JP2006113322A - 透明電極付きバリアフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】透明電極のパターニング等の後加工におけるバリア層のダメージを軽減させ、バリア劣化の少ない透明電極付きバリアフィルムを提供すること。
【解決手段】透明プラスチックフィルム17の片面上に、酸化珪素(SiOx)または窒化珪素(SiNy)もしくはこれらの混合物(SiNnOm)からなるバリア層2、アクリル保護層3を順次に積層し、他面上に密着層4、酸化珪素または窒化珪素もしくはこれらの混合物からなるバリア層5、アクリル保護層6、透明電極層7を順次に積層したこと。アクリル保護層が、アクリルフラッシュ蒸着で形成されたこと。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶素子(LCD)、エレクトロルミネッセンス素子(EL)、タッチパネル素子(TP)等に代表されるエレクトロニクス素子用のバリア性を付与した透明電極付きバリアフィルムに関するものである。
自己発光体である有機EL素子は、低消費電力、高い応答速度、高視野角等の多くの利点から、ブラウン管や液晶ディスプレイに変わるフラットパネルディスプレイとして注目されている。有機EL素子は、一般に透明基板上に陽極層、有機発光層、陰極層を積層して有機EL素子が形成され、両電極層間に電圧を印可することにより有機発光層で発光が生じるものである。
しかしながら、有機EL素子は非常に酸素や水分に弱いことが知られており、このような有機EL素子は大気中に暴露した状態で放置すると、酸素、水蒸気の有機EL素子内への進入によって劣化が引き起こされることが知られている。特に、陰極層に用いられる仕事関数の低いアルカリ金属又はアルカリ土類金属は、水分の存在下では酸化されやすく、酸化されることにより電子の注入が阻害され、ダークスポットと呼ばれる非発光領域が発生し、時間の経過と共に拡大する。この陰極層を保護するために必要な水蒸気バリア性は1×10-6g/m2 /dayともいわれている。
また、可撓性を有する有機EL素子として、バリア膜を形成した透明プラスチックフィルム上に有機EL素子を形成することも盛んに研究されている(特許文献1、非特許文献1参照)。一般的にプラスチックフィルムは水、酸素のバリア性に乏しいため、有機EL素子の長寿命化のためには透明プラスチックフィルムへのバリア性の付与が不可欠である。
この様なガスバリアの劣性を補う方法として、透明プラスチックフィルム上にバリア層を設ける検討がなされている。このバリア層の材料としては、主に珪素、アルミニウムなどの金属酸化物層があげられ、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、CVD法などにより形成される。
更に、金属酸化物層を薬品から保護するために、金属酸化物層上にさらに耐薬品層を設ける検討もなされている。この薬品とは、透明電極付きバリアフィルムの透明電極をパターン化する際のエッチング工程で用いる、アルカリ性水溶液や酸性水溶液である。一般的に透明電極のエッチング工程は、レジスト被覆、レジスト露光、レジスト現像、透明電極エッチング、レジスト剥離の手順であり、レジスト現像工程とレジスト剥離工程ではアルカリ性水溶液を、透明電極エッチング工程では酸性水溶液を用いる。
特開2001−118674号公報 PIONEER R&D Vol No3 「有機フィルムディスプレイの開発」
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、この様な透明電極のパターニング等の後加工におけるバリア層のダメージを軽減させ、バリア劣化の少ない透明電極付きバリアフィルムを提供することを課題とする。
本発明は、透明プラスチックフィルムの片面上に、酸化珪素(SiOx)または窒化珪素(SiNy)もしくはこれらの混合物(SiNnOm)からなるバリア層、アクリル保護層を順次に積層し、他面上に密着層、酸化珪素または窒化珪素もしくはこれらの混合物からなるバリア層、アクリル保護層、透明電極層を順次に積層したことを特徴とする透明電極付きバリアフィルムである。
また、本発明は、上記発明による透明電極付きバリアフィルムにおいて、前記片面上のアクリル保護層及び他面上のアクリル保護層が、アクリルフラッシュ蒸着で形成されたアクリル保護層であることを特徴とする透明電極付きバリアフィルムである。
また、本発明は、上記発明による透明電極付きバリアフィルムにおいて、前記透明電極層をパターニングした後の水蒸気バリア性が0.01g/m2 /day(60℃、90%Rh)以下であり、酸素バリア性が0.001cm3 /m2 /day(30℃、70%Rh)以下であることを特徴とする透明電極付きバリアフィルムである。
本発明によれば、透明プラスチックフィルム上にバリア層として用いた酸化珪素、窒化珪素、又はその混合物上にアクリル保護層を成膜することにより、透明度が高く且つ、ガスバリア性の高い特性が得られ、更に透明電極のパターニング等の後加工によるバリア層へのダメージを軽減させることが可能であり、バリア劣化の少ない透明電極付きバリアフィルムを提供することができる。
以下に、本発明を実施の形態に基づいて説明する。
図1は、本発明による透明電極付きバリアフィルムの一実施例を示す断面図である。本発明に用いる透明プラスチックフィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム(PEN)、ポリカーボネートフィルム、ポリアリレートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム(PES)、ポリスルホンフィルム、アモルファスポリオレフィンフィルムなどがあげられる。透明プラスチックフィルムの厚みは任意であるが、一般的には数十μmから数百μmである。
酸化珪素(SiOx)または窒化珪素(SiNy)もしくはこれらの混合物(SiNnOm)からなるバリア層2、5の成膜方法としては、公知の真空蒸着法である、抵抗加熱による蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法などにより成膜される。
本発明ではバリア層として酸化珪素(SiOx)または窒化珪素(SiNy)もしくはこれらの混合物(SiNnOm)を用いるため、組成のコントロールには上記に挙げた成膜法の内、プラズマCVD法が特に好ましいと考えられる。また、透明プラスチックフィルムがロールで支給されることを考えると巻き取り式の真空成膜装置を用いることが好ましい。
また、バリア層2、5を保護するために用いられるアクリル保護層3、6は、同一の巻き取り式の真空成膜装置内で成膜されることが好ましいため、真空中でポリマー層を成膜することが可能である有機蒸着法や、アクリルフラッシュ蒸着、有機材料のスパッタリング等が挙げられるが、成膜レート、安定性、モノマーの自由度からアクリルフラッシュ蒸着が好ましいと考えられる。
さらに、アクリル保護層はバリア層を成膜する真空蒸着機と同一の真空層内で成膜される
ことが好ましい。また、真空中でポリマー層を成膜する利点としては生産性の向上だけでなく、成膜面が非常に平滑であることや、成膜後の大気開放による膜表面の汚染がないために密着性が向上する点などがあげられる。
また、透明電極層7を設ける側のバリア層5と透明プラスチックフィルム間の密着性を保持するために、密着層を設けることが必要である。密着層はバリア層と透明プラスチックフィルムの密着性に問題があったり、透明プラスチックフィルムの平滑性に問題があるときに有効な手段である。
それだけでなく内部応力の高い透明電極層を成膜した場合、それまでは問題のなかったバリア層と透明プラスチックフィルム間の密着性が低下してしまい、膜剥がれや、クラックの原因となる可能性があるので、これらの発生を防止する有効な手段である。この密着層は、予めバリア層を成膜する前にウェットコーティング等で成膜しておくことも可能であるが、上述のアクリルフラッシュ蒸着で成膜することも可能である。
アクリルフラッシュ蒸着は、光硬化性のあるアクリルモノマーの沸点またはそれ以上の温度で、アクリルモノマーが蒸発する前に熱分解する温度よりは低く保たれた気化室において、アクリルモノマーを連続的に気化させアクリルモノマーの均一な蒸気を発生させる。この蒸気を透明プラスチックフィルムの近傍に圧力差によって引き込み、透明プラスチックフィルム上に堆積し、電子線などの硬化装置を用いて堆積したアクリルモノマーを硬化させ、ポリマー層を形成するものである。重合性有機化合物としてはアクリル樹脂系、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、ポリエステル樹脂系等の各々モノマー、オリゴマーから任意のものを選ぶことが可能であり、更に複数種類を混合して用いてもよい。
アクリレートモノマーとしては、単官能アクリレートとして、例えば、イソアミルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシ−ジエチレングリコール、メトキシ−トリエチレングリコールアクリレート、メトキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等があげられる。
二官能アクリレートとしては、例えば、トリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1.6−ヘキサンジオールジアクリレート、1.9−ノナンジオールジアクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート等があげられる。
その他にも、多官能アクリレートとしてトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等をあげることができる。
上記のようなアクリレートモノマーを適宜選び、無機化合物層内に埋め込み、電子線照射によって重合させる。モノマーは1種類である必要はなく、2種類以上のモノマーの混合物であっても良い。
透明電極層7は、操作性、コスト、エッチング性などを総合考慮すると、事実上スパッタリング法を用いたITO(インジウム−錫複合酸化物)、IZO(インジウム−錫―亜鉛複合酸化物)が好適である。
スッパッタリングによるITOの成膜は、DC(直流)スパッタリング法、高周波スパッ
タリング法、マグネトロンスパッタリング法、デュアルマグネトロンスパッタリング法等があり、従来の公知の技術を用いることができる。
スパッタリング法による成膜は、ターゲットにアルミニウムを用いチャンバー内にアルゴンガス等の不活性ガスを導入し、ターゲットのアルミニウムを表面に設置した電極にDC、高周波、又はパルス電圧を印可することにより成膜が可能である。また、ターゲットを設置する電極内部に永久磁石又は電磁石を設置し、磁界を利用したマグネトロンスパッタリングを用いて成膜しても良い。
次に、本発明の透明電極付きバリアフィルムを製造する真空成膜装置について説明する。このような成膜を行う成膜装置の構成は様々に考えられ、特には限定されないが、図2に、その一例としてプラズマCVD成膜部9、アクリルフラッシュ蒸着成膜部10、及びスパッタリング成膜部11の各成膜部を有する巻き取り式の真空成膜装置8の断面図を示す。
図2に示すように、この真空成膜装置8は、略中央に成膜用の温調入りドラム14が設けられている。温調入りドラム14は、上下に2分する、上部の巻き取り室12と下部の成膜室13とで、その周囲が取り囲まれている。成膜室13は、プラズマCVD成膜部9、アクリルフラッシュ蒸着部10、及びスパッタリング成膜部11で構成され、各部は壁によって仕切られている。
巻き取り室12は、真空バルブを経て真空ポンプ(図示せず)により、排気されている。真空ポンプとしては油拡散ポンプ(DP)、油拡散エゼクタポンプ(DEP)、ターボ分子ポンプ、クライオポンプなどが用いられる。
また、巻き取り室12内には、反転可能な巻き取り/巻出し軸15、16が設置されており、透明プラスチックフィルムの双方向の巻取りが可能である。
第一巻き取り/巻出し軸15に装填されたロール状の透明プラスチックフィルム17は巻出され、温調入りドラム14の表面に巻き付けられる。透明プラスチックフィルム17は巻き付けられた状態で温調入りドラム14の回転に伴って成膜室13へと搬送される。透明プラスチックフィルム17の表面上には、例えば、成膜室13のプラズマCVD成膜部9においてバリア層、アクリルフラッシュ蒸着部10においてアクリル保護層、スパッタリング成膜部11において透明電極層7が順次に積層される。
成膜室13の各成膜部ごとに真空排気がなされている。このような各成膜部を合わせもつ反転可能な巻き取り式の真空成膜装置8では、透明プラスチックフィルム17上への積層を大気開放することなしに行うことが可能であり、生産性、クリーン度の向上、及び成膜後の大気開放による膜表面の汚染がないために密着性の向上等が考えられる。
上述のようにして得られた透明電極付きバリアフィルムを、例えば、有機EL素子に用いる場合には、透明電極層のパターニングが不可欠である。透明電極層のパターニングにはフォトリソグラフィー法、及びウェットエッチング法が一般的である。フォトリソグラフィー法、及びウェットエッチング法ではレジスト塗布、露光を行い、レジストにネガのパターニング、酸による透明電極のエッチング、レジストの剥離、洗浄等の多くの行程を行わなければならず、溶媒耐性、耐酸性、耐アルカリ性も必要となる。
本発明による透明電極付きバリアフィルムでは、保護層及び密着層を設けることにより、これら透明電極のパターニング工程からバリア層を保護して耐エッチング耐性を付与し、バリア劣化のないフィルムを得ることが可能となる。
以下に、本発明による透明電極付きバリアフィルムの具体的な実施例について説明する

上述した巻き取り式の真空成膜装置8を用いて、第一巻き取り/巻出し軸15に厚さ200μmのロール状のポリエーテルスルホン(PES)フィルムをセットし、まず、プラズマCVD成膜部9において、有機珪素化合物としてヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)を50℃で気化させたものを、HMDSO/酸素=5/50の流量比で真空成膜装置の電極へと導入し、RF電源を用いてプラズマを発生させ、100nmの膜厚の酸化珪素層をフィルムの表面上に作製した。
続いて、アクリルフラッシュ蒸着成膜部10において、トリプロピレングリコールジアクリレートを用いてフラッシュ蒸着し、さらに電子線硬化装置により硬化させることによりアクリル保護層を積層した後、第二巻き取り/巻出し軸16に巻き取った。大気解放後、第二巻き取り/巻出し軸16にフィルムの裏面上に成膜が可能な向きにフィルムをセットし直した。
裏面上には、まずアクリルフラッシュ蒸着成膜部10において、トリプロピレングリコールジアクリレートにアクリル基を有するシランカップリング剤を25%添加したものを同様の方法で0.2μm成膜し、第一巻き取り/巻出し軸15に巻き取った。更に大気開放することなしに、プラズマCVD成膜部9において酸化珪素、アクリルフラッシュ蒸着成膜部10においてアクリル保護層、及びスパッタリング成膜部11においてITO膜を150nm成膜し、目的の透明電極付きバリアフィルムを得た。
<比較例1>、実施例1において密着層を付けなかった以外は同様にして透明電極付きバリアフィルムを得た。
<比較例2>、実施例1においてアクリル保護層を付けなかった以外は同様にして透明電極付きバリアフィルムを得た。
〔評価方法〕まず、得られた透明電極付きフィルムをフォトリソグラフィー法及びウェットエッチング法によりパターニングを行った。その後パターニングされたバリアフィルムのバリア性は、水蒸気バリア性についてはCa法にて、酸素バリア性についてはMOCON法で測定した。
〔水蒸気バリア性の測定〕Ca法について簡単に説明する。まず、ガラス基板上に金属Caを圧力2×10-7torrにおいて50nm蒸着する。続いてCa蒸着付きガラス基板を大気開放せずに、露点が−50℃以下に保った窒素雰囲気化において、Ca蒸着付きガラス基板上にパターニングを行った後の透明電極付きバリアフィルムをエポキシ系接着剤を用いて張り合わせて、水蒸気バリア性評価用サンプルを得る。
金属Caは金属色を有しており、光線透過率は膜厚と相関がある。しかし、金属Caは水分と反応することにより透明な水酸化カルシウムへと変化する。よって光線透過率を測定することにより、水分によって消費されたCa膜厚を算出し、フィルムを透過した水分量を知ることができる。
予め、Caを蒸着しないでガラス基板とフィルムを張り合わせた場合の光線透過率を測定する。この値をTfとする。次に得られた水蒸気バリア性評価用サンプルを60℃、90%Rhの環境下に保存し、光線透過率を測定する。この値をTとする。初期の光線透過率をT0とすると、消費されたCa層の膜厚の割合は次の式で与えられる。
消費されたCa層の割合=(T ― T0)/(Tf − T0
この消費されたCa層の割合から、反応した水分量を求め、水蒸気バリア性を測定する。この方法によると、光線透過率10%変化で約7.0×10-3g/m2の水分の透過量となる。
〔評価〕酸素バリア性については、MOCON法(30℃、70%Rh)にて測定した結果を表1に示す。
水蒸気バリア性については上述したCa法にて実施例1及び比較例1について評価を行った。測定サンプルについてはCa層を50nm蒸着した場合のT0の値は40%、ガラス基板とフィルムを張り合わせたTfの値は90%であった。得られた測定サンプルを60℃、90%Rhの環境下に保存し、その水蒸気バリア性を算出した結果を図3、図4に示す。
Figure 2006113322
実施例1については、パターニング後も良好な水蒸気バリア性及び酸素バリア性を示していることがわかる。それに対し比較例2のフィルムは保護層がないためパターニング後のバリア性を維持していない。また比較例1はCa法による水蒸気バリア性の評価を行うと、光線透過率の変化が10%を超えるまでに1日持たなかった。これは比較例1のサンプルでは密着層を設けていないため、60℃、90%Rhの環境下に保存後、透明電極側の酸化珪素膜がフィルムから剥離しているのが確認された。
本発明による透明電極付きバリアフィルムの一実施例を示す断面図である。 本発明の透明電極付きバリアフィルムを製造する真空成膜装置の一例の断面図である。 水蒸気バリア性の評価結果の説明図である。 水蒸気バリア性の評価結果の説明図である。
符号の説明
1・・・透明プラスチックフィルム
2、5・・・バリア層
3、6・・・アクリル保護層
4・・・密着層
7・・・透明電極層
8・・・巻き取り式の真空成膜装置
9・・・プラズマCVD成膜部
10・・・アクリルフラッシュ蒸着成膜部
11・・・スパッタリング成膜部
12・・・巻き取り室
13・・・成膜室
14・・・温調入りドラム
15・・・第一巻き取り/巻出し軸
16・・・第二巻き取り/巻出し軸
17・・・ロール状の透明プラスチックフィルム

Claims (3)

  1. 透明プラスチックフィルムの片面上に、酸化珪素(SiOx)または窒化珪素膜(SiNy)もしくはこれらの混合物(SiNnOm)からなるバリア層、アクリル保護層を順次に積層し、他面上に密着層、酸化珪素または窒化珪素もしくはこれらの混合物からなるバリア層、アクリル保護層、透明電極層を順次に積層したことを特徴とする透明電極付きバリアフィルム。
  2. 前記片面上のアクリル保護層及び他面上のアクリル保護層が、アクリルフラッシュ蒸着で形成されたアクリル保護層であることを特徴とする請求項1記載の透明電極付きバリアフィルム。
  3. 前記透明電極層をパターニングした後の水蒸気バリア性が0.01g/m2 /day(60℃、90%Rh)以下であり、酸素バリア性が0.001cm3 /m2 /day(30℃、70%Rh)以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の透明電極付きバリアフィルム。
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