JP2001322952A - 9,10−ジフェニルアントラセンの製造法 - Google Patents
9,10−ジフェニルアントラセンの製造法Info
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Abstract
ルアントラセンを製造する方法を提供する。 【解決手段】 9,10-ジハロゲノアントラセンと
金属又は半金属フェニル化合物とをクロスカップリング
反応させることを特徴とする、9,10-ジフェニルアント
ラセンの製造法。
Description
ミネッセンス(EL)材料又は電子写真材料として有用
な9,10-ジフェニルアントラセンの製造法に関する。
エレクトロルミネッセンス(EL)材料、又は電子写真
材料として広く知られている。9,10-ジフェニルアント
ラセンの製造法としては、ベンゾフェノンと水素化カ
ルシウムを反応させて目的物を得る方法(Ber. (1928)
61, 1675)、9,10-ジクロロアントラセンを無水マレ
イン酸と反応させた後、塩化アルミニウムと反応させ目
的物を得る方法(Ber. (1931) 64, 2194)、ベンゾイ
ルヒドラジド(C 6H5CONHNH2)とベンゾイルギ酸(C6H5COCO
OH)を反応させた後、更にジシクロヘキシルカルボジイ
ミド(DCC)を用いて脱水縮合反応させ、次いでベンザ
インを用いてDiels-Alder反応させた後目的物を得る方
法(Synthesis (1977) 252)、o-クロロトリフェニル
メタンをシアン化銅と反応させニトリル化した後、ハロ
ゲン化フェニルマグネシウムによりグリニャール反応さ
せ、次いで臭化水素と酢酸を反応させ目的物を得る方法
(Am. Soc. (1943) 65, 451)等が知られているが、何
れの方法も、反応温度が高い、工程数が多い、反応時間
が長い、廃棄物(例えば、ではCa(OH)2、ではAl、
ではジシクロヘキシル尿素等。)がでる等の問題点を
有しており、これらの方法により得られる目的物は、何
れも純度が低く、且つ収率も50%以下と低い為、工業的
な製造法とは言い難いものであった。以上のことから、
9,10-ジフェニルアントラセンの簡便且つ工業的な製造
法の開発が望まれている現状にある。
き状況に鑑みなされたもので、簡便且つ工業的に9,10-
ジフェニルアントラセンを製造し得る方法を提供するこ
とを目的とする。
ゲノアントラセンと金属又は半金属フェニル化合物とを
クロスカップリング反応させることを特徴とする、9,10
-ジフェニルアントラセンの製造法、の発明である。
ントラセンを簡便且つ工業的に製造する方法を見出すべ
く鋭意検討の結果、9,10-ジハロゲノアントラセンと金
属又は半金属フェニル化合物とをクロスカップリング反
応させることにより、従来の製造法に於ける上記した如
き問題を解決して、1又は2工程で目的の9,10-ジフェ
ニルアントラセンを工業的に製造し得ることを見出し、
本発明を完成するに到った。
ンとしては、例えば、9,10-ジクロロアントラセン、9,1
0-ジブロモアントラセン、9,10-ジヨードアントラセ
ン、9-ブロモ-10-クロロアントラセン、9-ブロモ-10-ヨ
ードアントラセン、9-クロロ-10-ヨードアントアラセン
等が挙げられ、中でも9,10-ジクロロアントラセン、9,1
0-ジブロモアントラセン、9,10-ジヨードアントラセン
が好ましい。
物としては、フェニル基が直接金属又は半金属原子と結
合した化合物が挙げられ、例えば一般式[1]
Xはハロゲン原子又は水酸基を表し、nは0〜2の整数
を表す。)で示される化合物等が挙げられる。
子としては、例えばリチウム原子、マグネシウム原子、
アルミニウム原子、銅原子、亜鉛原子、スズ原子等が挙
げられ、中でも好ましくはリチウム原子、マグネシウム
原子、亜鉛原子、より好ましくはマグネシウム原子が挙
げられる。
あって金属の傾向を有するものであり、そのような具体
例としては、ホウ素原子、ケイ素原子等が挙げられ、中
でもホウ素原子が好ましい。
ばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙
げられる。
体例としては、例えば臭化フェニルマグネシウム,塩化
フェニルマグネシウム,ヨウ化フェニルマグネシウム等
のマグネシウム−炭素結合を有するフェニル化合物(Gr
ignard試薬)、例えば臭化フェニル亜鉛,塩化フェニル
亜鉛等の亜鉛−炭素結合を有するフェニル化合物、例え
ばフェニルリチウム等のリチウム−炭素結合を有するフ
ェニル化合物、例えばフェニルボロン酸等のホウ素−炭
素結合を有するフェニル化合物等が挙げられ、中でも臭
化フェニルマグネシウム、塩化フェニルマグネシウム、
ヨウ化フェニルマグネシウム、フェニルボロン酸が好ま
しい例として挙げられる。
製造法は、具体的には、以下のようにして実施される。
属又は半金属フェニル化合物とを、適当な溶媒中、要す
れば、クロスカップリング反応用金属触媒の存在下反応
させればよい。
フェニル化合物とをクロスカップリング反応させる場合
には、予め調製した金属フェニル化合物を9,10-ジハロ
ゲノアントラセンと反応させてもよいが、金属フェニル
化合物の合成原料である金属及びハロゲン化フェニルの
両者を、一挙に9,10-ジハロゲノアントラセンと反応さ
せてもよい。後者の場合は、反応系で、一旦、本発明に
係る金属フェニル化合物が生成し、次いでこの反応生成
物が9,10-ジハロゲノアントラセンとクロスカップリン
グ反応し、目的物が得られる。
ジハロゲノアントラセンとを反応させて、目的物である
9,10-ジフェニルアントラセンを製造する方法を下記式
[2]に示す。
は前記と同じ。)
を、一挙に9,10-ジハロゲノアントラセンと反応させ、
目的物を得る方法を下記式[3]に示す。
は、反応させる9,10-ジハロゲノアントラセンの種類等
によって異なるが、9,10-ジハロゲノアントラセンに対
して、通常1〜4当量、好ましくは1〜2当量である。
レン,ベンゼン等の芳香族炭化水素類、例えば酢酸メチ
ル,酢酸エチル,酢酸ブチル等のエステル類、例えばジ
エチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン,ジ
メトキシエタン,ジイソプロピルエーテル等のエーテル
類、例えば塩化メチル,クロロホルム,ジクロロメタ
ン、ジクロロエタン,ジブロモエタン等のハロゲン化炭
化水素類、例えばアセトン,メチルエチルケトン等のケ
トン類、例えばジメチルホルムアミド等のアミド類、例
えばアセトニトリル等のニトリル類、ジメチルスルホキ
シド等が挙げられる。これらは夫々単独で用いても、二
種以上適宜組み合わせて用いてもよい。
は、このような作用を有するものであれば特に限定され
ないが、例えばパラジウム系触媒、ニッケル系触媒、鉄
系触媒、コバルト系触媒、ルテニウム系触媒、ロジウム
系触媒等が挙げられ、好ましくは、例えばパラジウムブ
ロマイド,パラジウムクロライド,パラジウムヨージ
ド,パラジウムシアニド,パラジウムアセテート,パラ
ジウムトリフルオロアセテート,パラジウムアセチルア
セトナト[Pd(acac)2],ジアセテートビス(トリフェニル
ホスフィン)パラジウム[Pd(OAc)2(PPh3)2],テトラキス
(トリフェニルホスフィン)パラジウム[Pd(PPh3)4],ト
リス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム[Pd2(C6H5C
H=CHCOCH=CHC6H5)3],ジクロロジアミンパラジウム[Pd
(NH3)2Cl2],ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム
[Pd(CH3CN)2Cl2],ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラ
ジウム[Pd(PhCN)2Cl2],ジクロロ[1,2-ビス(ジフェニル
ホスフィノ)エタン]パラジウム[Pd(dppe)Cl2],ジクロ
ロ[1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジ
ウム[Pd(dppf)Cl2],ジクロロビス(トリシクロヘキシル
ホスフィン)パラジウム〔Pd[P(C6H11)3]2Cl2〕,ジクロ
ロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム[Pd(PPh3)2
Cl2],ジクロロビス(トリ-o-トリルホスフィン)パラジ
ウム〔Pd[P(CH3C6H4)3]2Cl2〕,ジクロロビス(1,5-シク
ロオクタジエン)パラジウム[Pd(C8H12)2Cl2],ジクロロ
ビスアセトニトリル(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ム[Pd(PPh3)(CH3CN)2Cl2]等の0価又は2価のパラジウ
ム系触媒、例えばニッケルブロマイド,ニッケルクロラ
イド,ニッケルフルオライド,ニッケルヨージド,ニッ
ケルヒドロキシド,ニッケルアセテート,ニッケルヒド
ロキシアセテート,ニッケルアセチルアセトナト[Ni(ac
ac)2],ニッケルトリフルオロアセチルアセトナト[Ni(C
F3COCHCOCH3)2],ニッケルヘキサフルオロアセチルアセ
トナト[Ni(CF3COCHCOCF3)2],ビス(2,2,6,6-テトラメチ
ル-3,5-ヘプタンジオナート)ニッケル[Ni(C11H
19O2)2],ビス(シクロペンタジエニル)ニッケル[Ni(C5H
5)2],ビス(エチルシクロペンタジエニル)ニッケル〔Ni
[(C2H5)C5H4]2〕,ビス(i-プロピルシクロペンタジエニ
ル)ニッケル〔Ni[(C3H7)C5H4]2〕,ビス(テトラメチル
シクロペンタジエニル)ニッケル〔Ni[(CH3)4C5H]2〕,
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ニッケル〔Ni
[(CH3)5C5]2〕,ビス(1,5-シクロオクタジエニル)ニッ
ケル[Ni(C8H12)2],ニッケルシクロヘキサンブチレート
〔Ni[OOC(CH2)3C6H11]2〕,ニッケルジメチルグリオキ
シム[Ni(HC4H6N2O2)2],ニッケル2-エチルヘキサノエー
ト〔Ni[OOCCH(C2H5)C4H9]2〕,テトラキス(トリフルオ
ロホスフィン)ニッケル[Ni(PF3)4],ジカルボニルビス
(トリフェニルホスフィン)ニッケル[Ni(PPh3)2(CO)2],
ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル[Ni(PP
h3)2Br2],ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッ
ケル[Ni(PPh3)2Cl2],ジクロロ[1,2-ビス(ジフェニルホ
スフィノ)エタン]ニッケル[Ni(dppe)Cl2],ジクロロ[1,
3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル[Ni(P
h2PCH2CH2CH 2PPh2)Cl2],ジクロロビス(2-エチルヘキサ
ノエイト)ニッケル〔Ni[OOCCH(C2H5)C4H9]2Cl2〕,ヘキ
サアミンニッケルクロライド〔[Ni(NH3)6]Cl2〕,ヘキ
サアミンニッケルヨージド〔[Ni(NH3)6]I2〕,ニッケロ
セン等の0価又は2価のニッケル系触媒、例えば塩化第
二鉄,フェロセン等の2価の鉄系触媒、例えばコバルト
クロライド,コバルトブロマイド,コバルトアセテー
ト,コバルトアセチルアセトナト[Co(acac)2],コバル
トセン等の2価のコバルト系触媒、例えば塩化銅等の2
価の銅系触媒、例えばジクロロトリス(トリフェニルホ
スフィン)ルテニウム[RuCl2(PPh3)3]等の2価のルテニ
ウム系触媒、例えばクロロトリス(トリフェニルホスフ
ィン)ロジウム[RhCl(PPh3)3]等の1価のロジウム系触媒
等が挙げられ、より好ましくは、0価又は2価のパラジ
ウム系触媒、0価又は2価のニッケル系触媒が挙げられ
る。これらの触媒は、多孔質担体、架橋されていてもよ
い高分子等に担持されたものを用いてもよく、該多孔質
担体としては、例えばカーボン、アルミナ、ゼオライ
ト、シリカ、セライト等が挙げられる。
量は、使用する9,10-ジハロゲノアントラセンや金属又
は半金属フェニル化合物の種類等によって異なるが、9,
10-ジハロゲノアントラセンに対して、通常0.00001〜1
倍モル、好ましくは0.0001〜0.3倍モルである。
になり、低すぎると反応速度が遅くなり反応に時間を要
するため、通常0〜200℃、好ましくは20〜150℃であ
る。
ェニル化合物及びクロスカップリング反応用金属触媒等
の種類等により異なるが、通常1分〜12時間、好ましく
は10分〜1時間である。
行われる同種反応に準じて行えばよい。
化合物は、市販品を用いても或いは常法により適宜製造
したものを用いてもよい。
高収率に、且つ高純度な9,10-ジフェニルアントラセン
を製造する方法であり、従来法と比較して、反応温度、
反応時間等の反応条件が工業的に適しており、且つ廃棄
物が少ないという利点を有する。
明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるもので
はない。
懸濁液に、還流下、ブロモベンゼン 321.4g(2.04mol)を
滴下し、Grignard試薬を調製した。調製したGrignard試
薬を、9,10-ジブロモアントラセン 286g(0.85mol)、THF
566mL、Pd(PPh3)2Cl2 0.6g(0.00085mol)の混液に、撹
拌下、30〜60℃で、30分間かけて滴下した。次いで、同
温度で1時間撹拌させた後、反応液に希塩酸300mlを添
加し、トルエン3Lで目的物を抽出した。得られた有機
層を、飽和食塩水で洗浄した後、総液量 750mLになるま
で濃縮した。析出した結晶を濾過、分取し、70℃で1時
間乾燥し、9,10-ジフェニルアントラセン229.5gを得
た。(収率 81.7%、HPLC純度 97.7%)
の懸濁液に、還流下、クロロベンゼン 229.6g(2.04mol)
を滴下し、Grignard試薬を調製した。調製したGrignard
試薬を、9,10-ジクロロアントラセン 210g(0.85mol)、T
HF 566mL、Pd(PPh3)4 1.0g(0.00085mol)の混液に、撹拌
下、30〜60℃で、30分間かけて滴下した。次いで、同温
度で1時間撹拌させた後、反応液に希塩酸300mLを添加
し、トルエン3Lで目的物を抽出した。得られた有機層
を、飽和食塩水で洗浄した後、総液量 750mLになるまで
濃縮した。析出した結晶を濾過、分取し、70℃で1時間
乾燥し、9,10-ジフェニルアントラセン 246.6gを得た。
(収率 87.8%、HPLC純度 98.4%)
6.6g(0.85mol)、ブロモベンゼン 321.4g(2.04mol)、THF
1.5Lの混液にMg 49.8g(2.04mol)、Pd(PPh3)2Cl2 0.6g
(0.00085mol)を加え、還流するまで加温した。次いで、
同温度で1時間撹拌させた後、反応液に希塩酸300mLを
添加し、トルエン3Lで目的物を抽出した。得られた有
機層を、飽和食塩水で洗浄した後、総液量 750mLになる
まで濃縮した。析出した結晶を濾過、分取し、70℃で1
時間乾燥し、9,10-ジフェニルアントラセン 207.3gを得
た。(収率 73.8%、HPLC純度95.2%)
6.6g(0.85mol)、Pd(PPh3)4 29.9g(0.0255mol)、ベンゼ
ン3Lの混液に2M Na2CO3水溶液 1.5L、フェニルボロン
酸 228.6g(1.87mol)のエタノール溶液 1.2Lを加え、6
時間加熱還流させた。次いで、反応液に30%H2O2 200mL
を加えて反応を停止し、有機層を分取した。得られた有
機層を水洗、無水硫酸マグネシウムで脱水した後、濾過
し、得られた濾液を総液量 750mLになるまで濃縮した。
析出した結晶を濾過、乾燥し、9,10-ジフェニルアント
ラセン 212.0gを得た。(収率 75.5%、HPLC純度 97.6
%)
ignard試薬を、9,10-ジブロモアントラセン 286g(0.85m
ol)、THF 566mL、Ni(acac)2 0.24g(0.00085mol)の混液
に、撹拌下、30〜60℃で、30分間かけて滴下した。次い
で、同温度で1時間撹拌させた後、反応液に希塩酸300m
Lを添加し、トルエン3Lで目的物を抽出した。得られた
有機層を、飽和食塩水で洗浄した後、総液量 750mLにな
るまで濃縮した。析出した結晶を濾過、分取し、70℃で
1時間乾燥し、9,10-ジフェニルアントラセン 213.2gを
得た。(収率:75.9%、HPLC純度:97.0%)
ignard試薬を、9,10-ジブロモアントラセン 286g(0.85m
ol)、THF 566mL、Ni(dppe)Cl2 0.4g(0.0085mol)の混液
に、撹拌下、30〜60℃で、30分間かけて滴下した。次い
で、同温度で1時間撹拌させた後、反応液に希塩酸300m
Lを添加し、トルエン3Lで目的物を抽出した。得られた
有機層を、飽和食塩水で洗浄した後、総液量 750mLにな
るまで濃縮した。析出した結晶を濾過、分取し、70℃で
1時間乾燥し、9,10-ジフェニルアントラセン 229.5gを
得た。(収率:81.7%、HPLC純度:97.7%)
ignard試薬を、9,10-ジクロロアントラセン 210g(0.85m
ol)、THF 566mL、Ni(PPh3)2Br2 0.6g(0.0085mol)の混液
に、撹拌下30〜60℃で、30分間で滴下した。次いで、同
温度で1時間撹拌させた後、反応液に希塩酸300mLを添
加し、トルエン3Lで目的物を抽出した。得られた有機
層を、飽和食塩水で洗浄した後、総液量 750mLになるま
で濃縮した。析出した結晶を濾過、分取し、70℃で1時
間乾燥し、9,10-ジフェニルアントラセン 228.6gを得
た。(収率:81.4%、HPLC純度:98.2%)
6.6g(0.85mol)、ブロモベンゼン 321.4g(2.04mol)、THF
1.5Lの混液にMg 49.8g(2.04mol)、Ni(acac)2 0.024g
(0.0085mol)を加え、還流するまで加温した。次いで、
同温度で1時間撹拌させた後、反応液に希塩酸300mLを
添加し、トルエン3Lで目的物を抽出した。得られた有
機層を、飽和食塩水で洗浄した後、総液量 750mLになる
まで濃縮した。析出した結晶を濾過、分取し、70℃で1
時間乾燥し、9,10-ジフェニルアントラセン 247.2gを得
た。(収率 73.5%、HPLC純度94.7%)
業的に9,10-ジフェニルアントラセンを製造し得る方法
を提供するものであり、本法によれば、1又は2工程で
収率良く9,10-ジフェニルアントラセンを製造すること
が可能であり、また得られる目的物の純度は、従来法に
よって得られるものよりも高いため、本発明は、より工
業的な9,10-ジフェニルアントラセンの製造法として極
めて有用である。
Claims (9)
- 【請求項1】9,10-ジハロゲノアントラセンと金属又は
半金属フェニル化合物とをクロスカップリング反応させ
ることを特徴とする、9,10-ジフェニルアントラセンの
製造法。 - 【請求項2】クロスカップリング反応をクロスカップリ
ング反応用金属触媒の存在下に行う請求項1に記載の製
造法。 - 【請求項3】金属又は半金属フェニル化合物が、一般式
[1] 【化1】 (式中、Mは金属又は半金属原子を表し、Xはハロゲン
原子又は水酸基を表し、nは0〜2の整数を表す。)で
示される化合物である請求項1又は2に記載の製造法。 - 【請求項4】Mがリチウム原子、マグネシウム原子、ア
ルミニウム原子、銅原子、亜鉛原子、スズ原子、ホウ素
原子又はケイ素原子である、請求項3に記載の製造法。 - 【請求項5】9,10-ジハロゲノアントラセンが9,10-ジブ
ロモアントラセン、9,10-ジクロロアントラセン、9,10-
ジヨードアントラセン、9-ブロモ-10-クロロアントラセ
ン、9-ブロモ-10-ヨードアントラセン又は9-クロロ-10-
ヨードアントラセンである、請求項1〜4の何れかに記
載の製造法。 - 【請求項6】金属又は半金属フェニル化合物が、臭化フ
ェニルマグネシウム、塩化フェニルマグネシウム、ヨウ
化フェニルマグネシウム、臭化フェニル亜鉛、塩化フェ
ニル亜鉛、フェニルリチウム又はフェニルボロン酸であ
る、請求項1〜5の何れかに記載の製造法。 - 【請求項7】クロスカップリング反応用金属触媒が、鉄
系触媒、コバルト系触媒、ニッケル系触媒、銅系触媒、
ルテニウム系触媒、ロジウム系触媒又はパラジウム系触
媒である、請求項2に記載の製造法。 - 【請求項8】9,10-ジハロゲノアントラセンが9,10-ジク
ロロアントラセン又は9,10-ジブロモアントラセンであ
り、金属又は半金属フェニル化合物が塩化フェニルマグ
ネシウム又は臭化フェニルマグネシウムである、請求項
1〜7の何れかに記載の製造法。 - 【請求項9】9,10-ジハロゲノアントラセンが9,10-ジク
ロロアントラセン又は9,10-ジブロモアントラセンであ
り、金属又は半金属フェニル化合物が塩化フェニルマグ
ネシウム又は臭化フェニルマグネシウムであり、クロス
カップリング反応用金属触媒がニッケル系触媒又はパラ
ジウム系触媒である、請求項2に記載の製造法。
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