JP2001309239A - フォトセンサアレイおよび2次元画像の読取装置 - Google Patents
フォトセンサアレイおよび2次元画像の読取装置Info
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Abstract
線に対して信号の伝搬を補償して、良好に駆動すること
ができるフォトセンサアレイおよび2次元画像の読取装
置を提供する。 【解決手段】 フォトセンサアレイは、半導体層11に
形成されるチャネル領域のチャネル長およびチャネル幅
を規定するソース、ドレイン電極12、13と、半導体
層11の上方に設けられたトップゲート電極21と、半
導体層11の下方に設けられたボトムゲート電極22と
を備えた複数のダブルゲート型フォトセンサ10を有
し、該複数のダブルゲート型フォトセンサ10のトップ
ゲート電極21相互を接続するトップゲートラインが、
配線断面積を増加させるように、複数の配線層(101
a、101b)に分岐して形成されている。
Description
イおよび2次元画像の読取装置に関し、特に、共通の半
導体層に対して上方および下方に各々トップゲート電極
およびボトムゲート電極を備えたダブルゲート構造を有
する薄膜トランジスタによる光電変換素子(フォトセン
サ)を2次元配列して構成されるフォトセンサアレイ、
および、そのフォトセンサアレイを利用した2次元画像
の読取装置に関する。
の微細な凹凸の形状等を読み取る2次元画像の読取装置
として、光電変換素子(フォトセンサ)をマトリクス状
に配列して構成されるフォトセンサアレイを有する構造
のものがある。このようなフォトセンサアレイとして、
一般に、CCD(Charge Coupled Device)等の固体撮
像デバイスが用いられている。
や薄膜トランジスタ(TFT:ThinFilm Transistor)
等のフォトセンサをマトリクス状に配列した構成を有
し、各フォトセンサの受光部に照射された光量に対応し
て発生する電子−正孔対の量(電荷量)を、水平走査回
路および垂直走査回路により検出し、照射光の輝度を検
知している。このようなCCDを用いたフォトセンサシ
ステムにおいては、走査された各フォトセンサを選択状
態にするための選択トランジスタを個別に設ける必要が
あるため、画素数が増大するにしたがってシステム自体
が大型化するという問題を有している。
ための構成として、フォトセンサ自体にフォトセンス機
能と選択トランジスタ機能とを持たせた、いわゆる、ダ
ブルゲート構造を有する薄膜トランジスタ(以下、ダブ
ルゲート型フォトセンサという)を画像読取装置に適用
して、システムの小型化、および、画素の高密度化を図
る試みがなされている。
装置は、概略、ガラス基板の一面側に、共通の半導体層
に対して上方および下方に各々トップゲート電極および
ボトムゲート電極を備えたダブルゲート型フォトセンサ
をマトリクス状に形成して、フォトセンサアレイを構成
し、例えば、ガラス基板の背面側に設けられた光源から
照射光を照射して、フォトセンサアレイ上方の検知面に
載置された指から指紋等の2次元画像の画像パターンに
応じた反射光を、ダブルゲート型フォトセンサにより明
暗情報として検出し、2次元画像を読み取るものであ
る。
読み取り動作は、リセットパルスの印加による初期化終
了時から読み出しパルスが印加されるまでの光蓄積期間
において、各ダブルゲート型フォトセンサ毎に蓄積され
るキャリヤ(正孔)の蓄積量に基づいて、明暗情報が検
出される。なお、ダブルゲート型フォトセンサ、およ
び、フォトセンサアレイの具体的な構成および動作につ
いては、後述する。
うな2次元画像の読取装置に適用されるフォトセンサシ
ステムにおいては、例えば、指の凹凸等による照射光の
反射の違いを、可視光波長域が入射されると励起するa
−Si半導体層に生成されるキャリアを利用して検出す
るものであるが、このキャリアを蓄積するためのトップ
ゲート電極は、指のような被写体(被検物)と半導体層
との間に介在しているため、被写体からの反射光を透過
する性質を有していなければならず、そのため、後述す
るITOのような透明電極を用いなければならない。こ
こで、トップゲート電極は、駆動回路の端子と接続する
ためのトップゲートラインと一体化されて形成されてい
るが、配線層として一般に利用されるクロムCr等の金
属材料に比較して、ITOは抵抗率が高いため、配線と
して用いると信号の伝搬遅延を生じやすいという問題を
有していた。
るために、幅広の配線層からなるトップゲートラインを
形成し、配線断面積を大きくすることにより、配線抵抗
の低減を図ることができるが、ITOのような透明電極
であっても透過光の光量の減衰を生じるため、安易に厚
くすると受光感度が低下し、またトップゲートラインを
透過して、キャリヤを蓄積する半導体層に入射する入射
光量のバランス(方向性)が、トップゲートラインの配
置位置等に応じて不均一となることがあり、被写体の画
像の読み取り動作を適切に実行できなくなる可能性があ
るという問題を有していた。
トトランジスタの各構成の製造プロセスにおいて、ドレ
イン電極に接続されたドレインライン、ソース電極に接
続されたソースライン(接地ライン)、ボトムゲート電
極に接続されたボトムゲートライン等の多数の配線層が
すでに積層形成された後、比較的上層に形成されるた
め、積層構造の段差の影響を受けやすくなり、断線の危
険性が高くなるという問題も有していた。
し、信号の遅延を抑制するとともに、配線層の断線に対
して信号の伝搬を補償して、良好に駆動することができ
るフォトセンサアレイおよび2次元画像の読取装置を提
供することを目的とする。
ンサアレイは、励起光によりキャリアを生成する半導体
層と、前記半導体層の両端にそれぞれ設けられたソー
ス、ドレイン電極と、第1ゲート絶縁膜を介し、前記半
導体層の下方に設けられた第1ゲート電極と、第2ゲー
ト絶縁膜を介し、前記半導体層の上方に設けられた第2
ゲート電極と、を各々備え、所定方向に互いに離間して
配置された複数の光電変換素子と、各光電変換素子の前
記第1ゲート電極を接続する第1ゲートラインと、各光
電変換素子の前記第2ゲート電極を接続する第2ゲート
ラインと、を有し、前記第1ゲートラインおよび前記第
2ゲートラインの少なくともいずれか一方は、平行する
複数の配線層により構成された領域を有することを特徴
とする。
電極相互、あるいは、第2ゲート電極相互を接続する第
1ゲートライン又は第2ゲートラインが、平行する複数
の配線層により構成されているので、光の入射バランス
が均等になるように設定できるとともに、ゲートライン
の配線断面積を増大させて配線抵抗を下げて信号の伝搬
遅延を抑制することができ、良好な被写体の画像の読み
取り動作を行うことができる。また、第1ゲートライン
又は第2ゲートラインが、フォトセンサアレイを構成す
る積層構造の比較的上層に形成される場合、段差により
配線層の断線が生じた場合であっても、平行する他の配
線層により信号の伝搬を補償して、被写体の画像の読み
取り動作を行うことができる。
導体層のソース、ドレイン電極間の励起光が入射される
有効領域が、容易に所定の形状比率を満たすように構成
することが可能になり、光検知領域の偏りを改善するよ
うに任意に配置することができる。したがって、半導体
層の入射有効領域を最適な形状比率になるように設定す
ることができるので、励起光の入射量が微量であっても
十分ソース−ドレイン電流を流すことができ、良好な受
光感度を実現することができる。請求項2記載のフォト
センサアレイにおいて、複数の半導体層のソース電極は
互いに接続され、複数の半導体層のドレイン電極は互い
に接続されていてもよく、ソース電極又はドレイン電極
が、複数の半導体層のうち隣接する2つに跨って形成さ
れていてもよい。
半導体層が、半導体層のチャネル長方向に並んで配列さ
れてもよい。さらに、複数の光電変換素子がデルタ配列
されていれば、2次元的に隣接する光電変換素子間の距
離をより均等にすることができるため、同じ被写体をフ
ォトセンサアレイに対し平面的に異なる角度で載置した
ときの、方向に応じて異なる受光感度の不均一さによる
光情報のずれを抑制することができるので、被写体が載
置する角度の制限が少なくて済み、一層の画像読み取り
特性に優れたフォトセンサアレイを実現することができ
る。
励起光によりキャリアを生成する半導体層と、前記半導
体層の両端にそれぞれ設けられたソース、ドレイン電極
と、第1ゲート絶縁膜を介し、前記半導体層の下方に設
けられた第1ゲート電極と、第2ゲート絶縁膜を介し、
前記半導体層の上方に設けられた第2ゲート電極と、を
各々備え、所定方向に互いに離間して配置された複数の
光電変換素子と、各光電変換素子の前記第1ゲート電極
を接続する第1ゲートラインと、各光電変換素子の前記
第2ゲート電極を接続する第2ゲートラインと、を有
し、前記第1ゲートラインおよび前記第2ゲートライン
の少なくともいずれか一方は、平行する複数の配線層に
より構成された領域を有することを特徴とする。
第1ゲートドライバ並びに第2ゲートドライバにより各
光電変換素子を任意に選択し、各光電変換素子により変
位されたドレインラインの電圧をスイッチが読み取る時
に、配線抵抗に起因する信号伝搬の遅延を抑制しつつ、
配線層の断線に対して信号の伝搬を補償することができ
るので、光電変換素子の数が膨大であっても迅速かつ精
度よくマトリクス駆動することが可能になり、このため
良好な2次元画像を得ることができる。
子、フォトセンサアレイおよび2次元画像の読取装置の
実施の形態について詳しく説明する。まず、本発明に係
る画像読取装置に適用されるダブルゲート型フォトセン
サについて、図面を参照して説明する。図1は、ダブル
ゲート型フォトセンサの構造を示す概略断面図である。
フォトセンサ10は、可視光が入射されると電子−正孔
対が生成されるアモルファスシリコン等の半導体層(チ
ャネル層)11と、半導体層11の両端にそれぞれ設け
られたn+シリコン層17、18と、n+シリコン層1
7、18上に形成されたクロム、クロム合金、アルミ、
アルミ合金等から選択された可視光に対し不透明のソー
ス電極12およびドレイン電極13と、半導体層11の
上方(図面上方)にブロック絶縁膜14および上部(ト
ップ)ゲート絶縁膜15を介して形成されたITO(In
dium-Tin-Oxide:インジウム−スズ酸化物)からなる可
視光に対し透過性を示すトップゲート電極21と、半導
体層11の下方(図面下方)に下部(ボトム)ゲート絶
縁膜16を介して形成されたクロム、クロム合金、アル
ミ、アルミ合金等の可視光に対し不透明なボトムゲート
電極22と、を有して構成されている。
電極21、トップゲート絶縁膜15、ボトムゲート絶縁
膜16、および、トップゲート電極21上に設けられる
保護絶縁膜20は、いずれも半導体層11を励起する可
視光に対して透過率の高い材質により構成され、一方、
ボトムゲート電極22は、可視光の透過を遮断する材質
により構成されることにより、図面上方から入射する照
射光のみを検知する構造を有している。
0は、半導体層11を共通のチャネル領域として、半導
体層11、ソース電極12、ドレイン電極13およびト
ップゲート電極21により形成される上部MOSトラン
ジスタと、半導体層11、ソース電極12、ドレイン電
極13およびボトムゲート電極22により形成される下
部MOSトランジスタとからなる2つのMOSトランジ
スタを組み合わせた構造が、ガラス基板等の透明な絶縁
性基板19上に形成されている。そして、このようなダ
ブルゲート型フォトセンサ10は、一般に、図1(b)
に示すような等価回路により表される。ここで、TGは
トップゲート端子、BGはボトムゲート端子、Sはソー
ス端子、Dはドレイン端子である。
サを2次元配列して構成されるフォトセンサシステムに
ついて、図面を参照して簡単に説明する。図2は、ダブ
ルゲート型フォトセンサを2次元配列して構成されるフ
ォトセンサシステムの概略構成図である。図2に示すよ
うに、フォトセンサシステムは、大別して、多数のダブ
ルゲート型フォトセンサ10を、例えば、n行×m列の
マトリクス状に配列したフォトセンサアレイ100と、
各ダブルゲート型フォトセンサ10のトップゲート端子
TG(トップゲート電極21)およびボトムゲート端子
BG(ボトムゲート電極22)を各々行方向に接続した
トップゲートライン101およびボトムゲートライン1
02と、トップゲートライン101およびボトムゲート
ライン102に各々接続されたトップゲートドライバ1
11およびボトムゲートドライバ112と、各ダブルゲ
ート型フォトセンサのドレイン端子D(ドレイン電極1
3)を列方向に接続したドレインライン103と、ドレ
インライン103に接続されたコラムスイッチ113
と、ソース端子S(ソース電極12)を列方向に接続し
接地されたソースライン104と、を有して構成され
る。
ト電極21とともにITOで形成され、ボトムゲートラ
イン102、ドレインライン103並びにソースライン
104はそれぞれボトムゲート電極22、ドレイン電極
13、ソース電極12と同一の材料で且つ一体的に形成
されている。ここで、φtgおよびφbgは、それぞれリセ
ットパルスφT1、φT2、…φTi、…φTn、およ
び、読み出しパルスφB1、φB2、…φBi、…φB
nを生成するための制御信号、φpgは、プリチャージ電
圧Vpgを印加するタイミングを制御するプリチャージ信
号である。
ライバ111からトップゲート端子TGに電圧を印加す
ることによりフォトセンス機能が実現され、ボトムゲー
トドライバ112からボトムゲート端子BGに電圧を印
加し、ドレインライン103を介して検出信号を出力回
路部113に取り込んでシリアルデータ又はパラデータ
として出力(Vout)することにより選択読み出し機能
が実現される。
動制御方法について、図面を参照して説明する。図3
は、フォトセンサシステムの駆動制御方法の一例を示す
タイミングチャートであり、図4は、ダブルゲート型フ
ォトセンサの動作概念図であり、図5は、フォトセンサ
システムの出力電圧の光応答特性を示す図である。ま
ず、リセット動作においては、図3、図4(a)に示す
ように、i番目の行のトップゲートライン101にパル
ス電圧(リセットパルス;例えばVtg=+15Vのハイ
レベル)φTiを印加して、各ダブルゲート型フォトセ
ンサ10の半導体層11およびブロック絶縁膜14にお
ける半導体層11との界面近傍に蓄積されているキャリ
ア(ここでは、正孔)を放出する(リセット期間Trese
t)。
4(b)に示すように、トップゲートライン101にロ
ーレベル(例えばVtg=−15V)のバイアス電圧φT
iを印加することにより、リセット動作を終了し、キャ
リヤ蓄積動作による光蓄積期間Taがスタートする。光
蓄積期間Taにおいては、トップゲート電極側から入射
した光量に応じて半導体層11で生成された電子−正孔
対が生成され、半導体層11およびブロック絶縁膜14
における半導体層11との界面近傍、すなわちチャネル
領域周辺に正孔が蓄積される。
3、図4(c)に示すように、光蓄積期間Taに並行し
て、プリチャージ信号φpgに基づいてドレインライン1
03に所定の電圧(プリチャージ電圧)Vpgを印加し、
ドレイン電極13に電荷を保持させる(プリチャージ期
間Tprch)。次いで、読み出し動作においては、図3、
図4(d)に示すように、プリチャージ期間Tprchを経
過した後、ボトムゲートライン102にハイレベル(例
えばVbg=+10V)のバイアス電圧(読み出し選択信
号;以下、読み出しパルスという)φBiを印加するこ
とにより、ダブルゲート型フォトセンサ10をON状態
にする(読み出し期間Tread)。
チャネル領域に蓄積されたキャリア(正孔)が逆極性の
トップゲート端子TGに印加されたVtg(−15V)を
緩和する方向に働くため、ボトムゲート端子BGのVbg
によりnチャネルが形成され、ドレイン電流に応じてド
レインライン103のドレインライン電圧VDは、図5
(a)に示すように、プリチャージ電圧Vpgから時間の
経過とともに徐々に低下する傾向を示す。
状態が暗状態で、チャネル領域にキャリヤ(正孔)が蓄
積されていない場合には、図4(e)、図5(a)に示
すように、トップゲートTGに負バイアスをかけること
によって、ボトムゲートBGの正バイアスが打ち消さ
れ、ダブルゲート型フォトセンサ10はOFF状態とな
り、ドレイン電圧、すなわち、ドレインライン103の
電圧VDが、ほぼそのまま保持されることになる。
4(d)、図5(a)に示すように、チャネル領域に入
射光量に応じたキャリヤ(正孔)が捕獲されているた
め、トップゲートTGの負バイアスを打ち消すように作
用し、この打ち消された分だけボトムゲートBGの正バ
イアスによって、ダブルゲート型フォトセンサ10はO
N状態となる。そして、この入射光量に応じたON抵抗
に従って、ドレインライン103の電圧VDは、低下す
ることになる。
ドレインライン103の電圧VDの変化傾向は、トップ
ゲートTGへのリセットパルスφTiの印加によるリセ
ット動作の終了時点から、ボトムゲートBGに読み出し
パルスφBiが印加されるまでの時間(光蓄積期間T
a)に受光した光量に深く関連し、蓄積されたキャリア
が少ない場合には緩やかに低下する傾向を示し、また、
蓄積されたキャリアが多い場合には急峻に低下する傾向
を示す。そのため、読み出し期間Treadがスタートし
て、所定の時間経過後のドレインライン103の電圧V
Dを検出することにより、あるいは、所定のしきい値電
圧を基準にして、その電圧に至るまでの時間を検出する
ことにより、照射光の光量が換算される。
クルとして、i+1番目の行のダブルゲート型フォトセ
ンサ10にも同等の処理手順を繰り返すことにより、ダ
ブルゲート型フォトセンサ10を2次元のセンサシステ
ムとして動作させることができる。なお、図3に示した
タイミングチャートにおいて、プリチャージ期間Tprch
の経過後、図4(f)、(g)に示すように、ボトムゲ
ートライン102にローレベル(例えばVbg=0V)を
印加した状態を継続すると、ダブルゲート型フォトセン
サ10はOFF状態を持続し、図5(b)に示すよう
に、ドレインライン103の電圧VDは、プリチャージ
電圧Vpgを保持する。このように、ボトムゲートライン
102への電圧の印加状態により、ダブルゲート型フォ
トセンサ10の読み出し状態を選択する選択機能が実現
される。
テムを適用した2次元画像の画像読取装置の要部断面図
である。図6に示すように、指紋等の2次元画像を読み
取る画像読取装置においては、ダブルゲート型フォトセ
ンサ10のガラス基板(絶縁性基板)19下方側に設け
られたバックライト(面光源)30から照射光R1を入
射させ、この照射光R1がダブルゲート型フォトセンサ
10の形成領域を除く、透明な絶縁性基板19と絶縁膜
15、16、20を透過して、保護絶縁膜20上の被写
体40に照射される。
いは、凹凸パターン)によって決まる反射率(明暗情
報)に応じた反射光R2が、透明な絶縁膜20、15、
14およびトップゲート電極21を透過して半導体層1
1に入射することにより、被写体40の画像パターンに
対応したキャリヤが蓄積され、上述した一連の駆動制御
方法にしたがって、被写体40の画像パターンを明暗情
報として読み取ることができる。
センサアレイおよび2次元画像の読取装置について、図
面を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態にお
いては、光電変換素子(フォトセンサ)として、上述し
たダブルゲート型フォトセンサを適用し、トップゲート
電極を第1ゲート電極として電圧を印加することによ
り、フォトセンス機能を実現するとともに、ボトムゲー
ト電極を第2ゲート電極として電圧を印加することによ
り、チャネル領域に蓄積された電荷量を読み出す機能を
実現するものとして説明する。
に適用されるダブルゲート型フォトセンサを示す概略構
成図である。ここでは、1素子当たりにフォトセンサ部
となる半導体層を2個備えたダブルゲート型フォトセン
サの概略構成を示して具体的に説明する。
形態に係るダブルゲート型フォトセンサ10Aは、並列
に配置された可視光が入射されると電子−正孔対を発生
するアモルファスシリコン等の半導体層11a、11b
と、各半導体層11a、11bの両端にそれぞれ設けら
れたn+シリコン層17a、17bおよび18a、18
bと、各半導体層11a、11b間のn+シリコン層1
8a、18b上に跨って形成された単一のドレイン電極
13と、各半導体層11a、11bを挟んでドレイン電
極13に対向してn+シリコン層17a、17b上に形
成された個別のソース電極12a、12bと、半導体層
11a、11bの上方(図面上方)にブロック絶縁膜1
4a、14bおよびトップゲート絶縁膜15を介して、
各半導体層11a、11bに対して共通に形成された単
一のトップゲート電極21と、各半導体層11a、11
bの下方(図面下方)にボトムゲート絶縁膜16を介し
て、各半導体層11a、11bに対して共通に形成され
た単一のボトムゲート電極22と、を有し、これらの構
成がガラス基板等の絶縁性基板19上に形成されてい
る。
7(a)に示すように、共通のソース配線12Mから半
導体層11a、11bの長手方向(図面左右方向)に沿
って櫛歯状に突出して形成され、また、ドレイン電極1
3は、ソース配線12Mに対向するドレイン配線13M
から半導体層11a、11bの長手方向(図面左右方
向)に沿ってソース配線12M方向に突出して形成され
ている。すなわち、これらのソース電極12a、12b
およびドレイン電極13は、それぞれ個別の半導体層1
1a、11bを挟んで対向するように相互に組み込み形
成されている。
ック絶縁膜14a、14b、トップゲート絶縁膜15、
ボトムゲート絶縁膜16、トップゲート電極21上に設
けられた保護絶縁膜20は、窒化シリコン等の透光性の
絶縁膜からなり、また、トップゲート電極21およびト
ップゲートライン101a、101bは、上述したIT
O等の透光性の導電性材料からなり、ともに可視光に対
し高い透過率を示す。一方、少なくともボトムゲート電
極22およびボトムゲートライン102は、クロムCr
等の光の透過を遮断する材質により構成されている。
0Aは、半導体層11aを共通のチャネル領域として、
半導体層11a、ソース電極12a、ドレイン電極1
3、トップゲート絶縁膜15およびトップゲート電極2
1により形成される第1の上部MOSトランジスタと、
半導体層11a、ソース電極12a、ドレイン電極1
3、ボトムゲート絶縁膜16およびボトムゲート電極2
2により形成される第1の下部MOSトランジスタから
なる第1のダブルゲート型フォトセンサ、および、半導
体層11bを共通のチャネル領域として、半導体層11
b、ソース電極12b、ドレイン電極13、トップゲー
ト絶縁膜15およびトップゲート電極21により形成さ
れる第2の上部MOSトランジスタと、半導体層11
b、ソース電極12b、ドレイン電極13、ボトムゲー
ト絶縁膜16およびボトムゲート電極22により形成さ
れる第2の下部MOSトランジスタからなる第2のダブ
ルゲート型フォトセンサを、並列に連結配置した構成
が、絶縁性基板19上に形成されている。
ォトセンサを構成するトップゲート電極21とボトムゲ
ート電極22を、各々共通電極により構成し、かつ、ソ
ース電極12a、12bを共通のソース配線12Mから
突出形成した構成を有しているので、フォトセンサ部と
なる半導体層が1素子当たり2個備えたダブルゲート型
フォトセンサを、上述した駆動制御方法を適用して、1
素子当たり1個の半導体層を備えたダブルゲート型フォ
トセンサと同様に動作させることができる。
構成を有するダブルゲート型フォトセンサにおける半導
体層への励起光の実質的な入射領域(入射有効領域)の
形状と、ダブルゲート型フォトセンサの受光感度との関
係について、1個の半導体層を備えた構成と比較しなが
ら説明し、本発明に係る光電変換素子(ダブルゲート型
フォトセンサ)について、詳しく説明する。
にフォトセンサ部となる半導体層が1個のダブルゲート
型フォトセンサの入射有効領域を示す図であり、図8
(b)は、フォトセンサアレイにおける配置構造を示す
図であり、図9は、図8(a)に示した構成における受
光感度のバラツキ(分布特性;以下、「光検知領域の広
がり」という)を示す概念図であり、図10は、図7
(a)に示したダブルゲート型フォトセンサにおける光
検知領域の広がりを示す概略図であり、図11は、1素
子当たりにフォトセンサ部となる半導体層が3個のダブ
ルゲート型フォトセンサをマトリクス状に配置したフォ
トセンサアレイの平面構成図である。ここで、図9、図
10に示した光検知領域の広がりは、半導体層(詳しく
は、チャネル領域)を中心として、所定の受光感度が得
られる領域を模式的に示したものであって、受光感度の
分布範囲を厳密に示すものではない。
レイ100、100Aにおいては、2本のトップゲート
ライン101a、101bが、各行毎に配列されたダブ
ルゲート型フォトセンサ10、10Aのトップゲート電
極21間を接続し、ボトムゲートライン102が、各行
毎に配列されたダブルゲート型フォトセンサ10、10
Aのボトムゲート電極22間を接続している。ここで、
同一行におけるトップゲートライン101a、101b
は、隣接するダブルゲート型フォトセンサ10(又は1
0A)間で互いに平面的に分岐して、均等な位置関係か
つ同等の配線幅、配線厚で平行に延在するように形成さ
れている。すなわち、ダブルゲート型フォトセンサ10
(又は10A)の略中央を接続して延伸するボトムゲー
トライン102に対して、トップゲートライン101
a、101bが列方向の上下に略対称な位置関係で配置
形成されている。
イン102を軸としてトップゲートライン101a側と
トップゲートライン101b側とが実質的に線対称構造
になり、トップゲートライン101aやトップゲートラ
イン101bを透過することにより減衰される光が、半
導体層11に入射される際のフォトセンサ10、10A
の上側と下側での入射バランスを均一にすることができ
る。対して、半導体層11の中央からy方向に沿った線
を軸としてソースライン104側とドレインライン10
3側とが実質的に線対称構造になり、トップゲートライ
ン101aやトップゲートライン101bを透過するこ
とにより減衰される光が、半導体層11に入射される際
のフォトセンサ10、10Aの左側と右側での入射バラ
ンスを均一にすることができる。
上下方向、左右方向で均等になるようにトップゲートラ
インを分岐しているので、感知される光の指向性のバラ
ンスを良好にすることができる。また、隣接するフォト
センサ10、10A同士の間に配置されるトップゲート
ライン101a、101bとボトムゲートライン102
との上下方向の重なりがほとんどないので、トップゲー
トライン101a、101bとボトムゲートライン10
2との間の寄生容量がほとんどないため、信号の遅延や
電圧降下を抑制できる。
ート電極21間が実質的に2本の配線層により接続され
ることになるので、1本当たりの断面積が同じ場合、配
線断面積を1本の配線層に比較して略2倍に増加させる
ことができ、抵抗率の高いITOにより形成されたトッ
プゲートライン101a、101bの配線抵抗を半減さ
せて読み取り動作信号の遅延を抑制し、より良好な画像
の読み取り動作を実現することができる。
ート型フォトセンサの積層構造において、比較的上層の
トップゲートラインが2本の配線層(101a、101
b)により形成されているので、積層構造の上層ほど顕
著となる段差に起因して、一方のトップゲートライン
(たとえば、101a)が断線した場合であっても、他
方のトップゲートライン(たとえば、101b)により
トップゲート電極21相互を電気的に接続することがで
き、読み取り動作信号の伝搬を補償して、信頼性の高い
フォトセンサアレイを提供することができる。
トラインを2本に分岐した構成について説明したが、本
発明は、これに限定されるものではなく、トップゲート
ラインを2本以上の複数本に分岐して形成した構成とす
ることもできる。また、分岐して形成する対象となる配
線層もトップゲートラインに限定されない。要するに、
フォトセンサアレイおよび2次元画像読取装置に適用さ
れる他の配線層(たとえば、金属配線)に比較して配線
抵抗が大きい配線層に良好に適用できることはいうまで
もない。
フォトセンサにおいて、光量に応じて流れるドレイン電
流Idsは、下記のように定義付けることができる。 Ids ∝ W/L ……(1) ここで、図1、図8に示すように、W、Lはそれぞれ半
導体層のチャネル幅、チャネル長である。プリチャージ
されたドレイン電圧の変位を読み込むためには、比W/
Lは、3.0以上が望ましく、7.0以上がより望まし
い。すなわち、一般に、上述したようなダブルゲート型
フォトセンサを用いて、外部から入射される励起光に応
じて電荷を蓄積するフォトセンサとして機能させる場
合、その受光感度は、ソース電極12、ドレイン電極1
3から露出した半導体層11に入射される励起光の入射
有効領域の形状、すなわち、実質的に半導体層11のチ
ャネル長L方向およびチャネル幅W方向の長さに大きく
依存することが判明している。
3は、可視光に対し不透明であるため、半導体層11の
うちドレイン電流Idsに有効なキャリアが形成される領
域である入射有効領域は、ソース電極12、ドレイン電
極13間に囲まれた領域であり、この領域は、x方向に
おけるソース電極12、ドレイン電極13間の距離Kお
よびy方向におけるチャネル幅Wで定義される。
チャネル幅Wおよびチャネル長方向の長さKに依存し、
トランジスタのソース−ドレイン電流値Idsは、半導体
層11のチャネル幅Wおよびチャネル長Lの比に依存し
ているため、ダブルゲート型フォトセンサ10のドレイ
ン電流を向上させるためには、比W/Lの設計値をでき
るだけ大きく設計する必要があるが、比W/Lを大きく
すると、図1、図8に示したダブルゲート型フォトセン
サ10では、その平面構造は、必然的にチャネル幅方向
の長さW(または、半導体層11の長手方向の寸法)が
大きく、チャネル長方向の長さK(または、半導体層1
1の幅方向の寸法)が短い長方形形状となり、これに伴
って、高い受光感度を有する光検知領域の広がりがx方
向に比較してy方向に偏ることになる。
が長方形形状となるため、図9に示すように、その光検
知領域の広がりは、必然的に半導体層11の長手方向
(図面上下方向;y方向)に延伸する縦長の領域Ep
(半導体層11の入射有効領域の略相似形)となり、図
面左右方向(x方向)については、所望の受光感度が得
られる領域がy方向に対し相対的に狭くなる。したがっ
て、x、y方向における光検知領域の広がりの偏りに起
因して、被写体からの明暗情報(読み取り画像)が歪ん
だ状態で読み取られることになり、高い受光感度と、歪
みを抑制した画像情報の読み取りとを同時に実現するこ
とができないという問題を有していた。
ンサ10により構成されるフォトセンサアレイ100の
平面構成は、例えば、図8(b)に示すように、ダブル
ゲート型フォトセンサ10相互が、直交するx、yの2
方向(行、列方向)にそれぞれ所定のピッチPspで等間
隔に格子(マトリクス)状に配置され、さらに、格子内
部の素子間領域Rpを通して、絶縁性基板(ガラス基
板)面側からの光が被写体に照射されるように考慮され
ている。そのため、被写体に十分な量の光を照射するた
めには、素子間領域Rpを極力大きく確保する必要もあ
る。
型フォトセンサ10Aにおいては、2個の半導体層11
a、11bが、幅方向(長手方向)を対向させて、並行
に連続配置された構成を有しているので、ソース電極1
2a、12b、ドレイン電極13により半導体層11
a、11bにおける入射有効領域のチャネル幅方向の長
さをW、チャネル長方向の長さを各々K1、K2とした
場合、半導体層11a、11bの入射有効領域の長手寸
法(チャネル幅方向の長さ)は“W”に規定され、入射
有効領域の幅寸法は半導体層11a、11bのチャネル
長方向の長さK1、K2を加算した寸法(K1+K2)
に規定されたダブルゲート型フォトセンサとして取り扱
うことができる。よって、その受光感度は、チャネル幅
方向の長さWとチャネル長方向の長さの総和(K1+K
2)との比W/(K1+K2)に依存することになる。
1bにおける入射有効領域の形状(長さW×K1からな
る矩形領域と、長さW×K2からなる矩形領域との合成
形状)が、正方形状に近似するほど、半導体層11a、
11bへの励起光の入射角度による受光感度のバラツキ
が補正されることになる。すなわち、チャネル幅方向の
長さWとチャネル長方向の長さの総和(K1+K2)と
の比W/(K1+K2)が1に近づくほど、図10に示
すように、x方向(矢印A;詳しくは、x方向を中心に
して、それぞれ±45°の角度を有する領域)から半導
体層11a、11bに入射する光の感度と、y方向(矢
印B;詳しくは、y方向を中心にして、それぞれ±45
°の角度を有する領域)から半導体層11a、11bに
入射する光の感度がより等しくなるように作用して、受
光感度のバラツキ(方向性)が補正され、光検知領域の
広がりは、x、y方向に略均等な広がり(略正方形状に
近づいた矩形)を有する領域Eaを得ることができる。
光感度を左右する、チャネル幅方向の長さWとチャネル
長方向の長さの総和(K1+K2)との比W/(K1+
K2)において、チャネル長方向の長さの総和(K1+
K2)は、1素子中に形成される半導体層の数に応じ
て、各半導体層における入射有効領域のチャネル長方向
の長さKiの総和ΣKiと置き換えることができる。そ
して、発明者が鋭意検討した結果、反射光の指向性の平
準化のためには、このチャネル幅方向の長さWとチャネ
ル長方向の長さの総和ΣKiとの比W/ΣKiが、1.
0≦W/ΣKi≦10(より望ましくは、W/ΣKi≦
8.0)の条件を満たすとき、入射有効領域への励起光
の入射角度に対する受光感度のバラツキが適切に抑制、
補正されて、受光感度が最適になることが判明した。
においても同様であるが、図7(a)に示した構成によ
れば、入射光の指向性をより平準化できることはいうま
でもない。また、上記条件に加え、図7(a)において
複数の半導体層11a、11bの入射有効領域のx方向
の両外端部で定義される2辺と、y方向の両外端部で定
義される2辺(ソース電極12aと半導体層11aの入
射有効領域との境界線、および、ソース電極12bと半
導体層11bの入射有効領域との境界線)とで囲まれた
矩形の形が正方形に近いほど、受光感度バランスの観点
からさらに望ましい。
フォトセンサ10Aにおいて、2個の半導体層11a、
11bにおける入射有効領域のチャネル長方向の長さ
を、K1=K2=Kの関係になるように設定することに
より、上記(1)式に基づいて、ソース−ドレイン電流
Idsを、図8に示したダブルゲート型フォトセンサ10
に比較して、理論上2倍に増大させることができるの
で、受光感度を顕著に向上させることができる。
ォトセンサ10Aを、図11に示すように、マトリクス
状に配置してフォトセンサアレイ100Aを構成するこ
とにより、光検知領域の広がりを均一化して、2次元画
像の読み取り時における歪みを抑制しつつ、高い受光感
度を有する光受光部を備えたフォトセンサアレイ、およ
び、2次元画像の読取装置を実現することができる。な
お、このとき、ダブルゲート型フォトセンサ10Aのト
ップゲート電極21相互を接続するトップゲートライン
101a、101bは、互いに平面的に分岐して、y方
向に均等(対称)な位置関係となるように配置形成され
ているので、被写体に反射して、トップゲートライン1
01a、101bを透過して半導体層11a、11bへ
入射する励起光も均等に減衰することになり、幅広のト
ップゲートラインを偏った位置に配置形成した場合に比
較して、入射角度による受光感度のバラツキに影響を与
えることがない。このことからも、光検知領域の広がり
の均一性は、良好に確保され、2次元画像の読み取り時
における歪みが抑制される。
サ10Aによれば、受光感度を大幅に高めたことによ
り、図8に示したダブルゲート型フォトセンサ10に比
較して、小さな(僅かな)入射光量であっても、明暗情
報の読み取り動作を良好に行うことができるので、読取
装置に付設される面光源の照度を低減(抑制)すること
ができ、2次元画像の読取装置の消費電力を低減するこ
とができる。あるいは、面光源の照度を一定とした場合
には、受光感度の向上に伴い光蓄積時間を大幅に短縮す
ることができ、2次元画像の読み取り性能に優れた読取
装置を提供することができる。
より、ダブルゲート型フォトセンサ10の場合と同等の
入射光量に対して、過度の光オン電流が生じるため、こ
のようなオン電流を抑制する目的で、トップゲートおよ
びボトムゲートの両電極に印加する駆動電圧を低下させ
て動作を制御することができるので、駆動電圧の低減に
よって、ダブルゲート型フォトセンサの特性の経時的な
劣化を抑制し、フォトセンサアレイの信頼性を長く持続
(延命)させることもできる。
イに適用される他のダブルゲート型フォトセンサの概略
構成図であり、図13は、そのダブルゲート型フォトセ
ンサをマトリクス状に配置したフォトセンサアレイの平
面構成図である。ここで、上述した実施形態と同等の構
成については、同一の符号を付して、その説明を簡略化
する。
施形態に係るダブルゲート型フォトセンサ10Bは、並
列に配置されたアモルファスシリコン等の半導体層11
a、11b、11cと、半導体層11aと11b間を連
結して形成された単一のドレイン電極13aと、半導体
層11bと11c間を連結して形成された単一のソース
電極12bと、半導体層11aを挟んでドレイン電極1
3aに対向して形成されたソース電極12aと、半導体
層11cを挟んでソース電極12bに対向して形成され
たドレイン電極13bと、半導体層11aとソース電極
12aとの間に介在するn+シリコン層17aと、半導
体層11aとドレイン電極13aとの間に介在するn+
シリコン層18aと、半導体層11bとドレイン電極1
3aとの間に介在するn+シリコン層17bと、半導体
層11bとソース電極12bとの間に介在するn+シリ
コン層18bと、半導体層11cとソース電極12bと
の間に介在するn+シリコン層17cと、半導体層11
cとドレイン電極13bとの間に介在するn+シリコン
層18cと、半導体層11a、11b、11cの上方
(図面上方)にトップゲート絶縁膜15を介して、各半
導体層11a、11b、11cに対して共通に形成され
た単一のトップゲート電極21と、各半導体層11a、
11b、11cの下方(図面下方)にボトムゲート絶縁
膜16を介して、各半導体層11a、11b、11cに
対して共通に形成された単一のボトムゲート電極22
と、を有し、これらの構成がガラス基板等の絶縁性基板
19上に形成されている。なお、各絶縁膜や電極の材
質、また、その他の構成については、上述した図1、図
7に示した実施形態と同等であるので、その説明を省略
する。
0Bは、半導体層11aを共通のチャネル領域として、
半導体層11a、ソース電極12a、ドレイン電極13
a、トップゲート絶縁膜15、ボトムゲート絶縁膜1
6、トップゲート電極21およびボトムゲート電極22
により構成される第1のダブルゲート型フォトセンサ
と、半導体層11bを共通のチャネル領域として、半導
体層11b、ソース電極12b、ドレイン電極13a、
トップゲート絶縁膜15、ボトムゲート絶縁膜16、ト
ップゲート電極21およびボトムゲート電極22により
構成される第2のダブルゲート型フォトセンサと、半導
体層11cを共通のチャネル領域として、半導体層11
c、ソース電極12b、ドレイン電極13b、トップゲ
ート絶縁膜15、ボトムゲート絶縁膜16、トップゲー
ト電極21およびボトムゲート電極22により構成され
る第3のダブルゲート型フォトセンサとを、並列に連結
配置した構成が、絶縁性基板19上に形成されている。
ォトセンサを構成するトップゲート電極21とボトムゲ
ート電極22を、各々共通電極により構成し、かつ、ソ
ース電極12a、12bを共通のソース配線12Mから
突出形成し、また、ドレイン電極13a、13bを共通
のドレイン配線13Mから突出形成した構成を有してい
るので、3個のダブルゲート型フォトセンサを、上述し
た駆動制御方法を適用して、1個のダブルゲート型フォ
トセンサとして動作させることができる。
ォトセンサ10Bによれば、チャネル領域を構成する半
導体層11a、11b、11cが、各々幅方向(長手方
向)を対向させて、並行に連続配置されているので、各
半導体層11a、11b、11cにおける入射有効領域
のチャネル幅方向の長さをW、各入射有効領域のチャネ
ル長方向の長さをK3、K4、K5とし、たとえば、K
3=K4=K5=Kの場合、チャネル長方向の長さを3
倍(3×K)に設定したダブルゲート型フォトセンサと
して取り扱うことができる。
ドレイン電流Idsを、図8に示したダブルゲート型フォ
トセンサ10に比較して、理論上3倍に設定することが
できるので、受光感度を顕著に向上させることができ
る。加えて、各半導体層11a、11b、11cが、長
手方向を対向させて並列に配置されているので、光検知
領域の広がりをチャネル長方向(図12(a)の上下方
向)により拡大して、一層正方形化することができる。
施形態と同様に、このようなダブルゲート型フォトセン
サ10Bを、図13に示すように、x方向に沿ったボト
ムゲートライン102を軸として、トップゲートライン
101a側とトップゲートライン101b側とが実質的
に線対称構造になり、かつ、半導体層11の中央からy
方向に沿った線を軸として、ソースライン104側とド
レインライン103側とが実質的に線対称構造になり、
さらに、半導体層11a、11b、11cが、フォトセ
ンサ10Bの中心に対し、上下方向、左右方向それぞれ
に実質的に対称構造となり、かつ、中心(半導体層11
bの中央)からx方向の端点までの距離と中心からy方
向の端点までの距離が近似している設定にしたマトリク
ス状のフォトセンサアレイ100Bを構成することによ
り、光検知領域の広がりを一層均一化して、2次元画像
の読み取り時における歪みを抑制し、さらに、高い受光
感度を有する光受光部を備えたフォトセンサアレイ、お
よび、2次元画像の読取装置を実現することができる。
間に配置されるトップゲートライン101a、101b
とボトムゲートライン102との上下方向の重なりがほ
とんどないので、トップゲートライン101a、101
bとボトムゲートライン102との間の寄生容量がほと
んどないため、信号の遅延や電圧降下を抑制できる。
形態においては、ダブルゲート型フォトセンサ10、1
0A、10Bは、半導体層(あるいは、ダブルゲート型
フォトセンサ)を1〜3個、並列に連続配置した構成を
示したが、本発明は、この形態に限定されるものではな
い。したがって、連続配置する半導体層の個数に応じ
て、光受光感度を任意に設定することができる。ここ
で、図11又は図13に示したように、ダブルゲート型
フォトセンサ10A、10Bをマトリクス状に配置して
フォトセンサアレイ100A、100Bを構成し、2次
元画像の読取装置に適用した場合、マトリクスの格子内
部の素子間領域Ra、Rbを通して、絶縁性基板(ガラ
ス基板)19側からの光が被写体に照射されるので、被
写体への照射光量を十分に確保するように素子間領域R
a、Rbを設定した上で、光受光部の形成領域に連続配
置される半導体層(ダブルゲート型フォトセンサ)の数
を任意に設定する必要がある。
イのさらに他の実施形態を示す概略構成図であり、図1
5は、本実施形態に係るフォトセンサアレイを適用した
2次元画像の読取装置の概略構成図である。なお、図1
5においては、図示の都合上、ダブルゲート型フォトセ
ンサを簡略化して示す。図14に示すように、本実施形
態に係るフォトセンサアレイ100Cは、上述した図7
に示した実施形態と同等の構成を有するダブルゲート型
フォトセンサ10Cを有し、各ダブルゲート型フォトセ
ンサ10Cが、2次元平面に連続して設定された一辺が
Psa(=Psp:図8(b)に示したダブルゲート型フォ
トセンサ10相互のピッチ)の仮想の正三角形の各頂点
位置に配置された、いわゆるデルタ配列構造を有してい
る。
サアレイ100におけるダブルゲート型フォトセンサ1
0の配置と対比すると、図8(b)におけるフォトセン
サアレイ100の場合には、ダブルゲート型フォトセン
サ10相互が、x、yの直交する2方向にのみ、均等な
寸法Pspだけ離間するように配置されているため、マト
リクスに対応するx、y方向に対して、斜め方向(0
°、90°、180°、270°以外の適当な角度。例
えば、45°や60°方向)においては、ダブルゲート
型フォトセンサ10相互のピッチがx、y方向に対して
増大して不均一となり(例えば、45°の場合にはPsp
の√2倍)、斜め方向に載置された被写体に対して、均
一かつ高精度な読み取り動作を実現することができない
という問題を有していた。
ンサアレイ100Cにおいては、2次元平面に連続して
設定された各正三角形の各頂点位置に光受光部となるダ
ブルゲート型フォトセンサ10Cが配置されているの
で、x方向に均等にダブルゲート型フォトセンサ10C
が配置されるとともに、斜め方向(60°、120°、
240°、300°)にも、均等にダブルゲート型フォ
トセンサ10Cが配置されることになり、光受光部相互
間のピッチがPsaに均一化される。
てのダブルゲート型フォトセンサが、略全周方向に隣接
するダブルゲート型フォトセンサに対して等間隔なピッ
チPsaで配置されることになるので、読み取り対象とな
る2次元画像がx、y方向に対して斜めに載置された場
合であっても、画像読み取り時の歪みを抑制しつつ、高
い読み取り精度で正確に読み取ることができる。また、
各ダブルゲート型フォトセンサがデルタ配列されている
ので、x方向のピッチを図8(b)のフォトセンサと同
等のPsa(=Psp)に設定した場合、y方向のピッチP
sbは、次式により表される。 Psb=Psa×sin60° ……(2)
向のピッチPsa(=Psp)よりも短くなるため、図8
(b)に示したフォトセンサアレイ100と同等の平面
領域Mpに対して、y方向に縮小された平面領域Mc
で、同数のダブルゲート型フォトセンサ10cを配置す
ることができ、2次元画像の読取装置の小型化を図るこ
とができる。換言すれば、図8(b)に示したフォトセ
ンサアレイ100と同等の平面領域Mpに、1/sin6
0°倍(≒1.15倍)の数のダブルゲート型フォトセ
ンサ10cを配置することができ、高密度化を図ること
ができる。なお、デルタ配列においては、各光受光部を
構成するダブルゲート型フォトセンサとして、図7
(a)に示した実施形態の構成を適用したが、図8
(a)や図12(a)に示した実施形態の構成や、さら
に他の構成のダブルゲート型フォトセンサを適用しても
よいことはいうまでもない。
アレイ100、100A、100B、100Cにおいて
は、同一行におけるトップゲートライン101a、10
1bが、隣接するダブルゲート型フォトセンサ10(又
は、10A、10B、10Cのいずれか)間で互いに平
面的に2本に分岐して、均等な位置関係かつ略同等の配
線幅で平行に延在するように形成されている。すなわ
ち、2本のトップゲートライン101a、101bが、
ダブルゲート型フォトセンサ10(又は、10A、10
B、10Cのいずれか)の略中央を接続して延伸するボ
トムゲートライン102に対して、列方向の上下に略対
称な位置関係で配置形成されている。
21間が実質的に2本(複数本)の配線層により接続さ
れることになるので、配線断面積を複数倍に増加させる
ことができ、抵抗率の高いITOにより形成されたトッ
プゲートライン101a、101bの配線抵抗を低減し
て読み取り動作信号の遅延を抑制することができ、一層
良好な画像の読み取り動作を実現することができる。ま
た、積層構造を有するダブルゲート型フォトセンサの比
較的上層に形成されるトップゲートラインを、複数の配
線層(101a、101b)により形成することができ
るので、積層構造に伴う段差に起因して、トップゲート
ラインを構成する特定の配線層に断線が生じた場合であ
っても、断線を生じていない残りの配線層によりトップ
ゲート電極21相互を電気的に接続することができ、読
み取り動作信号の伝搬を補償して、信頼性の高いフォト
センサアレイを提供することができる。
を、図15に示すような2次元画像の読取装置(図で
は、指紋読取装置)に適用することにより、フォトセン
サアレイ100Mのガラス基板側に設けられた面光源3
0から、素子間領域の透明な絶縁膜を透過して、指等の
被写体40aに照射された光Rの反射光が、マトリクス
状に配置された各ダブルゲート型フォトセンサ10Mに
入射され、上述したように、読み取り時の歪みを低減し
つつ、高精度、かつ、短時間で被写体40aの明暗情報
の読み取りを実行することができる。また、フォトセン
サアレイ100Mにおける受光感度を大幅に向上するこ
とができるため、相対的に面光源の照度を低減すること
ができ、読取装置の消費電力を削減することができる。
ト電極相互、あるいは、第2ゲート電極相互を接続する
第1ゲートライン又は第2ゲートラインが、平行する複
数の配線層により構成されているので、配線断面積を増
大させて配線抵抗を下げて信号の伝搬遅延を抑制するこ
とができ、良好な被写体の画像の読み取り動作を行うこ
とができる。また、第1ゲートライン又は第2ゲートラ
インが、フォトセンサアレイを構成する積層構造の比較
的上層に形成される場合、段差により配線層の断線が生
じた場合であっても、平行する他の配線層により信号の
伝搬を補償して、被写体の画像の読み取り動作を行うこ
とができる。
のソース、ドレイン電極間の励起光が入射される有効領
域が、容易に所定の形状比率を満たすように構成するこ
とが可能になり、光検知領域の偏りを改善するように任
意に配置することができる。したがって、半導体層の入
射有効領域を最適な形状比率になるように設定すること
ができるので、励起光の入射量が微量であっても十分ソ
ース−ドレイン電流を流すことができ、良好な受光感度
を実現することができる。また、上記光電変換素子は、
前記複数の半導体層のソース電極が互いに接続され、前
記複数の半導体層のドレイン電極が互いに接続されてい
てもよい。
て、複数の光電変換素子がデルタ配列されていれば、2
次元的に隣接する光電変換素子間の距離をより均等にす
ることができるため、同じ被写体をフォトセンサアレイ
に対し平面的に異なる角度で載置したときの、方向に応
じて異なる受光感度の不均一さによる光情報のずれを抑
制することができるので、被写体が載置する角度の制限
が少なくて済み、一層の画像読み取り特性に優れたフォ
トセンサアレイを実現することができる。さらに、読取
装置の小型化、あるいは、光受光部の高密度化による読
み取り精度の向上を図ることができる。
れば、第1ゲートドライバ並びに第2ゲートドライバに
より各光電変換素子を任意に選択し、各光電変換素子に
より変位されたドレインラインの電圧をスイッチが読み
取る時に、配線抵抗に起因する信号伝搬の遅延を抑制し
つつ、配線層の断線に対して信号の伝搬を補償すること
ができるので、光電変換素子の数が膨大であっても迅速
かつ精度よくマトリクス駆動することが可能になり、こ
のため良好な2次元画像を得ることができる。
サの構造を示す断面図である。
サを2次元配列して構成されるフォトセンサシステムの
概略構成図である。
示すタイミングチャートである。
る。
を示す図である。
元画像の画像読取装置の要部断面図である。
フォトセンサ部となる半導体層が1素子当たりに2個の
ダブルゲート型フォトセンサと、その入射有効領域を示
す概略構成図である。
に1個のダブルゲート型フォトセンサの入射有効領域
と、フォトセンサアレイにおける配置構造を示す図であ
る。
感度のバラツキを示す概念図である。
おける光検知領域の広がりを示す概略図である。
層が3個のダブルゲート型フォトセンサをマトリクス状
に配置したフォトセンサアレイの平面構成図である。
る他のダブルゲート型フォトセンサを示す概略構成図で
ある。
をマトリクス状に配置したフォトセンサアレイの平面構
成図である。
の実施形態を示す概略構成図である。
た2次元画像の読取装置の概略構成図である。
ンサ 11a、11b、11c 半導体層 12a、12b ソース電極 13、13a、13b ドレイン電極 14a、14b ブロック絶縁膜 15 トップゲート絶縁膜 16 ボトムゲート絶縁膜 17、18 n+シリコン層 19 絶縁性基板 20 保護絶縁膜 21 トップゲート電極 22 ボトムゲート電極 100A、100B、100C フォトセンサアレイ 101、101a、101b トップゲートライン 102 ボトムゲートライン
Claims (8)
- 【請求項1】 励起光によりキャリアを生成する半導体
層と、 前記半導体層の両端にそれぞれ設けられたソース、ドレ
イン電極と、 第1ゲート絶縁膜を介し、前記半導体層の下方に設けら
れた第1ゲート電極と、 第2ゲート絶縁膜を介し、前記半導体層の上方に設けら
れた第2ゲート電極と、を各々備え、所定方向に互いに
離間して配置された複数の光電変換素子と、 各光電変換素子の前記第1ゲート電極を接続する第1ゲ
ートラインと、 各光電変換素子の前記第2ゲート電極を接続する第2ゲ
ートラインと、を有し、 前記第1ゲートラインおよび前記第2ゲートラインの少
なくともいずれか一方は、平行する複数の配線層により
構成された領域を有することを特徴とするフォトセンサ
アレイ。 - 【請求項2】 前記各光電変換素子の前記半導体層は、
複数に分離され、前記複数の半導体層には、それぞれ前
記ソース、ドレイン電極が設けられ、前記ソース電極は
互いに接続され、前記ドレイン電極は互いに接続されて
いることを特徴とする請求項1記載のフォトセンサアレ
イ。 - 【請求項3】 前記半導体層における前記入射有効領域
のチャネル長方向の長さの総和に対する、前記入射有効
領域のチャネル幅方向の長さの比は、1.0以上かつ1
0であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフォ
トセンサアレイ。 - 【請求項4】 前記第2ゲートラインは、可視光に対し
透過性を示すとともに、該第2ゲートラインは、平行す
る複数の配線層により構成された領域を有することを特
徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のフォトセン
サアレイ。 - 【請求項5】 前記ソース電極又はドレイン電極は、可
視光に対し不透明であることを特徴とする請求項1乃至
4のいずれかに記載のフォトセンサアレイ。 - 【請求項6】 前記複数の光電変換素子の各々の前記複
数の半導体層は、半導体層のチャネル長方向に並んで配
列されることを特徴とする請求項2記載のフォトセンサ
アレイ。 - 【請求項7】 前記複数の光電変換素子は、デルタ配列
されていることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか
に記載のフォトセンサアレイ。 - 【請求項8】 励起光によりキャリアを生成する半導体
層と、該半導体層の各々の両端にそれぞれ設けられ、前
記半導体層における前記励起光の入射有効領域を規定す
るソース、ドレイン電極と、第1ゲート絶縁膜を介し前
記半導体層の下方に設けられた第1ゲート電極と、第2
ゲート絶縁膜を介し前記半導体層の上方に設けられた第
2ゲート電極と、を各々備えた複数の光電変換素子と、 前記光電変換素子の前記第1ゲート電極に接続された第
1ゲートラインと、 前記光電変換素子の前記第2ゲート電極に接続された第
2ゲートラインと、 前記光電変換素子の前記ドレイン電極に接続されたドレ
インラインと、 前記第1ゲートラインに接続された第1ゲートドライバ
と、 前記第2ゲートラインに接続された第2ゲートドライバ
と、 前記ドレインラインに接続され、前記光電変換素子への
励起光の入射に応じて変位される電圧を読み取るスイッ
チと、を有し、 前記第1ゲートラインおよび前記第2ゲートラインの少
なくともいずれか一方は、平行する複数の配線層により
構成された領域を有することを特徴とする2次元画像の
読取装置。
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