JP2001316572A - 電磁波シールド用樹脂組成物 - Google Patents

電磁波シールド用樹脂組成物

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JP2001316572A
JP2001316572A JP2000134384A JP2000134384A JP2001316572A JP 2001316572 A JP2001316572 A JP 2001316572A JP 2000134384 A JP2000134384 A JP 2000134384A JP 2000134384 A JP2000134384 A JP 2000134384A JP 2001316572 A JP2001316572 A JP 2001316572A
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Japan
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melt viscosity
weight
parts
electromagnetic wave
resin composition
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JP2000134384A
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English (en)
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Takayoshi Numata
貴善 沼田
Saneo Oda
実生 小田
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁波シールド性に優れる組成物を提供す
る。 【解決手段】 (A)見掛けの溶融粘度が10〜200
Pa・sの熱可塑性ポリエステル100重量部、(B)
見掛けの溶融粘度が10〜300Pa・sの芳香族ポリ
カーボネート5〜250重量部、(C)体積抵抗率1×
10-2Ωcm以下の繊維状導電性フィラー1〜150重
量部 および(D)表面抵抗率が1011Ω以下、融点が
100℃以上、見掛けの溶融粘度が10〜1000Pa
・s且つ熱可塑性ポリエステルに対する見掛けの溶融粘
度の比が0.01〜3である制電ポリマー5〜200重
量部からなる電磁波シールド用樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁波シールド用
途に好適な樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にポリエステル系樹脂は電気的に絶
縁性の物質であるが、電気、電子部品用途に用いるとき
には導電性が要求される場合が多く、さらに電磁波をシ
ールドするために導電性が要求される場合も多い。
【0003】熱可塑性ポリエステル樹脂を導電化する方
法として、導電塗料、電磁波遮蔽メッキ、亜鉛溶射等の
表面処理による方法があり、また熱可塑性ポリエステル
樹脂中に金属粉、カーボンブラック、金属フレーク、金
属コート炭素繊維等の導電性充填材を配合して成形する
方法がある。
【0004】しかし、表面処理による方法では、成形さ
れた筐体成形品表面に導電処理するために煩雑な加工工
程が必要であり、そして導電層が剥離し易い等の欠点を
有している。
【0005】また、導電性充填剤を配合した樹脂組成物
から成形する方法では、特殊な後工程を必要とせず導電
層が剥離する心配はないが、なお種々の問題がある。例
えば、カーボンブラック、金属粉、金属フレーク等の粒
子状導電性充填剤を添加した樹脂組成物は導電性が悪
く、シールド効果は十分でない。充分なシールド効果を
得るために配合量を多くすると機械的特性が著しく低下
することになる。
【0006】銅繊維、ステンレス繊維、炭素繊維、金属
コート炭素繊維等の繊維状導電性充填剤を配合した樹脂
組成物では、機械的特性および熱的特性が向上し、粒子
状導電性充填剤を添加した場合と比較して導電性が良好
であるものの、繊維状導電性充填剤の分散不良により、
高いシールド効果を得ることができない。
【0007】ポリエステルエラストマーと繊維状導電性
充填剤と導電性粉末を併用する方法が、特開平9-25
397号公報に開示されているが、強度が未だ十分では
なく、シールド効果が充填剤の分散状態に依存してお
り、高いシールド効果を得ることができない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電磁波シー
ルド性に優れる電磁波シールド用樹脂組成物を提供する
ことを目的とする。
【0009】電磁波シールド性を評価する方法としてア
ドバンテスト法がある。本発明は、アドバンテスト法に
よる磁界波200MHzにおける30dB以上の電磁波
シールド性を備える電磁波シールド用樹脂組成物を得る
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、 1) (A)見掛けの溶融粘度が10〜200Pa・s
の熱可塑性ポリエステル100重量部、(B)見掛けの
溶融粘度が10〜300Pa・sの芳香族ポリカーボネ
ート5〜250重量部、(C)体積抵抗率1×10-2Ω
cm以下の繊維状導電性フィラー1〜150重量部 お
よび(D)表面抵抗率が1011Ω以下、融点が100℃
以上、見掛けの溶融粘度が10〜1000Pa・s且つ
熱可塑性ポリエステル(A)に対する見掛けの溶融粘度
の比が0.01〜3である制電ポリマー5〜200重量
部からなる電磁波シールド用樹脂組成物であり、 2) (A)見掛けの溶融粘度が10〜200Pa・s
の熱可塑性ポリエステル100重量部、(B)見掛けの
溶融粘度が10〜300Pa・sの芳香族ポリカーボネ
ート5〜250重量部、(C)体積抵抗率1×10-2Ω
cm以下の繊維状導電性フィラー1〜150重量部、
(D)表面抵抗率が1011Ω以下、融点が100℃以
上、見掛けの溶融粘度が10〜1000Pa・s且つ熱
可塑性ポリエステル(A)に対する見掛けの溶融粘度の
比が0.01〜3である制電ポリマー5〜200重量部
および (E)制電性ポリマー100重量%に対して
0.1〜40重量%の重量の導電性粉末 からなる電磁
波シールド用樹脂組成物である。
【0011】熱可塑性ポリエステル(A)の見掛けの溶
融粘度は、260℃での見掛けのせん断速1000se
-1における見掛けの溶融粘度である。
【0012】熱可塑性ポリエステル(A)の見掛けの溶
融粘度は、本発明の電磁波シールド用樹脂組成物を製造
するために配合されるときの値であり、単一の成分とし
ての値である。
【0013】芳香族ポリカーボネート(B)の見掛けの
溶融粘度は、315℃での見掛けのせん断速1000s
ec-1における見掛けの溶融粘度である。
【0014】芳香族ポリカーボネート(B)の見掛けの
溶融粘度は、本発明の電磁波シールド用樹脂組成物を製
造するために配合されるときの値であり、単一の成分と
しての値である。
【0015】制電ポリマー(D)の表面抵抗率は、測定
電圧500Vでの測定値である。
【0016】制電ポリマー(D)の見掛けの溶融粘度
は、260℃での見掛けのせん断速度1000sec-1
における見掛けの溶融粘度である。
【0017】制電ポリマー(D)の熱可塑性ポリエステ
ル(A)に対する見掛けの溶融粘度の比は、熱可塑性ポ
リエステル(A)の260℃での見掛けのせん断速度1
000sec-1における見掛けの溶融粘度に対する、制
電ポリマー(D)の260℃での見掛けのせん断速度1
000sec-1における見掛けの溶融粘度の比である。
【0018】制電ポリマー(D)の表面抵抗率、見掛け
の溶融粘度および熱可塑性ポリエステル(A)に対する
見掛けの溶融粘度の比は、本発明の電磁波シールド用樹
脂組成物を製造するために配合するときの値であり、単
一の成分としての値である。
【0019】そこで、本発明は典型的な態様として、
(A)260℃での見掛けのせん断速1000sec-1
における見掛けの溶融粘度が10Pa・s〜200Pa
・sの熱可塑性ポリエステル100重量部に、(B)3
15℃での見掛けのせん断速1000sec-1における
見掛けの溶融粘度が10Pa・s〜300Pa・sの芳
香族ポリカーボネート5〜250重量部、(C)体積抵
抗率1×10-2Ωcm以下の繊維状導電性フィラー1〜
150重量部 および(D)表面抵抗率が1011Ω以下
(但し、表面抵抗率は測定電圧500Vでの測定値であ
る)、融点が100℃以上、260℃での見掛けのせん
断速度1000sec-1における見掛けの溶融粘度が1
0〜1000Pa・s、且つ260℃での見掛けのせん
断速度1000sec-1における熱可塑性ポリエステル
樹脂に対する見掛けの溶融粘度の比が0.01〜3であ
る制電ポリマー5〜200重量部を配合してなる電磁波
シールド用樹脂組成物である態様をとる。
【0020】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0021】[熱可塑性ポリエステル(A)]熱可塑性
ポリエステル(A)は、ジカルボン酸成分およびジオー
ル成分からなる。ジカルボン酸成分としては、テレフタ
ル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸を例示するこ
とできる。ジオール成分としては、エチレングリコー
ル、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ルを例示することができる。
【0022】熱可塑性ポリエステル(A)として、結晶
化速度が速いことから、ポリブチレンテレフタレート、
ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレン−2,6−ナフタレンジカルボキ
シレートおよびポリエチレン−2,6−ナフタレンジカ
ルボキシレートが好ましく、特にポリブチレンテレフタ
レートが好ましい。
【0023】熱可塑性ポリエステル(A)は、全ジカル
ボン酸成分に対して例えば30モル%以下、好ましくは
20モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下の共
重合成分を共重合して成ってもよい。
【0024】かかる共重合成分としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、フタル酸;メチルテレフタル酸、メ
チルイソフタル酸等のアルキル置換フタル酸;2,6−ナ
フタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン
酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸等のナフタレンジカ
ルボン酸;4,4−ジフェニルジカルボン酸、3,4−ジフェ
ニルジカルボン酸等のジフェニルジカルボン酸、4,4−
ジフェノキシエタンジカルボン酸等のジフェノキシエタ
ンジカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、
アゼライン酸、デカンジカルボン酸、シクロヘキサンジ
カルボン酸等の脂肪族または脂環族ジカルボン酸;1,4
−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール;ハ
イドロキノン、レゾルシン等のジヒドロキシベンゼン;
2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−スルホン等のビ
スフェノール類、ビスフェノール類とエチレングリコー
ルのごときグリコールとから得られるエーテルジオール
等の芳香族ジオール;ε−オキシカプロオン酸、ヒドロ
キシ安息香酸、ヒドロキシエトキシ安息香酸等のオキシ
カルボン酸を例示することができる。
【0025】熱可塑性ポリエステル(A)には、分岐成
分として、トリメシン酸、トリメリット酸等の多官能の
エステル形成能を有する酸、グリセリン、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトール等の多官能のエステ
ル形成能を有するアルコールを全ジカルボン酸成分の
1.0モル%以下、好ましくは0.5モル%以下、更に
好ましくは0.3モル%以下共重合せしめてもよい。
【0026】熱可塑性ポリエステル(A)は、その固有
粘度が好ましくは0.6〜1.2、さらに好ましくは、
0.6〜0.9である。固有粘度が0.6未満であると
十分な機械的特性が得られず好ましくなく、1.2を超
えると溶融粘度が高く流動性が低下して成形性が損なわ
れるため好ましくない。ここで、固有粘度は、35℃に
おけるオルトクロルフェノール中での測定値から算出さ
れた値である。
【0027】熱可塑性ポリエステル(A)は、260℃
での見掛けのせん断速1000sec-1における見掛け
の溶融粘度が10〜200Pa・sであることが必要で
あり、10〜120Pa・sであることが好ましい。1
0Pa・s未満であると十分な機械的物性が得られず、
200Pa・s超えると電磁波のシールド効果が不足す
る。
【0028】[芳香族ポリカーボネート(B)]芳香族
ポリカーボネート(B)自体は公知のポリマーである。
これは、一般に、2価フェノール化合物を、例えばホス
ゲン、ハロゲン化ギ酸エステル、炭酸エステルの如きカ
ーボネート前駆体と反応させることによって調製するこ
とができる。また、芳香族ポリカーボネートはエステル
交換反応によっても調製し得る。
【0029】芳香族ポリカーボネートは以下の式で表さ
れる構造単位からなるポリマーである。
【0030】
【化1】
【0031】式中、Aは当該ポリマーの調製に使用され
る2価フェノールに由来する2価の芳香族基である。1
つの芳香核の炭素に直接結合したヒドロキシ基を2個含
む単核或は多核芳香族化合物は、2価フェノールとして
当該芳香族ポリカーボネートの調製に使用することがで
きる。
【0032】適切な2価フェノールの例は、以下のもの
である:2,2ービスー(4ーヒドロキシフェニル)プ
ロパン;ヒドロキノン;レゾルシノール;2,2ービス
ー(4ーヒドロキシフェニル)ペンタン;2,4‘ー
(ジヒドロキシジフェニル)メタン;ビスー(2ーヒド
ロキシフェニル)メタン;ビスー(4ーヒドロキシフェ
ニル)メタン;ビスー(4ーヒドロキシー5ーニトロフ
ェニル)メタン;1,1ービス(4ーヒドロキシフェニ
ル)エタン;3,3ービス(4ーヒドロキシフィニル)
ペンタン;2,2ージヒドロキシフェニル;2,6ージ
ヒドロキシナフタレン;ビスー(4ーヒドロキシジフェ
ニル)スルホン;ビスー(3,5ージエチルー4ーヒド
ロキシフェニル)スルホン;2,2ービスー(3,5ー
ジメチルー4ーヒドロキシフェニル)プロパン;2,
4’ージヒドロキシフェニルスルホン;5‘ークロロー
2,4’ジヒドロキシフェニルスルホン;ビスー(4ー
ヒドロキシフェニル)ジフェニルスルホン;4,4‘ー
ジヒドロキシジフェニルエーテル;4,4’ージヒドロ
キシー3,3‘ージクロロフェニルエーテル;4,4’
ージヒドロキシー2,5ージヒドロキシジフェニルエー
テル。
【0033】上述のポリカーボネートのうち、4,4’
−ジヒドロキシフェニルアルカン系ポリカーボネートが
好ましく、2,2’−(4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ル)プロパン(以下、「ビスフェノールA」と略記する
ことがある)をジヒドロキシ成分として用いエステル交
換法またはホスゲン法により得られたポリカーボネート
が特に好ましい。
【0034】ビスフェノールA成分の一部または全部
を、他の4、4’−ジヒドロキシジフェニルアルカン、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルなどに置換
したものを用いてもよい。2種以上の芳香族ポリカーボ
ネートを混合して用いてもよい。
【0035】芳香族ポリカーボネート(B)の分子量
は、数平均分子量が好ましくは10000〜10000
0、さらに好ましくは18000〜80000、特に好
ましくは20000〜50000の範囲である。
【0036】芳香族ポリカーボネート(B)の配合量
は、熱可塑性ポリエステル(A)100重量部あたり5
〜250重量部、好ましくは5〜100重量部である。
芳香族ポリカーボネートが5重量部未満であると、電磁
波シールド効果が十分に得られない。250重量部を超
えるとポリエステル成形品に求められる耐薬品性などに
問題が生じる。
【0037】芳香族ポリカーボネート(B)は、315
℃での見掛けのせん断速1000sec-1における見掛
けの溶融粘度が10〜300Pa・sであることが必要
であり、好ましくは10〜200Pa・s、さらに好ま
しくは10〜100Pa・sである。この範囲の溶融粘
度の芳香族ポリカーボネート(B)を用いることによ
り、特に繊維状導電性フィラーと制電ポリマーの分散性
が良好な樹脂組成物を得ることができ、電磁波のシール
ド性に優れる樹脂組成物を得ることができる。
【0038】熱可塑性ポリエステル(A)としてポリブ
チレンテレフタレートを用いる場合、下式で表される、
ポリブチレンテレフタレート(PBT)の溶融粘度とポ
リカーボネート(PC)の溶融粘度の比率が、0.01
〜3.0であることが好ましい。さらに好ましくは0.
01〜1.5である。この範囲内では特に電磁波シール
ド効果が良好である。 式 (PBTとPCの溶融粘度の比率)=(260℃での見
掛けのせん断速度1000sec-1における見掛けのP
BT溶融粘度)÷(315℃での見掛けのせん断速度1
000sec-1における見掛けのPC溶融粘度)
【0039】[繊維状導電性フィラー]繊維状導電性フ
ィラー(C)としては、体積抵抗率が1×10-2(本明
細書では「1E−2」と表記することがある。)Ωcm
以下の繊維状導電性フィラーを用いる。この条件を満た
す繊維状導電性フィラー(C)として好ましいものは、
ニッケルコートカーボンファイバー、金属ファイバー、
金属系ウィスカである。繊維状導電性フィラーとして金
属ファイバーを用いる場合、好ましい金属ファイバー
は、線引き法、溶融押出し法、メルト・エクストラクシ
ョン法、切削法またはメッキ法で製造される金属ファイ
バーである。金属ファイバーの素材として好ましい金属
は、Fe、Ni、Cu、Al、Pb、SUS(クロム
鋼)、Znである。これらの中で最も適しているのは、
ニッケルコートのカーボンファイバーである。また、機
械的物性が求められる用途では、ニッケルコートのカー
ボンファイバーとガラス繊維類やカーボンファイバーと
を併用してもよい。
【0040】繊維状導電性フィラー(C)の配合量は、
熱可塑性樹脂100重量部に対して1〜150重量部、
好ましくは10〜100重量部である。繊維状導電性フ
ィラーが150重量部を超えると押出性、成形性が悪く
なる。また、コスト的にも不利であり実用的でない。繊
維状導電性フィラーが1重量部未満であると良好な電磁
波シールド効果が得られない。
【0041】[制電ポリマー]制電ポリマー(D)は、
表面抵抗率が1011Ω以下であることが必要である。表
面抵抗率は測定電圧500Vでの制電ポリマーの測定値
であり、組成物に配合される前の測定値であり、導電性
粉末(E)を含有しない状態での測定値である。表面抵
抗率が1011オームを超えると良好な電磁波シールド効
果を付与することができない。
【0042】制電ポリマー(D)は、融点が100℃以
上であることが必要である。融点が100℃未満である
と、ポリエステルなどのエンジニアリングプラスチック
スとコンパウンドするときに耐熱性に問題があり、十分
な電磁波シールド性を付与することができない。
【0043】制電ポリマー(D)は、見掛けの溶融粘度
が10〜1000Pa・sであることが必要である。制
電ポリマー(D)の見掛けの溶融粘度は、260℃での
見掛けのせん断速度1000sec-1における制電ポリ
マー(D)の見掛けの溶融粘度である。
【0044】制電ポリマー(D)は、熱可塑性ポリエス
テル(A)に対する見掛けの溶融粘度の比が0.01〜
3、好ましくは0.1〜2である。制電ポリマー(D)
の熱可塑性ポリエステル(A)に対する見掛けの溶融粘
度の比は、熱可塑性ポリエステル(A)の260℃での
見掛けのせん断速度1000sec-1における見掛けの
溶融粘度に対する、制電ポリマー(D)の260℃での
見掛けのせん断速度1000sec-1における見掛けの
溶融粘度の比である。
【0045】溶融粘度について、上記条件を満たせば本
質的に相溶性が小さく、溶融粘度特性の異なる本発明に
用いられる熱可塑性ポリエステル(A)および制電ポリ
マー(D)の両成分を溶融混合して成形するときに、制
電ポリマーが成形品表層部で、スジ状(表面20μmの
範囲の熱可塑性樹脂相に、アスペクト比3以上の形状で
短径1μm以下又は長径1μm以上)、網目状または斑
点状に分散することができる。そして、繊維状導電性フ
ィラー(C)との交わりが可能となり、より密な導電経
路が形成され、非常に優れた電磁波シールド効果を付与
することができる。溶融粘度について上記条件を満足し
ないと、制電ポリマー(D)の連続相が形成されず、繊
維状導電性フィラー(C)との交わり具合は低下し、電
磁波シールド効果が劣る。
【0046】制電ポリマー(D)の見掛けの溶融粘度お
よび熱可塑性ポリエステル(A)に対する見掛けの溶融
粘度の比は、本発明の電磁波シールド用樹脂組成物を製
造するために配合される時点での値である。
【0047】このような制電ポリマー(D)として、ポ
リエーテルエステルアミド、ポリエチレングリコール系
ポリエステルエラストマー、ポリエチレングリコールメ
タクリレート共重合体、ポリ(エチレンオキシド/プロ
ピレンオキシド)共重合体、ポリ(エピクロルヒドリン
/エチレンオキシド)共重合体を好ましく用いることが
できる。
【0048】ポリエーテルエステルアミドとしては、ポ
リエチレングリコール系ポリアミド共重合体、ポリエチ
レングリコール系ポリエステルアミド共重合体を例示す
ることができる。これらのうち、両末端にカルボキシル
基を有するポリアミド(B1)とビスフェノール類のエ
チレンオキシド付加物(B2)とから誘導(重合)され
るポリエーテルエステルアミドが好ましい。
【0049】両末端にカルボキシル基を有するポリアミ
ド(B1)は、数平均分子量が500〜5000のもの
が好ましく、500〜3000のものがさらに好まし
い。数平均分子量が500未満ではポリエーテルエステ
ルアミド自体の耐熱性が低下し、5000を超えると反
応性が低下するためポリエーテルエステルアミドの製造
コストが高くなり好ましくない。
【0050】ビスフェノール類のエチレンオキシド付加
物(B2)は、数平均分子量で1600〜3000のも
のが好ましく、エチレンオキシドモル数で32〜60の
ものがさらに好ましい。数平均分子量1600未満では
1E+11Ω/□以下の導電特性を付与することができ
ず、3000を超えると反応性が低下するため、ポリエ
ーテルエステルアミドの製造コストが高くなり好ましく
ない。
【0051】ポリエーテルエステルアミドは、公知の方
法を利用して製造することができる。アミド形成性モノ
マーおよびジカルボン酸を反応させて両末端にカルボキ
シル基を有するポリアミド(B1)を形成させ、これに
ビスフェノール類のエチレンオキシド付加物(B2)を
加えて、高温、減圧下で重合反応を行い、ポリエーテル
エステルアミドを得る方法を例示することができる。
【0052】ポリエチレングリコール系ポリエステルエ
ラストマーとしては、ポリエーテルエステルブロック共
重合体を例示することができる。
【0053】ポリエーテルエステルブロック共重合体と
して、特に好ましくは、(イ)全酸成分を基準にしてテ
レフタル酸成分60〜100mol%及びイソフタル酸成分40〜
0mol%からなるジカルボン酸成分、(ロ)下記一般式
(I)で表されるポリ(アルキレンオキシド)グリコー
ル成分、
【0054】
【化2】
【0055】(但し、式中Xは置換基−H、−CH3
−CH2Cl、−CH2Br、−CH2Iまたは−CH2
CH3を表し、n及びmはn≧0、m≧0且つ120≧(n
+m)≧20を満足するものとする。mが2以上の場合X
は同じでも異なってもよい。このポリ(アルキレンオキ
シド)グリコール成分は該成分自体ランダム共重合体で
あってもよく、ブロック共重合体であってもよい。) (ハ)全グリコール成分(但し、(ロ)成分を除く)を
基準にしてテトラメチレングリコール65〜100mol%およ
びエチレングリコール35〜0mol%からなるグリコール成
分からなるポリエーテルエステルブロック共重合体であ
り、かつ(ロ)成分の共重合量が全グリコール成分(但
し、(ロ)成分を含む)の40〜80重量%であるポリエー
テルエステルブロック共重合体である。
【0056】ポリエーテルエステルブロック共重合体
におけるテトラメチレングリコール成分は、全グリコー
ル成分(但し、(ロ)成分を除く)を基準にして65mo
l%以上であることが好ましい。テトラメチレングリコ
ール成分が65mol%未満では成形性が悪くなり好まし
くない。
【0057】ポリエーテルエステルブロック共重合体に
は、酸成分(イ)としてテレフタル酸、イソフタル酸以
外のジカルボン酸、例えば、フタル酸、アジピン酸、セ
バシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、トリメリット
酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、シクロ
ヘキサンジカルボン酸が共重合せしめられていてもよ
い。
【0058】これらの成分が共重合される場合、共重合
量は全酸成分量を基準に、好ましくは40モル%未満、
さらに好ましくは20モル%未満である。
【0059】ポリエーテルエステルブロック共重合体に
は、グリコール成分(ハ)として、テトラメチレングリ
コール、エチレングリコール以外のジオール、例えば、
トリメチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-
ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、1,4-シクロ
ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノールが
共重合せしめられてもよい。
【0060】これらの成分が共重合される場合、共重合
量は全グリコール成分量(但し、(ロ)成分を除く)を
基準に、好ましくは40モル%未満、更に好ましくは2
0モル%未満である。
【0061】ポリエーテルエステルブロック共重合体に
は、ポリ(アルキレンオキシド)グリコール成分(ロ)
が共重合されているが、この(ロ)成分の共重合量は全
グリコール成分(但し、(ロ)成分を含む)の好ましく
は40〜80重量%、さらに好ましくは40〜70重量
%である。40重量%より少ないと1E+11Ω/□以
下の特性が得られず、80重量%より多くなるとポリマ
ーの融着、膠着が起こり工程上問題が生じ好ましくな
い。
【0062】ポリ(アルキレンオキシド)グリコール成
分(ロ)は、好ましくは下記一般式(I)で表される。
【0063】
【化3】
【0064】前記式(I)において、Xは水素原子(−
H)または置換基−CH3、−CH2Cl、−CH2Br、
−CH2Iもしくは−CH2OCH3を表わす。
【0065】このXがこれら以外の複雑な基の場合、立
体障害のために共重合ポリマーの重合度を上げるのが困
難になり好ましくない。ポリエチレングリコール単位の
主鎖に直接ハロゲンやアルコキシ基を置換したものはポ
リマーの分解性が強く好ましくない。Xは水素原子であ
ることが好ましい。
【0066】前記式(I)中nおよびmは、n≧0、m
≧0且つ120≧(n+m)≧20を満足することが好まし
い。(n+m)の値が20に満たない場合、ブロック共重
合体のブロック性が低下し、1E+11Ω/□以下の特
性を得ることが難しく好ましくない。(n+m)の値が
120を越えると重合度が低下し、充分な重合度の共重合
ポリマーを得ることが困難となり好ましくない。mが2
以上である場合、上記Xは同じでも異なってもよい。こ
のポリ(アルキレンオキシド)グリコール成分(ロ)
は、該成分自体ランダム共重合体であってもよく、ブロ
ック共重合体であってもよい。
【0067】制電ポリマー(D)の配合量は、熱可塑性
ポリエステル100重量部に対して5〜200重量部で
あり、好ましくは5〜100重量部、より好ましくは5
〜30重量部である。制電ポリマーが200重量部を超
えると機械的強度及び生産性が低下し、5重量部未満で
あると繊維状導電性フィラーとの融合による良好な電磁
波シールド効果を得ることができない。
【0068】[導電性粉末]導電性粉末(E)は、平均
粒径が好ましくは1〜500mμ、さらに好ましくは1
0〜100mμの導電性粉末である。導電性粉末として
は、導電性カーボン、金属粉末を用いることができ、導
電性粉末が好ましい。導電性粉末としては、ケッチェン
ブラック、アセチレンブラック、各種ファーネス系の導
電性カーボンを例示することができ、就中、ケッチェン
ブラックが好ましい。
【0069】導電性粉末(E)が電磁波シールド用樹脂
組成物に含有される場合、その含有量は、制電ポリマー
(D)100重量%あたり0.1〜40重量%の重量で
ある。40重量%を超えると機械的物性が低下する。導
電性粉末(E)は、制電ポリマー(D)および導電性粉
末(E)の合計重量の好ましくは0.1〜30重量%、
さらに好ましくは5〜23重量%の範囲で含有されるこ
とが好ましい。
【0070】導電性粉末(E)、特に導電性カーボン
は、制電ポリマー(D)中に高濃度で分布させることが
好ましい。すなわち、本発明では、導電性粉末(E)
が、組成物の制電ポリマー(D)の相に選択的に分布す
る態様をとることが好ましい。そのためには、制電ポリ
マー(D)に、導電性粉末(E)、特に導電性カーボン
を練り込んで用いることが好ましい。
【0071】[添加剤]本発明の電磁波シールド用樹脂
組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、各種添
加剤、例えば、モンタン酸ワックス、ポリエチレンワッ
クス、シリコンオイルなどの離型剤、難燃剤、難燃助
剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、エステル交
換防止剤(リンゴ酸やリン酸水素ナトリウム)を添加し
てもよく、熱硬化性樹脂(例えば、フェノール樹脂、メ
ラミン樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂)、軟質熱可
塑性樹脂(例えば、エチレン/酢酸ビニル共重体、エポ
キシ変性ポリオレフィン)を添加してもよく、充填剤
(例えば、タルク、カオリン、ワラストナイト、クレ
ー、シリカ、セリサイト、酸化チタン、ガラスビーズ、
ガラスバルーン、ガラスフレーク、ガラスパウダー、ガ
ラス繊維)を添加してもよい。
【0072】[製造方法]本発明の電磁波シールド用樹
脂組成物は、熱可塑性ポリエステル(A)、芳香族ポリ
カーボネート(B)、繊維状導電性フィラー(C)、制
電ポリマー(D)、さらに好ましくはこれらに加えて導
電性粉末(E)を、同時または別々に、例えばブレンダ
ー、ニーダー、パンバリーミキサー、ロール、押出機に
例示される混合機を用いて混合し均質化する製造方法で
製造することができる。
【0073】特に、熱可塑性ポリエステル(A)と芳香
族ポリカーボネート(B)とは二軸押出機を使用して溶
融混練する製造方法をとることが好ましい。このときの
シリンダー温度は250〜270℃程度であることが好
ましい。各成分を予めドライブレンドし、加熱した押出
機で溶融混練して均質化し、針金状に押出し、次いで所
望の長さに切断して粒状化する方法を用いることもでき
る。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、電磁波シールド性に優
れる電磁波シールド用樹脂組成物を提供することができ
る。
【0075】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。実施例において使用した原料および評価方法は
以下のとおりである。
【0076】1.原料 各種原料は、以下のものを使用した。 ・ポリエーテルエステルブロック共重合体1〜4 表1に記載された組成になるように、ジメチルテレフタ
レート、ジメチルイソフタレート、テトラメチレングリ
コール、エチレングリコール、(変性)ポリエチレング
リコール、触媒としてテトラブチルチタネート(酸成分
に対して0.090モル%)を反応器に仕込み、内温190℃で
エステル化反応を行った。理論量の約80%のメタノール
が留出した後、昇温を開始し、徐々に減圧しながら重縮
合反応を行った。1mmHg以下の真空度に到達後、240℃で
200分間反応を継続した。次いで酸化防止剤イルガノッ
クス1010をポリエチレングリコール又は変性ポリエチレ
ングリコールに対して5重量%添加し、反応を終了し
た。精製したポリマーの組成を表2に示す。実施例に使
用したものは合成例1で得られた共重合体である。以
下、合成例1で得られた共重合体を、表を含めて、TRB-
EKVと称する。TRB-EKVの表面抵抗率は1×1010Ωであ
る。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】・ポリブチレンテレフタレート(PBT)
帝人(株)製 PBT(260℃1000sec-1の溶融粘度67P
a・s) PBT(260℃1000sec-1の溶融粘度240
Pa・s) ・ポリカーボネート(PC)帝人化成(株)製 PC(315℃1000sec-1の溶融粘度55Pa
・s) PC(315℃1000sec-1の溶融粘度370P
a・s) ・制電ポリマー 三井・デュポンケミカル(株)製 SD100 表面抵抗率:1×108 Ω 融点 :92℃ ・ニッケルコートカーボンファイバー(Ni−CF) 東邦レーヨン(株)製 (MC)HTA−C6−SR 体積抵抗率:6×10-6 Ωcm ・カーボンブラック(CB) ライオン(株)製 ケッチェンブラックEC600JD ・エステル交換防止剤 和光純薬工業(株)製 リン酸水素ナトリウム2水和物
【0080】2.繊維状導電性フィラー体積抵抗率 体積抵抗率は、JIS−R−7601に準処して測定し
た。この方法で測定できない場合には、100Kg/cm
2圧粉体にして測定した。
【0081】3.制電ポリマーの表面抵抗率 表面抵抗率は、超絶縁計(東亜電波工業(株)製SM−
10E)を用いて測定した(測定電圧 500V)。こ
の測定は、試料を温度23℃、相対湿度50%の雰囲気
下で24時間調湿した後、環境温度23℃、相対湿度5
0%下で行った。
【0082】4.制電ポリマーの融点 融点はDSC(ティー・エイ・インスツルメント・ジャ
パン(株)製)によって測定した。
【0083】5.溶融粘度比 溶融粘度比は、下記式で定義される。 (溶融粘度比)=(制電ポリマーの溶融粘度)/(熱可
塑性ポリエステルの溶融粘度) 測定条件は、温度260℃、せん断速度1000sec
-1である。溶融粘度の測定は、独ゲットフェルト社製/
レオグラフ2002を用いた。
【0084】6.電磁波シールド性 一辺150mm、厚み3mmの試験片を用い、(株)ア
ドバンテスト製のTR−17301AとR3361Aを
併用して磁界波(周波数200MHz)について測定し
た。
【0085】7.曲げ強度及び曲げ弾性率 ASTMD790に準処した。
【0086】[実施例1〜3及び比較例1〜7]各種原
料を表4および表5に記載の重量割合で均一にドライブ
レンドした後、スクリュー径44mmのベント付き二軸
押出機を用いてシリンダー温度180〜310℃、スク
リュー回転数160rpm、吐出量40kg/hにて溶
融混練し、ダイスから吐出するスレッドを冷却後、切断
して成形用ペレットを得た。
【0087】次いでこのペレットを用いて射出圧力75
0kg/cm2、射出速度70cm3/sec、冷却時間
15秒、全成形サイクル25秒の条件で射出成形により
試験サンプルを得た。
【0088】表3に使用した帯電防止剤を示す。これら
のなかで、PBTに適用して効果が生じえる制電ポリマ
ー、即ち、熱安定性が良く、PBT中で制電ポリマーが
網目状またはスジ状に分散しえるものはTRB−EKV
である。
【0089】
【表3】
【0090】これらの評価結果を表4および5に示す。
【0091】
【表4】
【0092】実施例1、2に示すように、本発明の電磁
波シールド用樹脂組成物は、磁界波30dBを超え、且
つ機械的物性が良好である。
【0093】比較例1〜6に示すように、本発明の電磁
波シールド用樹脂組成物に属しない組成物では、良好な
電磁波シールド性を付与することができない。
【0094】
【表5】
【0095】実施例3に示すように、CBを3重量%添
加すると、シールド効果が飛躍的に向上する。
【0096】実施例3は、CBを予め制電ポリマーに配
合してマスターペレットとしたうえで、樹脂組成物を製
造した例である。
【0097】また、単にPBTにニッケルコートのカー
ボンファイバーを30重量%加えても25dBのシール
ド効果しか付与することができず、コスト的にも非常に
高いものになる。(比較例7)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 71/02 C08L 71/02 77/00 77/00 H05K 9/00 H05K 9/00 X Fターム(参考) 4J002 CF01W CF05W CF06W CF07W CF08W CF10Y CF14W CG01X CG02X CG03X CH02Y CH04Y CH05Y CL07Y DA036 DA076 DA086 DA096 DA106 DC006 FA036 FD010 FD160 GQ02 5E321 BB32 BB34 BB60 GG05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)見掛けの溶融粘度が10〜200
    Pa・sの熱可塑性ポリエステル100重量部、(B)
    見掛けの溶融粘度が10〜300Pa・sの芳香族ポリ
    カーボネート5〜250重量部、(C)体積抵抗率1×
    10-2Ωcm以下の繊維状導電性フィラー1〜150重
    量部 および(D)表面抵抗率が1011Ω以下、融点が
    100℃以上、見掛けの溶融粘度が10〜1000Pa
    ・s且つ熱可塑性ポリエステルに対する見掛けの溶融粘
    度の比が0.01〜3である制電ポリマー5〜200重
    量部からなる電磁波シールド用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)見掛けの溶融粘度が10〜200
    Pa・sの熱可塑性ポリエステル100重量部、(B)
    見掛けの溶融粘度が10〜300Pa・sの芳香族ポリ
    カーボネート5〜250重量部、(C)体積抵抗率1×
    10-2Ωcm以下の繊維状導電性フィラー1〜150重
    量部、(D)表面抵抗率が1011Ω以下、融点が100
    ℃以上、見掛けの溶融粘度が10〜1000Pa・s且
    つ熱可塑性ポリエステル(A)に対する見掛けの溶融粘
    度の比が0.01〜3である制電ポリマー5〜200重
    量部 および(E)制電ポリマー100重量%に対して
    0.1〜40重量%の重量の導電性粉末からなる電磁波
    シールド用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 熱可塑性ポリエステル(A)がポリブチ
    レンテレフタレートである請求項1または2記載の電磁
    波シールド用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 導電性粉末(E)がケッチェンブラック
    である請求項2記載の電磁波シールド用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 導電性粉末(E)が、組成物の制電ポリ
    マー(D)の相に選択的に分布する請求項2記載の電磁
    波シールド用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 制電ポリマー(D)が、ポリエーテルエ
    ステルアミド、ポリエチレングリコール系ポリエステル
    エラストマー、ポリエチレングリコールメタクリレート
    共重合体、ポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシ
    ド)共重合体およびポリ(エピクロルヒドリン/エチレ
    ンオキシド)共重合体よりなる群より選ばれる少なくと
    も1種の制電ポリマーである請求項1または2記載の電
    磁波シールド用樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 繊維状導電性フィラー(C)が、ニッケ
    ルコートカーボンファイバー、ステンレスファイバーお
    よび金属系ウィスカーよりなる群より選ばれる少なくと
    も1種の繊維状導電性フィラーである請求項1または2
    記載の電磁波シールド用樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 (A)260℃での見掛けのせん断速1
    000sec-1における見掛けの溶融粘度が10〜20
    0Pa・sの熱可塑性ポリエステル100重量部に、
    (B)315℃での見掛けのせん断速1000sec-1
    における見掛けの溶融粘度が10〜300Pa・sの芳
    香族ポリカーボネート5〜250重量部、(C)体積抵
    抗率1×10-2Ωcm以下の繊維状導電性フィラー1〜
    150重量部 および(D)表面抵抗率が1011Ω以下
    (但し、表面抵抗率は測定電圧500Vでの測定値であ
    る)、融点が100℃以上、260℃での見掛けのせん
    断速度1000sec-1における見掛けの溶融粘度が1
    0〜1000Pa・s且つ260℃での見掛けのせん断
    速度1000sec-1における熱可塑性ポリエステルに
    対する見掛けの溶融粘度の比が0.01〜3である制電
    ポリマー5〜200重量部を配合して得られる電磁波シ
    ールド用樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006511668A (ja) * 2002-12-18 2006-04-06 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 静電気消散性樹脂組成物及びその製造方法
WO2023032574A1 (ja) * 2021-08-31 2023-03-09 ポリプラスチックス株式会社 電磁波シールド部材

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