JP2001131277A - ポリエステルの製造方法 - Google Patents

ポリエステルの製造方法

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JP2001131277A
JP2001131277A JP31133699A JP31133699A JP2001131277A JP 2001131277 A JP2001131277 A JP 2001131277A JP 31133699 A JP31133699 A JP 31133699A JP 31133699 A JP31133699 A JP 31133699A JP 2001131277 A JP2001131277 A JP 2001131277A
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treatment
chips
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Hirotoshi Sonoda
博俊 園田
Hiroshi Shimoyama
洋志 下山
Kimihiro Mizushima
公博 水島
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエステルチップの水処理時の処理槽や配
管の汚れを少なくし、かつポリエステルチップから成形
品を製造した際にも残留異味、異臭が少なく、ボトルの
透明性や口栓部結晶化が良好で、成形時での金型汚れを
発生させにくいポリエステルを提供すること。 【解決手段】 ポリエステルチップを処理槽中で水処理
するポリエステルの製造方法において、化学的酸素要求
量(COD)が0.1〜2.5mg/lである水を系外
から導入することにより水処理することを特徴とするポ
リエステルの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボトルをはじめと
して、フィルム、シート成形用などに用いられるポリエ
ステルの製造方法に関し、さらに詳しくは、成形時に金
型汚れが発生しにくく、成形品の結晶化コントロール性
に優れたポリエステルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】調味料、油、飲料、化粧品、洗剤などの
容器の素材としては、充填内容物の種類およびその使用
目的に応じて種々の樹脂が採用されている。
【0003】これらのうちでポリエステルは機械的強
度、耐熱性、透明性およびガスバリヤー性に優れている
ので、特にジュース、清涼飲料、炭酸飲料などの飲料充
填用容器の素材として最適である。
【0004】このようなポリエステルは射出成形機械な
どの成形機に供給して中空成形体用プリフォームを成形
し、このプリフォームを所定形状の金型に挿入し延伸ブ
ロー成形した後ボトルの胴部を熱処理(ヒートセット)
して中空成形容器に成形され、さらには必要に応じてボ
トルの口栓部を熱処理(口栓部結晶化)させるのが一般
的である。
【0005】ところが、従来のポリエステルには、環状
三量体などのオリゴマー類が含まれており、このオリゴ
マー類が金型内面や金型のガスの排気口、排気管に付着
することによる金型汚れが発生しやすかった。
【0006】このような金型汚れは、得られるボトルの
表面肌荒れや白化の原因となる。もしボトルが白化して
しまうと、そのボトルは廃棄しなければならない。この
ため金型汚れを頻繁に除去しなければならず、ボトルの
生産性が低下してしまうという問題点があった。
【0007】これらの解決方法として、特開平10−1
14819号公報にはポリエステルを水処理する方法が
開示されている。
【0008】しかし、水処理の段階において、工業用水
の化学的酸素要求量(COD)が高い場合、成形時での
結晶化が促進され、透明性の悪いボトルとなる問題等が
生じた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
問題点を解決することにあり、成形時での金型汚れを発
生させにくく、またさらにはボトルの透明性の良好なポ
リエステルを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のポリエステルの製造方法は、ポリエステル
チップを処理槽中で水処理するポリエステルの製造方法
において、化学的酸素要求量(COD)が0.1〜2.
5mg/lである水を系外から導入することにより水処
理することを特徴とするポリエステルの製造方法であ
る。
【0011】この方法において、処理槽から排出された
処理水の少なくとも一部を処理槽に戻して繰り返し使用
することができる。
【0012】この方法において、ポリエステルチップ
を、処理槽に継続的に供給することができる。
【0013】この方法において、ポリエステルチップ
を、処理槽に間欠的に供給することができる。
【0014】この方法において、ポリエステルチップの
全量を処理層に充填し、水処理終了後ポリエステルチッ
プの全量を抜き出すことができる。
【0015】この方法において、処理槽からの処理水の
排出と、排出した処理水の処理槽への戻りが継続的であ
ることができる。
【0016】この方法において、処理槽からの処理水の
排出と、排出した処理水の処理槽への戻りが間欠的であ
ることができる。
【0017】この方法において、処理槽に供給する新し
い処理水をイオン交換処理した後、処理槽に供給するこ
とを特徴とすることができる。
【0018】またこの場合において、ポリエステルが、
極限粘度0.55〜1.30デシリットル/グラムの主
たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートから構成さ
れるポリエステルであることができる。
【0019】かかる本発明のポリエステルの製造方法に
よれば、成形時での金型汚れを発生させにくく、またさ
らには、ボトルの透明性の良好なポリエステルを有利に
製造することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるポリエステル
は、好ましくは、主たる繰り返し単位がエチレンテレフ
タレートから構成されるポリエステルであり、さらに好
ましくはエチレンテレフタレート単位を85モル%以上
含む線状ポリエステルであり、特に好ましいのは、エチ
レンテレフタレート単位を95モル%以上含む線状ポリ
エステルである。
【0021】前記ポリエステル中に共重合して使用され
るジカルボン酸としては、イソフタル酸、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸、ジフェニール−4,4'−ジカル
ボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジ
カルボン酸及びその機能的誘導体、p−オキシ安息香
酸、オキシカプロン酸等のオキシ酸及びその機能的誘導
体、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸等
の脂肪族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、シクロヘ
キサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸及びその機
能的誘導体などが挙げられる。
【0022】前記ポリエステル中に共重合して使用され
るグリコールとしては、ジエチレングリコール、トリメ
チレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサ
ンジメタノール等の脂環族グリコール、ビスフェノール
A、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等
の芳香族グリコールなどが挙げられる。
【0023】さらに、前記ポリエステル中の多官能化合
物からなるその他の共重合成分としては、酸成分とし
て、トリメリット酸、ピロメリット酸等を挙げることが
でき、グリコール成分としてグリセリン、ペンタエリス
リトールを挙げることができる。以上の共重合成分の使
量は、ポリエステル樹脂が実質的に線状を維持する程度
でなければならない。
【0024】また本発明に用いられるポリエステル、特
に、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートから
構成されるポリエステルの極限粘度は0.55〜1.3
0デシリットル/グラム、好ましくは0.60〜1.2
0デシリットル/グラム、さらに好ましくは0.65〜
0.90デシリットル/グラムの範囲である。極限粘度
が0.55デシリットル/グラム未満では、得られた成
形体等の機械的特性が悪い。また、1.30デシリット
ル/グラムを越える場合は、成型機等による溶融時に樹
脂温度が高くなって熱分解が激しくなり、保香性に影響
を及ぼす遊離の低分子量化合物が増加したり、成形体が
黄色に着色する等の問題が起こる。
【0025】ポリエステルのチップの形状は、シリンダ
ー型、角型、または扁平な板状等の何れでもよく、その
大きさは、縦、横、高さがそれぞれ通常1.5〜4mm
の範囲である。例えばシリンダー型の場合は、長さは
1.5〜4mm、径は1.5〜4mm程度であるのが実
用的である。
【0026】また、本発明に用いられるポリエステルの
アセトアルデヒド含量は10ppm以下、好ましくは8
ppm以下、更に好ましくは5ppm以下、ホルムアル
デヒド含量は7ppm以下、好ましくは6ppm以下、
更に好ましくは4ppm以下である。本発明で用いるポ
リエステルのアセトアルデヒド含有量を10ppm以
下、またホルムアルデヒド含有量を7ppm以下にする
方法は特に限定されるものではないが、例えば低分子量
のポリエステルを減圧下または不活性ガス雰囲気下にお
いて170〜230℃の温度で固相重合する方法を挙げ
ることが出来る。
【0027】また、本発明に用いられるポリエステル中
のジエチレングリコール量はグリコール成分の1.0〜
5.0モル%、好ましくは1.3〜4.5モル%、更に
好ましくは1.5〜4.0モル%である。ジエチレング
リコール量が5.0モル%を越える場合は、熱安定性が
悪くなり、成型時に分子量低下が大きくなったり、また
アセトアルデヒド含量やホルムアルデヒド含量の増加量
が大となり好ましくない。
【0028】また、本発明に用いられるポリエステルの
環状3量体の含有量は0.50重量%以下、好ましくは
0.45重量%以下、さらに好ましくは0.40重量%
以下である。本発明のポリエステルから耐熱性の中空成
形体等を成形する場合は加熱金型内で熱処理を行うが、
環状3量体の含有量が0.50重量%以上含有する場合
には、加熱金型表面へのオリゴマー付着が急激に増加
し、得られた中空成形体等の透明性が非常に悪化する。
【0029】上記のポリエステルは、従来公知の製造方
法によって製造することが出来る。即ち、テレフタール
酸とエチレングリコール及び必要により他の共重合成分
を直接反応させて水を留去しエステル化した後、減圧下
に重縮合を行う直接エステル化法、または、テレフタル
酸ジメチルとエチレングリコール及び必要により他の共
重合成分を反応させてメチルアルコールを留去しエステ
ル交換させた後、減圧下に重縮合を行うエステル交換法
により製造される。更に極限粘度を増大させ、アセトア
ルデヒド含量等を低下させる為に固相重合を行ってもよ
い。
【0030】前記溶融重縮合反応は、回分式反応装置で
行っても良いしまた連続式反応装置で行っても良い。こ
れらいずれの方式においても、溶融重縮合反応は1段階
で行っても良いし、また多段階に分けて行っても良い。
固相重合反応は、溶融重縮合反応と同様、回分式装置や
連続式装置で行うことが出来る。溶融重縮合と固相重合
は連続で行っても良いし、分割して行ってもよい。
【0031】直接エステル化法による場合は、重縮合触
媒としてGe、Sb、Tiの化合物が用いられるが、特
にGe化合物が好都合である。Ge化合物としては、無
定形二酸化ゲルマニウム、結晶性二酸化ゲルマニウム粉
末またはエチレングリコールのスラリー、結晶性二酸化
ゲルマニウムを水に加熱溶解した溶液またはこれにエチ
レングリコールを添加加熱処理した溶液等が使用される
が、特に本発明で用いるポリエステルを得るには二酸化
ゲルマニウムを水に加熱溶解した溶液、またはこれにエ
チレングリコールを添加加熱した溶液を使用するのが好
ましい。これらの重縮合触媒はエステル化工程中に添加
することができる。Ge化合物を使用する場合、その使
用量はポリエステル樹脂中のGe残存量として20〜1
50ppm、好ましくは23〜100ppm、更に好ま
しくは25〜70ppmである。
【0032】また、安定剤として、燐酸、ポリ燐酸やト
リメチルフォスフェート等の燐酸エステル類等を使用す
るのが好ましい。これらの安定剤はテレフタル酸とエチ
レングリコールのスラリー調合槽からエステル化反応工
程中に添加することができる。
【0033】ポリエステル中のDEG含量を制御するた
めにエステル化工程に塩基性化合物、とえば、トリエチ
ルアミン、トリ−n−ブチルアミン等の第3級アミン、
水酸化テトラエチルアンモニウム等の第4級アンモニウ
ム塩等を加えることが出来る。
【0034】本発明においては、ポリエステルは、環状
三量体などのオリゴマー類が成形時に金型内面や金型の
ガスの排気口、排気管等に付着することによる金型汚れ
等を防止するために、前記の固相重合の後に水との接触
処理を行なう。水との接触処理の方法としては、水中に
浸ける方法が挙げられる。水との接触処理を行う時間と
しては5分〜2日間、好ましくは10分〜1日間、さら
に好ましくは30分〜10時間であり、水の温度として
は20〜180℃、好ましくは40〜150℃、さらに
好ましくは50〜120℃である。
【0035】ポリエステルチップを工業的に水処理する
場合、処理に用いる水が大量であることから天然水(工
業用水)や排水を再利用して使用することが多い。通常
この天然水は、河川水、地下水などから採取したもの
で、水(液体)の形状を変えないまま、殺菌、異物除去
等の処理をしたものを言う。また、一般的に工業用に用
いられる天然水はCODが高い。天然水を用いて水処理
を行なったポリエステルチップを用いた中空成形容器の
透明性が非常に悪くなる。
【0036】以下に水処理を工業的に行なう方法を例示
するが、これに限定するものではない。また処理方法は
連続方式、バッチ方式のいずれであっても差し支えない
が、工業的に行なうためには連続方式の方が好ましい。
【0037】水処理の方法が連続的に、又はバッチ的の
いずれの場合であっても、処理槽から排出した処理水の
すべて、あるいは殆どを工業排水としてしまうと、新し
い水が多量に入用であるばかりでなく、排水量増大によ
る環境への影響が懸念される。即ち、処理槽から排出し
た少なくとも一部の処理水を、水処理槽へ戻して再利用
することにより、必要な水量を低減し、また排水量増大
による環境への影響を低減することが出来、さらには水
処理槽へ返される排水がある程度温度を保持していれ
ば、処理水の加熱量も小さく出来る。
【0038】ポリエステルのチップを連続的に水処理す
る場合は、塔型の処理槽に継続、あるいは断続的にポリ
エステルのチップを上部より受け入れ、並流又は向流で
水を連続供給して水処理させることができる。
【0039】ポリエステルチップをバッチ方式で水処理
をする場合は、サイロタイプの処理槽が挙げられる。す
なわち、バッチ方式でポリエステルのチップをサイロへ
受け入れ水処理を行なう。あるいは回転筒型の処理槽に
ポリエステルのチップを受け入れ、回転させながら水処
理を行ない水との接触をさらに効率的にすることもでき
る。
【0040】この場合、ポリエステルチップは処理槽内
に投入、充填すると共に処理水を満たし、処理水は必要
により継続的又は断続的(総称して連続的ということが
ある)に循環し、また、継続的又は断続的に一部の処理
水を排出して新しい処理水を追加供給する。
【0041】そして、水処理の方法が連続的に、又はバ
ッチ的のいずれの場合であっても処理槽に導入する新し
い水のCODは0.1〜2.5mg/l、好ましくは
0.1〜2.0mg/l、更に好ましくは0.1〜1.
0mg/lである。
【0042】なお、水処理の方法が連続的に、又はバッ
チ的のいずれの場合であっても、処理槽に導入する新し
い水のCODを0.5mg/l未満にする場合は、設備
費が高くなり経済的な水処理が不可能となる。
【0043】以下に処理槽に導入する新しい水のCOD
を低減させる方法を例示するが、本発明は、これに限定
するものではない。
【0044】処理槽に導入する新しい水のCODを低減
させるために、処理槽に供給するために工業用水が処理
槽に送られるまでの工程で少なくとも1ヶ所以上に水の
CODを低減させる装置を設置する。また、更に処理槽
から排出した処理水が再び処理槽に返されるまでの工程
にも少なくとも1ヶ所以上にCODを低減させる装置を
設置してもよい。CODを低減させる装置としては、精
密濾過や凝集沈殿、活性炭処理、過酸化水素処理をおこ
なう装置などが挙げられる。
【0045】水処理において処理槽から排出される処理
水には、処理槽にポリエステルのチップを受け入れる段
階で既にポリエステルのチップに付着しているファイン
や、水処理時にポリエステルのチップ同士あるいは処理
槽壁との摩擦で発生するポリエステルのファインが含ま
れている。そのため処理槽から排出した処理水が再び処
理槽に返されるまでの工程で少なくとも1ヶ所以上にフ
ァインを除去する装置を設置する。ファインを除去する
装置としてはフィルター濾過装置、膜濾過装置、沈殿
槽、遠心分離器、泡沫同伴処理機等が挙げられる。例え
ばフィルター濾過装置であれば、方式としてベルトフィ
ルター方式、バグフィルター方式、カートリッジフィル
ター方式、遠心濾過方式等の濾過装置が挙げられる。中
でも連続的に行うにはベルトフィルター方式、遠心濾過
方式、バグフィルター方式の濾過装置が適している。ま
たベルトフィルター方式の濾過装置であれば濾材として
は、紙、金属、布等が挙げられる。またファインの除去
と処理水の流れを効率良く行なうため、フィルターの目
のサイズは5〜100μm、好ましくは10〜70μ
m、さらに好ましくは15〜40μmがよい。
【0046】水処理したポリエステルチップは振動篩
機、シモンカーターなどの水切り装置で水切りし、乾燥
工程へ移送する。当然のことながら水切り装置でポリエ
ステルチップと分離された水は前記のファイン除去の装
置へ送られ、再度水処理に用いることができる。
【0047】ポリエステルチップの乾燥は通常用いられ
るポリエステルチップの乾燥処理を用いることができ
る。連続的に乾燥する方法としては上部よりポリエステ
ルチップを供給し、下部より乾燥ガスを通気するホッパ
ー型の通気乾燥機が通常使用される。乾燥ガス量を減ら
し、効率的に乾燥する方法としては回転ディスク型加熱
方式の連続乾燥機が選ばれ、少量の乾燥ガスを通気しな
がら、回転ディスクや外部ジャケットに加熱蒸気、加熱
媒体などを供給した粒状ポリエステルチップを間接的に
乾燥することができる。
【0048】バッチ方式で乾燥する乾燥機としてはダブ
ルコーン型回転乾燥機が用いられ、真空下であるいは真
空下少量の乾燥ガスを通気しながら乾燥することができ
る。あるいは大気圧下で乾燥ガスを通気しながら乾燥し
てもよい。
【0049】乾燥ガスとしては大気空気でも差し支えな
いが、ポリエステルの加水分解や熱酸化分解による分子
量低下を防止する点からは乾燥窒素、除湿空気が好まし
い。
【0050】
【実施例】以下本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定させるものではな
い。なお、本明細書中における主な特性値の測定法を以
下に説明する。
【0051】(1)ポリエステルの極限粘度(IV) 1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノール
(2:3重量比)混合溶媒中30℃での溶液粘度から求
めた。
【0052】(2)密度 四塩化炭素/n−ヘプタン混合溶媒の密度勾配管で25
℃で測定した。
【0053】(3)ポリエステルの環状3量体の含量 試料をヘキサフルオロイソプロパノール/クロロフォル
ム混合液に溶解し、さらにクロロフォルムを加えて希釈
する。これにメタノールを加えてポリマーを沈殿させた
後、濾過する。濾液を蒸発乾固し、ジメチルフォルムア
ミドで定容とし、液体クロマトグラフ法よりエチレンテ
レフタレート単位から構成される環状3量体を定量し
た。
【0054】(4)ヘイズ(霞度%) 中空成形体の胴部(肉厚約0.4mm)より試料を切り
取り、東洋製作所製ヘイズメーターで測定。
【0055】(5)処理槽に導入する新しい水のCOD
(mg/l) 処理槽の処理水の導入口から水を採取し、JISK01
01記載の方法で測定。
【0056】(実施例1)処理槽上部の原料チップ供給
口(1)、工業用水(9)のCODを低減させる凝集沈
殿装置(10)を通した水の導入口(8)、処理槽の処
理水上限レベルに位置するオーバーフロー排出口
(2)、処理槽下部のポリエステルチップと処理水の混
合物の排出口(3)、オーバーフロー排出口から排出さ
れた処理水と、処理槽下部の排出口から排出されたポリ
エステルチップの水切り装置(4)を経由した処理水
が、濾材が紙製の30μmのベルト式フィルターである
濾過装置(5)を経由して再び水処理槽へ送る配管
(6)、これらのファイン除去済み処理水の導入口
(7)を備えた内容量320リットルの塔型の、図1に
示す処理槽を使用してポリエチレンテレフタレート(以
下、PETと略称)チップを水処理した。
【0057】極限粘度が0.75デシリットル/グラム
であり、密度が1.400g/cm 3であり、環状3量
体含量が0.33重量%であるPETチップを処理水温
度95℃にコントロールされた水処理槽へ50kg/時
間の速度で処理槽の上部(1)から連続投入し、水処理
時間5時間で処理槽下部の排出口(3)からPETチッ
プとして50kg/時間の速度で処理水共に連続的に抜
きだした。そして72時間連続運転後に水切り装置
(4)からのPETチップと、新しい水の導入口(8)
からの水をサンプリングした。
【0058】上記サンプリングを行ったPETチップを
減圧乾燥し、名機製作所製M−100射出成形機により
ボトルの予備成形体を成形した。射出成形温度は295
℃とした。次にこの予備成形体をCOPOPLAST社
製のLB−01E成形機で縦方法に約2.5倍、周方向
に約5倍の倍率に二軸延伸ブローし、容量が1500c
cの容器を成形した。延伸温度は100℃にコントロー
ルした。
【0059】実施例1で得られたポリエステル容器の特
性および新しい水のCODを表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】表1から明らかなように、本発明の処理槽
に導入する新しい水のCODを0.1〜2.5mg/l
にすることで、得られた成形品は優れた透明性を得てい
る。
【0062】(比較例1)実施例1で使用した工業用水
のCODを低減する装置を取り除き、その部分を直結配
管に変更して、それ以外は実施例1と同様に行った。表
1に示すとおり、新しい水のCODは高く、その処理で
得られた成形品の透明性は悪かった。
【0063】
【発明の効果】本発明はポリエステルのチップを水処理
槽に供給し、処理槽から排出した処理水の一部は再度処
理槽にもどして繰り返し使用する方法であって、かつ、
処理槽に導入する新しい水のCODが0.1〜2.5m
g/lであるため、成形時での金型汚れを発生させにく
く、またさらにはボトルの透明性が良好となるポリエス
テルとして有利に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリエステルの製造方法に用いる装置
の概略図。
【符号の説明】
1 原料チップ供給口 2 オーバーフロー排出口 3 ポリエステルチップと処理水との排出口 4 水切り装置 5 ファイン除去装置 6 配管 7 処理水導入口 8 COD低減された水の導入口 9 工業用水導入口 10 水中のCODを低減する装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J029 AA01 AB07 AE01 AE03 BA04 BA05 BA10 BB13A BD03A BF08 BF09 BF10 BF26 CB05A CB10A CC06A CF15 FC03 FC08 FC35 FC36 HA01 HB01 KH05 KJ03 KJ06 KJ08 LB05 LB10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルチップを処理槽中で水処理
    するポリエステルの製造方法において、化学的酸素要求
    量(COD)が0.1〜2.5mg/lである水を系外
    から導入することにより水処理することを特徴とするポ
    リエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 処理槽から排出された処理水の少なくと
    も一部を処理槽に戻して繰り返し使用することを特徴と
    する請求項1に記載のポリエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 ポリエステルチップを、処理槽に継続的
    に供給することを特徴とする請求項1または2記載のポ
    リエステルの製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリエステルチップを、処理槽に間欠的
    に供給することを特徴とする請求項1または2記載のポ
    リエステルの製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリエステルチップの全量を処理層に充
    填し、水処理終了後ポリエステルチップの全量を抜き出
    すことを特徴とする請求項1または2に記載のポリエス
    テルの製造方法。
  6. 【請求項6】 処理槽からの処理水の排出と、排出した
    処理水の処理槽への戻りが継続的であることを特徴とす
    る請求項1から5のいずれかに記載のポリエステルの製
    造方法。
  7. 【請求項7】 処理槽からの処理水の排出と、排出した
    処理水の処理槽への戻りが間欠的であることを特徴とす
    る請求項1から5のいずれかに記載のポリエステルの製
    造方法。
  8. 【請求項8】 処理槽に供給する新しい処理水をイオン
    交換処理した後、処理槽に供給することを特徴とする請
    求項1、2、3、4、5、6又は7記載のポリエステル
    の製造方法。
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