JP2001300327A - 担持触媒及びその製造方法 - Google Patents

担持触媒及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アントラキノン類の水素化反応などに好適な
担持触媒を提供すること、担持触媒製造時に、活性や強
度を損ねることなく平均細孔直径を選択的に変化させ、
所望の平均細孔直径を有する担持触媒を製造する方法を
提供すること、および、アントラキノン法による過酸化
水素の改良された方法を提供すること。 【解決手段】 酸化物担体と金属から本質的になる担持
触媒を製造する方法において、金属化合物を担持した後
に80〜220℃で水媒体と接触処理することにより細
孔容積−細孔直径分布曲線において細孔容積のピークが
細孔直径の大きい方に移動した細孔分布を有する担持触
媒を製造することが出来る。この担持触媒を用いること
によりアントラキノン類の水素化反応を効率よく行うこ
とができ、過酸化水素の製造方法が改良される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化物担体に金属
化合物を担持させた担持触媒およびその製造方法に関す
る。また、本発明の担持触媒の存在下において、アント
ラキノン類の水素化反応を行い、過酸化水素を製造する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化物担体に金属が担持された担持触媒
は、例えば、白崎高保、藤堂尚之編、“触媒調製”、
(1974)講談社に記載されているように種々の化学
反応に利用される。活性成分として用いられる金属は、
一般的に周期律表において第4、第5、第6周期の第II
IA族から第IB族に属する遷移金属である。なかでも
パラジウム触媒や白金触媒などの白金族金属触媒は、水
素化反応などにおいて良好な活性、選択性を示すことか
ら、工業的に利用されている触媒の一つである。これら
の触媒の活性成分である白金族金属は比較的高価なた
め、一般的に担体に担持された担持触媒として用いられ
る。担持触媒の金属成分による活性や選択性の序列化
は、古くから行われてきた。
【0003】一方、担持触媒の物性の中では、平均細孔
直径、BET比表面積と全細孔容積が重要であること
が、触媒学会編、“触媒講座第5巻(工学編1) 触媒
設計”、p122−133(1985)講談社に記載さ
れている。五十嵐、“化学工学”、60(4)、232
(1996)には、工業触媒の触媒機能を最大限に発揮
するためには担持触媒の構造的要因の最適化が重要であ
ると記載されている。小沼、“表面”、23(8)、4
82(1985)は、担体の細孔制御が触媒を設計する
上で重要であり、触媒構造の最適化はほとんどの場合触
媒製造に用いる担体の細孔を制御することにより行われ
ると記載している。このように、従来担持触媒の細孔構
造は、担体の細孔構造が保持されることを前提としてお
り、担持触媒の構造を最適化するために、担体の平均細
孔直径、全細孔容積、BET比表面積等を制御すること
が行われてきた。
【0004】酸化物担体を用いた担持触媒は、例えば化
学工学協会、“化学工学の進歩 第15集 触媒設
計”、p40−54(1981)槇書店に記載されてい
るAdsorption法、Pore−filling
法、Incipient wetness法、Evap
oration to dryness法、Spray
法などの含浸法あるいはイオン交換法などにより金属化
合物を担持し、その後必要に応じて分離、洗浄、乾燥、
焼成、還元等の工程を経て製造されている。
【0005】このようにして製造された担持触媒は、例
えばアントラキノン法による過酸化水素の製造におい
て、アントラキノン類の水素化反応に使用され得る。現
在、工業的に行われている過酸化水素の主な製造方法
は、アントラキノン類を反応媒体とする方法でアントラ
キノン法と呼ばれる。一般に、アントラキノン類は、適
当な有機溶媒に溶解して使用される。アントラキノン類
を有機溶媒に溶解して調製した溶液は、作動溶液と呼ば
れる。有機溶媒は、単独あるいは混合物として用いられ
るが、通常2種類の有機溶媒の混合物として使用され
る。アントラキノン法では、還元工程において上記の作
動溶液中のアントラキノン類を触媒の存在下で水素によ
り還元し、対応するアントラヒドロキノン類を生成させ
る。次いで、酸化工程においてそのアントラヒドロキノ
ン類を空気もしくは酸素を含有する気体によって酸化し
てアントラキノン類に再度転化し、同時に過酸化水素を
生成させる。作動溶液中に生成した過酸化水素は、抽出
工程において通常水を用いて抽出され、作動溶液から分
離される。過酸化水素が抽出された作動溶液は、再び還
元工程に戻され、循環プロセスを形成する。このプロセ
スは、実質的に水素と空気から過酸化水素を製造するも
のであり、極めて効率的なプロセスである。既にこの循
環プロセスを用いて、過酸化水素が工業的に製造されて
いる。
【0006】上記の循環プロセスの還元工程でアントラ
キノン類の水素化反応に使用される触媒としては、ラネ
ーニッケル触媒、パラジウム黒触媒、担体に担持された
パラジウム担持触媒が知られている。ラネーニッケル触
媒は、高活性であるが、作動溶液中の微量過酸化水素に
より顕著に劣化すること、発火金属であるため取り扱い
上の危険を伴うこと及び選択性が低いことなど多くの欠
点を有する。パラジウム黒触媒は、活性や選択性に優れ
る。しかし、作動溶液からの分離が困難であり、パラジ
ウム存在下で分解しやすい過酸化水素を工業的に製造す
るには致命的な欠点を有する。担体に担持されたパラジ
ウム担持触媒は、活性や選択性がパラジウム黒触媒より
やや劣るものの、作動溶液からの分離が容易であり、過
酸化水素を工業的に製造するために適した触媒である。
パラジウム担持触媒としては、シリカ、アルミナ、ジル
コニア、シリカ・アルミナ、アルミノ珪酸塩、アルカリ
土類金属の炭酸塩、活性炭など種々の担体に担持された
担持触媒が提案されている。しかし、これら全ての担持
触媒が工業用触媒として必要な安価で、触媒強度が強
く、活性や選択性が高いという条件を満たしているわけ
ではなく、実際に工業的に利用できるのは上記の担持触
媒のごく一部である。
【0007】アルミナに担持されたパラジウム担持触媒
は、工業的に利用できる数少ない担持触媒の一つであ
り、活性、強度が比較的高いという利点を有する。米国
特許5,772,997では、特定の結晶相、平均細孔
直径、粒子径及びBET比表面積を有するアルミナ、シ
リカ、チタニア、ジルコニア、シリカ・アルミナ、シリ
カ・アルミナ・マグネシア等の焼成酸化物を担体として
製造された触媒を使用することによってアントラキノン
法の改良に成功している。
【0008】特公昭63−29588では、アルミナに
担持されたパラジウム担持触媒より優れた触媒としてシ
リカを担体としてパラジウムの他にジルコニウム、トリ
ウム、セリウム、チタン及びアルミニウムから選ばれた
少なくとも1種類の金属を添加した担持触媒とその製造
方法が提案されている。
【0009】米国特許5,853,693では、シリカ
に担持されたパラジウムと少なくとも1種類のアルカリ
金属からなる担持触媒およびその製造方法が開示されて
いる。その中で、担持触媒の活性や強度を支配する重要
な因子として平均細孔直径、細孔容積、粒子径、粒子形
状が挙げられ、8〜40nmの平均細孔直径を有する担
持触媒は、活性が高く、活性劣化速度が小さいとしてい
る。更に、用いる担体の平均細孔直径範囲を制限して
も、得られる担持触媒の平均細孔直径は焼成や処理する
アルカリ水溶液のpHなどの触媒製造条件によって多少
変化することが指摘されている。しかし、担持触媒製造
時の焼成温度によって平均細孔直径を変化させるには、
かなりの高温を要し、なおかつ平均細孔直径と共に全細
孔容積やBET比表面積も低下するため、担持触媒の活
性が著しく低下する。また、触媒製造時のpHによって
平均細孔直径を変化させるには、pHを過度に高める必
要があり、担持触媒の強度や収率の低下を招く。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アン
トラキノン類の水素化反応などに好適な担持触媒を提供
すること、および、担持触媒製造時に活性や強度を低下
させることなく、平均細孔直径を選択的に変化させ、所
望の平均細孔直径を有する担持触媒を製造する方法を提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、担持触媒
の細孔構造の骨格を決めるという意味で担体の細孔構造
が重要であり、担持触媒の細孔構造を決定する上で担持
触媒の製造方法が重要であるとの認識のもと、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、金属化合物を担持さ
せた後に酸化物担体を80〜220℃の水媒体で接触処
理することにより、活性や強度を損ねることなく担持触
媒の平均細孔直径を任意に制御できることを見出した。
更に、そのような製造方法により、細孔容積−細孔直径
分布曲線において細孔容積のピークが細孔直径の大きい
方に移動した細孔分布を有する担持触媒を製造すること
が出来、この担持触媒が、アントラキノン類の水素化反
応などに対し高活性を示すことを見出した。本発明はこ
れらの知見に基づきなされた。
【0012】すなわち、本発明は酸化物担体と酸化物担
体の重量に対して0.1〜10重量%の金属から本質的
になり、細孔容積−細孔直径分布曲線において細孔容積
のピークが細孔直径の大きい方に移動した細孔分布を有
する担持触媒に関する。
【0013】更に、本発明は酸化物担体と酸化物担体の
重量に対して0.1〜10重量%の金属から本質的にな
る担持触媒を製造する方法であり、金属化合物を担持し
た後に酸化物担体を80〜220℃の水媒体に接触させ
る処理工程を含むことを特徴とする担持触媒の製造方法
に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる酸化物担体と
しては、通常用いられる触媒担体であるシリカ、アルミ
ナ、チタニア、ジルコニアなどの酸化物、シリカ・アル
ミナ、シリカ・チタニア、シリカ・アルミナ・チタニア
などの複合酸化物及びこれらの二以上の物理的混合物が
挙げられる。中でも、少なくとも無定形シリカ粒子を含
む酸化物担体が好ましく、無定形シリカ粒子を50重量
%以上含む酸化物担体がより好ましく、無定形シリカを
80重量%以上含むものが最も好ましい。
【0015】酸化物担体の粒子径、粒度分布および粒子
形状は、特に制限はない。通常の触媒担体として使用さ
れる酸化物担体の粒子径、粒度分布および粒子形状であ
ればよく、担持触媒を使用する反応プロセスに応じて選
ばれる。例えば、アントラキノン類の水素化反応用とし
ては、通常、酸化物担体のメジアン径が1μm〜200
μmであり、好ましくは20〜180μmであり、より
好ましくは30〜150μmである。酸化物担体の形状
としては、不定形、球状、円柱、三つ葉、四つ葉、リン
グ、ハニカム等が例示される。
【0016】本発明において、酸化物担体の全細孔容積
は、酸化物担体単位重量当たりの全細孔容積で定義さ
れ、通常、0.2〜2.0ml/gであり、好ましくは
0.3〜1.5ml/gであり、より好ましくは0.5
〜1.0ml/gである。本発明では、酸化物担体の全
細孔容積が前記範囲内である限り、他の特性は実質的に
制限されず、目的とする担持触媒を製造することができ
る。従って、本発明に用いられる酸化物担体の平均細孔
直径は特に制限されないが、任意の平均細孔直径を有す
る触媒を製造するためには、通常1〜100nmであ
り、好ましくは1〜50nmであり、より好ましくは1
〜25nmである。また、酸化物担体の細孔直径分布
は、特に制限はなく、単一のピークや複数のピークを有
しても良いし、これらのピークはブロードでもシャープ
でも良い。
【0017】本発明に用いられる酸化物担体のBET比
表面積もまた特に制限はないが、任意のBET比表面積
を有する触媒を製造するためには、通常50m2/g以
上であり、好ましくは100m2/g以上であり、より
好ましくは150m2/g以上である。BET比表面積
が小さいと、金属化合物ロスの増大を招いたり、担持さ
れる金属化合物の含有率を高めるために担持操作を繰り
返し行う必要が生じる。
【0018】本発明の担持触媒は、酸化物担体の重量に
対して金属として通常0.1〜10重量%、好ましくは
0.5〜5重量%の金属活性種を含む。金属としては、
周期律表第IA族のLi、Na、K、Rb、Csなどの
アルカリ金属、第IIA族のBe、Mg、Ca、Sr、B
aなどのアルカリ土類金属、第4、第5、第6周期の第
IIIA族から第IB族に属するSc、Y、Ti、Zr、
Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、
Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、P
d、Pt、Cu、Ag、Auなどの遷移金属、第IIB族
のZnなどが例示され、それぞれ単独でも混合物でも用
いられる。有機化合物の接触水素化反応用としては、上
記金属の中ではルテニウム、ロジウム、パラジウム、白
金などの白金族金属が優れる。アントラキノン類の水素
化反応では、特にパラジウムと白金が好適であり、少な
くともこれらの金属を単独あるいは混合物として含有す
る担持触媒が望ましい。なお、金属活性種は金属、酸化
物などの状態で存在する。
【0019】金属の担持様式、すなわち酸化物担体中の
金属の分布は、特に制限はない。担持触媒を使用する反
応プロセスに応じて選ばれる。担持様式は、egg s
hell、egg white、egg yolkおよ
びuniformが例示される。例えば、アントラキノ
ン類の水素化反応では、egg shellあるいはu
niformの担持様式が好適である。
【0020】酸化物担体への金属化合物の担持は、従来
公知のAdsorption法、Pore−filli
ng法、Incipient wetness法、Ev
aporation to dryness法、Spr
ay法などの含浸法あるいはイオン交換法により行うこ
とができる。
【0021】含浸法では、基本的に金属化合物の溶液と
酸化物担体を接触させる。この方法に用いる金属化合物
は、水や脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、有機ハロゲ
ン化物、アルコール、エーテル、アミドなどの有機溶媒
に溶解する任意の金属化合物を用いることができる。よ
り具体的には、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、水酸
化物、錯塩、有機金属化合物などが例示される。溶液の
金属化合物濃度は、酸化物単体に対して金属として0.
1〜10重量%の金属活性種を担持する触媒が得られる
ように適宜選択される。金属活性種が二種類の場合、同
時に担持してもよく別々に担持してもよい。金属化合物
を担持した後、必要に応じて分離、洗浄、乾燥、酸化、
焼成、還元、成形およびこれらの組み合わせによる処理
が行われる。ここで、担持とは、酸化物担体に金属化合
物又は金属を物理的または化学的に吸着させることをい
う。
【0022】イオン交換法は、無定形シリカを含有する
酸化物担体へ金属化合物を担持させるために好ましく用
いられる。酸化物担体をアンモニウムイオンを含有する
溶液に接触させプロトンをアンモニウムイオンにイオン
交換させた後、金属化合物の溶液と接触させアンモニウ
ムイオンを金属活性種を含むイオンにイオン交換させ
る。アンモニウムイオンへのイオン交換と金属活性種を
含むイオンへのイオン交換は別々の溶液で順次行っても
よいし、同一の溶液で同時に行うこともできる。なお、
アンモニウムイオンまたは金属化合物を溶解することが
できる限り、溶液の溶媒は特に限定されない。又、各溶
液の濃度は、酸化物単体に対して金属として0.1〜1
0重量%の金属活性種を担持する触媒が得られるように
適宜選択される。金属化合物を担持した後、必要に応じ
て分離、洗浄、乾燥、酸化、焼成、還元およびこれらの
組み合わせによる処理が行われる。
【0023】例えば、金属化合物を担持した酸化物担体
は、適当な方法により分離され、酸化物担体1gに対し
て10〜20mlのイオン交換水などの水で、バッチ式
(デカンテーション)、流通式などの方法により洗浄さ
れる。洗浄された酸化物担体は乾燥後、又は、独立した
乾燥工程を経ることなく直接焼成される。乾燥工程は、
50〜200℃、好ましくは100〜160℃でバッチ
式、連続式などの方法で行われる。乾燥処理により細孔
直径が変わる可能性がある場合には、真空乾燥が用いら
れる。焼成は、金属化合物を担持した酸化物担体を空気
中、300〜900℃で0.1〜48時間加熱処理して
行う。前記の焼成工程に換えて、或いは、焼成工程前ま
たは後に、酸化処理または還元処理を行ってもよい。酸
化処理は酸化剤水溶液と金属化合物を担持した酸化物担
体を室温〜100℃(水の沸点)の温度で接触させるこ
とにより行われる。酸化剤としては水溶性過酸化物、過
塩素酸、塩素酸などの過酸化物とその塩類、アルカリ金
属の過酸化物、過酸化水素などが用いられる。還元処理
はホルムアルデヒド、蟻酸、ヒドラジンなどの還元剤を
含む水溶液と金属化合物を担持した酸化物担体を室温〜
100℃(水の沸点)の温度で接触させることにより行
われる。
【0024】本発明の担持触媒の製造方法では、上記の
ようにして含浸法又はイオン交換法により金属化合物を
担持した後、酸化物担体を80〜220℃で水媒体と接
触処理(水熱処理)する。金属化合物を担持した後に接
触処理工程が含まれていればよく、必要に応じて分離、
洗浄、乾燥、酸化、焼成や還元などの処理を組み合わせ
てもよい。接触処理工程は焼成後に行うのが、特に好ま
しい。
【0025】水媒体との接触処理(水熱処理)により、
平均細孔直径の増加を任意に制御することが出来る。本
発明では、担持触媒製造時の平均細孔直径増加率(%、
以下PD増加率と記すことがある)を、 100×触媒平均細孔直径/担体平均細孔直径−100 なる式で定義し、触媒製造時の全細孔容積減少率(%、
以下PV減少率と記すことがある)を、 100−100×触媒全細孔容積/担体全細孔容積 なる式で定義する。本発明の製造方法によると、PV減
少率よりもPD増加率を選択的に大きくすることができ
る。PD増加率は、通常20%以上であり、好ましくは
25%以上、より好ましくは30%以上である。水媒体
との接触処理条件を適切に選択することによって、PD
増加率を約500%まで増大させることが出来る。PD
増加率が前記範囲よりも小さいと、同一の酸化物担体か
ら任意の平均細孔直径を有する触媒を得ることはできな
い。PD増加率を変えることにより、同一の酸化物担体
から異なる平均細孔直径を有する担持触媒が製造でき、
逆に異なる酸化物担体から同一の平均細孔直径を有する
担持触媒が製造できる。PV減少率は通常0〜20%で
ある。
【0026】処理温度は、通常80℃〜220℃であ
り、好ましくは90℃〜160℃であり、より好ましく
は100〜150℃である。処理温度は、担持触媒製造
時の平均細孔直径増加率の大小に直接関与する。処理温
度が低いと、単位時間当たりの平均細孔直径増加率は小
さい。処理温度が高過ぎると、平均細孔直径を適切に制
御することができず、更に処理コストが高くなる。
【0027】水媒体との接触処理は、バッチ式でも、連
続式でも実施可能であり、特に制限はない。バッチ式処
理では、平均細孔直径増加率は、昇温速度、処理温度で
の保持時間や水媒体のpHなどにより影響を受ける。昇
温速度は、通常0.5℃/分〜20℃/分で行われる。
保持時間は、通常1分から48時間、好ましくは5分〜
24時間、より好ましくは10分〜12時間である。保
持時間は、所望する担持触媒の平均細孔直径によるが、
長くすると平均細孔直径増加率が大きくなる傾向があ
る。
【0028】連続式処理では、平均細孔直径増加率は、
滞在時間、処理温度や水媒体のpHなどにより影響を受
ける。滞在時間は、通常1分から48時間、好ましくは
5分から24時間、より好ましくは10分〜12時間で
ある。滞在時間は、所望する担持触媒の平均細孔直径に
よるが、長くすると平均細孔直径増加率が大きくなる傾
向がある。
【0029】水媒体の使用量に制限はないが、効果を確
実とするため、通常、酸化物担体の全細孔容積の1倍以
上、好ましくは1.5倍以上、より好ましくは2倍以上
である。本発明で用いられる水媒体のpHは、水に酸、
塩基または酸と塩基を添加することにより、接触処理p
Hが後述する範囲になるように決められる。酸として
は、硫酸、硝酸、塩酸、燐酸などの水溶性無機酸あるい
は蟻酸、酢酸などの水溶性有機酸が好適に用いられる。
塩基としては、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属
の炭酸塩、水酸化物、アンモニアなどの水溶性無機塩基
あるいは第1級、第2級、第3級のアルキルアミン類な
どの水溶性有機塩基が好適に用いられる。
【0030】接触処理pHは、接触処理後に得られた担
持触媒を0.05g/mlの濃度で分散した水性分散液
のpHを意味し、通常6.0〜11.0、好ましくは
7.0〜10.5、より好ましくは8.0〜10.0で
ある。このようなpHの制限は、無定形シリカを含有す
る酸化物担体を用いる場合に有効であり、無定形シリカ
を50重量%以上含有する酸化物担体を用いる場合に特
に有効である。接触処理pHが低いと確実な効果を得る
ことは難しく、高いと触媒強度の低下や収率の低下を招
く。
【0031】水媒体との接触処理に用いる反応器は、形
状や材質等に制限はない。必要に応じて、耐酸性や耐ア
ルカリ性の反応器が使用される。接触処理の圧力は、処
理温度によるが、通常大気圧以上水媒体の蒸気圧以下で
行われる。
【0032】本発明の方法により製造された担持触媒
は、10〜300μm、好ましくは30〜200μmの
メジアン径、0.3〜1.5ml/g、好ましくは0.
5〜1.0ml/gの全細孔容積、8〜40nm、好ま
しくは10〜30nmの平均細孔直径、50m2/g以
上、好ましくは100〜250m2/gのBET比表面
積を有する。更に、本発明の担持触媒は、細孔容積−細
孔直径分布曲線において、細孔直径が10nm以上、好
ましくは10〜80nm、より好ましくは15〜60n
mの領域に細孔容積のピークを有する細孔分布により特
徴づけられる。また、細孔容積−細孔直径分布曲線にお
いて、細孔直径が10nm以上である領域の全領域に対
する面積割合が75%以上が好ましい。上記の特性を有
する本発明の担持触媒は、種々の化学反応に適用され
る。適用される化学反応は、有機化合物の接触水素化反
応が好ましい。例えば、アントラキノン法による過酸化
水素の製造方法におけるアントラキノン類の水素化触媒
として用いられる。
【0033】本発明のアントラキノン類の水素化反応よ
る過酸化水素の製造法において、使用される担持触媒の
量は、プロセスの状況に応じて適切な濃度範囲に制御さ
れ、通常、作動溶液に対して5〜70g/lで用いられ
る。アントラキノン類としては、エチルアントラキノ
ン、t−ブチルアントラキノン、アミルアントラキノン
などのアルキルアントラキノン;エチルテトラヒドロア
ントラキノン、t−ブチルテトラヒドロアントラキノ
ン、アミルテトラヒドロアントラキノンなどのアルキル
テトラヒドロアントラキノン;及びこれらの混合物が好
ましい。アルキルアントラキノンとアルキルテトラヒド
ロアントラキノンは、各々が複数のアルキルアントラキ
ノンあるいはアルキルテトラヒドラアントラキノンの混
合物であってもよい。アルキルアンラキノンとアルキル
テトラヒドロアントラキノンの混合物を用いる場合、そ
の混合比(モル比)は2:1〜8:1が好ましく、3:
1〜6:1がより好ましい。
【0034】作動溶液中のアルキルアントラキノン類の
濃度は、プロセスの状況に応じて適切な濃度範囲に制御
され、通常は0.4〜1.0mol/lである。本発明
において作動溶液を調製するために用いられる溶媒は、
特に限定されるものではないが、好ましい溶媒として
は、芳香族炭化水素と高級アルコールの組み合わせ、芳
香族炭化水素とシクロヘキサノールもしくはアルキルシ
クロヘキサノールのカルボン酸エステルの組み合わせ、
芳香族炭化水素と四置換尿素との組み合わせなどが例示
される。
【0035】アントラキノン類の水素化反応は、例え
ば、水素気流下あるいは水素含有ガス雰囲気下、反応温
度10〜80℃、反応圧力100〜500kPaで5分
〜1時間行われる。担持触媒を除去した後、生成したア
ントラヒドロキノン類を空気などの酸素含有ガスにより
10〜80℃で酸化してアントラキノン類に再度転化す
ると同時に過酸化水素を生成させる。生成した過酸化水
素は水により抽出され、作動溶液から分離される。過酸
化水素を分離した後の作動溶液は、再び還元工程に戻さ
れ循環プロセスが形成される。アントラキノン類の水素
化反応による過酸化水素の製造に用いる反応器として
は、固定床、流動床、機械撹拌、気泡塔、パイプリアク
ターなどの反応器が例示される。
【0036】
【実施例】本発明を、以下の実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。なお、以下の実施例において、各測定は下記の
方法により行った。実施例中、%は特に指定のない限り
重量基準とした。
【0037】(1)比表面積 BET法により測定した。
【0038】(2)全細孔容積 高速比表面積/細孔分布測定装置(マイクロメリティッ
クス社製ASAP2000)を用いてガス吸着法により
測定した。
【0039】(3)平均細孔直径 BET比表面積(一点法、相対圧0.18)と全細孔容
積(一点法、相対圧0.98)から下記式より求めた値
を採用した。 平均細孔直径(nm)=4000×全細孔容積(ml/
g)/BET比表面積(m2/g)
【0040】(4)接触処理pH 接触処理で得られた担持触媒をイオン交換水に0.05
g/mlの濃度で分散し、約80℃に加熱した後、撹拌
しながら室温まで冷却して得られた水溶液をpHメータ
ーにより測定した。
【0041】(5)担持触媒活性の評価 プソイドクメンとジイソブチルカルビノールからなる溶
媒にアミルアントラキノンを溶解した作動溶液を少量の
担持触媒と接触させたときの水素吸収量により担持触媒
の活性を評価した。具体的な試験法を、以下に記した。
100mlの3つ口フラスコに担持触媒50.0mgと
25mlの作動溶液を入れた。作動溶液のアミルアント
ラキノン濃度は0.6mol/lであり、プソイドクメ
ン60容積%とジイソブチルカルビノール40容積%の
混合溶媒を用いた。フラスコ内を完全密封できる磁力誘
導方式の撹拌機を装着し、フラスコを真空コックで密封
した。次に、フラスコを常圧水素化反応装置に装着し
た。この装置は、フラスコ内での圧力変動を水位で検知
し、リレー式電磁弁を介して水素吸収に見合う分の水素
が計量管から供給される。水素計量管は、ビュレット部
と水貯液部からなり、水素計量管内の水がピストンの役
割をして、フラスコ内圧と大気圧が等しく保たれる。水
素吸収量は、水素計量管内の液面高さの差として測定さ
れる。フラスコを30℃の水浴に浸し、フラスコ内の排
気と水素導入を3回繰り返した。5分後に撹拌機を作動
させた。水素吸収開始から30分後までの水素吸収量を
測定した。0℃、1atmでの水素吸収量に換算し、単
位担持触媒重量当たりの水素吸収速度(ml/(min
・g))を求めた。
【0042】(6)担持触媒の強度評価 強撹拌前後のメジアン径変化率を測定することよって行
った。具体的な試験法を以下に記した。4枚のバッフル
の付いた1l試験器(直径10cm、胴長21cm、下
部コーン長さ2.5cm)に担持触媒15gとイオン交
換水0.5lを入れた。直径5cmの6枚ディスクター
ビン翼(ディスク:縦1.2cm×横1.1cm×幅
0.2cm)の付いた撹拌機を2000rpmで回転さ
せた。撹拌開始1分後と2時間後にスラリーを約5ml
採取した。レーザー回折式粒度分布測定器((株)堀場
製作所製LA−910)により、相対屈折率1.12i
でのメジアン径を測定した。メジアン径変化率(%)=
(試験1分後のメジアン径−試験2時間後のメジアン
径)/試験1分後のメジアン径を求めた。
【0043】(7)細孔容積−細孔直径分布曲線(dV
/dlog(D)曲線) 鷲尾一裕、“ガス吸着法による比表面積/細孔分布測
定”、島津評論、Vol.48,No.1,pp35−
49(1991.6)記載の方法により求めた。すなわ
ち、(2)記載のASAP2000を用いて求めた吸着
等温線の吸着側でHalsey型t決定式: t(nm)=3.54×[-5.000/(ln(P/Po)]0.333×10-1 を用い、BJH(Barrett−Joyner−Halenda)法で細孔
分布解析を行った。上記式において、tは吸着層の厚
み、Pは吸着平衡圧、Poは測定温度(液体窒素の沸
点)でのN2飽和蒸気圧を表す。なお、分布曲線は、直
径を対数軸とする片対数グラフで表される。
【0044】実施例1 富士シリシア化学株式会社製シリカゲル(CARiAC
T Q−6) 50gを25%アンモニア水170ml
に懸濁した。この懸濁液を撹拌しながら、25%アンモ
ニア水30mlに塩化パラジウム1.672gを溶解し
た溶液を滴下した。次いでこの懸濁液を純水500ml
で洗浄し、吸引濾過した。120℃で12時間乾燥し
た。空気気流下、600℃で6時間焼成し、室温まで放
冷した。水媒体との接触処理は以下のように行った。焼
成物を純水150mlと共に300mlオートクレーブ
に入れた。次いで、1%水酸化ナトリウム水溶液をpH
7.5になるまで加えた。オートクレーブを室温から2
℃/分で100℃まで昇温した後100℃で2時間処理
し、その後室温まで冷却した。吸引濾過し、50℃で真
空乾燥した。各測定結果を表1及び2に示す。
【0045】実施例2 水媒体との接触処理を室温から2℃/分で150℃まで
昇温した後150℃で2時間処理した以外は、実施例1
と同様の方法で担持触媒を製造した。各測定結果を表1
及び2に示す。
【0046】実施例3 水媒体との接触処理pHを9.5とし、室温から2℃/
分で150℃まで昇温した後150℃で2時間処理した
以外は、実施例1と同様の方法で担持触媒を製造した。
各測定結果を表1及び2に示す。また、担持触媒の細孔
容積−細孔直径分布曲線を図1に示す。
【0047】実施例4 水媒体との接触処理pHを9.5とし、室温から2℃/
分で200℃まで昇温した後200℃で2時間処理した
以外は、実施例1と同様の方法で担持触媒を製造した。
各測定結果を表1及び2に示す。また、担持触媒の細孔
容積−細孔直径分布曲線を図2に示す。
【0048】比較例1 対照として、水媒体との接触処理を除いた担持触媒を製
造した。富士シリシア化学株式会社製シリカゲル(CA
RiACT Q−6) 50gを25%アンモニア水1
70mlに懸濁させた。この懸濁液を撹拌しながら、2
5%アンモニア水30mlに塩化パラジウム1.672
gを溶解した溶液を滴下した。次いでこの懸濁液を純水
500mlで洗浄し、吸引濾過した。120℃で12時
間乾燥した。600℃で6時間焼成し、室温まで放冷し
た。各測定結果を表1及び2に示す。また、担持触媒の
細孔容積−細孔直径分布曲線を図3に示す。
【0049】 表1 酸化物担体 接触処理 担持触媒 PD PV PD PV 温度 pH PD PV 増加率 減少率 nm ml/g ℃ nm ml/g % % 実施例1 6.7 0.73 100 7.5 9.0 0.68 34 6.8 実施例2 6.7 0.73 150 7.5 13.2 0.67 97 8.2 実施例3 6.7 0.73 150 9.5 16.0 0.69 139 5.5 実施例4 6.7 0.73 200 9.5 22.9 0.46 242 37.0 比較例1 6.7 0.73 - - 7.9 0.70 18 4.1 PD:平均細孔直径(nm) PV:全細孔容積(ml/g) PD増加率(%)=100×担持触媒のPD/酸化物担体のPD−100 PV減少率(%)=100−100×担持触媒のPV/酸化物担体のPV
【0050】 水素吸収速度:単位担持触媒重量当たりの標準状態にお
ける水素吸収速度 メジアン径変化率:(試験1分後のメジアン径−試験2
時間後のメジアン径)/試験1分後のメジアン径
【0051】
【発明の効果】本発明の担持触媒は、細孔容積−細孔直
径分布曲線において細孔容積のピークが細孔直径の大き
い方に移動した細孔分布を有し、特に、アントラキノン
類の水素化反応に対し高い活性を示す。また、本発明の
製造方法に拠れば、担持触媒製造時に、活性や強度を損
ねることなく平均細孔直径を選択的に変化させ、所望の
平均細孔直径を有する担持触媒を得ることができる。
又、平均細孔直径の異なる酸化物担体から同一の平均細
孔直径を有する担持触媒を得ることができる。金属化合
物の担持ロスを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3で製造した担持触媒の吸着等温線から
求めた細孔容積−細孔直径分布曲線を示すグラフ。
【図2】実施例4で製造した担持触媒の吸着等温線から
求めた細孔容積−細孔直径分布曲線を示すグラフ。
【図3】比較例1で製造した担持触媒の吸着等温線から
求めた細孔容積−細孔直径分布曲線を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 37/10 B01J 37/10 C01B 15/023 C01B 15/023 A C07C 37/07 C07C 37/07 39/225 39/225 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 山岸 健 東京都葛飾区新宿6丁目1番1号 三菱瓦 斯化学株式会社東京研究所内 (72)発明者 長谷川 浩 東京都葛飾区新宿6丁目1番1号 三菱瓦 斯化学株式会社東京研究所内 (72)発明者 高橋 香織 東京都葛飾区新宿6丁目1番1号 三菱瓦 斯化学株式会社東京研究所内 Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 AA12 AA14 AA15 BA01A BA02A BA02B BA03A BA04A BA05A BB04A BB04B BB06A BB06B BC70A BC71A BC72A BC72B BC75A CB02 CB81 EC13X EC13Y EC18X EC18Y EC26 FA02 FC07 FC08 4H006 AA02 AC11 BA23 BA24 BA25 BA26 BA56 FC54 FE13 4H039 CA60 CB20

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物担体と酸化物担体の重量に対して
    0.1〜10重量%の金属活性種から本質的になる担持
    触媒であって、細孔容積−細孔直径分布曲線において細
    孔直径が10nm以上の領域に細孔容積のピークが存在
    する細孔分布を有することを特徴とする担持触媒。
  2. 【請求項2】 細孔直径が10〜80nmの領域に前記
    細孔容積のピークが存在することを特徴とする請求項1
    記載の担持触媒。
  3. 【請求項3】 前記細孔容積−細孔直径分布曲線におい
    て、細孔直径が10nm以上である領域の全領域に対す
    る面積割合が75%以上であることを特徴とする請求項
    1又は2記載の担持触媒。
  4. 【請求項4】 前記酸化物担体が、シリカ、アルミナ、
    チタニア、ジルコニア、シリカ・アルミナ複合酸化物、
    シリカ・チタニア複合酸化物、シリカ・アルミナ・チタ
    ニア複合酸化物及びこれらの物理的混合物からなる群よ
    り選ばれた少なくとも一の酸化物であり、かつ0.2〜
    2.0ml/gの全細孔容積を有することを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の担持触媒。
  5. 【請求項5】 前記金属活性種が、ルテニウム化合物、
    ロジウム化合物、パラジウム化合物及び白金化合物から
    なる群より選ばれた少なくとも一の白金族金属化合物由
    来であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の担持触媒。
  6. 【請求項6】 前記酸化物担体が、少なくとも無定形シ
    リカを含み、かつ0.2〜2.0ml/gの全細孔容積
    を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
    載の担持触媒。
  7. 【請求項7】 酸化物担体と酸化物担体の重量に対して
    0.1〜10重量%の金属から本質的になる担持触媒を
    製造する方法であり、金属化合物を担持した後に酸化物
    担体を80〜220℃の水媒体と接触させる処理工程を
    含むことを特徴とする担持触媒の製造方法。
  8. 【請求項8】 酸化物担体が、シリカ、アルミナ、チタ
    ニア、ジルコニア、シリカ・アルミナ複合酸化物、シリ
    カ・チタニア複合酸化物、シリカ・アルミナ・チタニア
    複合酸化物及びこれらの物理的混合物からなる群より選
    ばれた少なくとも一の酸化物であり、かつ0.2〜2.
    0ml/gの全細孔容積を有することを特徴とする請求
    項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 金属化合物が、ルテニウム化合物、ロジ
    ウム化合物、パラジウム化合物及び白金化合物からなる
    群より選ばれた少なくとも一の白金族金属化合物である
    ことを特徴とする請求項7又は8記載の方法。
  10. 【請求項10】 酸化物担体が、少なくとも無定形シリ
    カを含み、かつ0.2〜2.0ml/gの全細孔容積を
    有することを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載
    の方法。
  11. 【請求項11】 接触処理のpHが6.0〜11.0で
    あることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載
    の方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜6のいずれかに記載の担持
    触媒又は請求項7〜11記載の方法により製造した担持
    触媒の存在下で有機化合物を水素化することを特徴とす
    る有機化合物を接触水素化する方法。
  13. 【請求項13】 アントラキノン法による過酸化水素の
    製造方法であって、請求項1〜6のいずれかに記載の担
    持触媒又は請求項7〜11記載の方法により製造した担
    持触媒存在下でアントラキノン類の水素化反応を行うこ
    とを特徴とする過酸化水素の製造方法。
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