JPH1160641A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物

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JPH1160641A
JPH1160641A JP22458597A JP22458597A JPH1160641A JP H1160641 A JPH1160641 A JP H1160641A JP 22458597 A JP22458597 A JP 22458597A JP 22458597 A JP22458597 A JP 22458597A JP H1160641 A JPH1160641 A JP H1160641A
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JP
Japan
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meth
acid
thermosetting resin
resin composition
acrylate
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Application number
JP22458597A
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English (en)
Inventor
Makoto Sugiura
誠 杉浦
Masayuki Endo
昌之 遠藤
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JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着性、平滑性、平坦化性、強靭性、耐熱
性、透明性、耐水性、耐溶剤性、耐染色性に優れるとと
もに、保存安定性に優れ、しかも低温での硬化性にも優
れた熱硬化性樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 アルコキシアルキルスチレン類、不飽和
カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物並び
にこれらの化合物と共重合しうる他のラジカル重合性化
合物との共重合体が、有機溶剤に溶解されてなる、熱硬
化性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱硬化性樹脂組成
物に関する。さらに詳しくは塗膜形成材料として種々の
塗膜物性特に低温硬化性に優れた熱硬化性樹脂組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路、液晶表示素子(LC
D)などの各種製品の基体表面には、一般的に、劣化お
よび損傷を防止するために保護(塗)膜が形成されてい
る。たとえばカラー液晶表示素子(LCD)に内蔵され
るカラーフィルタは、ガラスなどの透明基板上に、染色
法、印刷法、電着法、レジスト法などの方法により各色
画素を形成することによって製造されるが、このように
形成された色画素(カラーフィルタ)がその後に加えら
れる各種処理によって悪影響を受けないように、またカ
ラーフィルタ表面の凹凸を少なくして平坦化し後処理の
プロセスラチチュードを高めるために、通常カラーフィ
ルタ表面上には保護膜が設けられる。特にカラーフィル
タが染色法により製造される際には、各色相の混色を防
止するために色相ごとの防染保護膜を設ける必要があ
る。このためこのような保護膜には、基体表面への接着
性に優れていることとともに、平滑性、平坦化性、強靭
性、耐熱性、透明性、耐水性、耐溶剤性、耐染色性に優
れ、さらには長期に亘って変色・変質しないなどの性能
が要求される。このような要求を満たす材料としては、
たとえば特開昭60−217230号公報、特開昭61
−252225号公報などに開示されたグリシジルメタ
クリレートを含む重合体が知られている。
【0003】ところで近年、前記のようなカラー液晶表
示素子(LCD)などを製造する場合には、軽量化およ
びコストダウンを図るため、基板材料をガラスからポリ
カーボネートなどの透明樹脂に代替する傾向にある。こ
のためこのような樹脂基板上に設けられる保護膜形成材
料は、上記のような諸性能を有するとともに、より低温
域で硬化させうる性能も有していることが好ましい。し
かしながらグリシジルメタクリレートを含む重合体は、
低温域での硬化性能に優れているとはいえない。また従
来低温硬化しうる塗膜形成材料としては、メラミン樹脂
が知られているが、メラミン樹脂から得られる硬化膜
は、硬くて脆いためクラックが入りやすく、また透明性
に劣るという問題点がある。さらに低温硬化しうる塗膜
形成材料としては光硬化性アクリル樹脂組成物も知られ
ているが、光硬化性アクリル樹脂組成物は基板への接着
性、耐溶剤性に劣るとともに保存安定性に劣るという問
題点がある。さらにこれらメラミン樹脂、アクリル樹脂
組成物は、いずれも平坦化性に劣っている。
【0004】
【発明が解決すべき課題】本発明の目的は、上記のよう
な従来技術に鑑みてなされたものであり、新規な熱硬化
性樹脂組成物を提供することにある。本発明の他の目的
は、接着性、平滑性、平坦化性、強靭性、耐熱性、透明
性、耐水性、耐溶剤性、耐染色性に優れるとともに、保
存安定性に優れ、しかも低温での硬化性にも優れた熱硬
化性樹脂組成物を提供することにある。本発明のさらに
他の目的および利点は以下の説明から明らかになろう。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的および利点は、(a−1) 下記式(I)
【0006】
【化2】
【0007】(式中、R1〜R3は各々独立に、水素原子
または炭素数1〜5のアルキル基であり、R4は炭素数
1〜5のアルキル基であり、mおよびnは互に独立に1
〜5の整数である。)で表されるラジカル重合性化合物
(a−2) 不飽和カルボン酸および/または不飽和カ
ルボン酸無水物(以下「不飽和カルボン酸等」という)
と、必要に応じて(a−3) 上記(a−1)および
(a−2)の化合物と共重合しうる他のラジカル重合性
化合物との共重合体が、有機溶剤に溶解されてなること
を特徴とする熱硬化性樹脂組成物によって達成され
る。。以下まず上記共重合体について説明する。
【0008】共重合体 本発明の熱硬化性樹脂組成物中に含まれる共重合体は、
(a−1) 式(I)で示されるラジカル重合性化合物
と、(a−2) 不飽和カルボン酸等の共重合体であ
る。本発明で用いられるラジカル重合性化合物(a−
1)は、下記式(I)で示される。
【0009】
【化3】
【0010】(式中、R1〜R3は各々独立に、水素原子
または炭素数1〜5のアルキル基であり、R4は炭素数
1〜5のアルキル基であり、mおよびnは互に独立に1
〜5の整数である。)
【0011】R1〜R4が表す炭素数1〜5のアルキル基
は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。それらの
具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチ
ル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペ
ンチル基等を挙げることができる。
【0012】このようなラジカル重合性化合物(a−
1)としては、たとえば、o−ビニルベンジルメチルエ
ーテル、m−ビニルベンジルメチルエーテル、p−ビニ
ルベンジルメチルエーテル、o−ビニルベンジルエチル
エーテル、m−ビニルベンジルエチルエーテル、p−ビ
ニルベンジルエチルエーテル、o−ビニルベンジルプロ
ピルエーテル、m−ビニルベンジルプロピルエーテル、
p−ビニルベンジルプロピルエーテル、o−ビニルベン
ジルイソプロピルエーテル、m−ビニルベンジルイソプ
ロピルエーテル、p−ビニルベンジルイソプロピルエー
テル、o−ビニルベンジルブチルエーテル、m−ビニル
ベンジルブチルエーテル、p−ビニルベンジルブチルエ
ーテル、o−ビニルベンジルイソブチルエーテル、m−
ビニルベンジルイソブチルエーテル、p−ビニルベンジ
ルイソブチルエーテル、o−ビニルベンジル−tert
−ブチルエーテル、m−ビニルベンジル−tert−ブ
チルエーテル、p−ビニルベンジル−tert−ブチル
エーテル、α−メチル−o−ビニルベンジルメチルエー
テル、α−メチル−m−ビニルベンジルメチルエーテ
ル、α−メチル−p−ビニルベンジルメチルエーテル、
2,3−ジメトキシメチルスチレン、2,4−ジメトキシ
メチルスチレン、2,5−ジメトキシメチルスチレン、
2,6−ジメトキシメチルスチレン、2,3,4−トリメ
トキシメチルスチレン、2,3,5−トリメトキシメチル
スチレン、2,3,6−トリメトキシメチルスチレン、
3,4,5−トリメトキシメチルスチレン、2,4,6−ト
リメトキシメチルスチレンなどを挙げることができる。
これらのうち、o−ビニルベンジルメチルエーテル、m
−ビニルベンジルメチルエーテル、p−ビニルベンジル
メチルエーテル、o−ビニルベンジルエチルエーテル、
m−ビニルベンジルエチルエーテル、p−ビニルベンジ
ルエチルエーテルなどが好ましく用いられる。これらの
化合物(a−1)は、単独であるいは2種以上組み合わ
せて用いることができる。
【0013】また上記のような不飽和カルボン酸(a−
2)としては、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽
和カルボン酸が挙げられる。具体的としては、メタクリ
ル酸、アクリル酸、クロトン酸、o−,m−,p−ビニル
安息香酸、(メタ)アクリル酸のα−位ハロアルキル、
アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体などのモ
ノカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン
酸、メサコン酸、ムコン酸、フマル酸、3−ビニルフタ
ル酸、4−ビニルフタル酸、1,4−シクロヘキセンジ
カルボン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン
酸、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン
酸、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸、1,2,3,6
−テトラヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒドロフタル
酸などのジカルボン酸などが挙げられる。
【0014】不飽和カルボン酸無水物(a−2)として
は、例えばマレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シト
ラコン酸無水物、メサコン酸無水物、ムコン酸無水物、
フマル酸無水物、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニ
ルフタル酸無水物、1,4−シクロヘキセンジカルボン
酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無
水物、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン
酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水
物、cis−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水
物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物などが挙げら
れる。これらのうち、メタクリル酸、アクリル酸、マレ
イン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン
酸、無水シトラコン酸、(メタ)アクリル酸のα−位ハ
ロアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ置
換体などが好ましい。
【0015】また本発明では、不飽和カルボン酸(a−
2)として、未反応カルボン酸基を有していれば、上記
のような不飽和カルボン酸の部分エステル化物または部
分アミド化物すなわち不飽和ジカルボン酸のハーフエス
テルまたはハーフアミドを挙げることもできる。このよ
うな不飽和ジカルボン酸のハーフエステルまたはハーフ
アミドとしては、マレイン酸ハーフエステル、イタコン
酸ハーフエステルが好ましく、特にイタコン酸モノメチ
ル、イタコン酸モノブチルなどが好ましく用いられる。
上記のような不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水
物は、2種以上組合わせて用いることもできる。さらに
本発明で用いられる共重合体は、上記式(I)で表され
るラジカル重合性化合物(a−1)と、不飽和カルボン
酸(a−2)と、これらと共重合しうる他のラジカル重
合性化合物(a−3)との共重合体であってもよい。
【0016】このようなラジカル重合性化合物(a−
3)としては、具体的に、スチレン、スチレンのα−,
o−,m−,p−アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロ
アルキル、ニトロ、シアノ、アミド、エステル誘導体;
ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、イソプレ
ン、クロロプレンなどのジエン類;(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸−i−プロピ
ル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリ
ル酸−sec−ブチル、(メタ)アクリル酸−tert
−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アク
リル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、
(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−
エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メ
タ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸シクロペ
ンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)
アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸2
−メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロ
ヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)
アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸イソボロ
ニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸
プロパギル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)ア
クリル酸ナフチル、(メタ)アクリル酸アントラセニ
ル、(メタ)アクリル酸アントラキノニル、(メタ)ア
クリル酸ピペロニル、(メタ)アクリル酸サリチル、
(メタ)アクリル酸フリル、(メタ)アクリル酸フルフ
リル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフリル、(メ
タ)アクリル酸ピラニル、(メタ)アクリル酸ベンジ
ル、(メタ)アクリル酸フェネチル、(メタ)アクリル
酸クレジル、(メタ)アクリル酸−1,1,1−トリフル
オロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチル、
(メタ)アクリル酸パーフルオロ−n−プロピル、(メ
タ)アクリル酸パーフルオロ−i−プロピル、(メタ)
アクリル酸トリフェニルメチル、(メタ)アクリル酸ク
ミル、(メタ)アクリル酸3−(N,N−ジメチルアミ
ノ)プロピル、(メタ)アクリル酸3−(N,N−ジメ
チルアミノ)エチル、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ートなどの(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)ア
クリル酸アミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチル
アミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミド、
(メタ)アクリル酸N,N−ジプロピルアミド、(メ
タ)アクリル酸N,N−ジi−プロピルアミド、(メ
タ)アクリル酸アントラセニルアミドなどの(メタ)ア
クリル酸アミド;(メタ)アクリル酸アニリド、(メ
タ)アクリロニトリル、アクロレイン、 塩化ビニル、
塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、N
−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、酢酸ビニルなど
のビニル化合物;シトラコン酸ジエチル、マレイン酸ジ
エチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルなどの
不飽和ジカルボン酸ジエステル;およびN−フェニルマ
レインイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイ
ンイミド、N−(メタ)アクリロイルフタルイミド、N
−アクリロイルフタルイミドなどの酸イミド化合物など
が挙げられる。
【0017】これらのうち、スチレン、スチレンのα
−,o−,m−,p−アルキル、アルコキシ、ハロゲン、
ハロアルキル、ニトロ、シアノ、アミド、エステル誘導
体、ブタジエン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピ
ル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリ
ル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸ジシクロ
ペンタニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシ、(メタ)アクリル酸ベ
ンジルエステルなどが好ましく用いられる。またこれら
は、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0018】本発明で用いられる共重合体は、上記のよ
うな各化合物を共重合させることにより得られ、(a−
1)式(I)で示されるラジカル重合性化合物に由来す
る重合単位を、通常5〜95重量%、好ましくは15〜
80重量%の量で、そして(a−2)不飽和カルボン酸
等に由来する重合単位を、通常5〜50重量%、好まし
くは10〜40重量%の量で含有していることが望まし
い。また(a−3)他のラジカル重合性化合物に由来す
る重合単位は、任意成分として含有されるが、共重合体
中90重量%以下の量で含有されることができる。この
ような共重合体は、加熱することにより容易に架橋させ
ることができ、また、特に加熱温度が低くても架橋させ
ることができる。
【0019】本発明で用いられる共重合体は、均一な膜
を形成しうる限りその分子量は特に限定されないが、通
常ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が、2×1
3〜30×104、好ましくは5×103〜12×104
であることが望ましく、塗膜厚さ、塗膜方法などに準じ
て適宜選択される。上記のような本発明で用いられる共
重合体は、(a−1)式(I)で示されるラジカル重合
性化合物と、(a−2)不飽和カルボン酸等と、必要に
応じて(a−3)他の重合性化合物を、従来公知の重合
方法により共重合させることによって得られるが、好ま
しくは溶媒中で、触媒(重合開始剤)の存在下に共重合
させることによって得られる。
【0020】この際用いられる溶媒としては、たとえば
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールな
どのアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサンな
どの環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメ
チルエーテルなどのグリコールエーテル類;プロピレン
グリコール(モノ)メチルエーテルアセテート、プロピ
レングリコールプロピルエーテルアセテートなどのプロ
ピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−
4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン類;2−ヒド
ロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチ
ルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプ
ロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酸
エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピ
オン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−
エトキシプロピオン酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、乳酸メチル、乳酸エチルなどのエステル類;メチル
セロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートな
どのセロソルブエステル類;ベンゼン、トルエン、キシ
レンなどの芳香族炭化水素類;DMF(ジメチルホルム
アミド)、NMPなどの非プロトン性極性溶媒などが挙
げられる。これらの溶媒は、重合性化合物の合計100
重量部に対して、通常20〜1000重量部の量で用い
られる。
【0021】また触媒としては、一般的にラジカル重合
開始剤として知られているものを広く用いることがで
き、たとえば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリ
ル、[2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル):以下ADVNという]、2,2’−アゾビス
(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、
[ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネ
ート):以下V−601という]などのアゾ化合物;ベ
ンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、t−
ブチルパーオキシピバレート、1,1’−ビス(t−ブ
チルパーオキシ)シクロヘキサンなどの有機過酸化物お
よび過酸化水素などを用いることができる。ラジカル重
合開始剤として過酸化物を用いる場合には、過酸化物を
還元剤とともに用いてレドックス型開始剤としてもよ
い。上記のような共重合によると、共重合体は、通常反
応生成物である共重合体を固形分濃度で1〜85重量%
の量で含む重合(反応溶媒)液として得られる。
【0022】有機溶剤 本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、上記のような共重
合体と、この共重合体を溶解する有機溶剤とからなる。
このような有機溶剤としては、上述したような共重合体
を製造する際に用いた有機溶剤(溶媒)であってもよ
く、また共重合体を製造する際に用いた有機溶剤以外の
有機溶剤であってもよい。かかる有機溶剤としては、具
体的には、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチ
ル、ヒドロキシ酢酸プロピル、ヒドロキシ酢酸ブチル、
乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、
3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプ
ロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロピ
ル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチルなどのヒドロキ
シカルボン酸エステル類;メトキシ酢酸メチル、メトキ
シ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、メトキシ酢酸ブ
チル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エト
キシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、プロポキシ酢
酸メチル、プロポキシ酢酸エチル、プロポキシ酢酸プロ
ピル、プロポキシ酢酸ブチル、ブトキシ酢酸メチル、ブ
トキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸プロピル、ブトキシ酢
酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メト
キシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プ
ロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキ
シプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチ
ル、2−エトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシ
プロピオン酸ブチル、2−プロポキシプロピオン酸メチ
ル、2−プロポキシプロピオン酸エチル、2−プロポキ
シプロピオン酸プロピル、2−プロポキシプロピオン酸
ブチル、2−ブトキシプロピオン酸メチル、2−ブトキ
シプロピオン酸エチル、2−ブトキシプロピオン酸プロ
ピル、2−ブトキシプロピオン酸ブチル、3−メトキシ
プロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチ
ル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシ
プロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチ
ル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプ
ロピオン酸プロピル、3−エトキシプロピオン酸ブチ
ル、3−プロポキシプロピオン酸メチル、3−プロポキ
シプロピオン酸エチル、3−プロポキシプロピオン酸プ
ロピル、3−プロポキシプロピオン酸ブチル、3−ブト
キシプロピオン酸メチル、3−ブトキシプロピオン酸エ
チル、3−ブトキシプロピオン酸プロピル、3−ブトキ
シプロピオン酸ブチルなどのアルコキシカルボン酸エス
テル類、 プロピレングリコール(モノ)メチルエーテ
ル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレン
グリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブ
チルエーテルなどのプロピレングリコール(モノ)アル
キルエーテル類;プロピレングリコール(モノ)メチル
エーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエー
テルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテ
ルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルア
セテート、プロピレングリコールメチルエーテルプロピ
オネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピ
オネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロ
ピオネート、プロピレングリコールブチルエーテルプロ
ピオネートなどのプロピレングリコールアルキルエーテ
ルエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル
アセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルア
セテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、カルビトール
アセテート、ジエチルカルビトールなどのエチレングリ
コールエーテルエステル類;シクロヘキサノン、2−ヘ
プタノン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコ
ールなどのケトン類など。
【0023】これらの有機溶剤は、2種以上組合わせて
用いることもできる。本願発明では、これらのうちで
も、共重合体の溶解性に優れている有機溶剤が好まし
く、具体的に、特に乳酸メチル、乳酸エチル、3−メト
キシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エ
チル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シク
ロヘキサノン、ジアセトンアルコールなどが好適に用い
られる。
【0024】本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、共重
合体が上記のような有機溶剤に溶解された溶液として調
製される。この溶液中の共重合体(固形分)濃度は、使
用目的によって適宜選択され、特に限定されるものでは
ないが、通常5〜50重量%程度であることが望まし
い。本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、上記のような
共重合体とともに必要に応じて他の成分が有機溶剤に溶
解されて含有されていてもよい。このような任意成分に
ついて具体的に説明する。
【0025】硬化剤 上記のような共重合体は、同一分子内にエポキシ基とカ
ルボン酸基とを有しており、共重合体を単に加熱するこ
とによっても共重合体は架橋(硬化)するが、本発明に
係る熱硬化性樹脂組成物は、このような共重合体と反応
しうる硬化(架橋)剤を含有していてもよい。
【0026】硬化剤としては、具体的に、多価カルボン
酸、多価カルボン酸無水物、アミン類、酸発生剤などを
用いることができる。多価カルボン酸としては、たとえ
ば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリ
ット酸、トリメリット酸、1,4,5,8−ナフタレンテ
トラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸など
の芳香族多価カルボン酸;コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、ブタンテトラカルボン酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸などの脂肪族多価カルボン酸;ヘキサヒ
ドロフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、
1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、シクロペン
タンテトラカルボン酸などの脂環族多価カルボン酸など
が挙げられる。
【0027】多価カルボン酸無水物としては、たとえ
ば、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリ
ット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳
香族多価カルボン酸無水物;無水イタコン酸、無水コハ
ク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無
水トリカルバリル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒド
ロフタル酸、無水ジメチルテトラヒドロフタル酸、無水
ハイミック酸、無水ナジン酸などの脂肪族ジカルボン酸
無水物および脂環族ジカルボン酸無水物;1,2,3,4-
ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテト
ラカルボン酸二無水物などの脂肪族多価カルボン酸二無
水物;エチレングリコールビストリメリテイト、グリセ
リントリストリメリテイトなどのエステル基含有酸無水
物などが挙げられる。
【0028】また硬化剤として、カルボン酸無水物から
なる市販のエポキシ樹脂用硬化剤も好適に用いることが
でき、具体例として、アデカハードナーEH−700
(旭電化工業(株)製)、リッカシードHH、MH−7
00(新日本理化(株)製)、エピキニア 126、Y
H−306、DX−126(油化シェルエポキシ(株)
製)などを用いることができる。
【0029】アミン類としては、たとえば、ピロール、
ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、インド
ール、インダゾール、キノリン、イソキノリン、ベンズ
イミダゾール、イソシアヌル酸、イミダゾール、2−メ
チルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2
−ヘプタデシルイミダゾール、4−メチル−2−フェニ
ルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾー
ル、2−エチル−4−メチル−1−(2’−シアノエチ
ル)イミダゾール、2−エチル−4−メチル−1−
[2’−(3”,5”−ジアミノトリアジニル)エチ
ル]イミダゾールなどが挙げられる。
【0030】酸発生剤としては、たとえば、4−ヒドロ
キシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホ
ナート、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム
ヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニ
ルジメチルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、
4−アセトキシフェニルメチルベンジルスルホニウムp
−トルエンスルホナート、4−アセトキシフェニルメチ
ルベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネー
ト、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホナー
ト、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモ
ネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホナ
ート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモ
ネートなどのオニウム塩類、トリス(2,4,6) トリ
クロロメチル−s−トリアジン、2−(4−クロロフェ
ニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリ
アジン、2−(4−メトキシ− β−スチリル)−ビス
(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジンなどの
トリハロメチルトリアジン類、ニトロベンジルトシレー
ト類、ベンゾイントシレート類などが挙げられる。
【0031】本発明では、硬化剤としてこれらのうち、
芳香族多価カルボン酸、芳香族多価カルボン酸無水物、
イミダゾール類、オニウム塩類などが好ましく用いられ
る。上記のような硬化剤は、2種以上組み合わせて用い
ることもできる。本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、
上記のような硬化剤を、共重合体(固形分)100重量
部に対して、好ましくは0.1〜100重量部の量で、
より好ましくは0.5〜50重量部の量で含有すること
ができる。本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、硬化助
剤を上記のような量で含有していると、より一層硬化反
応が進行して強靭な塗膜を形成することができるため好
ましい。なお硬化助剤の含有量が上記の100重量部を
越えると、熱硬化性樹脂組成物の塗膜は基板に対する密
着性が低下することがあり、また均一で平滑な塗膜を形
成できないことがある。
【0032】エポキシ樹脂 本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、塗膜の平坦化性、
基板との密着性をさらに向上させることを目的として、
エポキシ樹脂(オリゴマー)を含有していてもよい。こ
のエポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポ
キシ樹脂、環式脂肪族エポキシ樹脂、脂肪族ポリグリシ
ジルエーテルなどが挙げられるが、具体的にはたとえば
下記のような市販品を用いることができる。
【0033】フェノールノボラック型エポキシ樹脂とし
ては、エピコート152、154(商品名;油化シェル
エポキシ(株)製)、EPPN 201、202(商品
名;日本化薬(株)製)など;クレゾールノボラック型
エポキシ樹脂としては、EOCN−102、103S、
104S、1020、1025、1027(商品名;日
本化薬(株)製)、エピコート180S75(商品名;
油化シェルエポキシ(株)製)など;ビスフェノールA
型エポキシ樹脂としては、エピコート1001、100
2、1003、1004、1007、1009、101
0、828(商品名;油化シェルエポキシ(株)製)な
ど;ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、エピコ
ート807(商品名;油化シェルエポキシ(株)製)な
ど;環式脂肪族エポキシ樹脂としては、CY−175、
177、179(商品名;チバガイギー(社)製)、E
RL−4234、4299、4221、4206(商品
名;U.U.C(社)製)、ショーダイン509(商品
名;昭和電工(株)製)、アラルダイトCY−182、
192、184(商品名;チバガイギー(社)製)、エ
ピクロン200、400(商品名;大日本インキ(株)
製)、エピコート871、872(商品名;油化シェル
エポキシ(株)製)、ED−5661、5662(商品
名;セラニーズコーティング(株)製)など;脂肪族ポ
リグリシジルエーテルとしては、エポライト100M
F、200E、400E(共栄社油脂化学工業(株)
製)、エピオールTMP(日本油脂(株)製)などが挙
げられる。これらは、2種以上組み合わせて用いること
もできる。
【0034】本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、上記
のようなエポキシ樹脂を、共重合体(固形分)100重
量部に対して、好ましくは1〜100重量部の量で、よ
り好ましくは5〜50重量部の量で含有することができ
る。本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂
を上記のような量で含有していると、塗膜の平坦化性が
充分に向上されて好ましいが、エポキシ樹脂の含有量が
上記の100重量部を越えると、塗膜の低温硬化性が低
下してしまうことがある。
【0035】接着助剤 また本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、基板との密着
性向上を目的として接着助剤を含有していてもよい。こ
の接着助剤としては、官能性シランカップリング剤を用
いることができ、具体的には、トリメトキシシリル安息
香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、β
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
キシシランなどを用いることができる。これらのシラン
カップリング剤は、2種以上組合わせて用いることもで
きる。
【0036】本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、上記
のような接着助剤を、共重合体(固形分)100重量部
に対して0.1〜30重量部の量で好ましくは0.5〜2
0重量部の量で含有していてもよい。本発明に係る熱硬
化性樹脂組成物は、接着助剤を上記のような量で含有し
ていると、基板との密着性に優れ、平滑性に優れた塗膜
を形成することができて好ましい。接着助剤の量が30
重量部を超えると、塗膜の強靭性が低下することがあ
る。
【0037】界面活性剤 本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、ストリエーション
などの塗布むらを防止する目的で、界面活性剤を含有し
ていてもよい。このような界面活性剤しては、具体的に
は、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシ
エチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレ
イルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリ
オキエチレンアリールエーテル類、ポリエチレングリコ
ールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレ
ートなどのポリエチレングリコールジアルキルエステル
類などのノニオン系界面活性剤;エフトップEF30
1、303、352(新秋田化成(株)製)、メガファ
ックF171、172、173(大日本インキ(株)
製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム
(株)製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−
382、SC−101、102、103、104、10
5、106(旭硝子(株)製)などの弗素系界面活性
剤;オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学
工業(株)製)ポリフローNo.57、95(共栄油脂
化学工業(株)製)などのアクリル酸系またはメタクリ
ル酸系(共)重合体などが挙げられる。上記のような界
面活性剤は、2種以上組合せて用いることもできる。
【0038】本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、上記
のような界面活性剤を、共重合体(固形分)100重量
部に対して10重量部以下の量で、好ましくは1重量部
以下の量で含有することができる。なお、本発明に係る
熱硬化性樹脂組成物中の界面活性剤の量が、共重合体1
00重量部に対して10重量部を超えると、塗膜の強靭
性が低下することがある。
【0039】多価アクリルオリゴマー 本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、塗膜の強靭性およ
び基板との密着性を向上させる目的で多価アクリルオリ
ゴマーを含有していてもよい。このような多価アクリル
オリゴマーとしては、具体的に、アロニックスM−21
0、M−240、M−6200、M−309、M−40
0、M−405、M−450、M−7100、M−80
30、M−8060(東亜合成化学工業(株)製)、K
AYARAD HDDA、HX−220、R−604、
TMPTA、DPCA−20、DPCA−30、DPC
A−60、DPCA−120、V−295、V−30
0、V−360、V−GPT、V−3PA、V−400
(日本化薬(株)製)などの市販品を用いることができ
る。これらは、単独であるいは2種以上組合せて用いる
ことができる。
【0040】本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、多価
アクリルオリゴマーを、共重合体(固形分)100重量
部に対して200重量部以下の量で、好ましくは30重
量部以下の量で含有することができる。なお、本発明に
係る熱硬化性樹脂組成物は、多価アクリルオリゴマーを
共重合体100重量部に対して200重量部を超える量
で含有すると、溶液状態での保存安定性が低下すること
がある。
【0041】本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、必要
に応じてさらに任意成分として老化防止剤、紫外線吸収
剤、消泡剤などの添加剤を有機溶剤に溶解された状態
で、適宜量含有していてもよい。また本発明に係る熱硬
化性樹脂組成物は、透明性が求められない塗膜を形成す
る用途に用いられる場合には、顔料、染料、充填材など
を配合されてもよい。本発明に係る熱硬化性樹脂組成物
が共重合体とともに他の任意成分とから形成される場合
には、共重合体と他の成分は、特に限定されることのな
い順序で有機溶剤に溶解されて熱硬化性樹脂組成物に調
製される。たとえば共重合体を含む全成分を同時に有機
溶剤に溶解することにより本発明の熱硬化性樹脂組成物
を調製してもよく、また各成分をそれぞれ別々に同一ま
たは異種の有機溶剤に溶解して2以上の溶液とし、これ
らの溶液を混合することにより本発明の熱硬化性樹脂組
成物を調製してもよい。
【0042】熱硬化性樹脂組成物の塗膜 上記のように溶液状で得られる本発明に係る熱硬化性樹
脂組成物は、スプレー法、ロールコート法、スピンコー
ト法などの各種方法によって基板表面上に塗布され、次
いで加熱硬化させることにより所望の塗膜に形成され
る。またこのように溶液状に調製された熱硬化性樹脂組
成物は、通常孔径0.2μm程度のフィルターで濾過さ
れてから塗布されることが好ましい。本発明の熱硬化性
樹脂組成物からなる塗膜は、加熱温度が低温度域であっ
ても充分に硬化反応しうる。具体的に、熱硬化性樹脂組
成物の塗膜は、各成分の配合割合などによっても異なる
が、通常80〜150℃で、10分〜10時間の条件下
で加熱硬化される。
【0043】また熱硬化性樹脂組成物中に含まれる硬化
助剤などの種類によっては、紫外線を照射した後に、上
記のような条件下で熱硬化させることもできる。このよ
うにして本発明の熱硬化性樹脂組成物から形成される塗
膜は、ガラス、金属、プラスチックスなどの種々の材料
からなる基板に対して優れた接着性を示すとともに紫外
線領域〜可視光領域に亘る広い範囲の波長領域において
高い光線透過率を有しており、優れた透明性を示す。ま
たこの塗膜は、平滑性、強靭性に優れ、段差構造を平坦
化するのに適しており、さらに耐水性、耐溶剤性にも優
れるとともに長期間に亘る使用によっても変色しにく
い。
【0044】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0045】塗膜性能の評価 本発明では、実施例および比較例で得られた熱硬化性樹
脂組成物は、下記のように成膜して評価した。 (i) 成膜条件 ガラス基板(コーニング社製#7059)上に、実施例
または比較例で得られた熱硬化性樹脂組成物樹脂溶液
を、1.0μmの膜厚になるようにスピンコートし、1
20℃のオーブン中で2時間加熱硬化させた。得られた
硬化膜について以下の評価を行った。 (ii)光線透過率 加熱硬化された塗膜を有する基板について、400nm
〜800nmの光線透過率を測定した。測定値の最小値
が95%以上であるものを○とし、95%未満であるも
のを×とした。 (iii)接着性 加熱硬化された塗膜について碁盤目試験(JIS−K5
400)を行なった。この試験を、加熱硬化直後、沸騰
水処理(処理時間5時間)を加えた後、およびトルエン
加熱処理(処理時間5時間)を加えた後のそれぞれにつ
いて行なった。テープで剥離された個数(/100個
中)を調べた。 (iv)耐熱性 加熱硬化された塗膜を有する基板を、200℃のオーブ
ン中で2時間加熱した後、塗膜のクラックの有無および
光線透過率を調べた。 (v) 平坦化性 最大段差高1.0μmのカラーフィルタを有する基板上
に、熱硬化性樹脂組成物を塗布して上記のように成膜
し、成膜後の最大段差高(μm)を調べた。 (vi)鉛筆硬度 加熱硬化された塗膜の表面硬度を鉛筆硬度法(JIS−
K5400)により評価した。
【0046】共重合体の合成 合成例1〜6 冷却管、撹拌機、窒素導入管および温度計を装着したセ
パラブルフラスコに、表1に示す量の重合性化合物、溶
媒、重合開始剤を仕込み、表1に示す条件下に反応させ
て、それぞれ共重合体[A−1]〜[A−6]を含む重
合体溶液を得た。この重合体溶液の固形分濃度から、反
応率を算出した。また得られた共重合体のポリスチレン
換算重量平均分子量(Mw)を、GPC(ゲルパーミエ
イションクロマトグラフィ)(東洋ソーダ(株)製HL
C−8020)を用いて測定した。結果を表1に示す。
【0047】合成例7 合成例1において、重合性化合物としてグリシジルメタ
クリレートのみを用いて、表1に示すような条件下で反
応を行なった以外は、合成例1と同様にしてポリグリシ
ジルメタクリレートを含む重合体溶液を調製した。結果
を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】実施例1〜24 上記のように合成された各共重合体[A−1]〜[A−
6]の溶液を、表2に示す有機溶剤で固形分濃度が14
重量%になるように希釈し、さらに他の成分を共重合体
固形分100重量部に対して表2に示す量で添加して、
撹拌し、均一な溶液とした。次いでこの溶液を孔径0.
2μmのフィルターで濾過して熱硬化性樹脂組成物を調
製した。このようにして得られた熱硬化性樹脂組成物か
ら、上記のような方法で成膜した後、この塗膜を評価観
察した。結果を表2に示す。
【0050】比較例1〜4 実施例1において、共重合体に[A−1]に代えて、合
成例7で得られたポリグリシジルメタクリレートを用
い、さらに表2に示すような化合物、溶剤を用いた以外
は実施例1と同様にして、熱硬化性樹脂組成物を調製し
た。結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】なお各表中の略称は、次の化合物、溶剤を
示す。 1B2MZ…1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、
TA…トリメリット酸、 PBMS…4−アセトキシフェニルメチルベンジルスル
ホニウム−p−トルエンスルホナート、GPSM…γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、 EP…エピコート180S75(油化シェルエポキシ
(株)製)、EL…乳酸エチル、PGMEA…プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート EEP…3−メトキシプロピオン酸エチル。
【0053】
【発明の効果】本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、低
温度域での硬化が可能であるとともに基体表面への接着
性に優れ、塗膜表面が平滑でかつ強靭であって耐水性、
耐溶剤性にも優れ、かつ長期間に亘って変色せず、さら
に平坦化性に優れた塗膜を形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 125/18 C09D 125/18

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a−1) 下記式(I) 【化1】 (式中、R1〜R3は各々独立に、水素原子または炭素数
    1〜5のアルキル基であり、R4は炭素数1〜5のアル
    キル基であり、mおよびnは互に独立に1〜5の整数で
    ある。)で表されるラジカル重合性化合物、(a−2)
    不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無
    水物および、必要に応じて(a−3) 上記(a−1)
    および(a−2)の化合物と共重合しうる他のラジカル
    重合性化合物との共重合体が、有機溶剤に溶解されてな
    ることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
JP22458597A 1997-08-21 1997-08-21 熱硬化性樹脂組成物 Pending JPH1160641A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011042737A (ja) * 2009-08-20 2011-03-03 Fujifilm Corp 着色剤分散樹脂、着色剤分散物、インク組成物、インクセット、及び画像形成方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011042737A (ja) * 2009-08-20 2011-03-03 Fujifilm Corp 着色剤分散樹脂、着色剤分散物、インク組成物、インクセット、及び画像形成方法

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