JPH07268155A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物

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JPH07268155A
JPH07268155A JP6259594A JP6259594A JPH07268155A JP H07268155 A JPH07268155 A JP H07268155A JP 6259594 A JP6259594 A JP 6259594A JP 6259594 A JP6259594 A JP 6259594A JP H07268155 A JPH07268155 A JP H07268155A
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acid
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thermosetting resin
copolymer
methyl
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Tsutomu Shimokawa
努 下川
Masayuki Endo
昌之 遠藤
Nobuo Bessho
信夫 別所
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Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、接着性、平滑性、平坦化性、強靱
性、耐熱性、透明性、耐水性、耐溶剤性、耐染色性に優
れるとともに、保存安定性に優れ、しかも低温での硬化
性にも優れた熱硬化性樹脂組成物を提供する。 【構成】 本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、(a-1)
下記の一般式[I]で示されるエポキシ基含有ラジカル
重合性化合物と、(a-2) 不飽和カルボン酸および/また
は不飽和カルボン酸無水物と、必要に応じて(a-3) 上記
の(a-2) 、(a-1) と共重合しうる他のラジカル重合性化
合物との共重合体が、有機溶剤に溶解されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱硬化性樹脂組成物に
関し、さらに詳しくは塗膜形成材料として種々の塗膜物
性特に低温硬化性に優れた熱硬化性樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路、液晶表示素子(LC
D)などの各種製品の基体表面には、一般的に、劣化お
よび損傷を防止するために保護(塗)膜が形成されてい
る。
【0003】たとえばカラー液晶表示素子(LCD)に
内蔵されるカラーフィルタは、ガラスなどの透明基板上
に、染色法、印刷法、電着法、レジスト法などの方法に
より各色画素を形成することによって製造されるが、こ
のように形成された色画素(カラーフィルタ)がその後
に加えられる各種処理によって悪影響を受けないよう
に、またカラーフィルタ表面の凹凸を少なくして平坦化
し後処理のプロセスラチチュードを高めるために、通常
カラーフィルタ表面上には保護膜が設けられる。特にカ
ラーフィルタが染色法により製造される際には、各色相
の混色を防止するために色相ごとの防染保護膜を設ける
必要がある。
【0004】このためこのような保護膜には、基体表面
への接着性に優れていることとともに、平滑性、平坦化
性、強靱性、耐熱性、透明性、耐水性、耐溶剤性、耐染
色性に優れ、さらには長期に亘って変色・変質しないな
どの性能が要求される。
【0005】このような要求を満たす材料としては、た
とえば特開昭60−217230号公報、特開昭61−
252225号公報などに開示されたグリシジルメタク
リレートを含む重合体が知られている。
【0006】ところで近年、前記のようなカラー液晶表
示素子(LCD)などを製造する場合には、軽量化およ
びコストダウンを図るため、基板材料をガラスからポリ
カーボネートなどの透明樹脂に代替する傾向にある。こ
のためこのような樹脂基板上に設けられる保護膜形成材
料は、上記のような諸性能を有するとともに、より低温
域で硬化させうる性能も有していることが好ましい。し
かしながらグリシジルメタクリレートを含む重合体は、
低温域での硬化性能に優れているとはいえない。
【0007】また従来低温硬化しうる塗膜形成材料とし
ては、メラミン樹脂が知られているが、メラミン樹脂か
ら得られる硬化膜は、硬くて脆いためクラックが入りや
すく、また透明性に劣るという問題点がある。さらに低
温硬化しうる塗膜形成材料としては光硬化性アクリル樹
脂組成物も知られているが、光硬化性アクリル樹脂組成
物は基板への接着性、耐溶剤性に劣るとともに保存安定
性に劣るという問題点がある。さらにこれらメラミン樹
脂、アクリル樹脂組成物は、いずれも平坦化性に劣って
いる。
【0008】
【発明が解決すべき課題】本発明は、上記のような従来
技術に鑑みてなされたものであり、接着性、平滑性、平
坦化性、強靱性、耐熱性、透明性、耐水性、耐溶剤性、
耐染色性に優れるとともに、保存安定性に優れ、しかも
低温での硬化性にも優れた熱硬化性樹脂組成物を提供す
ることを目的としている。
【0009】
【問題を解決するための手段】本発明に係る熱硬化性樹
脂組成物は、(a-1) 下記の一般式[I]で示されるエポ
キシ基含有ラジカル重合性化合物と、
【0010】
【化2】
【0011】(a-2) 不飽和カルボン酸および/または不
飽和カルボン酸無水物(以下「不飽和カルボン酸等」と
いう)と、必要に応じて(a-3) 上記の(a-2) 、(a-1) と
共重合しうる他のラジカル重合性化合物との共重合体
が、有機溶剤に溶解されてなることを特徴としている。
【0012】以下まず上記のような共重合体について説
明する。共重合体 本発明の熱硬化性樹脂組成物中に含まれる共重合体は、
(a-1) 一般式[I]で示されるエポキシ基含有ラジカル
重合性化合物と、(a-2) 不飽和カルボン酸等との共重合
体である。
【0013】本発明で用いられるエポキシ基を含有する
ラジカル重合性化合物(a-1) は、下記一般式[I]で示
される。
【0014】
【化3】
【0015】このようなエポキシ基を含有するラジカル
重合性化合物(a-1) としては、たとえば、o-ビニルベン
ジルグリシジルエーテル、m-ビニルベンジルグリシジル
エーテル、p-ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-
メチル-o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチ
ル-m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル-p
-ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3-ジグリシジ
ルオキシメチルスチレン、2,4-ジグリシジルオキシメチ
ルスチレン、2,5-ジグリシジルオキシメチルスチレン、
2,6-ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,4-トリグ
リシジルオキシメチルスチレン、2,3,5-トリグリシジル
オキシメチルスチレン、2,3,6ートリグリシジルオキシメ
チルスチレン、3,4,5-トリグリシジルオキシメチルスチ
レン、2,4,6-トリグリシジルオキシメチルスチレンなど
が挙げられる。
【0016】これらのうち、o-ビニルベンジルグリシジ
ルエーテル、m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、p-
ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル-o-ビニ
ルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル-m-ビニルベ
ンジルグリシジルエーテル、α-メチル-p-ビニルベンジ
ルグリシジルエーテルなどが好ましい。
【0017】これらの化合物は、2種以上組合わせて用
いることもできる。また上記のような不飽和カルボン酸
(a-2) としては、エチレン性不飽和二重結合を有する不
飽和カルボン酸が挙げられ、具体的にたとえば、メタク
リル酸、アクリル酸、クロトン酸、o-,m-,p-ビニル安
息香酸、(メタ)アクリル酸のα−位ハロアルキル、ア
ルコキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体などのモノ
カルボン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、
メサコン酸、ムコン酸、フマル酸、3-ビニルフタル酸、
4-ビニルフタル酸、1,4-シクロヘキセンジカルボン酸、
5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸、メチル-5-ノルボル
ネン-2,3-ジカルボン酸、3,4,5,6-テトラヒドロフタル
酸、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒ
ドロフタル酸などのジカルボン酸などが挙げられる。
【0018】不飽和カルボン酸無水物(a-2) としては、
マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無
水物、メサコン酸無水物、ムコン酸無水物、フマル酸無
水物、3-ビニルフタル酸無水物、4-ビニルフタル酸無水
物、1,4-シクロヘキセンジカルボン酸無水物、5-ノルボ
ルネン-2,3-ジカルボン酸無水物、メチル-5-ノルボルネ
ン-2,3-ジカルボン酸無水物、3,4,5,6-テトラヒドロフ
タル酸無水物、cis-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水
物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物などが挙げら
れる。
【0019】これらのうち、メタクリル酸、アクリル
酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イ
タコン酸、無水シトラコン酸、(メタ)アクリル酸のα
−位ハロアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、シ
アノ置換体などが好ましい。
【0020】また本発明では、不飽和カルボン酸(a-2)
として、未反応カルボン酸基を有していれば上記のよう
な不飽和カルボン酸の部分エステル化物または部分アミ
ド化物すなわち不飽和ジカルボン酸のハーフエステルま
たはハーフアミドを挙げることもできる。
【0021】このような不飽和ジカルボン酸のハーフエ
ステルまたはハーフアミドとしては、マレイン酸ハーフ
エステル、イタコン酸ハーフエステルが好ましく、特に
イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノブチルなどが好
ましい。
【0022】上記のような不飽和カルボン酸、不飽和カ
ルボン酸無水物は、2種以上組合わせて用いることもで
きる。さらに本発明で用いられる共重合体は、上記のエ
ポキシ基含有化合物(a-1) と、不飽和カルボン酸(a-2)
と、これらと共重合しうる他のラジカル重合性化合物(a
-3) との共重合体であってもよい。
【0023】このようなラジカル重合性化合物(a-3) と
しては、具体的に、スチレン、スチレンのα-,o-,m-,p-
アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ニト
ロ、シアノ、アミド、エステル誘導体、ブタジエン、2,
3-ジメチルブタジエン、イソプレン、クロロプレンなど
のジエン類、(メタ)アクリル酸−メチル、−エチル、
−n-プロピル、−i-プロピル、−n-ブチル、−sec-ブチ
ル、−ter-ブチル、−ペンチル、−ネオペンチル、−イ
ソアミル、−ヘキシル、−2-エチルヘキシル、−ラウリ
ル、−ドデシル、−シクロペンチル、−シクロヘキシ
ル、−ジシクロペンタニル、−2-メチルシクロヘキシ
ル、−ジシクロヘキシル、−イソボロニル、−アダマン
チル、−イソボロニル、−アリル、−プロパギル、−フ
ェニル、−ナフチル、−アントラセニル、−アントラキ
ノニル、−ピペロニル、−サリチル、−フリル、−フル
フリル、−テトラヒドロフリル、−ピラニル、−ベンジ
ル、−フェネシル、−クレシル、−1,1,1-トリフルオロ
エチル、−パーフルオロエチル、−パーフルオロ-n-プ
ロピル、−パーフルオロ-i-プロピル、−トリフェニル
メチル、−クミル、3-(N,N-ジメチルアミノ)プロピル、
3-(N,N-ジメチルアミノ)エチル、2-ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル類、
(メタ)アクリル酸−アミド、−N,N-ジメチルアミド、
−N,N-ジエチルアミド、−N,N-ジプロピルアミド、−N,
N-ジi-プロピルアミド、−アントラセニルアミドなどの
(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸−アニ
リド、(メタ)アクリロニトリル、アクロレイン、塩化
ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリ
デン、N-ビニルピロリドン、ビニルピリジン、酢酸ビニ
ルなどのビニル化合物、シトラコン酸ジエチル、マレイ
ン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル
などの不飽和ジカルボン酸ジエステル、N-フェニルマレ
インイミド、N-(4-ヒドロキシフェニル)マレインイミ
ド、N-(メタ)アクリロイルフタルイミド、N-アクリロ
イルフタルイミドなどの酸イミド、グリシジル(メタ)
アクリレート、α-エチルグリシジル(メタ)アクリレ
ート、α-n-プロピルグリシジル(メタ)アクリレー
ト、α-n-ブチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4
-エポキシブチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシ
ヘプチル(メタ)アクリレート、α-エチル-6,7-エポキ
シヘプチル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエ
ーテル、ビニルグリシジルエーテルなどの上記一般式
[I]中に含まれないグリシジル化合物などが挙げられ
る。
【0024】これらのうち、スチレン、スチレンのα-,
o-,m-,p-アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキ
ル、ニトロ、シアノ、アミド、エステル誘導体、ブタジ
エン、(メタ)アクリル酸の−メチル、−エチル、n-プ
ロピル、n-ブチル、−ter-ブチル、−ジシクロペンタニ
ル、アダマンチル、-2-ヒドロキシ、−ベンジルエステ
ル、グリシジル(メタ)アクリレートなどが好ましく用
いられる。
【0025】またこれらは、2種以上組み合わせて用い
てもよい。本発明で用いられる共重合体は、上記のよう
な各化合物を共重合させることにより得られ、(a-1) 式
[I]で示されるエポキシ基含有ラジカル重合性化合物
を、通常5〜95重量%好ましくは30〜80重量%の
量で、(a-2) 不飽和カルボン酸等を、通常5〜50重量
%好ましくは10〜40重量%の量で含有していること
が望ましい。
【0026】また(a-3) 他のラジカル重合性化合物は、
任意成分として含有されるが、共重合体中90重量%以
下の量で含有されていてもよい。このような共重合体
は、エポキシ基とカルボン酸基または酸無水物基とを有
しており、加熱することにより容易に架橋させることが
でき、特に加熱温度が低くても架橋させることができ
る。
【0027】本発明で用いられる共重合体は、均一な膜
を形成しうる限りその分子量は特に限定されないが、通
常ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が、2×1
3〜30×104 好ましくは5×103 〜12×10
4 であることが望ましく、塗膜厚さ、塗膜方法などに準
じて適宜選択される。
【0028】上記のような本発明で用いられる共重合体
は、(a-1) エポキシ基含有ラジカル重合性化合物と、(a
-2) 不飽和カルボン酸等と、必要に応じて(a-3) 他の重
合性化合物を、従来公知の重合方法により共重合させる
ことによって得られるが、好ましくは溶媒中で、触媒
(重合開始剤)の存在下に共重合させることによって得
られる。
【0029】この際用いられる溶媒としては、たとえば
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールな
どのアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサンな
どの環状エーテル類、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメ
チルエーテルなどのグリコールエーテル類、プロピレン
グリコール(モノ)メチルエーテルアセテート、プロピ
レングリコールプロピルエーテルアセテートなどのプロ
ピレングリコールアルキルエーテルアセテート類、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノン、4-ヒドロキシ-4-
メチル-2-ペンタノンなどのケトン類、2-ヒドロキシプ
ロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン
酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチ
ル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酸エチル、2-ヒド
ロキシ-3-メチルブタン酸メチル、3-メトキシプロピオ
ン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキ
シプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル
などのエステル類、メチルセロソルブアセテート、エチ
ルセロソルブアセテートなどのセロソルブエステル類、
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素
類、DMF(ジメチルホルムアミド)、NMPなどの非
プロトン性極性溶媒などが挙げられる。
【0030】これらの溶媒は、重合性化合物の合計10
0重量部に対して、通常20〜1000重量部の量で用
いられる。また触媒としては、一般的にラジカル重合開
始剤として知られているものを広く用いることができ、
たとえば、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-ア
ゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2'-アゾビ
ス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)などの
アゾ化合物、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパー
オキシド、t-ブチルパーオキシピバレート、1,1'-ビス
(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサンなどの有機過酸
化物および過酸化水素などを用いることができる。
【0031】ラジカル重合開始剤として過酸化物を用い
る場合には、過酸化物を還元剤とともに用いてレドック
ス型開始剤としてもよい。上記のような共重合による
と、共重合体は、通常反応生成物である共重合体を固形
分濃度で1〜85重量%の量で含む重合(反応溶媒)液
として得られる。
【0032】有機溶剤 本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、上記のような共重
合体と、この共重合体を溶解する有機溶剤とからなる。
【0033】このような有機溶剤としては、上述したよ
うな共重合体を製造する際に用いた有機溶剤(溶媒)で
あってもよく、また共重合体を製造する際に用いた有機
溶剤でなくてもよいが、下記のような有機溶剤が挙げら
れる。具体的には、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ
酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸プロピル、ヒドロキシ酢酸
ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸
ブチル、3-ヒドロキシプロピオン酸メチル、3-ヒドロキ
シプロピオン酸エチル、3-ヒドロキシプロピオン酸プロ
ピル、3-ヒドロキシプロピオン酸ブチルなどのヒドロキ
シカルボン酸エステル類、メトキシ酢酸メチル、メルト
キシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、メトキシ酢酸
ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エ
トキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、プロポキシ
酢酸メチル、プロポキシ酢酸エチル、プロポキシ酢酸プ
ロピル、プロポキシ酢酸ブチル、ブトキシ酢酸メチル、
ブトキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸プロピル、ブトキシ
酢酸ブチル、2-メトキシプロピオン酸メチル、2-メトキ
シプロピオン酸エチル、2-メトキシプロピオン酸プロピ
ル、2-メトキシプロピオン酸ブチル、2-エトキシプロピ
オン酸メチル、2-エトキシプロピオン酸エチル、2-エト
キシプロピオン酸プロピル、2-エトキシプロピオン酸ブ
チル、2-プロポキシプロピオン酸メチル、2-プロポキシ
プロピオン酸エチル、2-プロポキシプロピオン酸プロピ
ル、2-プロポキシプロピオン酸ブチル、2-ブトキシプロ
ピオン酸メチル、2-ブトキシプロピオン酸エチル、2-ブ
トキシプロピオン酸プロピル、2-ブトキシプロピオン酸
ブチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプ
ロピオン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸プロピル、
3-メトキシプロピオン酸ブチル、3-エトキシプロピオン
酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシ
プロピオン酸プロピル、3-エトキシプロピオン酸ブチ
ル、3-プロポキシプロピオン酸メチル、3-プロポキシプ
ロピオン酸エチル、3-プロポキシプロピオン酸プロピ
ル、3-プロポキシプロピオン酸ブチル、3-ブトキシプロ
ピオン酸メチル、3-ブトキシプロピオン酸エチル、3-ブ
トキシプロピオン酸プロピル、3-ブトキシプロピオン酸
ブチルなどのアルコキシカルボン酸エステル類、プロピ
レングリコール(モノ)メチルエーテル、プロピレング
リコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピ
ルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテルなど
のプロピレングリコール(モノ)アルキルエーテル類、
プロピレングリコール(モノ)メチルエーテルアセテー
ト、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、
プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プ
ロピレングリコールブチルエーテルアセテート、プロピ
レングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピ
レングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピ
レングリコールプロピルエーテルプロピオネート、プロ
ピレングリコールブチルエーテルプロピオネートなどの
プロピレングリコールアルキルエーテルエステル類、エ
チレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチ
レングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、カルビトールアセテート、ジエ
チルカルビトールなどのエチレングリコールエーテルエ
ステル類、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン、メチルイ
ソブチルケトン、ジアセトンアルコールなどのケトン類
など。
【0034】これらの有機溶剤は、2種以上組合わせて
用いることもできる。本願発明では、これらのうちで
も、共重合体の溶解性に優れている有機溶剤が好まし
く、具体的に、特に乳酸メチル、乳酸エチル、3-メトキ
シプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロ
ヘキサノン、ジアセトンアルコールなどが好適に用いら
れる。
【0035】本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、共重
合体が上記のような有機溶剤に溶解された溶液として調
製されるが、この溶液中の共重合体(固形分)濃度は、
使用目的によって適宜選択され、特に限定されるもので
はないが、通常5〜50重量%程度であることが望まし
い。
【0036】本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、上記
のような共重合体とともに必要に応じて他の成分が有機
溶剤に溶解されて含有されていてもよい。このような任
意成分について具体的に説明する。
【0037】硬化剤 上記のような共重合体は、同一分子内にエポキシ基とカ
ルボン酸基とを有しており、共重合体を単に加熱するこ
とによっても共重合体は架橋(硬化)するが、本発明に
係る熱硬化性樹脂組成物は、このような共重合体と反応
しうる硬化(架橋)剤を含有していてもよい。
【0038】硬化剤としては、具体的に、多価カルボン
酸、多価カルボン酸無水物、アミン類、酸発生剤などを
用いることができる。多価カルボン酸としては、たとえ
ば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリ
ット酸、トリメリット酸、1,4,5,8-ナフタレンテトラカ
ルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香
族多価カルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ブタンテトラカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、
イタコン酸などの脂肪族多価カルボン酸、ヘキサヒドロ
フタル酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4-シ
クロヘキサントリカルボン酸、シクロペンタンテトラカ
ルボン酸などの脂環族多価カルボン酸などが挙げられ
る。
【0039】多価カルボン酸無水物としては、たとえ
ば、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリ
ット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳
香族多価カルボン酸無水物、無水イタコン酸、無水コハ
ク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無
水トリカルバリル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒド
ロフタル酸、無水ジメチルテトラヒドロフタル酸、無水
ハイミック酸、無水ナジン酸などの脂肪族ジカルボン酸
無水物および脂環族ジカルボン酸無水物、1,2,3,4-ブタ
ンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカ
ルボン酸二無水物などの脂肪族多価カルボン酸二無水
物、エチレングリコールビストリメリテイト、グリセリ
ントリストリメリテイトなどのエステル基含有酸無水物
などが挙げられる。
【0040】また硬化剤として、カルボン酸無水物から
なる市販のエポキシ樹脂用硬化剤も好適に用いることが
でき、具体例として、アデカハードナーEH-700(旭電化
工業(株)製)、リッカシードHH、MH-700(新日本理化
(株)製)、エピキニア 126、YH-306、DX-126(油化シ
ェルエポキシ(株)製)などを用いることができる。
【0041】アミン類としては、たとえば、ピロール、
ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、インド
ール、インダゾール、キノリン、イソキノリン、ベンズ
イミダゾール、イソシアヌル酸、イミダゾール、2-メチ
ルイミダゾール、2,4-ジメチルイミダゾール、2-ヘプタ
デシルイミダゾール、4-メチル-2-フェニルイミダゾー
ル、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メ
チル-1-(2'-シアノエチル)イミダゾール、2-エチル-4-
メチル-1-[2'-(3",5"-ジアミノトリアジニル)エチル]
イミダゾールなどが挙げられる。
【0042】酸発生剤としては、たとえば、4-ヒドロキ
シフェニルジメチルスルホニウムp-トルエンスルホナー
ト、4-ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサ
フルオロアンチモネート、4-アセトキシフェニルジメチ
ルスルホニウム-p-トルエンスルホナート、4-アセトキ
シフェニルメチルベンジルスルホニウムp-トルエンスル
ホナート、4-アセトキシフェニルメチルベンジルスルホ
ニウムヘキサフルオロアンチモネートトリフェニルスル
ホニウムp-トルエンスルホナート、トリフェニルスルホ
ニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨー
ドニウムp-トルエンスルホナート、ジフェニルヨードニ
ウムトヘキサフルオロアンチモネートなどのオニウム塩
類、トリス(2,4,6) トリクロロメチル-s- トリアジン、
2-(4-クロロフェニル)-ビス(4,6-トリクロロメチ
ル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシ- β-スチリル)-
ビス(4,6-トリクロロメチル)-s-トリアジンなどのト
リハロメチルトリアジン類、ニトロベンジルトシレート
類、ベンゾイントシレート類などが挙げられる。
【0043】本発明では、硬化剤としてこれらのうち、
芳香族多価カルボン酸、芳香族多価カルボン酸無水物、
イミダゾール類、オニウム塩類などが好ましく用いられ
る。上記のような硬化剤は、2種以上組み合わせて用い
ることもできる。
【0044】本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、上記
のような硬化剤を、共重合体(固形分)100重量部に
対して0.1〜100重量部の量で好ましくは0.5〜
50重量部の量で含有していてもよい。
【0045】本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、硬化
助剤を上記のような量で含有していると、より一層硬化
反応が進行して強靱な塗膜を形成することができるため
好ましい。
【0046】なお硬化助剤の含有量が上記の100重量
部を越えると、熱硬化性樹脂組成物の塗膜は基板に対す
る密着性が低下することがあり、また均一で平滑な塗膜
を形成できないことがある。
【0047】エポキシ樹脂 本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、塗膜の平坦化性、
基板との密着性をさらに向上させることを目的として、
エポキシ樹脂(オリゴマー)を含有していてもよい。
【0048】このエポキシ樹脂としては、フェノールノ
ボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂、環式脂肪族エポキシ樹脂、脂
肪族ポリグリシジルエーテルなどが挙げられるが、具体
的にはたとえば下記のような市販品を用いることができ
る。
【0049】フェノールノボラック型エポキシ樹脂とし
ては、エピコート152、154(商品名;油化シェル
エポキシ(株)製)、EPPN 201、202(商品
名;日本化薬(株)製)など、クレゾールノボラック型
エポキシ樹脂としては、EOCN−102、103S、
104S、1020、1025、1027(商品名;日
本化薬(株)製)、エピコート180S75(商品名;
油化シェルエポキシ(株)製)など、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂としては、エピコート1001、100
2、1003、1004、1007、1009、101
0、828(商品名;油化シェルエポキシ(株)製)な
ど、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、エピコ
ート807(商品名;油化シェルエポキシ(株)製)な
ど、環式脂肪族エポキシ樹脂としては、CY−175、
177、179(商品名;チバガイギー(社)製)、E
RL−4234、4299、4221、4206(商品
名;U.U.C(社)製)、ショーダイン509(商品
名;昭和電工(株)製)、アルダライトCY−182、
192、184(商品名;チバガイギー(社)製)、エ
ピクロン200、400(商品名;大日本インキ(株)
製)、エピコート871、872(商品名;油化シェル
エポキシ(株)製)、ED−5661、5662(商品
名;セラニーズコーティング(株)製)など、脂肪族ポ
リグリシジルエーテルとしては、エポライト100M
F、200E、400E(共栄社油脂化学工業(株)
製)、エピオールTMP(日本油脂(株)製)などが挙
げられる。
【0050】これらは、2種以上組み合わせて用いるこ
ともできる。本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、上記
のようなエポキシ樹脂を、共重合体(固形分)100重
量部に対して1〜100重量部の量で好ましくは5〜5
0重量部の量で含有していてもよい。
【0051】本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、エポ
キシ樹脂を上記のような量で含有していると、塗膜の平
坦化性が充分に向上されて好ましいが、エポキシ樹脂の
含有量が上記の100重量部を越えると、塗膜の低温硬
化性が低下してしまうことがある。
【0052】接着助剤 また本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、基板との密着
性向上を目的として接着助剤を含有していてもよい。
【0053】この接着助剤としては、官能性シランカッ
プリング剤を用いることができ、具体的には、トリメト
キシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニル
トリメトキシシラン、γ−グシリドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシ
シラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシランなどを用いることができる。
【0054】これらのシランカップリング剤は、2種以
上組合わせて用いることもできる。本発明に係る熱硬化
性樹脂組成物は、上記のような接着助剤を、共重合体
(固形分)100重量部に対して0.1〜30重量部の
量で好ましくは0.5〜20重量部の量で含有していて
もよい。
【0055】本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、接着
助剤を上記のような量で含有していると、基板との密着
性に優れ、平滑性に優れた塗膜を形成することができて
好ましいが、接着助剤の量が30重量部を超えると、塗
膜の強靱性が低下することがある。
【0056】界面活性剤 本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、ストリエーション
などの塗布むらを防止する目的で、界面活性剤を含有し
ていてもよい。
【0057】このような界面活性剤しては、具体的に
は、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシ
エチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレ
イルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリ
オキエチレンアリールエーテル類、ポリエチレングリコ
ールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレ
ートなどのポリエチレングリコールジアルキルエステル
類などのノニオン系界面活性剤、エフトップEF30
1、303、352(新秋田化成(株)製)、メガファ
ックF171、172、173(大日本インキ(株)
製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム
(株)製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−
382、SC−101、102、103、104、10
5、106(旭硝子(株)製)などの弗素系界面活性
剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学
工業(株)製)、ポリフローNo.57、95(共栄油脂
化学工業(株)製)などのアクリル酸系またはメタクリ
ル酸系(共)重合体などが挙げられる。
【0058】上記のような界面活性剤は、2種以上組合
せて用いることもできる。本発明に係る熱硬化性樹脂組
成物は、上記のような界面活性剤を、共重合体(固形
分)100重量部に対して0.01〜10重量部の量で
好ましくは0.03〜1重量部の量で含有していてもよ
い。
【0059】なお本発明に係る熱硬化性樹脂組成物中の
界面活性剤の量が、共重合体100重量部に対して10
重量部を超えると、塗膜の強靱性が低下することがあ
る。多価アクリルオリゴマー 本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、塗膜の強靱性およ
び基板との密着性を向上させる目的で多価アクリルオリ
ゴマーを含有していてもよい。
【0060】このような多価アクリルオリゴマーとして
は、具体的に、アロニックスM−210、M−240、
M−6200、M−309、M−400、M−405、
M−450、M−7100、M−8030、M−806
0(東亜合成化学工業(株)製)、KAYARAD H
DDA、HX−220、R−604、TMPTA、DP
CA−20、DPCA−30、DPCA−60、DPC
A−120、V−295、V−300、V−360、V
−GPT、V−3PA、V−400(日本化薬(株)
製)などの市販品を用いることができ、これらを2種以
上組合せて用いることもできる。
【0061】本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、多価
アクリルオリゴマーを、共重合体(固形分)100重量
部に対して1〜200重量部の量で好ましくは5〜30
重量部の量で含有していてもよい。
【0062】なお本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、
多価アクリルオリゴマーを共重合体100重量部に対し
て200重量部を超える量で含有すると、溶液状態での
保存安定性が低下してしまうことがある。
【0063】本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、必要
に応じてさらに任意成分として老化防止剤、紫外線吸収
剤、消泡剤などの添加剤が有機溶剤に溶解されて、適宜
量含有されていてもよい。
【0064】また本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、
透明性が求められない塗膜を形成する用途に用いられる
場合には、顔料、染料、充填材などが配合されてもよ
い。本発明に係る熱硬化性樹脂組成物が共重合体ととも
に他の任意成分とから形成される場合には、共重合体と
他の成分は、特に限定されることのない順序で有機溶剤
に溶解されて熱硬化性樹脂組成物が調製される。たとえ
ば共重合体を含む全成分を同時に有機溶剤に溶解するこ
とにより本発明の熱硬化性樹脂組成物を調製してもよ
く、また各成分をそれぞれ別々に同一または異種の有機
溶剤に溶解して2以上の溶液とし、これらの溶液を混合
することにより本発明の熱硬化性樹脂組成物を調製して
もよい。
【0065】熱硬化性樹脂組成物の塗膜 上記のように溶液状で得られる本発明に係る熱硬化性樹
脂組成物は、スプレー法、ロールコート法、スピンコー
ト法などの各種方法によって基板表面上に塗布され、次
いで加熱硬化させることにより所望の塗膜に形成され
る。
【0066】またこのように溶液状に調製された熱硬化
性樹脂組成物は、通常孔径0.2μm程度のフィルター
で濾過されてから塗布されることが好ましい。本発明の
熱硬化性樹脂組成物からなる塗膜は、加熱温度が低温度
域であっても充分に硬化反応する。具体的に、熱硬化性
樹脂組成物の塗膜は、各成分の配合割合などによっても
異なるが、通常80〜150℃で、10分〜10時間の
条件下で加熱硬化させる。
【0067】また熱硬化性樹脂組成物中に含まれる硬化
助剤などの種類によっては、紫外線を照射した後に、上
記のような条件下で熱硬化させることもできる。このよ
うにして本発明の熱硬化性樹脂組成物から形成される塗
膜は、ガラス、金属、プラスチクスなどの種々の材料か
らなる基板に対して優れた接着性を示すとともに紫外線
領域〜可視光領域に亘る広い範囲の波長領域において高
い光線透過率を有しており、優れた透明性を示す。また
この塗膜は、平滑性、強靱性に優れ、段差構造を平坦化
性するのに適しており、さらに耐水性、耐溶剤性にも優
れるとともに長期間に亘る使用によっても変色しにく
い。
【0068】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0069】塗膜性能の評価 本発明では、実施例および比較例で得られた熱硬化性樹
脂組成物は、下記のように成膜して評価した。 (i) 成膜条件 ガラス基板(コーニング社製7059)上に、実施例ま
たは比較例で得られた熱硬化性樹脂組成物樹脂溶液を、
1.0μmの膜厚になるようにスピンコートし、120
℃のオーブン中で2時間加熱硬化させた。得られた硬化
膜について以下の評価を行った。 (ii)光線透過率 加熱硬化された塗膜を有する基板について、400nm
〜800nmの光線透過率を測定した。測定値の最小値
が95%以上であるものを○とし、95%未満であるも
のを×とした。 (iii) 接着性 加熱硬化された塗膜について碁盤目試験(JIS−K5
400)を行なった。
【0070】この試験を、加熱硬化直後、沸騰水処理
(処理時間5時間)を加えた後、トルエン加熱処理(処
理時間5時間)を加えた後のそれぞれについて行なっ
た。テープで剥離された個数(/100個中)を調べ
た。 (iv)耐熱性 加熱硬化された塗膜を有する基板を、200℃のオーブ
ン中で200時間加熱した後、塗膜のクラックの有無お
よび光線透過率を調べた。 (v) 平坦化性 最大段差高1.0μmのカラーフィルタを有する基板上
に、熱硬化性樹脂組成物を塗布して上記のように成膜
し、成膜後の最大段差高(μm)を調べた。 (vi)鉛筆硬度 加熱硬化された塗膜の表面硬度を鉛筆硬度法(JIS−
K5400)により評価した。
【0071】共重合体の合成
【0072】
【合成例1〜6】冷却管、攪拌機、窒素導入管および温
度計を装着したセパラブルフラスコに、表1に示す量の
重合性化合物、溶媒、重合開始剤を仕込み、表1に示す
条件下に反応させて、共重合体[A-1] 〜[A-6] を含む重
合体溶液を得た。なお合成例において、反応温度/反応
時間がたとえば「60/2→80/3」と表示されている場
合には、60℃で2時間反応させた後、80℃で3時間
反応させたことを意味している。
【0073】この重合体溶液の固形分濃度から、反応率
を算出した。また得られた共重合体のポリスチレン換算
重量平均分子量(Mw)を、GPC(ゲルパーミエイシ
ョンクロマトグラフィ)(東洋ソーダ(株)製HLC−
8020)を用いて測定した。結果を表1に示す。
【0074】
【合成例7】合成例1において、重合性化合物としてグ
リシジルメタクリレートのみを用いて、表1に示すよう
な条件下で反応を行なった以外は、合成例1と同様にし
てポリグリシジルメタクリレートを含む重合体溶液を調
製した。結果を表1に示す。
【0075】
【表1】
【0076】
【実施例1〜24】上記のように合成された各共重合体
[A-1] 〜[A-6] の溶液を、表2に示すような有機溶剤で
固形分濃度が14重量%になるように希釈し、さらに他
の成分を共重合体固形分100重量部に対して表2に示
すような量で添加して、攪拌し、均一な溶液とした。次
いでこの溶液を孔径0.2μmのフィルターで濾過して
熱硬化性樹脂組成物を調製した。
【0077】このようにして得られた熱硬化性樹脂組成
物から、上記のような方法で成膜した後、この塗膜を評
価観察した。結果を表2に示す。
【0078】
【比較例1〜4】実施例1において、共重合体に[A-1]
に代えて、合成例7で得られたポリグリシジルメタクリ
レートを用い、さらに表2に示すような化合物、溶剤を
用いた以外は実施例1と同様にして、熱硬化性樹脂組成
物を調製した。結果を表2に示す。
【0079】なお各表中の略称は、次の化合物、溶剤を
示す。 IB2MZ…1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、TA
…トリメリット酸、PBMS…4-アセトキシフェニルメ
チルベンジルスルホニウム-p-トルエンスルホナート、
GPSM…γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、EP…エピコート180S75(油化シェルエポキ
シ(株)製)、ML…乳酸メチル、EL…乳酸エチル、
EEP…3-メトキシプロピオン酸エチル。
【0080】
【表2】
【0081】
【合成例8〜16】冷却管、攪拌機、窒素導入管および
温度計を装着したセパラブルフラスコに、表3に示す量
の重合性化合物、溶媒、重合開始剤を仕込み、表3に示
す条件下に反応させて、共重合体[A-8] 〜[A-16]を含む
重合体溶液を得た。
【0082】この重合体溶液の固形分濃度から、反応率
を算出した。また得られた共重合体のポリスチレン換算
重量平均分子量(Mw)を、GPC(ゲルパーミエイシ
ョンクロマトグラフィ)(東洋ソーダ(株)製HLC−
8020)を用いて測定した。結果を表3に示す。
【0083】
【合成例17】合成例8において、重合性化合物として
グリシジルメタクリレートのみを用いて、表3に示すよ
うな条件下で反応を行なった以外は、合成例8と同様に
してポリグリシジルメタクリレートを含む重合体溶液を
調製した。結果を表3に示す。
【0084】
【表3】
【0085】
【実施例25〜45】上記のように合成された各共重合
体[A-8] 〜[A-16]の溶液を、表4に示すような有機溶剤
で固形分濃度が14重量%になるように希釈し、さらに
他の成分を共重合体固形分100重量部に対して表4に
示すような量で添加して、攪拌し、均一な溶液とした。
次いでこの溶液を孔径0.2μmのフィルターで濾過し
て熱硬化性樹脂組成物を調製した。
【0086】このようにして得られた熱硬化性樹脂組成
物から、上記のような方法で成膜した後、塗膜を評価観
察した。結果を表4に示す。
【0087】
【比較例5〜9】実施例25において、共重合体に[A-
8] に代えて、合成例17で得られたポリグリシジルメ
タクリレートを用い、さらに表4に示すような化合物、
溶剤を用いた以外は実施例25と同様にして、熱硬化性
樹脂組成物を得た。結果を表4に示す。
【0088】なお表中、各略称は、表2の略称と同じで
あり、PGMAはプロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテートである。
【0089】
【表4】
【0090】
【発明の効果】本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、低
温度域での硬化が可能であるとともに基体表面への接着
性に優れ、塗膜表面が平滑でかつ強靱であって耐水性、
耐溶剤性にも優れ、かつ長期間に亘って変色せず、さら
に平坦化性に優れた塗膜を形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 222/04 MLX

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a-1) 下記の一般式[I]で示されるエポ
    キシ基含有ラジカル重合性化合物と、 【化1】 (a-2) 不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン
    酸無水物と、必要に応じて(a-3) 上記の(a-2) 、(a-1)
    と共重合しうる他のラジカル重合性化合物との共重合体
    が、有機溶剤に溶解されてなることを特徴とする熱硬化
    性樹脂組成物。
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