JP2695673B2 - 浅水域用緊張係留装置 - Google Patents

浅水域用緊張係留装置

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JP2695673B2
JP2695673B2 JP2048882A JP4888290A JP2695673B2 JP 2695673 B2 JP2695673 B2 JP 2695673B2 JP 2048882 A JP2048882 A JP 2048882A JP 4888290 A JP4888290 A JP 4888290A JP 2695673 B2 JP2695673 B2 JP 2695673B2
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雅彦 尾崎
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、沖合係船用一点係留装置や海中緑化装置,
浮体式波浪観測装置などに使用される浅水域用緊張係留
装置に関する。
〔従来の技術〕
従来の浮体係留装置としては、第3図側面図に示すよ
うな1点係留装置が知られており、ブイ01はチェーン02
によって海底アンカー03に係止され、浮力と重力がつり
あう吃水より若干下方へチェーン02によって引き込まれ
ており、チェーン02は余剰浮力に相当する張力つまりプ
レテンションが常に作用している。
この種の1点係留装置はSALM型ブイとして知られてお
り、大型船舶の港湾の水深不足や沖持ちのための沖合係
船、あれいは港湾施設が十分整備されていない沿岸海域
における一時的な係船のために用いられる。
いま、船舶05が風,潮流などの外力によってブイ01か
ら離れる方向へ移動すると、係船ロープ04を介してブイ
01は船舶05とともに移動し、チェーン02は初期の鉛直状
態から傾斜する。この傾斜によってチェーン02のプレテ
ンションの水平方向成分がブイ01を引き戻そうとし、全
体として船舶05を一定範囲内に係船することになる。
また、第4図側面図に示すように、海中緑化装置や波
浪観測装置などに利用される耐波性直立ブイも知られて
おり、ブイ01は複数のチェーン02によってアンカー03に
係止されて、波,風,潮流などの外力下において一定の
地点で位置及び姿勢を保持するようになっている。
いずれの構造においても、係留浮体は係留による復原
力の存在によって固有周期を有し、この固有周期が波の
周期に近い場合には共振現象が発生し、過大な動揺及び
係留力が生ずる危険性がある。前記第4図に示したプレ
テンションを有する直線状の索鎖によって係留される浮
体の固有周期は、概略(1)式で表わすことができる。
Ts :水平揺固有周期(sec) π :円周率 W :浮体重量(ton) g :重力加速度(m/sec2) Ma :浮体の付加質量(ton・sec2/m) n :係留チェーンの本数 Tp :プレテンション(ton) L :係留索鎖の長さ(m) 従って、プレテンションが大きくなるか、係留チェー
ンの長さが短くなると、固有長期は短くなるという特徴
があるので、通常この種の係留浮体は固有周期を波の周
期よりも大きくすることで、共振現象を回避する。
しかしながら、水深が浅くて比較的長い周期の波が来
襲するような海域では、プレテンションを小さく設定し
なければならず、それによってチェーンが緩んだり(ス
ラック現象)、その後衝撃的な張力が発生したり(スナ
ップ現象)し易くなるという不具合がある。
〔発明が解決しようとする課題〕 本発明はこのような事情に鑑みて提案されたもので、
水深が浅くてもプレテンションを余り小さくすることな
しに長い固有周期を得ることのできる浅水域用緊張係留
装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
そのために本発明は、浮体を係留する装置において、
上記浮体の内部に装着されy方向への水平移動を許容す
るy方向変位復元手段と、上記y方向変位復元手段上に
装着されx方向への水平移動を許容するx方向変位復元
手段と、上記x方向変位復元手段と海底アンカーとの間
に介装されるとともに上記浮体を緊張して係留する索鎖
とを具えたことを特徴とする。
〔作用〕
このような構成によれば、係留による復原力が同一で
ある場合、変形−反力装置の変形量が浮体の変位の増加
量となって、結果的には弱い復原特性を得ることができ
る。変形−反力装置のばね定数をkとすると、本発明を
採用した浮体の固有周期は(2)式 となる。(1)式と比べると、 は必ず1.0より小さいから、プレテンションを小さくし
たことによる効果と同一効果が得られることが判る。
〔実施例〕
本発明の一実施例を図面について説明すると、第1図
はその全体縦断面図、第2図は第1図の部分拡大斜視図
である。
上図において、第3〜4図と同一の符番はそれぞれ同
図と同一の部材を示し、円筒状ブイ1はプレテンション
を有するチェーン2によって海底アンカー3に係留さ
れ、ブイ1の下部に設けられたチェーン2との連結部4
には、本発明に係る変位復原装置5が装着されている。
変位復原装置5は、第2図に示すように、前後方向へ
移動可能なx方向台車6及び左右方向へ移動可能なy方
向台車7等からなる。x方向台車6はその下面に配設さ
れた複数のローラー8でy方向台車7の上を移動するこ
とが可能であり、ばね定数kを有するばね10によって復
原力が作用する。
なお、上記x方向台車6とばね10とによりx方向変位
復元手段が構成されている。
一方、y方向台車7は、その下面に配設された複数の
ローラー9でブイ底部上を左右方向へ移動することが可
能であり、ばね定数kを有するばね11によって復原力が
作用する。
なお、上記y方向台車7とばね11とによりy方向変位
復元手段が構成されている。チェーン2は、上端がx方
向台車6に結合されており、y方向台車7の開口スリッ
ト12及び浮体底部の開口部13を貫通して海底アンカー3
に延びている。
このような変位復原装置5によって、チェーン2の上
端には水平面内のいずれの方向へもばねが直列に組込ま
れることになり、ブイの水平変位に対る復原特性を弱く
することが可能となって、その固有周期を大きくするこ
とができる。
その固有周期Ts′は(2)式で示される。
(2)式を(1)式と比べると、 の関係により、必ずTs′>Tsとなる。
〔発明の効果〕
従って、本発明装置によると、ブイを海底に直線状の
チェーンで係留する場合に、水深が浅くてチェーンの長
さが短い場合でも、チェーンのプレテンションを小さく
せずに比較的大きい固有周期を得ることができるので、
波との共振を回避できる安全な係留浮体を提供すること
ができる。
要するに本発明によれば、浮体を係留する装置におい
て、上記浮体の内部に装着されy方向への水平移動を許
容するy方向変位復元手段と、上記y方向変位復元手段
上に装着されx方向への水平移動を許容するx方向変位
復元手段と、上記x方向変位復元手段と海底アンカーと
の間に介装されるとともに上記浮体を緊張して係留する
索鎖とを具えたことにより、水深が浅くてもプレテンシ
ョンを余り小さくすることなしに長い固有周期を得るこ
とのできる浅水域用緊張係留装置を得るから、本発明は
産業上極めて有益なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す全体縦断面図、第2図
は第1図の部分拡大斜視図である。 第3図,第4図はそれぞれ公知の係留ブイを示す縦断面
図である。 1……ブイ、2……係留チェーン、3……アンカー、4
……連結部、5……変位復原装置、6……x方向台車、
7……y方向台車、8……ローラー、9……ローラー、
10……ばね、11……ばね、12……開口スリット、13……
開口部。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】浮体を係留する装置において、上記浮体の
    内部に装着されy方向への水平移動を許容するy方向変
    位復元手段と、上記y方向変位復元手段上に装着されx
    方向への水平移動を許容するx方向変位復元手段と、上
    記x方向変位復元手段と海底アンカーとの間に介装され
    るとともに上記浮体を緊張して係留する索鎖とを具えた
    ことを特徴とする浅水域用緊張係留装置。
JP2048882A 1990-02-28 1990-02-28 浅水域用緊張係留装置 Expired - Lifetime JP2695673B2 (ja)

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JPH03248990A JPH03248990A (ja) 1991-11-06
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