JP2001302326A - 珪酸カルシウム成形体およびその製造方法 - Google Patents

珪酸カルシウム成形体およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直貼り工法を採用しても亀裂や反りを生じる
ことがなく、ハンドリング性に優れ、外装材として使用
しても遜色のない曲げ強度を保持することが可能な珪酸
カルシウム成形体と、その製造方法の提供。 【解決手段】 トバモライトおよび/またはゾノトライ
ト質マトリクス中にアラゴナイトおよび補強有機繊維を
含有し、650℃強熱減量が12質量%以下であり、か
つ吸水寸法変化率が0.08%以下である成形体。この
成形体は、(a)ブレーン比表面積3000cm2/g
〜4000cm2/g、粒子径2〜50μm、最大粒子
径と最小粒子径の差20μm以内である珪石および/ま
たは珪砂と、(b)スラグウールを珪酸質原料として使
用し、スラリーを調製し、抄造法により板状に成形し、
オートクレーブ養生硬化して得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築用の内、外装
材として広く使用されている珪酸カルシウム成形体およ
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】珪酸カルシウム成形体は、石灰質原料、
珪酸質原料、補強繊維、骨材、充填材などを水と混合
し、所望の形状に成形しオートクレーブ養生により硬化
させ製造されており、寸法安定性に優れることから建築
用内・外装材として多用されてきた。従来からの施工方
法としては、軽量鉄骨にビス止めする方法や木質の野縁
材に釘などで止める方法が挙げられるが、最近では石
膏、セメントを主体とするペースト状の接合剤をダンゴ
状に用いて壁面に接着する直貼り工法が多用され始めて
いる。直貼り工法は壁面からの出面を最小限に抑えられ
るほか、施工が容易で省力化および工期の短縮を図れる
というメリットを有する施工法である。しかし従来の珪
酸カルシウム成形体をそのまま使用すると、接合剤に含
まれる水分により、成形体の表面と裏面の収縮の度合が
異なり、施工後に亀裂や反り、たわみ等の変形を生じ、
これを防止するために成形体裏面にシーラーまたは撥水
剤等を塗布した場合、壁面との接着力が不足するほか
に、余計な手間とコストがかかり直貼り工法のメリット
が半減する。
【0003】これらの解決策としては珪酸カルシウム板
の寸法安定性を従来品よりも更に向上させる必要があ
り、珪酸カルシウム成形体の寸法変化率を低減する方法
としては繊維状ワラストナイトを充填材として添加する
ことが行われている。また、特開平10−59761号
公報には多量の繊維状ワラストナイトに加え更にII型無
水石膏を含有させる方法が開示されている。なお、この
従来技術はII型無水石膏を全く含有しない本発明とは異
なったものである。また特開平2−97444号公報に
は、多量の炭酸カルシウムを添加することにより無機質
硬化体の加熱残存収縮率低減する方法が開示されている
が、炭酸カルシウムはカルサイトを主体としていること
から、針状アラゴナイトと異なりアスペクト比が著しく
低いため、珪酸カルシウム成形体に添加した場合は寸法
変化率の低減効果は得られない。更に特開平11−29
2605号公報には、二水石膏およびエトリンガイトを
主成分とするマトリクスにおいて、ワラストナイトおよ
び特公平1−16786号公報に開示されているような
水熱反応によって合成された球状の二次粒子からなる珪
酸カルシウム水和物を添加することによる寸法変化率の
低減方法が開示されているが、この方法はワラストナイ
トの添加および24時間〜72時間もの長時間にわたる
蒸気養生によって寸法変化率の低減を図るもので、本発
明による技術とは異なるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、直貼り工法を採用しても亀裂や反りを生じることが
なく、ハンドリング性に優れ、外装材として使用しても
遜色のない曲げ強度を保持することが可能な珪酸カルシ
ウム成形体と、および該成形体を抄造法により効率よく
製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述の課題
を解決すべく鋭意検討を行った結果、珪酸カルシウム成
形体中にアラゴナイトおよび補強有機繊維を含有し、6
50℃強熱減量を12質量%以下に調整し、吸水寸法変
化率を0.08%以下に低減することによって前記課題
を解決できることを見出し、本発明を完成することがで
きた。すなわち本発明はトバモライトおよび/またはゾ
ノトライト質マトリクスからなる珪酸カルシウム成形体
中にアラゴナイトおよび補強有機繊維を含有し、650
℃強熱減量が12質量%以下で吸水寸法変化率が0.0
8%以下であることを特徴とする珪酸カルシウム成形体
を提供するものであり、650℃強熱減量を12質量%
以下とすることによって、充填材として使用されるアラ
ゴナイトの添加量を最小限に抑え吸水寸法変化率を0.
08%以下に低減しながらも、曲げ強度を外装材として
の製品設計上の強度の許容限度内とした珪酸カルシウム
板を得るものである。また本発明は、補強有機繊維がパ
ルプ繊維であることを特徴とする前記珪酸カルシウム成
形体を提供するものであり、好ましくはパルプ繊維は叩
解してろ水度を100ml〜350mlに調整すること
によって成形体の補強効果が増加するものである。また
本発明は、アラゴナイトの配合量が1〜40質量%、好
ましくは25〜35質量%であることを特徴とする前記
珪酸カルシウム成形体を提供するものであり、アラゴナ
イトの添加により珪酸カルシウム成形体の寸法変化率を
効率よく低減できるものである。また本発明は、珪酸質
原料、石灰質原料、アラゴナイト、補強有機繊維、水お
よび必要に応じて助剤を含有する混合分散スラリーを、
抄造法により板状に成形し、オートクレーブ養生するこ
とによって硬化することを特徴とする前記珪酸カルシウ
ム成形体の製造方法を提供するものであり、抄造性や生
産性の低下を生じることなく、外装材としても使用可能
で直貼り工法に適した珪酸カルシウム成形体を効率よく
製造するものである。また本発明は、珪酸質原料、石灰
質原料、アラゴナイト、補強有機繊維、予め合成された
ゾノトライト結晶、水および必要に応じて助剤を含有す
る混合分散スラリーを、抄造法により板状に成形し、オ
ートクレーブ養生硬化することを特徴とする前記珪酸カ
ルシウム成形体を製造する方法を提供するものであり、
抄造性や生産性の低下を生じることなく、外装材として
も使用可能で直貼り工法に適した珪酸カルシウム成形体
を効率よく製造するものである。また本発明は、珪酸質
原料が、(a)ブレーン比表面積3000cm2/g〜
4000cm2/gで粒子径が2〜50μmの範囲内に
あり、なおかつ最大粒子径と最小粒子径の差を20μm
以内に調整した珪石および珪砂から選択された少なくと
も1種以上と、(b)スラグウールであることを特徴と
する前記珪酸カルシウム成形体の製造方法を提供するも
のであり、珪酸質原料を上述のように調整することによ
って、高強度で低寸法変化率の珪酸カルシウム板を効率
よく製造するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。本発明はJIS A 5430で測定される寸法変
化率を0.08%以下まで低減し、直貼り工法を採用し
ても亀裂や反りを生じることなく、また曲げ強度を外装
材としての製品設計上の強度の許容限度内とすることを
特徴とした珪酸カルシウム成形体を提供するものであ
る。なお、JIS A 5430で測定される寸法変化
率とは、乾燥した試験体を水中浸漬することによって生
じる吸水による長さ変化率のことであり、前述の加熱残
存収縮率とは異なる特性である。本発明におけるトバモ
ライトおよび/またはゾノトライト質マトリクスとは、
トバモライトの単独質、またはトバモライトとゾノトラ
イトの混合質を意味する。トバモライトとゾノトライト
の混合質マトリクスは、予め合成されたゾノトライト結
晶の二次凝集体からなる球状粒子を珪酸質原料、石灰質
原料、水及び必要に応じて助剤からなるスラリーに添加
し、オートクレーブ養生することにより得ることができ
る。
【0007】なお、ゾノトライト結晶の二次凝集体は以
下の方法によって合成することができる。石灰質原料と
珪酸質原料をCa/(Si+Al)モル比で0.8〜
1.1として水中に分散し、固形分濃度を5〜15質量
%に調整したスラリー状態で撹拌しながら190〜22
0℃のオートクレーブ中で3〜15時間水熱反応させる
ことによって得られる。但しCa/(Si+Al)モル
比が上述の範囲を外れる場合は未反応の石灰質原料また
は珪酸質原料が多く含まれるものとなり、成形体の強度
低下や寸法変化率の増大を生じる。また石灰質原料と珪
酸質原料からなるスラリーの濃度が15質量%を越えた
場合はゾノトライト結晶が微細化し、成形性および生産
性が損なわれる。更に水熱反応の際の合成温度が190
℃を下回った場合、または合成時間が3時間未満の場合
は得られるゾノトライトの結晶化度が低く、成形体の寸
法安定性が損なわれる。上述のようにして合成されたゾ
ノトライト結晶の二次凝集体からなる球状粒子は嵩密度
の低減効果を有することから、その添加量を成形体の全
原料に対して10質量%以内とすることが好ましく、こ
れを越えて添加した場合は抄造性および生産効率が損な
われる他、外装材として使用しても遜色のない曲げ強度
を保持することができなくなる。
【0008】本発明において使用されるアラゴナイトは
通常の炭酸カルシウムと異なり、高アスペクト比の針状
結晶であることから、炭酸カルシウムよりも遙かに優れ
た寸法変化率低減効果を有し、少ない添加量で効率よく
成形体の寸法変化率を低減することが可能である。本発
明で用いるアラゴナイトもCaを含む原料であるが、オ
ートクレーブ養生における珪酸カルシウム水和物の生成
反応にはほとんど関与しないため、前記モル比の石灰質
原料(Ca)には該当しない。またワラストナイトと比
べてもアスペクト比のバラツキが少なく、ワラストナイ
トよりも優れた寸法変化率低減効果を有し、なおかつ珪
酸カルシウム成形体の曲げ強度や寸法変化率のバラツキ
を低く抑えることが可能である。但しその添加量は、珪
酸カルシウム成形体の全原料に対して1〜40質量%、
好ましくは25〜35質量%であるのがよい。添加量が
1質量%を下回る場合は寸法変化率低減効果が損なわ
れ、40質量%を上回る場合は成形体の曲げ強度が外装
材としての製品設計上の強度の許容限度から外れてしま
う恐れがある。なお、アスペクト比とは針状結晶の長さ
と幅の比率を表したものであり、アスペクト比が3以上
のものを繊維状または針状という。本発明で使用される
アラゴナイトは20〜30のアスペクト比を有するもの
がよい。
【0009】また、本発明でいう強熱減量とは、成形体
を電気炉内で650℃、3時間加熱したときの質量減少
率であり、以下の式で表される。
【0010】
【数1】
【0011】本発明において珪酸カルシウム成形体の強
熱減量を12質量%以下に調整することによって、曲げ
強度を外装材としての製品設計上の強度の許容限度内と
しながらも寸法変化率を0.08%以下に低減すること
が可能である。強熱減量が12質量%を上回る場合は寸
法変化率の増大を生じる。
【0012】本発明において使用される補強有機繊維
は、珪酸カルシウム成形体に通常使用されるものを利用
することができ、とくに限定するものではないが、中で
もパルプ繊維が好ましい。この場合、パルプ繊維はJI
S P 8121に規定されるカナダ標準型ろ水度試験
方法で測定したろ水度を100〜350mlに調整した
ものが好ましい。ろ水度が100mlを下回った場合は
原料スラリーのろ水性低下により抄造効率が損なわれ、
350mlを越えた場合は粉体抱落性の低下により最終
的に得られる珪酸カルシウム成形体の層間密着性が低下
する。なお、補強有機繊維の添加量は適宜決定すればよ
いが、得られる珪酸カルシウム成形体の強熱減量を12
質量%以下とするためには、例えばパルプ繊維を使用す
る場合、その添加量は、珪酸カルシウム成形体の全原料
に対して2〜5質量%以内に調整するのがよい。このと
きパルプ繊維の添加量が2%を下回ると成形体の曲げ強
度発現性が低下し、添加量が5%を上回った場合は寸法
変化率が増大し、直貼り工法を採用した際に亀裂や反り
が発生する恐れがある。
【0013】本発明の珪酸カルシウム成形体は、珪酸質
原料、石灰質原料、アラゴナイト、補強有機繊維、水お
よび必要に応じて助剤を含有する混合分散スラリーを、
抄造法により板状に成形し、オートクレーブ養生硬化す
ることにより得ることができる。このとき、本発明の珪
酸カルシウム成形体は、トバモライトおよび/またはゾ
ノトライト質マトリクス中にアラゴナイトおよび補強有
機繊維を含有し、650℃強熱減量が12質量%以下で
あり、かつ吸水寸法変化率が0.08%以下でなければ
ならないのは前述したとおりある。珪酸質原料、石灰質
原料、補強有機繊維、助剤の種類は、適宜決定すればよ
い。
【0014】なお本発明において、珪酸質原料として珪
石および/または珪砂、さらにスラグウールを用いるの
が好ましい。その際、珪石および/または珪砂は粉末度
と粒子経の分布を以下のように調整したものを使用する
のがよい。粉末度はJIS R 5201に基づいて測
定したブレーン比表面積が3000〜4000cm2
gで、その際粒子径が2〜50μmの範囲内にあり、な
おかつ最大粒子径と最小粒子径の差を20μm以内に調
整したものである。すなわち通常ブレーン比表面積を3
000〜4000cm2/gとした珪石または珪砂の粒
子径は1〜100μm程度の広範囲にわたって分布して
いるものであるが、これを分級操作して粒子径を2〜5
0μmの範囲としながらもなおかつ最大粒子径と最小粒
子径の差を20μm以内に調整したものである。このよ
うな珪石または珪砂は、通常の分級操作により得ること
ができ、例えばブレーン比表面積3000cm2/gで
粒子径が1〜100μmにわたって分布している珪砂に
ついて分級操作を行い、30μmを超える粒子径を有し
たものと、10μmを下回る粒子径を有したものを取り
除くことによってブレーン比表面積に差異を生じること
なく粒子径の分布幅を狭めることができる。また、ブレ
ーン比表面積4000cm2/gの珪砂についても同様
に25μmを超える粒子径を有したものと、5μmを下
回る粒子径を有したものを取り除くことによってブレー
ン比表面積に差異を生じることなく粒子径の分布幅を狭
めることができる。このように粒子径の分布幅を極端に
狭めた珪石および/または珪砂を使用することによっ
て、強度発現性に優れしかも寸法変化率の低い珪酸カル
シウム成形体を製造することが可能となる。
【0015】但し上述のように使用する珪石または珪砂
の粒子径を極端に狭めた場合でも、ブレーン比表面積が
3000cm2/gを下回ったものは得られる成形体の
曲げ強度を損ない、またブレーン比表面積が4000c
2/gを上回ったものは成形体の寸法変化率が増大す
る。さらにブレーン比表面積が3000〜4000cm
2/gの範囲内であっても粒子径の分布幅が2〜50μ
mよりも広いもの、または最大粒子径と最小粒子径の幅
が20μmを越えるのを使用した場合は十分な強度発現
性と寸法変化率の低減効果を得ることができない。また
粒子径の分布が2μmを下回るものは寸法変化率の低減
効果が損なわれ、50μmを上回るものについては強度
の発現性に欠ける。なお、珪酸カルシウム成形体におい
て、珪酸質原料として使用される珪石または珪砂の粉末
度を上昇することによって成形体の曲げ強度の増加を図
ることが可能であるが、このとき同時に寸法変化率の増
大を生じ、粉末度を低下した場合は成形体の寸法変化率
低減を図ることが可能となるが、同時に曲げ強度の発現
性を損なう。従って成形体の曲げ強度増加と寸法変化率
低減の両立を図り、直貼り工法に適した外装材としても
使用可能な珪酸カルシウム成形体を得るためには、上述
のように粉末度と粒子経の分布を調整した珪石および/
または珪砂を使用するのがよい。
【0016】また本発明に使用されるスラグウールは、
JIS A 9504に規定されるものであれば特に制
限されるものではない。またその添加量は寸法変化率が
0.08%以下の珪酸カルシウム成形体を効率よく得る
ことを考慮すると、該成形体の全原料に対して30質量
%以内とすることが好ましく、より良好な抄造性を得る
ためにさらに好ましい添加量は5〜15質量%である。
添加量が30質量%を越えた場合は最終的に得られる成
形体の強度が損なわれる。
【0017】さらに石灰質原料としてはセメント、消石
灰あるいは生石灰が用いられ、これらを単独または併用
して使用することができるが、上述の珪酸質原料との比
率はCaO/(Si+Al)モル比で0.4〜1.2、
さらに好ましくは0.6〜1.0の範囲内とし、この範
囲が最終的に得られる珪酸カルシウム成形体の曲げ強度
を一層高めることができる。
【0018】本発明による珪酸カルシウム成形体は抄造
法によって所望の形状に成形し、得られた成形体を好ま
しくは140〜200℃、さらに好ましくは170〜1
90℃の飽和水蒸気圧下のオートクレーブ内で3〜10
時間、好ましくは5〜8時間養生することによって得ら
れる。3時間未満であると成形体強度が低下し、また寸
法変化率が大きくなる。但し養生温度が140℃を下回
ると最終的に得られる成形体の寸法変化率が増大し、2
00℃を越えた場合は成形体が脆弱化し、強度にバラツ
キを生じる。このようにして製造された珪酸カルシウム
成形体はJIS A 5430に基づいて測定される寸
法変化率を0.08%以下に低減しながらも外装材とし
て使用しても遜色のない曲げ強度を保持することが可能
である。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により説
明する。 (実施例1〜8)予め合成されたゾノトライト結晶の二
次凝集体からなる球状粒子とその他原料を表1に示した
割合で秤量し、水中に分散して固形分濃度を10%に調
整した混合分散スラリーを抄造法により幅90cm、長
さ180cm、厚さ6mmに成形した後、オートクレー
ブ内で180℃、6時間の水熱養生を行うことにより珪
酸カルシウム成形体を得た。なお、ゾノトライト結晶の
二次凝集体からなる球状粒子は以下の方法で合成したも
のを使用した。出発原料は石灰質原料としてCaO分9
3%、149μm篩残分が6%以下の生石灰、珪酸質原
料としてSiO2分が98%、63μm篩全通の粒度を
有する珪砂を使用し、両者の混合比率をCa/(Si+
Al)モル比で1.0に調整した。次いでこの粉体原料
に水を加え、固形分濃度を5%としたスラリーを周速8
0m/分で攪拌しながら200℃のオートクレーブ中で
6時間水熱反応させた。このようにして得られたゾノト
ライト結晶は二次凝集体からなる平均粒径100μmの
球状粒子であった。上述のようにして得られた成形体に
ついて、以下の試験を実施し、結果を表1に示した。 (i)強熱減量は10cm×10cmに切断した成形体
を105℃恒量となるまで乾燥した後、電気炉内で65
0℃−3時間加熱することによって測定した。 (ii)曲げ強度はJIS A 1408に準拠し、試験
体の大きさを3号(50×40cm)として測定した。 (iii)寸法変化率はJIS A 5430に基づいて
測定した。 (iv)施工試験として、石膏系のペースト状接合剤(吉
野石膏(株)製GLボンド)により珪酸カルシウム成形
体をコンクリート壁面に接着し、経時に伴う外観変化を
目視観察した。
【0020】
【表1】
【0021】表1から判るとおり、本発明により寸法変
化率を0.08%以下に低減した珪酸カルシウム成形体
は、直貼り工法を採用しても何ら問題を生じるものでは
なかった。またアスペクト比20〜30のアラゴナイト
を使用することによって寸法変化率が効率よく低減さ
れ、II型無水石膏または多量のワラストナイトを含有し
た珪酸カルシウム成型体に比べて曲げ強度が高く、外装
材としての製品設計上の強度の許容限度内とすることが
可能であった。
【0022】(比較例1〜8)表2に示した配合割合に
従い、実施例と同様にして珪酸カルシウム成形体を得た
後、実施例と同様の試験を行った。表2に示した結果の
とおり、寸法変化率が0.08%を超えるものは直貼り
工法で施工した場合に、亀裂や反り、たわみ等の変形を
生じた。充填材としてワラストナイトを使用したものは
アラゴナイトを使用したものに比べて寸法変化率が大き
く、多量のワラストナイトまたはII型無水石膏を含有す
ることによって寸法変化率を0.08%以下に低減した
場合は曲げ強度が著しく低下した。また充填材として炭
酸カルシウムを使用したものは寸法変化率の低減が認め
られなかったほかに曲げ強度が著しく低下した。さらに
最大粒子径と最小粒子径の幅が20μmを超える珪砂を
使用した場合、ブレーン比表面積の上昇に伴う曲げ強度
の増加と寸法変化率の増大が認められた。また粒子径の
分布幅が20μm以内であってもブレーン比表面積が3
000cm2/gを下回ったものは曲げ強度が低く、ブ
レーン比表面積が4000cm2/gを上回ったものは
寸法変化率が増大した。
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、直貼り工法を採用して
も亀裂や反りを生じることがなく、ハンドリング性に優
れ、外装材として使用しても遜色のない曲げ強度を保持
することが可能な珪酸カルシウム成形体と、および該成
形体を抄造法により効率よく製造する方法が提供され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大澤 光春 茨城県石岡市大字柏原6番1号 株式会社 建材テクノ研究所内 Fターム(参考) 4G012 PA03 PA04 PA10 PA18 PA22 PA24 PE04 PE06 PE08 4G052 GA05 GA11 GA12 GA25 GB81 GC08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トバモライトおよび/またはゾノトライ
    ト質マトリクス中にアラゴナイトおよび補強有機繊維を
    含有し、650℃強熱減量が12質量%以下であり、か
    つ吸水寸法変化率が0.08%以下であることを特徴と
    する珪酸カルシウム成形体。
  2. 【請求項2】 補強有機繊維がパルプ繊維であることを
    特徴とする請求項1に記載の珪酸カルシウム成形体。
  3. 【請求項3】 アラゴナイトの配合量が1〜40質量%
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の珪酸
    カルシウム成形体
  4. 【請求項4】 珪酸質原料、石灰質原料、アラゴナイ
    ト、補強有機繊維、水および必要に応じて助剤を含有す
    る混合分散スラリーを、抄造法により板状に成形し、オ
    ートクレーブ養生硬化することを特徴とする請求項1な
    いし3のいずれか1項に記載の珪酸カルシウム成形体を
    製造する方法。
  5. 【請求項5】 珪酸質原料、石灰質原料、アラゴナイ
    ト、補強有機繊維、予め合成されたゾノトライト結晶、
    水および必要に応じて助剤を含有する混合分散スラリー
    を、抄造法により板状に成形し、オートクレーブ養生硬
    化することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1
    項に記載の珪酸カルシウム成形体を製造する方法。
  6. 【請求項6】 珪酸質原料が、(a)ブレーン比表面積
    3000cm2/g〜4000cm2/gで粒子径が2〜
    50μmの範囲内にあり、なおかつ最大粒子径と最小粒
    子径の差を20μm以内に調整した珪石および珪砂から
    選択された少なくとも1種以上と、(b)スラグウール
    であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
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