JP2003297556A - 表示素子用基材、表示パネル、表示装置及び表示素子用基材の製造方法 - Google Patents

表示素子用基材、表示パネル、表示装置及び表示素子用基材の製造方法

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JP2003297556A
JP2003297556A JP2002100596A JP2002100596A JP2003297556A JP 2003297556 A JP2003297556 A JP 2003297556A JP 2002100596 A JP2002100596 A JP 2002100596A JP 2002100596 A JP2002100596 A JP 2002100596A JP 2003297556 A JP2003297556 A JP 2003297556A
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epoxy
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JP2002100596A
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English (en)
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Yurie Ota
友里恵 太田
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/80Constructional details
    • H10K59/87Passivation; Containers; Encapsulations
    • H10K59/871Self-supporting sealing arrangements

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  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスバリア性に優れると共に耐熱性にも優
れ、加工工程での加熱又は環境温度の変化によってもガ
スバリア性や表示品質等の性能低下を起こさない高ガス
バリア性の表示素子用基材、及び、その製造方法を提供
する。さらに前記表示素子用基材を用いて表示パネル、
及び、表示装置を作製する。 【解決手段】 表示素子用基材101の少なくとも一面
に設けられたガスバリア性皮膜は、金属酸化物層3と、
エポキシ基を有する化合物(a)を含有する熱硬化性樹
脂組成物の硬化物により前記金属酸化物層上に形成され
たオーバーコート層4とを組み合わせた複合層を備えて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機EL表示装置
等の表示装置において用いられるガスバリア性に優れた
表示素子用基材に関する。
【0002】
【従来の技術】有機EL表示装置や液晶表示装置等のい
わゆるフラットディスプレイは省スペース化、薄型化が
可能であり、CRTに代わり普及しつつある。これらの
フラットディスプレイにおいては従来、表示素子の基板
としてガラス板が用いられていたが、装置の軽量化及び
薄型化、さらに最近では曲面等の非平坦面に適合し得る
ようにフレキシブル化の要求があり、プラスチック製の
板状、シート状又はフィルム状基材を用いる検討が行わ
れている。
【0003】表示素子の基板素材としてプラスチックフ
ィルムを用いる際には、一般に機械的強度が必要であ
り、加えて、表面の平滑性と高度なガスバリア性が要求
され、特に表示装置の発光や光の変調に関与する物質
を、酸素や湿気、とりわけ湿気の影響から遮断するのに
充分なガスバリア性が必要とされる。
【0004】ところで、従来から食品包装等の包装分野
では、食品の長期保存性の向上の目的で、プラスチック
フィルムにシリカ、アルミナ等の薄膜形成により気体や
水分の透過性を抑制した、すなわちガスバリア性を付与
した種々のガスバリア性フィルムを使用している。一例
として、PET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)フ
ィルムをベースとするアルミナ蒸着フィルム若しくはシ
リカ蒸着フィルムの場合、0.5〜2g/m2・day
(40℃、90%RHの場合)程度の透湿度を有するも
のが使用されている。
【0005】しかし、従来の包装分野で用いられるガス
バリア性フィルムを表示装置の基板として、又は表示装
置の被覆用や密封用として利用すると、ガスバリア性が
充分でないことが判明した。というのも、表示装置自
体、長期間に渡って設置され、使用時には電位や温度上
昇の影響を受ける等、食品に比べると曝される条件が厳
しく、しかも、表示装置の発光や光の変調に関与する物
質は、化学的に安定性が高いとは言えないものであるか
らである。
【0006】例えば、有機EL表示装置(ELD:エレ
クトロルミネッセンスディスプレイ)の基板として、上
記PETフィルムをベースとするシリカ蒸着フィルムを
使用すると、ダークスポット(黒点欠陥)が次第に大き
くなる欠陥が避けられない。
【0007】種々の実験により、有機EL表示装置に
は、通常の包装分野におけるガスバリア性よりも格段に
高度なガスバリア性が必要であることが推測されてい
る。通常の測定では、透湿度の測定の限界値は0.00
1g/m2・day(40℃、90%RHの場合)程度
であるが、有機EL表示装置の場合には、10-4g/m
2・day(40℃、90%RHの場合)以下がガスバ
リア性の目標になると言われている。ガスバリア性は、
例えば、モコン法(モダンコントロール(株)製の測定
器を用いて行う。)で測定することができる。
【0008】なお、有機EL表示装置は表示装置の発光
や光の変調に関与する物質の中でも最もデリケートな部
類に属するものであるので、有機EL表示装置を基準に
高度なガスバリア性を有するガスバリア性フィルムを開
発すれば、他のタイプの表示装置にも有効であることが
分かっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、有機E
L表示装置を始めとする表示装置の表示素子に用いるガ
スバリア性に優れた基材を開発すべく鋭意研究し、基材
フィルム上に、前記基材フィルム側から順に、金属酸化
物の薄膜層、及び、ガスバリア性樹脂で構成されたオー
バーコート層からなる超高ガスバリア層が積層された複
合フィルムが、表示装置の基材として有効な優れたガス
バリア性を有することを見出した(特願2001‐28
5042、但し現在未公開)。
【0010】しかし、表示素子の基材は、表示パネルを
作製する途中で高温に加熱される工程を経る場合があ
り、また、表示装置の使用中に温度上昇の影響を受ける
ため、基材に設けられたガスバリア層が充分な耐熱性を
有していないと、変色や劣化等を起こす可能性がある。
変色に関しては、いわゆる黄変と呼ばれる現象が特に問
題視されており、色調を劣化させて表示品質を低下させ
る原因となる。また、ガスバリア層の劣化によりガスバ
リア性の低下を引き起こす可能性がある。さらに、ガス
バリア層が上記のような熱履歴によって寸法を狂わせて
膜の均一性を悪化させることにより、ガスバリア性又は
表示品質を低下させる可能性もある。
【0011】本発明は上記実情を鑑み成し遂げられたも
のであり、その第一の目的は、ガスバリア性に優れると
共に耐熱性にも優れ、加工工程又は使用時の熱履歴によ
ってもガスバリア性や表示品質等の性能低下を起こさな
い高ガスバリア性の表示素子用基材、及び、その製造方
法を提供することにある。
【0012】また、本発明の第二の目的は、上記表示素
子用基材を用いて作製した、ガスバリア性及び耐熱性に
優れた表示パネル、及び、当該パネルを用いて組み立て
た表示装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に提供される本発明に係る表示素子用基材は、基材の少
なくとも一面にガスバリア性皮膜が設けられた構成であ
り、当該ガスバリア性皮膜は、金属酸化物層と、エポキ
シ基を有する化合物(a)を含有する熱硬化性樹脂組成
物の硬化物により前記金属酸化物層上に形成されたオー
バーコート層とを組み合わせた複合層を備えていること
を特徴とする。
【0014】上記本発明に係る表示素子用基材は、ガラ
ス板よりもガスバリア性が低いプラスチック基材等の素
材からなる基材上に、金属酸化物層をエポキシ化合物
(a)を含有する熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる
オーバーコート層で被覆した複合層を含むガスバリア性
皮膜を形成することで、有機EL素子のガスバリア性の
目標値10-4g/m2・day(40℃、90%RHの
場合)以下を達成できるほどの非常に高いガスバリア性
が得られる。
【0015】また、エポキシ化合物(a)を含有する熱
硬化性樹脂組成物の硬化物からなるオーバーコート層
は、透明性、耐熱性に優れており、高温環境に曝されて
も変色やガスバリア性の低下等の劣化を起こし難い。さ
らに、このオーバーコート層は、金属酸化物皮膜との密
着性や温度変化に対する寸法安定性にも優れており、剥
離や歪みを起こし難く、また、金属酸化物層の剥離や亀
裂を防止する効果がある。
【0016】従って、本発明はガスバリア性の点で基材
の選択の自由度が高く、プラスチック基材等の軽量な材
料を基材として用いることができ、非常に高い透明性、
耐熱性を備え、美しい表示性能を長期間維持できる耐久
性を有し、しかも軽量の表示素子用基材が得られる。
【0017】また、プラスチック基材は可撓性が高く、
加工容易性にも優れているので、基材の形態としては基
板だけでなく、比較的薄いシートや可撓性に富むフィル
ムを用いることが可能であり、薄型の又は曲面にも適用
可能なフレキシブルな表示素子用基材が得られ、しか
も、フィルム状の巻き取り可能な基材を用いて表示素子
用基材を高速で連続生産することが可能である。
【0018】金属酸化物層とオーバーコート層を交互に
2回以上形成することによって上記複合層が2重以上積
層したガスバリア性皮膜を形成する場合には、特に優れ
たガスバリア性が得られるので好ましい。金属酸化物層
とエポキシ硬化物からなるオーバーコート層は層間の密
着性が良好なので、2重以上繰り返して形成することが
可能である。
【0019】また、エポキシ硬化剤としては、ブロック
化カルボキシル基を有する化合物(b)(ブロックカル
ボン酸(b))を用いるのが好ましい。オーバーコート
層を形成するための上記熱硬化性樹脂組成物にエポキシ
硬化剤としてブロックカルボン酸(b)を配合する場合
には、他のエポキシ硬化剤を用いる場合と比べて、熱硬
化性樹脂組成物の耐熱性、安定性、保存性が向上し、取
り扱いが容易になる。
【0020】次に、本発明に係る表示パネルは、前記本
発明に係る表示素子用基材を少なくとも1枚含む2枚の
基材を対向させ、両者の間に表示素子を封入したことを
特徴とする。
【0021】上記表示パネルは、パネル作製の過程で加
熱工程を経てもガスバリア性皮膜が変色やガスバリア性
の低下を起こさず、充分な透明性と非常に優れたガスバ
リア性を備えた表示パネルが得られる。
【0022】前記表示パネルは、表示素子用基材のガス
バリア性皮膜が形成されている面を内側に向けて相手基
材と対向させることより、ガスバリア性皮膜形成面を外
側に向ける場合と比べて高いガスバリア性が得られる。
【0023】次に、本発明によれば、上記表示パネルを
用いて耐久性に優れ、美しい表示性能を長期間維持でき
る表示装置が得られる。本発明は、非常に厳しいガスバ
リア性が要求される有機EL表示装置にも適用可能であ
り、ダークスポットの発生を防止することができる。
【0024】また、本発明に係る表示素子用基材の製造
方法は、基材の少なくとも一面に、気相成長法によって
金属酸化物層を形成した後、当該金属酸化物層上にエポ
キシ基を有する化合物(a)を含有する熱硬化性樹脂組
成物からなる層を形成し、熱硬化させてオーバーコート
層を形成することを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明に係る表示素子用基材は、
基材の少なくとも一面にガスバリア性皮膜が設けられ、
当該ガスバリア性皮膜は、金属酸化物層と、エポキシ基
を有する化合物(a)を含有する熱硬化性樹脂組成物の
硬化物により前記金属酸化物層上に形成されたオーバー
コート層とを組み合わせた複合層を備えていることを特
徴とする。この表示素子用基材は、EL表示装置や液晶
表示装置等のフラットディスプレイに代表される表示装
置の表示素子を支持、密封又は被覆する等の目的で用い
られる。
【0026】図1に表示素子用基材の一例を示す。表示
素子用基材101は、基材1の一面側に、当該基材に近
い側からプライマー層2、金属酸化物層3、及びオーバ
ーコート層4を順次積層した層構成である。
【0027】基材1としては、平滑性、強度、耐熱性、
透明性等を考慮して種々の材料を用いることができる。
耐熱性に関しては、金属酸化物層を形成したり、表示素
子を形成する等の製造途中での加熱工程や、表示装置の
使用時の温度上昇に耐えられるものである必要がある。
また、表示装置のタイプにもよるが、基材が表示装置の
観察者側に位置する場合には、表示される画像の視認性
を充分に確保できるだけの透明性が求められる。
【0028】本発明においては、ガラス基板に代えて軽
量化、薄型化、さらには、表示パネルのフレキシブル化
等を図る観点から、種々のプラスチックの中から透明性
を有するものを選んで用いることが好ましい。
【0029】具体的には、ポリプロピレン、ABS、非
結晶性ポリエステル樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポ
リエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(P
C)、環状ポリオレフィン共重合体であるポリノルボル
ネン、環状ポリオレフィン樹脂、ポリシクロヘキセン、
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン
ナフイタレート(PEN)、フッ素樹脂、ポリアリレー
ト(PAR)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエ
ーテルエーテルケトン(PEEK)等の素材を用いるこ
とができる。プラスチック基材の厚みは、通常、1〜2
00μm程度であり、適宜変更できる。
【0030】基材は、最終製品の表面の平滑性を高め、
また、金属酸化物層を均一に形成するために表面の平滑
性が高いものが好ましく、平均粗さ(Ra)が5nm以
下であるものが好ましい。下限は特にないが、実用上、
0.01nm以上であることが一般的である。必要に応
じて、基材フィルムの両面、又は、少なくとも金属酸化
物層を設ける側を研摩し、平滑性を向上させておくとよ
い。
【0031】基材フィルムの少なくとも金属酸化物層を
設ける側には、接着性向上のための公知の種々の処理、
例えば、コロナ放電処理、火炎処理、酸化処理、プラズ
マ処理又はプライマー層の積層等のいずれか一つ又は幾
つかを組合わせて行うことができる。
【0032】接着性向上のための処理のうちプライマー
層2は、金属酸化物層の接着力を向上させて製品の耐久
性を向上させることに加え、基材表面の平滑性を向上さ
せ、金属酸化物層を均一に形成する効果も得られる。
【0033】プライマー層としては、例えば、ポリエチ
レンイミン、ポリウレタン、ポリエステル又はアクリル
等の樹脂からなるごく薄い、0.1〜5μm程度の厚み
の層を形成する。通常、プライマー層の材料となる樹脂
の溶剤溶液を基材上に塗付し、乾燥させることによりプ
ライマー層を形成できる。なお、後述するオーバーコー
ト層を形成する樹脂を、プライマー層の材料として用い
てもよい。
【0034】金属酸化物層3は、SiOx、Al23
ITO、酸化処理を行ったSiN、又は、これらの混合
物等、透明性を有する種々の金属酸化物で形成すること
ができるが、耐熱性と透明性の点で特にSiOx(シリ
カ)が好ましい。金属酸化物層の形成方法としては、蒸
着法、スパッタリング法又はイオンプレーティング法等
の物理的気相成長法(PVD)、種々の化学的気相成長
法(CVD)、又は、めっきやゾル−ゲル法等の液層成
長法等によって形成することができ、通常は、気相成長
法により形成する。このうち、金属酸化物層の形成時に
おける基材1に対する熱の影響が比較的軽く、生産速度
が速く、均一な薄膜層を得やすい点では、化学的気相成
長法(CVD)が好ましいが、耐熱性の高い基材を選択
する等の方法で基材への熱の影響を除けば、物理的気相
成長法(PVD)も好ましい。金属酸化物層の厚みは、
通常、50〜1000nm、好ましくは100〜500
nmである。
【0035】オーバーコート層4は、上記金属酸化物層
3を被覆して高ガスバリア性の複合層を形成する層であ
る。
【0036】従来からガスバリア性フィルムには、気相
成長法によってSiOx(シリカ)やAl23(アルミ
ナ)等の金属酸化物薄膜が形成され、食品包装等の分野
においては実用上、充分なガスバリア性が得られてい
る。しかしながら、プラスチック基材のようなガラス基
板の代替となる透明性の高い基材に金属薄膜を設けただ
けでは、表示素子にとっては必ずしも充分なガスバリア
性が得られない。特に、EL表示素子の基材には非常に
高いガスバリア性が要求され、水蒸気透過率に関しては
既に述べた如く、10-4g/m2・day(40℃、9
0%RHの場合)以下が目標になるが、この目標を金属
酸化物薄膜だけで達成することは非常に難しい。金属酸
化物薄膜の厚みを厚くしたり、種類の異なる金属酸化物
薄膜を重ねて形成することによって、ある程度まではガ
スバリア性を高めることができるが、限界があり、ま
た、厚みを増やしすぎると金属酸化物薄膜に剥離や亀裂
が発生しやすくなる。
【0037】これに対して、本発明においては、金属酸
化物層3の上に、エポキシ基を有する化合物(a)(以
下において「エポキシ化合物(a)という」)を含有す
る熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなるオーバーコート
層を被覆することにより非常に高いガスバリア性が得ら
れる。
【0038】金属酸化物層、特に化学的又は物理的気相
成長法により形成されるものには、形成法による程度の
相違はあるが、結晶成長の過程で結晶同士の間に密度の
低い部分が生じやすいため薄膜に微視的欠陥が存在し、
かかる欠陥によってガスバリア性が低下すると考えられ
る。本発明においては、ガスバリア性の高い樹脂によっ
て金属酸化物層を被覆することによって、金属酸化物層
の微視的欠陥部分を補い、ガスバリア性を向上させると
考えられる。
【0039】エポキシ化合物(a)を含有する熱硬化性
樹脂組成物の硬化物からなるオーバーコート層は、高い
ガスバリア性を有すると共に、透明性、耐熱性に優れて
おり、表示パネルを作製する途中の加熱工程や表示装置
の使用時の温度上昇に曝されても変色やガスバリア性の
低下等の変質又は劣化を起こし難い。さらに、このオー
バーコート層は、金属酸化物皮膜との密着性や加熱又は
環境温度の変化に対する寸法安定性にも優れており、剥
離や歪みを起こし難く、また、金属酸化物層の剥離や亀
裂を防止する効果がある。プラスチックフィルムのよう
な可撓性の基材を用いてフレキシブル化する場合には、
オーバーコート層や金属酸化物層の剥離、歪み、亀裂等
を防止する効果が特に有利である。
【0040】オーバーコート層を形成する熱硬化性樹脂
組成物は、エポキシ化合物(a)に必要に応じてエポキ
シ硬化剤及びその他の材料を加えて調製するが、適当な
溶剤を用いて塗布に適した濃度に調節しても良い。
【0041】エポキシ化合物(a)としてはエポキシ基
を一分子内に少なくとも一つ、好ましくは二つ以上有す
る熱硬化性化合物であれば用いることができる。好まし
いエポキシ化合物(a)としては、一分子内にエポキシ
基を2つ以上有するエポキシ樹脂(a1)(以下におい
て「多官能エポキシ樹脂(a1)」という)、又は、グ
リシジルメタクリレートを含む1種以上の単量体を重合
させて得られるグリシジル基を一分子内に2つ以上有す
る重合体(a2)(以下において「グリシジル基含有重
合体(a2)という」を挙げることができる。
【0042】上記多官能エポキシ樹脂(a1)の具体例
としては、例えば、ペンタエリスリトールポリグリシジ
ルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポ
リグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポ
リグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジル
エーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレート、グリセロールポリグリシジルエ
ーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテ
ル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等
を挙げることができる。
【0043】上記グリシジル基含有重合体(a2)は、
グリシジルメタクリレートを単独で又は他の不飽和単量
体と重合させて得られるものであり、好ましくはランダ
ム共重合体である。グリシジルメタクリレートと共重合
させる不飽和単量体の具体例としては、例えば、フェノ
ール型エポキシアクリレート(ナガセ化工、DA−14
1)、1,6−ヘキサンジオール型アクリレート(ナガ
セ化工、DA−212)、アリルアルコール型アクリレ
ート(ナガセ化工、DA−111)、2−ヒドロキシ−
3−クロロプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3
−フェノキシプロピルアクリレート等が挙げられる。製
膜性の点からは、グリシジル基含有重合体(a2)のポ
リスチレン換算した重量平均分子量が3,000〜10
0,000程度であることが好ましい。グリシジル基含
有重合体(a2)として用いられる化合物の詳しい製造
方法は、例えば特開平2001−350010号公報等
に記載されている。
【0044】これらの多官能エポキシ樹脂(a1)及び
グリシジル基含有重合体(a2)は、それぞれを単独で
用いても良いし、組合わせて用いてもよい。
【0045】エポキシ硬化剤は、従来からエポキシ樹脂
に配合されているものの中から適宜選択して用いること
ができ、例えば、酸無水物系硬化剤、ポリアミン系硬化
剤、ポリフェノール系硬化剤、触媒型硬化剤等の硬化剤
を用いることができる。
【0046】この中で酸無水物系硬化剤としては具体的
に、無水マレイン酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水
ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル
酸等の脂肪族ジカルボン酸無水物;無水フタル酸、無水
トリメリット酸等の芳香族多価カルボン酸無水物等を挙
げることができる。
【0047】また、エポキシ硬化剤としては、ブロック
化カルボキシル基を有する化合物(b)(以下において
「ブロックカルボン酸(b)という」)を用いるのが好
ましい。ブロックカルボン酸(b)は、カルボン酸のカ
ルボキシル基をビニルエーテル等のブロック剤を用いて
ブロック(キャップ)した化合物であり、例えば下記式
(1)又は式(2)で表される官能基を有する化合物を
用いることができる。
【0048】
【化1】
【0049】(式中、R1、R2、R3、R1’、R2’及
びR3’はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜18の有機
基であり、R4及びR5はそれぞれ炭素数1〜18の有機
基であり、Y1及びY1’はそれぞれ酸素原子またはイオ
ウ原子である。R3とR4は互いに結合してY1をヘテロ
原子とする複素環を形成していてもよい。また、
1’、R 2’、R3’及びY1’は、それらがそれぞれ対
応しているR1、R2、R3及びY1と同じであってもよ
い。) 上記式(1)又は式(2)で表される官能基を有する化
合物は、カルボン酸にビニル型二重結合を持つ化合物を
反応させることによって得られる。このうち式(1)で
表される官能基を有する化合物は、カルボン酸に下記式
(3)で表されるビニルエーテル化合物、ビニルチオエ
ーテル化合物あるいは酸素原子またはイオウ原子をヘテ
ロ原子とするビニル型二重結合を持つ複素環式化合物を
反応させることによって得られる。
【0050】
【化2】
【0051】(R1、R2、R3、R4、及びY1は、式
(1)と同じである。) 前記式(1)及び式(3)におけるR1、R2及びR
3は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜18のアルキル
基、アリール基、アルカリール基などの有機基、R 4
炭素数1〜18のアルキル基、アリール基、アルカリー
ル基などの有機基であって、これらの有機基は適当な置
換基を有していてもよく、またR3とR4は互いに結合し
てY1をヘテロ原子とする複素環を形成していてもよ
い。
【0052】式(3)で表される化合物の具体例として
は、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル、イソプロピルビニルエーテル、n−プロピルビニ
ルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビ
ニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチル
ヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテ
ルなどの脂肪族ビニルエーテル化合物およびこれらに対
応する脂肪族ビニルチオエーテル化合物、さらには2,
3−ジヒドロフラン、3,4−ジヒドロフラン、2,3
−ジヒドロ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2H−
ピラン、3,4−ジヒドロ−2−メトキシ−2H−ピラ
ン、3,4−ジヒドロ−4,4−ジメチル−2H−ピラ
ン−2−オン、3,4−ジヒドロ−2−エトキシ−2H
−ピラン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−カル
ボン酸ナトリウムなどの環状ビニルエーテル化合物およ
びこれらに対応する環状ビニルチオエーテル化合物など
が挙げられる。
【0053】一方、式(2)で表される官能基を有する
化合物は、カルボン酸に下記式(4)で表されるジビニ
ルエーテル化合物またはジビニルチオエーテル化合物を
反応させることによって得られる。
【0054】
【化3】
【0055】(R1、R2、R3、Y1、R1’、R2’、R
3’、Y1’及びR5は式(2)と同じである。) 上記式(4)で表されるジビニルエーテル化合物または
ジビニルチオエーテル化合物の分子内には、カルボキシ
ル基を保護することのできるビニル構造が2つ存在して
いる。そのため、カルボン酸に上記式(4)で表される
ジビニルエーテル化合物またはジビニルチオエーテル化
合物を反応させると、式(2)で表される官能基を有す
る化合物が得られる。
【0056】上記式(4)で表される化合物としては、
1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテ
ル、1,4−シクロヘキサンジオールジビニルエーテ
ル、1,9−ノナンジオールジビニルエーテル、1,6
−ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4−ブタン
ジオールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニ
ルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、
トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチ
レングリコールジビニルエーテル、ビスフェノールAジ
ビニルエーテル、水添ビスフェノールAジビニルエーテ
ルなどのジビニルエーテル化合物、及び、これらに対応
するジビニルチオエーテル化合物が挙げられる。
【0057】上記ブロックカルボン酸(b)は、加熱に
よって通常は温度が80℃以上に達するとブロック剤が
カルボキシル基から外れて、エポキシ反応を促進する作
用を発現する。なお、ブロック剤をカルボキシル基をか
ら外す加熱温度の上限は特に制限されないが、ブロック
剤の分解やエポキシ樹脂の劣化を避けるために実用上は
180℃程度以下とすることが一般的である。エポキシ
化合物(a)にエポキシ硬化剤としてブロックカルボン
酸(b)を配合することによって、熱硬化性樹脂組成物
の耐熱性、安定性、保存性が向上し、取り扱いが容易に
なる。
【0058】また、エポキシ化合物(a)にエポキシ硬
化剤としてブロックカルボン酸(b)を配合することに
よって、熱硬化性樹脂組成物の硬化後の透明性が向上
し、硬化も促進される。ブロックカルボン酸を用いる場
合には、反応時に2液を混合するのではなく、エポキシ
化合物と充分に混合されている状態で加熱によりブロッ
ク剤をはずして反応を開始するため、系全体を均一に反
応させることが可能である。この反応の均一性が得られ
ることで、硬化後の透明性が向上し、硬化が促進される
と推測される。
【0059】式(1)又は式(2)で表される官能基を
有するブロックカルボン酸(b)のうち、一塩基カルボ
ン酸由来のものとしては、安息香酸、酢酸、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等
の一塩基カルボン酸のブロック体が挙げられる。
【0060】ブロックカルボン酸(b)としては、一分
子内にカルボキシル基を2つ以上有する化合物に由来す
るブロックカルボン酸(b1)(以下において「多塩基
ブロックカルボン酸(b1)」という)を用いることが
好ましい。多塩基ブロックカルボン酸(b1)は、一つ
の分子が複数のエポキシ化合物(a)と結合できるの
で、架橋密度を向上させることができる。
【0061】多塩基ブロックカルボン酸(b1)として
は、例えば、コハク酸、アジピン酸、1,2,3,4−
ブタンテトラカルボン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
デカメチレンジカルボン酸などの脂肪族ポリカルボン
酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリ
ット酸、ピロメリット酸などの芳香族ポリカルボン酸;
テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸などの脂
環式ポリカルボン酸;及び、1分子内にカルボキシル基
2つ以上を有するポリエステル樹脂、アクリル樹脂、マ
レイン化ポリブタジエン樹脂などのポリマーカルボン
酸;等の多塩基カルボン酸のブロック体が挙げられる。
【0062】さらに多塩基ブロックカルボン酸(b1)
としては、ブロック化されたカルボキシル基を有する式
(5)で表されるような重合単位を含む単独又は共重合
体を用いることができ、好ましくはランダム共重合体で
ある。塗布時の製膜性の点で、式(5)で表される重合
単位を含む重合体のポリスチレン換算重量平均分子量は
3,000〜100,000であることが好ましい。
【0063】
【化4】
【0064】(式中、R1、R2、R3、R4、及びY1
式(1)と同じである。X1は2価の有機残基を示す。
1及びZ2は同一又は異なる基であって、水素原子、メ
チル基又は(C)OO−R6(ただし、R6は炭素数1〜1
0のアルキル基又は炭素数1〜10のヒドロキシアルキ
ル基を表す)を示す。) 上記式(5)で表される重合単位を含む(共)重合体
は、下記式(6)で表されるブロック化カルボキシル基
含有不飽和単量体を単独で又は他の不飽和単量体と重合
させることによって得られる。
【0065】
【化5】
【0066】(式中、R1、R2、R3、R4、及びY1
式(1)と同じである。X1、Z1及びZ2は式(5)と
同じである) 本発明においては、エポキシ基化合物(a)として、エ
ポキシ基と共にカルボキシル基を有する化合物に由来す
るブロックカルボン酸(a3)(以下において「エポキ
シ基含有ブロックカルボン酸(a3)」という)を用い
てもよい。この化合物は、ブロック剤がはずれた時に一
分子内にエポキシ基と共にカルボキシル基を少なくとも
一つずつ、合計2つ以上の反応点を有しているので架橋
結合を形成し、膜物性を向上させる。
【0067】エポキシ基化合物(a)として、一分子内
にエポキシ基とカルボキシル基を各々2つ以上有する化
合物に由来するブロックカルボン酸(a4)(以下にお
いて「エポキシ基含有多塩基ブロックカルボン酸(a
4)という)を用いると、架橋密度が更に高くなるので
好ましい。
【0068】エポキシ基含有ブロックカルボン酸(a
3)、特にエポキシ基含有多塩基ブロックカルボン酸
(a4)としては、エポキシ基を有する下記式(7)で
表される重合単位と、既に述べた式(5)で表される重
合単位を含む共重合体、好ましくはランダム共重合体を
用いることができる。
【0069】
【化6】
【0070】(式中、R7は水素原子又はメチル基を示
し、X2は2価の有機残基を示す。) 上記式(7)及び式(5)で表される重合単位を含む共
重合体は、下記式(8)で表されるエポキシ基含有不飽
和単量体と、既に述べた式(6)で表されるブロック化
カルボキシル基含有不飽和単量体と、さらに必要に応じ
て他の不飽和単量体とを共重合させることによって得ら
れる。
【0071】
【化7】
【0072】(式中、R7及びX2は、式(7)と同じで
ある) オーバーコート層を形成する熱硬化性樹脂組成物には、
上記した種々のエポキシ化合物(a)及びブロックカル
ボン酸(b)を任意に選択して組合わせて配合すること
ができるが、架橋密度を充分に高くするためには、多官
能エポキシ樹脂(a1)及びグリシジル基含有重合体
(a2)の中から選ばれる少なくとも一種のエポキシ化
合物(a)と、エポキシ基含有多塩基ブロックカルボン
酸(a4)又は多塩基ブロックカルボン酸(b1)とを
組合わせることが好ましい。さらに、多官能エポキシ樹
脂(a1)と、グリシジル基含有重合体(a2)と、エ
ポキシ基含有多塩基ブロックカルボン酸(a4)又は多
塩基ブロックカルボン酸(b1)とを組合わせることが
特に好ましい。
【0073】熱硬化性樹脂組成物には、上記エポキシ化
合物(a)、ブロックカルボン酸(b)に加えて、必要
に応じてフェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂等のその他の成分を配合することができる。
【0074】上記の配合成分を溶解、分散又は希釈する
ための溶剤は特に限定されず、例えば、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ
サノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼ
ン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチルセ
ロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソ
ルブアセテート、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、
1,2−ジクロロエタン、ジクロルメタン、クロロホル
ム、メタノール、エタノール、イソプロパノール等、ま
たはそれらの混合溶剤等を用いることができる。塗工液
は、通常、固形分濃度が10〜50重量%程度となるよ
うに調節される。
【0075】オーバーコート層は、上記熱硬化性樹脂組
成物の構成成分を混合し、必要に応じて溶剤で溶解する
か若しくは分散剤で分散させて熱硬化性樹脂組成物の塗
工液を調製し、得られた塗工液を金属酸化物層の上に公
知の方法で塗布し、得られた塗膜を乾燥し、加熱により
熱硬化させて形成することができる。熱硬化のための加
熱条件は、通常80〜180℃程度の加熱温度で5分〜
1時間程度の時間とする。オーバーコート層の厚みは、
通常1〜10μm程度とする。
【0076】このようにして金属酸化物層3の上にオー
バーコート層4を被覆した構成の高ガスバリア性複合層
が形成される。基材1の上に、金属酸化物層3とオーバ
ーコート層4を交互に2回以上形成することによって上
記複合層が2重以上積層したガスバリア性皮膜を形成す
る場合には、特に優れたガスバリア性が得られる。基材
上に金属酸化物層3とエポキシ硬化物からなるオーバー
コート層4を交互に設ける場合には層間の密着性が良好
なので、金属酸化物層を厚く又は重ねて形成する場合と
は異なり、剥離や亀裂が生じにくい。複合層を重ねて設
ける場合には、通常は2重〜4重程度の繰り返しで十分
なガスバリア性が得られる。
【0077】このようにして図1に示す表示素子用基材
101が得られる。この表示素子用基材101を2枚以
上重ねて貼り合わせたものを表示素子用基材として用い
てもよい。図2は、図1の表示素子用基材101を2
枚、ガスバリア性皮膜を形成した側を対向させ、接着剤
層5を介して貼り合わせた表示素子用基材102を示し
たものである。表示素子用基材同士の積層は、向き合う
接着面の一方又は双方の素材を利用して熱融着させる等
の方法で行うこともできるが、接着剤を用いるのが確実
である。
【0078】接着剤層5に用いる接着剤は特に限定され
ず、公知のものを種々用いることができる。具体的に
は、ポリウレタン系の接着剤を使用して形成することが
でき、より好ましくはエポキシ基、アミノ基、OH基等
の官能基を有したものを用いることが好ましい。
【0079】本発明に係る表示素子用基材は、有機EL
表示素子や液晶表示素子等の表示素子を支持、被覆又は
密封等するための基材として用いられ、典型的には、本
発明の表示素子用基材を1枚含む2枚の基材を対向さ
せ、両者の間に表示素子を封入することにより、液晶パ
ネルを作製することができる。
【0080】図3は、図1の表示素子用基材101同士
を、各々のガスバリア性皮膜を形成した側を内側に向け
て相手基材と対向させて、その間に有機EL素子10を
封入した表示パネルの一例(201)である。本発明に
係る表示素子用基材は、図3に示すようにガスバリア性
皮膜を形成した面を内側にして用いることで、ガスバリ
ア性皮膜形成面を外側に向ける場合と比べて高いガスバ
リア性が得られる。なお、本発明の表示素子用基材10
1と、単なるガラス基板等の本発明に属さない表示素子
用基材を組み合わせて用いてもよい。
【0081】図3において有機EL素子10は、透明電
極層6、正孔注入層7、発光材料層8、正極層9が順次
積層した構成をとる。ただし、有機EL素子10は、種
々の公知の構成とすることができる。また、対向する表
示素子用基材101a、101bの周縁部にはシール部
11が形成されており、これにより有機EL素子10が
基材の間に封入される。有機EL素子10の各層は、公
知の材料、公知の方法で形成できる。例えば、一方の表
示素子用基材101aのガスバリア性皮膜を形成した側
に、気相成長法によって透明電極層6であるITO膜を
形成し、その上に正孔注入層7、及び発光層8を、それ
ぞれの塗工液を塗布、乾燥することで形成し、その上に
気相成長法によってAgからなる正極層9を形成するこ
とで有機EL素子10を形成する。次いで、表示素子用
基材101aの周囲に、接着剤を塗布し、もう1枚の表
示素子用基材101bを重ね合わせてシール部11を形
成することで有機EL素子10を封入し、表示パネル2
01が得られる。
【0082】このような表示パネルの作製過程におい
て、本発明の表示素子用基材に設けたオーバーコート層
が透明性、耐熱性、寸法安定性、密着性に優れているこ
とから、パネル作製の過程で加熱工程を経ても、或い
は、作製した液晶パネルが環境温度の変化に曝されても
変色やガスバリア性の低下を起こさず、充分な透明性と
非常に優れたガスバリア性を備えた表示パネルが得られ
る。
【0083】そして、得られた表示パネル201を用い
て有機EL表示装置を組み立てることができる。本発明
の表示素子用基材を用いた有機EL表示装置は、表示素
子部のガスバリア性が非常に高く、有機EL素子のガス
バリア性の目標値10-4g/m2・day(40℃、9
0%RHの場合)以下を達成し得る。
【0084】従って、耐久性に優れ、美しい表示性能を
長期間維持できる有機EL表示装置が得られる。なお、
本発明の表示素子用基材及び表示パネルは、有機EL素
子以外の表示素子にも好適に適用することができ、例え
ば液晶表示素子又は液晶パネルの基材として用い、変色
やガスバリア性の経時劣化が少ない表示装置が得られ
る。
【0085】
【実施例】A.製造例 (製造例A:ポリマー(A)の合成)温度計、還流冷却
器、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、第
1表に示す配合割合に従って、3−メトキシブチルアセ
テートを40.0重量部仕込み、攪拌しながら加熱して
80℃に昇温した。次いで、80℃の温度で第1表に記
載した組成の単量体、重合開始剤、及び、3−メトキシ
ブチルアセテートの混合物(滴下成分)60.0重量部
を、2時間かけて滴下ロートより等速滴下した。滴下終
了後、80℃の温度を5時間保ったところで反応を終了
することにより、メインポリマー(A)が得られた。
【0086】
【表1】
【0087】*1)表中の略号は以下の通りである。 GMA:グリシジルメタクリレート CHMA:シクロヘキシルメタクリレート AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル *2)性状:目視による外観を示す。 *3)加熱残分:JIS−K5407、4.加熱残分に
より試験を行った。 *4)エポキシ当量:過剰の0.2N・塩酸ジオキサン
溶液でエポキシ基の開環反応を行った後、未反応の塩酸
を0.1N・KOHエタノール溶液にて逆滴定し、エポ
キシ当量を算出した。 *5)E型粘度計で測定した。 *6)重量平均分子量:ゲル浸透クロマトグラフィーに
よるポリスチレン換算の値である。
【0088】(製造例B:ブロック化カルボン酸化合物
(B)の合成)温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロー
トを備えた4つ口フラスコに、第2表に示す配合割合に
従って、溶剤、原料(多塩基カルボン酸)、ブロック化
剤(ビニルエーテル)を仕込み、攪拌しながら加熱し7
0℃に昇温した。次いで、70℃の温度を保ちながら攪
拌し続け、混合物の酸価が5以下になったところで反応
を終了し、溶剤及び過剰のビニルエーテルを真空ポンプ
で留居することにより、ブロック化カルボン酸化合物
(B)が得られた。
【0089】
【表2】
【0090】*1)溶液の酸価:0.1N・KOHエタ
ノール溶液で滴定し、算出した。 *2)ブロック化率:溶液の酸価より、固形分換算し算
出した。 *3)ブロック酸固形分:脱溶剤後の重量測定により算
出した。 *4)溶液の酸当量:水・メタノール溶液にてブロック
剤を解離後、酸価を測定した。 *5)重量平均分子量:ゲル浸透クロマトグラフィーに
よるポリスチレン換算の値である。
【0091】B.実施例 (実施例1) (1)ガスバリア性塗工液の調製 サンプル瓶(容量200ml)にテフロン(登録商標)
被覆した回転子を入れ、マグネチックスターラーに設置
した。このサンプル瓶の中に、第3表に示す配合割合に
従って、前記製造例記載のメインポリマー(A)、前記
製造例記載のブロック化カルボン酸化合物(B)、多官
能エポキシ樹脂(C)、及び、ハロゲンフリーの酸性触
媒(D)を加え、十分に攪拌溶解した後、粘度調整のた
めに希釈溶剤を加えて、攪拌、溶解後、これを濾過して
ガスバリア性塗工液α−1を得た。
【0092】
【表3】
【0093】*1)表中の略号は以下の通りである。
【0094】Ep#157:商品名エピコート157S
70(油化シェルエポキシ社製) LCAT−1:商品名ノフキュアーLCAT−1(日本
油脂(株)製) 3−MBA:酢酸−3メトキシブチルアセテート *2)(C)成分は、各希釈溶剤で50%に希釈したも
のを用いた。 *3)溶剤の水に対する溶解性:20℃の水100重量
部に溶解する溶剤の量(重量部)を示す。 *4)貯蔵安定性:塗工液の初期粘度が0.1〜1,0
00cpsで、且つ、当該塗工液を密閉容器中に20℃
で40日間放置後の粘度が初期粘度の2倍以下である時
に良好と判定した。 *5)透明性:400nm〜700nmの可視領域にお
ける透過率が90%以上の時に良好と判定した。 *6)硬度:JIS K5400(1990)に規定さ
れる鉛筆引っ掻き試験のうち8.4・1試験法で2H以
上の鉛筆硬度を示す時に良好と判定した。 *7)耐熱性:保護膜を設けたカラーフィルターを、2
50℃で1時間放置後の保護膜の膜厚減少が10%以下
で、且つ、当該放置前後の色差が1以下の時に良好と判
定した。なお、色差は、CIE(国際照明委員会)によ
って1976年に定められたΔEabの色差式によって
求めた。実際の測定は、顕微分光測定器(OSP−SP
100、オリンパス光学工業(株)製)によって行っ
た。 *8)耐溶剤性:保護膜を設けたカラーフィルターを、
イソプロピルアルコール、N−メチルピロリドン又はγ
−ブチロラクトンいずれかの溶剤に液温40℃で1時間
浸漬した後に保護膜の膜厚を測定して算出される膜厚減
少が、いずれの溶剤に浸漬した場合でも10%以下であ
る時に良好と判定した。 *9)耐温純水試験後密着性:保護膜を設けたカラーフ
ィルターを80℃の純水に1時間浸漬後にJIS K5
400(1990)8.5に規定される碁盤目テープ剥
離試験を行った結果が6点以上になる時に良好と判定し
た。
【0095】(2)ガスバリア性フィルムの作製 基材フィルムとして、ポリカーボネートフィルム(バイ
エル(株)製、商品名;「バイホールLP202」厚
み;200μm)を用い、片面にポリシラザン溶液(ク
ラリアントジャパン(株)製、「NL−110」キシレ
ン3%溶液)をグラビア印刷法により塗工し、120℃
の温度で熱風乾燥を行い、膜厚が0.1μmのプライマ
ー層を形成した。次に、巻き取り式の真空蒸着装置を用
い、この基材のプライマー面に、プラズマCVD法によ
って酸化珪素膜を形成した。プラズマCVD装置として
は、周波数90kHzの低周波電源を備える平行平板型
プラズマCVD装置(アネルバ製、PED−401)を
使用した。成膜条件としては、原料ガスにはヘキサメチ
ルジシロキサン(HMDSO)ガス(東レ・ダウ・コー
ニング・シリコーン(株)、SH200、0.65CS
t)1.5sccm、酸素ガス(太陽東洋酸素(株)、
純度99.9999%以上)15sccm、ヘリウムガ
ス30sccmを用い、投入電力250W、成膜圧力3
3.325Pa(250mTorr)で、成膜時間を調
整して膜厚が20nmとなるまで成膜した。なお、sccm
は、standard cubic cm per minuteの略である。
【0096】次に、得られた酸化珪素膜上に、上記塗工
液α−1をグラビア印刷法により塗工し、120℃の温
度で1時間熱処理を行い、1μmのオーバーコート層を
形成しガスバリア性フィルムを作製した。
【0097】得られたガスバリア性フィルムについて、
酸素ガス透過率測定と水蒸気透過率測定を行ってガスバ
リア性を評価した。酸素ガス透過率は、酸素ガス透過率
測定装置(MOCON社製、OX−TRAN 2/2
0)を用い、23℃、ドライ(0%Rh)の条件で測定
した。水蒸気透過率は、水蒸気透過率測定装置(MOC
ON社製、PERMATRAN−W 3/31)を用
い、37.8℃、100%Rhの条件で測定した。ガス
バリア性の評価基準は、酸素ガス透過率(OTR)が
0.5cc/m2/day以下であり、且つ水蒸気透過
率(WVTR)が0.5g/m2/day以下とした。
【0098】さらに、同じガスバリア性フィルムについ
て、全光線透過率を濁度計NDH2000(日本電色工
業(株)製)で測定して透明性(単位:%)を評価し、
表面平均粗さRa(単位:nm)をナノスコープIIIa
(デジタルインスツルメンツ(株)製)で測定して表面
平滑性を評価した。
【0099】(比較例1)実施例1と同じ装置・条件
で、オーバーコート層としてPVAを用いた場合を比較
例1とした。得られた試験試料のガスバリア性の評価
も、実施例1と同様に行った。
【0100】(比較例2)実施例1と同じ装置・条件
で、オーバーコート層として層状珪酸塩を用いた場合を
実施例1とした。得られた試験試料のガスバリア性の評
価は実施例1と同様に行った。
【0101】C.評価結果 各実験例の評価結果を下表に示す。実施例1の試料は優
れたガスバリア性を示したのに対し、比較例1、2の試
料は酸素ガス透過率(OTR)と水蒸気透過率(WVT
R)の何れも評価基準を上回り、不十分なガスバリア性
を示した。
【0102】
【表4】
【0103】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明はガスバリ
ア性の点で基材の選択の自由度が高く、プラスチック基
材等の軽量な材料を基材として用いることができ、非常
に高い透明性、耐熱性を備え、美しい表示性能を長期間
維持できる耐久性を有し、しかも軽量の表示素子用基材
が得られる。
【0104】また、プラスチック基材は可撓性が高く、
加工容易性にも優れているので、基材の形態としては基
板だけでなく、比較的薄いシートや可撓性に富むフィル
ムを用いることが可能であり、薄型の又は曲面にも適用
可能なフレキシブルな表示素子用基材が得られ、しか
も、フィルム状の巻き取り可能な基材を用いて表示素子
用基材を高速で連続生産することが可能である。
【0105】本発明に係る表示パネルは、上記本発明に
係る表示素子用基材を用いて表示素子を封入したもので
あり、パネル作製の過程で加熱工程を経ても、或いは、
パネル作製後に環境温度の変化に曝されてもガスバリア
性皮膜が変色やガスバリア性の低下を起こさず、充分な
透明性と非常に優れたガスバリア性を備えた表示パネル
が得られる。
【0106】そして、本発明によれば、上記表示パネル
を用いて耐久性に優れ、美しい表示性能を長期間維持で
きる表示装置が得られる。本発明は、非常に厳しいガス
バリア性が要求される有機EL表示装置にも適用可能で
あり、ダークスポットの発生を防止することができる。
【0107】また、本発明に係る表示素子用基材は、金
属酸化物層とエポキシ硬化物のオーバーコート層からな
るガスバリア性皮膜の透明性が高いので、透明性の高い
基材を組み合わせることで、液晶パネルの鑑賞者側のよ
うに視認性を確保すべき部分に用いる場合でも表示品質
に優れた表示装置が得られる。
【0108】さらに、基材選択の自由度が高いため、プ
ラスチックフィルムのような可撓性の高い基材を用い、
フレキシブルな表示装置が得られ、曲面等にも適用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表示素子用基材の一例を模式的に
示す断面図である。
【図2】本発明に係る表示素子用基材の別の例を模式的
に示す断面図である。
【図3】本発明に係る表示素子用基材を用いた表示素子
の一例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
101、102…表示素子用基材 201…有機EL表示パネル 1…基材 2…プライマー層 3…金属酸化物層 4…オーバーコート層 5…接着剤層 6…透明電極層 7…正孔注入層 8…発光材料層 9…正極層 10…有機EL素子 11…シール部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K007 AB08 AB11 AB12 AB14 BA07 BB01 CA06 DB03 FA02 4F100 AA17B AA20 AK01C AK05C AK25C AK45 AK53C AT00A BA03 BA10A BA10C EH462 EH66B GB41 HB312 JB13C JD02B 5C094 AA33 AA38 BA27 DA06 DA12 EB02 FA02

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の少なくとも一面にガスバリア性皮
    膜が設けられ、当該ガスバリア性皮膜は、金属酸化物層
    と、エポキシ基を有する化合物(a)を含有する熱硬化
    性樹脂組成物の硬化物により前記金属酸化物層上に形成
    されたオーバーコート層とを組み合わせた複合層を備え
    ていることを特徴とする、表示素子用基材。
  2. 【請求項2】 前記ガスバリア性皮膜内に、前記複合層
    が二重以上積層されていることを特徴とする、請求項1
    に記載の表示素子用基材。
  3. 【請求項3】 前記金属酸化物層は、気相成長法により
    形成されたものであることを特徴とする、請求項1又は
    2に記載の表示素子用基材。
  4. 【請求項4】 前記エポキシ基を有する化合物(a)
    は、一分子内にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ樹
    脂(a1)、及び、グリシジルメタクリレートを含む1
    種以上の単量体を重合させて得られるグリシジル基を一
    分子内に2つ以上有する重合体(a2)よりなる群から
    選ばれる化合物であることを特徴とする、請求項1乃至
    3いずれかに記載の表示素子用基材。
  5. 【請求項5】 前記エポキシ基を有する化合物(a)
    は、エポキシ基と共にカルボキシル基を有する化合物に
    由来するブロックカルボン酸(a3)であることを特徴
    とする、請求項1乃至3いずれかに記載の表示素子用基
    材。
  6. 【請求項6】 前記エポキシ基を有する化合物(a)
    は、一分子内にエポキシ基とカルボキシル基を各々2つ
    以上有する化合物に由来するブロックカルボン酸(a
    4)であることを特徴とする、請求項1乃至3いずれか
    に記載の表示素子用基材。
  7. 【請求項7】 前記熱硬化性樹脂組成物が、一分子内に
    エポキシ基を2つ以上有するエポキシ樹脂(a1)、及
    び、グリシジルメタクリレートを含む1種以上の単量体
    を重合させて得られるグリシジル基を一分子内に2つ以
    上有する重合体(a2)よりなる群から選ばれる少なく
    とも一つの化合物、及び、一分子内にエポキシ基とカル
    ボキシル基を各々2つ以上有する化合物に由来するブロ
    ックカルボン酸(a4)を含有することを特徴とする、
    請求項1乃至3いずれかに記載の表示素子用基材。
  8. 【請求項8】 前記熱硬化性樹脂組成物が、エポキシ基
    を有する化合物(a)と共にブロック化カルボキシル基
    を有する化合物(b)を含有することを特徴とする、請
    求項1乃至7いずれかに記載の表示素子用基材。
  9. 【請求項9】 前記ブロック化カルボキシル基を有する
    化合物(b)が、一分子内にカルボキシル基を2つ以上
    有する化合物に由来するブロックカルボン酸(b1)で
    あることを特徴とする、請求項8に記載の表示素子用基
    材。
  10. 【請求項10】 前記熱硬化性樹脂組成物が、一分子内
    にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ樹脂(a1)、
    及び、グリシジルメタクリレートを含む1種以上の単量
    体を重合させて得られるグリシジル基を一分子内に2つ
    以上有する重合体(a2)よりなる群から選ばれる少な
    くとも一つの化合物、及び、前記一分子内にカルボキシ
    ル基を2つ以上有する化合物に由来するブロックカルボ
    ン酸(b1)を含有することを特徴とする請求項8又は
    9に記載の表示素子用基材。
  11. 【請求項11】 前記請求項1乃至10いずれかに記載
    の表示素子用基材を少なくとも1枚含む2枚の基材を対
    向させ、両者の間に表示素子を封入したことを特徴とす
    る、表示パネル。
  12. 【請求項12】 前記表示素子用基材のガスバリア性皮
    膜が形成されている面を内側に向けて相手基材と対向さ
    せることを特徴とする、請求項11に記載の表示パネ
    ル。
  13. 【請求項13】 請求項11又は12に記載の表示パネ
    ルを用いて作製した表示装置。
  14. 【請求項14】 基材の少なくとも一面に、気相成長法
    によって金属酸化物層を形成した後、当該金属酸化物層
    上にエポキシ基を有する化合物(a)を含有する熱硬化
    性樹脂組成物からなる層を形成し、熱硬化させてオーバ
    ーコート層を形成することを特徴とする、表示素子用基
    材の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記金属酸化物層とオーバーコート層
    とを交互に2回以上形成することを特徴とする、請求項
    14に記載の表示素子用基材の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記エポキシ基を有する化合物(a)
    は、一分子内にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ樹
    脂(a1)、及び、グリシジルメタクリレートを含む1
    種以上の単量体を重合させて得られるグリシジル基を一
    分子内に2つ以上有する重合体(a2)よりなる群から
    選ばれる少なくとも一つの化合物であることを特徴とす
    る、請求項14又は15に記載の表示素子用基材の製造
    方法。
  17. 【請求項17】 前記エポキシ基を有する化合物(a)
    は、エポキシ基と共にカルボキシル基を有する化合物に
    由来するブロックカルボン酸(a3)であることを特徴
    とする、請求項14又は15に記載の表示素子用基材の
    製造方法。
  18. 【請求項18】 前記エポキシ基を有する化合物(a)
    は、一分子内にエポキシ基とカルボキシル基を各々2つ
    以上有する化合物に由来するブロックカルボン酸(a
    4)であることを特徴とする、請求項14又は15に記
    載の表示素子用基材の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記熱硬化性樹脂組成物が、一分子内
    にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ樹脂(a1)、
    及び、グリシジルメタクリレートを含む1種以上の単量
    体を重合させて得られるグリシジル基を一分子内に2つ
    以上有する重合体(a2)よりなる群から選ばれる少な
    くとも一つの化合物、及び、前記一分子内にエポキシ基
    とカルボキシル基を各々2つ以上有する化合物に由来す
    るブロックカルボン酸(a4)を含有することを特徴と
    する、請求項14又は15に記載の表示素子用基材の製
    造方法。
  20. 【請求項20】 前記熱硬化性樹脂組成物が、エポキシ
    基を有する化合物(a)と共にブロック化カルボキシル
    基を有する化合物(b)を含有することを特徴とする、
    請求項14乃至19いずれかに記載の表示素子用基材の
    製造方法。
  21. 【請求項21】 前記ブロック化カルボキシル基を有す
    る化合物(b)が、一分子内にカルボキシル基を2つ以
    上有する化合物に由来するブロックカルボン酸(b1)
    であることを特徴とする、請求項20に記載の表示素子
    用基材の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記熱硬化性樹脂組成物が、一分子内
    にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ樹脂(a1)、
    及び、グリシジルメタクリレートを含む1種以上の単量
    体を重合させて得られるグリシジル基を一分子内に2つ
    以上有する重合体(a2)よりなる群から選ばれる少な
    くとも一つの化合物、及び、前記一分子内にカルボキシ
    ル基を2つ以上有する化合物に由来するブロックカルボ
    ン酸(b1)を含有することを特徴とする請求項20又
    は21に記載の表示素子用基材の製造方法。
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