JP2004352724A - フェニルアルキレンカルボン酸誘導体の製造方法 - Google Patents

フェニルアルキレンカルボン酸誘導体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 フェニルアルキレン酸誘導体を高収率で、かつ副生成物を精製することなく高純度でワンポットで製造できる方法を提供する。具体的には種々のハロ−フルオロアリール、及びハロアルキレンエステルから1段の反応で極めて簡便に、かつ短時間に、目的とするフェニルアルキレン酸誘導体を高収率、高選択率で製造する。
【解決手段】 1−ブロモ−3,4,5-トリフルオロベンゼンをTHF中のマグネシウムの懸濁液に滴下してグリニヤー化合物を得、これを更にTHF中の無水塩化亜鉛に加えた後、ビス(アセチルアセトナト)2,2’−ビピリジンニッケル(II)等の遷移金属触媒の存在下にエチルブロモアセテートと反応させて、エチル−3,4,5−トリフルオロフェニルアセテートを製造する。
【選択図】 なし。

Description

本発明は薬又は殺虫剤の原料化合物、鎮痛剤として有用なジベンゾシクロヘプタトリエン型化合物の原料、又は液晶原料として有用なフェニルアルキレン酸誘導体の製造方法に関する。
フェニル酢酸および酸エステル、ならびにそれらの誘導体、特に、フェニル環にて1つまたは1つより多い置換基を伴うそれらは、薬又は殺虫剤の原料化合物として注目されており、鎮痛剤として有用なジベンゾシクロヘプタトリエン型化合物の原料としてのフェニル酢酸を用いる技術が知られている(下記、特許文献1参照)。
このようなフェニル酢酸の製造方法としては、例えば、4−メトキシ安息香酸からそのα-ジアゾケトンを経由し、そのWolff再配置を介して(4−メトキシフェニル)酢酸を製造する方法が知られている。
他には、ベンジルニトリルの加水分解、COとのベンジルマグネシウム水素化物の反応、更に、アセトフェノンを先ず二級アミン、好ましくはモルフォリンの存在下でイオウ元素とともに、チオアミドに変換し、次いで対応するフェニル酢酸に加水分解するWillgerodt-Kindler反応等が知られている。
しかし乍ら、これらの全ての製造方法は、毒性の強い原料を用いなければならない他、多段階の反応が必要であり、相当な量の毒性非生分解性廃棄物が生成されるという問題があった。また、これら殆どの反応が、所望されるフェニル酢酸またはその主な誘導体の形成および収率は、その電気的な性質およびアリール置換基の置換位置に大きく依存するという問題もあった。
フェニル酢酸の製造方法において、技術的、経済的、又は環境的に好ましい方法として、α-ハロカルボン誘導体(酸、エステル、または塩)と、グリニヤー化合物との反応による、置換カルボン酸、エステル、またはその塩を製造する方法が知られている(下記、特許文献2参照)。かかる反応では、反応は、任意の触媒を使用することなく還流下で行うことができる。また、その原料化合物は、カルボニル基を含むので、副反応を生じてしまう。
そこで、その副反応を抑制する手段として、ニッケル触媒の存在下、アリール亜鉛塩化物およびエチルブロモアセテートとを反応させてアリール酢酸エステルを合成する方法が知られている(下記、非特許文献1参照)。
具体的には、ニッケル(II)触媒の存在下でのエチルブロモアセテートとのアリール亜鉛水素化物のカップリング反応があげられる。この触媒は、1当量のビス(アセチルアセトナト)ニッケル(II)および1当量のホスフィンリガンド(PPhまたはCyPhP)の添加によってその場で生成される。それにもかかわらず、それぞれ低収率およびビアリールのような副反応物を伴う問題がある。
DE 1593314号公報(第2〜4頁) GB 820083 Klingstedt、T.;Frejd、T.;Organometallics 1983、2、第598頁)
従って本発明が解決しようとする課題は、フェニルアルキレン酸誘導体を高収率で、かつ副生成物を精製することなく高純度でワンポットで製造できる方法を提供することにある。更に、具体的には種々のハロ−フルオロアリール、ならびにハロアルキレンエステルから1段の反応で極めて簡便に、かつ短時間に、目的とするフェニルアルキレン酸誘導体を高収率、高選択率で製造することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するため、鋭意検討した結果、特定の触媒の存在下にハロ−フルオロアリールとハロアルキレンエステルとを反応させることで高収率、高選択率でフェニルアルキレン酸誘導体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、下記一般式(1−1)又は(1−2)
Figure 2004352724
(ここでR〜Rは水素原子、フッ素原子、アルキル、アルコキシ、フルオロアルキル、シクロアルキル、フルオロシクロアルキル、アリール、フルオロアリール、アルケニル、アルキニル、前記一般式(1−1)においてMおよびMはLi、Mg、Zn、Cu(II)であり、前記一般式(1−2)においてMおよびMはLi、Mg、又はZn、MはCu(I)であり、Xは、Cl、BrまたはIである。)
で表されるフェニル金属ハロゲン化合物と、下記一般式(2−1)〜(2−3)
Figure 2004352724

(ここでZ、Z、およびZは、Cl、Br、またはIであり、nは、0〜10の整数であり、R及びRは、独立的に水素原子、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルケニル、アルケニル、アルコシキアルキル、アルコシキシクロアルキル、アルコキシシクロアルキル、又はアルコシキアリールを表し、Yは、アルキル、アリール、Li、Na、K、または第II族金属(Raを除く)である。)
で表されるカルボン酸誘導体とを、下記一般式(3−1)〜(3−7)
Figure 2004352724
(ここで、TMは二価または0価の遷移金属原子であり、R、R、R、R、Rf’、Rg’、Rh’、およびRi’は水素原子、アルキル、アルコキシ、パーフルオロアルキル、パーフルオロアルコキシ、アルケニル、アルキニル、またはハロゲン原子(Atを除く)であり、
、R、およびRはアルキル、アルコキシ、パーフルオロアルキル、パーフルオロアルコキシ、シクロアルキル、シクロアルコキシ、パーフルオロシクロアルキル、およびペルフルオロシクロアルコキシであり、
、R、R、R、およびRは水素、アルキル、アルコキシ、ペルフルオロアルキル、パーフルオロアルコキシ、アルケニル、アルキニル、またはハロゲン(Atを除く)であり、
前記一般式(3−1)〜(3−6)においてX、Xは無機イオン性リガンド又は有機リガンドであり、
前記一般式(3−7)においてXは、塩素、臭素、ヨウ素、水素化物、硫酸、亜硫酸、硝酸、アミド、またはアルキル、シクロアルキル及びアリールによって置換されたアミド、並びに有機カルボキシレートから選択されるリガンド、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基である。
また、前記一般式(3−7)において、mおよびnは1〜6の整数であり、Lはアルキルホスフィン、アリールホスフィン、アルキルアリールホスフィン、ビピリジル、及びフェナントロリンから選択されるリガンドである。)
で表される化合物から選択される遷移金属触媒の存在下に反応させることを特徴とするフェニルアルキレンカルボン酸誘導体の製造方法に関する。
本発明によれば、フェニルアルキレン酸誘導体を高収率で、かつ副生成物を精製することなく高純度でワンポットで製造する方法を提供できる。具体的には種々のパーフルオロアリール等のフェニル化合物、及びハロアルキレンエステルから1段の反応で極めて簡便に、かつ短時間に、目的とするフェニルアルキレン酸誘導体を高収率、高選択率で製造することができる。
従って、本発明は、単純な反応順序、短い反応時間、良好な収率および選択性、より低量の廃棄物を伴なう容易な生成物単離、市販の開始産物の使用、およびアリール置換基に関する広範な多能性を目的とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いるアリール金属ハロゲン化合物は、下記一般式(1−1)又は(1−2)で表されるものである。
Figure 2004352724

前記一般式(1−1)又は(1−2)において、R〜Rは水素原子、フッ素原子、アルキル、アルコキシ、フルオロアルキル、シクロアルキル、フルオロシクロアルキル、アリール、フルオロアリール、アルケニル、アルキニルである。
ここで、アルキルは、特に限定されるものではないが、炭素原子数1〜25の直鎖又は分岐構造のアルキル基が好ましい。また、アルケニルは、2〜25個の炭素原子を有する不飽和の炭化水素基であることが好ましい。同様に、上記各一般式において、アルキニルは、炭素原子数2〜25個の1つ以上の三重結合を有する炭化水素基であることが好ましい。更に、シクロアルキルは、例えば3〜8個の炭素原子を有する環状アルキル基であることが好ましく、また、アリールは、フェニルおよびナフチル基のような芳香族基が挙げられる。
上記R〜Rの中でも特に液晶化合物の原料としてフェニルアルキレンカルボン酸誘導体を製造する場合には、フッ素原子を有することがこのましく、R〜R中、2〜3個のフッ素原子を有することが好ましい。
また、前記一般式(1−1)においてMおよびMはLi、Mg、Zn、Cu(II)であり、前記一般式(1−2)においてMおよびMはLi、Mg、又はZn、MはCu(I)である。
Xは、Cl、Br、またはIである。
また、前記アリール金属ハロゲン化合物は、必要に応じて反応溶媒として使用されるジアルキルエーテルまたは脂環式エーテルが配位していてもよい。
次に、上記アリール金属ハロゲン化合物と反応させるカルボン酸誘導体は、下記一般式(2−1)〜(2−3)で表されるものである。
Figure 2004352724

前記一般式(2−1)〜(2−3)において、Z、Z、およびZは、それぞれ独立的にCl、Br、またはIであり、nは、0〜10の整数である。また、R及びRは、独立的に水素原子、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルケニル、アルケニル、アルコシキアルキル、アルコシキシクロアルキル、アルコキシシクロアルキル、又はアルコシキアリールである。Yは、アルキル、アリール、Li、Na、K、またはアルカリ土類金属(Raを除く)である。
また、nは0〜10の整数であり、なかでも0又は1であることが好ましい。特に、液晶化合物であるテトラリン化合物の原料としてはn=1であることが好ましい。
上記一般式(2−1)〜(2−3)において、アルキルは、特に限定されるものではないが、炭素原子数1〜25の直鎖又は分岐構造のアルキル基が好ましい。また、アルケニルは、2〜25個の炭素原子を有する不飽和の炭化水素基であることが好ましい。同様に、上記各一般式において、アルキニルは、炭素原子数2〜25個の1つ以上の三重結合を有する炭化水素基であることが好ましい。更に、シクロアルキルは、例えば3〜8個の炭素原子を有する環状アルキル基であることが好ましく、また、アリールは、フェニルおよびナフチル基のような芳香族基が挙げられる。
本発明では、上記アリール金属ハロゲン化合物とカルボン酸誘導体とを下記一般式(3−1)〜(3−7)で表される遷移金属触媒の存在下に反応させるものである。
Figure 2004352724

ここで、上記一般式(3−1)〜(3−7)において、TM(「遷移金属」)は、二価または0価のニッケル、パラジウム、またはプラチナである。
ここで、XおよびXは、無機イオン性リガンド又は有機リガンドである。
TMが二価である場合、X又はXの無機イオン性リガンドとしては、ハロゲン化物、水素化物、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、置換されたアミド(H、アルキル、シクロアルキル、アリール)が挙げられる。有機カルボキシレートとしては、酢酸、プロピオン酸、又はこれらのアルキル、シクロアルキル、アリール、フルオリン置換体等の有機カルボキシレート、或いは、ジケトン酸、例えば、ペンタ−2,4−ジオンのようなイオン性キレートリガンドが挙げられる。
TMが0価である場合、XおよびXは、一酸化炭素;アルキル、シクロアルキル、アリールによって置換されたアミン類;アルキル、シクロアルキル、ペルフルオロアルキル、アリール、ペルフルオロアリール、アリールスルホネートで置換されたホスフィン類;
エステル類;モノオレフィン類;ブタジエン、シクロオクタジエン等のビオレフィン類;またはシクロオクタテトラエン等の多官能性オレフィン類等が挙げられる。
また、R、R、R、R、Rf’、Rg’、Rh’、およびRi’はそれぞれ独立的に、水素原子、アルキル、アルコキシ、ペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、アルケニル、アルキニル、またはハロゲン(Atを除く)である。
、R、およびRは、アルキル、アルコキシ、ペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、シクロアルキル、シクロアルコキシ、ペルフルオロシクロアルキル、およびペルフルオロシクロアルコキシであり、R、R、R、R、およびRは水素原子、アルキル、アルコキシ、パーフルオロアルキル、パーフルオロアルコキシ、アルケニル、アルキニル、またはハロゲン(Atを除く)である。
上述で示される一般式(3−7)において、mおよびnは1〜6の整数であり、Lはリガンドを表し、アルキルホスフィン、アリールホスフィン、アルキルアリールホスフィン、ビピリジル、またはフェナントロリンである。これらのリガンドは、アルキル、アルコキシ、パーフルオロアルキル、パーフルオロアルコキシ、シクロアルキル、シクロアルコキシ、パーフルオロシクロアルキル、パーフルオロアルコキシ、およびパーフルオロシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、塩素、臭素、またはヨウ素によって置換されていてもよい。
当該リガンドは、置換又は未置換のアルキル基、アリール基、およびフェロセンによって架橋され得る。
また、一般式(3−7)において、Xは塩素、臭素、ヨウ素、水素化物、硫酸、亜硫酸、硝酸、アミド、またはアルキル、シクロアルキル、アリールによって置換されるアミドような無機イオン性リガンド、有機カルボキシレート等の有機リガンド、又はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基を表す。
これらの中でも特に遷移金属(TM)はNi(II)である触媒(以下、「Ni触媒」と略記する。)ことが触媒活性に優れる点から好ましい。この場合におけるリガンドは、特に目的物の選択性に優れる点からα,β−ジケトンおよびビピリジルに由来するリガンドが好ましく、この組み合わせによって複生成物たるビアリールの生成は飛躍的に減少され、収率も飛躍的に高まる。
かかるNi触媒は、予め該触媒を調整しておき、所定量のNi触媒を反応混合物に添加してもよいし、また、
金属転位工程によりアリール金属ハロゲン化合物を調整し、カルボン酸誘導体を添加する前の段階に、リガンドを有しない遷移金属塩と、リガンドを構成する化合物とを添加し、その場でNi触媒を生成させてもよい。
更に、とりわけフルオロフェニル酢酸エステルを製造する場合、ホスフィン非含有複合体ビス(アセチルアセトナト)-2,2’−ビピリジンニッケル(II)が最も高い触媒活性を発現し、選択率も高くなる点から好ましい。即ち、ホスフィン非含有複合体ビス(アセチルアセトナト)-2,2’−ビピリジンニッケル(II)を用いた場合、ビアリールの生成を回避できる他、反応も穏やかで常温での反応が可能であり、反応後の処理も容易となる。
上記一般式(3−1)〜(3−7)において、アルキルは炭素原子数1〜25の直鎖又は分岐構造のアルキル基であることが好ましい。また、上記一般式(3−1)〜(3−7)においてアルケニルは、2〜25個の炭素原子を有する不飽和の炭化水素基であることが好ましい。同様に、上記一般式(3−1)〜(3−7)において、アルキニルは、炭素原子数2〜25個の1つ以上の三重結合を有する炭化水素基であることが好ましい。
更に、上記一般式(3−1)〜(3−7)におけるシクロアルキルは、例えば3〜8個の炭素原子を有する環状アルキル基であることが好ましく、また、アリールは、フェニルおよびナフチル基のような芳香族基が挙げられる。
上記反応は、具体的には、−80℃〜260℃、好ましくは、20℃〜70℃の温度範囲において行うことができ、この際、反応溶媒を使用することができる。かかる反応溶媒としてジアルキルエーテルまたは脂環式エーテルを用いる場合、これらの反応溶媒は、前記一般式(1−1)及び(1−2)で表されるアリール金属ハロゲン化合物に配位する。
かかる反応溶媒のなかでも特に本発明ではテトラヒドロフランが好ましい。
アリール金属ハロゲン化合物は、対応するアリールハロゲン化物とArXおよびM(M=Mg、LI;下記式I参照)との反応によって生成できる。アリール金属ハロゲン化合物がCuおよびZnを有する場合には、式Iで得られた化合物を金属ハロゲン化物MX(M=Cu(II)、Zn:下記式II)と反応させて、ArMXの金属転位によって得ることができる。この手順はまた、MがLiである場合、M=Mgで実施することができる。具体的にはこのフルオロアリール金属ハロゲン化物の製造方法は、下記反応式で表すことができる。
Figure 2004352724

この方法は、MおよびMがそれぞれLiおよびMgであり、MがCu(I)((2)、上記式III参照)である場合、ジアリール化物を合成することができる。金属原子の原子価が異なる場合、上記式IIIはそれに合わせて適宜変更される。上記反応は、反応系内でその場(in situ)で合成できる。かかる合成時における反応温度は、−80℃から溶媒の還流の温度との間であることを要するが、有機金属種の安定性に依存する。好ましくは−80〜200℃、特に20℃〜70℃の温度条件であることが好ましい。
熱的な金属ハライドの脱離を経由して目的とするフェニルアルキレンカルボン酸誘導体を製造することがでるが、かかる反応は、遷移金属触媒によって行うことができるが一般に非選択的であり、また、副反応生成物の生成を伴う。従って、本発明の製造方法において原料の転化率が高く、選択率が非常に高いことは特筆すべき効果である。よって、本発明では、複生成物たるビフェニル化合物などは全く生成しない。更に、本発明の製造方法は、あらゆる物質の合成に適用できるという利点もある他、触媒の調整も容易であり、また、安価であるという利点もある。
本発明で用いられる前記遷移金属触媒は、極めて優れた触媒活性を示し、常温での反応を可能とする。よって、本発明では反応液の還流等が不要であり、エネルギー的に有利である。
前記遷移金属触媒を用いたカップリング反応は、一般的に下記の反応式で表される。
Figure 2004352724

また、下記反応式に示す通り、前記カルボン酸誘導体としてジハロ又はトリハロエステルを用いた場合は、それぞれジアロマティック化合物又はトリアロマティック化合物が得られる。
Figure 2004352724

ここで、ArMXは前記一般式(1−1)で表されるアリール金属ハロゲン化合物であり、ArRは、一般式(1−1)におけるアリール構造部位を表す。
本発明の製造方法において、反応温度は前記した通り、−80〜260℃の範囲、中でも−20〜150℃の範囲、特に20〜70℃の範囲であることが好ましく、この反応はワンポットプロセスとして行うことができる。
また、アリール金属ハロゲン化合物とカルボン酸誘導体との反応は、モル比で[前者:後者]=[1:1]〜[2:1]、特に[1.2:1]〜[1.5:1]であることが好ましい。
前記遷移金属触媒の反応系内における濃度は、原料成分と頭蓋触媒との合計モル数を基準として0.01〜5モル%、特に0.05〜1モル%の範囲であることが好ましい。
このようにして得られるフルオロフェニルアルキレンカルボン酸誘導体は、例えばアリール金属ハロゲン化合物として、前記式(1−1)で表される化合物を用いた場合、下記下記一般式(4−1)〜(4−3)で表される。下記式中、Arは、式(1−1)におけるフロロアリール構造部位を表し、その他の記号は、一般式(1−1)、一般式(2−1)〜(2−3)と同一である。
Figure 2004352724

本発明で得られるフルオロフェニルアルキレンカルボン酸誘導体は、薬又は殺虫剤の原料化合物、鎮痛剤として有用なジベンゾシクロヘプタトリエン型化合物の原料、又は液晶原料として有用であり、とりわけ液晶中間体として有用である。
次に本発明を実施例、比較例により具体的に説明する。なお、以下に記載の部及び%は、特に断りがない限り重量基準である。
実施例1
THF中の1−ブロモ−3,4,5-トリフルオロベンゼン(0.132モル、27.8g)の溶液を、THF中のマグネシウム(0.132mol、3.2g)の懸濁液に滴下して添加する。発熱性の反応が徐々に消失した後、反応混合物を30分間灌流した。グリニヤー溶液を、THF中の無水塩化亜鉛(0.132mol、18g)の攪拌溶液に滴下して添加し、これは0℃に冷却した。添加が完了した場合、溶液をなお室温で30分間攪拌した。反応混合物を0℃に冷却し、エチルブロモアセテート(0.11mol、18.4g)および触媒のビス(アセチルアセトナト)2,2’−ビピリジンニッケル(II)(0.4mmol、219mg、0.5mol%)を添加した。反応を5℃にて一晩放置した。溶液を、氷/水で冷却し、そしてジエチルエーテルで抽出する。飽和化塩化ナトリウム溶液で有機層を洗浄した。硫酸ナトリウム上での乾燥後、溶媒をエバポレートする。粗生成物を蒸留によって精製し、単離した。
収率:19.1g、80%、沸点(10−2mbar):110℃。
GC(精製後):100%エチル3,4,5−トリフルオロフェニルアセテート
GPC:(RI)100%エチル3,4,5−トリフルオロフェニルアセテート
MS:[m/z]218(M、C10);145(塩基、M−C);125(M−CFO);29(M−C
IR:[cm−1]3459/2v(C=O);3081/v(CH−Ar);2987;2942/v(CH/CH);1738/v(C=O);1622;1532/v(C=C);1451/δ(CH-Alk);1259/v(CF-Ar);1263/vas.(COO);1046/Vas.(OCHR);876;854/γoop(単離されたH-Ar)H−NMR[ppm]1.22(CH-ET、t、3H);3.7(CH-COO、s、2H);4.14(CH-Et、q、2H);7.17(CH-Ar、s、2H)(アセトン−d6、25℃、300MHz)13C−NMR[ppm]14.4(CH-Et);40.2(CH-COO);61.4(CH-Et);112.3;112.6(副生成物);114.6;114.7;114.8;114.9(C2−Ar、J(C,F)=15Hz);113(Cl-Ar);137.7;141(C3/C5−Ar、1J(C,F)=248Hz;149.8;153.1(C4−Ar、J(C,F)=247Hz);170.8(Cl-Ar)(アセトン−d6、25℃、75.43MHz)
19F-NMR[ppm]−146(F−C3/C5−Ar);−174.2(F−C4−Ar)(アセトン-d6、25℃、282.26MHz)
けん化:
0.06mol、13.1gエチル3,4,5−トリフルオロフェニルアセテートおよび100mlの1.35M NaOH水溶液(5.4g、0.135mol、2当量)の乳濁液を、3時間灌流した。4当量のHCl(希釈された水溶液)を室温への冷却後に添加した。3,4,5−トリフルオロフェニル酢酸の沈殿物(8.7g)を濾過して取り出し、そしてヘキサンから再結晶化した(7.7g)(融点:100℃)。
GC:100% 3,4,5−トリフルオロフェニル酢酸
GPC:(RI)UV 100% 3,4,5−トリフルオロフェニル酢酸
MS:(m/z)190(M、C);145(塩基、M−CHO);125(M−CHFO
IR(nujol):[cm−1]−3000/v(OH);3084;3061/v(CH−Ar);1717/v(C=O);1624;1531/v(C=C);1326/δ(CH);1249/v(C−F−Ar);1232/vas(COO);920/δoop.(OH);857/γ(単離されたH-Ar);722/δ(CHH−NMR[ppm]2.1(CH-COO、s、2H);7.19(CH-Ar、m、2H)(アセトン−d6、25℃、300MHz)
13C−NMR[ppm]39.9(CH-COO);114.8(C2−Ar、J(C,F)=15Hz);133(Cl−Ar、J(C,F)=5Hz);137.6;140.9(C3/C5−Ar、1J(C,F)=248Hz);149.8;153.1(C4−Ar、J(C,F)=249Hz);171.8(Cl-Ar)(アセトン−d6、25℃、75.43MHz)
19F-NMR[ppm]−146(F−C3/C5−Ar);−174.5(F−C4−Ar)(アセトン-d6、25℃、282.26MHz)
実施例2
ヘキサン中のn−ブチルリチウム(1.3mmol)の容液を、THF中の1,2−ジフルオロベンゼンの攪拌溶液に滴下して添加し、これは−78℃に冷却した。−78℃での1時間の攪拌後、THF中の無水塩化亜鉛(1.3mmol)の溶液を滴下して添加し、そして混合物を室温に加温する。溶液を室温で1時間攪拌し、そして0℃に冷却した。エチルブロモアセテート(1.3mmol)および触媒ビス(アセチル−アセトナト)−2,2’-ビピリジンニッケル(II)(0.4mmol/0.5mol%)を添加し、その後反応を室温に一晩放置した。溶液を氷/水で冷却し、そしてジエチルエーテルで抽出する。有機層を飽和化塩化ナトリウム溶液で洗浄した。硫酸ナトリウム上での乾燥後、溶媒をエバポレートした。粗生成物を蒸留によって精製する。収率77%
実施例3
アリール化合物とエステルとのモル比を1.5:1、反応時間を1時間する他は、実施例2に従って、1,2−ジフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2−(2,3−ジフルオロフェニル)アセテートを得た。収率74%。
実施例4
ビス(アセチルアセトナト)-4,4’−ジメトキシ−2,2−ビピリジンニッケル(II)を触媒として使用する他は、実施例2に従って、1,2−ジフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させ2−(2,3−ジフルオロフェニル)アセテートを得た。収率60%
実施例5
アリール化合物とエステルとのモル比を1.5:1、反応温度は50℃とする他は、実施例2に従って、1,2−ジフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2−(2,3−ジフルオロフェニル)アセテートを得た。収率65%
実施例6
ビス(アセチルアセトナト)−4,4’−ジメチル−2,2’-ジピリジンニッケル(II)を触媒として使用する他は、実施例2に従って、1,2−ジフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2−(2,3−ジフルオロフェニル)アセテートを得た。収率18%
実施例7
反応温度を5℃とする他は、実施例4に従って、1,2−ジフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2−(2,3−ジフルオロフェニル)アセテートを得た。収率46%
実施例8
ビス(アセチルアセトナト)-ビス(ペルフルオロトリフェニルホスフィン)-ニッケル(II)を触媒として使用し、アリール化合物とエステルとのモル比は1.5:1とする他は、実施例2に従って、1,2−ジフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2−(2,3−ジフルオロフェニル)アセテートを得た。収率10%
実施例9
ビス(アセチルアセトナト)−ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)を触媒として使用し、アリール化合物とエステルとのモル比を1.5:1とする他は、実施例2に従って、1,2−ジフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2−(2,3-ジフルオロフェニル)アセテートを得た。収率61%
実施例10
ビス(アセチルアセトナト)−ビス[トリス−(o−トルイル)ホスフィン]-ニッケル(II)を触媒として使用し、アリール化合物とエステルとのモル比は1.5:1とする他は、実施例2に従って、1,2−ジフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2−(2,3−ジフルオロフェニル)アセテートを得た。収率10%
実施例11
ビス(アセチルアセトナト)−ビス[トリス−(p−メトキシフェニル)ホスフィン]−ニッケル(II)を触媒として使用し、アリール化合物とエステルとのモル比を1.5:1とする他は、実施例2に従って、1,2−ジフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2−(2,3−ジフルオロフェニル)アセテートを得た。収率45%
実施例12
ビス(アセチルアセトナト)−ビス[トリス−(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン]−ニッケル(II)を触媒として使用し、アリール化合物とエステルとのモル比を1.5:1とする他は、実施例2に従って、1,2−ジフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2−(2,3−ジフルオロフェニル)アセテートを得た。収率8%
実施例13
ビス(アセチルアセトナト)−ビス(ジフェニルホスフィン)ニッケル(II)を触媒として使用し、アリール化合物とエステルとのモル比は1.5:1とする他は、実施例2に従って、1,2−ジフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2−(2,3−ジフルオロフェニル)アセテートを得た。収率57%
実施例14
ビス(アセチルアセトナト)−ビス(ジシクロへキシルフェニルホスフィン)−ニッケル(II)を触媒として使用し、アリール化合物とエステルとのモル比は1.5:1とする他は、実施例2に従って、1,2−ジフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2−(2,3−ジフルオロフェニル)アセテートを得た。収率60%
実施例15
ビス(アセチルアセトナト)−ビス(トリシクロへキシルホスフィン)−ニッケル(II)を触媒として使用し、アリール化合物とエステルとのモル比を1.5:1とする他は、実施例2に従って、1,2−ジフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2−(2,3−ジフルオロフェニル)アセテートを得た。
収率20%
実施例16
ジクロロ−ビス[−1,2−(ジフェニル−ホスフィノ)エタン]ニッケル(II)を触媒として使用し、アリール化合物とエステルとのモル比は1.5:1とする他は、実施例2に従って、1,2−ジフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2−(2,3−ジフルオロフェニル)アセテートを得た。収率20%
実施例17
ビス(アセチルアセトナト)−[1,1’−(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−ニッケル(II)を触媒として使用し、アリール化合物とエステルとのモル比を1.5:1とする他は、実施例2に従って、1,2−ジフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2−(2,3−ジフルオロフェニル)アセテートを得た。収率40%
実施例18
ビス(アセチルアセトナト)−1,10−(フェナントロリン)ニッケル(II)を触媒として使用し、アリール化合物とエステルとのモル比を1.5:1とする他は、実施例2に従って、1,2−ジフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2−(2,3−ジフルオロフェニル)アセテートを得た。収率45%
実施例19
ビス(アセチルアセトナト)ニッケル(II)を触媒として使用し、アリール化合物とエステルとのモル比を1.5:1とする他は、実施例2に従って、1,2−ジフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2−(2,3−ジフルオロフェニル)アセテートを得た。収率14%
実施例20
反応温度は室温とする他は、実施例1に従って、1−ブロモ−3,4,5−トリフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)アセテートを得た。収率92%
実施例21
反応時間は45分間とする他は、実施例1に従って、1−ブロモ−3,4,5−トリフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)アセテートを得た。収率92%
実施例22
ジクロロ−[1,1’―(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)を触媒として使用する他は、実施例1に従って、1−ブロモ−3,4,5−トリフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2-(3,4,5−トリフルオロフェニル)アセテートを得た。収率20%
実施例23
ジクロロ−ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)を触媒として使用し、反応時間は1時間とする他は、実施例1に従って、1−ブロモ−3,4,5−トリフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)アセテートを得た。収率10%
実施例24
ジクロロ−ビス[1,2−(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケル(II)を触媒として使用し、反応温度は室温とする他は、実施例1に従って、1−ブロモ−3,4,5−トリフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)アセテートを得た。収率29%
実施例25
ビス(アセチルアセトナト)−[1,1’−(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−ニッケル(II)を触媒として使用し、反応時間を1時間とする他は、実施例1に従って、1−ブロモ−3,4,5−トリフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)アセテートを得た。収率44%
実施例26
ビス(アセチルアセトナト)−2,2’−ビスオキサゾリン−ニッケル(II)を触媒として使用し、反応温度を室温とする他は、実施例1に従って、1−ブロモ−3,4,5−トリフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)アセテートを得た。収率50%
実施例27
ビス(アセチルアセトナト)−2,2’−ビスオキサゾリン−ニッケル(II)を触媒として使用し、反応時間を1時間とする他は、実施例1に従って、1−ブロモ−3,4,5−トリフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)アセテートを得た。収率51%
実施例28
ビス(アセチルアセトナト)−1,1’−(ジフェニル−ホスフィノ)フェロセン]−ニッケル(II)を触媒として使用し、反応温度は室温とする他は、実施例1に従って、1−ブロモ−3,4,5−トリフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)アセテートを得た。収率45%
実施例29
ビス(アセチルアセトナト)−ビス(トリフェニルホスファイト)−ニッケル(II)を触媒として使用し、反応温度は室温とする他は、実施例1に従って、1−ブロモ−3,4,5−トリフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)アセテートを得た。収率60%
実施例30
ジクロロ1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンニッケル(II)を触媒として使用する他は、実施例24に従って、1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2,4−ジフルオロフェニルアセテートを得た。収率28%
実施例31
ビス(アセチルアセトナト)−1,10-フェナントロリネンニッケル(II)を触媒として使用する他は、実施例24に従って、1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2,4−ジフルオロフェニルアセテートを得た。収率57%
実施例32
ジクロロ1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンパラジウム(II)を触媒として使用する他は、実施例24に従って、1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2,4−ジフルオロフェニルアセテートを得た。収率27%
実施例33
ビス(アセチルアセトネト)−2,2’−ビピリジンニッケル(II)を触媒として使用する他は、実施例24に従って、1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2,4−ジフルオロフェニルアセテートを得た。収率85%
実施例34
ビス(アセチルアセトナト)−2,2’−ビピリジンニッケル(II)を触媒として使用し、反応温度は50℃とする他は、実施例24に従って、1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2,4−ジフルオロフェニルアセテートを得た。収率52%
実施例35
ビス(アセチルアセトナト)−4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジンニッケル(II)を触媒として使用する他は、実施例24に従って、1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2,4−ジフルオロフェニルアセテートを得た。収率57%
実施例36
ビス(アセチルアセトナト)−4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビピリジンニッケル(II)を触媒として使用する他は、実施例24に従って、1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2,4−ジフルオロフェニルアセテートを得た。収率60%
実施例37
ビス(アセチルアセトナト)−2,2’−ビピリジンニッケル(II)を触媒として使用する他は、実施例24に従って、1−ブロモ−3,5−ジフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2−(3,5−ジフルオロフェニル)アセテートを得た。収率94%
実施例38
実施例37に従って、1−ブロモ−3,4−ジフルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2−(3,4−ジフルオロフェニル)アセテートを得た。収率87%
実施例39
実施例37に従って、1−ブロモ−3−フルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2−(3−ジフルオロフェニル)アセテートを得た。収率72%
実施例40
実施例37に従って、1−ブロモ−4−フルオロベンゼンおよびエチルブロモアセテートを反応させエチル2−(4−フルオロフェニル)アセテートを得た。収率74%
実施例41
ビス(アセチルアセトナト)−2,2’−ビスオキサゾリンニッケル(II)を触媒として使用する他は、実施例37に従って、1−ブロモ−3,4−ジフルオロベンゼンおよびエチル3−ブロモプロピオネートを反応させエチル3−(3,4−ジフルオロフェニル)プロピオネートを得た。収率11%
実施例42
実施例41に従って、1−ブロモ−3,4−ジフルオロベンゼンおよびエチル3−ヨードプロピオネートを反応させエチル3−(3,4−ジフルオロフェニル)プロピオネートを得た。収率55%
実施例43
ビス(アセチルアセトナト)-2,2’−ビピリジンニッケル(II)を触媒として使用する他は、実施例35に従って、1−ブロモ−3,4−ジフルオロベンゼンおよびエチル3−ヨードプロピオネートを反応させエチル3−(3,4−ジフルオロフェニル)プロピオネートを得た。収率45%
実施例44
ビス(アセチルアセトナト)-2,2’−ビスオキサゾリンニッケル(II)を触媒として使用する他は、実施例35に従って、1−ブロモ−3,4−ジフルオロベンゼンおよびエチル3−ヨードプロピオネートを反応させエチル3−(3,4−ジフルオロフェニル)プロピオネートを得た。収率55%
実施例45
ビス(アセチルアセトナト)ビス(トリシクロヘキシル)ニッケル(II)を触媒として使用する他は、実施例35に従って、1−ブロモ−3,4−ジフルオロベンゼンおよびエチル3−ヨードプロピオネートを反応させエチル3−(3,4−ジフルオロフェニル)プロピオネートを得た。収率10%
実施例46
ビス(アセチルアセトナト)ビス(トリ―n−オクチル)ニッケル(II)を触媒として使用する他は、実施例35に従って、1−ブロモ−3,4−ジフルオロベンゼンおよびエチル3−ヨードプロピオネートを反応させエチル3−(3,4−ジフルオロフェニル)プロピオネートを得た。収率28%

Claims (6)

  1. 下記一般式(1−1)又は(1−2)
    Figure 2004352724
    (ここでR〜Rは水素原子、フッ素原子、アルキル、アルコキシ、フルオロアルキル、シクロアルキル、フルオロシクロアルキル、アリール、フルオロアリール、アルケニル、アルキニル、前記一般式(1−1)においてMおよびMはLi、Mg、Zn、Cu(II)であり、前記一般式(1−2)においてMおよびMはLi、Mg、又はZn、MはCu(I)であり、Xは、Cl、BrまたはIである。)
    で表されるフェニル金属ハロゲン化合物と、下記一般式(2−1)〜(2−3)
    Figure 2004352724

    (ここでZ、Z、およびZは、Cl、Br、またはIであり、nは、0〜10の整数であり、R及びRは、独立的に水素原子、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルケニル、アルケニル、アルコシキアルキル、アルコシキシクロアルキル、アルコキシシクロアルキル、又はアルコシキアリールを表し、Yは、アルキル、アリール、Li、Na、K、または第II族金属(Raを除く)である。)
    で表されるカルボン酸誘導体とを、下記一般式(3−1)〜(3−7)
    Figure 2004352724

    (ここで、TMは二価または0価の遷移金属原子であり、R、R、R、R、Rf’、Rg’、Rh’、およびRi’は水素原子、アルキル、アルコキシ、パーフルオロアルキル、パーフルオロアルコキシ、アルケニル、アルキニル、またはハロゲン原子(Atを除く)であり、
    、R、およびRはアルキル、アルコキシ、パーフルオロアルキル、パーフルオロアルコキシ、シクロアルキル、シクロアルコキシ、パーフルオロシクロアルキル、およびペルフルオロシクロアルコキシであり、
    、R、R、R、およびRは水素、アルキル、アルコキシ、ペルフルオロアルキル、パーフルオロアルコキシ、アルケニル、アルキニル、またはハロゲン(Atを除く)であり、
    前記一般式(3−1)〜(3−6)においてX、Xは無機イオン性リガンド又は有機リガンドであり、
    前記一般式(3−7)においてXは、塩素、臭素、ヨウ素、水素化物、硫酸、亜硫酸、硝酸、アミド、またはアルキル、シクロアルキル及びアリールによって置換されたアミド、並びに有機カルボキシレートから選択されるリガンド、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基である。
    また、前記一般式(3−7)において、mおよびnは1〜6の整数であり、Lはアルキルホスフィン、アリールホスフィン、アルキルアリールホスフィン、ビピリジル、及びフェナントロリンから選択されるリガンドである。)
    で表される化合物から選択される遷移金属触媒の存在下に反応させることを特徴とするフェニルアルキレンカルボン酸誘導体の製造方法。
  2. 前記一般式(1−1)又は(1−2)において、nおよびYが1〜8までの整数であり、MはLi、Mgであり(但し、金属はMがLiである場合Xは置換基を有しない。)、前記一般式(1−1)において、Mは、Mg(MがMgである場合を除く)、Zn、Cu(II)であり、前記一般式(1−2)において、MはMg(MがMgである場合を除く)、Znであり、前記一般式(1−2)においてMはCu(I)であり、Xは塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 前記一般式(2−1)〜(2−3)において、
    Zは塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子であり、
    Yは置換されたまたは未置換のアルキル、アリール、リチウム、ナトリウム、カリウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、またはバリウムからなる群より選択される基であり、
    mは0〜3であり、nは0〜10の整数である請求項1記載の製造方法。
  4. 前記反応を反応媒体の存在下に行い、該反応溶媒としてテトラヒドロフランを用いる請求項1記載の製造方法。
  5. 反応温度が、20℃〜70℃の範囲である請求項1記載の製造方法。
  6. 反応系内の遷移金属触媒の濃度が、0.01モル%〜5モル%である請求項1記載の製造方法。
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