単量体(a1)が40〜70重
量%、ブロックされたカルボキシル基を有するエチレン
性不飽和単量体(a22)が10〜30重量%、反応性
シリル基を有するエチレン性不飽和単量体(a3)が
0.5〜10重量%、その他の共重合可能なエチレン性
不飽和単量体(a4)が10〜30重量%であることが
好ましい。
【0035】本発明で用いる共重合体(A)の数平均分
子量は、耐熱性に優れ、平滑な塗膜が得られることか
ら、1,500〜20,000であることが好ましく、
さらに2,000〜10,000であることが特に好ま
しい。
【0036】本発明の共重合体(A)の共重合方法は、
特に限定されず、付加重合によるランダム共重合、ブロ
ック共重合、グラフト共重合等のいずれでもよく、また
共重合方法も溶液重合法、乳化重合法等のいずれでもよ
い。なかでも、付加重合によるランダム共重合を溶液重
合法にて行うことが好ましい。
【0037】本発明では、1)耐水性等の物性面におい
て好ましくない影響を及ぼす未反応官能基の削減、2)
反応点の増加による、より強固な架橋構造の導入、3)
熱硬化時に要するエネルギーの削減、等の目的で、エポ
キシ基活性化触媒を用いてもよい。エポキシ基活性化触
媒として具体的には、求電子試薬、求核試薬等が挙げら
れる。
【0038】求電子試薬とは、一般にエポキシ基の酸素
原子に対して求電子的反応を起こす効果を有する化合物
であって、例えば、カルボン酸、フェノール、などのプ
ロトン酸、フッ化ホウ素、塩化マグネシウム等のルイス
酸等が挙げられる。
【0039】また、求核試薬とは、一般にエポキシ基の
炭素原子に対して求核的反応を起こす効果を有する化合
物であって、例えば、ジエチレントリアミンなどの第一
級アミン、メタフェニレンジアミンなどの第二級アミ
ン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェ
ノール、ベンジルジメチルアミン、1,8−ジアザビシ
クロ(5,4,0)ウンデカン(DBU)などの第三級
アミン等のアミン類;2−メチル−4−エチルイミダゾ
ール等のイミダゾール類;テトラメチルホスホニウムブ
ロマイド、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類;
フェニルセレン等の有機セレン類等が挙げられる。これ
らのエポキシ基活性化触媒は、それぞれ単独で用いても
2つ以上を併用して使用してもよい。
【0040】これらのうち、第三級アミン類、イミダゾ
ール類、ホスフィン類は、それ自身が組成物に組み込ま
れれることなく、触媒的に利用されるため好ましい。な
かでも、イミダゾール類、ホスフィン類は、常温におい
てはエポキシ基を有する化合物との混合状態でも触媒効
果を発揮せず、特定の温度を与えることにより容易に触
媒効果を発揮するという熱潜在性を有することから、保
存安定性が要求される1液型の熱硬化性樹脂組成物とし
てより好ましい。特にホスフィン類は、熱による着色が
低く、さらに熱潜在性能も高いため、光ディバイス用保
護膜材料用途のなかでもカラーフィルター用保護膜材料
用途として、より好ましい。
【0041】エポキシ活性化触媒の配合量は、触媒とし
ての効果を十分発揮させかつ、保存安定性、基体との接
着性などの塗膜物性を良好に保つため、共重合体(A)
100重量部当たり0.01〜10重量部の範囲であ
り、好ましくは0.03〜5重量部の範囲であり、なか
でも0.05〜3重量部であることが特に好ましい。
【0042】本発明の熱硬化性樹脂組成物および光ディ
バイス用保護膜材料には、必要に応じて、多価カルボン
酸およびその酸無水物、エポキシ化合物;酸化防止剤、
紫外線吸収剤等の安定剤;レベリング剤等の各種の添加
剤などを、透明性を損なわない範囲で添加することがで
きる。なお、塗膜の目的によって透明性が求められない
場合には、顔料、塗料、充填剤等を配合することもでき
る。
【0043】多価カルボン酸としては、例えば、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、ブタンテトラカルボン
酸、マレイン酸、イタコン酸等の脂肪族多価カルボン
酸;ヘキサヒドロフタル酸、1,2−シクロヘキサンカ
ルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、
シクロペンタンテトラカルボン酸等の脂環式多価カルボ
ン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメ
リット酸、ピロメリット酸、1,4,5,8−ナフタレ
ンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸
等を挙げることができる。
【0044】多価カルボン酸無水物としては、例えば、
無水フタル酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シ
トラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバ
リル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、
無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸等
の脂肪酸ジカルボン酸無水物;1,2,3,4−ブタン
テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカル
ボン酸二無水物等の脂肪族多価カルボン酸二無水物;無
水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸無水物;エチレングリコールビ
ストリメリテイト、グリセリントリストリメテイト等の
エステル基含有酸無水物等を挙げることができる。
【0045】また、このカルボン酸無水物としては、市
販の無色の酸無水物からなるエポキシ樹脂硬化剤も好適
に用いることができる。具体例としては、アデカハード
ナーEH−700〔旭電化工業(株)製〕、リカシッド−
HH、同MH−700〔新日本理化(株)製〕、エピキニ
126、同YH−306、同DX−126〔油化シェル
エポキシ(株)製〕等を挙げることができる。
【0046】さらに、多価カルボン酸およびその酸無水
物としては、分子中に2個以上のカルボキシル基または
その無水物を有する樹脂でもよい。例えば、カルボキシ
ル基を有する、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエス
テル樹脂、ラクトン変性ポリエステル樹脂、ポリエステ
ルアミド樹脂、アルキド樹脂、ポリエーテル樹脂、変性
ポリエーテル樹脂、ポリチオエーテル樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリオレフィン樹
脂、エポキシ変性樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等
が挙げられる。これらの多価カルボン酸および多価カル
ボン酸無水物は、1種単独でも2種以上の組み合わせで
も用いることができる。
【0047】エポキシ化合物としては、例えば、フェノ
ール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラ
ック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノール
A・ノボラック型エポキシ樹脂や各種グリコール、アル
キレンオキシド変性エポキシ樹脂等が挙げられ、これら
は単独でも2種以上の組み合わせでも用いることができ
る。
【0048】本発明の熱硬化性樹脂組成物および光ディ
バイス用保護膜材料は、上記諸成分を均一に混合するこ
とにより得られる。これらの成分を混合する方法として
は、通常、これらの成分を適当な有機溶剤に溶解、混合
する溶剤混合法が好ましい。
【0049】溶剤混合に用いる有機溶剤としては、上記
各成分を溶解し、かつこれらの成分と反応しないもので
あれば、特に限定されるものではなく、各種の有機溶剤
を使用することができる。例えば、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチルイソ
プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、メチル−n−アミルケトン、メチル−
n−ヘキシルケトン、ジエチルケトン、エチル−n−ブ
チルケトン、ジ−n−プロピルケトン、ジイソブチルケ
トン、シクロヘキサノン、ホロン等のケトン系溶剤;
【0050】エチルエーテル、イソプロピルエーテル、
n−ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、エチレン
グリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエ
チルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、ジエチレングリコール、ジオキサン、テトラヒドロ
フラン等のエーテル系溶剤;
【0051】ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸−n−ブ
チル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロ
ピル、酢酸−nーブチル、酢酸−n−アミル、エチレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレング
リコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレング
リコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレング
リコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレング
リコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系
溶剤などが挙げられる。
【0052】熱硬化性樹脂組成物や光ディバイス用保護
膜材料を、溶剤混合により調製する場合の混合順序は特
に限定するものではなく、例えば、全成分を同時に有機
溶剤に溶解して調整してもよいし、必要に応じて各成分
を別々に同一または異種の有機溶剤に溶解して2つ以上
の溶液とし、これらの溶液を混合して調整してもよい。
【0053】熱硬化性樹脂組成物や光ディバイス用保護
膜材料として使用される溶液の濃度は、特に限定される
ものではなく、使用目的に応じて適宜選定することがで
きるが、一般的には5〜50重量%程度である。
【0054】前記のようにして調製した熱硬化性樹脂組
成物や光ディバイス用保護膜材料としての溶液を基体表
面に塗布し、加熱により硬化させることにより硬化物や
保護膜を得ることができる。塗布する方法は特に限定さ
れず、例えばスプレー法、ロールコート法、スピンコー
ターによる回転塗布法など各種の方法を用いることがで
き、特に回転塗布法にも適している点は本発明の特徴の
一つである
【0055】熱硬化条件は、熱硬化性樹脂組成物や光デ
ィバイス用保護膜材料の各成分の種類、配合割合等によ
って適宜選択されるが、通常80〜250℃で15分間
〜10時間程度である。
【0056】本発明の熱硬化性樹脂組成物や光ディバイ
ス用保護膜材料は、1液型熱硬化型樹脂組成物として使
用することができ、なかでも、ブロックされていてもよ
いカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(a
2)として、ブロックされたカルボキシル基を有するエ
チレン性不飽和単量体(a22)を用いるものは、熱に
より硬化する前の塗布板、例えば、100℃以下の予備
乾燥等の比較的温和な条件下で処理した塗布板は、炭酸
ナトリウムや水酸化ナトリウムのようなアルカリ水溶液
や、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイドのよう
な有機アルカリ液で簡単に可溶化、洗浄することもでき
る。
【0057】即ち、熱硬化性樹脂組成物や光ディバイス
用保護膜材料をスピンコーター等で塗布している最中、
あるいは塗布後のセッティング中および100℃以下で
数分の予備乾燥中に、ハジキ、塗布ムラそして異物等の
塗膜欠陥が生じた場合にアルカリ水溶液を用いて簡単に
可溶化・洗浄することにより高価な基板等の再利用が可
能となり、資源の有効利用にも寄与することができる。
炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウムの濃度は適宜決定す
ればよく、通常0.1〜5重量%の濃度のものを用い、
シャワーリングやディップ法により洗浄する。
【0058】また、本発明の熱硬化性樹脂組成物や光デ
ィバイス用保護膜材料は1液型であるため、2液型のよ
うな主剤と硬化剤との配合や混合さらには脱泡等の作業
が省かれるために作業性が優れると共に、密栓状態では
長期の貯蔵安定性に優れている。
【0059】該熱硬化性組成物や光ディバイス用保護膜
材料から得られる塗膜は、紫外から可視の領域にわたる
広い範囲の波長域において高い光線透過率を有して透明
性に優れているほか、種々の基体に対して優れた密着性
を示す。基体としては、例えば、ガラス、金属、プラス
チック等が挙げられる。
【0060】さらに、この塗膜は、平滑、強靭で、耐光
性および耐熱性に優れており、エポキシ基を有するエチ
レン性不飽和単量体(a1)の一部乃至全部として脂環
式エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(a1
2)を用いた共重合体を含有してなるものは、特に高温
・高真空下における耐スパッタリング性に優れ、また、
ブロックされていてもよいカルボキシル基を有するエチ
レン性不飽和単量体(a2)として、ブロックされたカ
ルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(a2
2)を用いた共重合体を含有してなるものは、製造工程
の諸条件に対しても安定であり、長期にわたる使用によ
っても変色などの変質を起こすこともなく、耐水性、耐
溶剤性および耐汚染性にも優れ、かつ硬度の高いもので
ある。
【0061】これらの特徴により、本発明の熱硬化性樹
脂組成物により形成される塗膜は、各種物品の基体表面
の保護塗膜として有用である。
【0062】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により
限定されるものではない。なお、以下において、部およ
び%は特に断りのない限り、すべて重量基準である。
【0063】実施例1〜5および比較例1〜2 第1表と第2表に示す配合処方で配合したモノマーおよ
び重合開始剤の混合物を、60℃に加熱されたプロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート(以後、P
GMAcと略記する。)100部中へ2時間かけて滴下
し、さらに同温度で6時間反応を継続した結果、同表に
示される数平均分子量を有する共重合体溶液(樹脂固形
分濃度50%)を得た。
【0064】次いで、実施例1〜5では、得られた各共
重合体溶液50部にPGMAc45部を加えて混合し、
熱硬化性樹脂組成物からなる光ディバイス用保護膜材料
を得た。また、比較例1と2では、得られた各共重合体
溶液50部にPGMAc45部を加えて混合した後、さ
らにγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン5部
を加えて混合し、熱硬化性樹脂組成物からなる光ディバ
イス用保護膜材料を得た。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】第1表および第2表の脚注 GMA :メタクリル酸グリシジル ECHMA :メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘ
キシル MAA :メタクリル酸 TMSM :メタクリル酸トリメチルシリル γMPTMS:γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン St :スチレン MMA :メタクリル酸メチル LHEMA :メタクリル酸ラクトン変性ヒドロキシエ
チル ADVN :2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル) γGPTMS:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン
【0068】次いで、得られた各光ディバイス用保護膜
材料を用いて、以下に説明する塗布方法と硬化方法で、
試験サンプルを作成し、評価試験を行った。結果を第3
表に示す。
【0069】(1)塗布方法:得られた各光ディバイス
用保護膜材料を、孔径0.2μmのフィルターで濾過し
た後、スピンコーターを用いて回転数1000rpmで
7秒間回転させて10cm×10cmのガラス板上に塗
布して、硬化後の塗膜厚さが2μmの各光ディバイス用
保護膜材料が塗布されたガラス板を得た。
【0070】(2)硬化方法:塗布方法(1)で各光デ
ィバイス用保護膜材料が塗布されたガラス板を、80℃
で2分間予備乾燥させ、その後230℃の恒温槽中で3
0分間熱処理をして塗膜を硬化させて、各光ディバイス
用保護膜材料の硬化塗膜を有するガラス板を得た。
【0071】(3)評価試験 塗布性試験:硬化方法(2)で得た各光ディバイス用
保護膜材料の硬化塗膜を有するガラス板の硬化塗膜の外
観を、ナトリウムランプを用いた目視により、外観に異
常がなかったものを○、塗面に若干のムラが見られたも
のを△、塗面に明らかなムラが多く見られたものを×と
評価した。
【0072】アルカリ可溶性試験:塗布方法(1)で
得た各光ディバイス用保護膜材料の硬化塗膜を有するガ
ラス板を、80℃で2分間予備乾燥した後、3時間静置
し、次いで40℃の1%炭酸ナトリウム水溶液中に2分
間浸積し、その後流水で洗浄して、塗膜の剥離・溶解性
を観察し、完全に溶解したものを○、わずかに塗膜が残
るものを△、全く溶解しないものを×と評価した。
【0073】耐熱性試験:硬化方法(2)で得た各光
ディバイス用保護膜材料の硬化塗膜を有するガラス板
を、230℃の恒温槽中10時間加熱し、加熱前後の色
変化(色差△E)を色差計〔日本電色工業(株)製ZE2
000〕で測定した。さらに、膜厚の変化(残膜率)を
接触表面粗さ計〔(株)東京精密製サーフコム550〕に
より測定した。 耐スパッタリング性試験:硬化方法(2)で得た各光
ディバイス用保護膜材料の硬化塗膜を有するガラス板
を、スパッタリング成膜装置〔日本真空(株)製SH−4
50〕を用いて酸化インジウムと酸化スズと(ITO)
からなる透明電極を硬化塗膜上に形成させ、塗膜白化や
塗膜異常を観察し、塗膜白化や塗膜異常が全くなかった
ものを○、塗膜白化や塗膜異常が若干見られたものを
△、塗膜白化や塗膜異常が明らかに見られたものを×と
評価した。
【0074】
【表3】
【0075】実施例6 10cm×10cmのガラス板の代わりに、30cm×
40cmの表面保護膜のないカラーフィルターを用いた
以外は実施例2と同様にして、光ディバイス用保護膜材
料からなる厚さ2μmの保護膜を有するカラーフィルタ
ーを得、更に、実施例2と同様の評価試験を行ったとこ
ろ、実施例2と同様の結果が得られた。
【0076】
【発明の効果】本発明の熱硬化性樹脂組成物および光デ
ィバイス用保護膜材料は、塗布面にムラが発生しにくく
塗装作業性に優れ、加熱による着色や減量のない耐熱性
に優れる硬化塗膜等の樹脂硬化物が得られる。また、こ
れらを保護塗膜材料として用いることにより、良好な保
護塗膜を有するカラーフィルター等の光ディバイスが得
られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08F 220/32 C08F 222:02 222:02 230:08 230:08) Fターム(参考) 2H091 FA02Y FB03 FB12 FC01 FC22 LA04 LA15 4J038 CG011 CG061 CG141 CH171 GA02 GA06 GA07 GA09 GA15 KA02 KA07 PA19 PB08 PB09 PC03 PC08 4J100 AJ02Q AJ08Q AJ09Q AL01R AL03S AL04S AL05S AL08P AL08R AL08S AM15R BA72 BC04 BC43 BC54 CA04 JA32 JA43

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ基を有するエチレン性不飽和単
    量体(a1)と、ブロックされていてもよいカルボキシ
    ル基を有するエチレン性不飽和単量体(a2)と、反応
    性シリル基を有するエチレン性不飽和単量体(a3)
    と、その他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体(a
    4)とを重合させて得られた共重合体(A)を含有して
    なることを特徴とする、熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 エポキシ基を有するエチレン性不飽和単
    量体(a1)の一部乃至全部が、脂環式エポキシ基を有
    するエチレン性不飽和単量体(a12)である、請求項
    1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 エポキシ基を有するエチレン性不飽和単
    量体(a1)中における脂環式エポキシ基を有するエチ
    レン性不飽和単量体(a12)の含有率が、10〜40
    モル%である、請求項2記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 共重合体(A)が、エポキシ基を有する
    エチレン性不飽和単量体(a1)と、カルボキシシラン
    基を有するエチレン性不飽和単量体と、反応性シリル基
    を有するエチレン性不飽和単量体(a3)と、その他の
    共重合可能なエチレン性不飽和単量体(a4)とを重合
    させて得られる共重合体である、請求項1記載の熱硬化
    性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 共重合体(A)を有機溶剤に溶解してな
    るものである、請求項1〜4のいずれか1項記載の熱硬
    化性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 共重合体(A)が、エポキシ基を有する
    エチレン性不飽和単量体(a1)の割合が40〜70重
    量%、ブロックされていてもよいカルボキシル基を有す
    るエチレン性不飽和単量体(a2)の割合が10〜30
    重量%と、反応性シリル基を有するエチレン性不飽和単
    量体(a3)の割合が0.5〜10重量%、及び、その
    他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体(a4)の割
    合が10〜30重量%となる割合でそれぞれ用いて得ら
    れた共重合体である、請求項5記載の熱硬化性樹脂組成
    物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項記載の熱硬
    化性樹脂組成物からなることを特徴とする、光ディバイ
    ス用保護膜材料。
  8. 【請求項8】 更に、レベリング剤と酸化防止剤とを含
    有する、請求項7記載の光ディバイス用保護膜材料。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれか1項記載の熱硬
    化性樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とする、樹
    脂硬化物。
  10. 【請求項10】 請求項7に記載の光ディバイス用保護
    膜材料からなる硬化膜を表面保護膜として有することを
    特徴とする、カラーフィルター。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008083422A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 Nof Corp カラーフィルター保護膜用の熱硬化性樹脂組成物
WO2012011710A2 (ko) * 2010-07-19 2012-01-26 주식회사 엘지화학 코팅성과 재코팅성이 우수한 열경화성 수지 조성물

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