JP2001303124A - 溶鋼の精錬装置および精錬方法 - Google Patents

溶鋼の精錬装置および精錬方法

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JP2001303124A
JP2001303124A JP2000128718A JP2000128718A JP2001303124A JP 2001303124 A JP2001303124 A JP 2001303124A JP 2000128718 A JP2000128718 A JP 2000128718A JP 2000128718 A JP2000128718 A JP 2000128718A JP 2001303124 A JP2001303124 A JP 2001303124A
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refining
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Hiroshi Tanaka
宏 田中
Tadaaki Hino
忠昭 日野
Yoshiaki Tabata
芳明 田畑
Eiju Matsuno
英寿 松野
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 浸漬管内壁に局部的な破損が生じることがな
く、また、浸漬管内部でスラグ精錬を行う場合であって
もスラグが浸漬管外へ排出されることを抑制してスラグ
原料を効率よく精錬反応に供することができる溶鋼の精
錬装置を提供すること。 【解決手段】 溶鋼の精錬装置は、溶鋼を貯留する取鍋
と、前記取鍋内の溶鋼の上方に位置し、その下端部が前
記取鍋内の溶鋼に浸漬可能であり、かつその内部を減圧
可能な管部材と、前記取鍋内の溶鋼に、複数箇所から攪
拌ガスを吹き込むガス供給手段とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶鋼の精錬装置お
よび溶鋼の精錬方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼の精錬を行う精錬装置としては、真空
下における処理機能(脱炭、脱ガス)に重点をおくR
H、DHなどの設備や、脱硫剤等の精錬剤を用いたスラ
グ精錬機能に重点をおくLF、これら両機能を簡易的に
実現しているV−KIPなどの設備がある。また、最近
では、特開平6−212241号公報に開示されている
ように、これら両機能をさらに追求したDH改造型の真
空スラグ精錬可能な設備も提案されている。
【0003】これら技術のうち真空処理に重点をおいた
RH,DHでは、脱ガス(脱H、脱N)に関しては、極
めて効率的な処理が可能であるが、脱S等のスラグ精錬
を行うにあたって種々の問題があり、目標とする精錬機
能を得ることが困難である。
【0004】例えばRHの場合、(1)真空槽内を溶鋼
が高速流動しているため、精錬スラグが溶鋼とともに流
動し、真空槽外へ排出され浮上する、(2)精錬スラグ
の粘性が高い場合には、スラグは真空槽内の溶鋼に浮上
しているのみで溶鋼との攪拌が十分に生じない等の問題
がある。
【0005】また、DHの場合には、RHよりも内径が
大きい浸漬管を具備しているものの、真空槽内に造滓原
料を添加しても、溶鋼の昇降流動のみではスラグと溶鋼
との攪拌が十分に生じず、十分な精錬反応が得られな
い。
【0006】このような問題点を解決するための技術と
して、特開平7−216441号公報に開示されたもの
がある。この技術では、取鍋内径よりやや小さい外径を
有する1本の浸漬管を取鍋内鋼浴に浸漬して真空槽内に
溶鋼を吸い上げ、真空槽内にスラグ精錬を行うに充分な
鋼浴面積を得、かつ、取鍋底あるいは浸漬管内壁から吹
き込まれた攪拌ガスの攪拌力によって溶鋼流動を生じさ
せ、真空精錬およびスラグ精錬の両工程を行うことがで
きる。
【0007】しかしながら、この技術では、鋼浴攪拌用
の攪拌ガスが浸漬管内径の中心から偏った位置に吹き上
がることを特徴としているため、特にスラグ精錬におい
て溶鋼に添加した脱硫剤、精錬剤が槽内溶鋼上に浮上
し、浴面の一方に偏在し、さらに、下降流に乗り短時間
で槽外に排出されてしまう。したがって、脱硫剤、精錬
剤と溶鋼との反応時間が短いため、効率よく脱硫等を行
うことができない。また、脱硫剤による耐火物損耗はス
ラグが接触する一方に偏り、耐火物寿命を短くする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
に鑑みてなされたものであって、真空精錬およびスラグ
精錬の両工程を同時または連続的に行うことができ、か
つ、スラグ精錬での溶鋼とスラグとの反応を効率よく行
うことができる溶鋼の精錬装置および精錬方法を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本出願人は、先に、上記
課題を解決することができる溶鋼の精錬装置として、溶
鋼を貯留する取鍋と、取鍋内の溶鋼の上方に位置し、そ
の下端部が取鍋内の溶鋼に浸漬可能であり、かつその内
部を減圧可能な管部材とを具備し、前記取鍋底部の中央
付近から攪拌ガスを吹き込むことにより、スラグが管部
材内側の一方に偏在することを防止して、溶鋼とスラグ
との反応を効率よく行うことができるものを出願した
(特願平11−304062号)。しかしながら、この
先行出願に係る溶鋼の精錬装置では、溶鋼の流れが速
く、また、溶鋼の流れを制御することが難しい。このた
め、例えば管部材の特定方向の内壁といった部分にのみ
溶鋼の流れ(取鍋内の上方から下方に向かって流れる下
降流)が当たり、その部分に局部的な溶損が発生するお
それがある。また、管部材の外では溶鋼の攪拌が緩やか
なためスラグと溶鋼とが十分に反応しないことから、精
錬反応を効率よく行うためには管部材の外へ排出される
スラグ量を低減することが重要であるが、溶鋼の速い流
れによりスラグが管部材の外へ排出されやすい。本発明
は、取鍋内の溶鋼の流れを最適化することにより、この
ような先行出願における新たな問題をも解決するもので
ある。
【0010】すなわち、第1発明は、溶鋼を貯留する取
鍋と、前記取鍋内の溶鋼の上方に位置し、その下端部が
前記取鍋内の溶鋼に浸漬可能であり、かつその内部を減
圧可能な管部材と、前記取鍋内の溶鋼に、複数箇所から
攪拌ガスを吹き込むガス供給手段とを具備することを特
徴とする溶鋼の精錬装置を提供する。
【0011】この溶鋼の精錬装置は、さらに、前記ガス
供給手段が前記複数箇所のそれぞれから吹き込む攪拌ガ
スの量を制御する制御手段を具備することが好ましい。
また、前記ガス供給手段が攪拌ガスを吹き込む前記複数
箇所は、前記管部材を下方に投影した領域の内側にあ
り、かつ、前記管部材の中心を下方に投影した所定の点
を中心とした円周上に配置されていることが好ましく、
等間隔で配置されていることがさらに好ましい。さらに
前記ガス供給手段としては、溶鋼に攪拌ガスを吹き込む
ための、前記取鍋底部に設けられたプラグを有するもの
が好適である。また、前記ガス供給手段としては、前記
管部材の内側壁面に設けられた吹き込み孔を有するも
の、または攪拌ガス供給用ランスを有するものを用いる
ことができる。さらにまた、第1発明に係る溶鋼の精錬
装置は、溶鋼に酸素ガスを供給するための送酸ランスを
具備することができる。
【0012】第2発明は、溶鋼を貯留する取鍋と、取鍋
内の溶鋼の上方に位置し、その下端部が取鍋内の溶鋼に
浸漬可能であり、かつその内部を減圧可能な管部材と、
取鍋内の溶鋼に複数箇所から攪拌ガスを吹き込むことが
可能なガス供給手段とを具備する溶鋼の精錬装置を用い
て溶鋼を精錬する方法であって、前記ガス供給手段が前
記複数箇所から同時に攪拌ガスを吹き込み、前記管部材
内の溶鋼上面における、溶鋼が上昇流を形成する領域の
面積が、溶鋼が下降流を形成する領域の面積よりも大き
くなるように、溶鋼を流動させることを特徴とする溶鋼
の精錬方法を提供する。
【0013】第3発明は、溶鋼を貯留する取鍋と、取鍋
内の溶鋼の上方に位置し、その下端部が取鍋内の溶鋼に
浸漬可能であり、かつその内部を減圧可能な管部材と、
取鍋内の溶鋼に、複数箇所から攪拌ガスを吹き込むこと
が可能なガス供給手段とを具備する溶鋼の精錬装置を用
いて溶鋼を精錬する方法であって、前記ガス供給手段が
前記複数箇所から同時に攪拌ガスを吹き込み、前記管部
材内で溶鋼が下降流を形成する領域を分散するように、
溶鋼を流動させることを特徴とする溶鋼の精錬方法を提
供する。
【0014】上記第1発明によれば、取鍋内の溶鋼に複
数箇所から攪拌ガスを吹き込むガス供給手段を具備する
ので、それぞれの箇所からのガス吹き込み量を調節する
ことにより溶鋼の流動を制御することができ、これによ
り前述した先行出願における新たな問題を回避して、精
錬コストを低減することができ、また、精錬反応をより
効率よく行うことができる。
【0015】また、上記第2発明によれば、第1発明に
係る溶鋼の精錬装置を用いて、ガス供給手段が複数箇所
から同時に攪拌ガスを吹き込み、管部材内の溶鋼上面に
おける、溶鋼が上昇流を形成する領域の面積が、溶鋼が
下降流を形成する領域の面積よりも大きくなるように、
溶鋼を流動させることにより、繰り返し上昇流に巻き込
まれる脱硫剤を多くし、管部材外へ排出される脱硫剤を
低減して、溶鋼と脱硫剤等の精錬剤を効率よく反応させ
ることができる。
【0016】さらに、第3発明は、第1発明に係る溶鋼
の精錬装置を用いて、管部材内で溶鋼が下降流を形成す
る領域を分散するように溶鋼を流動させるので、溶鋼の
下降流が管部材内壁の一部のみに当たらないようにする
ことができ、これにより管部材内壁に局部的な溶損が発
生することを防止して、耐火物コストを低減することが
できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態について説明する。図1は本発明の一実施
形態に係る溶鋼の精錬装置を示す断面図、図2は図1の
A−A矢視図である。取鍋1内には溶鋼2が貯留されて
おり、その表面上にはスラグ3が存在している。取鍋1
の上方には管部材5が設置され、その下端部が取鍋1内
の溶鋼2に浸漬可能となっている。管部材5の径は、ス
ラグ精錬の観点から実用最大限の大きさとなっており、
管部材5の内部にスラグ精錬に充分足る鋼浴面積を確保
することができる。管部材5には排気管6が接続されて
おり、この管部材5の内部を図示しない排気装置で排気
することにより減圧することが可能となっている。ま
た、管部材5には、図示しない供給装置から管部材5内
の溶鋼に脱硫剤、脱酸材等を、管部材5の気密状態を損
なうことなく供給するための投入部8が設けられてい
る。さらに、管部材5の上方には、必要に応じて送酸ラ
ンス9を挿入することができる。なお、取鍋1は昇降装
置7により昇降可能となっている。
【0018】取鍋1の底部には、攪拌ガス吹き込みノズ
ルとしてのプラグ4aおよび4bが、図2に示すよう
に、管部材5を取鍋2の底部に投影してなる投影部5a
の内側、かつ、前記管部材の中心を下方に投影した点5
bを中心とした円周5c上に、対向するように設けられ
ている。プラグ4aおよび4bをこのように配置するの
は、管部材5の外側に攪拌ガスが漏れることを防止し、
溶鋼の流動を有効に制御するためである。プラグ4aに
はガス供給装置10が流量制御弁13aを介して接続さ
れ、プラグ4bにはガス供給装置10が流量制御弁13
bを介して接続されている。
【0019】流量制御弁13a,13bは、それぞれ制
御装置20と接続されており、制御装置20からの制御
信号に応じてその流量を調節することができる。このガ
ス供給装置10から供給される攪拌ガスをプラグ4a,
4bから吹き込むことにより取鍋中の溶鋼の撹拌が行わ
れる。本実施形態における精錬装置では、プラグ4aお
よび4bの2箇所から攪拌ガスを吹き込むので、制御装
置20でそれぞれのプラグからから吹き込む攪拌ガスの
量を調節することにより、溶鋼の流動を制御することが
できる。攪拌ガスとしては、Ar等の不活性ガス、N
等を好適に用いることができるが、溶鋼に悪影響を与え
ないものであればこれらに限らず適用可能である。
【0020】以上のように構成される溶鋼の精錬装置に
おいては、まず、溶鋼2を貯留した取鍋1を管部材5の
直下に位置させる。そして、昇降装置7により取鍋1を
上昇させ、管部材5の下端の高さ位置が取鍋1内の静止
浴上面よりも低くなるようにして、管部材5の下端部が
取鍋1内の溶鋼2に浸漬するようにする。この状態で排
気管7を介して管部材5内を排気して減圧状態とし、プ
ラグ4a,4bから攪拌ガスを吹き込んで取鍋1内の溶
鋼2を撹拌している状態で、投入部8より精錬用フラッ
クスを適宜供給し、溶鋼2上に存在するスラグ3による
精錬、および減圧状態による脱ガス処理を一つの装置で
同時または連続的に行う。
【0021】この際、制御装置20により、プラグ4
a,4bからの攪拌ガス吹き込み量をそれぞれ独立して
制御して、取鍋1内の溶鋼の流動を制御する。具体的に
は、攪拌によって管部材5内の溶鋼上面には、溶鋼が下
降流を形成する領域と、溶鋼が上昇流を形成する領域と
が生じるが、これらのうち後者の範囲が前者よりも大き
くなるように溶鋼の流動を制御することが好ましい。下
降流を形成する領域が大きい場合には、スラグが管部材
5の外へ流出する量が増大し、スラグを管部材5内の精
錬反応で有効に利用することができなくなり、精錬反応
の効率が悪くなる。また、管部材5内で溶鋼が下降流を
形成する領域が分散するように溶鋼の流動を制御するこ
とが好ましい。下降流を形成する領域を分散させること
により、管部材5内面の一部に下降流が集中してあた
り、局部的な溶損が生じることを防止することができ
る。
【0022】表1は、上記の精錬装置において、それぞ
れの攪拌ガス吹き込み条件で、CaF:3〜10%、
CaO:30〜60%、Al:5〜25%を含む
脱硫剤を用いて溶鋼の脱硫精錬を行った場合に、鋼中S
を35ppmから5ppm以下まで低減するのに要した
スラグの量を示す表である。この場合のそれぞれの条件
における処理時間と鋼中のS量との関係を表2および図
4に示す。図3は、管部材5内の最下端部に形成された
溶鋼流動の状態を示すものであり、(a)は表1の条件
1に、(b)は表1の条件2に、(c)は表1の条件3
に、(d)は表1の条件4に、ぞれぞれ対応している。
また、図3には、プラグ4aおよび4bを上方に投影し
た位置を併せて示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】図3(a)〜(c)より、それぞれのプラ
グからの攪拌ガス吹き込み量を条件1〜条件3のように
変化させることによって溶鋼の流動状態を制御すること
ができ、特に、両プラグからの攪拌ガス吹き込み量の比
を1に近づけることにより、下降流が形成される領域の
範囲が小さく、スラグが管部材5の外側に流出すること
の少ない好適な溶鋼の流動を得ることができることがわ
かる。これにより、攪拌ガス吹き込み量の比を1とした
条件1では、表1に示すように必要なスラグ量が最小と
なっており、かつ、表2および図4に示すように脱硫反
応が速やかに効率よく行われている。また、図3(a)
〜(c)に示すように、複数箇所(2箇所)から攪拌ガ
スを吹き込んだ場合、下降流は管部材5内の両側部に分
散して形成されるので、管部材5の内壁に局部的な溶損
が生じることを防止することができる。
【0026】これに対して、プラグ4bのみから攪拌ガ
スを吹き込んだ条件4では、図3(d)に示すように、
下降流が形成される領域の範囲が大きくなり、下降流に
脱硫剤が乗り、管部材5外へ排出されるため、表1に示
すように脱硫に大量の脱硫剤を必要とした。また、この
条件では下降流が管部材5内の一方に偏って形成される
ため、管部材5の内壁に局部的な溶損が生じるおそれが
ある。
【0027】本発明の精錬装置においては、溶鋼中にC
a,Mgを効率的に添加することができる。例えばCa
を添加する場合には、精錬、脱ガス処理が終了した後、
管部材5内にArやN等の不活性のガスを供給して大
気圧または53.2kPa以上まで復圧した状態とし、
この状態でプラグ4a,4bから攪拌ガスを吹き込みな
がら、Ca−Si合金、Ca−Al合金といったCa合
金粉末、Ca−鉄ブリケット等を、投入部8またはイン
ジェクションランス(図示せず)から添加する。このよ
うにCaを添加することにより、精錬、脱ガス処理を行
った後の溶鋼が温度降下する前にCaを添加することが
でき、しかも、管部材5内の酸素が少ない状態でCa添
加を行うことができるので、高効率、高歩留まりでCa
を添加することができる。また、Mgを添加する場合に
は、Mg−Si合金、Mg−Ni合金といったMg合金
粉末を添加する。このようにMgを添加することによ
り、Caの場合と同様に添加処理を高効率かつ高歩留ま
りで行うことができる。なお、これらのCa添加処理と
Mg添加処理とを複合しておこなってもよい。
【0028】なお、上記の精錬装置では、2箇所のガス
吹き込み位置から攪拌ガスを吹き込んで溶鋼を攪拌する
場合について説明したが、ガス吹き込み位置は3箇所以
上であってもよい。このような場合のガス吹き込み位置
は、図5(a)および(b)に示すように、前記管部材
を下方に投影した領域の内側、かつ、前記管部材の中心
を下方に投影した点5bを中心とした円周5c上に等間
隔で配置されていることが好ましい。このようにガス吹
き込み位置を配置することににより、2箇所のガス吹き
込み位置を図2に示したように配置した場合と同様に、
管部材5の外側に攪拌ガスが漏れることを防止し、か
つ、溶鋼の流動を有効に制御することができる。
【0029】また、上記例では取鍋1の底部に設けられ
たプラグ4a,4bから攪拌ガスを吹き込むことにより
溶鋼に流動を与えたが、管部材5の内壁に吹き込み孔を
設けて、この吹き込み孔とガス供給装置とをガス供給管
により接続して攪拌ガスを吹き込んでもよい。また、管
部材5の上方または側方などから攪拌ガス供給用ランス
を挿入して、そこから攪拌ガスを溶鋼3に吹き込むこと
により流動を与えるようにしてもよい。さらに、プラグ
およびこれらのうちの複数種を組み合わせて用いてもよ
い。
【0030】さらに、上記の実施形態では、本発明に係
る溶鋼の精錬装置で行う脱硫精錬について説明したが、
これに限られるものではなく、スラグを用いて行われる
精錬反応のいずれであっても精錬反応を効率よく行うこ
とができ、また、スラグの有無に関わらず管部材の内壁
に生じる溶損を防止することができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
浸漬管内壁に局部的な破損が生じることがなく、また、
浸漬管内部でスラグ精錬を行う場合であっても、スラグ
が浸漬管外へ排出されることを抑制してスラグ原料を効
率よく精錬反応に供することが可能な溶鋼の精錬装置が
提供され、これにより耐火物コストを低減することが可
能となり、また、スラグ原単位の削減および安価なスラ
グ原料の適用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る溶鋼の精錬装置を示
す断面図。
【図2】図1のA−A矢視図。
【図3】(a)〜(d)は、図1の精錬装置で表1に示
す条件により溶鋼の脱硫精錬を行った場合に、溶鋼上部
に形成された溶鋼流動の状態を示す図面。
【図4】図1の精錬装置で表1に示す条件により溶鋼の
脱硫精錬を行った場合における処理時間と、鋼中S量と
の関係を示すグラフ。
【図5】ガスを吹き込みむ位置の別の例を示す図面。
【符号の説明】
1……取鍋 2……溶鋼 3……スラグ 4a,4b……プラグ 5……管部材 6……排気管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田畑 芳明 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 松野 英寿 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4K013 BA05 CA01 CA02 CA04 CA08 CA13 CA15 CA21 CA23 CB02 CB09 CC02 CE02 CF13 DA06 DA10 DA12 DA13 EA03 EA05 EA09 EA19 EA23 EA25 EA28

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶鋼を貯留する取鍋と、 前記取鍋内の溶鋼の上方に位置し、その下端部が前記取
    鍋内の溶鋼に浸漬可能であり、かつその内部を減圧可能
    な管部材と、 前記取鍋内の溶鋼に、複数箇所から攪拌ガスを吹き込む
    ガス供給手段とを具備することを特徴とする溶鋼の精錬
    装置。
  2. 【請求項2】 さらに、前記ガス供給手段が前記複数箇
    所のそれぞれから吹き込む攪拌ガスの量を制御する制御
    手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の溶鋼
    の精錬装置。
  3. 【請求項3】 前記ガス供給手段が攪拌ガスを吹き込む
    前記複数箇所は、前記管部材を下方に投影した領域の内
    側にあり、かつ、前記管部材の中心を下方に投影した所
    定の点を中心とした円周上に配置されていることを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載の溶鋼の精錬装
    置。
  4. 【請求項4】 前記ガス供給手段が攪拌ガスを吹き込む
    前記複数箇所は、前記円周上に等間隔で配置されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の溶鋼の精錬装置。
  5. 【請求項5】 前記ガス供給手段は、前記取鍋底部に設
    けられた、溶鋼に攪拌ガスを吹き込むためのプラグを有
    することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか
    1項に記載の溶鋼の精錬装置。
  6. 【請求項6】 前記ガス供給手段は、溶鋼に攪拌ガスを
    吹き込むための吹き込み孔を前記管部材の内側壁面に有
    することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか
    1項に記載の溶鋼の精錬装置。
  7. 【請求項7】 前記ガス供給手段は、溶鋼に攪拌ガスを
    吹き込むための攪拌ガス供給用ランスを有することを特
    徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の
    溶鋼の精錬装置。
  8. 【請求項8】 さらに、前記溶鋼に酸素を供給する送酸
    ランスを具備することを特徴とする請求項1から請求項
    7のいずれか1項に記載の溶鋼の精錬装置。
  9. 【請求項9】 溶鋼を貯留する取鍋と、取鍋内の溶鋼の
    上方に位置し、その下端部が取鍋内の溶鋼に浸漬可能で
    あり、かつその内部を減圧可能な管部材と、取鍋内の溶
    鋼に複数箇所から攪拌ガスを吹き込むことが可能なガス
    供給手段とを具備する溶鋼の精錬装置を用いて溶鋼を精
    錬する方法であって、 前記ガス供給手段が前記複数箇所から同時に攪拌ガスを
    吹き込み、前記管部材内の溶鋼上面における、溶鋼が上
    昇流を形成する領域の面積が、溶鋼が下降流を形成する
    領域の面積よりも大きくなるように、溶鋼を流動させる
    ことを特徴とする溶鋼の精錬方法。
  10. 【請求項10】 溶鋼を貯留する取鍋と、取鍋内の溶鋼
    の上方に位置し、その下端部が取鍋内の溶鋼に浸漬可能
    であり、かつその内部を減圧可能な管部材と、取鍋内の
    溶鋼に、複数箇所からガスを吹き込むことが可能なガス
    供給手段とを具備する溶鋼の精錬装置を用いて溶鋼を精
    錬する方法であって、 前記ガス供給手段が前記複数箇所から同時に攪拌ガスを
    吹き込み、前記管部材内で溶鋼が下降流を形成する領域
    を分散するように、溶鋼を流動させることを特徴とする
    溶鋼の精錬方法。
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