JP2001294654A - ポリエステルの製造装置および製造方法 - Google Patents

ポリエステルの製造装置および製造方法

Info

Publication number
JP2001294654A
JP2001294654A JP2000115877A JP2000115877A JP2001294654A JP 2001294654 A JP2001294654 A JP 2001294654A JP 2000115877 A JP2000115877 A JP 2000115877A JP 2000115877 A JP2000115877 A JP 2000115877A JP 2001294654 A JP2001294654 A JP 2001294654A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
condenser
condensers
diol compound
distillate
supplied
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000115877A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiji Noda
田 誠 司 野
Hitoshi Tsuboi
井 均 坪
Shoji Hiraoka
岡 章 二 平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2000115877A priority Critical patent/JP2001294654A/ja
Publication of JP2001294654A publication Critical patent/JP2001294654A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】留出物中にオリゴマー量が多い場合であっても
凝縮器が閉塞しないようなポリエステルの製造装置を提
供すること。 【解決手段】ポリエステルの製造装置は、ジカルボン酸
とジオール化合物とをエステル化するエステル化反応器
と、前記エステル化反応器で得られた低次重縮合物を重
縮合する重縮合反応器と、前記重縮合反応器から留出す
る留出物を凝縮させる少なくとも2器の凝縮器と、前記
凝縮器に供給するためのジオール化合物の蒸気を発生さ
せる蒸気発生器とを有し、前記少なくとも2器の凝縮器
のうち1の凝縮器に前記重縮合反応器から留出する留出
物を供給し留出物を凝縮すると同時に、他の凝縮器のう
ち少なくとも1の凝縮器に前記蒸気発生器からジオール
化合物の蒸気を供給し該凝縮器の内部に付着した付着物
を除去しうるようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエステルの製造
装置およびこの製造装置を用いバッチでポリエステルを
製造するポリエステルの製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来からポリエチレンテレフタレ
ートなどのポリエステルは、ボトル、繊維、フィルム、
シートなどに成形され広く用いられている。ポリエステ
ルは、通常ジカルボン酸とジオール化合物とをエステル
化反応させ、次いで得られたエステル化反応物(低次重
縮合物)を重縮合触媒の存在下に重縮合させることによ
って製造されている。
【0003】このようなポリエステルの製造工程におい
て、重縮合反応は、未反応のジオール化合物(例えばエ
チレングリコール)などを含む留出物を系外に留去させ
ながら行われ、留出物は凝縮器などで液化され、回収さ
れる。ところで、イソフタル酸の割合が多いジカルボン
酸を用いてポリエステルを製造すると、ジカルボン酸と
してテレフタル酸のみを用いた場合に比べて重縮合反応
器から留出する留出物中のオリゴマー量が多くなる。こ
のため、凝縮器の壁面にオリゴマーが付着し、凝縮器が
閉塞して、目標の重合度に到達させることが困難となっ
たり、品質が低下することがあった。また凝縮器を閉塞
させないために伝熱面積の大きな凝縮器を用いることは
経済的に不利である。
【0004】したがってポリエステルをバッチで製造し
たときに、重縮合反応で発生する留出物中のオリゴマー
含量が多い場合であっても凝縮器が閉塞することがない
ようなポリエステルの製造装置および製造方法の出現が
望まれている。
【0005】
【発明の目的】本発明は上記のような従来技術に鑑みて
なされたものであって、重縮合反応で発生する留出物中
のオリゴマー含量が多い場合であっても凝縮器が閉塞す
ることがないようなポリエステルの製造装置およびこの
装置を用いたポリエステルの製造方法を提供することを
目的としている。
【0006】
【発明の概要】本発明に係るポリエステルの製造装置
は、ジカルボン酸とジオール化合物とをエステル化する
エステル化反応器と、前記エステル化反応器で得られた
低次重縮合物を重縮合する重縮合反応器と、前記重縮合
反応器から留出する留出物を凝縮させる少なくとも2器
の凝縮器と、前記凝縮器に供給するためのジオール化合
物の蒸気を発生させる蒸気発生器とを有し、前記少なく
とも2器の凝縮器のうち1の凝縮器に前記重縮合反応器
から留出する留出物を供給し留出物を凝縮すると同時
に、他の凝縮器のうち少なくとも1の凝縮器に前記蒸気
発生器からジオール化合物の蒸気を供給し該凝縮器の内
部に付着した付着物を除去しうるようにしたことを特徴
としている。
【0007】前記少なくとも2器の凝縮器は、例えば並
列に設けられた2器の凝縮器と、前記2器の凝縮器とそ
れぞれ直列に連結され、かつ前記2器の凝縮器を経由し
ないラインで重縮合反応器から留出する留出物を供給し
うる凝縮器とである。
【0008】本発明では、前記凝縮器の伝熱面積(生産
される樹脂1トン当たりの、留出物が凝集する伝熱面
積)の合計が0.5〜15m2 /ton の範囲にあること
が好ましい。
【0009】本発明に係るポリエステルの製造方法は、
ジカルボン酸とジオール化合物とをエステル化するエス
テル化反応器と、前記エステル化反応器で得られた低次
重縮合物を重縮合する重縮合反応器と、前記重縮合反応
器から留出する留出物を凝縮させる少なくとも2器の凝
縮器と、前記凝縮器に供給するためのジオール化合物の
蒸気を発生させる蒸気発生器とを有する製造装置を用い
て、イソフタル酸を9モル%以上の割合で含有するジカ
ルボン酸と、ジオール化合物からポリエステルをバッチ
で製造するに際して、少なくとも下記(1)〜(3)の
操作を行うことを特徴としている; (1)前記少なくとも2器の凝縮器のうち1の凝縮器に
前記重縮合反応器から留出する留出物を供給して留出物
を凝縮する (2)前記1の凝縮器に対する留出物の供給を停止し、
他の凝縮器のうち少なくとも1の凝縮器に前記重縮合反
応器から留出する留出物を供給して留出物を凝縮すると
同時に、前記1の凝縮器に前記蒸気発生器で発生させた
ジオール化合物の蒸気を供給し該凝縮器の内部に付着し
た付着物を除去する (3)内部に付着した付着物を除去した前記凝縮器に前
記蒸気発生器で発生させたジオール化合物の蒸気を供給
して留出物を凝縮する。
【0010】前記ジオール化合物としては、例えばエチ
レングリコールと1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベ
ンゼンとからなり、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)
ベンゼンをジオール化合物の合計量100モル%に対し
て1〜25モル%の割合で含有するものが用いられる。
【0011】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るポリエステル
の製造装置および製造方法について具体的に説明する。
【0012】図1に本発明に係るポリステルの製造装置
の一例の概略図を示す。図中1はジカルボン酸とジオー
ル化合物とをエステル化するエステル化反応器であり、
7は該エステル化反応器1から留出したジオール化合
物、水等を含む留出物から水を蒸留するための蒸留器で
ある。エステル化反応器1から留出した留出物はライン
21を介して蒸留器7に供給され、蒸留器7で回収され
たジオール化合物はライン23を介してエステル化反応
器1に供給され、蒸留器7で分離された水はライン22
から系外に排出されるようになっている。また、エステ
ル化反応器1で得られた低次重縮合物および未反応のジ
カルボン酸、ジオール化合物は、ライン11を介して重
縮合反応器に供給されるようになっている。
【0013】図中2はエステル化反応器1で得られた低
次重縮合物を重縮合する重縮合反応器である。重縮合反
応器2から留出する留出物はライン12を介して凝縮器
に供給され、得られたポリエステルはライン20から排
出されるようになっている。
【0014】図中3、4は、重縮合反応器2から留出す
る留出物を凝縮させる第1凝縮器および第2凝縮器であ
り、5は、重縮合反応器2から留出する留出物を凝縮さ
せる第3凝縮器であり、8は第1凝縮器3に供給するジ
オール化合物の蒸気を発生させる第1蒸気発生器であ
り、9は第2凝縮器4に供給するジオール化合物の蒸気
を発生させる第2蒸気発生器である。図中33は三方弁
であり、ライン13、14の回路、またはライン13、
15の回路に切り替えられるようになっている。図1に
記載したポリエステルの製造装置では、並列に連結され
た凝縮器は2器であるが本発明では3器以上設けること
もできる。また、蒸気発生器は、並列に連結された凝縮
器と同数設けられているが、本発明では1つの蒸気発生
器から複数の凝縮器にジオール化合物の蒸気を供給する
ようにしてもよい。
【0015】重縮合反応器2から留出する留出物は、ラ
イン12、バルブ31を有するライン13、三方弁3
3、ライン14を介して第1凝縮器3に、ライン12、
バルブ31を有するライン13、三方弁33、ライン1
5を介して第2凝縮器4に、ライン12、バルブ32を
有するライン18を介して第3凝縮器5にそれぞれ供給
されるようになっている。
【0016】第1凝縮器3、第2凝縮器4で凝縮した留
出物は、それぞれバルブ34を有するライン16、バル
ブ35を有するライン17を介して第3凝縮器5に供給
されライン19を介して貯留タンク6に供給されるよう
になっており、第3凝縮器5で凝縮した留出物は、ライ
ン19を介して貯留タンク6に供給されるようになって
いる。
【0017】第1蒸気発生器8で発生させたジオール化
合物の蒸気は、バルブ36を有するライン24を介して
第1凝縮器3に供給され、該ジオール化合物の蒸気によ
り第1凝縮器3の内壁に付着した付着物を除去し、付着
物を含むジオール化合物は、バルブ38を有するライン
26を介して貯留タンク6に供給されるようになってい
る。また第2蒸気発生器9で発生させたジオール化合物
の蒸気は、バルブ37を有するライン25を介して第2
凝縮器4に供給され、該ジオール化合物の蒸気により第
2凝縮器4の内壁に付着した付着物を除去し、付着物を
含むジオール化合物は、バルブ39を有するライン27
を介して貯留タンク6に供給されるようになっている。
【0018】本発明に係るポリエステルの製造装置は、
バルブ32、36、38を閉じ、三方弁33をライン1
3、14の回路に切り替えて、バルブ31、34を開い
て、重縮合反応器2から留出する留出物を第1凝縮器3
に供給し留出物を凝縮させ、同時にバルブ37、39を
開き、バルブ35を閉じて第2蒸気発生器9から発生さ
せたジオール化合物の蒸気を第2凝縮器4に供給して第
2凝縮器4の内壁に付着した付着物を除去しうるように
なっている。
【0019】また本発明に係るポリエステルの製造装置
は、バルブ32、37、39を閉じ、三方弁33をライ
ン13、15の回路に切り替えて、バルブ31、35を
開いて、重縮合反応器2から留出する留出物を第2凝縮
器4に供給し留出物を凝縮させ、同時にバルブ36、3
8を開き、バルブ34を閉じて第1蒸気発生器8から発
生させたジオール化合物の蒸気を第1凝縮器3に供給し
て第1凝縮器3の内壁に付着した付着物を除去しうるよ
うにもなっている。
【0020】したがって上記のような製造装置を用いて
ポリエステルをバッチで製造する場合、1バッチを製造
する間に第1凝縮器3および第2凝縮器4を交互に使用
することができるので、重縮合反応器から留出する留出
物中にオリゴマー等が多く含有していても伝熱面積の小
さい凝縮器でポリエステルの製造を行うことができる。
なお、第1凝縮器3および第2凝縮器4が付着物により
閉塞した場合には、バルブ31、34、35を閉じ、バ
ルブ32を開いて第3凝縮器5を使用して重縮合反応器
から留出する留出物を凝縮させることができる。
【0021】本発明では、前記凝縮器の伝熱面積の合計
が0.2〜15m2 /ton 、好ましくは0.5〜10m
2 /ton の範囲にあることが好ましい。上記のようなポ
リエステルの製造装置を用いてポリエステルをバッチで
製造するには、まずエステル化反応器1に、ジカルボン
酸およびジオール化合物を所定量供給しスラリー化す
る。エステル化反応器に供給されるジオール化合物とジ
カルボン酸とのモル比(ジオール化合物/ジカルボン
酸)は、通常0.85〜2.35、好ましくは0.95
〜1.35の範囲にある。
【0022】エステル化反応器に供給されるジカルボン
酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、
ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジ
フェノキシエタンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン
酸;コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、デカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸;シ
クロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸な
どが挙げられ、これらのエステル誘導体を用いることも
できる。本発明では、イソフタル酸を好ましくは9モル
%以上、より好ましくは50モル%以上、さらに好まし
くは80〜98モル%の割合で含有するジカルボン酸が
用いられる。イソフタル酸以外のジカルボン酸は、好ま
しくはテレフタル酸である。
【0023】ジオール化合物としては、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、トリメチレングリコー
ル、ブタンジオール、シクロヘキサンジオール、ポリテ
トラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノー
ル、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4-
ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビス(4-β-
ヒドロキシエトキシフェニル)スルホンなどが挙げら
れ、これらのエステル誘導体を用いることもできる。本
発明では、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン
をジオール化合物の合計量100モル%に対して1〜2
5モル%、好ましくは5〜20モル%、より好ましくは
12〜18モル%の割合で含有するジオール化合物を用
いることが望ましい。1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキ
シ)ベンゼン以外のジオール化合物として好ましくはエ
チレングリコールである。
【0024】前記エステル化反応器1には、ジカルボン
酸およびジオール化合物以外の他の化合物を供給しても
よく、例えば、ベンゾイル安息香酸、ジフェニルスルホ
ンモノカルボン酸、ステアリン酸、メトキシポリエチレ
ングリコール、フェノキシポリエチレングリコールなど
の単官能化合物;トリメシン酸、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパン、トリメチロールメタン、
ペンタエリスリトールなどの多官能性化合物が含有され
ていてもよい。これらの単官能化合物および多官能性化
合物は、ジカルボン酸とジオール化合物との合計量に対
して0.01〜20モル%、好ましくは0.05〜15
モル%の量で必要に応じて用いられる。
【0025】エステル化反応は、ジオール化合物が還流
する条件下で、ジオール化合物および反応によって生成
した水などの留出物の一部を蒸留器7で反応器外に除去
しながら実施される。
【0026】エステル化反応は、通常240〜270
℃、好ましくは245〜265℃の温度で、また通常
0.2〜3kg/cm2-G 、好ましくは0.5〜2kg
/cm2-G の圧力下で行われる。
【0027】エステル化反応は、少量の塩基性化合物の
存在下に行ってもよい。塩基性化合物としては、例えば
トリエチルアミン、トリn-ブチルアミン、ベンジルジメ
チルアミンなどの第3級アミン、水酸化テトラエチルア
ンモニウム、水酸化テトラn-ブチルアンモニウム、水酸
化トリメチルベンジルアンモニウムなどの水酸化第4級
アンモニウムおよび炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0028】このエステル化反応では、ジカルボン酸と
ジオール化合物とのエステル化反応物として低次縮合物
が得られ、例えば数平均分子量が500〜5000程度
の低次縮合物が得られる。この低次縮合物は、次いで重
縮合(液相重縮合)反応器に供給される。
【0029】エステル化反応器1で得られた低次縮合物
および未反応のジオール化合物、ジカルボン酸は、ライ
ン11から重縮合反応器2に供給される。この際低次縮
合物および未反応のジオール化合物、ジカルボン酸の一
部をエステル化反応器1に残留させてもよい。
【0030】重縮合反応は、重縮合触媒の存在下に、エ
ステル化反応で得られた低次縮合物を、減圧下で、得ら
れるポリエステルの融点以上の温度(通常270〜30
0℃)に加熱することにより行われる。この重縮合反応
は、未反応のジオール化合物などを含む留出物を反応器
外に留去させながら行われる。
【0031】重縮合反応は、反応温度が270〜290
℃、好ましくは275〜285℃の範囲で、昇温速度が
通常10〜30℃/時間、好ましくは15〜25℃/時
間、反応圧力が0.1〜5Torr、好ましくは0.5
〜2Torrの範囲で、減圧速度が350〜760To
rr/時間、好ましくは400〜600Torr/時間
の条件下で行われる。
【0032】重縮合触媒としては、二酸化ゲルマニウ
ム、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテト
ラn-ブトキシドなどのゲルマニウム化合物;三酸化アン
チモン、酢酸アンチモンなどのアンチモン触媒;チタニ
ウムテトラブトキサイドなどのチタン触媒;酢酸コバル
トなどのコバルト触媒を用いることができる。これらの
触媒の中では、三酸化アンチモン、酢酸アンチモン、酢
酸コバルトなどを用いることが好ましい。重縮合反応で
は、重縮合触媒はジカルボン酸に対して、該重縮合触媒
中の金属原子換算で、0.0005〜0.2重量%、好
ましくは0.001〜0.1重量%の割合で存在するこ
とが望ましい。
【0033】また、重縮合反応は安定剤の存在下に行っ
てもよい。安定剤としては、例えばトリメチルホスフェ
ート、トリエチルホスフェート、トリn-ブチルホスフェ
ート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフ
ェートなどのリン酸エステル類;トリフェニルホスファ
イト、トリスドデシルホスファイト、トリスノニルフェ
ニルホスファイトなどの亜リン酸エステル類;メチルア
シッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェー
ト、ブチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェー
ト、モノブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート
などのリン酸エステルおよびリン酸、ポリリン酸などの
リン化合物が用いられる。
【0034】前記重縮合反応器2からの留出物は、凝縮
器に供給される。この留出物には、ジオール化合物とジ
カルボン酸との環状体、低重合体などのオリゴマー、水
等が含有されている。本発明では例えば、まずバルブ3
2、36、38を閉じ、三方弁33をライン13、14
の回路に切り替え、バルブ31、34を開いて重縮合反
応器2から留出する留出物を第1凝縮器3に供給し留出
物を凝縮させる。
【0035】第1凝縮器3の内壁にオリゴマー等が付着
して凝縮能力が低下したときには、三方弁33をライン
13、15の回路に切り替え、バルブ37、39を閉
じ、バルブ35を開いて重縮合反応器2から留出する留
出物を第2凝縮器4に供給し留出物を凝縮させると同時
に、バルブ34を閉じ、バルブ36、38を開き第1蒸
気発生器から発生させたジオール化合物の蒸気を第1凝
縮器3に供給して第1凝縮器3の内壁に付着した付着物
を除去する。除去された付着物およびジオール化合物は
ライン26から貯留タンク6に供給される。
【0036】第2凝縮器4の内壁にオリゴマー等が付着
して凝縮能力が低下したときには、三方弁33をライン
13、14の回路に切り替え、バルブ36、38を閉
じ、バルブ34を開いて重縮合反応器2から留出する留
出物を第1凝縮器3に供給し留出物を凝縮させると同時
に、バルブ35を閉じ、バルブ37、39を開き第2蒸
気発生器9から発生させたジオール化合物の蒸気を第2
凝縮器4に供給して第2凝縮器4の内壁に付着した付着
物を除去する。除去された付着物およびジオール化合物
はライン27から貯留タンク6に供給される。
【0037】本発明では上記のような操作を繰り返し、
重縮合反応器2から留出する留出物を第1凝縮器3およ
び第2凝縮器4に交互に供給することにより重縮合反応
が行われる。このため重縮合反応器から留出する留出物
中のオリゴマー量が多い場合であっても、伝熱面積の小
さい凝縮器で重縮合反応を行うことができる。
【0038】なお、第1凝縮器3および第2凝縮器4が
付着物により閉塞した場合には、バルブ31、34、3
5を閉じ、バルブ32を開いて第3凝縮器5を使用して
重縮合反応器から留出する留出物を凝縮させることがで
きる。
【0039】重縮合反応器2で得られたポリエステルは
ライン20から排出されチップ状に成形される。重縮合
反応で得られたポリエステルの極限粘度[η]は、通常
0.40〜1.0dl/g、好ましくは0.50〜0.
90dl/gの範囲にある。
【0040】
【発明の効果】本発明に係るポリエステルの製造装置
は、少なくとも2器の凝縮器を有し、1の凝縮器に留出
物を凝縮すると同時に、他の凝縮器のうち少なくとも1
の凝縮器にジオール化合物の蒸気を供給し該凝縮器の内
部に付着した付着物を除去しうるようにしているので、
重縮合反応で発生する留出物中のオリゴマー含量が多い
場合であっても凝縮器が閉塞することがなく、また凝縮
器の伝熱面積を小さくすることができる。
【0041】本発明に係るポリエステルの製造方法は、
少なくとも2器の凝縮器を用い、前記凝縮器を交互に使
用しているので、重縮合反応で発生する留出物中のオリ
ゴマー含量が多い場合であっても凝縮器が閉塞すること
がなく、また伝熱面積の小さい凝縮器を使用することが
できる。
【0042】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
【0043】
【実施例1、2】図1に記載した構成のポリエステルの
製造装置を用い、下記表1に記載した条件でエステル化
および溶融重縮合反応を行ってポリエステルを製造し
た。切り替え式凝縮器(図中の3、4、5)の伝熱面積
の合計は0.3m2/トンであった。
【0044】
【参考例1、比較例1、2】図1に記載した構成のポリ
エステルの製造装置において、切り替え式凝縮器に代え
て重縮合反応器2と貯留タンク6との間のラインに伝熱
面積0.3m2/トンの凝縮器を1器だけ設けた製造装
置を用い、下記表1に記載した条件でエステル化および
溶融重縮合反応を行ってポリエステルを製造した。
【0045】
【表1】
【0046】実施例1、2では、図1の切り替え式凝縮
器を使用したので、イソフタル酸含量が多いポリエステ
ルを製造する場合であっても、途中で反応を停止するこ
となく製造が可能であった。
【0047】これに対し、比較例1、2では、凝縮器の
伝熱面にオリゴマーが付着して重縮合反応器の真空度が
悪化したため、途中で反応を中断してオリゴマーを除去
する必要があった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るポリエステルの製造装置の一例
を示す概略図である。
【符号の説明】
1 … エステル化反応器 2 … 重縮合反応器 3 … 第1凝縮器 4 … 第2凝縮器 5 … 第3凝縮器 6 … 貯留タンク 7 … 蒸留器 8 … 第1蒸気発生器 9 … 第2蒸気発生器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平 岡 章 二 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 Fターム(参考) 4D076 AA16 BC27 FA02 FA13 FA31 FA34 HA20 JA02 JA05 4J029 AA03 AB01 AB04 BA03 BA05 BB04A BD03A BF08 BF09 BH02 FA12 JA121 JB171 JC031 JC091 JF021 JF031 JF041 LA02 LA17 LB02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジカルボン酸とジオール化合物とをエステ
    ル化するエステル化反応器と、 前記エステル化反応器で得られた低次重縮合物を重縮合
    する重縮合反応器と、 前記重縮合反応器から留出する留出物を凝縮させる少な
    くとも2器の凝縮器と、 前記凝縮器に供給するためのジオール化合物の蒸気を発
    生させる蒸気発生器とを有し、 前記少なくとも2器の凝縮器のうち1の凝縮器に前記重
    縮合反応器から留出する留出物を供給し留出物を凝縮す
    ると同時に、他の凝縮器のうち少なくとも1の凝縮器に
    前記蒸気発生器からジオール化合物の蒸気を供給し該凝
    縮器の内部に付着した付着物を除去しうるようにしたこ
    とを特徴とするポリエステルの製造装置。
  2. 【請求項2】前記少なくとも2器の凝縮器が、並列に設
    けられた2器の凝縮器と、前記2器の凝縮器とそれぞれ
    直列に連結され、かつ前記2器の凝縮器を経由しないラ
    インで重縮合反応器から留出する留出物を供給しうる凝
    縮器とである請求項1に記載のポリエステルの製造装
    置。
  3. 【請求項3】前記凝縮器の伝熱面積の合計が0.2〜1
    5m2 /ton の範囲にある請求項1または2に記載のポ
    リエステルの製造装置。
  4. 【請求項4】ジカルボン酸とジオール化合物とをエステ
    ル化するエステル化反応器と、前記エステル化反応器で
    得られた低次重縮合物を重縮合する重縮合反応器と、前
    記重縮合反応器から留出する留出物を凝縮させる少なく
    とも2器の凝縮器と、前記凝縮器に供給するためのジオ
    ール化合物の蒸気を発生させる蒸気発生器とを有する製
    造装置を用いて、イソフタル酸を9モル%以上の割合で
    含有するジカルボン酸と、ジオール化合物からポリエス
    テルをバッチで製造するに際して、1バッチ中に少なく
    とも下記(1)〜(3)の操作を行うことを特徴とする
    ポリエステルの製造方法; (1)前記少なくとも2器の凝縮器のうち1の凝縮器に
    前記重縮合反応器から留出する留出物を供給して留出物
    を凝縮する (2)前記1の凝縮器に対する留出物の供給を停止し、
    他の凝縮器のうち少なくとも1の凝縮器に前記重縮合反
    応器から留出する留出物を供給して留出物を凝縮すると
    同時に、前記1の凝縮器に前記蒸気発生器で発生させた
    ジオール化合物の蒸気を供給し該凝縮器の内部に付着し
    た付着物を除去する (3)内部に付着した付着物を除去した前記凝縮器に前
    記蒸気発生器で発生させたジオール化合物の蒸気を供給
    して留出物を凝縮する
  5. 【請求項5】前記ジオール化合物は、エチレングリコー
    ルと1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとから
    なり、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンをジ
    オール化合物の合計量100モル%に対して1〜25モ
    ル%の割合で含有する請求項4に記載のポリエステルの
    製造方法。
JP2000115877A 2000-04-12 2000-04-12 ポリエステルの製造装置および製造方法 Pending JP2001294654A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000115877A JP2001294654A (ja) 2000-04-12 2000-04-12 ポリエステルの製造装置および製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000115877A JP2001294654A (ja) 2000-04-12 2000-04-12 ポリエステルの製造装置および製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001294654A true JP2001294654A (ja) 2001-10-23

Family

ID=18627416

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000115877A Pending JP2001294654A (ja) 2000-04-12 2000-04-12 ポリエステルの製造装置および製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001294654A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004323828A (ja) * 2003-04-07 2004-11-18 Mitsubishi Chemicals Corp ポリエステル重縮合反応留出物の処理方法
JP2009120751A (ja) * 2007-11-16 2009-06-04 Toyobo Co Ltd ポリエステルの製造方法
KR101076361B1 (ko) 2011-01-12 2011-10-25 이중용 폐열 회수 및 원료 예열을 통한 에너지 절감형 에스터 제조장치 및 제조방법
JP2016530989A (ja) * 2013-07-11 2016-10-06 セラニーズ アセテート,エルエルシー セルロースエステルの製造におけるエネルギー回収プロセス

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004323828A (ja) * 2003-04-07 2004-11-18 Mitsubishi Chemicals Corp ポリエステル重縮合反応留出物の処理方法
JP4552462B2 (ja) * 2003-04-07 2010-09-29 三菱化学株式会社 ポリエステル重縮合反応留出物の処理方法
JP2009120751A (ja) * 2007-11-16 2009-06-04 Toyobo Co Ltd ポリエステルの製造方法
KR101076361B1 (ko) 2011-01-12 2011-10-25 이중용 폐열 회수 및 원료 예열을 통한 에너지 절감형 에스터 제조장치 및 제조방법
JP2016530989A (ja) * 2013-07-11 2016-10-06 セラニーズ アセテート,エルエルシー セルロースエステルの製造におけるエネルギー回収プロセス

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH08283394A (ja) ポリエチレンテレフタレートの製造方法
US6812321B1 (en) Method for the continuous production of polybutyleneterephthalate from terephthalic acid and butanediol
JPH08283393A (ja) ポリエチレンテレフタレートおよびその製造方法
JP2001294654A (ja) ポリエステルの製造装置および製造方法
JP2002105185A (ja) ポリエステルの製造方法
JPH0347830A (ja) ポリエチレンテレフタレートの製造方法
JP4670127B2 (ja) ポリエステルの乾燥方法
JP5062960B2 (ja) 共重合ポリエステル
JP3095166B1 (ja) ポリエステルの製造方法
JP3075406B1 (ja) ポリエステルの製造方法
JP2001048966A (ja) ポリエチレンテレフタレートおよび中空成形体
JP3386432B2 (ja) ポリエステルの製造方法
JP3041851B1 (ja) ポリエステルの製造方法
JP2002105187A (ja) ポリエステルの製造方法
JP2001131277A (ja) ポリエステルの製造方法
JP4781701B2 (ja) ポリエチレンテレフタレートの製造方法および成型体
JP4086983B2 (ja) ポリエステルの製造方法
JP3864004B2 (ja) ポリエステルの製造方法
JP4660108B2 (ja) ポリエステル製造用難沈殿性微細チタン触媒
JP2001072753A (ja) ポリエステルの製造方法
JP3357477B2 (ja) ポリエステルの製造方法
JP2006290996A (ja) 水で洗浄した原料を用いた色相良好なpetの製造方法
JP4660109B2 (ja) ポリエステル製造用浮遊性チタン触媒
JP3063767B2 (ja) ポリエステルの製造方法
JP3637955B2 (ja) ポリエステルの製造方法