JP2001302678A - 精製されたアクリロキシ基もしくはメタクリロキシ基含有有機ケイ素化合物の製造方法 - Google Patents

精製されたアクリロキシ基もしくはメタクリロキシ基含有有機ケイ素化合物の製造方法

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(57)【要約】 【課題】 蒸留釜と蒸留塔とを備えた工業的規模の蒸
留工程において、留出物が着色することなく、安定して
アクリロキシ基もしくはメタクリロキシ基を含有する有
機ケイ素化合物を精製すること。 【解決手段】蒸留塔より、芳香族アミン化合物および芳
香族硫黄化合物から選ばれた1種以上と、アクリロキシ
基もしくはメタクリロキシ基を含有する有機ケイ素化合
物との混合溶液を供給し、芳香族アミン化合物または芳
香族硫黄化合物から選ばれた1種以上と、ヒンダードフ
ェノール化合物、ジアルキルジチオカルバミン酸銅、お
よび、りん含有化合物を蒸留仕込み液に添加し、酸素を
含有する不活性気体の雰囲気下蒸留する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、精製されたアクリ
ロキシ基もしくはメタクリロキシ基を含有する有機ケイ
素化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリロキシ基もしくはメタクリロキシ
基を含有する有機ケイ素化合物は、有機官能シランカッ
プリング剤として有用性の高い化合物である。アクリロ
キシ基もしくはメタクリロキシ基を含有する有機ケイ素
化合物は、加熱により容易に重合が始まることから、ア
クリロキシ基もしくはメタクリロキシ基を含有する有機
ケイ素化合物を蒸留によって精製する場合には、重合防
止剤の使用が不可欠であった。該重合防止剤としては従
来から、ヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチル
ヒドロキノン、ニトロソ化合物、更には、2,6−ジ−
tert−ブチル−4−メチルフェノールに代表される
ヒンダードフェノール系化合物とフェノチアジンなどの
芳香族硫黄化合物との混合物などが使用されている。
【0003】
【本発明が解決する課題】しかしながら、ヒドロキノン
や2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノンを重合防
止剤として使用した場合には、蒸留時、該重合防止剤が
目的物とともに留出することから、蒸留釜内の該重合防
止剤濃度が低くなり、蒸留釜内でのアクリロキシ基もし
くはメタクリロキシ基を含有する有機ケイ素化合物の重
合(ゲル化)を防止することは困難であった。
【0004】また、前述の蒸留釜内におけるアクリロキ
シ基もしくはメタクリロキシ基を含有する有機ケイ素化
合物の重合を防止することを目的として、該重合防止剤
を多量に使用した場合には、留出物中の該重合防止剤の
濃度が高くなり、該留出物に含まれるアクリロキシ基も
しくはメタクリロキシ基を含有する有機ケイ素化合物を
重合させポリマーを得ようとする際に、重合を著しく阻
害する場合があった。
【0005】更に、ヒドロキノン、2,5−ジ−ter
t−ブチルヒドロキノン、ニトロソ化合物を重合防止剤
として使用した場合には、加熱により該重合防止剤が熱
分解し、それによって留出物が着色することがあった。
【0006】一方、2,6−ジ−tert−ブチル−4
−メチルフェノールに代表されるヒンダードフェノール
系化合物とフェノチアジンなどの芳香族硫黄化合物との
混合物を重合防止剤として使用した場合には、留出物の
着色も少なく、重合防止効果も比較的安定であるもの
の、蒸留釜と蒸留塔とを備えた工業的規模の蒸留工程に
おいては、該重合防止剤の効果は充分とは云えない場合
があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の従
来技術の問題点に鑑み鋭意研究した結果、少なくとも蒸
留塔と蒸留釜とを有する蒸留装置を用いて、精製された
アクリロキシ基もしくはメタクリロキシ基を含有する有
機ケイ素化合物を製造する方法において、蒸留塔より、
芳香族アミン化合物および芳香族硫黄化合物から選ばれ
た1種以上と、アクリロキシ基もしくはメタクリロキシ
基を含有する精製された有機ケイ素化合物との混合溶液
を蒸留塔内に供給し、芳香族アミン化合物または芳香族
硫黄化合物から選ばれた1種以上と、ヒンダードフェノ
ール化合物、ジアルキルジチオカルバミン酸銅、りん含
有化合物、およびアクリロキシ基もしくはメタクリロキ
シ基を含有する有機ケイ素化合物の粗反応液を蒸留釜に
入れ、酸素を含有する不活性気体の雰囲気下蒸留するこ
とを特徴とする精製されたアクリロキシ基もしくはメタ
クリロキシ基含有有機ケイ素化合物の製造方法であれ
ば、蒸留釜と蒸留塔とを備えた工業的規模の蒸留工程に
おいて、留出物が着色することなく、安定してアクリロ
キシ基もしくはメタクリロキシ基を含有する有機ケイ素
化合物を精製することが可能であることを見いだし、こ
の知見に基づいて本発明を完成させた。
【0008】本発明は、下記(1)〜(3)の構成から
なる。 (1)少なくとも蒸留塔と蒸留釜とを有する蒸留装置を
用いて、下記一般式(I)に示される精製されたアクリ
ロキシ基もしくはメタクリロキシ基含有有機ケイ素化合
物を製造する方法において、蒸留塔より、芳香族アミン
化合物および芳香族硫黄化合物から選ばれた1種以上
と、一般式(I)で示されるアクリロキシ基もしくはメ
タクリロキシ基を含有する精製された有機ケイ素化合物
との混合溶液を蒸留塔内に供給し、芳香族アミン化合物
または芳香族硫黄化合物から選ばれた1種以上と、ヒン
ダードフェノール化合物、ジアルキルジチオカルバミン
酸銅、りん含有化合物、および一般式(I)で示される
アクリロキシ基もしくはメタクリロキシ基を含有する有
機ケイ素化合物の粗反応液を蒸留釜に入れ、酸素を含有
する不活性気体の雰囲気下蒸留することを特徴とする精
製されたアクリロキシ基もしくはメタクリロキシ基含有
有機ケイ素化合物の製造方法。
【化1】 (式中、nは0〜2であり、R1はメチル基またはエチ
ル基であり、R2はメトキシ基またはエトキシ基または
塩素である。R3は水素またはメチル基である。)
【0009】(2)酸素を含有する不活性気体に含まれ
る酸素の割合が、該不活性気体容量に対し1〜2容量%
の範囲である前記第1項記載の精製されたアクリロキシ
基もしくはメタクリロキシ基を含有する有機ケイ素化合
物の製造方法。
【0010】(3)ヒンダードフェノール化合物が2,
6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールであ
り、芳香族アミン化合物がN,N’−ジフェニル−p−
フェニレンジアミンであり、芳香族硫黄化合物がフェノ
チアジンであり、ジアルキルジチオカルバミン酸銅がジ
メチルジチオカルバミン酸銅であり、りん含有化合物が
トリフェニルホスファイトである前記第1項記載の精製
されたアクリロキシ基もしくはメタクリロキシ基を含有
する有機ケイ素化合物の製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、少なくとも蒸留塔と蒸留釜とを有する蒸留装
置を用いて、精製されたアクリロキシ基もしくはメタク
リロキシ基を含有する有機ケイ素化合物を含有する液体
を蒸留することにより、アクリロキシ基もしくはメタク
リロキシ基を含有する有機ケイ素化合物を製造する方法
である。
【0012】本発明で使用する蒸留装置は、少なくとも
蒸留塔と蒸留釜とを有する蒸留装置であって、蒸留塔か
ら液体を蒸留釜に供給できる構造を有するものであれ
ば、特に限定されるものではない。また、本発明に使用
する蒸留装置は減圧蒸留可能なものであっても良い。
【0013】また、本発明の蒸留方法は、前述の蒸留装
置の蒸留釜にアクリロキシ基もしくはメタクリロキシ基
を含有する有機ケイ素化合物を含有する液体を供給し
(以下、蒸留釜に供給する該液体を「蒸留仕込み液」と
記述する。)、アクリロキシ基もしくはメタクリロキシ
基を含有する有機ケイ素化合物を含有する液体を、蒸留
塔に供給しつつ蒸留を行うものである。
【0014】該蒸留装置にかけるアクリロキシ基もしく
はメタクリロキシ基を含有する有機ケイ素化合物を含有
する液体としては、アクリロキシ基もしくはメタクリロ
キシ基を含有する有機ケイ素化合物の粗反応液などを挙
げることができる。
【0015】本発明の製造方法によって製造(蒸留、精
製)されるアクリロキシ基もしくはメタクリロキシ基を
含有する有機ケイ素化合物は、具体的には、γ−アクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシ
プロピルモノメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキ
シプロピルジメチルモノメトキシシラン、γ−アクリロ
キシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプ
ロピルモノエチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシ
プロピルジエチルモノエトキシシラン、
【0016】γ−アクリロキシプロピルトリクロロシシ
ラン、γ−アクリロキシプロピルモノメチルジクロロシ
シラン、γ−アクリロキシプロピルジメチルクロロシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルモノエチルジクロロシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルジエチルクロロシラン、
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
メタクリロキシプロピルモノメチルジメトキシシラン、
γ−メタクリロキシプロピルジメチルモノメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、
【0017】γ−メタクリロキシプロピルモノエチルジ
エトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリクロ
ロシラン、γ−メタクリロキシプロピルモノメチルジク
ロロシラン、γ−メタクリロキシプロピルジメチルクロ
ロシラン、γ−メタクリロキシプロピルモノエチルジク
ロロシラン、γ−メタクリロキシプロピルジエチルクロ
ロシランおよびγ−メタクリロキシプロピルジエチルモ
ノエトキシシラン等を挙げることができる。
【0018】ヒンダードフェノール化合物としては、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール
を挙げることができ、芳香族アミン化合物としては、
N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミンやN−
フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミ
ンなどを挙げることができ、芳香族硫黄化合物としては
フェノチアジンを挙げることができる。
【0019】ジアルキルジチオカルバミン酸銅として
は、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカ
ルバミン酸銅、ジ−n−プロピルジチオカルバミン酸
銅、ジイソプロピルジチオカルバミン酸銅、およびジ−
n−ブチルジチオカルバミン酸銅などを挙げることがで
き、りん含有化合物としては、トリフェニルホスファイ
トを挙げることができる。
【0020】蒸留仕込み液に、芳香族アミン化合物およ
び芳香族硫黄化合物から選ばれた1種以上、ヒンダード
フェノール化合物、ジアルキルジチオカルバミン酸銅、
およびりん含有化合物を添加することは、重合防止効果
を向上させる点で有効であり、蒸留塔からの芳香族アミ
ン化合物または芳香族硫黄化合物の供給は、より重合防
止効果を高めるために有効である。
【0021】本発明において、芳香族アミン化合物およ
び芳香族硫黄化合物から選ばれた1種以上、ヒンダード
フェノール化合物、ジアルキルジチオカルバミン酸銅、
および、りん含有化合物の蒸留仕込み液への添加割合
は、蒸留仕込み液100重量部に対してそれぞれ0.0
01〜10重量部の範囲であることが好ましく、より好
ましくは0.01〜5重量部の範囲である。
【0022】蒸留塔より供給される、芳香族アミン化合
物および芳香族硫黄化合物から選ばれた1種以上とアク
リロキシ基もしくはメタクリロキシ基を含有する有機ケ
イ素化合物との混合液における、芳香族アミン化合物ま
たは芳香族硫黄化合物の混合割合は、アクリロキシ基も
しくはメタクリロキシ基を含有する有機ケイ素化合物1
00重量部に対して0.1〜10重量部の範囲であるこ
とが好ましく、より好ましくは1〜7重量部の範囲であ
る。
【0023】蒸留塔から供給される混合溶液の供給部位
は、蒸留塔の上部、中部あるいは下部などが挙げられる
が、蒸留塔の上部であるほうが好ましい。
【0024】本発明に使用する酸素を含有する不活性気
体に含まれる酸素の含有割合は、安全性の観点から一般
に低いことが好ましく、不活性気体容量に対し1〜2容
量%の範囲であることが好ましい。
【0025】該不活性気体とは、具体的に、窒素、ヘリ
ウム、アルゴンなどを挙げることができる。
【0026】また、シラン化合物の加水分解防止、収率
低下防止の観点から、本発明に使用する酸素を含有する
不活性気体に含まれる水分は、1000ppm以下であ
ることが好ましい。
【0027】
【実施例】実施例および比較例により本発明を更に具体
的に説明する。 実施例1 還流冷却器、温度計、キャピラリー、5mm×5mmの
SUS316製ヘリパックパッキングを内部に有する、
内径50mmのSUS316製蒸留塔、および5リット
ルのSUS316製蒸留釜を備えた減圧蒸留装置を使用
した。予め、蒸留仕込み液として、γ−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシランを主成物とする粗反応液
(該粗反応液100重量部中、2,6−ジ−tert−
ブチル−4−メチルフェノールを0.1重量部の割合で
含有し、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ンを96.5重量部含有する。)を2490g、重合防
止剤としてN,N’−ジフェニル−p−フェニレンジア
ミン、およびジメチルジチオカルバミン酸銅を各5.0
g(該蒸留仕込み液100重量部対して0.2重量部の
割合)とトリフェニルホスファイトを1.2g(該蒸留
仕込み液100重量部に対して0.05重量部の割合)
を蒸留釜に仕込み、次いで、該蒸留仕込み液に酸素を1
容量%含有する窒素をキャピラリーより吹き込み、蒸留
塔の上部より、フェノチアジンをγ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン100重量部に対して0.2
重量部の割合で添加した混合液120mlを約7ml/
hr(該蒸留仕込み液100重量部に対して0.1重量
部に相当するフェノチアジン)で供給しながら17.5
時間かけて、117℃、0.03kPaの条件で蒸留し
た。蒸留終了後、蒸留釜内の残留液を抜き出した後、装
置内の洗浄を行った。その結果、無色透明(ハーゼン色
数10以下)で純度99重量%以上のγ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン2238g(蒸留収率8
9.6%)を得た。装置内に重合物は生成しておらず、
蒸留釜残の粘度は、使用した粗反応液の2.3cStに
対して8.6cStであった。
【0028】実施例2 実施例1に準じた蒸留操作を、61.5時間かけて3回
繰り返した。但し、その間蒸留装置の洗浄は行わなかっ
た。その結果、無色透明(ハーゼン色数10以下)で純
度99重量%以上のγ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシランを蒸留収率90.0%で得た。装置内に重
合物は生成しておらず、蒸留釜残の粘度は粗反応液の
2.3cStに対して10.5cStであった。
【0029】比較例1 還流冷却器、温度計、キャピラリー、5mm×5mmの
ガラス製ラシヒリングを内部に有する、内径40mmの
ガラス製蒸留塔、および1リットルのガラス製蒸留釜を
備えた減圧蒸留装置を使用した。予め、蒸留仕込み液と
して、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
を主成物とする粗反応液(該粗反応液100重量部中、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール
を0.1重量部の割合で含有し、γ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシランを96.0重量部含有す
る。)を800g、重合防止剤としてN−ニトロソフェ
ニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩(該蒸留仕込み
液100重量部対して0.2重量部の割合)を蒸留釜に
仕込み、次いで、該蒸留仕込み液に酸素を1容量%含有
する窒素をキャピラリーより吹き込み、7時間かけて1
17℃、0.03kPaで蒸留した。その結果、純度9
9重量%以上のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシランを蒸留収率62.7%で得たが、黄色の着色が
あり、ハーゼン色数500であった。蒸留釜壁面にゲル
化物が発生し、蒸留釜残の粘度は粗反応液の2.6cS
tに対して15.7cStであった。
【0030】比較例2 重合防止剤としてN,N’−ジフェニル−p−フェニレ
ンジアミンの蒸留仕込み液への添加割合を、蒸留仕込み
液100重量部に対して0.5重量部とし、ジメチルジ
チオカルバミン酸銅を使用しなかったこと以外は、実施
例1に準じて蒸留を行った。その結果、蒸留収率55.
1%のところで蒸留釜内の液がゲル化した。得られたγ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランは、無色
透明(ハーゼン色数10以下)で純度99重量%以上で
あった。
【0031】比較例3 重合防止剤としてN,N’−ジフェニル−p−フェニレ
ンジアミンのかわりにフェノチアジンを、蒸留仕込み液
100重量部に対して1重量部の割合で添加し、ジメチ
ルジチオカルバミン酸銅を使用せず、蒸留塔の塔頂から
のフェノチアジンの供給を行わなかった以外は、実施例
1に準じて蒸留操作を行った。この結果、低沸成分を留
去したところで釜液がゲル化し、γ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシランを単離することはできなかっ
た。
【0032】
【発明の効果】本発明の蒸留精製方法であれば、蒸留釜
と蒸留塔とを備えた工業的規模の蒸留工程において、留
出物が着色することなく、安定して精製されたアクリロ
キシ基もしくはメタクリロキシ基を含有する有機ケイ素
化合物を製造することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H049 VN01 VP01 VQ30 VR21 VR43 VT04 VT27 VT33 VT40 VT48 VT50 VT51 VT52 VU22 VV22 VW02 VW05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも蒸留塔と蒸留釜とを有する蒸留
    装置を用いて、下記一般式(I)に示される精製された
    アクリロキシ基もしくはメタクリロキシ基含有有機ケイ
    素化合物を製造する方法において、蒸留塔より、芳香族
    アミン化合物および芳香族硫黄化合物から選ばれた1種
    以上と、一般式(I)で示されるアクリロキシ基もしく
    はメタクリロキシ基を含有する精製された有機ケイ素化
    合物との混合溶液を蒸留塔内に供給し、芳香族アミン化
    合物または芳香族硫黄化合物から選ばれた1種以上と、
    ヒンダードフェノール化合物、ジアルキルジチオカルバ
    ミン酸銅、りん含有化合物、および一般式(I)で示さ
    れるアクリロキシ基もしくはメタクリロキシ基を含有す
    る有機ケイ素化合物の粗反応液を蒸留釜に入れ、酸素を
    含有する不活性気体の雰囲気下蒸留することを特徴とす
    る精製されたアクリロキシ基もしくはメタクリロキシ基
    含有有機ケイ素化合物の製造方法。 (式中、nは0〜2のであり、R1はメチル基またはエ
    チル基であり、R2はメトキシ基またはエトキシ基また
    は塩素である。R3は水素またはメチル基である。)
  2. 【請求項2】酸素を含有する不活性気体に含まれる酸素
    の割合が、該不活性気体容量に対し1〜2容量%の範囲
    である請求項1記載の精製されたアクリロキシ基もしく
    はメタクリロキシ基を含有する有機ケイ素化合物の製造
    方法。
  3. 【請求項3】ヒンダードフェノール化合物が2,6−ジ
    −tert−ブチル−4−メチルフェノールであり、芳
    香族アミン化合物がN,N’−ジフェニル−p−フェニ
    レンジアミンであり、芳香族硫黄化合物がフェノチアジ
    ンであり、ジアルキルジチオカルバミン酸銅がジメチル
    ジチオカルバミン酸銅であり、りん含有化合物がトリフ
    ェニルホスファイトである請求項1記載の精製されたア
    クリロキシ基もしくはメタクリロキシ基を含有する有機
    ケイ素化合物の製造方法。
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