JP3637955B2 - ポリエステルの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボトルをはじめとして、フィルム、シ−ト成形用などに用いられるポリエステルの製造方法に関し、さらに詳しくは、成形時に金型汚れが発生しにくく、かつ成形品に残留異味、異臭が発生しにくく、成形品の結晶化コントロ−ル性に優れたポリエステルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレ−トなどのポリエステルは、機械的性質及び化学的性質が共に優れているため、工業的価値が高く、繊維、フイルム、シ−ト、ボトルなどとして広く使用されている。
【0003】
調味料、油、飲料、化粧品、洗剤などの容器の素材としては、充填内容物の種類およびその使用目的に応じて種々の樹脂が採用されている。
これらのうちでポリエステルは機械的強度、耐熱性、透明性およびガスバリヤー性に優れているので、特にジュース、清涼飲料、炭酸飲料などの飲料充填用容器の素材として最適である。
【0004】
このようなポリエステルは射出成形機械などの成形機に供給して中空成形体用プリフォームを成形し、このプリフォームを所定形状の金型に挿入し延伸ブロー成形した後ボトルの胴部を熱処理(ヒートセット)して中空成形容器に成形され、さらには必要に応じてボトルの口栓部を熱処理(口栓部結晶化)させるのが一般的である。
【0005】
ところが、従来のポリエステルには、環状三量体などのオリゴマー類が含まれており、このオリゴマー類が金型内面や金型のガスの排気口、排気管に付着することによる金型汚れが発生しやすかった。
【0006】
また、ポリエステルは、副生物であるアセトアルデヒドを含有する。ポリエステル中のアセトアルデヒド含量が多い場合には、これから成形された容器やその他包装等の材質中のアセトアルデヒド含量も多くなり、該容器等に充填された飲料等の風味や臭いに影響を及ぼす。したがって、従来よりポリエステル中のアセトアルデヒド含量を低減させるために種々の方策が採られてきた。
【0007】
近年、ポリエチレンテレフタレ−トを中心とするポリエステル製容器は、ミネラルウオ−タやウ−ロン茶等の低フレ−バ−飲料用の容器として使用されるようになってきた。このような飲料の場合は、一般にこれらの飲料を熱充填したりまたは充填後加熱して殺菌されるが、飲料容器のアセトアルデヒド含量の低減だけではこれらの内容物の風味や臭いが改善されないことがわかってきた。
【0008】
また、飲料用金属缶については、工程簡略化、衛生性、公害防止等の目的から、その内面にエチレンテレフタレ−トを主たる繰り返し単位とするポリエステルフイルムを被覆した金属板を利用して製缶する方法が採られるようになってきた。この場合にも、内容物を充填後高温で加熱殺菌されるが、この際アセトアルデヒド含量の低いフイルムを使用しても内容物の風味や臭いが改善されないことが分かってきた。
【0009】
このような問題点を解決する方法として、特開平3−47830号にはポリエチレンテレフタレ−トを水処理する方法が提案されているが、水処理効果を十分に発揮させるためには長時間の水処理を行うことが必要である。この場合、大型の水処理槽が必要となるため設備費が高くなり、また水処理時のエネルギ−消費量も多くなるなど問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術の問題点を解決することにあり、経済的な水処理設備を利用して効率よくポリエステルチップを水処理でき、処理時のエネルギ−コストを下げ、かつポリエステルチップから成形品を製造した際にも残留異味、異臭が少なく、金型汚れに効果のあるポリエステルを製造する方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のポリエステルの製造方法は、ポリエステルチップ及び処理水を処理槽に供給してポリエステルチップを水処理するポリエステルの製造方法において、約50℃から約160℃に維持したポリエステルチップを処理槽に供給し、処理槽から排出された処理水の少なくとも一部を処理槽に戻して繰り返し使用することを特徴とする。
【0012】
また、本発明のポリエステルの製造方法は、ポリエステルチップ及び処理水を処理槽に供給してポリエステルチップを水処理するポリエステルの製造方法において、約50℃から約160℃に維持したポリエステルチップを処理槽に供給し、処理槽から排出された処理水を処理槽に戻さずに排出することを特徴とする。
【0013】
この場合において、ポリエステルチップを、処理槽に継続的に供給することができる。
【0014】
この場合において、ポリエステルチップを、処理槽に間欠的に供給することができる。
【0015】
また、本発明のポリエステルの製造方法において、ポリエステルチップを処理槽に充填するとともに、処理槽に処理水を供給してポリエステルチップを水処理するポリエステルの製造方法において、約50℃から約160℃に維持したポリエステルチップを処理槽に充填し、処理槽から排出された処理水の少なくとも一部を処理槽に戻して繰り返し使用することを特徴とする。
【0016】
この場合において、この場合において、処理槽からの処理水の排出と、排出した処理水の処理槽へのもどりが継続的であることができる。
【0017】
この場合において、処理槽からの処理水の排出と、排出した処理水の処理槽への戻りが間欠的であることができる。
【0018】
また、本発明のポリエステルの製造方法において、ポリエステルチップを処理槽に充填するとともに、処理槽に処理水を供給してポリエステルチップを水処理するポリエステルの製造方法において、約50℃から約160℃に維持したポリエステルチップを処理槽に充填し、処理槽から排出された処理水を処理槽に戻さずに排出することができる。
【0019】
この場合において、処理槽からの処理水の排出が間欠的であることができる。
【0020】
この場合において、処理槽からの処理水の排出が継続的であることができる。
【0021】
かかる本発明のポリエステルの製造方法によれば、効率よく水処理出来るため水処理時間の短縮が可能であり、ポリエステルを成形品としたときに成形品に異味、異臭が残留しにくいポリエステルを有利に製造することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるポリエステルは、好ましくは、主として芳香族ジカルボン酸成分とグリコ−ル成分とから得られる結晶性ポリエステルであり、さらに好ましくは、芳香族ジカルボン酸単位が酸成分の85モル%以上含むポリエステルであり、特に好ましくは、芳香族ジカルボン酸単位が酸成分の95モル%以上含むポリエステルである。
【0023】
本発明に用いられるポリエステルを構成する芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニ−ル−4,4'−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びその機能的誘導体等が挙げられる。
【0024】
また本発明に用いられるポリエステルを構成するグリコ−ル成分としては、エチレングリコ−ル、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール等が挙げられる。
【0025】
前記ポリエステル中に共重合して使用される酸成分としては、テレフタル酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニ−ル−4,4'−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸、オキシカプロン酸等のオキシ酸及びその機能的誘導体、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸、ダイマ−酸等の脂肪族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸及びその機能的誘導体などが挙げられる。
【0026】
前記ポリエステル中に共重合して使用されるグリコ−ル成分としては、エチレングリコ−ル、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族グリコール、ポリエチレングリコ−ル、ポリブチレングリコ−ル等のポリアルキレングリコ−ルなどが挙げられる。
【0027】
更にポリエステルが実質的に線状である範囲内で多官能化合物、例えばトリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリカルバリル酸、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロ−ルプロパン等を共重合してもよく、また単官能化合物、例えば安息香酸、ナフトエ酸等を共重合させてもよい。
【0028】
本発明に用いられるポリエステルの好ましい一例は、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートから構成されるポリエステルであり、さらに好ましくはエチレンテレフタレート単位を85モル%以上含む線状ポリエステルであり、特に好ましいのはエチレンテレフタレート単位を95モル%以上含む線状ポリエステル、即ち、ポリエチレンテレフタレ−ト(以下、PETと略称)である。
【0029】
また本発明に用いられるポリエステルの好ましい他の一例は、主たる繰り返し単位がエチレン−2、6−ナフタレートから構成されるポリエステルであり、さらに好ましくはエチレン−2、6−ナフタレート単位を85モル%以上含む線状ポリエステルであり、特に好ましいのは、エチレン−2、6−ナフタレート単位を95モル%以上含む線状ポリエステル、即ち、ポリエチレンナフタレ−トである。
【0030】
上記のポリエステルは、従来公知の製造方法によって製造することが出来る。即ち、PETの場合には、テレフタール酸とエチレングリコール及び必要により他の共重合成分を直接反応させて水を留去しエステル化した後、減圧下に重縮合を行う直接エステル化法、または、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコール及び必要により他の共重合成分を反応させてメチルアルコールを留去しエステル交換させた後、減圧下に重縮合を行うエステル交換法により製造される。更に極限粘度を増大させ、アセトアルデヒド含量等を低下させる為に固相重合を行ってもよい。
【0031】
前記溶融重縮合反応は、回分式反応装置で行っても良いしまた連続式反応装置で行っても良い。これらいずれの方式においても、溶融重縮合反応は1段階で行っても良いし、また多段階に分けて行っても良い。固相重合反応は、溶融重縮合反応と同様、回分式装置や連続式装置で行うことが出来る。溶融重縮合と固相重合は連続で行っても良いし、分割して行ってもよい。
【0032】
直接エステル化法による場合は、重縮合触媒としてGe、Sb、Tiの化合物が用いられるが、特にGe化合物またはこれとTi化合物の混合使用が好都合である。
【0033】
Ge化合物としては、無定形二酸化ゲルマニウム、結晶性二酸化ゲルマニウム粉末またはエチレングリコールのスラリー、結晶性二酸化ゲルマニウムを水に加熱溶解した溶液またはこれにエチレングリコールを添加加熱処理した溶液等が使用されるが、特に本発明で用いるポリエステルを得るには二酸化ゲルマニウムを水に加熱溶解した溶液、またはこれにエチレングリコールを添加加熱した溶液を使用するのが好ましい。これらの重縮合触媒はエステル化工程中に添加することができる。Ge化合物を使用する場合、その使用量はポリエステル樹脂中のGe残存量として好ましくは10〜150ppm、より好ましくは13〜100ppm、更に好ましくは15〜70ppmである。
【0034】
Ti化合物としては、テトラエチルチタネ−ト、テトライソプロピルチタネ−ト、テトラ−n−プロピルチタネ−ト、テトラ−n−ブチルチタネ−ト等のテトラアルキルチタネ−トおよびそれらの部分加水分解物、蓚酸チタニル、蓚酸チタニルアンモニウム、蓚酸チタニルナトリウム、蓚酸チタニルカリウム、蓚酸チタニルカルシウム、蓚酸チタニルストロンチウム等の蓚酸チタニル化合物、トリメリット酸チタン、硫酸チタン、塩化チタン等が挙げられる。Ti化合物は、生成ポリマ−中のTi残存量として好ましくは0.1〜10ppmの範囲になるように添加する。
【0035】
また、安定剤として、燐酸、ポリ燐酸やトリメチルフォスフェート等の燐酸エステル類等を使用するのが好ましい。これらの安定剤はテレフタル酸とエチレングリコールのスラリー調合槽からエステル化反応工程中に添加することができる。P化合物は、生成ポリマ−中のP残存量として好ましくは5〜100ppmの範囲になるように添加する。
【0036】
また、ポリエステル中に共重合したDEG含量を制御するためにエステル化工程に塩基性化合物、たとえば、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等の第3級アミン、水酸化テトラエチルアンモニウム等の第4級アンモニウム塩等を加えることが出来る。
【0037】
本発明に用いられるポリエステル、特に、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートから構成されるポリエステルの極限粘度は好ましくは0.50〜1.30デシリットル/グラム、より好ましくは0.55〜1.20デシリットル/グラム、さらに好ましくは0.60〜0.90デシリットル/グラムの範囲である。極限粘度が0.50デシリットル/グラム未満では、得られた成形体等の機械的特性が悪い。また、1.30デシリットル/グラムを越える場合は、成型機等による溶融時に樹脂温度が高くなって熱分解が激しくなり、保香性に影響を及ぼす遊離の低分子量化合物が増加したり、成形体が黄色に着色する等の問題が起こる。
【0038】
また本発明に用いられるポリエステル、特に、主たる繰り返し単位がエチレン−2、6−フタレートから構成されるポリエステルの極限粘度は好ましくは0.40〜1.00デシリットル/グラム、より好ましくは0.42〜0.95デシリットル/グラム、さらに好ましくは0.45〜0.90デシリットル/グラムの範囲である。極限粘度が0.40デシリットル/グラム未満では、得られた成形体等の機械的特性が悪い。また、1.00デシリットル/グラムを越える場合は、成型機等による溶融時に樹脂温度が高くなって熱分解が激しくなり、保香性に影響を及ぼす遊離の低分子量化合物が増加したり、成形体が黄色に着色する等の問題が起こる。
【0039】
ポリエステルチップの形状は、シリンダー型、角型、または扁平な板状等の何れでもよく、その大きさは、縦、横、高さがそれぞれ通常1.5〜4mmの範囲である。例えばシリンダー型の場合は、長さは1.5〜4mm、径は1.5〜4mm程度であるのが実用的である。
【0040】
また、本発明に用いられるポリエステルのアセトアルデヒド含量は好ましくは10ppm以下、より好ましくは8ppm以下、更に好ましくは5ppm以下、ホルムアルデヒド含量は好ましくは7ppm以下、より好ましくは6ppm以下、更に好ましくは4ppm以下である。本発明で用いられるポリエステルのアセトアルデヒド含有量を10ppm以下、またホルムアルデヒド含有量を7ppm以下にする方法は特に限定されるものではないが、例えば低分子量のポリエステルを減圧下または不活性ガス雰囲気下において170〜230℃の温度で固相重合する方法を挙げることが出来る。
【0041】
また、本発明に用いられるポリエステル中に共重合されたジエチレングリコール量は該ポリエステルを構成するグリコール成分の好ましくは1.0〜5.0モル%、より好ましくは1.3〜4.5モル%、更に好ましくは1.5〜4.0モル%である。ジエチレングリコール量が5.0モル%を越える場合は、熱安定性が悪くなり、成型時に分子量低下が大きくなったり、またアセトアルデヒド含量やホルムアルデヒド含量の増加量が大となり好ましくない。またジエチレングリコ−ル含量が1.0モル%未満の場合は、得られた成形体の透明性が悪くなる。
【0042】
また、本発明に用いられるポリエステルの環状3量体の含有量は好ましくは0.50重量%以下、より好ましくは0.45重量%以下、さらに好ましくは0.40重量%以下である。本発明のポリエステルから耐熱性の中空成形体等を成形する場合は加熱金型内で熱処理を行うが、環状3量体の含有量が0.50重量%以上含有する場合には、加熱金型表面へのオリゴマー付着が急激に増加し、得られた中空成形体等の透明性が非常に悪化する。
【0043】
ポリエステルは、環状三量体などのオリゴマー類が成形時に金型内面や金型のガスの排気口、排気管等に付着することによる金型汚れや成形品の残留異味、異臭の発生等を防止するために、前記の溶融重縮合後または固相重合の後に水との接触処理を行なう。水との接触処理の方法としては、水処理槽中で水中にポリエステルチップを浸ける方法が挙げられる。水処理効果を十分に発揮させるためには長時間の水処理を行うことが必要である。この場合、大型の水処理槽が必要となるため設備費が高くなり、また水処理時のエネルギ−消費量多くなり問題である。
【0044】
本発明は、50℃〜160℃に維持したポリエステルチップを水処理槽へ供給または充填して水処理することにより上記の問題を解決するものである。チップの温度は、好ましくは60℃〜150℃、さらに好ましくは70℃〜130℃である。水との接触処理を行う時間としては好ましくは5分〜10時間、より好ましくは10分〜7時間、さらに好ましくは30分〜5時間であり、水の温度としては好ましくは20〜180℃、より好ましくは40〜150℃、さらに好ましくは50〜120℃である。
通常水処理の水の温度は80〜100℃であるため、上記範囲を超えるチップを投入すると処理水の水温が変化し、樹脂の投入速度のむら等による処理水の温度変化が大きくなり、一定の水処理された樹脂が得られなくなる場合がある。また、チップ温度が50℃未満の場合は、水処理効果を十分に発揮できず、効果を出すためには7時間以上の処理が必要となる。またチップ温度が約160℃を越えるとチップ温度をこの温度以上に高く維持しても顕著な効果が得られなくなり、また処理槽投入時水の急激な蒸発が起こり操業上の問題が発生する。
投入するチップは乾燥後、投入する温度まで温度を下げて水処理層に投入するが、チップの温度を投入温度より5〜30℃下げた後、再び所定温度まで加熱して投入することがチップの温度管理上好ましい。
【0045】
なお、本発明においては水処理の効果は次のようにして確認する。すなわち、水処理後のチップを乾燥し、290℃で1時間加熱溶融後の環状三量体の増加量を測定し、その値が0.20重量%以下、好ましくは0.10重量%以下か否かを確認する。その増加量が0.20重量%以下であれば、成形時の金型汚れが解消されると同時に、成形品の異味、異臭の改善も顕著となる。
【0046】
以下に水処理を工業的に行なう方法を例示するが、これに限定するものではない。また処理方法は連続方式、バッチ方式のいずれであっても差し支えないが、工業的に行なうためには連続方式の方が好ましい
【0047】
ポリエステルチップをバッチ方式で水処理をする場合は、サイロタイプの処理槽が挙げられる。すなわち、バッチ方式でポリエステルのチップをサイロへ受け入れ水処理を行なう。あるいは回転筒型の処理槽にポリエステルのチップを受け入れ、回転させながら水処理を行ない水との接触をさらに効率的にすることもできる。この場合、50℃〜160℃に維持したポリエステルチップを処理槽内に投入、充填すると共に処理水を満たし、処理水は必要により継続的又は断続的(総称して連続的ということがある)に循環し、また、継続的又は断続的に一部の処理水を排出して新しい処理水を追加供給する。
【0048】
ポリエステルのチップを連続的に水処理する場合は、塔型の処理槽に継続、あるいは断続的に約50℃〜約160℃に維持したポリエステルのチップを上部より受け入れ、並流又は向流で水を連続供給して水処理させることができる。
ポリエステルチップを工業的に水処理する場合、処理に用いる水が大量であることから天然水(工業用水)や排水を再利用して使用することが多い。通常この天然水は、河川水、地下水などから採取したもので、水(液体)の形状を変えないまま、殺菌、異物除去等の処理をしたものを言う。また、一般に工業的に用いられる天然水には、自然界由来の、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩等の粘土鉱物を代表とする無機粒子や細菌、バクテリア等や、腐敗した植物、動物に起源を有する有機粒子を多く含有している。これらの天然水を用いて水処理を行うと、ポリエステルチップに粒子が付着、浸透して結晶核となり、このようなポリエステルチップを用いた中空成形容器の透明性が非常に悪くなる。
【0049】
したがって、ポリエステルチップを水処理するために系外から導入する水として、粒径1〜25μmの粒子を好ましくは10〜50000個/10cc含む水を利用することが必要である。処理水中の粒径25μmを越える粒子は、特に規定するものではないが、好ましくは2000個/10cc以下、より好ましくは500個/10cc以下、さらに好ましくは100個/10cc、特に好ましくは10個/10cc以下である。
【0050】
なお、処理水中の粒径1μm未満の粒子に関しては、本発明で特に規定するものではないが、透明な樹脂や適正な結晶化速度の樹脂を得るためには、少ない方が好ましい。粒径1μm未満の粒子数としては好ましくは100000個/10cc以下、より好ましくは50000個/10cc以下、さらに好ましくは20000個/10cc以下、特に好ましくは10000個/10cc以下である。1μm以下の粒子を水中から除去、コントロールする方法としてはセラミック膜、有機膜等の膜を用いた精密濾過法や限外濾過法、等を用いることができる。
以下に水処理に用いる、粒径1〜25μmの粒子を10〜50000個/10cc含む水を得る方法を例示する。
【0051】
水中の粒子数を50000個/10cc以下にする方法としては、工業用水等の自然水を処理槽に供給するまでの工程の少なくとも1ヶ所以上に粒子を除去する装置を設置する。好ましくは自然界の水の採取口から、前記した処理槽、処理槽から排水した水を再度処理槽に戻す配管、ファイン除去装置等、水処理に必要な付帯設備を含めた処理装置に至るまでの間に粒子を除去する装置を設置し、処理装置に供給する水中の、粒径1〜25μmの粒子の含有量を10〜50000個/10ccにすることが好ましい。粒子を除去する装置としては、フィルター濾過装置、膜濾過装置、沈殿槽、遠心分離器、泡沫同伴処理機等が挙げられる。
【0052】
例えばフィルター濾過装置であれば、方式としてベルトフィルター方式、バグフィルター方式、カートリッジフィルター方式、遠心濾過方式等の濾過装置が挙げられる。中でも連続的に行うにはベルトフィルター方式の濾過装置が適している。またベルトフィルター方式の濾過装置であれば濾材としては、紙、金属、布等が挙げられる。またファインの除去と処理水の流れを効率良く行なうため、フィルターの目のサイズは5〜100μm、好ましくは10〜70μm、さらに好ましくは15〜40μmがよい。
【0053】
また天然水には、Na、Mg、Ca等の金属イオンを大量に含んでいる場合があり、このような天然水を用いて水処理を行うと、これらがポリエステルチップに付着、浸透して結晶化促進剤として作用し、このようなポリエステルチップを用いた中空成形容器の透明性が非常に悪くなる。
【0054】
したがって、天然水を水処理に使用する場合は、イオン交換装置や蒸留装置によってこれらの金属イオンを約1.0mg/リットル以下に低減させておくことが好ましい。
【0055】
この場合、水処理方法が連続的に、又はバッチ的のいずれの場合であっても、処理槽から排出した処理水のすべて、あるいは殆どを工業排水としてしまうと、新しい水が多量に入用であるばかりでなく、排水量増大による環境への影響が懸念される。即ち、処理槽から排出した少なくとも一部の処理水を、水処理槽へ戻して再利用することにより、必要な水量を低減し、また排水量増大よる環境への影響を低減することが出来、さらには水処理槽へ返される排水がある程度温度を保持していれば、処理水の加熱量も小さく出来る。
【0056】
また、ポリエステルチップは、ポリエステル製造中に生成したアセトアルデヒドやホルムアルデヒド等のアルデヒド化合物、原料であるグリコ−ル、反応生成物である芳香族ジカルボン酸とグリコ−ルとから成るモノマしかし処理槽から排出される処理水には、処理槽にポリエステルのチップを受け入れる段階で既にポリエステルのチップに付着しているファインや、水処理時にポリエステルのチップ同士あるいは処理槽壁との摩擦で発生するポリエステルのファインが含まれている。従って、処理槽から排出した処理水を再度処理槽へ戻して再利用すると、処理槽内の処理水に含まれるファイン量は次第に増えていく。そのため、処理水中に含まれているファインが処理槽壁や配管壁に付着して、配管を詰まらせることがある。また処理水中に含まれているファインが再びポリエステルのチップに付着し、この後、水分を乾燥除去する段階でポリエステルのチップにファインが静電効果により付着するため、乾燥後にファイン除去を行なっても除去が困難となる。そのため、ポリエステルの結晶性が促進されて、透明性の悪いボトルとなったり、また口栓部結晶化時の結晶化度が過大となり、口栓部の寸法が規格に入らなくなり、口栓部のキャッピング不良となることがある。
【0057】
従って、ポリエステルチップの連続式水処理法の場合は処理槽からポリエステルチップと共に排水する処理水の微粉量を1000ppm以下、好ましくは500ppm以下、さらに好ましくは300ppm以下に維持しながら処理槽から排出される処理水の一部を処理槽に戻して繰り返し使用するこのが望ましい。
【0058】
またバッチ式水処理法の場合は、水処理の終了時点での水中の微粉量は1000ppm以下、好ましくは500ppm以下、さらに好ましくは300ppm以下にするように処理槽から排出された処理水の少なくとも一部を処理槽に戻して繰り返し使用する。処理槽内の処理水の微粉量を低減する方法としては前記の水中の粒子除去方法を適用することができる。
【0059】
ここで、微粉量は、処理槽の処理水中の排出口からJIS規格20メッシュのフィルターを通過した処理水を1000cc採取し、岩城硝子社製1G1ガラスフィルターで濾過後、100℃で2時間乾燥し室温下で冷却後、重量を測定して算出することによって求めたものである。
【0060】
樹脂には芳香族ジカルボン酸とグリコ−ルとから成るダイマ−等の低分子化合物を含んでおり、水処理時にこれらのアルデヒド化合物、グリコ−ル、芳香族ジカルボン酸とグリコ−ルとから成るモノマ−やダイマ−等が処理水中に溶出する。
【0061】
これらの化合物が多くなると、水処理乾燥後のチップ中の該含有量が高くなり、このようなポリエステルチップを用いた中空成形容器等中の内容物の風味や香りが非常に悪くなる。また、水処理装置の処理槽や配管の汚れも激しくなる。連続方式の場合は処理槽からポリエステルチップと共に排出する処理水中の該ポリエステルに由来するグリコ−ルの含有量および芳香族ジカルボン酸とグリコ−ルとから成るモノマ−の含有量をそれぞれ好ましくは100ppm以下に維持し、またバッチ方式の場合は水処理終了時の処理槽中の処理水の該ポリエステルに由来するグリコ−ルの含有量および芳香族ジカルボン酸とグリコ−ルとから成るモノマ−の含有量をそれぞれ好ましくは100ppm以下に維持することによって上記の問題点を解決することができる。
【0062】
グリコ−ル等を除去する方法としては、蒸留装置による蒸留処理、活性炭吸着処理、水中への不活性気体のバブリング処理、加熱脱気処理等、公知の方法が挙げられる。また、循環水に新しいイオン交換水等を追加する方法も挙げられる。水処理したポリエステルチップは振動篩機、シモンカーターなどの水切り装置で水切りし、乾燥工程へ移送する。当然のことながら水切り装置でポリエステルチップと分離された水はフィルタ−式濾過装置、遠心分離器等のファイン除去の装置へ送られ、再度水処理に用いることができる。
【0063】
また、容器等の内容物が、風味や臭いが非常に厳しく管理されるミネラルウオ−タ−等の場合は、水処理したポリエステルチップを加熱した新しいイオン交換水で洗浄してチップ表面に付着している芳香族ジカルボン酸とグリコ−ルとからなるモノマ−等を落とし、乾燥工程へ移送することもできる。洗浄後のイオン交換水は前記の水処理槽に戻して再度使用される。
【0064】
ポリエステルチップの乾燥は通常用いられるポリエステルチップの乾燥処理を用いることができる。連続的に乾燥する方法としては上部よりポリエステルチップを供給し、下部より乾燥ガスを通気するホッパー型の通気乾燥機が通常使用される。乾燥ガス量を減らし、効率的に乾燥する方法としては回転ディスク型加熱方式の連続乾燥機が選ばれ、少量の乾燥ガスを通気しながら、回転ディスクや外部ジャケットに加熱蒸気、加熱媒体などを供給した粒状ポリエステルチップを間接的に乾燥することができる。
【0065】
バッチ方式で乾燥する乾燥機としてはダブルコーン型回転乾燥機が用いられ、真空下であるいは真空下少量の乾燥ガスを通気しながら乾燥することができる。あるいは大気圧下で乾燥ガスを通気しながら乾燥してもよい。
乾燥ガスとしては大気空気でも差し支えないが、ポリエステルの加水分解や熱酸化分解による分子量低下を防止する点からは乾燥窒素、除湿空気が好ましい。
【0066】
【実施例】
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、本明細書中における主な特性値の測定法を以下に説明する。
【0067】
(1)ポリエステルの極限粘度(IV)
1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノール(2:3重量比)混合溶媒中30℃での溶液粘度から求めた。
【0068】
(2)密度
四塩化炭素/n−ヘプタン混合溶媒の密度勾配管で25℃で測定した。
【0069】
(3)ポリエステルの環状3量体の含量
試料をヘキサフルオロイソプロパノ−ル/クロロフォルム混合液に溶解し、さらにクロロフォルムを加えて希釈する。これにメタノールを加えてポリマ−を沈殿させた後、濾過する。濾液を蒸発乾固し、ジメチルフォルムアミドで定容とし、液体クロマトグラフ法よりエチレンテレフタレ−ト単位から構成される環状3量体を定量した。
【0070】
(4)ポリエステルの溶融時の環状3量体増加量(△CT)
乾燥したポリエステルチップ3gをガラス製試験管に入れ、窒素雰囲気下で290℃のオイルバスに60分浸漬させ溶融させる。溶融時の環状3量体増加量は、次式により求める。
溶融時の環状3量体増加量(重量%)=溶融後の環状3量体含有量(重量%)−溶融前の環状3量体含有量(重量%)
【0071】
(5)金型汚れの評価
ポリエステルを窒素を用いた乾燥機で乾燥し、名機製作所製M−100射出成型機により樹脂温度290℃でプリフォームを成形した。このプリフォームの口栓部を自家製の口栓部結晶化装置で加熱結晶化させた後、コ−ポプラスト社製LB−01延伸ブロー成型機を用いて二軸延伸ブロー成形し、引き続き約157℃に設定した金型内で10秒間熱固定し、500ccの中空成形容器を得た。同様の条件で連続的に延伸ブロー成形し、目視で判断して容器の透明性が損なわれるまでの成形回数で金型汚れを評価した。また、ヘイズ測定用試料としては、5000回連続成形後の容器の胴部を供した。
【0072】
(6)ヘイズ(霞度%)
上記(5)の中空成形容器の胴部(肉厚約4mm)より試料を切り取り、東洋製作所製ヘイズメ−タ−で測定。
【0073】
(7)ボトル口栓部の加熱による密度上昇
ボトル口栓部を自家製の赤外線ヒ−タ−によって60秒間熱処理し、天面から試料を採取し密度を測定した。
【0074】
(実施例1)
ISP社製のGAFフィルターバッグPE−1P2S(ポリエステルフェルト、濾過精度1μm)である水中の粒子除去装置(9)を設置し、この装置(9)を経由したイオン交換水の導入口(8)、処理槽上部の原料チップ供給口(1)、処理槽の処理水上限レベルに位置するオーバーフロー排出口(2)、処理槽下部のポリエステルチップと処理水の混合物の排出口(3)、オーバーフロー排出口から排出された処理水と、処理槽下部の排出口から排出されたポリエステルチップの水切り装置(4)を経由した処理水が、濾材が紙の30μmの連続式フィルターであるファイン除去装置(5)を経由して再び水処理槽へ送られる配管(6)、これらのファイン除去済み処理水の導入口(7)、およびファイン除去済み処理水中のアセトアルデヒドやグリコ−ル等を吸着処理させる吸着塔(10)を備えた内容量320リットルの塔型の、図1に示す処理槽を使用してポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略称)チップを水処理した。
【0075】
極限粘度が0.75デシリットル/グラムであり、密度が1.400グラム/cm3、環状3量体含量が0.33重量%であり、窒素ガス気流下で約90℃に維持されたPETチップを処理水温度95℃にコントロールされた水処理槽へ50kg/時間の速度で処理槽上部の供給口(1)から連続投入し、水処理時間3時間で水処理槽下部の排出口(3)からPETチップを50kg/時間の速度で処理水と共に連続的に抜出しながら水処理を行った。導入口(8)より導入するイオン交換水の粒子数は約3000個/10ccであった。
【0076】
水処理されたPETチップの溶融時の環状3量体増加量(△CT)は0.06%と問題なかった。(5)の方法で得られた中空容器の口栓部の赤外線ヒ−タによる加熱後の天面の密度は1.380g/cm3と問題のない値であり、ヘイズは1.0%と透明性に優れ、また金型汚れまでの成形回数は8000回と問題なかった。
【0077】
(実施例2)
PETチップの加熱温度を約105℃に変更する以外は実施例1と同様にして水処理を実施した。
水処理されたPETチップの溶融時の環状3量体増加量(△CT)は0.04%と問題なかった。(5)の方法で得られた中空容器の口栓部の赤外線ヒ−タによる加熱後の天面の密度は1.381g/cm3と問題のない値であり、ヘイズは0.8%と透明性に優れ、また金型汚れまでの成形回数は13000回と問題なかった。
【0078】
(比較例1)
PETチップの温度を約10℃に変更する以外は実施例1と同様にして水処理を実施した。
水処理されたPETチップの溶融時の環状3量体増加量(△CT)は0.33%と高かった。(5)の方法で得られた中空容器の口栓部の赤外線ヒ−タによる加熱後の天面の密度は1.379g/cm3であったが、ヘイズは6.5%と悪く、また金型汚れまでの成形回数は3000回と低かった。
【0079】
【発明の効果】
本発明は、ポリエステルチップ及び処理水を処理槽に供給してポリエステルチップを水処理するポリエステルの製造方法であって、約50℃から約160℃に維持したポリエステルチップを処理槽に供給し、処理槽から排出された処理水の少なくとも一部を処理槽に戻して繰り返し使用する効率のよい水処理法で、成形時の金型汚れを発生させにくく、またさらにはポリエステルチップから成形品を製造した際にも残留異味、異臭が少ない優れたポリエステルが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリエステルの製造方法に用いる装置の一例の概略図である。
【符号の説明】
1 原料チップ供給口
2 オーバーフロー排出口
3 ポリエステルチップと処理水との排出口
4 水切り装置
5 ファイン除去装置
6 配管
7 処理水導入口
8 イオン交換水導入口
9 粒子除去装置
10 吸着塔
Claims (10)
- ポリエステルチップ及び処理水を処理槽に供給してポリエステルチップを水処理するポリエステルの製造方法において、50℃から160℃に維持したポリエステルチップを処理槽に供給し、処理槽から排出された処理水の少なくとも一部を処理槽に戻して繰り返し使用することを特徴とするポリエステルの製造方法。
- ポリエステルチップ及び処理水を処理槽に供給してポリエステルチップを水処理するポリエステルの製造方法において、50℃から160℃に維持したポリエステルチップを処理槽に供給し、処理槽から排出された処理水を処理槽に戻さずに排出することを特徴とするポリエステルの製造方法。
- ポリエステルチップを、処理槽に継続的に供給することを特徴とする請求項1又は2記載のポリエステルの製造方法。
- ポリエステルチップを、処理槽に間欠的に供給することを特徴とする請求項1又は2記載のポリエステルの製造方法。
- ポリエステルチップを処理槽に充填するとともに、処理槽に処理水を供給してポリエステルチップを水処理するポリエステルの製造方法において、50℃から160℃に維持したポリエステルチップを処理槽に充填し、処理槽から排出された処理水の少なくとも一部を処理槽に戻して繰り返し使用することを特徴とするポリエステルの製造方法。
- ポリエステルチップを処理槽に充填するとともに、処理槽に処理水を供給してポリエステルチップを水処理するポリエステルの製造方法において、約50℃から約160℃に維持したポリエステルチップを処理槽に充填し、処理槽から排出された処理水を処理槽に戻さずに排出することを特徴とするポリエステルの製造方法。
- 処理槽からの処理水の排出と、排出した処理水の処理槽への戻りが継続的であることを特徴とする請求項1、3、4又は5記載のポリエステルの製造方法。
- 処理槽からの処理水の排出と、排出した処理水の処理槽への戻りが間欠的であることを特徴とする請求項1、3、4又は5記載のポリエステルの製造方法。
- 処理槽からの処理水の排出が継続的であることを特徴とする請求項2記載のポリエステルの製造方法。
- 処理槽からの処理水の排出が間欠的であることを特徴とする請求項2記載のポリエステルの製造方法。
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