JP2003104769A - ケイ酸カルシウム材およびその製造方法 - Google Patents
ケイ酸カルシウム材およびその製造方法Info
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Abstract
トンネル構造物の内装材として有用であるとともに、耐
火性、断熱性、加熱残存収縮率等に優れるケイ酸カルシ
ウム材およびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 ケイ酸カルシウム水和物からなるマトリ
ックスと繊維とを含有してなるケイ酸カルシウム材にお
いて、前記ケイ酸カルシウム水和物は、トバモライトと
ゾノトライトとからなるとともに、前記ゾノトライトの
(001)面のX線回折強度と前記トバモライトの(0
02)面のX線回折強度との比が、前者/後者として
0.3〜5.0であり、前記繊維は、前記ケイ酸カルシ
ウム材に対して20〜60質量%の範囲の針状ワラスト
ナイトおよび1〜10質量%の範囲のセルロースパルプ
を含有することにより、1200℃における加熱残存収
縮率が5%以下であるケイ酸カルシウム材およびその製
造方法。
Description
材およびその製造方法に関するものであり、さらに詳し
くは、自動車用トンネル、鉄道用トンネル等の各種トン
ネル構造物の耐火被覆材として有用であるとともに、耐
火性、断熱性、加熱残存収縮率等に優れるケイ酸カルシ
ウム材およびその製造方法に関するものである。
用トンネル、自動車用等の各種トンネル内部の火災時
は、雰囲気温度が1000℃以上の高温になり、とくに
天井部は熱や炎によって大きな負荷がかかり、該構造物
を構成するコンクリートの爆裂や落下の危険性がある。
そこで従来、トンネル構造物を火災から保護するために
その内側表面の一部、例えば天井部に耐火用の内装材が
設置されている。このような内装材としては、ケイ酸カ
ルシウムを原料としたものが幾つか提案されている(例
えば特開平11−294098号公報、特開2001−
207793号公報等)。
ケイ酸カルシウムを原料とした耐火用の内装材は、いま
だ耐火性および断熱性に満足のいくものではない。した
がって、本発明の目的は、自動車用トンネル、鉄道用ト
ンネル等の各種トンネル構造物の内装材として有用であ
るとともに、耐火性、断熱性、加熱残存収縮率等に優れ
るケイ酸カルシウム材およびその製造方法を提供するこ
とにある。
ウム水和物からなるマトリックスと繊維とを含有してな
るケイ酸カルシウム材において、前記ケイ酸カルシウム
水和物は、トバモライトとゾノトライトとからなるとと
もに、前記ゾノトライトの(001)面のX線回折強度
と前記トバモライトの(002)面のX線回折強度との
比が、前者/後者として0.3〜5.0であり、前記ケ
イ酸カルシウム材は、前記繊維として20〜60質量%
の範囲の針状ワラストナイトおよび1〜10質量%の範
囲のセルロースパルプを含有することにより、1200
℃における加熱残存収縮率が5%以下であることを特徴
とするケイ酸カルシウム材を提供するものである。
イカ粉、タルク粉、炭酸カルシウム粉、ドロマイト粉お
よびワラストナイト粉からなる群から選択される少なく
とも1種の充填材を30質量%以下の範囲で含有してな
る前記のケイ酸カルシウム材を提供するものである。
/またはセルロースパルプの一部を、ガラス繊維、耐ア
ルカリガラス繊維、炭素繊維、炭化珪素繊維、アクリル
繊維、ポリプロピレン繊維、レーヨン繊維、アラミド繊
維およびポリエチレンパルプからなる群から選択される
1種以上の繊維で置換してなる前記のケイ酸カルシウム
材を提供するものである。
料、繊維原料および水を混合し、原料スラリーを形成
し、前記原料スラリーを加熱養生し加圧脱水成形してケ
ーキを形成し、前記ケーキをオートクレーブ養生して硬
化させる工程を有するケイ酸カルシウム材の製造方法に
おいて、前記石灰質原料とケイ酸質原料のCaO/Si
O2のモル比を0.9〜1.1とし、前記繊維原料とし
て、前記ケイ酸カルシウム材に占める比率が20〜60
質量%の範囲の針状ワラストナイトおよび1〜10質量
%の範囲のセルロースパルプを使用し、前記加熱養生の
加熱温度は80〜100℃であり、前記加圧脱水成形に
おける圧力は2MPa〜10MPaであり、前記オート
クレーブ養生は温度が190〜210℃、かつ養生時間
が5時間〜15時間であることにより、ケイ酸カルシウ
ム水和物からなるマトリックスと繊維とを含有してなる
ケイ酸カルシウム材を形成し、ここで前記ケイ酸カルシ
ウム水和物は、トバモライトとゾノトライトとからなる
とともに、前記ゾノトライトの(001)面のX線回折
強度と前記トバモライトの(002)面のX線回折強度
との比が、前者/後者として0.3〜5.0であり、か
つ前記ケイ酸カルシウム材は、1200℃における加熱
残存収縮率が5%以下であることを特徴とするケイ酸カ
ルシウム材の製造方法を提供するものである。
ラリーの加熱養生後、かつ加圧脱水成形前に添加する前
記のケイ酸カルシウム材の製造方法を提供するものであ
る。
質ケイ酸と結晶質ケイ酸とを使用し、かつ前記非晶質ケ
イ酸と結晶質ケイ酸との質量比が、前者/後者として
0.1〜1.5である前記のケイ酸カルシウム材の製造
方法を提供するものである。
粉、タルク粉、炭酸カルシウム粉、ドロマイト粉および
ワラストナイト粉からなる群から選択される少なくとも
1種の充填材を、製造されるケイ酸カルシウム材に対し
て30質量%以下の範囲で含まれるように配合する前記
のケイ酸カルシウム材の製造方法を提供するものであ
る。
/またはセルロースパルプの一部を、ガラス繊維、耐ア
ルカリガラス繊維、炭素繊維、炭化珪素繊維、アクリル
繊維、ポリプロピレン繊維、レーヨン繊維、アラミド繊
維およびポリエチレンパルプからなる群から選択される
1種以上の繊維で置換してなる前記のケイ酸カルシウム
材の製造方法を提供するものである。
本発明のケイ酸カルシウム材は、ケイ酸カルシウム水和
物がトバモライトとゾノトライトとからなるとともに、
前記ゾノトライトの(001)面のX線回折強度と前記
トバモライトの(002)面のX線回折強度との比が、
前者/後者として0.3〜5.0、好ましくは0.8〜
4.0、さらに好ましくは0.8〜3.0であることを
一つの特徴としている。前記比が0.3未満であると加
熱残存収縮率が大きくなり、逆に5.0を超えると結晶
水量が減少するため吸熱効果が小さくなり耐火性および
断熱性に劣り、いずれも本発明の目的を達成することが
できない。なお、ここでいうゾノトライトの(001)
面のX線回折強度(Xoh)は、CuKα線を用いたと
きの2θ=12.5度付近の(001)回折線高さ読み
取り値を意味し、トバモライトの(002)面のX線回
折強度(Toh)は、CuKα線を用いたときの2θ=
7.8度付近の(002)回折線高さ読み取り値を意味
するものとする。
ストナイトおよびセルロースパルプを必須成分とする。
針状ワラストナイトは、ケイ酸カルシウム材に占める比
率が20〜60質量%であり、好ましくは30〜50質
量%、さらに好ましくは40〜50質量%である。また
セルロースパルプは、ケイ酸カルシウム材に占める比率
が1〜10質量%であり、好ましくは2〜10質量%、
さらに好ましくは3〜7質量%である。なお本発明でい
う繊維とは、アスペクト比(長さと径の比)が3以上の
ものを意味している。針状ワラストナイトが20質量%
未満であると、加熱残存収縮率が大きくなり、逆に60
質量%を超えるとマトリックスの相対的に減少し結晶水
量が減少するため吸熱効果が小さくなり耐火性および断
熱性に劣り、いずれも本発明の目的を達成することがで
きない。また、セルロースパルプが1質量%未満である
と、加圧脱水成形性が悪化し好ましくない。逆に10質
量%を超えると耐火性および断熱性ともに低下し好まし
くない。
0μm〜500μm、好ましくは50μm〜200μm
であるのがよい。またセルロースパルプは、針葉樹、広
葉樹の晒しパルプが好ましいが、未晒のものも使用可能
である。その他、綿、麻パルプ等も利用可能である。セ
ルロースパルプの濾水度は、JIS−P−8121のカ
ナダ標準濾水度(CSF)で100〜700ml、好ま
しくは200〜700mlがよい。100ml未満で
は、加圧脱水成形時の濾水性が悪化し、強度の低下をも
たらし好ましくない。逆に700mlを超えるとセルロ
ースパルプの分散不良のため強度が低下する。
トおよび/またはセルロースパルプの一部を、ガラス繊
維、耐アルカリガラス繊維、炭素繊維、炭化珪素繊維、
アクリル繊維、ポリプロピレン繊維、レーヨン繊維、ア
ラミド繊維およびポリエチレンパルプからなる群から選
択される1種以上の繊維で置換してもよい。これら置換
繊維が繊維原料全体に占める比率は、10質量%以下が
好ましい。
のような原料の他に、例えばマイカ粉、タルク粉、炭酸
カルシウム粉、ドロマイト粉およびワラストナイト粉か
らなる群から選択される少なくとも1種の充填材を含有
することもできる。これら充填材は、ケイ酸カルシウム
材に占める比率が30質量%以下の範囲であるのが好ま
しい。
法について説明する。本発明のケイ酸カルシウム材は、
石灰質原料、ケイ酸質原料、繊維原料および水を混合
し、原料スラリーを形成し、前記原料スラリーを加熱養
生し、加圧脱水成形して所望の形状のケーキを形成し、
前記ケーキをオートクレーブ養生して硬化させることに
より製造することができる。
灰を用いることができる。
晶質ケイ酸とを併用するのが好ましい。この場合、非晶
質ケイ酸と結晶質ケイ酸との質量比が、前者/後者とし
て0.1〜1.5であるのがよい。前記比が0.1未満
であると、ゾノトライトの生成量が減少し、逆に1.5
を超えるとトバモライトの生成量が減少する傾向にあ
る。
コンダスト、シリコンダスト、コロイダルシリカ、ホワ
イトカーボン等を利用することができる。なお、これら
非晶質ケイ酸は、不純物であるAl2O3が2質量%以
下、好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.5
質量%以下であるのがよい。結晶質ケイ酸としては、例
えば石英からなる粉末珪石、クリストバライト、トリジ
マイト等を利用することができる。結晶質石英は、不純
物であるAl2O3が2質量%以下、好ましくは1質量%
以下、さらに好ましくは0.5質量%以下であるのがよ
い。また、SiO2が90質量%以上、好ましくは95
質量%以上であるのがよい。さらにブレーン値が200
0〜11000cm2/g、好ましくは2000〜70
00cm2/g、さらに好ましくは3000〜7000
cm2/gであるのがよい。
aO/SiO2のモル比(C/S)は、0.9〜1.
1、好ましくは0.95〜1.05、さらに好ましくは
0.97〜1.03であるのがよい。該モル比が0.9
未満であると、ゾノトライトの生成量が少なくなる傾向
にあり、逆にモル比が1.1を超えるとトバモライトの
生成量が減少する傾向にある。
トナイトおよびセルロースパルプを使用し、必要に応じ
てその他の繊維原料、すなわちガラス繊維、耐アルカリ
ガラス繊維、炭素繊維、炭化珪素繊維、アクリル繊維、
ポリプロピレン繊維、レーヨン繊維、アラミド繊維、ポ
リエチレンパルプ等を用いることができる。
は、{水/(石灰質原料+ケイ酸質原料+充填材を使用
する場合は充填材+繊維原料)}が1.5〜5(質量
比)、好ましくは2〜4となるように配合するのがよ
い。該比が1.5未満であると加熱養生後の流動性が低
下し作業上好ましくなく、逆に5を超えると加圧脱水成
形時に巣穴や層状剥離等が生じ好ましくない。
生を施す。加熱養生の加熱温度は80〜100℃、好ま
しくは90〜95℃がよい。80℃未満ではゲル化反応
が不十分で成形性が悪化するので好ましくない、100
℃を超えると圧力容器が必要になるので好ましくない。
また加熱時間は0.5時間〜3時間が好ましい。この加
熱養生により原料スラリーがゲル化し、かさ比重の低い
ケイ酸カルシウム材を得ることができる。本発明では針
状ワラストナイトを配合しているので、かさ比重が高く
なる傾向にある。かさ比重が高くなると断熱性が低下し
好ましくないが、本発明では加熱養生する工程を設ける
ことにより、このかさ比重の増加を抑制することができ
る。また次の加圧脱水成形工程の脱水効率も向上するこ
とができる。なおこのゲル化反応は、石灰質原料と非晶
質ケイ酸と水とが反応し、非晶質または結晶度の低いゲ
ル状のCaO−SiO2−H2Oの系の反応生成物を生じ
る反応である。
括して加えてもよいが、繊維原料の一部をこの加熱養生
工程時に加えてもよい。これとは別に繊維原料の全部を
この加熱養生工程時に加えることもできる。
は、加圧脱水成形され、所望の形状の形のケーキに調製
される。加圧脱水成形は、圧力2MPa〜10MPaと
して行うのが好ましい。なお、加圧脱水成形は、公知の
モールドプレス脱水成形法、抄造法により得られたグリ
ーンシートをプレス脱水成形する方法等により行うこと
ができる。
生を施され硬化する。オートクレーブ養生は、温度が1
90〜210℃、好ましくは190〜200℃、時間が
5時間〜15時間であるのがよい。オートクレーブ養生
し、硬化したケイ酸カルシウム材に、例えば100〜2
00℃の温度で乾燥を施す。
カルシウム材は、ケイ酸カルシウム水和物からなるマト
リックスと繊維とを含有してなるものであり、ケイ酸カ
ルシウム水和物は、前記したように、ゾノトライトとト
バモライトとからなるとともに、前記ゾノトライトの
(001)面のX線回折強度と前記トバモライトの(0
02)面のX線回折強度との比が、前者/後者として
0.3〜5.0であり、かつ、1200℃における加熱
残存収縮率が5%以下である。加熱残存収縮率が5%を
超えると、高温に暴露されたとき亀裂等が生じ耐火性お
よび断熱性ともに悪化する。ここで1200℃における
加熱残存収縮率とは、ケイ酸カルシウム材から作製され
た試験片を、105℃で24時間乾燥させ、そのときの
長さをl0とし、1200℃で3時間加熱し室温まで冷
却したときの長さをl1としたときに、{(l0−l1)
/l0}×100(%)で定義される。
動車用トンネル、鉄道用トンネル等の各種トンネル構造
物の内装材(パネル)として利用する場合、そのサイズ
は例えば、縦1800〜3000mm×横900〜12
00mm×厚さ10〜50mmが例示される。
らに説明するが、本発明はこれらの例に限定されるもの
ではない。 実施例1 石灰質原料として消石灰、非晶質ケイ酸としてAl2O3
含量0.5質量%およびSiO298質量%のフェロシ
リコンダスト、結晶質ケイ酸としてAl2O3含量1質量
%、SiO2含量98質量%およびブレーン値3000
cm2/gの粉末珪石、繊維原料として平均繊維長さ約
100μm、アスペクト比約10の針状ワラストナイ
ト、CSF200mlの叩解セルロースパルプを用い、
下記表1に示す配合割合において原料スラリーを調製し
た。続いて原料スラリーを90℃、2時間加熱養生し、
続いて4MPaの圧力で加圧脱水成形してケーキを形成
し、このケーキを温度195℃、10時間オートクレー
ブ養生し、硬化させ、長さ200mm×幅200mm×
厚さ27mmの成形体を得た。また得られた成形体は、
ケイ酸カルシウム水和物からなるマトリックスと繊維と
を含有してなるケイ酸カルシウム材であり、顕微鏡分析
の結果、ケイ酸カルシウム水和物は、トバモライトとゾ
ノトライトとからなることが分かった。さらに前記ゾノ
トライトの(001)面のX線回折強度とトバモライト
の(002)面のX線回折強度との比が、前者/後者
(Xoh/Toh)として1.1であり、かつ1200℃
における加熱残存収縮率が4.5%であった。また得ら
れた成形体に対し、JIS−A−1408に基づく曲げ
強度について調べた。結果を表1に示す。また、200
mm×200mm×厚さ100mmのコンクリートの2
00mm×200mm面に、得られた成形体の四隅をア
ンカーボルトで固定し、耐火性能評価用試験体を作製し
た。次に間口(200mm×200mm)に扉を有す
る、奥行き400mmの横形電気炉を予め1000℃に
昇温した後、扉を開け、電気炉が冷えないよう速やかに
間口部分をふさぐようにして試験体を設置した。その後
電気炉内温度が10分後1200℃、20分後1260
℃、30分後1300℃、60分後1350℃となるよ
う温度制御しながら試験体をケイ酸カルシウム材側から
60分間片面加熱した。コンクリートの200mm×2
00mm面の中央部かつケイ酸カルシウム板とコンクリ
ートの界面には予め熱電対がセットされており、コンク
リートの表面の温度上昇を測定できるようになってい
る。表1に測定した60分加熱後のコンクリート表面温
度を示す。一般的にコンクリートは350℃以上の雰囲
気に曝されると水蒸気圧による爆裂現象で破壊が進むと
言われている。従ってコンクリート表面温度を350℃
以下に抑えることができれば、ケイ酸カルシウム材は十
分な耐火性能を有するコンクリート用耐火被覆材である
と評価できる。
ートクレーブ温度を変更したこと以外は実施例1を繰り
返した。結果を表1および2に示す。
道用トンネル等の各種トンネル構造物の内装材として有
用であるとともに、耐火性、断熱性、加熱残存収縮率等
に優れるケイ酸カルシウム材およびその製造方法が提供
される。
Claims (8)
- 【請求項1】 ケイ酸カルシウム水和物からなるマトリ
ックスと繊維とを含有してなるケイ酸カルシウム材にお
いて、 前記ケイ酸カルシウム水和物は、トバモライトとゾノト
ライトとからなるとともに、前記ゾノトライトの(00
1)面のX線回折強度と前記トバモライトの(002)
面のX線回折強度との比が、前者/後者として0.3〜
5.0であり、 前記ケイ酸カルシウム材は、前記繊維として20〜60
質量%の範囲の針状ワラストナイトおよび1〜10質量
%の範囲のセルロースパルプを含有することにより、 1200℃における加熱残存収縮率が5%以下であるこ
とを特徴とするケイ酸カルシウム材。 - 【請求項2】 ケイ酸カルシウム材が、マイカ粉、タル
ク粉、炭酸カルシウム粉、ドロマイト粉およびワラスト
ナイト粉からなる群から選択される少なくとも1種の充
填材を30質量%以下の範囲で含有してなる請求項1に
記載のケイ酸カルシウム材。 - 【請求項3】 針状ワラストナイトおよび/またはセル
ロースパルプの一部を、ガラス繊維、耐アルカリガラス
繊維、炭素繊維、炭化珪素繊維、アクリル繊維、ポリプ
ロピレン繊維、レーヨン繊維、アラミド繊維およびポリ
エチレンパルプからなる群から選択される1種以上の繊
維で置換してなる請求項1または2に記載のケイ酸カル
シウム材。 - 【請求項4】 石灰質原料、ケイ酸質原料、繊維原料お
よび水を混合し、原料スラリーを形成し、前記原料スラ
リーを加熱養生し加圧脱水成形してケーキを形成し、前
記ケーキをオートクレーブ養生して硬化させる工程を有
するケイ酸カルシウム材の製造方法において、 前記石灰質原料とケイ酸質原料のCaO/SiO2のモ
ル比を0.9〜1.1とし、 前記繊維原料として、前記ケイ酸カルシウム材に占める
比率が20〜60質量%の範囲の針状ワラストナイトお
よび1〜10質量%の範囲のセルロースパルプを使用
し、 前記加熱養生の加熱温度は80〜100℃であり、 前記加圧脱水成形における圧力は2MPa〜10MPa
であり、 前記オートクレーブ養生は温度が190〜210℃、か
つ養生時間が5時間〜15時間であることにより、 ケイ酸カルシウム水和物からなるマトリックスと繊維と
を含有してなるケイ酸カルシウム材を形成し、 ここで前記ケイ酸カルシウム水和物は、トバモライトと
ゾノトライトとからなるとともに、前記ゾノトライトの
(001)面のX線回折強度と前記トバモライトの(0
02)面のX線回折強度との比が、前者/後者として
0.3〜5.0であり、かつ前記ケイ酸カルシウム材
は、1200℃における加熱残存収縮率が5%以下であ
ることを特徴とするケイ酸カルシウム材の製造方法。 - 【請求項5】 繊維原料の一部を、原料スラリーの加熱
養生後、かつ加圧脱水成形前に添加する請求項4に記載
のケイ酸カルシウム材の製造方法。 - 【請求項6】 ケイ酸質原料として、非晶質ケイ酸と結
晶質ケイ酸とを使用し、かつ前記非晶質ケイ酸と結晶質
ケイ酸との質量比が、前者/後者として0.1〜1.5
である請求項4または5に記載のケイ酸カルシウム材の
製造方法。 - 【請求項7】 原料スラリーに、マイカ粉、タルク粉、
炭酸カルシウム粉、ドロマイト粉およびワラストナイト
粉からなる群から選択される少なくとも1種の充填材
を、製造されるケイ酸カルシウム材に対して30質量%
以下の範囲で含まれるように配合する請求項4ないし7
のいずれか1項に記載のケイ酸カルシウム材の製造方
法。 - 【請求項8】 針状ワラストナイトおよび/またはセル
ロースパルプの一部を、ガラス繊維、耐アルカリガラス
繊維、炭素繊維、炭化珪素繊維、アクリル繊維、ポリプ
ロピレン繊維、レーヨン繊維、アラミド繊維およびポリ
エチレンパルプからなる群から選択される1種以上の繊
維で置換してなる請求項4ないし7のいずれか1項に記
載のケイ酸カルシウム材の製造方法。
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JP2001297481A JP4895447B2 (ja) | 2001-09-27 | 2001-09-27 | ケイ酸カルシウム材およびその製造方法 |
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