JP2001310793A - 船舶係留装置 - Google Patents

船舶係留装置

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JP2001310793A
JP2001310793A JP2000129318A JP2000129318A JP2001310793A JP 2001310793 A JP2001310793 A JP 2001310793A JP 2000129318 A JP2000129318 A JP 2000129318A JP 2000129318 A JP2000129318 A JP 2000129318A JP 2001310793 A JP2001310793 A JP 2001310793A
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float
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ship
rope
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Masayuki Hirata
正幸 平田
Hiroshi Ono
博 大野
Hideki Yamashita
英樹 山下
Shinji Fujimoto
真二 藤本
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Molten Corp
Original Assignee
Molten Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 杭に対するロープの係留位置が海面の上下変
位の影響を受けず一定で安定した係留が行え、かつ最大
数の船舶の停泊を可能とし、停泊スペースを有効に活用
できる船舶係留装置を提供する。 【解決手段】 リング40の両側に形成せるコの字形状
のフロート連結部41,41に、弾性ジョイント13を
介して一対のフロート12A,12Eを連結し、フロー
トを杭2に嵌挿して設置することにより、海面の上下変
位に応じて上下移動するリングに連結するロープ9の係
留位置は変わらず安定した係留を実現するとともに、リ
ングには停泊水域にはみ出るようなフロートが無く、船
の入港を邪魔しない容易な停泊と、停泊スペースが狭め
らず船を最大数係留できるよう停泊水域を有効活用した
船舶係留装置とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マリーナ等におい
て桟橋から所定距離隔てて水中に立設された係留用杭に
船舶を係留するための船舶係留装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、マリーナ等においては、図11に
示すように、浮き桟橋1等から一定間隔を隔てて水中に
係留用の杭2,2が立設され、桟橋1上のクリート3に
ボート6など船舶の船首が、また杭2,2に船尾がそれ
ぞれロープ7a,7bにて連結されて、船舶の自由な振
れ、揺動を防止し、船舶が風、波を受けて桟橋1に衝突
し損傷するのを防止している。また隣り合う船舶同士の
衝突による損傷を、ロープ4,4に通されて船艇間に浮
遊する防舷材5,5にて防止している。ここで、杭2に
船舶からのロープ7bを結ぶ際、杭2に直接ロープ7b
を結ぶと、潮の干満により海面が上下したとき、船舶の
係留位置がずれてしまうという問題がある。それ故、杭
への係留に際しては、海面の上昇下降に応じて上下動す
るフロートを杭に嵌装させ、これにロープを結ぶ方法を
とる必要がある。
【0003】かかる杭への係留装置として、例えば特公
平3−42370号公報に開示の技術がある。これは、
杭に回転及び上下動可能な浮体を嵌合し、この浮体の外
側面に防舷材を取り付けて、接岸の際の船体の損傷を防
止するとともに、外套やブラシを設けて、これらにより
杭に貝類が付着するのを防止したものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前掲公報に開示の構造
にあっては、杭に中空環状の浮体が嵌合されるために、
停泊スペースまでこの浮体がはみ出すこととなり、船舶
が停泊スペースに入港する際の邪魔になったり、或いは
停泊スペースを狭くするという問題がある。通常マリー
ナを設計する際には、限られらた海面水域に最大数の船
舶が係留できるよう設計される必要があり、上記構造の
防舷材はかかる目的に反するのである。
【0005】本発明は、上述のような事情に鑑みてなさ
れたものであり、フロート部分が停泊スペースにはみ出
すのを最小限とし、船舶の入出港の際邪魔にならない船
舶係留装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明(請求項1)にか
かる船舶係留装置は、船舶を係留するための杭に上下移
動が可能な状態で嵌挿されるリングと、該リングの外側
に180度隔てて形成された一対のフロート連結部と、
該フロート連結部に連結された一対のフロートと、上記
リングに形成され、船舶等からのロープが連結されるロ
ープ連結部とを備え、上記リングは、上記フロートにて
浮遊状態が維持され、かつ水面の上昇下降に伴って、上
記杭に沿って上下移動するものである。
【0007】かかる構成では、フロートはリングの外側
に連結されて設けられる。杭にはそのリングのみが嵌挿
されて、リングの前後で設置され浮遊する上記フロート
により、リングは杭を上下移動する。そのリングに形成
したロープ連結部に、船舶に備わる係留用のロープを連
結して係留する。係留された船舶は、水位変化で上下動
するとき、これに応じてリングもフロートにより上下移
動して、船舶と杭に張り渡されるロープは海面と平行
し、係留位置がずれる心配はない。また、杭自体にフロ
ートを嵌装せず、それによりはみ出しを最小限に抑えて
係留水域を狭めないようにする。
【0008】本発明(請求項2)にかかる船舶係留装置
にあっては、上記フロート連結部は、略コの字形を有す
るとともにコの字形の両端が上記リングに固定され、コ
の字形の中央の辺の2箇所において、上記フロートに連
結され、上記リングに対する上記フロートの位置が規制
されてなる規制されてなるものである。かかる構成で
は、フロートがフロート連結部の中央の辺の2箇所で連
結するため、フロートのリングに対する位置が規制され
て、フロートは安定して連結される。
【0009】本発明(請求項3)にあっては、上記ロー
プ連結部が、上記リングの外側であって上記フロート連
結部の間に相対して一対形成せしめられてなるものであ
る。かかる構造では、リングには係留用のロープを連結
するロープ連結部を、ロープが結びやすいように、リン
グの外側に相対して一対設けるようにし、係留作業を容
易に行えるようにしている。
【0010】本発明(請求項4)にあっては、上記リン
グの下方において上記杭に上下移動可能な状態で嵌装さ
れ沈降する清掃リングと、該清掃リングと上記一対のフ
ロートとを連結し、上記清掃リングを水面下所定の位置
に保持する連結手段を備えてなる。かかる構成では、フ
ロートの下部に連結手段で懸架支持した清掃リングを、
杭に嵌挿し水面下所定位置に保持せしめて、フロートの
変動に追従する清掃リングの上下移動によって、貝類な
ど杭の付着物を除去して、リングの円滑な上下移動を行
わせる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1及び図2は、本発明船舶係留
装置にかかる船舶を杭に係留している様相図ならびにそ
の船舶係留装置の要部拡大構造図であり、また図3乃至
図8は、その船舶係留装置を構成する各部の構成図を示
す。
【0012】上記各図において、1は、ボート6など小
型の船艇が係留される浮き桟橋等前述同様の桟橋、3
は、この桟橋1の側部に適当な間隔で設けられたクリー
トである。8,8は、ボート6の船首を桟橋1側のクリ
ート3に結び付け、係留するための船首側の2本のロー
プである。また2は、係留用の杭であり、9はその杭に
船尾を繋ぎ止めるために船尾側に設けられた係留用のロ
ープである。40は、上記船尾側の係留用のロープ9を
繋ぎ止める鋼製のリングにして、このリング40をして
前後に連結される後述のフロートの浮力作用により、リ
ング40は杭2に上下移動が可能な状態で嵌挿されてい
る。
【0013】上記リング40は、その外側に180度隔
てて、略コの字形をした一対のフロート連結部41,4
1が形成されており、このフロート連結部41,41
は、図3に示すように、その両側辺41b、41bの先
端が溶接等でリング40に結合固定されて一体化されて
いる。側辺41b,41bの方向は、リング40の径方
向に一致している。また、リング40には、そのフロー
ト連結部41,41と直交する側の環部分に、上記船尾
側の係留用のロープ9を連結するためのロープ連結部4
2,42が、一対形成されている。ここで、ロープ連結
部42,42は、リング40の外側に円弧状に張り出す
ように、かつ斜め上方に向かって形成されている。この
ように、多少、リング40の外に突出するように形成さ
れたロープ連結部42,42であると、上記船尾のロー
プ9をリング40に結び付ける作業を容易とすることが
できる。
【0014】さて、12A,12Eは、上記リング40
を介して連結される2つのフロートにして、その全体の
形は、それぞれ両端が外側に球面状に湾曲した面15,
15を有する中空の略円筒体形状を有し、その下面は平
坦面16に形成されている。また、フロート12A,1
2Eは、高密度ポリエチレン(HDPE)のブロー成形
にて製造することができる。かかる形状をブロー成形に
て成形すると、平坦面16の肉厚が円形部分のそれより
も厚くなり、その結果この面の重量が増し、フロート1
2A,12Eを水面に浮遊させたとき、平坦面16が下
面に位置させられ、その姿勢が安定化するからである。
【0015】また、フロート12A,12Eには、その
外周面の2箇所に防舷材が胴巻き状に設けられて防舷部
31,31が形成され、隣接して係留している船舶同士
の衝突損傷を防ぐ防舷作用を果たすようになっている。
防舷部31,31は、図7および図8等に示すように、
中心に装着用のロープ32の通し孔33を持つポリエチ
レン(PE)又はポリウレタン(PU)より形成された
円筒状の発泡材34と、この発泡材34を耐摩耗性を有
する例えばポリエステル繊維で形成した円筒形の表皮層
35で包んだ構成の防舷材31mを用い、この防舷材3
1mを、フロート12A,12Eの円周面外面に凹設し
た取付用溝に嵌め入れ、ロープ32の端をD環37に結
ぶことで、フロート12A,12Eに固定される。
【0016】なお、フロート12A,12Eの外周面に
円周状に形成した上記取付用溝は、フロート12A,1
2Eの強度をあげる補強用としても作用している。さら
に、実施例では防舷部31,31は2箇所としたが、2
箇所以上設けても良く、また、防舷部31,31の厚
さ、その幅寸法なども適度に変更可能である。また、取
付用溝と同じ様な溝を、フロート12A,12Eの外周
面の中間部辺りにも形成しその溝数を増やすと、より強
度を増すことができる。
【0017】ところで、上記フロート12A,12Eと
上記リング40のフロート連結部41,41とは、図4
および5に示すような、ゴム板25を用いた弾性ジョイ
ント13,13で連結されている。すなわち、フロート
12A,12Eには、それぞれがその両端面15,15
において、直径方向にそれぞれ一対ずつ突出して形成さ
れた孔18を有する取付片17,17を有しており、こ
の一対の取付片17,17と、上記リング40のフロー
ト連結部41の中央の辺41aの2箇所とが、ゴム板2
5で連結されている。
【0018】弾性ジョイント13につき更に説明する
と、弾性部材、例えばクロロプレンゴムなどで形成さ
れ、屈曲や変形に耐えるよう適度の厚みを持った1枚の
ゴム板25と、2枚の押さえ板26,26と、ボルト2
9およびナット30よりなっている。
【0019】そしてその連結構造を、例えば桟橋側のフ
ロート12Eにおいて説明すると、図3で示すように、
所要幅、所要長の連結用のゴム板25を使用し、そのゴ
ム板25の一端が、例えばフロートの取付片17,17
の孔18,18に通され、またゴム板25の他端がフロ
ート連結部41の中央の辺41aの両端の2箇所に回さ
れ、左右対称の輪部25b,25bを形作るように略8
の字状に折り曲げられ、その自由端同士が一方側(図で
は上側)で重ねられる。次いで、そのゴム板25の重な
り部の上下面に、2枚の押さえ板26,26が当てられ
る。そしてその押さえ板26,26及びゴム板25の重
なり部には、ネジ孔27,28が上下方向に合致するよ
うに形成されているので、そのネジ孔27,28にボル
ト29が通され、ナット30が締着されることにより、
ゴム板25は押さえ板26,26で挟まれる如く共締め
固定される。こうして、ゴム板25によって、フロート
12Eとリング40とがそのフロート連結部41を介し
て弾性的に連結固定される。もう一方のフロート12A
とリング40のフロート連結部41との連結方法も同様
である。
【0020】この場合、フロート12A、12Eとリン
グ40のフロート連結部41,41とを連結するゴム板
25の中心が、そこに貫通したボルト29で繋ぎ止めら
れというピン結合による連結構造なので、連結板である
ゴム板25がボルト29を軸として、垂直方向には曲が
り易く、それとクロスする左右の水平方向には曲がりに
くくなるという連結部材となる。よってこのように、弾
性的に屈曲して回転自在に動き得るジョイント13とな
るため、フロート12A,12Eとリング40は、上下
方向には曲がって動き易く、水平方向には曲がり難いと
う動き方になる。
【0021】このことは、フロート12A,12Eが係
留のため桟橋に進入してくる船体との接触により受ける
衝撃や、波浪によりフロート12A,12Bに加わる衝
撃に対して、その衝撃力を逃がすようにフロート12
A,12Eを容易に動かすので、緩衝性が高まる。ま
た、フロート12A,12E自体の形体をも維持し、そ
の損傷を免れ易くなる効果が期待できるようになる。
【0022】こうして、フロート12A,12Eを相反
対側に連結したリング40は、杭2に嵌挿されると、フ
ロート12A,12Eの浮力により、杭2を上下移動す
る。
【0023】11Bは、フロート12Aを桟橋1に繋ぎ
止めるロープで、一端をクリート3に連結されるととも
に、ロープ11の他端に設けた結び環50には、2本の
ロープ11,11が分岐して設けられており、この2本
のロープ11,11の先端が、シャクル14と称する連
結具により、フロート端面15の一対の取付片17,1
7に連結されている。
【0024】シャックル14は、図6に示すように、軸
21を有したU字型状の連結金具22と、取付片17の
孔18に折り返して通したU字状のゴム製バンド23と
よりなり、連結金具22の軸21を、U字状のゴム製バ
ンド23の重なり自由端およびそれを挟持した上下2枚
の固定板24,24を重ねた部分に上下に貫通固定する
ことにより、連結金具22が水平方向に回動し得る揺動
自在な構造の連結装置となる。これにより、ロープ1
1,11はフロート12A,12Eの海面の変動による
揺れを自由にするように結ばれている。
【0025】以上のように、ボート6を係留する杭2に
は、従来のように浮体などは無く、係留用のロープ9を
繋ぐリング40だけが、杭2に嵌挿され、リング40の
前後に連なるフロート12A,12Eによって杭2を上
下移動する構成の船舶係留装置10となっている。
【0026】従って、フロート12A,12Eを連結し
ているリング40を、杭2に嵌挿して所定水域に設置す
れば、リング40は海面の変動に伴い、フロート12
A,12Eともに杭2を上下移動する。船尾の係留用の
ロープ9は、この上下移動するリング40に結び付けて
いるので、潮位の変化や波動により、ボート6が上下移
動しても、リング40もこれに応じた上下移動をするた
め、リング40とボート6の位置に変化はなく一定で、
ロープ9の係留位置も変わらないので、ボート6は安定
して係留される。
【0027】ところで上記杭2には、図9に示すように
杭2に付着する海洋生物、例えばフジツボやムラサキガ
イなどの付着物を落とせるようにした清掃リング45を
嵌挿させた構成を採用することもできる。この場合、清
掃リング45は、2つのフロート12A,12Eから、
ワイヤー46,46などの懸架部材にて懸架させて、杭
2に嵌挿する構造とすることができる。
【0028】すなわち、清掃リング45は、杭2の直径
より若干大きい径を持つ鋼製のリングであり、その清掃
リング45の直径方向の2箇所位置に、所定長さを有す
る懸架用部材、すなわち2本の懸架用のワイヤー46,
46がその下端を連結して設けられている。
【0029】一方、2つのフロート12A,12Eの外
周面の中央部辺りには、それぞれ取付バンド47,47
が装着され、その装着バンド47,47の下端には止め
リング48が設けられている。下端を清掃リング47,
47を固定した懸架用のワイヤー46,46は、その上
端をこの止めリング48に掛け止めされる。こうして、
2つのフロート12A,12E同士の間の下方位置に、
清掃リング45が懸架支持されている。そして、その清
掃リング45を杭2に嵌挿して、フロート12A,12
Bを係留水域に浮遊設置する。
【0030】この結果、清掃リング45は、2つのワイ
ヤー46,46によって、水面下所定位置で杭2に嵌挿
された状態で懸架保持されることになり、従って海面が
潮の干満や波動により変位すると、それに応じてフロー
ト12A,12Eの下部に備わっている清掃リング45
も杭2を上下移動する。これにより、杭2に付着してい
る付着物は、上下移動する清掃リング45により自然と
掻き落とされ、杭2表面は円滑に維持され、リング45
は常に支障無く杭2を上下移動できる状態とされるの
で、係留ロープ9はスムーズに昇降できるようになり、
安定した係留を行える船舶係留装置10Bとなる。
【0031】ここで、上記船舶係留装置10、10Bの
具体的な構造的寸法を示すと、杭の径318mm、リン
グの径400mm、リングの太さ20mmとすることが
できる。また清掃リングはその径を400mm,その太
さ20mmとすることができるとともに、表面をPVC
被覆して防錆処理した太さ2mmのワイヤーを用いて、
水面下1000mm以下の位置に清掃リング45を保持
して、杭2に嵌挿設置することができる。また、フロー
ト12A,12Eはその円筒体部分の長さ116cm,
円筒体の直径60cm,平坦面16の幅24cmとする
ことができる。また、防舷部31の直径80mmとする
ことができる。
【0032】図10は、フロートの個数を、舟艇の長さ
に応じた数に変更し、例えば5個のフロート12a,1
2b,……12eを連結して設置した場合の他の実施例
にかかる船舶係留装置10Cの構成図である。
【0033】5個のフロート12a,12b,……12
eは、その互いの対向する端面側にある取付片同士が、
上述したゴム板を用いた弾性ジョイント13で連結さ
れ、フロート12a,12b,……12e同士は、互い
にその水平方向には動きやすく、上下方向には動きにく
いように一体に接続されているものである。そして、そ
れぞれのフロート12a,12b,……12eの外周面
に備わる防舷部31……31により、隣同士の船舶が接
触するのを防ぐ防舷機能を果たすような防舷仕切装置5
1を形成している。防舷仕切り装置51,51は、船舶
の左右両側に沿って設置される。
【0034】防舷仕切装置51の最前部、すなわち桟橋
側にあるフロート12aは、2本のロープ11、11に
より桟橋のクリート3に、多少の緩みをもたせて結び付
けられ、そのロープ11,11はフロート12aのシャ
ックル14、14に結び付けられた後、5個のフロート
12a,12b,……12eの左右両側に沿わされ、最
後尾のフロート12eの後部の取付片17に結ばれてい
る。このような、フロート12a,12b,……12e
の両サイドをロープ11,11で張り渡した繋ぎ方とす
ると、ボート6との接触で防舷仕切り装置51が、矢印
のような横方向の力を受けたとき、ロープ11,11が
弓のように張って動く作用で、防舷仕切装置51も同じ
ように弓なりに横移動するため、各フロート12a……
12e自体に対する衝撃は緩和され、その損傷が和らげ
られる。
【0035】一方、防舷仕切装置51の最後尾のフロー
ト12eは、杭2に嵌挿されるリング40に、上述した
ようにゴム板を用いた弾性ジョイント13により連結さ
れている。そして、そのリング40に、次段の5個のフ
ロート12a,12b,……12eから成る防舷仕切装
置52が、その最前部のフロート12aを同じようにゴ
ム板を用いた弾性ジョイント13により連結されてい
る。
【0036】このように、それぞれ5個のフロート12
a,12b,……12eからなる2つの防舷仕切装置5
1,52が、リング40により接続され、そのリング4
0が杭2に嵌挿されフロート12a,12b,……12
eにより、杭2を上下移動可能となっている。
【0037】従ってこの場合にも、船尾の左端と右端と
にある係留用ロープ9,9を、リング40,40のロー
プ連結部42、42に連結して杭2,2に係留すれば、
潮の干満などで水位が変化してボート6が上下移動して
も、リング40,40もそれに追従して上下移動するの
で、ロープ9,9の係留位置が変化せず、係留は安定す
る。
【0038】なお、リング40を介して接続される防舷
仕切装置は、3つ以上と適宜その数を増やし、また杭2
もそれに応じて設置数を増やして、複数の防舷仕切装置
が縦に連なるように構成した船舶係留装置とすることも
できる。
【0039】なお、この構成の船舶係留装置10Cの場
合も、隣接する2つの防舷仕切装置51,52から、杭
に嵌挿する清掃リングを懸架するようにすることもでき
る。
【0040】
【発明の効果】本発明(請求項1)によれば、船を係留
するロープが連結される杭には、ロープ連結部を有した
リングが嵌挿され、そのリングを杭に対して上下移動さ
せるフロートは、リングの外側に形成したフロート連結
部により180度隔てて連結させた構成とし、フロート
が従来のように停泊水域に杭から大きくはみ出さず、最
小限のはみ出しに抑えた船舶係留装置となるので、船舶
の入港を邪魔する障害物がなく、船舶の係留が容易に行
われる。また、停泊スペースがせばまらず、最大数の船
舶が係留できるようになり、停泊水域を有効活用でき
る。さらに、リングは、その相反対側に存在するフロー
トにより安定した姿勢で、杭を円滑に動くため、船舶の
海面の水位変化による上下変動があっても、係留位置が
変化せず、安定した係留を行えるようになる。また、リ
ングにはフロートのような構造物はないので、杭への嵌
挿も比較的容易に行うことができ、船舶係留装置の全体
の設置も容易にできる。
【0041】本発明(請求項2)によれば、フロートは
リングの外側に形成した略コの字形のフロート連結部の
中央の辺の2箇所で確実に連結したので、フロートはリ
ングに対して安定した位置に規制され、リングの動きは
フロートの動きに応じた確実な上下動となり、船舶が海
面の変位で上下移動しても係留位置が一定でずれず、係
留は安定する。
【0042】本発明(請求項3)によれば、ロープ連結
部がリングの外側に設けられているので、船が揺れて不
安定である船上の乗員が、ロープを杭に結ぶのが容易と
なり、係留作業がはかどる。
【0043】本発明(請求項4)によれば、フロートの
下部には連結部材により清掃リングが懸架され、かつそ
の清掃リングは水面下所定位置で杭に嵌挿保持されてい
るので、海面の変位に応じてフロートが上下移動すると
き、その清掃リングが杭を上下移動するために、杭に付
着している貝殻類などの海洋生物が、自然と掻き落とさ
れる。これにより、杭表面は円滑となり、リングは常に
支障無く杭を上下移動できる状態に維持されるので、係
留用ロープの杭に対する結び位置も、上下移動する船と
平行して変位し、係留位置が変化せず、常に安定した係
留ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る船舶係留装置の使用
状態を示す斜視図である。
【図2】その船舶係留装置の要部構成部を示す斜視図で
ある。
【図3】フロートと杭に嵌挿されるリングとの連結部の
構造を示す平面構造図である。
【図4】図3におけるフロートとリングとを連結する弾
性ジョイントの構成要素分解斜視図である。
【図5】上記弾性ジョイントによるフロートとリングと
の連結部の断面図である。
【図6】フロート端面の桟橋からのロープが連結される
シャックルの構造斜視図(a)とその連結金具を示す斜
視図(b)である。
【図7】フロートの外周面に設けられる防舷部を形成す
る防舷材の平面図である。
【図8】防舷部の内部構造を示す一部拡大構成図であ
る。
【図9】フロートに杭を上下移動する清掃リングを設け
て、杭表面の付着物を除去可能にした構成の船舶係留装
置にかかる要部構成図である。
【図10】係留する船舶の長さに応じてフロートを増設
し、長くした構成の他の実施例にかかる船舶係留装置の
使用状態を示す斜視図である。
【図11】船舶係留装置の従来例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 桟橋 2 杭 3 クリート 6 ボート 10,10B,10C 船舶係留装置 11,11 ロープ 12A、12B、12a 12e フロート 13 ジョイント 14 シャックル 40 リング 41 フロート連結部 42 ロープ連結部 45 清掃リング 46,46 連結部材 51,52 防舷仕切り装置
フロントページの続き (72)発明者 山下 英樹 広島県広島市西区横川新町1番8号 株式 会社モルテン内 (72)発明者 藤本 真二 広島県広島市西区横川新町1番8号 株式 会社モルテン内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船舶を係留するための杭に上下移動が可
    能な状態で嵌挿されるリングと、該リングの外側に18
    0度隔てて形成された一対のフロート連結部と、該フロ
    ート連結部に連結された一対のフロートと、上記リング
    に形成され、船舶等からのロープが連結されるロープ連
    結部とを備え、上記リングは、上記フロートにて浮遊状
    態が維持され、かつ水面の上昇下降に伴って、上記杭に
    沿って上下移動する船舶係留装置。
  2. 【請求項2】 上記フロート連結部は、略コの字形を有
    するとともにコの字形の両端が上記リングに固定され、
    コの字形の中央の辺の2箇所において、上記フロートに
    連結され、上記リングに対する上記フロートの位置が規
    制されてなる請求項1記載の船舶係留装置。
  3. 【請求項3】 上記ロープ連結部が、上記リングの外側
    であって上記フロート連結部の間に相対して一対形成せ
    しめられてなる請求項1又は2記載の船舶係留装置。
  4. 【請求項4】 上記リングの下方において上記杭に上下
    移動可能な状態で嵌装され沈降する清掃リングと、該清
    掃リングと上記一対のフロートとを連結し、上記清掃リ
    ングを水面下所定の位置に保持する連結手段を備えてな
    る請求項1,2又は3に記載の船舶係留装置。
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