JP3407504B2 - 電動機のインシュレーター成形品 - Google Patents

電動機のインシュレーター成形品

Info

Publication number
JP3407504B2
JP3407504B2 JP27284295A JP27284295A JP3407504B2 JP 3407504 B2 JP3407504 B2 JP 3407504B2 JP 27284295 A JP27284295 A JP 27284295A JP 27284295 A JP27284295 A JP 27284295A JP 3407504 B2 JP3407504 B2 JP 3407504B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
liquid crystalline
parts
resin
electric motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP27284295A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09111106A (ja
Inventor
清一 中村
俊英 井上
實 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP27284295A priority Critical patent/JP3407504B2/ja
Publication of JPH09111106A publication Critical patent/JPH09111106A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3407504B2 publication Critical patent/JP3407504B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Insulation, Fastening Of Motor, Generator Windings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電動機のインシュレ
ーター成形品に関し、例えば、家庭用、工業用電機器具
の電動機に組み込まれる絶縁用のインシュレーター成形
品に関する。
【0002】
【従来の技術】家庭用、工業用の電気掃除機、ジューサ
ー、ミキサー等に組み込まれる電動機のインシュレータ
ーは従来、ワニス処理を施した紙で形成されていたが、
インシュレーターはその形状が複雑なものが多く、紙を
織り曲げ加工する必要があり、製造工程が繁雑化してい
た。一方、紙の代替品として、合成樹脂で成形すること
も知られている(特開平1−283037号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】合成樹脂成形品による
インシュレーターは製造工程が簡単なため、量産に適し
ているが、近年、電動機の小形化に伴い、インシュレー
ター自身も極めて小さく、かつ薄肉のものが要求され、
通常の合成樹脂では対応できなくなってきた。例えば、
一般に用いられているPBT樹脂でインシュレーターを
射出成形する場合、肉厚が0.5mm以下になると、溶融
樹脂がキャビティ内をスムーズに流れなくなり、賦型が
十分でないため絶縁不良となる恐れがあった。そして、
この溶融流動性をよくするために、成形時の射出圧を高
くすると、型間から樹脂がはみ出す、いわゆるバリが発
生し、組み立て時にバリ取り工程を設けなければならな
くなるし、あまり薄くすると、剛性が不足して、コイル
の巻回時に変形することもあった。また、電動機が高温
下に置かれるような場合には、変形して、形状を維持で
きないような問題も生じてきた。
【0004】一方、耐熱性の優れた熱硬化性樹脂による
成形も考えられているが、熱硬化性樹脂は成形加工に長
時間を要し、生産性に劣るという問題があった。本発明
はかかる状況を鑑み、薄肉部を有し、バリが少なく、剛
性が大きく、耐熱性の良い電動機のインシュレーターを
提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による電動機のイ
ンシュレーター成形品は、(A)液晶性樹脂100重量
部に対して、(B)充填剤10〜200重量部を配合し
てなる樹脂組成物を射出成形した、厚さ0.5mm以下
の部分を有し、環状のリング部とスロット部が一体成形
されてなることを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において、液晶性樹脂は溶
融時に異方性溶融相を形成し得る樹脂であり、ポリエス
テルおよび/またはポリエステルアミドが好ましく、さ
らに全芳香族の液晶性ポリエステル、全芳香族の液晶性
ポリエステルアミド、エチレンジオキシ単位を有する液
晶性ポリエステルおよびエチレンジオキシ単位を有する
液晶性ポリエステルアミドから選ばれたものであること
が好ましい。
【0007】例えば、具体的には、全芳香族、好ましく
はナフタレン環を有する液晶性ポリエステル、全芳香
族、好ましくはナフタレン環を有する液晶性ポリエステ
ルアミド、エチレンジオキシ単位を有する液晶性ポリエ
ステル、エチレンジオキシ単位を有する液晶性ポリエス
テルアミドである。液晶性ポリエステルの好ましい例と
しては上記の(I), (III)および(IV) の構造単位から
なる液晶性ポリエステル、(I), (II) および (IV) の
構造単位からなる液晶性ポリエステル、または、(I),
(II), (III)および(IV) の構造単位からなる液晶性ポ
リエステルを挙げることができる。
【0008】
【化5】 (ただし式中のR1 は、
【0009】
【化6】 から選ばれた1種以上の基を示し、R2 は、
【0010】
【化7】
【0011】から選ばれた1種以上の基を示す。また、
式中Xは水素原子または塩素原子を示し、構造単位
[(II)+(III)]と構造単位(IV) は実質的に等モル
である。) 上記構造単位(I)はp−ヒドロキシ安息香酸から生成
したポリエステルの構造単位であり、(II) は4, 4′
−ジヒドロキシビフェニル、3,3′, 5,5′−テト
ラメチル−4,4′−ジヒドロキシビフェニル、ハイド
ロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイド
ロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−
ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパンおよび4,4′−ジヒドロキシジ
フェニルエーテルから選ばれた芳香族ジヒドロキシ化合
物から生成した構造単位を、構造単位(III)はエチレン
グリコールから生成した構造単位を、構造単位(IV) は
テレフタル酸、イソフタル酸、4,4′−ジフェニルジ
カルボン酸、2,6′−ナフタレンジカルボン酸、1,
2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボン
酸、1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−
4,4′−ジカルボン酸および4,4′−ジフェニルエ
ーテルジカルボン酸から選ばれた芳香族ジカルボン酸か
ら生成した構造単位を示す。これらのうちR1
【0012】
【化8】 であり、R2
【0013】
【化9】 であるものが特に好ましい。また、液晶性ポリエステル
アミドとしては上記構造単位(I)−(IV)以外にp−
アミノフェノールから生成したp−イミノフェノキシ単
位を含有した異方性溶融相を形成するポリエステルアミ
ドが好ましい。
【0014】本発明に好ましく使用できる液晶性ポリエ
ステルは上記構造単位 (I), (II)および (IV) 、また
は(I), (II), (III)および(IV) からなる共重合体で
あり、上記構造単位(I), (II), (III)および(IV) の
共重合量は任意である。しかし、流動性の点から次の共
重合量であることが好ましい。すなわち、上記構造単位
(III)を含む場合は、耐熱性、難燃性および機械的特性
の点から上記構造単位[(I) +(II) ]は[(I)+
(II)+(III)]の60〜95モル%が好ましく、7
5〜93モル%がより好ましい。また、構造単位(III)
は[(I)+(II)+(III) ]の40〜5モル%が好
ましく、25〜7モル%がより好ましい。また、構造単
位(I)/(II)のモル比は耐熱性と流動性のバランス
の点から好ましくは75/25〜95/5であり、より
好ましくは78/22〜93/7である。また、構造単
位(IV)は構造単位[(II)+(III)]と実質的に等モ
ルである。
【0015】一方、上記構造単位(III)を含まない場合
は流動性の点から上記構造単位(I)は[(I)+(I
I)]の40〜90モル%であることが好ましく、60
〜88モル%であることが特に好ましく、構造単位(I
V)は構造単位(II)と実質的に等モルである。なお、
本発明で好ましく使用できる上記液晶性ポリエステルを
重縮合する際には上記構造単位(I)〜(IV)を構成す
る成分以外に3,3′−ジフェニルジカルボン酸、2,
2′−ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
ジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレ
フタル酸などの脂環式ジカルボン酸、クロルハイドロキ
ノン、メチルハイドロキノン、4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン
等の芳香族ジオール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4
−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール等の脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒド
ロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの
芳香族ヒドロキシカルボン酸およびp−アミノフェノー
ル、p−アミノ安息香酸などを本発明の目的を損なわな
い程度の小割合の範囲でさらに共重合させることができ
る。
【0016】例えば上記の好ましく用いられる液晶性ポ
リエステルの製造において、上記構造単位(III)を含ま
ない場合は下記(1)および(2)、構造単位(III)を
含む場合は(3)の製造方法が好ましく挙げられる。 (1)p−アセトキシ安息香酸および4,4′−ジアセ
トキシビフェニル、4,4′−ジアセトキシベンゼンな
どの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物とテレフ
タル酸などの芳香族ジカルボン酸から脱酢酸重縮合反応
によって製造する方法。
【0017】(2)p−ヒドロキシ安息香酸および4,
4′−ヒドロキシビフェニルハイドロキノンなどの芳香
族ジヒドロキシ化合物、テレフタル酸などの芳香族ジカ
ルボン酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基
をアシル化した後、脱酢酸重縮合反応によって製造する
方法。 (3)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル
のポリマ、オリゴマまたはビス(β−ヒドロキシエチ
ル)テレフタレートなどの芳香族ジカルボン酸のビス
(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で(1)ま
たは(2)の方法により製造する方法。
【0018】これらの重縮合反応は無触媒でも進行する
が、酢酸第一錫、テトラブチルチタンネート、酢酸カリ
ウムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン、金属マ
グネシウムなどの金属化合物を添加した方が好ましいと
きもある。本発明における(A)液晶性樹脂は、ペンタ
フルオロフェノール中で対数粘度を測定することが可能
なものもあり、その際には0.1g/dlの濃度で60℃
で測定した値で0.5dl/g以上が好ましく、特に上記
構造単位(III)を含む場合は1.0〜3.0dl/gが好
ましく、上記構造単位(III)を含まない場合は2.0〜
10.0dl/gが好ましい。
【0019】また、本発明における(A)液晶性樹脂の
溶融粘度は10−20,000ポイズが好ましく、特に
20〜10,000ポイズがより好ましい。本発明は、
(A)液晶性樹脂100重量部に対して、(B)充填剤
10〜200重量部を配合する。充填剤としては特に限
定されないが、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミ
ド繊維、チタン酸カリウム繊維、シリカ、タルク、クレ
ー、マイカ、ガラスビーズ、ベントナイト、炭酸カルシ
ウム、酸化カルシウム、アルミナ、硫酸カルシウム、硫
酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ハイドロタ
ルサイト等があげられ、中でもガラス繊維が好ましい。
また、ガラス繊維はシランカップリング剤等で処理され
たものが好ましい。
【0020】充填剤の配合量は、液晶性樹脂100重量
部に対して10〜200重量部である。
【0021】本発明においては、さらに、(C)カーボ
ンブラックを配合することができ、用い得るカーボンブ
ラックとしては特に限定されるものではないが、得られ
る組成物の機械的性質の点からpHが3〜10が好まし
く、pHが5〜9のものが特に好ましく使用できる。本
発明においては、さらに、(D)オレフィン系重合体を
配合することができる。オレフィン系重合体としてはポ
リエチレン、ポリプロピレン、エチレンと炭素数が3以
上のα−オレフィンからなる共重合体、プロピレンおよ
び炭素数が4以上のα−オレフィンからなる共重合体、
エチレンと炭素数が3以上のα−オレフィンおよび非共
役ジエンからなる共重合体から選ばれた一種以上のもの
である。
【0022】炭素数が3以上のα−オレフィンとして
は、好ましくはプロピレン、ブテン−1、ペンテン−
1、3−メチルペンテン−1、オクタセン−1などであ
り、プロピレンおよびブテン−1がさらに好ましく、こ
れらは2種以上併用して使用できる。炭素数が4以上の
α−オレフィンとしては上記炭素数が3以上のα−オレ
フィンのうちプロピレンを除いたものが挙げられ、これ
らは2種以上併用して使用できる。
【0023】非共役ジエンとしては、好ましくは5−エ
チリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、
1,4−ヘキサジエン等が使用できる。エチレンと炭素
数が3以上のα−オレフィンからなる共重合体における
エチレンと炭素数が3以上のα−オレフィンの共重合比
は通常、40/60〜99/1(モル比)、好ましくは
70/30〜95/5(モル比)である。
【0024】エチレンと炭素数が3以上のα−オレフィ
ンおよび非共役ジエンからなる共重合体におけるエチレ
ンの共重合量は、通常、5〜96.9モル%、好ましく
は30〜84.5モル%であり、炭素数が3以上のα−
オレフィンの共重合量は、通常、3〜80モル%、好ま
しくは15〜60モル%であり、非共役ジエンの共重合
量は、通常、0.1〜15モル%、好ましくは0.5〜
10モル%である。また、プロピレンと炭素数が4以上
のα−オレフィンおよび非共役ジエンからなる共重合体
におけるプロピレンの共重合量は、通常5〜96.9モ
ル%、好ましくは、30〜84.5モル%であり、炭素
数が3以上のα−オレフィンの共重合量は、通常、3〜
80モル%、好ましくは15〜60モル%であり、非共
役ジエンの共重合量は、通常、0.1〜15モル%、好
ましくは0.5〜10モル%である。
【0025】これらの共重合体の具体例としてはエチレ
ン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合
体、エチレン/ペンテン−1共重合体、エチレン/プロ
ピレン/ブテン−1共重合体、プロピレン/ペンテン−
1共重合体、プロピレン/ブテン−1共重合体、エチレ
ン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン共
重合体、エチレン/プロピレン/1,4−ヘキサジエン
共重合体、プロピレン/ブテン、1/1,4−ヘキサジ
エン共重合体、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタ
ジエン共重合体などであり、なかでもエチレン/プロピ
レン共重合体およびエチレン/ブテン−1共重合体が耐
熱性に優れより好ましい。
【0026】上記オレフィン系重合体は2種以上併用す
ることもできる。また、これらのオレフィン系重合体
は、得られる組成物の流動性の観点から、エポキシ基、
カルボン酸基などを含有する単量体が共重合されていな
い方が好ましい。上記オレフィン系重合体の重量平均分
子量は10,000〜600,000、好ましくは3
0,000〜500,000、さらに好ましくは10
0,000〜450,000の範囲にあることが望まし
い。離型剤としてよく知られている重量平均分子量が1
0,000未満の低分子量ポリオレフィン重合体では離
型効果が乏しいばかりか、ウェルド強度の低下および成
形品にガス焼けを生じ好ましくない。
【0027】重量平均分子量が600,000を越える
と流動性および物性の低下を招き好ましくない。上記オ
レフィン系重合体の添加量は0.01〜10重量部が好
ましく、0.1〜5重量部がとくに好ましい。添加量が
0.01重量部未満では離型性改良効果が発現せず、1
0重量部を越えるとウェルド強度が低下して好ましくな
い。
【0028】本発明においては、さらに、(E)有機臭
素化合物を配合することができ、用い得る有機臭素化合
物としては、通常難燃剤として使用されている公知の有
機臭素化合物を含み、特に臭素含有量20重量%以上の
ものが好ましい。具体的にはヘキサブロモベンゼン、ペ
ンタブロモトルエン、ヘキサブロモビフェニル、デカブ
ロモビフェニル、ヘキサブロモシクロデカン、デカブロ
モジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテ
ル、ヘキサブロモジフェニルエーテル、ビス(ペンタブ
ロモフェノキシ)エタン、エチレンビス(テトラブロモ
フタルイミド)、テトラブロモビスフェノールAを原料
として製造されたポリカーボネートオリゴマーあるいは
そのビスフェノールとの共重合物、臭素化エポキシ化合
物(例えば臭素化ビスフェノールAとエピクロルヒドリ
ンとの反応によって得られるモノエポキシ化合物)、ポ
リ(臭素化ベンジルアクリレート)、臭素化ポリフェニ
レンエーテル、臭素化ビスフェノールAシアヌルおよび
臭素化フェノールの縮合物、臭素化ポリスチレン、架橋
臭素化ポリスチレン、架橋臭素化ポリα−メチルスチレ
ンなどのハロゲン化されたポリマーやオリゴマーあるい
は、これらの混合物が挙げられ、なかでもエチレンビス
(テトラブロモフタルイミド)、臭素化エポキシオリゴ
マーまたはポリマー、臭素化ポリスチレン、架橋臭素化
ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテルおよび臭
素化ポリカーボネートが好ましく、臭素化ポリスチレン
が最も好ましく使用できる。上記の好ましい有機臭素化
物についてさらに詳しく述べると、臭素化エポキシポリ
マーとしては下記一般式(i)で表わされるものが挙げ
られる。
【0029】
【化10】
【0030】上記一般式(i)中の重合度nは好ましく
は15以上、さらに好ましくは50〜80である。本発
明に用いる臭素化ポリスチレンとしてはラジカル重合ま
たはアニオン重合によって得られたポリスチレンを臭素
化することによって製造された臭素化ポリスチレンおよ
び架橋臭素化ポリスチレン、あるいは臭素化スチレンモ
ノマをラジカル重合またはアニオン重合、好ましくはラ
ジカル重合によって製造された(ii)および/又は(ii
i)式で表される臭素化スチレン単位を有するポリ臭素化
スチレンなどが挙げられるが、とりわけ臭素化スチレン
モノマから製造した下記(ii)および/又は(iii)式で
示される構造単位を主要構成成分とする重量平均分子量
が1×103 〜120×104 のポリ臭素化スチレンが
好ましい。
【0031】
【化11】 ここでいう臭素化スチレンモノマとはスチレンモノマ1
個あたり、その芳香環に2〜3個の臭素原子が置換反応
により導入されたものが好ましく、二臭素化スチレンお
よび/又は三臭素化スチレンの他に一臭素化スチレンな
どを含んでいてもよい。
【0032】上記ポリ臭素化スチレンは二臭素化スチレ
ンおよび/又は三臭素化スチレン単位を60重量%以上
含有しているものが好ましく、70重量%以上含有して
いるものがより好ましい。二臭素化スチレンおよび/又
は三臭素化スチレン以外に一臭素化スチレンを40重量
%以下、好ましくは30重量%以下共重合したポリ臭素
化スチレンであってもよい。このポリ臭素化スチレンの
重量平均分子量は1×104 〜15×104 がより好ま
しい。なお、この重量平均分子量はゲル浸透クロマトグ
ラフを用いて測定した値であり、ポリスチレン分子量基
準の相対値である。
【0033】架橋臭素化ポリスチレンとしては、ジビニ
ルベンゼンで架橋された多孔質ポリスチレンを臭素化し
たポリスチレンが好ましい。臭素化ポリカーボネートと
しては、下記一般式(iv) で表されるものが好ましい。
【0034】
【化12】 (R3 、R4 は置換あるいは無置換のアリール基を示
し、p−t−ブチルフェニル基が最も好ましい。) 上記一般式(iv)中の重合度nとしては4以上のものが
好ましく、8以上のもの、とりわけ8〜25がより好ま
しく使用できる。
【0035】これらの有機臭素化物の配合量は、液晶性
樹脂100重量部当り、0.5〜60重量部、特に1〜
30重量部が好適である。また、本発明の液晶性樹脂成
形品において有機臭素化物は成形前の樹脂組成物中に平
均径25μm以下で分散していることが好ましく、2.
0μm以下で分散していることがより好ましい。
【0036】本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、
本発明の目的を損なわない程度の量の、熱可塑性樹脂、
添加剤を配合することができる。本発明においては液晶
性樹脂は溶融成形されるが、溶融成形方法としては、射
出成形である
【0037】本発明における電動機のインシュレーター
成形品は、環状のリング部とスロット部とが一体成形さ
れてなるものであり、液晶性樹脂が薄肉の成形性に優れ
ていることから、0.5mm以下の薄肉部を有するもので
あって、0.3mm以下の部分を有するものが特に好まし
い。本発明の電動機のインシュレーター成形品は家庭用
各種電気製品、OA機器、自動車用電気製品、工業用品
等の電動機のインシュレーターとして用いることができ
る。
【0038】
【実施例】
参考例1 p−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4′−ジヒ
ドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112
重量部、固有粘度約0.6dl/gのポリエチレンテレフ
タレート216重量部および無水酢酸960重量部を攪
拌翼、流出管を備えた反応容器に仕込み、重縮合を行な
い、重縮合を完結させ、樹脂(A)を得た。この樹脂の
融点(Tm)は314℃であり、324℃、ずり速度1
000/秒での溶融粘度は400ポイズであった。
【0039】参考例2 p−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4′−ジヒ
ドロキシビフェニル222重量部、2,6−ジアセトキ
シナフタレン147重量部、無水酢酸1078重量部お
よびテレフタル酸299重量部を攪拌翼、流出管を備え
た反応容器に仕込み、重縮合を行ない、重縮合を完結さ
せ、樹脂(B)を得た。この樹脂の融点(Tm)は33
6℃であり、346℃、ずり速度1000/秒での溶融
粘度は520ポイズであった。
【0040】参考例3 特開昭49−72393号公報の記載にしたがって、p
−アセトキシ安息香酸1296重量部と固有粘度約0.
6dl/gのポリエチレンテレフタレート346重量部を
攪拌翼、流出管を備えた反応容器に仕込み、重縮合を行
ない、重縮合を完結させ、樹脂(C)を得た。この樹脂
の融点(Tm)は283℃であり、293℃、ずり速度
1000/秒での溶融粘度は1200ポイズであった。
【0041】参考例4 特開昭54−77691号公報の記載にしたがって、p
−アセトキシ安息香酸921重量部と6−アセトキシ−
ナフトエ酸435重量部を攪拌翼、流出管を備えた反応
容器に仕込み、重縮合を行ない、重縮合を完結させ、樹
脂(D)を得た。この樹脂の融点(Tm)は283℃で
あり、293℃、ずり速度1000/秒での溶融粘度は
2000ポイズであった。
【0042】実施例1〜5、比較例1〜3 2軸押出機を用いて参考例1〜4の液晶樹脂(A)〜
(D)100重量部に対して、表1に示した添加剤を表
1の割合に配合した組成物ペレットを作製した。このペ
レットを東芝EPN50射出成形機に供給し、図1〜2
に示したインシュレーター成形品(最薄肉部0.2mm)
を、4点ゲート(0.5mmφのピンゲート)を有する金
型を用いて成形し、成形性を評価した。
【0043】図1は本発明のインシュレーターの斜視図
であり、インシュレーター1は環状のリング部2と多数
のスリット入り円筒状のスロット部3が液晶樹脂組成物
で一体成形され、スロット部3は比較的肉厚の基部(K
部)4と先端の薄肉部(M部)4で構成されている。ま
た、80℃における基部Kの破壊強度を測定した。
【0044】比較として、PBT樹脂、PET樹脂およ
びPPS樹脂を用いて同様の成形を行ない、同様の評価
をおこなった。これらの結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明の電動機のインシュレーター成形
品は液晶性樹脂で溶融成形したものであるため、薄肉部
の剛性が大きく、そのため賦型性に優れ、成形時のバリ
の発生が少なく、耐熱性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電動機のインシュレーターの斜視図で
ある。
【図2】本発明の電動機のインシュレーターの要部拡大
斜視図である。
【符号の説明】
1 インシュレーター 2 環状部 3 スロット部 4 基部 5 薄肉部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−255453(JP,A) 特開 平7−196894(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/00 H02K 3/30 - 3/34

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)液晶性樹脂100重量部に対し
    て、(B)充填剤10〜200重量部を配合してなる樹
    脂組成物を射出成形した、厚さ0.5mm以下の部分を
    有し、環状のリング部とスロット部が一体成形されてな
    電動機のインシュレーター成形品。
  2. 【請求項2】 組成物が(A)液晶性樹脂100重量部
    に対して、さらに(C)カーボンブラック0.01〜1
    0重量部を含有させたものであることを特徴とする請求
    項1記載の電動機のインシュレーター成形品。
  3. 【請求項3】 (A)液晶性樹脂が下記(I), (III)お
    よび(IV) の構造単位からなる液晶性ポリエステル、
    (I), (II) および (IV) の構造単位からなる液晶性ポ
    リエステルおよび(I), (II), (III)および(IV) の構
    造単位からなる液晶性ポリエステルから選ばれた1種以
    上の液晶性ポリエステルであることを特徴とする請求項
    1記載の電動機のインシュレーター成形品。 【化2】 (ただし式中のR1 は、 【化3】 から選ばれた1種以上の基を示し、R2 は、 【化4】 から選ばれた1種以上の基を示す。また、式中Xは水素
    原子または塩素原子を示し、構造単位[ (II) + (II
    I)]と構造単位(IV) は実質的に等モルである。)
  4. 【請求項4】 スロット部がスリット入りの円筒状であ
    ることを特徴とする請求項1記載の電動機のインシュレ
    ーター成形品
JP27284295A 1995-10-20 1995-10-20 電動機のインシュレーター成形品 Expired - Fee Related JP3407504B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27284295A JP3407504B2 (ja) 1995-10-20 1995-10-20 電動機のインシュレーター成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27284295A JP3407504B2 (ja) 1995-10-20 1995-10-20 電動機のインシュレーター成形品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09111106A JPH09111106A (ja) 1997-04-28
JP3407504B2 true JP3407504B2 (ja) 2003-05-19

Family

ID=17519541

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27284295A Expired - Fee Related JP3407504B2 (ja) 1995-10-20 1995-10-20 電動機のインシュレーター成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3407504B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002115655A (ja) * 2000-10-12 2002-04-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電動機、全密閉型冷凍圧縮機および冷凍サイクル
JP4836336B2 (ja) * 2001-02-07 2011-12-14 上野製薬株式会社 ハーメチックモーター用ステーターコア
JP2003012898A (ja) * 2001-06-28 2003-01-15 Sumitomo Chem Co Ltd 液晶ポリエステル樹脂混合物
JP2007269937A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Mitsui Chemicals Inc 難燃性ポリアミド組成物
EP3029395A4 (en) * 2013-07-29 2017-03-08 Mitsubishi Electric Corporation Heat pump device
JP7175834B2 (ja) 2019-04-16 2022-11-21 上野製薬株式会社 液晶ポリエステル樹脂

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09111106A (ja) 1997-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH05339475A (ja) 液晶性樹脂組成物
JPH09297256A (ja) カメラ鏡筒及びその製造方法
JP3407504B2 (ja) 電動機のインシュレーター成形品
JP3227729B2 (ja) 樹脂組成物成形品の製造方法
JP3235939B2 (ja) 難燃性ポリエステル樹脂組成物
JP3453981B2 (ja) ファインピッチコネクター成形品用液晶性樹脂組成物およびそれからなるファインピッチコネクター成形品。
JPH0641400A (ja) 液晶ポリエステル樹脂組成物
JP4632394B2 (ja) 液晶ポリエステル樹脂
JPS59129253A (ja) 難燃性ポリエステル樹脂組成物
JP3362489B2 (ja) 液晶性樹脂組成物および成形品
JPH0586266A (ja) 液晶ポリエステル樹脂組成物
JPH11236503A (ja) 熱可塑性樹脂組成物および成形体
JPH0718162A (ja) 液晶性樹脂組成物
JP3082223B2 (ja) 液晶ポリエステル樹脂組成物
JP3111322B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物の射出成形品
JP2002294039A (ja) 液晶性樹脂組成物
JP3376735B2 (ja) 液晶性樹脂成形品
JP3593779B2 (ja) 光ファイバー接続端子用成形品
JP2982212B2 (ja) 難燃性組成物
JP3106616B2 (ja) 高衝撃ポリエステル組成物
JPH04318058A (ja) 液晶ポリエステル樹脂組成物
JPH08220407A (ja) 光ピックアップレンズホルダー
JP3134404B2 (ja) 液晶ポリエステル組成物
JPH08134333A (ja) 樹脂組成物の製造方法、それにより製造される樹脂組成物およびその成形品
JP2003119362A (ja) 難燃性強化ポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080314

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090314

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090314

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100314

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110314

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110314

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120314

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120314

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130314

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130314

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140314

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees