JP6790796B2 - 真空脱ガス処理装置 - Google Patents

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本発明は、真空脱ガス処理装置及びそれを用いた溶鋼の二次精錬装置に関するものである。
鋼材の高級化に伴い、不純物元素のさらなる濃度低減が必要とされている。不純物元素は溶鋼の精錬工程を通じて除去される。転炉などによる一次精錬が完了した溶鋼が取鍋に収容され、取鍋内の溶鋼を対象に二次精錬が行われる。不純物元素を特に低減する品種については、二次精錬工程にて鋼材の規格の範囲まで不純物元素が除去される。そのため、不純物元素の除去能力の高い二次精錬処理装置が必要である。
二次精錬工程において、不純物元素の中で炭素は、減圧下において溶鋼中のCとOを反応させてCOガスとして除去し、水素、窒素は、溶鋼からそれぞれ水素ガス、窒素ガスとして除去する。除去速度を高めるためには、減圧雰囲気下に溶鋼を曝す真空脱ガス処理が必要である。また、強攪拌も有効である。
不純物元素の中で硫黄は、基本的には溶鋼表面に添加したスラグに吸着させることで除去する脱硫処理が必要である。除去速度を高めるには、スラグと溶鋼の界面を強攪拌すること、スラグの硫黄吸収能力を高めることが有効である。
二次精錬工程の処理効率向上には、これらの不純物元素の除去を同時に行うことができる処理装置が必要である。しかし、これらの不純物元素の除去を同時に行うことは困難である。これは、真空脱ガス処理のために減圧状態とし、スラグによる脱硫を行わせると、それぞれの除去速度を向上させるために攪拌力を増加させる必要が生じ、スラグが耐火物と反応して耐火物の損耗速度が増加し、耐火物補修頻度が増加して、二次精錬工程の処理効率はむしろ低下してしまうためである。そのため、真空脱ガス処理と脱硫処理は異なる二次精錬処理装置が用いられている。
ただし、従来から、単一の真空脱ガス処理装置で真空脱ガス処理に加え、スラグではなく粉体の脱硫フラックスを溶鋼中に吹き込み、又は溶鋼表面に吹き付ける手段を用いた脱硫処理を行う方法についての開発が行われている。
RH真空脱ガス処理装置を用いた脱硫方法として、特許文献1では、真空脱ガス槽の頂部に設けたランスから酸化カルシウムおよび酸化アルミニウムを主成分とする脱硫用フラックスを、キャリアガス、燃料ガスおよび酸素ガスとともに噴射して前記真空脱ガス槽内の溶鋼に吹き付ける精錬方法を提案している。また、特許文献2では、粉状の脱硫剤をキャリアガスと共に溶鋼中に吹き込み、吹き込んだ脱硫剤と溶鋼とをRH真空脱ガス装置の真空槽内で混合して脱硫する溶鋼の脱硫方法を提案している。これらの方法を用いることで、真空脱ガス処理と脱硫処理を並行して行うことができる。
特許文献3には、取鍋内に収容した溶鋼に1本足からなる筒状浸漬管を浸漬し、浸漬管内を真空排気して溶鋼を浸漬管内に吸い上げた状態で浸漬管の投影面下の取鍋内下部から不活性ガスを吹き込む脱硫方法が開示されている。脱硫用粉体は、浸漬管内に設置した上吹きランスあるいはインジェクションランスあるいは浸漬管内側の浸漬羽口、もしくは上吹き羽口から添加できるとしている。不活性ガス吹き込みは、取鍋内下部から吹き込みランスまたはポーラスプラグを経て吹き込むとしている。特許文献4には、取鍋内溶鋼に大径の直胴形状の容器を浸漬するとともに、該直胴浸漬槽内を減圧し、鋼浴の底部からガス体を供給するとともに、浸漬管全周に設けた複数個のガス吹き込みノズルより、鋼浴表面下500〜1500mmの位置から不活性ガスを吹き込む、極低炭素鋼の製造方法が開示されている。
特開2012−172213号公報 特開2002−161310号公報 特開平7−278639号公報 特開平7−54034号公報
特許文献1〜3のように、粉体の脱硫剤を溶鋼に吹き込みまたは吹き付ける脱硫方法においては、粉体脱硫剤の供給に長時間を要するので処理時間が長くなるため、二次精錬の処理効率が低下してしまう。特許文献2の方法では、脱硫剤を溶鋼中に吹き込むための羽口への溶鋼の差込みを抑制するため、脱硫剤の吹き込む必要のない期間もガスを流し続けなければならず、ガスコストの悪化を招く。また、フラックスにより羽口の損耗が進むために補修頻度が増加してしまう。
また、特許文献1、2に記載の、RH真空脱ガス処理装置を用いた脱硫方法では、溶鋼と脱硫剤との反応によって脱硫した後、Sを含んだ脱硫剤はRH真空槽の下降管から取鍋内溶鋼中に下降し、その後上昇して、取鍋内溶鋼表面の取鍋スラグに吸収される。取鍋スラグは、転炉からの出鋼時に流出した酸化性スラグが主体であるため、取鍋スラグ中の酸化鉄や酸化マンガンといった低級酸化物濃度が高いので、スラグの硫黄保持能力が低くなり復硫してしまう。そのため、S濃度を低く維持するためには、取鍋スラグの低級酸化物濃度を低減する改質処理を行う必要が生じる。
特許文献1〜3いずれの方法も、真空槽内の溶鋼中に脱硫剤を供給するため、真空槽内の溶鋼表面に脱硫剤が滞留する。そのため、溶鋼表面の脱硫剤による耐火物の溶損が進行することとなり、耐火物寿命が低下する。
そこで、本発明では、減圧下で真空脱ガス処理を行いつつ、脱硫剤を吹き付けや吹き込みで供給することなく真空槽内で脱硫を行うことによって短時間で脱硫を完了することができ、さらに脱硫を行っても真空槽内耐火物の溶損を抑制できる真空脱ガス処理装置及びそれを用いた溶鋼の二次精錬装置を提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、その要旨は、下記の直胴型真空脱ガス処理装置にある。
(1)溶鋼の二次精錬に用いる真空脱ガス処理装置であって、下部に単一の筒状浸漬管を有する真空槽(以下「直胴型真空槽」という。)を有し、前記筒状浸漬管の内周に全周にわたってガスを吹き込む羽口が設けられており、
前記羽口の数Nと筒状浸漬管内側直径Dとの関係が下記(1)式を満足することを特徴とする、真空脱ガス処理装置。
4D+2≦N≦12D ・・・(1)
D:筒状浸漬管内側直径(m)
N:羽口の数(−)
本発明によれば、単一処理装置を用い、短時間で脱ガスおよび脱硫といった精錬処理ができ、さらに真空槽内の耐火物の溶損も抑制することができる。そのため、二次精錬の処理効率を著しく向上させることができる。
均一混合時間に及ぼす羽口数の影響を示す図である。 耐火物溶損速度に及ぼす羽口数の影響を示す図である。 均一混合時間ならびに耐火物溶損速度に及ぼす羽口数と真空槽内径の影響を示す図である。 直胴型真空槽を有する本発明の真空脱ガス処理装置の概略構成例を示す図であり、(A)は縦断面図であり、(B)は(A)のB−B矢視平面断面図である。
本発明は、図4に示すように、溶鋼の二次精錬に用いる真空脱ガス処理装置21として、下部に単一の筒状浸漬管9を有する真空槽1(以下「直胴型真空槽」という。)を用いる。真空槽1の下部に設けられた筒状浸漬管9の直径と、筒状浸漬管9の上方に位置する真空槽1の直径をほぼ同一とすることが多く、この場合は真空槽1における筒状浸漬管9を含めた全体形状が直胴型を呈することから、直胴型真空槽と呼ばれる。筒状浸漬管9の下端は開口している。取鍋5内の溶鋼表面に真空槽1の筒状浸漬管9を浸漬して真空槽内を減圧することにより、筒状浸漬管9内で溶鋼表面が上昇し、真空槽1内の溶鋼を対象として真空脱ガス処理と脱硫処理が行われる。
取鍋5内の溶鋼表面にスラグを形成した上で直胴型真空槽を溶鋼に浸漬させると、筒状浸漬管9の直下に存在していたスラグは筒状浸漬管9内に取り込まれる。真空槽1内を減圧すると、筒状浸漬管9内に取り込まれたスラグは溶鋼とともに真空槽内を上昇する。ここでは、真空槽1内に取り込まれたスラグを「真空槽内スラグ8」と呼び、筒状浸漬管9の外側の取鍋5内溶鋼表面に存在するスラグを「取鍋スラグ7」と呼ぶ。直胴型真空槽は筒状浸漬管9の内径を大きくすることができるので、多くのスラグを真空槽内スラグ8として取り込むことができる。
本発明は、真空脱ガス処理装置21として上記直胴型真空槽を用いているので、転炉から取鍋への出鋼時に取鍋内に塊状の脱硫剤を添加すれば、出鋼時の溶鋼の攪拌によって、添加した脱硫剤を溶融スラグとして取鍋内溶鋼表面にスラグ層を形成することができ、さらに直胴型真空槽を取鍋内溶鋼表面に浸漬させることにより、脱硫剤を含む溶融スラグを真空槽内スラグ8として取り込むことができる。そのため、特許文献1〜3に記載のように、粉体の脱硫剤を吹き込み、あるいは吹き付ける必要がないので、脱硫処理時間を短縮することが可能となる。
次に、脱硫を行っても真空槽内耐火物の溶損を抑制できる装置を提供する、という本発明の課題について説明する。この課題を解決するために、本発明者らは、直胴型真空槽を用いたとき、減圧下で強攪拌状態であっても、真空槽内溶鋼表面に形成された真空槽内スラグ8が、真空槽1の耐火物と接触しないようにすることによって、真空槽内耐火物の溶損を抑制する方法を検討した。そして、スラグと耐火物の間に攪拌のために吹き込むガス気泡の層を設けることで、接触を抑制する方法を考案した。そのためには、攪拌用のガスを吹き込む羽口2を真空槽の筒状浸漬管内部の全周にわたって設置すればよい。
従来、直胴型真空槽を用いた溶鋼の二次精錬では、取鍋の底部からのガス吹き込み、あるいは取鍋内に浸漬したランスからのガス吹き込みにより、真空槽の浸漬管内に上昇するようにガスを吹き込み、ガスの上昇に伴う溶鋼の攪拌を利用していた。本発明において真空槽内のスラグと耐火物の接触を抑制するためには、真空槽1の筒状浸漬管9内部の全周にわたって設置した羽口2からのガス吹き込みのみによって、二次精錬に必要な溶鋼の攪拌が充分に行われる必要がある。
そこで、まずは水モデル実験によって、次に実際の溶鋼二次精錬によって、直胴型真空槽の筒状浸漬管9内部の全周にわたって設置した羽口2からのガス吹き込みのみを行い、溶鋼の攪拌状況、添加した成分の均一混合状況についての調査を行った。水モデル装置と実溶鋼装置のいずれも、図4に示す形状の真空槽1と取鍋5を用いた。
まず、水モデル実験について説明する。図4に示すように、筒状浸漬管9内部の全周にわたって設置した羽口から液中にガスを吹き込み、真空槽1内にトレーサーを添加して、真空槽1と取鍋5内の液の流動状況について確認した。その結果、図4に示すような流線10で液の流動がなされていることが確認できた。即ち、取鍋底からのガス吹き込みや、取鍋内の液中にランスを挿入してのガス吹き込みを行っていないにもかかわらず、筒状浸漬管9内部の全周からのガス吹き込みのみで、真空槽1と取鍋5内の液の全体について十分に攪拌が行われることが確認できた。また、溶鋼中に生成した非金属介在物粒子の浮上状況を確認するため、水よりも軽い粒子を真空槽1内の液中に添加してその挙動を確認したところ、真空槽1内と取鍋5内を循環する粒子が大部分であって、真空槽1と取鍋5の間に存在する液の表面に浮上分離する粒子の比率は少ないことを確認した。真空槽1の筒状浸漬管9の内径が、取鍋5の内径に比較してそれほど小さくないことによると考えられる。
また、筒状浸漬管9内部の全周に設ける羽口2の数を変化させ、ガス気泡の発生挙動について水モデル実験を行った。その結果、羽口2の数が過度に多いと隣接する羽口2から吹き込まれたガス気泡同士が合体して吹き抜けが生じ、攪拌力の不足が懸念される状況であった。逆に、羽口2の数が過度に少ないとガス気泡間の距離が離れすぎてスラグと耐火物の接触が生じるとともに偏流を生じて攪拌力の不足が懸念された。すなわち、真空槽1の筒状浸漬管9の内側直径に応じた適正な羽口数の範囲が存在する。
次に、図4に示すような溶鋼の二次精錬装置を用いて、実際の溶鋼二次精錬で行った実験結果について説明する。上述のように、筒状浸漬管内部の全周に設けるガスを吹き込む羽口2の数に適正範囲が存在すると予想されたため、この適正な範囲を溶鋼を用いた試験にて調査した。
転炉にて脱炭処理し、取鍋に出鋼した80、150、250トンの溶鋼に、それぞれ内側直径が0.8、1.5、2.5mの直胴型真空槽を浸漬した。直胴型真空槽の筒状浸漬管9の内部には、真空槽底部から150〜500mmの高さに、攪拌ガスを吹き込む羽口2を全周に設けている。羽口数は4〜36個であり、各羽口は円周上に均等に配置した。真空槽の浸漬後に真空排気装置を用いて真空槽内を133〜3990Paまで減圧するとともに、羽口を通じて攪拌ガスを全羽口合計で溶鋼1トンあたり5.9〜8.5NL/min導入した。
真空槽内圧力と攪拌ガス流量の安定を確認した後、攪拌力の指標として均一混合時間を測定した。均一混合時間は、真空槽内の溶鋼にCuを添加した後、取鍋の溶鋼表面から連続してサンプルを採取し、Cu濃度が(3)式の範囲に収束する時刻tとした。
|1−([Cu]t−[Cu]0)/([Cu]e−[Cu]0)|≦0.05 ・・・(3)
[Cu]t:Cu添加後からt秒後のCu濃度、[Cu]0:Cu添加前のCu濃度、[Cu]e:到達のCu濃度
さらに、真空槽内の耐火物とスラグとの接触による溶損の程度を、処理後の耐火物の厚みを測定し、一回の処理あたりの溶損速度を調査した。
均一混合時間と羽口数の関係を図1に示す。図に示すように、いずれの真空槽内側直径でも、均一混合時間が短くなる羽口数の範囲が存在することが分かる。これは、羽口数が過度に少ないと、隣接する羽口から吹きこまれた気泡同士の距離が大きく、気泡の偏在が生じて、溶鋼の偏流が生じたためと考えられる。羽口数が過度に多いと、隣接する羽口から吹き込まれた気泡同士が衝突して合体し、吹き抜けが生じて、気泡による攪拌力が溶鋼に伝達しにくくなったためと考えられる。
耐火物溶損速度と羽口数の関係を図2に示す。図に示すように、いずれの真空槽内側直径でも耐火物溶損速度が小さくなる羽口数の範囲が存在することが分かる。これは、羽口数が過度に少ないと、隣接する羽口から吹き込まれた気泡同士の距離が大きく、気泡によるスラグと耐火物との接触抑制効果が小さくなったためと考えられる。羽口数が過度に多いと、隣接する羽口から吹き込まれた気泡同士が衝突して合体し、吹き抜けが生じるため、攪拌力が弱くなり、スラグを真空槽内壁から離す力も弱くなるためと考えられる。
これらの結果から、真空槽内側直径に応じた適正な羽口数の範囲が存在することが分かる。そこで、図3に均一混合時間および耐火物溶損速度に及ぼす羽口数、筒状浸漬管内側直径の影響を示す。均一混合時間および耐火物溶損速度を羽口数、真空槽内側直径で整理できる。この結果から、羽口の数Nと筒状浸漬管内側直径D(m)との関係が下記(1)式を満足すると好ましいことが判明した。
4D+2≦N≦12D ・・・(1)
なお、筒状浸漬管9の中心に対して、隣接する羽口2の間の角度θは、すべて同一とすると好ましいが、同一であることは必須としない。角度θが下記(4)式の範囲内にあれば、羽口数がNであるときの本発明の効果を十分に発揮することができる。
360/N×0.75≦θ≦360/N×1.25 (4)
(1)装置構成
図4は、本発明の直胴型真空脱ガス処理装置を用いた溶鋼の二次精錬装置の概略構成例を示す図であり、図4(A)は縦断面図であり、図4(B)は図4(A)のB−B矢視平面断面図である。図4(A)に示すように直胴型真空脱ガス処理装置21は真空槽1からなる。真空槽1は下部に単一の筒状浸漬管9を有し、筒状浸漬管9には撹拌ガスを吹き込む羽口2を有する。真空槽1の上部は真空排気装置3ならびに合金添加孔4に接続されている。溶鋼の精錬処理を行う際は真空槽1を取鍋5内の溶鋼6に浸漬する。取鍋5内の溶鋼6は表面を取鍋スラグ7に被覆されている。真空槽1を浸漬する前に取鍋スラグ7の一部だったスラグは、真空槽内部に取り込まれ、溶鋼上部に滞留して真空槽内スラグ8を形成している。
攪拌ガスを吹き込む羽口2は真空槽1の底面から150mm以上の高さに設けることが望ましい。150mmよりも低いと、溶鋼からの熱により配管が変形してしまう場合がある。さらに望ましくは羽口と真空槽内の溶鋼表面との距離が0.8m以上に維持できる高さに設けることが望ましい。これは、羽口と真空槽内の溶鋼表面との距離が0.8m未満になると、羽口から真空槽内の溶鋼表面までの距離が短くなり、気泡の浮上までの時間も短くなり、気泡による攪拌力が弱くなる場合がある。
羽口2の内側直径は2〜7mmが望ましい。2mmよりも小さいと、攪拌ガスを吹き込む際に配管内での圧力損失が大きくなる場合がある。7mmより大きいと、羽口内への溶鋼の侵入が発生して、羽口の溶損を引き起こす場合がある。
(2)処理方法
転炉で脱炭処理を行い、取鍋5に出鋼した後、溶鋼6を収容した取鍋5を図4(A)に示す直胴型真空槽を有する真空脱ガス処理装置21の配置場所へ移送し、精錬処理を開始する。なお、出鋼時に取鍋スラグの硫黄保持能力確保、ならびに大気と溶鋼の接触抑制のためCaOを主体とするフラックス(塊状)を添加する。このフラックスが含まれるスラグが、真空槽1を溶鋼中に浸漬するに際して真空槽内に取り込まれ、真空槽内スラグ8となって脱硫剤として機能する。フラックスを溶融させて十分に脱硫剤として機能させるためには、出鋼開始後のできるだけ早い時期にフラックスを投入すると好ましい。また、出鋼時に取鍋に流出した転炉スラグ中に含まれるFeOやMnOの濃度低減のため、脱酸元素を添加してもよい。なお、投入したフラックスと流出した転炉スラグの合計としての取鍋スラグの質量は、溶鋼1トンあたり5〜33kgが望ましい。溶鋼1トンあたり5kgより少ないと、取鍋内の溶鋼を覆う面積が小さく、大気と溶鋼との接触抑制効果が小さくなる場合がある。溶鋼1トンあたり33kgより多いと、スラグの厚みが大きくなり、取鍋からあふれてしまう場合がある。
移送後は取鍋5内の溶鋼6に真空槽1の筒状浸漬管9を浸漬する。浸漬深さは250〜650mmが望ましい。250mm未満では、処理中に取鍋スラグ7が真空槽内に吸引されてしまい、取鍋表面をスラグが被覆しない領域が生じ、大気からの窒素や酸素の吸収が生じてしまい、処理効率を低下させてしまう場合がある。650mmより大きいと、羽口2位置での溶鋼の静圧が大きくなり、羽口内への溶鋼の侵入が生じやすくなる場合がある。
真空槽1の筒状浸漬管9を溶鋼6に浸漬した後に、真空槽1内を真空排気装置3を用いて減圧する。溶鋼処理時の真空槽1内の圧力は67〜13300Paが望ましい。より望ましくは67〜6650Paである。67Paよりも低いと、真空槽内の溶鋼表面近傍における攪拌ガス気泡の膨張の度合が大きくなり、気泡の破泡時に発生するスプラッシュが多量となり操業に悪影響を及ぼす場合がある。圧力が13300Paを超えて高いと、攪拌ガス気泡の膨張の度合が小さくなり、気泡による攪拌力が弱くなってしまう場合がある。また、6650Paを超えて高いと、真空槽内の脱ガス速度が小さくなる場合がある。
真空槽1内の減圧とともに羽口2を通じて攪拌ガスを溶鋼中に吹き込み、溶鋼の攪拌を行う。なお、攪拌ガス流量は溶鋼1トンあたり全羽口合計で4.5〜15.0NL/minが望ましい。溶鋼1トンあたり4.5NL/min未満では、攪拌が弱くなり過ぎてしまう場合がある。溶鋼1トンあたり15.0NL/minを超えて大きいと、破泡時に発生するスプラッシュが多量となり操業に悪影響を及ぼす場合がある。
本発明の直胴型真空脱ガス処理装置を用いる場合、合金の添加による成分調整、真空脱ガス処理、脱硫処理、脱酸処理、真空槽内の溶鋼上方に設置したランスからのO2ガス吹き付けによるAl酸化発熱を利用した昇温、等といった精錬処理を行うことができる。
本発明の溶鋼の二次精錬装置22は、図4に示すように、上記本発明の真空脱ガス処理装置21と、溶鋼を収容するための取鍋5とを有し、真空脱ガス処理装置内の溶鋼中にガスを供給する手段として、筒状浸漬管9の内周に設けたガスを吹き込む羽口2のみを有することを特徴とする。取鍋底からのガス吹き込みや、取鍋内の液中にランスを挿入してのガス吹き込みを行わず、筒状浸漬管内部の全周に設けた羽口2からのガス吹き込みのみで、溶鋼6の攪拌と混合を行う。
本発明の溶鋼の二次精錬装置22に用いる真空脱ガス処理装置21は、下部に単一の筒状浸漬管を有する直胴型の真空槽1を用いており、筒状浸漬管9の開口面積が大きくなるので、取鍋5内の溶鋼6に浸漬するときに取鍋表面のスラグを取り込むことができ、取り込んだスラグが真空槽内スラグ8を形成し、真空槽1内での攪拌によって、スラグ中のFeO、MnOなどの低級酸化物は溶鋼中のAlなどによって還元され、脱硫能力を付与されるので、真空槽内スラグ8を脱硫剤として脱硫処理を行うことができる。粉体として脱硫剤を吹き込みあるいは吹き付けることを省略できるので、脱硫処理時間の短縮を実現することができる。なお、取鍋表面のスラグを取り込んで形成した真空槽内スラグに加え、付加的に粉体脱硫剤を吹き込み、あるいは吹き付けることとしても良い。
本発明の溶鋼の二次精錬装置22においては、筒状浸漬管内部の全周に設けた羽口2からのガス吹き込みによって溶鋼6の攪拌と混合を行うので、真空槽1の溶鋼表面に形成された真空槽内スラグ8と真空槽1の内壁面との間がガス気泡で遮断されるため、真空槽内耐火物の溶損を抑制することができる(図4参照)。
また、真空脱ガス処理装置21として、下部に単一の筒状浸漬管9を有する直胴型の真空槽1を用いているため、真空槽1の溶鋼表面で攪拌によって溶鋼中に巻き込まれた微小な真空槽内スラグ8は、取鍋5内の流線10に沿って移動し、その大部分が再度真空槽1内に循環する。そのため、RH真空脱ガス装置を用いた二次精錬と対比すると、取鍋5内を浮上して、真空槽1と取鍋5の間の溶鋼表面に形成された取鍋スラグ7へ取り込まれる比率が少ない。取鍋スラグ7は、転炉から流出したスラグを含んでおり、FeOやMnOなどの低級酸化物を含んでいるため、取鍋スラグ7に取り込まれた脱硫後のスラグ(Sを多く含む)からSが乖離して溶鋼6に戻る、いわゆる復硫が発生しやすい。本発明は上述のように、Sを含む真空槽内スラグ8が取鍋スラグ7に取り込まれる比率が少ないので、復硫が少ないという利点を有している。
ここにおいて、筒状浸漬管9の内側直径Dと取鍋5の内側直径DLとの関係が、
D/DL≧0.40 (2)
であると好ましい。これにより、真空槽1を取鍋5内の溶鋼6に浸漬したときに多くの取鍋スラグ7を取り込んで真空槽内スラグ8を形成することができるとともに、攪拌によって取鍋5内を循環する真空槽内スラグ8が取鍋スラグ7に取り込まれる比率を低減し、脱硫能力の向上を実現することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、この発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用しうるものである。
転炉で脱炭処理した溶鋼280〜300トンを、取鍋に出鋼し、出鋼の初期段階に脱硫フラックスとして塊状のCaOを溶鋼1トン当たり7.0kg添加した。溶鋼を収容した取鍋ごと、図4に示すような直胴型の真空槽1を有する真空脱ガス処理装置21の処理位置まで移送した。
真空脱ガス処理開始時の溶鋼組成は、C=0.04〜0.50%、Si=0.04〜0.10%、Mn=0.2〜1.6%、Al=0.01〜0.20%、S=0.0028〜0.0032%、N=0.0045〜0.0050%、H=0.00035〜0.00037%である。また、真空槽1を浸漬する前に取鍋表面に存在するスラグは、溶鋼1トンあたり10〜20kgであり、スラグの主要な構成成分はCaOとAl23の質量比が1.0〜1.4、SiO2濃度が0.5〜7.0%、FeO濃度が0.5〜8.0%、MnO濃度が0.5〜8.0%、MgO濃度が3.0〜8.0%であった。
取鍋5内の溶鋼6に真空脱ガス処理装置21の真空槽1下部に配置された筒状浸漬管9を350〜500mm浸漬し、真空槽内を真空排気装置3で133〜3990Paまで減圧し、筒状浸漬管の内周に全周にわたって配置した羽口2から、攪拌ガスを溶鋼1トンあたり全羽口合計で5.6〜7.4NL/min導入した。処理時間は20〜25分間である。処理開始時と処理終了直後にサンプルを採取し、N、S、H濃度を分析し、脱ガス、脱硫能力を評価した。また、真空槽内壁の耐火物の厚みを測定し、損耗速度を評価した。
比較のために、RH式真空脱ガス処理装置を用いた処理についても述べる。直胴型真空槽による真空脱ガス処理装置の処理に用いたものと同様の溶鋼成分、スラグ成分や量を収容した取鍋ごと、RH式真空脱ガス処理装置の処理位置まで移送した。真空槽の内径は2.0m、浸漬管の内径は650mm、浸漬管の中で、上昇管の底面から300mmの高さに環流ガスを吹き込む羽口を設けた。
取鍋内の溶鋼にRH式真空脱ガス処理装置の浸漬管を350〜500mm浸漬し、真空槽内を真空排気装置で133〜3990Paまで減圧し、環流ガスを全羽口合計で溶鋼1トンあたり5.6〜7.4NL/min導入した。真空槽内の圧力および環流ガス流量の安定を確認した後、真空槽内の溶鋼の上方に設置したランスから脱硫フラックスを溶鋼1トンあたり0.5kg/minの吹き付け速度にて吹き付けた。処理時間は、上記直胴型真空槽を用いた場合の時間よりも若干長めの25〜30分間とした。そのため、吹き付けた脱硫フラックス合計は溶鋼1トンあたり7.0kgにとどまった。
Figure 0006790796
処理前後でのS、N、H濃度の変化、耐火物溶損量を表1に示す。
本発明で規定する真空槽内側直径に応じた適正な羽口数であるNo.1〜5では、処理後のS濃度は3〜5ppm、N濃度は23〜25ppm、H濃度は0.8〜1.2ppmまで安定して低下した。さらに、耐火物の溶損量は1.8〜2.4mmと低位であった。
一方で、本発明の好ましい羽口数よりも少ないNo.7〜8は処理後のS濃度は25〜26ppm、N濃度は41〜43ppm、H濃度は2.5〜2.6ppmと高く、耐火物溶損量は7.5〜8.9mmと非常に大きくなった。本発明の好ましい羽口数よりも多いNo.9〜10は、処理後のS濃度は20〜21ppm、N濃度は37ppm、H濃度は2.1〜2.2ppmと高く、耐火物溶損量は3.8〜4.1mmと大きくなった。
また、RH型真空脱ガス処理装置で処理したNo.10〜11は処理後のS濃度は18〜19ppmと高い値であった。より低い脱硫後S濃度とするためには、処理時間を延長して、脱硫フラックス吹き付け量合計を増大する必要がある。また、N濃度は38〜39ppm、H濃度は2.4ppmと高く、耐火物溶損量は3.5〜3.7mmと大きくなった。
1 真空槽
2 羽口
3 真空排気装置
4 合金添加孔
5 取鍋
6 溶鋼
7 取鍋スラグ
8 真空槽内スラグ
9 筒状浸漬管
10 流線
21 真空脱ガス処理装置
22 溶鋼の二次精錬装置

Claims (1)

  1. 溶鋼の二次精錬に用いる真空脱ガス処理装置であって、下部に単一の筒状浸漬管を有する真空槽(以下「直胴型真空槽」という。)を有し、前記筒状浸漬管の内周に全周にわたってガスを吹き込む羽口が設けられており、
    前記羽口の数Nと筒状浸漬管内側直径Dとの関係が下記(1)式を満足することを特徴とする、真空脱ガス処理装置。
    4D+2≦N≦12D ・・・(1)
    D:筒状浸漬管内側直径(m)
    N:羽口の数(−)
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