JP2001081153A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物

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JP2001081153A
JP2001081153A JP25717399A JP25717399A JP2001081153A JP 2001081153 A JP2001081153 A JP 2001081153A JP 25717399 A JP25717399 A JP 25717399A JP 25717399 A JP25717399 A JP 25717399A JP 2001081153 A JP2001081153 A JP 2001081153A
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thermosetting resin
polymer
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Naoyuki Seike
奈緒之 清家
Eiju Konno
英寿 今野
Hidenori Ishikawa
英宣 石川
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明が解決しようとする課題は、塗装作業
性と貯蔵安定性に優れ、且つ完全硬化前であればアルカ
リ水溶液にて容易に可溶化、洗浄が可能で、しかも光沢
性、基板との接着性、平坦性及び表面平滑性に優れ、高
温、高真空下でのITO膜形成時においても優れた耐ス
パッタ性を有し、更に耐強アルカリ性と耐強酸性を合わ
せ有する硬化塗膜が容易に得られる1液型エポキシ系熱
硬化性樹脂組成物を提供することである。 【解決手段】 1個以上のブロック化されたカルボキシ
ル基と1個以上のグリシジル基とを有する重合体(I)
とブロックイソシアネート化合物(II)とを含んで成る
熱硬化性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶の表示装置あ
るいは撮影素子に用いられるカラーフィルターの保護膜
等に好適な、1個以上のブロック化されたカルボキシル
基と1個以上のグリシジル基とを含有する重合体(I)
とブロックイソシアネート化合物(II)とを含んでなる
熱硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子や固体撮影素子は、ガラス
やシリコンの基板上に駆動用の電気配線、スイッチング
素子、色分離のためのカラーフィルター、光電変換素子
などを積層して形成される。このような素子には、電気
的に絶縁化したり、平坦化したり、また外的要因による
素子の物理的な破壊を防止する目的で保護膜と呼ばれる
有機塗膜層が形成される。
【0003】この保護膜には、透明性、接着性、平滑
性、強靭性、耐熱性、耐光性、耐水性、耐薬品性等の種
々の性能が要求されると共に、該保護膜を均一に形成さ
せるため、例えばスピンコーターによる回転塗布法を用
いた場合の塗装適性等の性能が要求されている。
【0004】また該保護膜上に透明電極として酸化イン
ジウムと酸化スズとからなる薄膜(ITO)を高温、高
真空下でスパッタリング等により形成させる場合もある
ことから、高温、高真空下に耐え得る、いわゆるITO
形成時における優れた耐スパッタ性を有する保護膜が要
望されているが、通常このような保護膜は主剤と硬化剤
からなる、いわゆる2液型の熱硬化型樹脂が用いられて
いる。
【0005】即ち、該保護膜形成材料として、(メタ)
アクリル系樹脂(例えば特開昭60−216307号公
報)、エポキシ系樹脂(例えば特開平4−97102号
公報、特公平3−8652号公報)、ポリイミド系樹脂
(例えば特開平1−229203号公報)などが検討さ
れてきた。これらの樹脂のうち(メタ)アクリル系樹脂
は、接着性、耐スパッタ−性、耐熱性等の物性バランス
に問題点を有しており、これらの欠点を改良するために
多くの提案がなされてきた。
【0006】例えば、前記特開昭60−216307号
公報及び特開平4−97102号公報では、エポキシ基
含有ポリマーに多価カルボン酸無水物を混合し、加熱に
より架橋、硬化膜を形成する方法が開示されている。ま
た、特公平3−8652号公報ではエポキシ基含有ポリ
マーに多価カルボン酸無水物及び/又は多価カルボン酸
と官能性シランカップリング剤を混合し同様に加熱、架
橋せしめて硬化膜を形成させる方法が開示されている
が、いずれも主剤としてのエポキシ基含有ポリマと硬化
剤としての多価カルボン酸無水物とを一定量配合、混合
した後、塗布するいわゆる2液型塗装剤である。
【0007】しかしながら、2液型塗装剤は塗布前に主
剤と硬化剤とを配合、混合するため、配合ミスや秤量及
び混合や脱泡等の作業性が煩雑であり、更に混合後の主
剤と硬化剤の反応の進行と共に、塗装剤の粘度の上昇を
生ずるため、配合後の塗装剤は速やかに使用しなければ
ならない等の問題を有している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、塗装作業性と貯蔵安定性に優れ、且つ完全
硬化前であればアルカリ水溶液にて容易に可溶化、洗浄
が可能で、しかも光沢性、基板との接着性、平坦性及び
表面平滑性に優れ、高温、高真空下でのITO膜形成時
においても優れた耐スパッタ性を有し、更に耐強アルカ
リ性と耐強酸性を合わせ有する硬化塗膜が容易に得られ
る1液型エポキシ系熱硬化性樹脂組成物を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討を行った結果、ブロック化され
たカルボキシル基とグリシジル基を有する重合体からな
る熱硬化性樹脂組成物にブロックイソシアネート化合物
を併用することにより、前記保護膜の要求性能を満たす
ことを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明は、 (1)1個以上のブロック化されたカルボキシル基と1
個以上のグリシジル基とを有する重合体(I)とブロッ
クイソシアネート化合物(II)とを含んで成る熱硬化性
樹脂組成物と、
【0011】(2)重合体(I)が、1個以上のブロッ
ク化されたカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単
量体(A)とグリシジル基を有するエチレン性不飽和単
量体(B)とを共重合して成る重合体である(1)に記
載の熱硬化性樹脂組成物と、
【0012】(3)重合体(I)が、1個以上のブロッ
ク化されたカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単
量体(A)とグリシジル基含有エチレン性不飽和単量体
(B)とを共重合してなる成分を20重量%以上含有す
る(2)に記載の熱硬化性樹脂組成物と、
【0013】(4)更にカップリング剤(III)を含ん
でなる(1)〜(3)のいずれか一つに記載の熱硬化性
樹脂組成物と、
【0014】(5)重合体(I)100重量部当たり、
0.1〜30重量部のカップリング剤(III)を含んで
なる(4)に記載の熱硬化性樹脂組成物と、
【0015】(6)ブロックイソシアネート化合物(I
I)が、脂肪族及び/又は脂環式イソシアネートからな
る化合物である(1)〜(5)のいずれか一つに記載の
熱硬化性樹脂組成物と、
【0016】(7)重合体(I)100重量部当たり、
0.1〜50重量部のブロックイソシアネート化合物(I
I)を含んでなる(1)〜(6)のいずれか一つに記載
の熱硬化性樹脂組成物と、
【0017】(8)ブロック化されたカルボキシル基が
カルボキシシラン基である(1)〜(7)のいずれか一
つに記載の熱硬化性樹脂組成物とを含むものである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる、1個以上の
ブロック化されたカルボキシル基と1個以上のグリシジ
ル基とを有する重合体(I)のブロック化されたカルボ
キシル基(ブロック化カルボキシル基)とは、カルボキ
シル基がブロック化剤で結合、保護されたもので、通常
の条件下ではカルボキシル基としての作用は発現されな
いが、加熱や加水分解等の処理によりブロック基が解離
することによりカルボキシル基が再生され、その結果、
カルボキシル基本来の作用が発現するものを言う。
【0019】これらのブロック化されたカルボキシル基
の代表的なものを挙げれば、カルボキシシラン基、アセ
タールエステル基、ケタールエステル基、ターシャリー
アルキルエステル基等である。
【0020】これらのブロック化されたカルボキシル基
は、ブロック基の種類によりカルボキシル基の再生条件
が異なる為、その使用用途、使用条件により適宜選択す
ればよい。中でもカルボキシシラン基を用いたものは、
比較的低温でカルボキシル基を再生する為、露光・現像
により不必要な部分を容易に除去することが可能な、い
わゆるパターン形成可能なエネルギー線硬化性樹脂組成
物用に好適である。
【0021】ここで、本発明に用いられる1個以上のカ
ルボキシシラン基を有するエチレン性不飽和単量体とし
ては、1分子中にエチレン性不飽和基と少なくとも1個
以上の次式で示されるカルボキシシラン基を含有するビ
ニル系単量体である。
【0022】
【化1】
【0023】(但し、R1, R2及びR3は炭素数1〜18の
アルキル基、フェニル基、アリル基又は水素を示し、そ
れぞれ同一又は異なってもよい。)
【0024】これらの1個以上のカルボキシシラン基を
有するエチレン性不飽和単量体は、例えばトリエチルア
ミンやピリジンの如き塩酸補足剤の存在下でカルボキシ
ル基を含有するエチレン性不飽和単量体、例えばアクリ
ル酸、メタクリル酸、クマロン酸、イタコン酸、マレイ
ン酸もしくはフマル酸;マレイン酸モノアルキルエステ
ル、フマル酸モノアルキルエステルもしくはイタコン酸
モノアルキルエステル;又は水酸基を有するエチレン性
不飽和単量体と無水コハク酸もしくは無水トリメリット
酸などの酸無水物との付加物の如きカルボキシル基含有
エチレン性不飽和単量体と、
【0025】トリメチルクロルシランの如きトリアルキ
ルクロルシランやジエチルクロルシランの如きジアルキ
ルクロルシランやトリフェニルクロルシランやトリアリ
ルクロルシランの如き下記の一般式
【0026】
【化2】
【0027】(但し、R1, R2及びR3は炭素数1〜18の
アルキル基、フェニル基、アリル基又は水素を示し、そ
れぞれ同一又は異なってもよい。)で表されるシラン化
合物などを反応させて得られるエチレン性不飽和単量体
を指称するものであるが、上記製法には何等制限される
ものではない。これらのカルボキシシラン基を有するエ
チレン性不飽和単量体は、単独でも2種以上の混合で用
いても良い。
【0028】また、少なくとも1個のブロック化された
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(A)
と共重合させる少なくとも1個のグリシジル基含有する
エチレン性不飽和単量体(B)として代表的なものを挙
げれば、
【0029】(a)アクリル酸グリシジル、メタクリル
酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−
n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルア
クリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブ
チル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタク
リル酸−4,5−エポキシペンチル、アクリル酸−6,7
−エポキシペンチル、メタクリル酸−6,7−エポキシ
ペンチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシペ
ンチル等;
【0030】(b)アクリル酸−3,4−エポキシシク
ロヘキシル、メタクリル酸−3,4−エポキシシクロヘ
キシル、ラクトン変性アクリル酸−3,4−エポキシシ
クロヘキシル、ラクトン変性メタクリル酸−3,4−エ
ポキシシクロヘキシル、ビニルシクロヘキセンオキシド
等の脂環式エポキシ単量体及び分子中に2個以上の脂環
式エポキシ基を有する化合物と分子中に1個の重合性不
飽和二重結合と1個の脂環式エポキシ基と反応性を有す
る基とを合わせ持つ化合物とを反応せしめて得られるグ
リシジル基含有エチレン性不飽和単量体;
【0031】(c)下式で示されるグリシジル基含有エ
チレン性不飽和単量体であり
【0032】
【化3】
【0033】(式中、R1は水素又は低級アルキル基で
あり、R2は低級アルキル基であり、nは1〜5の整数
である) 代表的なものを例記するに止めれば、R1の低級アルキ
ル基がメチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、
アミル等で、R2が水素又はメチル基であるアリルエス
テル又はメタクリル酸エステル等が挙げられる。
【0034】上記の1個以上のブロック化されたカルボ
キシル基を有するエチレン性不飽和単量体(A)と分子
中に少なくとも1個のグリシジル基含有エチレン性不飽
和単量体(B)の使用量は両単量体の合計が単量体全体
に対し20重量%以上、好ましくは30%重量%以上、
更に好ましくは50重量%以上である。上記の両単量体
(A)及び(B)の合計が20重量%未満では望む塗膜
物性は得られないし、更に本発明の特徴であるアルカリ
可溶性が損なわれる。また、ブロック化されたカルボキ
シル基とグリシジル基との割合は各種塗膜性能及びアル
カリ洗浄性の面から、0.5〜1.5:1.0モルが好ま
しい。
【0035】上記のエチレン性不飽和単量体(A)及び
(B)は、該単量体と共重合可能な他のエチレン性不飽
和単量体と共重合して用いることができる。他のエチレ
ン性単量体として代表的なものを例記するに止めれば、
【0036】(1)アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸ヘキシル、アクリル酸ヘプシル、アクリル酸オクチ
ル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸
ドデシル、アクリル酸テトラデシル、アクリル酸ヘキサ
デシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸オクタデシ
ル、アクリル酸ドコシルなどの炭素数1〜22のアルキ
ル基を持つアクリル酸エステル、又は上記と同様のアル
キル基を有するメタクリル酸エステル、
【0037】(2)アクリル酸シクロヘキシル、アクリ
ル酸イソボロニル、アクリル酸ジシクロペンテニルオキ
シエチル等の脂環式のアルキル基を有するアクリル酸エ
ステル、又は上記と同様の脂環式のアルキル基を有する
メタクリル酸エステル等や、テトラヒドロフルフリルア
ルコールとεーカプロラクトン付加物のアクリル酸エス
テル又はメタクリル酸エステル等、
【0038】(3)アクリル酸ヒドロキエチル、アクリ
ル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸グリセロールなど
のヒドロキシアルキル基を有するアクリル酸エステル又
は上記と同様のヒドロキシアルキル基を有するメタクリ
ル酸エステルやラクトン変性アクリル酸ヒドロキシエチ
ル又はメタクリル酸レートヒドロキシエチル、
【0039】(4)アクリル酸ベンゾイルオキシエチ
ル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェノキシエチ
ル、アクリル酸フェノキシジエチレングリコール、アク
リル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル等の芳
香環を有するアクリル酸エステル、又は上記と同様の芳
香環を有するメタクリル酸エステル等、
【0040】(5)アクリル酸ポリエチレングリコー
ル、アクリル酸ポリプロピレングリコールなどのポリア
ルキレングリコール基を有するアクリル酸エステル又は
上記と同様のポリアレキレングリコール基を有するメタ
クリル酸エステル、
【0041】(6)フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチ
ル、フマル酸ジブチル、イタコン酸ジメチル、イタコン
酸ジブチル、フマル酸メチルエチル、フマル酸メチルブ
チル、イタコン酸メチルエチルなどの不飽和ジカルボン
酸エステル、
【0042】(7)スチレン、α−メチルスチレン、ク
ロロスチレンなどのスチレン誘導体、(8)ブタジエ
ン、イソプレン、ピペリレン、ジメチルブタジエンなど
のジエン系化合物、(9)塩化ビニル、臭化ビニル、フ
ッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル
やハロゲン化ビニリデン、
【0043】(10)メチルビニルケトン、ブチルビニ
ルケトンなどの不飽和ケトン、(11)酢酸ビニル、酪
酸ビニルなどのビニルエステル、(12)メチルビニル
エーテル、ブチルビニルエーテルなどのビニルエーテ
ル、
【0044】(13)アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、シアン化ビニリデンなどのシアン化ビニル、
(14)アクリルアミドやそのアルキド置換アミド、
【0045】(15)N−フェニルマレイミド、N−シ
クロヘキシルマレイミドなどのN−置換マレイミド、
(16)γーメタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シランなどのシリコンを有するアクリル酸又はメタクリ
ル酸エステルやビニルシラン及び
【0046】(17)トリフロロエチルアクリレート、
テトラフロロプロピルアクリレート、オクタフロロペン
チルアクリレート、ヘプタデカフロロデシルアクリレー
トなどのフッ素を有するアクリル酸エステル、又はメタ
クリル酸エステルなどが挙げられる。これらエチレン性
不飽和単量体(A)及び(B)と共重合可能なエチレン
性不飽和単量体は、それぞれ単独でも2つ以上の化合物
を併用して使用することができる。
【0047】上記のエチレン性不飽和単量体(A)及び
(B)で表される化合物を用いた重合体(I)の重合形
態は特に制限されず、付加重合によるランダム重合体、
ブロック重合体等のいずれでもよく、また重合方法も溶
液重合法、乳化重合法等のいずれでもよい。
【0048】上記の方法にて得られる本発明の熱硬化性
樹脂組成物に用いられる重合体(I)の分子量は、基体
に均一な塗膜を形成せしめ、更に各種塗膜性能を付与す
るために、通常ポリスチレン換算数平均分子量が200
0を越えたものが必要であり、好ましくは3000以
上、更に好ましくは5000以上である。好ましい分子
量は形成する塗膜の厚さ、塗布方法等や塗膜形成の目的
・条件に応じて適宜選択する。
【0049】数平均分子量が2000以下では期待する
に十分な塗膜性能が得られず、好ましくない。一方、数
平均分子量が50000以上なると樹脂の粘度が高くな
り、塗装方法によっては塗装作業性等が悪くなる傾向に
あるが、使用目的及び塗膜性能によって適宜選定すれば
よく、なんら上限を制限するものではない。
【0050】また、重合体(I)と併用されるブロック
イソシアネート化合物(II)としては、ポリイソシアネ
ート化合物にブロック化剤を反応せしめた化合物を用い
ることができる。ポリイソシアネート化合物を構成する
イソシアネート類としては、それら自体が公知であるよ
うなものは、いずれも使用できるが、それらのうちでも
特に代表的なもののみを例示するに止めれば、
【0051】トリレンジイソシアネート、ジフェニルメ
タン−4,4’−ジイソシアネート、キシリレンジイソ
シアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、
p−フェニレンジイソシアネート、ジベンジルジイソシ
アネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、m−
もしくはp−テトラメチルキシリレンジイソシアネー
ト、又はトリフェニルメタントリイソシアネートの如き
芳香族ジ−ないしトリイソシアネートモノマー類や、
【0052】水添トリレンジイソシアネート、水添ジフ
ェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,4−テ
トラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネー
ト、シクロヘキシル−1,4−ジイソシアネート、又は
イソホロンジイソシアネートの如き脂肪族、又は脂環式
ジイソシアネートモノマー類などが挙げられる。本発明
には、これらの単独もしくは、2種以上から構成される
ポリイソシアネートを単独もしくは、2種以上の併用し
てもよい。
【0053】あるいは、これらの各種モノマー類に基ず
く3官能以上のポリイソシアヌレート型ポリイソシアネ
ート、又はビューレット型ポリイソシアネートの如き各
種の変性ポリイソシアネート類や、更には、上掲された
如き各種のイソシアネートモノマー類や変性ポリイソシ
アネート類の1種以上と、多価アルコール、ポリウレタ
ンポリオール、アクリルポリール、ポリエステルポリオ
ール、
【0054】ラクトン変性ポリエステルポリオール、ポ
リエステルアミドポリオール、アルキドポリオール、ポ
リエーテルポリオール、変性ポリエーテルポリオール、
ポリチオエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオ
ール、ポリアセタールポリオール、ポリオレフィンポリ
オール、エポキシ変性ポリオール、
【0055】シリコンポリオール、又はフッ素ポリオー
ルの如き各種ポリヒドロキシ化合物の1種以上とをウレ
タン化反応させて得られる末端イソシアネート基を有す
るウレタン変性ポリイソシアネートプレポリマー類など
であり、これらは単独使用しても2種以上を併用しても
よい。
【0056】ポリイソシアネートの選択に当たっては、
加熱黄変性や機械的物性などを考慮した場合には、原料
イソシアネートモノマーの種類としては、脂肪族系及び
/又は脂環式系が好ましい。更に、取り扱い上の安全性
や、毒性を考慮した場合には、ポリイソシアネートとし
ては、イソシアネートモノマーと各種ポリヒドロキシ化
合物の1種以上とをウレタン化反応させて得られる末端
イソシアネート基を有するウレタン変性ポリイソシアネ
ートプレポリマー類が好ましい。
【0057】また、上記したポリイソシアネート化合物
中のイソシアネート基をブロックするブロック化剤とし
ては、活性水素を有する化合物であれば、それ自体が公
知であるようなものは、いずれも使用できるが、それら
のうちで特に代表的なもののみを例示するに止めれば、
【0058】メタノール、エタノール、n−プロピルア
ルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、
イソブタノール、t−ブタノール、2−エチルヘキサノ
ール等の各種アルコール類、メチルエチルケトオキシム
等のケトオキシム類、フェノール、ε−カプロラクタ
ム、アセト酢酸エチル、マロン酸ジエチル等であり、こ
れらは単独でも2種以上を併用してもよい。ブロック剤
の解離性や得られる塗膜の着色を考慮した場合には、ブ
ロック剤としてはメチルエチルケトオキシムやε−カプ
ロラクタムが好ましい。
【0059】ブロックイソシアネート化合物(II)は、
上記したポリイソシアネート化合物の1種以上とブロッ
ク化剤の1種以上を反応して得られるものであるが、こ
のブロックイソネート化合物(II)は加熱処理を行うこ
とにより、ブロック化剤が解離し、イソシアネート基を
再生し、活性水素化合物と反応することができる。
【0060】本発明の樹脂組成物における、ブロックイ
ソシアネート化合物(II)の配合量は、上記の重合体
(I)100重量部当たり0.1〜50重量部の範囲が好
ましく、より好ましくは0.5〜30重量部、更に好ま
しくは1.0〜20重量部である。ブロックイソシアネ
ート化合物(II)の配合量が0.1重量部未満では、形
成される塗膜の耐アルカリ性、耐酸性、耐水性及び耐溶
剤性が不十分であり、一方、50重量部を超えると耐薬
品性の向上がもはや見込めないばかりでなく、形成され
る塗膜が脆くなり、基体との接着性が低下し、更に後述
する本発明樹脂組成物の特徴であるアルカリ可溶性が低
下するため好ましくない。
【0061】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、カップリ
ング剤(III)を含有することが更に好ましい。ここ
で、カップリング剤とは、無機材料と有機材料におい
て、化学的に両者を結び付ける、あるいは化学的反応を
伴って親和性を改善し、複合系材料の機能を高める化合
物と定義するが、代表的なカップリング剤としては、シ
ラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウム系化合物
が挙げられる。それらのうちでも代表的なものを例記す
るに止めれば、
【0062】シランカップリング剤としては (1)γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメ
トキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン、(2)γ−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、(3)γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシ
シクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、
【0063】(4)γ−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン、(5)ビニルトリアセトキシシラン、ビニル
トリメトキシシラン、(6)トリメトキシシリル安息香
酸、及び(7)γ−イソシアナトプロピルトリエトキシ
シラン等やこれらシランカップリング剤等からなるオリ
ゴマーやポリマー類を挙げることができる。
【0064】チタンカップリング剤としては、テトラ−
i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、
テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、テトラス
テアロキシチタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチ
ルアセトナト)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(トリ
エタノールアミナト)チタン、ジヒドロキシ・ビス(ラ
クタト)チタン、テトラキス(2−エチルヘキサンジオ
ラト)チタン、
【0065】トリ−n−ブトキシチタンモノステアレー
ト、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イ
ソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネー
ト、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェー
ト)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチル
ホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジト
リデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−
ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデ
シル)ホスファイトチタネート、
【0066】ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オ
キシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホ
スフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオ
クタノルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソス
テアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイル
ジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチル
ホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフ
ェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチ
ル・アミノエチル)チタネート、ジクミルフェニルオキ
シアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレン
チタネート等を挙げることができる。
【0067】また、アルミニウムカップリング剤として
は、アルミニウムイソプロピレート、モノsec−ブト
キシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムs
ec−ブチレート、アルミニウムエチレート、エチルア
セトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アル
ミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキル
アセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、ア
ルミニウムモノアセチルアセテートビス(エチルアセト
アセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネ
ート)、環状アルミニウムオキサイドイソプロピレート
等を挙げることができる。
【0068】中でも、種々の基体に対して特に優れた平
滑性、接着性、耐水性及び耐溶剤性を与える点で、γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン等のエポキシ基を有するシランカップリング剤が好ま
しい。これらのカップリング剤は、1種単独、又は2種
以上組み合わせて使用することができる。
【0069】本発明の樹脂組成物における、カップリン
グ剤(III)の配合量は、重合体(I)100重量部に対
し0.1〜30重量部の範囲であり、好ましくは0.5〜
20重量部、更に好ましくは1.0〜10.0重量部であ
る。カップリング剤(III)の配合量が0.1重量部未満
では、形成される塗膜の平滑性ならび基体との接着性、
耐水性及び耐溶剤性の改善が十分ではなく、また30重
量部を越えると接着性の向上はもはや望めないばかりで
なく、形成される塗膜の硬化性が低下するため好ましく
ない。
【0070】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、重合体
(I)中に1個以上のブロック化されたカルボキシル基
と1個以上のグリシジル基とを含有することにより、1
液型熱硬化型樹脂組成物として使用することができる。
即ち、本発明の熱硬化性樹脂組成物が大気中に暴露され
ると、共重合体(I)中の1個以上のブロック化された
カルボキシル基、特にカルボキシシラン基が、空気中の
水分で加水分解されてカルボキシル基が再生され、次
に、このカルボキシル基と重合体(I)中のグリシジル
基とが反応、架橋が生じ強靭な塗膜が形成される。
【0071】また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上
記の如く空気中の水分等によりカルボキシル基が再生さ
れるが、再生したカルボキシル基とグリシジル基とが反
応する前であれば、炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウム
のようなアルカリ水溶液で簡単に可溶化、洗浄すること
ができる。
【0072】更に、本発明の熱硬化性樹脂組成物は特に
耐アルカリ性と耐酸性に優れる塗膜を形成することがで
きる。即ち、本発明の熱硬化性樹脂組成物は重合体
(I)と共にブロックイソシアネート化合物(II)を含
有しており、ブロックイソシアネート化合物(II)は、
加熱処理時にブロック化剤が解離し、フリーのイソシア
ネート基を有するポリイソシアネート化合物を再生す
る。
【0073】この再生ポリイソシアネート化合物は、重
合体(I)中のカルボキシル基とグリシジル基とがエス
テル化反応する際に生成した水酸基と反応することによ
り、従来、この水酸基に起因していた塗膜の耐薬品性の
レベルを飛躍的に向上させることができる。
【0074】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、1個以上
のブロック化されたカルボキシル基と1個以上のグリシ
ジル基とを有する重合体(I)とブロックイソシアネー
ト化合物(II)とを必須構成成分とし、必要に応じてシ
ランカップリング剤(III)を構成成分とするものであ
るが、本発明の優れた特性を損なわない範囲で、更に必
要に応じて多価カルボン酸及び/又はその酸無水物、エ
ポキシ化合物、酸化化防止剤、紫外線吸収剤等の安定剤
やレベリング剤等の各種の添加剤を添加することもでき
る。
【0075】なお、塗膜の目的によって透明性が求めら
れない場合には、顔料、塗料、充填剤等を配合すること
もできる。次に上述した多価カルボン酸及び/又はその
酸無水物として代表的なものを例記すれば、
【0076】(1)コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ブタンテトラカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸
等の脂肪族多価カルボン酸、(2)ヘキサヒドロフタル
酸、1,2−シクロヘキサンカルボン酸、1,2,4−シ
クロヘキサントリカルボン酸、シクロペンタンテトラカ
ルボン酸等の脂環式多価カルボン酸及びフタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリッ
ト酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸等を挙げることができ
る。
【0077】また、多価カルボン酸無水物の代表的なも
のを例記すれば、(1)無水フタル酸、無水イタコン
酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニル
コハク酸、無水トリカルバリル酸、無水マレイン酸、無
水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタ
ル酸、無水ハイミック酸等の脂肪酸ジカルボン酸無水
物、
【0078】(2)1,2,3,4−ブタンテトラカルボ
ン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水
物等の脂肪族多価カルボン酸二無水物、(3)無水ピロ
メリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノン
テトラカルボン酸無水物、及び(4)エチレングリコー
ルビストリメリテイト、グリセリントリストリメテイト
等のエステル基含有酸無水物等を挙げることができる。
【0079】また、このカルボン酸無水物としては、市
販の無色の酸無水物からなるエポキシ樹脂硬化剤も好適
に用いることができる。具体例としては、アデカハード
ナーEH−700(商品名(以下同じ)旭電化工業株式
会社製)、リカシッド−HH、同MH−700(新日本
理化株式会社製)、エピキニ126、同YH−306、
同DX−126(油化シェルエポキシ株式会社製)等を
挙げることができる。
【0080】更に、多価カルボン酸及びその酸無水物か
らなる群から選ばれる1種以上の化合物として、分子中
に2個以上のカルボキシル基又はその無水物を有する樹
脂でもよく、それ自体が公知であるようなものも使用で
きる。それらのうちでも特に代表的なものを例示すれ
ば、例えばカルボキシル基を有する、ウレタン樹脂、ア
クリル樹脂、ポリエステル樹脂、ラクトン変性ポリエス
テル樹脂、ポリエステルアミド樹脂、アルキド樹脂、ポ
リエーテル樹脂、変性ポリエーテル樹脂、ポリチオエー
テル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹
脂、ポリオレフィン樹脂、エポキシ変性樹脂、シリコー
ン樹脂、又はフッ素樹脂などを挙げることができる。
【0081】上記に示した多価カルボン酸及び多価カル
ボン酸無水物は、1種単独、又は2種以上組み合わせて
用いることができる。上述したエポキシ樹脂としては、
フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・
ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールA・ノボラック型エポキシ樹脂や各種グリコール、
アルキレンオキシド変性エポキシ樹脂などを挙げること
がで、1種単独、又は2種以上組み合わせて用いること
ができる。
【0082】更に、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上
記諸成分を均一に混合することにより得られる。これら
の成分を混合する方法としては、通常、これらの成分を
適当な溶媒に溶解、混合する溶剤混合法が好ましい。溶
剤混合に用いる溶媒としては、上記各成分を溶解し、か
つこれらの成分と反応しないものであれば、特に限定さ
れるものではなく、種々の溶媒を使用することができ、
代表的なものを例記するに止めれば、
【0083】(1)アセトン、メチルエチルケトン、メ
チル−n−プロピルケトン、メチルイソプロピルケト
ン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、メチル−n−アミルケトン、メチル−n−ヘキシル
ケトン、ジエチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、
ジ−n−プロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノン、ホロン等のケトン系溶媒、
【0084】(2)エチルエーテル、イソプロピルエー
テル、n−ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、エ
チレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコー
ルジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル、ジエチレングリコール、ジオキサン、テトラヒ
ドロフラン等のエーテル系溶媒、
【0085】(3)ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸−
n−ブチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イ
ソプロピル、酢酸−nーブチル、酢酸−n−アミル、エ
チレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチ
レングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエス
テル系溶媒等を挙げることができる。
【0086】本発明の熱硬化性樹脂組成物を溶媒混合に
より調製する場合の混合順序は特に特定される必要はな
く、例えば全成分を同時に溶媒に溶解して本発明組成物
の溶液を調製してもよいし、必要に応じて各成分を別々
に同一又は異種の溶媒に溶解して2つ以上の溶液とし、
これらの溶液を混合して本発明熱硬化性組成物の溶液を
調製してもよい。
【0087】本発明の熱硬化性樹脂組成物溶液の濃度
は、特に限定されるものではなく、粘度等を考慮し使用
目的に応じて適宜選定することができるが、一般に樹脂
固形分濃度が5〜50重量%程度で使用することが好ま
しい。上記のようにして調製した本発明の樹脂組成物の
溶液を基体表面に塗布し、加熱により硬化させることに
より所望の塗膜を得ることができる。
【0088】本発明の熱硬化性樹脂組成物の溶液を基体
表面に塗布する方法は特に限定されず、例えばスプレー
法、ロールコート法、回転塗布法など各種の方法を用い
ることができ、本発明の熱硬化性樹脂組成物が回転塗布
法にも適している点は本発明の特徴の一つである
【0089】本発明の熱硬化性樹脂組成物の熱硬化条件
は、樹脂組成物の各成分の種類、配合割合等によって適
宜選択されるが、通常80〜250℃で15分〜10時
間程度である。一方、本発明の熱硬化型樹脂組成物の再
生されたカルボキシル基とグリシジル基とが反応する前
であれば、該組成物を炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウ
ムのようなアルカリ水溶液で簡単に可溶化、洗浄するこ
とができる。
【0090】従って、該熱硬化型樹脂組成物をスピンナ
ー等で塗布している最中、あるいは塗布後のセッティン
グ中、又は100℃以下で数分の予備乾燥中に、ハジ
キ、塗布ムラそして異物等の塗膜欠陥が生じた場合に
は、炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウムのようなアルカ
リ水溶液を用いて、簡単に塗装物の不要部分や不良塗装
物を可溶化・洗浄することができる特徴を有している。
【0091】この特徴により高価な基板等の再利用が可
能となり、資源の有効利用にも寄与することができる。
炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウムの濃度は適宜決定す
ればよく、通常、0.1〜5%の濃度のものを用い、シ
ャワーリングやディップ法により洗浄する。
【0092】本発明の熱硬化性樹脂組成物は1液型であ
るため、2液型のような主剤と硬化剤との配合や混合、
更には脱泡等の作業が省かれるために作業性に優れると
共に、密栓状態では長期の貯蔵安定性に優れ、更に、1
00℃以下の予備乾燥等の比較的温和な条件下で処理し
た塗布板は、アルカリ水溶液等で容易に洗浄でき、基板
の回収ができる特徴を有している。
【0093】また、該熱硬化性組成物から得られる塗膜
は、紫外から可視領域にわたる広い範囲の波長域におい
て高い光線透過性を有し透明性に優れているほか、ガラ
ス、金属、プラスチック等の種々の基体に対して優れた
接着性を示す。
【0094】またこの塗膜は平滑、強靭で、耐光性及び
耐熱性に優れており、特に高温・高真空下における耐ス
パッター性に優れ、更に長期にわたる使用によっても変
色などの変質を起こすこともなく、耐アルカリ性、耐酸
性、耐水性、耐溶剤性及び耐汚染性にも優れたもので、
かつ硬度の高いものである。
【0095】これらの特徴により、本発明の熱硬化性樹
脂組成物により形成される塗膜は、各種物品の基体表面
の保護塗膜として有用であるのみならず、色分離フィル
ターの防染保護層、表面保護層等として極めて好適であ
り、色の鮮明度や明るさに優れ、信頼性の高い色分離フ
ィルターを得ることができる。
【0096】
【実施例】次に実施例によって本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。なお、以下において、部及び%は特に断りのない限
り、全て重量基準である。
【0097】〔1個以上のブロック化されたカルボキシ
ル基含有エチレン性不飽和単量体の調製〕 (合成例1)温度計、環流冷却器、撹拌機及び窒素ガス
導入口を備えた四つフラスコに、n−ヘキサンの32
0.0部、メタクリル酸の86.0部及びトリエチルアミ
ンの111.0部を仕込み、氷水で冷却下、トリメチル
クロルシランの120.0部を発熱に注意しながら30
℃以下に保ちながら滴下し、30℃で1時間反応を続け
た。 その後、トリエチルアミン塩酸塩をろ別し、ろ液
を減圧下にn−ヘキサンを除去した後、減圧蒸留にて精
製し、目的とするカルボキシシラン基含有エチレン性不
飽和単量体を得た。以後このエチレン性不飽和単量体を
〔M−1〕と略記する。
【0098】〔1個以上のカルボキシシラン基とグリシ
ジル基とを含有する重合体の調製〕 (製造例1)合成例1と同様の反応器に、プロピレング
リコールモノメチルエーテルアセテート(以後PGMA
cと略記する)の100.0部を仕込み、撹拌しながら
60℃まで昇温した後、エチレン性不飽和単量体〔M−
1〕の27.0部、メタクリル酸グリシジル(以下GM
Aと略記する)の30.0部、スチレン(以下Stと略
記する)の38.0部と2,2′−アゾビス−(2,4−
ジメチルバレロニトリル)(以下ABN−Vと略記す
る)の6.0部との混合溶解物を1時間かけて滴下し
た。
【0099】滴下後60℃にて1時間保持したのち、A
BN−Vの0.08部を加え、更に同温度で6時間反応
させた。得られた樹脂溶液の不揮発分(150℃、1時
間乾燥後の残留樹脂重量%)は47.6%、ガードナー
粘度はP−Qで溶液の酸価(試料1g中に存在する酸分
を規定の方法に基き、中和するのに要した水酸化カリウ
ムのミリグラム数)は48、ポリスチレン換算の数平均
分子量は11000であった。以後この重合体を〔P−
1〕と略記する。
【0100】(製造例2)〔同上〕 製造例1において、PGMAcの100.0部をジエチ
レングリコールジメチルエーテル(以後DMDGと略記
する)の100.0部に、GMAの30.0部をメタクリ
ル酸メチルグリシジル(以後M−GMAと略記する)の
32.5部に、Stの38.0部を35.5部に、そして
ABN−Vの6.0部を9.0部に変更した以外は、製造
例1と同様にして、不揮発分が48.2%、ガードナー
粘度がF−G、溶液酸価が48、そして数平均分子量が
5000の樹脂溶液を得た。以後この重合体を〔P−
2〕と略記する。
【0101】(製造例3)〔同上〕 製造例1において、GMAの30.0部をメタクリル酸
3,4−エポキシシクロヘキシル(以後ECHMAと略
記する)40.8部に、Stの38.0部を27.2部に
変更した以外は、製造例1と同様にして、不揮発分が4
7.2%、ガードナー粘度がJ−K、溶液酸価が49、
そして数平均分子量が10000の樹脂溶液を得た。以
後この重合体を〔P−3〕と略記する。
【0102】(製造例4)〔同上〕 製造例1において、PGMAcの100.0部をジエチ
レングリコールモノエチルエーテルアセテート(以後E
DGAと略記する)の100.0部に、Stの38.0部
をメチルメタクリレート(以後MMAと略記する)3
8.0部に、そしてABN−Vの6.0部を4.0部に変
更した以外は製造例1と同様にして、不揮発分が47.
1%、ガードナー粘度がR−S、溶液酸価が48、そし
て数平均分子量が20000の樹脂溶液を得た。以後こ
の重合体を〔P−4〕と略記する。
【0103】(製造例5)〔同上〕 製造例1において、エチレン性不飽和単量体〔M−1〕
の27.0部を34.0部に、GMAの30.0部を36.
6部に、Stの38.0部を24.4部、そしてABN−
Vの6.0部を4.0部に変更した以外は、製造例1と同
様にして、不揮発分が47.0部、ガードナー粘度がL
−M、溶液酸価が60、そして数平均分子量が2200
0の樹脂溶液を得た。以後この重合体を〔P−5〕と略
記する。
【0104】(製造例6)〔同上〕 製造例1において、ABN−Vの6部を1.0部に変更
した以外は、製造例1と同様にして、不揮発分が47.
3部、ガードナー粘度がZ−Z1、溶液酸価が48、そ
して数平均分子量が55000の樹脂溶液を得た。以後
この重合体を〔P−6〕と略記する。
【0105】(製造例7)〔同上〕 製造例1において、ABN−Vの6部を9.5部に変更
した以外は、製造例1と同様にして、不揮発分が47.
5部、ガードナー粘度がE−F、溶液酸価が48、そし
て数平均分子量が4000の樹脂溶液を得た。以後この
重合体を〔P−7〕と略記する。
【0106】(比較製造例1)〔同上〕 製造例1において、M−1の27.0部をメタクリル酸
の18.9部に、GMAの30.0部を38.0部に、
Stの38.0部をジシクロペンタニルメタクリレート
の38.0部に変更した以外は、製造例1と同様にし
て、不揮発分が48.5部、ガードナー粘度がZ2−Z
3、溶液酸価が62、そして数平均分子量が11000
の樹脂溶液を得た。以後この重合体を〔P−8〕と略記
する。
【0107】(実施例1)製造例1で得られた重合体P
−1の30.0部をガラス容器に秤取り、PGMAcの
23.0部とバーノックDB−980K(大日本インキ
化学工業株式会社製)の5.0部と、γ−グルシドキシ
プロピルトリメトキシシランの1.0部とを加え、均一
なるように希釈混合させた。かくして得られた樹脂溶液
の粘度は22mPa・sであった。
【0108】このものを、孔径0.2μmのフィルター
でろ過した後、スピンコーターを用いてガラス板上に回
転数1000rpmで7秒間回転塗布した。塗布後、ガ
ラス板を80℃で2分間予備乾燥させ、その後230℃
の恒温槽中にて30分間熱処理し塗膜を硬化させた。得
られた塗膜は表面が極めて滑らかであり、膜厚は2.4
μmであった。
【0109】以上のようにして作成した塗膜について、
以下の試験を行った。まず、上記の工程において80℃
で2分間予備乾燥した塗膜を、3時間静置した後、40
℃、1重量%の炭酸ナトリウム水溶液中に2分間浸積
し、その後流水で洗浄し、塗膜の剥離・溶解性を観察し
た。その結果、塗膜は完全に剥離・溶解しており、ガラ
ス板には樹脂等は観察されず、アルカリ可溶性が良好で
あることを確認した。
【0110】次に、上記の方法で塗布し硬化させたガラ
ス板の吸収スペクトルを、用いたガラス板そのものを基
準に測定した。350nm〜800nmの全領域におい
て光透過率は90%以上であった。
【0111】次に、上記塗布ガラス板上にITOスパッ
ター装置:ULVAC SH−450(日本真空技術株
式会社製)を用い、ターゲットに二酸化珪素/酸化イン
ジュウムが5/95(重量%)を使用して、温度230
℃、真空度10−5〜10−6torr.で30分間ス
パッターを行い外観を観察した。その結果、白化やクラ
ック等は観察されず、耐スパッター性が良好であること
を確認した。
【0112】次に、このガラス板に塗布し硬化させた塗
膜の接着性を調べるためにセロハン粘着テープによる剥
離試験を行った。その結果、剥離は全く認められなかっ
た。また、このガラス板を100℃の沸騰水中に10分
間処理した後、同様にして剥離試験を行ったが、剥離は
認められなかった。
【0113】また、上記ガラス板を40℃の10重量%
塩酸水溶液中に30分間処理した後の剥離試験でも剥離
は認められなかった。また、上記ガラス板を40℃の2
重量%水酸化ナトリウム水溶液中に30分間処理した後
の剥離試験でも剥離は認められなかった。また、上記ガ
ラス板を23℃のNーメチルー2ーピロリドン中で30
分間処理した後でも、剥離は認められなかった。
【0114】次に、耐強アルカリ性の評価を行った。上
記ガラス板を60℃の5重量%水酸化ナトリウム水溶液
中に一定時間浸漬した。塗膜の外観をハイパーマイクロ
スコープ(株式会社KEYENCE製)で1000倍で
観察し、剥がれの生じない最大時間で評価した。その結
果、120分間処理しても剥がれが生じなかった。
【0115】次に、耐強酸性の評価を行った。上記ガラ
ス板を36℃の40重量%塩化鉄(III)溶液と濃塩酸
の50:50(重量%)混合溶液中に一定時間浸漬し
た。塗膜の外観をハイパーマイクロスコープ(株式会社
KEYENCE製)で1000倍で観察し、剥がれの生
じない最大時間で評価した。その結果、18分間処理し
ても剥がれ等は生じなかった。
【0116】更に上記で配合した樹脂溶液を25℃で密
栓1ケ月保存したが、ゲル化せず粘度の変化は初期の2
2mPa・sから25mPa・sに上昇しただけであっ
た。以上の結果から、本発明の樹脂組成物は貯蔵安定性
に優れ、かつ該樹脂組成物から得られる硬化塗膜は表面
が非常に滑らかで、透明性、耐スパッター性、接着性、
耐水性、耐酸性、耐アルカリ性及び耐溶剤性に極めて優
れていることが明かである。
【0117】(実施例2)下に記載する物質を使用する
ように変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、樹
脂組成物を得た。重合体〔P−1〕の30.0部、バー
ノックDB−980K(大日本インキ化学工業株式会社
製)の2.0部、γ−グルシドキシプロピルトリメトキ
シシランの0.95部、PGMAcの23.0部を用いて
樹脂溶液を調製した。得られた樹脂溶液の粘度は23m
Pa・sであった。
【0118】次いで、実施例1と同様にして回転塗布法
によりガラス板上に塗布し、予備乾燥後の塗膜のアルカ
リ可溶性を観察した。一方、硬化後の膜厚は2.4μm
で表面が極めて滑らかな塗膜であった。得られた塗膜に
ついて実施1と同じ試験を行った結果を表1と表2に示
した。
【0119】(実施例3)下に記載する物質を使用する
ように変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、樹
脂組成物を得た。重合体〔P−1〕の30.0部、バー
ノックD−550(大日本インキ化学工業株式会社製)
の7.2部、γ−グルシドキシプロピルトリメトキシシ
ランの1.1部、PGMAcの23.0部を用いて樹脂溶
液を調製した。得られた樹脂溶液の粘度は22mPa・
sであった。
【0120】次いで実施例1と同様にして回転塗布法に
よりガラス板上に塗布し、予備乾燥後の塗膜のアルカリ
可溶性を観察した。一方、硬化後の膜厚は2.3μmで
表面が極めて滑らかな塗膜であった。得られた塗膜につ
いて実施1と同じ試験を行った結果を表1と表2に示し
た。
【0121】(実施例4)下に記載する物質を使用する
ように変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、樹
脂組成物を得た。重合体〔P−1〕の30.0部、デュ
ラネート170B60PX(旭化成工業株式会社製)の
7.2部、γ−グルシドキシプロピルトリメトキシシラ
ンの1.0部、PGMAcの23.0部を用いて樹脂溶液
を調製した。得られた樹脂溶液の粘度は23mPa・s
であった。
【0122】次いで実施例1と同様にして回転塗布法に
よりガラス板上に塗布し、予備乾燥後の塗膜のアルカリ
可溶性を観察した。一方、硬化後の膜厚は2.3μmで
表面が極めて滑らかな塗膜であった。得られた塗膜につ
いて実施1と同じ試験を行った結果を表1に示した。
【0123】(実施例5)下に記載する物質を使用する
ように変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、樹
脂組成物を得た。重合体〔P−2〕の30.0部、バー
ノックD−550(大日本インキ化学工業株式会社製)
の7.0部、γ−グルシドキシプロピルトリメトキシシ
ランの1.0部、DMDGの24.0部を用いて樹脂溶
液を調製した。得られた樹脂溶液の粘度は17mPa・
sであった。
【0124】次いで実施例1と同様にして回転塗布法に
よりガラス板上に塗布し、予備乾燥後の塗膜のアルカリ
可溶性を観察した。一方、硬化後の膜厚は2.2μmで
表面が極めて滑らかな塗膜であった。得られた塗膜につ
いて実施例1と同じ試験を行った結果を表1と表2に示
した。
【0125】(実施例6)下に記載する物質を使用する
ように変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、樹
脂組成物を得た。重合体〔P−3〕の30.0部、バー
ノックD−550(大日本インキ化学工業株式会社製)
の2.0部、γ−グルシドキシプロピルトリメトキシシ
ランの0.95部、PGMAcの22.0部を用いて樹脂
溶液を調製した。得られた樹脂溶液の粘度は21mPa
・sであった。
【0126】次いで実施例1と同様にして回転塗布法に
よりガラス板上に塗布し、予備乾燥後の塗膜のアルカリ
可溶性を観察した。一方、硬化後の膜厚は2.2μmで
表面が極めて滑らかな塗膜であった。得られた塗膜につ
いて実施1と同じ試験を行った結果を表1と表2に示し
た。
【0127】(実施例7)下に記載する物質を使用する
ように変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、樹
脂組成物を得た。重合体〔P−4〕の30.0部、バー
ノックD−500(大日本インキ化学工業株式会社製)
の2.0部、γ−グルシドキシプロピルトリメトキシシ
ランの1.0部、PGMAcの22.0部を用いて樹脂溶
液を調製した。得られた樹脂溶液の粘度は24mPa・
sであった。
【0128】次いで実施例1と同様にして回転塗布法に
よりガラス板上に塗布し、予備乾燥後の塗膜のアルカリ
可溶性を観察した。一方、硬化後の膜厚は2.3μmで
表面が極めて滑らかな塗膜であった。得られた塗膜につ
いて実施例1と同じ試験を行った結果を表1と表2に示
した。
【0129】(実施例8)下に記載する物質を使用する
ように変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、樹
脂組成物を得た。重合体〔P−5〕の30.0部、バー
ノックDB−980K(大日本インキ化学工業株式会社
製)の2.0部、γ−グルシドキシプロピルトリメトキ
シシランの1.0部、PGMAcの22.0部を用いて
樹脂溶液を調製した。得られた樹脂溶液の粘度は25m
Pa・sであった。
【0130】次いで実施例1と同様にして回転塗布法に
よりガラス板上に塗布し、予備乾燥後の塗膜のアルカリ
可溶性を観察した。一方、硬化後の膜厚は2.3μmで
表面が極めて滑らかな塗膜であった。得られた塗膜につ
いて実施例1と同じ試験を行った結果を表1と表2に示
した。
【0131】(実施例9)下に記載する物質を使用する
ように変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、樹
脂組成物を得た。重合体〔P−6〕の30.0部、バー
ノックDB−980K(大日本インキ化学工業株式会社
製)の5.0部、γ−グルシドキシプロピルトリメトキ
シシランの1.0部、PGMAcの23.0部を用いて
樹脂溶液を調製した。得られた樹脂溶液の粘度は35m
Pa・sであった。
【0132】次いで実施例1と同様にして回転塗布法に
よりガラス板上に塗布し、予備乾燥後の塗膜のアルカリ
可溶性を観察した。一方、硬化後の膜厚は3.6μmで
表面が極めて滑らかな塗膜であった。得られた塗膜につ
いて実施例1と同じ試験を行った結果を表1と表2に示
した。
【0133】(実施例10)下に記載する物質を使用す
るように変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、
樹脂組成物を得た。重合体〔P−7〕の30.0部、バ
ーノックD−550(大日本インキ化学工業株式会社
製)の5.0部、γ−グルシドキシプロピルトリメトキ
シシランの1.0部、PGMAcの23.0部を用いて
樹脂溶液を調製した。得られた樹脂溶液の粘度は17m
Pa・sであった。
【0134】次いで実施例1と同様にして回転塗布法に
よりガラス板上に塗布し、予備乾燥後の塗膜のアルカリ
可溶性を観察した。一方、硬化後の膜厚は1.9μmで
表面が極めて滑らかな塗膜であった。得られた塗膜につ
いて実施1と同じ試験を行った結果を表1と表2に示し
た。
【0135】(比較例1)重合体〔P−8〕の30.0
部、γ−グルシドキシプロピルトリメトキシシランの
1.0部、PGMAcの23.0部を用いて樹脂溶液を
調製した。得られた樹脂溶液の粘度は35mPa・sで
あった。
【0136】次いで実施例1と同様にして回転塗布法に
よりガラス板上に塗布し、予備乾燥後の塗膜のアルカリ
可溶性を観察した。一方、硬化後の膜厚は3.6μmで
表面が極めて滑らかな塗膜であった。得られた塗膜につ
いて実施例1と同じ試験を行った結果を表1と表2に示
した。
【0137】
【表1】
【0138】
【表2】
【0139】
【発明の効果】本発明は、特に予備乾燥後のアルカリ洗
浄性、優れた耐熱性、透明性、接着性、耐水性、耐アル
カリ性、耐溶剤性を有し、かつ塗装作業性や表面平滑性
にも優れた硬化塗膜が作製可能であり、更に高温、高真
空下でのITO膜形成時においても優れた耐スパッタ性
を有し、更には耐強アルカリ性と耐強酸性を合わせ有す
る硬化塗膜が容易に得られるような1液型エポキシ系熱
硬化性樹脂組成物を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J034 BA03 BA07 BA08 CA03 CB03 CC03 DB03 DB04 DB05 DF01 DF02 DG01 DG27 DK02 DL01 DM01 DN01 DP03 DP18 HA02 HA07 HB08 HD01 HD03 HD04 HD05 HD12 JA01 JA42 JA44 MA17 RA07 RA13 4J038 DG101 DG191 DG301 GA01 GA02 GA03 GA06 GA07 GA08 GA09 GA10 GA12 GA15 JA23 JA47 JB01 JC14 JC22 JC24 JC32 JC34 JC35 JC36 JC38 KA03 NA01 NA04 NA11 NA12 NA14 NA23 NA24 NA26

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1個以上のブロック化されたカルボキシ
    ル基と1個以上のグリシジル基とを有する重合体(I)
    とブロックイソシアネート化合物(II)とを含んで成る
    熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 重合体(I)が、1個以上のブロック化
    されたカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体
    (A)とグリシジル基を有するエチレン性不飽和単量体
    (B)とを共重合して成る重合体である請求項1に記載
    の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 重合体(I)が、1個以上のブロック化
    されたカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体
    (A)とグリシジル基含有エチレン性不飽和単量体
    (B)とを共重合してなる成分を20重量%以上含有す
    る請求項2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 更にカップリング剤(III)を含んでな
    る請求項1〜3のいずれか一つに記載の熱硬化性樹脂組
    成物。
  5. 【請求項5】 重合体(I)100重量部当たり、0.
    1〜30重量部のカップリング剤(III)を含んでなる
    請求項4に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 ブロックイソシアネート化合物(II)
    が、脂肪族及び/又は脂環式イソシアネートからなる化
    合物である請求項1〜5のいずれか一つに記載の熱硬化
    性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 重合体(I)100重量部当たり、0.1
    〜50重量部のブロックイソシアネート化合物(II)を
    含んでなる請求項1〜6のいずれか一つに記載の熱硬化
    性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 ブロック化されたカルボキシル基がカル
    ボキシシラン基である請求項1〜7のいずれか一つに記
    載の熱硬化性樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001220498A (ja) * 2000-02-09 2001-08-14 Sumitomo Bakelite Co Ltd 液晶表示素子用シール材組成物及びそれを用いた液晶表示素子

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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