JP2002105187A - ポリエステルの製造方法 - Google Patents

ポリエステルの製造方法

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JP2002105187A
JP2002105187A JP2000304468A JP2000304468A JP2002105187A JP 2002105187 A JP2002105187 A JP 2002105187A JP 2000304468 A JP2000304468 A JP 2000304468A JP 2000304468 A JP2000304468 A JP 2000304468A JP 2002105187 A JP2002105187 A JP 2002105187A
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condenser
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polyester
reactor
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JP2000304468A
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Seiji Noda
田 誠 司 野
Hitoshi Tsuboi
井 均 坪
Shoji Hiraoka
岡 章 二 平
Satoshi Yamanobe
聡 山野辺
Nobutada Mukai
展 正 向
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】長期連続運転が可能であるポリエステルの製造
方法を提供すること。 【解決手段】ポリエステルの製造方法は、少なくともエ
ステル化反応器と重縮合反応器とを有する重合装置を用
いて、イソフタル酸を9モル%以上の割合で含有するジ
カルボン酸と、ジオール化合物とからポリエステルを製
造するに際して、前記重縮合反応器から留出したジオー
ル化合物を含む留出物を凝縮器で凝縮しつつ、前記凝縮
器から回収された回収ジオール化合物の一部を該凝縮器
にスプレーで供給するとともに、前記スプレーとは異な
るスプレーでオリゴマーの含量が5000ppm以下の
高純度ジオール化合物を前記凝縮器に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエステルの製造
方法に関し、さらに詳しくは、長期間連続的に運転する
ことが可能なポリエステルの製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来からポリエチレンテレフタレ
ートなどのポリエステルは、ボトル、繊維、フィルム、
シートなどに成形され広く用いられている。ポリエステ
ルは、通常ジカルボン酸とジオール化合物とをエステル
化反応させ、次いで得られたエステル化反応物(低次重
縮合物)を重縮合触媒の存在下に重縮合させることによ
って製造されている。このようなポリエステルの製造工
程において、重縮合反応は、未反応のジオール化合物
(例えばエチレングリコール)などを含む留出物を系外
に留去させながら行われ、留出物は凝縮器などで液化さ
れ、回収される。
【0003】ところでイソフタル酸を一定の割合以上で
含有するジカルボン酸を用いてポリエステルを製造する
と、ジカルボン酸としてテレフタル酸のみを用いた場合
に比べて重縮合反応器からの留出物中にジカルボン酸と
ジオール化合物とのオリゴマーの量が多くなる。このた
め、留出物を液化、回収する工程中の配管、凝縮器など
の壁面にオリゴマーが付着し、配管、凝縮器などが閉塞
して長時間連続して運転することが困難となることがあ
った。
【0004】したがってイソフタル酸を一定の割合以上
で含有するジカルボン酸を用いてポリエステルを製造し
た場合に、重縮合反応器から留出する留出物の回収工程
中の配管、凝縮器などが閉塞することなく、長期連続運
転が可能なポリエステルの製造方法の出現が望まれてい
る。
【0005】
【発明の目的】本発明は上記のような従来技術における
問題点を解決するためになされたものであって、長期連
続運転が可能であるポリエステルの製造方法を提供する
ことを目的としている。
【0006】
【発明の概要】本発明に係るポリエステルの製造方法
は、少なくともエステル化反応器と重縮合反応器とを有
する重合装置を用いて、イソフタル酸を9モル%以上の
割合で含有するジカルボン酸と、ジオール化合物からポ
リエステルを製造するに際して、前記重縮合反応器から
留出したジオール化合物を含む留出物を凝縮器で凝縮し
つつ、前記凝縮器から回収された回収ジオール化合物の
一部を該凝縮器にスプレーで供給するとともに、前記ス
プレーとは異なるスプレーでオリゴマーの含量が500
0ppm以下の高純度ジオール化合物を前記凝縮器に供
給することを特徴としている。
【0007】前記高純度ジオール化合物は、水分含量が
1重量%以下であることが好ましい。前記エステル化反
応器に供給されるジオール化合物とジカルボン酸とのモ
ル比(ジオール化合物/ジカルボン酸)は、通常1.0
1〜4の範囲にある。前記エステル化反応器に供給され
るジオール化合物としては、例えばエチレングリコール
と1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとを含
み、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンを5〜
90モル%の割合で含有するものが用いられる。
【0008】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るポリエステル
の製造方法について具体的に説明する。本発明に係るポ
リエステルの製造方法は、少なくともエステル化反応器
と重縮合反応器とを有する重合装置を用いて、ジカルボ
ン酸とジオール化合物とからポリエステルを製造する。
【0009】エステル化反応器には、ジカルボン酸とジ
オール化合物とが通常スラリーとして供給される。エス
テル化反応器に供給されるジオール化合物とジカルボン
酸とのモル比(ジオール化合物/ジカルボン酸)は、通
常1.01〜4、好ましくは1.01〜2、より好まし
くは1.1〜1.4の範囲にある。エステル化反応器に
供給されるジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソ
フタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェ
ニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸な
どの芳香族ジカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸などの脂肪
族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂
環族ジカルボン酸などが挙げられ、これらのエステル誘
導体を用いることもできる。本発明では、イソフタル酸
を9モル%以上、好ましくは50モル%以上、より好ま
しくは80〜98モル%の割合で含有するジカルボン酸
が用いられる。イソフタル酸以外のジカルボン酸は、好
ましくはテレフタル酸である。
【0010】ジオール化合物としては、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、トリメチレングリコー
ル、ブタンジオール、シクロヘキサンジオール、ポリテ
トラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノー
ル、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4-
ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビス(4-β-
ヒドロキシエトキシフェニル)スルホンなどが挙げら
れ、これらのエステル誘導体を用いることもできる。本
発明では、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン
を5〜90モル%、好ましくは5〜20モル%、より好
ましくは12〜18モル%の割合で含有するジオール化
合物を用いることができる。この場合1,3-ビス(2-ヒド
ロキシエトキシ)ベンゼン以外のジオール化合物として
好ましくはエチレングリコールである。
【0011】前記エステル化反応器には、ジカルボン酸
およびジオール化合物以外の他の化合物を供給してもよ
く、例えば、ベンゾイル安息香酸、ジフェニルスルホン
モノカルボン酸、ステアリン酸、メトキシポリエチレン
グリコール、フェノキシポリエチレングリコールなどの
単官能化合物;トリメシン酸、トリメチロールエタン、
トリメチロールプロパン、トリメチロールメタン、ペン
タエリスリトールなどの多官能性化合物が含有されてい
てもよい。これらの単官能化合物および多官能性化合物
は、前記スラリーに混合して、または前記スラリーとは
別にエステル化反応器に供給することができる。これら
の単官能化合物および多官能性化合物は、ジカルボン酸
とジオール化合物との合計量に対して0.01〜20モ
ル%、好ましくは0.05〜15モル%の量で必要に応
じて用いられる。
【0012】エステル化反応は、少なくとも1個、通常
2個のエステル化反応器を直列に連結した反応装置を用
いてジオール化合物が還流する条件下で、ジオール化合
物および反応によって生成した水などの留出物の一部を
蒸留器で反応器外に除去しながら実施される。第1段目
のエステル化反応器から留出したジオール化合物、水等
を含む留出物は蒸留器へ導入され、この蒸留器でジオー
ル化合物と水とが分離される。得られたジオール化合物
は、該第1段目のエステル化反応器に還流されるが、一
部は後述する凝縮器に供給してもよい。この蒸留器で分
離されたジオール化合物は後述する凝縮器で回収される
回収ジオール化合物のようにオリゴマーを含んでいな
い。このジオール化合物は、オリゴマー含量が通常50
00ppm以下である。また、このジオール化合物は、
水分含量が通常1重量%以下である。
【0013】ここで本発明においてオリゴマーとは、ジ
カルボン酸とジオール成分からなる線状または環状の2
〜5量体を意味し、ジオール化合物中のオリゴマー含量
は、以下のようにして測定される。すなわち、試料に水
を加えてオリゴマーを析出させ、メンブランフィルター
で析出物を濾過し、真空乾燥した後に重量を測定する。
【0014】またジオール化合物中の水分は、カールフ
ィッシャー法で測定される。第2段目のエステル化反応
器から留出したジオール化合物、水等を含む留出物は、
通常系外に排出されるが、前記第1段目のエステル化反
応器に供給し、重合原料として利用することもできる。
エステル化反応を例えば2段階で実施する場合には、第
1段目のエステル化反応は、通常240〜270℃、好
ましくは245〜265℃の温度で、また通常0.2〜
3kg/cm2-G 、好ましくは0.5〜2kg/cm2-
G の圧力下で行われ、第2段目のエステル化反応は、通
常250〜280℃、好ましくは255〜275℃の温
度で、通常0〜1.5kg/cm2-G 、好ましくは0〜
1.3kg/cm2-G の圧力下で行われる。
【0015】エステル化反応は、少量の塩基性化合物の
存在下に行ってもよい。塩基性化合物としては、例えば
トリエチルアミン、トリn-ブチルアミン、ベンジルジメ
チルアミンなどの第3級アミン、水酸化テトラエチルア
ンモニウム、水酸化テトラn-ブチルアンモニウム、水酸
化トリメチルベンジルアンモニウムなどの水酸化第4級
アンモニウムおよび炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0016】このエステル化反応では、ジカルボン酸と
ジオール化合物とのエステル化反応物として低次縮合物
が得られ、例えば数平均分子量が500〜5000程度
の低次縮合物が得られる。この低次縮合物は、次いで重
縮合(液相重縮合)反応器に供給される。重縮合反応で
は、重縮合触媒の存在下に、エステル化反応器で得られ
た低次縮合物を、減圧下で、得られるポリエステルの融
点以上の温度(通常270〜300℃)に加熱すること
により行われる。この重縮合反応は、未反応のジオール
化合物などを含む留出物を反応系外に留去させながら行
われる。
【0017】重縮合反応は、1段階で行ってもよく、複
数段階に分けて行ってもよい。例えば重縮合反応が3段
で実施される場合には、第1段目の重縮合反応は、通常
260〜290℃、好ましくは260〜280℃の温度
で、通常100〜3kPa、好ましくは30〜4kPa
の圧力下で行われ、第2段目の重縮合反応は、通常26
0〜295℃、好ましくは270〜290℃の温度で、
通常10〜0.1kPa、好ましくは7〜0.7kPa
の圧力下で行われ、第3段目の重縮合反応は、通常27
0〜300℃、好ましくは275〜300℃の温度で、
通常1〜0.01Torr、好ましくは0.7〜0.0
7kPaの圧力下で行われる。
【0018】重縮合触媒としては、二酸化ゲルマニウ
ム、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテト
ラn-ブトキシドなどのゲルマニウム化合物;三酸化アン
チモン、酢酸アンチモンなどのアンチモン触媒;チタニ
ウムテトラブトキサイドなどのチタン触媒;酢酸コバル
トなどのコバルト触媒を用いることができる。これらの
触媒の中では、三酸化アンチモン、酢酸アンチモン、酢
酸コバルトなどを用いることが好ましい。
【0019】また、重縮合反応は安定剤の存在下に行っ
てもよい。安定剤としては、例えばトリメチルホスフェ
ート、トリエチルホスフェート、トリn-ブチルホスフェ
ート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフ
ェートなどのリン酸エステル類;トリフェニルホスファ
イト、トリスドデシルホスファイト、トリスノニルフェ
ニルホスファイトなどの亜リン酸エステル類;メチルア
シッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェー
ト、ブチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェー
ト、モノブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート
などのリン酸エステルおよびリン酸、ポリリン酸などの
リン化合物が用いられる。
【0020】重縮合反応では、重縮合触媒はジカルボン
酸に対して、該重縮合触媒中の金属原子換算で、通常
0.0005〜0.2重量%、好ましくは0.001〜
0.1重量%の割合となるような量で用いられる。前記
重縮合反応器からの留出物は、凝縮器に導入される。こ
の留出物には、ジオール化合物とジカルボン酸とのオリ
ゴマー、水等が含有されている。凝縮器に導入された留
出物は、該凝縮器にジオール化合物がスプレーで供給さ
れることにより冷却され、高沸点成分(ジオール化合物
等)は液化され回収される。一方、水などの低沸点成分
は系外に排出される。
【0021】前記凝縮器には、該凝縮器で液化され回収
された回収ジオール化合物がスプレーで供給(循環使
用)されるとともに、前記回収オリゴマー化合物の一部
を供給するスプレーとは異なるスプレーでオリゴマー含
量が5000ppm以下、好ましくは1000ppm以
下のジオール化合物(高純度ジオール化合物)が供給さ
れる。この高純度ジオール化合物には、オリゴマーを5
000ppm以下の量で含むもの、およびオリゴマーを
全く含まないものが含まれる。なお、回収ジオール化合
物は、オリゴマー、水などを含有しており、通常冷却、
濾過などを行った後、凝縮器にスプレー供給される。こ
の回収ジオール化合物には、通常オリゴマーが0.5〜
3.0重量%程度、水が通常0.5〜5重量%程度含ま
れている。
【0022】前記高純度ジオール化合物としては、重合
原料と同様のジオール化合物を用いてもよく、前記第1
段目のエステル化反応器から留出した留出物から回収し
たジオール化合物を用いてもよい。この高純度ジオール
化合物中の水分含量は、好ましくは1重量%以下、より
好ましくは0.5重量%であり、重縮合反応を複数段で
行う場合において最終段の重縮合反応器に連結されてい
る凝縮器にスプレーで供給される高純度ジオール化合物
中の水分含量は、好ましくは0.5重量%以下、より好
ましくは0.3重量%以下である。
【0023】前記凝縮器にスプレーで供給される回収ジ
オール化合物と高純度ジオール化合物との比率は、凝縮
器内において、オリゴマー濃度が通常10重量%以下、
好ましくは6重量%以下、水分濃度が通常30重量%以
下、好ましくは10重量%以下となるような比率であ
り、具体的には、例えば凝縮器に導入される重縮合反応
器からの留出物中のジオール化合物に対し、高純度ジオ
ール化合物を1.0〜30倍、好ましくは1.5〜25
倍の量で供給する。また前記凝縮器にスプレーで供給さ
れる回収ジオール化合物および高純度ジオール化合物の
温度は、留出物中のジオール化合物を凝縮し得る温度で
あれば特に限定されないが、通常15〜40℃程度であ
る。
【0024】前記、回収ジオール化合物の一部は、通常
系外に排出されるが、前記第1段目のエステル化反応器
に供給し、重合原料として利用することもできる。本発
明では、凝縮器に該凝縮器で回収した回収ジオール化合
物をスプレーで供給するとともに、前記スプレーとは異
なるスプレーで高純度ジオール化合物を供給しているの
で、循環使用される回収ジオール化合物中のオリゴマー
濃度が高濃度になることはなく、したがってオリゴマー
が析出し難く、ジオール化合物の回収ラインの配管が閉
塞したり、回収したジオール化合物を冷却する冷却器の
壁面にオリゴマーが付着して冷却能力を低下させること
がない。
【0025】本発明では前記重縮合反応器と凝縮器とを
連結する導管の内部に導管の内壁に付着したオリゴマー
などの付着物を機械的に除去する装置を設けてもよい。
このような導管の内壁に付着した付着物を機械的に除去
する装置の一例としては、掻き取り棒が挙げられる。掻
き取り棒は、棒状の軸部と、該軸部の一方の端部に軸部
にほぼ直角に設けられた掻き取り部とから構成されてい
る。掻き取り棒は、導管内に導管の軸方向にほぼ平行に
設けられ、掻き取り部と導管の内壁との間には適度な間
隔が設けられている。この掻き取り棒は、軸部が回転し
ながら導管の軸方向に往復運動することにより、導管の
内壁に付着したオリゴマー等の付着物を掻き取り、掻き
取られた付着物は凝縮器内に導入される。
【0026】上記のような重縮合反応で得られるポリエ
ステルの極限粘度[η]は、通常0.4〜1dl/g、
好ましくは0.5〜0.9dl/gの範囲にある。重縮
合反応で得られたポリエステルは、通常、溶融押出成形
され粒状(チップ状)に成形される。本発明では、前記
重縮合反応で得られたポリエステルを必要に応じて固相
重縮合させてもよい。固相重縮合は、例えば、上記で得
られたチップ状ポリエステルを、160℃〜融点未満の
温度、好ましくは170〜220℃の温度で、8〜40
時間、好ましくは15〜30時間加熱することにより行
われる。このように固相重縮合した後のポリエステルの
固有粘度は、0.6〜1dl/g、好ましくは0.75
〜0.95dl/gであることが望ましい。
【0027】上記のような本発明に係るポリステルの製
造方法が適用できる製造工程の一例を図1に示す。なお
図1では2個のエステル化反応器と3個の重縮合反応器
とを有する例を示しているが、本発明はこれに限定され
ない。以下、図面を参照しながら本発明に係るポリエス
テルの製造方法をさらに具体的に説明する。
【0028】図中1はミキサーであり、ジカルボン酸お
よびジオール化合物が所定量供給されスラリー化され
る。前記ミキサー1で調製されたスラリーは、ライン2
1からスラリー槽2に供給され、さらにライン22から
第1段エステル化反応器3に供給される。第1段エステ
ル化反応器3ではジカルボン酸とジオール化合物とがエ
ステル化され、エステル化した低次縮合物および未反応
のジカルボン酸、ジオール化合物等は、ライン23から
第2段エステル化反応器4に供給され、さらにエステル
化される。
【0029】第1段エステル化反応器3から留出したジ
オール化合物、水等を含む留出物はライン41から蒸留
器11に導入され蒸留されて、ジオール化合物を主成分
とするボトムはライン42から第1段エステル化反応器
3に導入され、水を主成分とする低沸点成分はライン5
1から排出される。なお、前記ボトムの一部は、後述す
る第1凝縮器13、第2凝縮器14、第3凝縮器15に
スプレーで供給してもよい。
【0030】第2段エステル化反応器4から留出したジ
オール化合物、水等を含む留出物はライン43から冷却
器12に導入され冷却、液化される。得られた液体は系
外に排出してもよく、ミキサー1に供給しスラリー調製
に使用してもよい。第2段エステル化反応器4で得られ
た低次縮合物等は、ライン24から第1段重縮合反応器
5に供給され重縮合される。第1段重縮合反応器5から
の留出物は、導管8から第1凝縮器13に導入され、液
化した留出物(回収ジオール化合物)はドラム16に貯
蔵される。また、留出物中の低沸点成分の一部がライン
52から系外に排出される。この回収ジオール化合物に
は、オリゴマー、水等が含まれている。第1凝縮器13
では、ドラム16の回収ジオール化合物が冷却器19で
冷却されライン32からスプレーで供給されるととも
に、高純度ジオール化合物がライン46からスプレーで
供給される。この高純度ジオール化合物は系外から導入
してもよく、前記蒸留器11のボトムを使用してもよ
い。なおライン32には濾過器を設けオリゴマーの一部
を除去してもよい。ドラム16の回収ジオール化合物
は、上記のように一部はライン32から第1凝縮器13
にスプレーで供給されるが、残りの一部はライン33か
ら系外に排出してもよく、ミキサー1に供給しスラリー
調製に使用してもよい。
【0031】第1段重縮合反応器5で得られたポリエス
テルは、ライン25から第2段重縮合反応器6に供給さ
れ重縮合される。第2段重縮合反応器6からの留出物
は、導管9から第2凝縮器14に導入され、液化した留
出物(回収ジオール化合物)はドラム17に貯蔵され
る。また、留出物中の低沸点成分の一部がライン53か
ら系外に排出される。この回収ジオール化合物には、オ
リゴマー、水等が含まれている。第2凝縮器14では、
ドラム17の回収ジオール化合物が冷却器20で冷却さ
れライン35からスプレーで供給されるとともに、高純
度ジオール化合物がライン47からスプレーで供給され
る。この高純度ジオール化合物は系外から導入してもよ
く、前記蒸留器11のボトムを使用してもよい。なおラ
イン35には濾過器を設けオリゴマーの一部を除去して
もよい。ドラム17の回収ジオール化合物は、上記のよ
うに一部はライン35から第2凝縮器14にスプレー供
給されるが、残りの一部はライン36から系外に排出し
てもよく、ミキサー1に供給しスラリー調製に使用して
もよい。
【0032】第2段重縮合反応器6で得られたポリエス
テルは、ライン26から第3段重縮合反応器7に供給さ
れ、さらに重縮合される。第3段重縮合反応器7からの
留出物は、導管10から第3凝縮器15に導入され、液
化した留出物(回収ジオール化合物)はドラム18に貯
蔵される。また、留出物中の低沸点成分の一部がライン
54から系外に排出される。この回収ジオール化合物に
は、オリゴマー、水等が含まれている。第3凝縮器15
では、ドラム18の回収ジオール化合物が冷却器28で
冷却されライン35からスプレー供給されるとともに、
高純度ジオール化合物がライン48からスプレー供給さ
れる。この高純度ジオール化合物は系外から導入しても
よく、前記蒸留器11のボトムを使用してもよい。なお
ライン38には濾過器を設けオリゴマーの一部除去して
もよい。ドラム18の回収ジオール化合物は、上記のよ
うに一部はライン38から第3凝縮器15にスプレー供
給されるが、残りの一部はライン39から系外に排出し
てもよく、ミキサー1に供給しスラリー調製に使用して
もよい。
【0033】第3段重縮合反応器7で得られたポリエス
テルはライン27から排出されチップ状に成形される。
【0034】
【発明の効果】本発明によると、重縮合反応器から留出
したジオール化合物を含む留出物を凝縮器で凝縮して留
出物中のジオール化合物を回収するに際して、該凝縮器
にオリゴマー含有量の少ないジオール化合物またはオリ
ゴマーを全く含まないジオール化合物を供給し、ジオー
ル化合物回収ライン中のオリゴマー濃度を低濃度に押さ
えているので、ジオール化合物の回収ラインの閉塞を防
ぐことができ、イソフタル酸の含有割合が多いジカルボ
ン酸を用いてポリエステルを製造した場合であっても長
期連続運転が可能である。
【0035】また、オリゴマー含有量の少ないジオール
化合物またはオリゴマーを全く含まないジオール化合物
の水分含量が低い場合には、ジオール化合物の回収ライ
ン中の水分濃度を低く保つことができ、減圧度の安定化
が図れる。さらに、従来使用されてきたポリエステルの
製造装置をほとんどそのまま使用することができるため
経済的に有利である。
【0036】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。本実施例において極限粘度、オリゴマー含
量、水分含量は以下のようにして測定した。
【0037】極限粘度 o-クロロフェノール溶媒を用いて1g/dlの試料溶液
を調製し、25℃でウベローデ型毛細管粘度計を用いて
溶液粘度を測定し、その後o-クロロフェノールを徐々に
添加して、低濃度側の溶液粘度を測定し、それらのデー
タから0%濃度に外挿して求めた。
【0038】オリゴマー含量 試料に水を加えてオリゴマーを析出させ、メンブランフ
ィルターで析出物を濾過し、真空乾燥した後に重量を測
定する。水分含量 カールフィッシャー法で求めた。
【0039】
【実施例1】図1に示したような製造工程にしたがっ
て、表1に示すジオール化合物およびジカルボン酸のエ
ステル化、溶融重縮合を行い、ポリエステルを製造し
た。なお、冷却器19は切替え可能な複数の冷却器であ
り、ライン32、35、38には、切替え可能な複数の
フィルタを設けた。ポリエステル製造の際には、ライン
46、47、48から30℃のエチレングリコール(オ
リゴマー含量:0ppm、水分:0.04重量%)を、
導管8、9、10から凝縮器13、14、15に導入さ
れるエチレングリコールに対してそれぞれ1.5倍、3
倍、20倍の量で供給しながら製造した。結果を表1に
示す。
【0040】
【比較例1】ライン46、47、48、49からエチレ
ングリコールを供給しなかったこと以外は実施例1と同
様にしてポリエステルを製造した。結果を表1に示す。
【0041】
【実施例2】ジオール化合物およびジカルボン酸の種類
および量を表1に示すように変更したこと以外は実施例
1と同様にしてポリエステルを製造した。結果を表1に
示す。
【0042】
【比較例2】ライン46、47、48、49からエチレ
ングリコールを供給しなかったこと以外は実施例2と同
様にしてポリエステルを製造した。結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るポリステルの製造方法が適用可
能な製造工程の一例を示す工程図である。
【符号の説明】
3 … 第1段エステル化反応器 4 … 第2段エステル化反応器 5 … 第1段重縮合反応器 6 … 第2段重縮合反応器 7 … 第3段重縮合反応器 11 … 蒸留器 12 … 冷却器 13 … 第1凝縮器 16 … ドラム 19 … 冷却器
フロントページの続き (72)発明者 平 岡 章 二 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 (72)発明者 山野辺 聡 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 (72)発明者 向 展 正 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 Fターム(参考) 4J029 AA03 AB04 AC02 BA03 BA05 BD03A BD06A BF09 BF18 BF25 BH02 CA02 CA04 CA06 CB04A CB05A CB06A CB10A CC05A CD03 DB13 KJ01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともエステル化反応器と重縮合反
    応器とを有する重合装置を用いて、イソフタル酸を9モ
    ル%以上の割合で含有するジカルボン酸と、ジオール化
    合物とからポリエステルを製造するに際して、 前記重縮合反応器から留出したジオール化合物を含む留
    出物を凝縮器で凝縮しつつ、前記凝縮器から回収された
    回収ジオール化合物の一部を該凝縮器にスプレーで供給
    するとともに、前記スプレーとは異なるスプレーでオリ
    ゴマーの含量が5000ppm以下の高純度ジオール化
    合物を前記凝縮器に供給することを特徴とするポリエス
    テルの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記高純度ジオール化合物は、水分含量
    が1重量%以下である請求項1に記載のポリエステルの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記エステル化反応器に供給されるジオ
    ール化合物とジカルボン酸とのモル比(ジオール化合物
    /ジカルボン酸)が1.01〜4の範囲にある請求項1
    または2に記載のポリエステルの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記エステル化反応器に供給されるジオ
    ール化合物が、エチレングリコールと1,3-ビス(2-ヒド
    ロキシエトキシ)ベンゼンとを含み、1,3-ビス(2-ヒド
    ロキシエトキシ)ベンゼンを5〜90モル%の割合で含
    有する請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステルの
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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