JP3521815B2 - ポリエステルの製造方法 - Google Patents
ポリエステルの製造方法Info
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Description
して、フィルム、シート成形用などに用いられるポリエ
ステルの製造方法に関し、さらに詳しくは、成形品の透
明性および結晶化コントロール性に優れ、成形時に金型
汚れが発生しにくいポリエステルの製造方法に関する。
エステルは、機械的性質及び化学的性質が共に優れてい
るため、工業的価値が高く、繊維、フイルム、シ−ト、
ボトルなどとして広く使用されている。
器の素材としては、充填内容物の種類およびその使用目
的に応じて種々の樹脂が採用されている。
度、耐熱性、透明性およびガスバリヤー性に優れている
ので、特にジュース、清涼飲料、炭酸飲料などの飲料充
填用容器の素材として最適である。
どの成形機に供給して中空成形体用プリフォームを成形
し、このプリフォームを所定形状の金型に挿入し延伸ブ
ロー成形した後ボトルの胴部を熱処理(ヒートセット)
して中空成形容器に成形され、さらには必要に応じてボ
トルの口栓部を熱処理(口栓部結晶化)させるのが一般
的である。ところが、従来のポリエステルには、環状三
量体などのオリゴマー類が含まれており、このオリゴマ
ー類が金型内面や金型のガスの排気口、排気管に付着す
ることによる金型汚れが発生しやすかった。
トアルデヒドを含有する。ポリエステル中のアセトアル
デヒド含量が多い場合には、これから成形された容器や
その他包装等の材質中のアセトアルデヒド含量も多くな
り、該容器等に充填された飲料等の風味や臭いに影響を
及ぼす。したがって、従来よりポリエステル中のアセト
アルデヒド含量を低減させるために種々の方策が採られ
てきた。
とするポリエステル製容器は、ミネラルウオ−タやウ−
ロン茶等の低フレ−バ−飲料用の容器として使用される
ようになってきた。このような飲料の場合は、一般にこ
れらの飲料を熱充填したりまたは充填後加熱して殺菌さ
れるが、飲料容器のアセトアルデヒド含量の低減だけで
はこれらの内容物の風味や臭いが改善されないことがわ
かってきた。
化、衛生性、公害防止等の目的から、その内面にエチレ
ンテレフタレ−トを主たる繰り返し単位とするポリエス
テルフイルムを被覆した金属板を利用して製缶する方法
が採られるようになってきた。この場合にも、内容物を
充填後高温で加熱殺菌されるが、この際アセトアルデヒ
ド含量の低いフイルムを使用しても内容物の風味や臭い
が改善されないことが分かってきた。このような問題点
を解決する方法として、特開平3−47830号にはポ
リエチレンテレフタレ−トを水処理する方法が開示され
ている。
テルチップに付着しているファイン(樹脂微粉末)が処
理水に浮遊、沈殿し処理槽壁や配管壁に付着して、配管
を詰まらせたり、処理槽や配管の洗浄を困難にさせる等
の問題が生じた。
壁に付着したファインがポリエステルチップに再度付着
して、成形時での結晶化が促進され、透明性の悪いボト
ルとなり、また口栓部結晶化後の口栓部寸法が規格に合
わなくなってキャッピング不良となる問題等が生じた。
するため水処理後に乾燥を行ってチップの含有水分を約
0.1重量%以下にすることが必要であるが、乾燥工程
に入る前のポリエステルチップの表面付着水分が多い場
合には、乾燥処理等の工程においてポリエステルに結晶
化促進効果が過度に付与されるため、得られたボトルの
透明性が非常に悪くなる。
技術の問題点を解決することにあり、ボトルの透明性や
口栓部結晶化が良好で、成形時での金型汚れを発生させ
にくいポリエステルを提供することを目的としている。
め、本発明のポリエステルの製造方法は、処理層中で、
主として芳香族ジカルボン酸成分とグリコ−ル成分とか
ら得られるポリエステルチップを水処理するポリエステ
ルの製造方法において、処理層中で、溶融重縮合または
固相重合して得られたポリエステルチップを、温度50
〜180℃の水で30分〜10時間水処理した後、処理
槽から処理水と共に排出するポリエステルチップから該
処理水を分離し引き続き水洗処理を行うか、又は該ポリ
エステルチップから該処理水を分離すると同時に水洗処
理を行うことを特徴とする。ここで、ファインとはJI
S−Z8801による呼び寸法36メッシュの標準篩い
を通過したポリエステルの微粉末を意味し、ファイン量
は下記の測定法によって測定する。
を、処理槽に継続的に、または間欠的に供給することが
できる。この場合において、水洗処理に使用された洗浄
水の少なくとも一部を処理槽に戻して繰り返し使用する
ことができる。
排出、分離処理装置からの処理水および水洗処理装置か
らの洗浄水の処理槽への戻りが継続的、または間欠的で
あることができる。
されたファインを含有する洗浄水を、ベルトフィルター
方式の濾過装置により濾過することによりファインを除
去した後、処理槽に戻して繰り返し使用することができ
る。
されたファインを含有する洗浄水を、バグフィルター方
式の濾過装置により濾過することによりファインを除去
した後、処理槽に戻して繰り返し使用することができ
る。
理に用いることができる。またこの場合において、ポリ
エステルが、極限粘度0.55〜1.30デシリットル
/グラムの主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレー
トから構成されるポリエステルであることができる。ま
たこの場合において、ポリエステルが、主たる繰り返し
単位がエチレンナフタレートから構成されるポリエステ
ルであることができる。
は、好ましくは、主として芳香族ジカルボン酸成分とグ
リコ−ル成分とから得られる結晶性ポリエステルであ
り、さらに好ましくは、芳香族ジカルボン酸単位が酸成
分の85モル%以上含むポリエステルであり、特に好ま
しくは、芳香族ジカルボン酸単位が酸成分の95モル%
以上含むポリエステルである。
る芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、
2、6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニ−ル−4,
4'−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸
等の芳香族ジカルボン酸及びその機能的誘導体等が挙げ
られる。
成するグリコ−ル成分としては、エチレングリコ−ル、
トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、
シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール等が
挙げられる。前記ポリエステル中に共重合して使用され
る酸成分としては、テレフタル酸、2、6−ナフタレン
ジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニ−ル−4,4'
−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の
芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸、オキシカプ
ロン酸等のオキシ酸及びその機能的誘導体、アジピン
酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸、ダイマ−酸等
の脂肪族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、ヘキサヒ
ドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、シクロ
ヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸及びその
機能的誘導体などが挙げられる。
るグリコ−ル成分としては、エチレングリコ−ル、トリ
メチレングリコール、テトラメチレングリコール、ジエ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族
グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのア
ルキレンオキサイド付加物等の芳香族グリコール、ポリ
エチレングリコ−ル、ポリブチレングリコ−ル等のポリ
アルキレングリコ−ルなどが挙げられる。
囲内で多官能化合物、例えばトリメリット酸、トリメシ
ン酸、ピロメリット酸、トリカルバリル酸、グリセリ
ン、ペンタエリスリトール、トリメチロ−ルプロパン等
を共重合してもよく、また単官能化合物、例えば安息香
酸、ナフトエ酸等を共重合させてもよい。
い一例は、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレー
トから構成されるポリエステルであり、さらに好ましく
はエチレンテレフタレート単位を85モル%以上含む線
状ポリエステルであり、特に好ましいのはエチレンテレ
フタレート単位を95モル%以上含む線状ポリエステ
ル、即ち、ポリエチレンテレフタレ−ト(以下、PET
と略称)である。
ましい他の一例は、主たる繰り返し単位がエチレン−
2、6−ナフタレートから構成されるポリエステルであ
り、さらに好ましくはエチレン−2、6−ナフタレート
単位を85モル%以上含む線状ポリエステルであり、特
に好ましいのは、エチレン−2、6−ナフタレート単位
を95モル%以上含む線状ポリエステル、即ち、ポリエ
チレンナフタレ−トである。
法によって製造することが出来る。即ち、PETの場合
には、テレフタール酸とエチレングリコール及び必要に
より他の共重合成分を直接反応させて水を留去しエステ
ル化した後、減圧下に重縮合を行う直接エステル化法、
または、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコール及
び必要により他の共重合成分を反応させてメチルアルコ
ールを留去しエステル交換させた後、減圧下に重縮合を
行うエステル交換法により製造される。更に極限粘度を
増大させ、アセトアルデヒド含量等を低下させる為に固
相重合を行ってもよい。
行っても良いしまた連続式反応装置で行っても良い。こ
れらいずれの方式においても、溶融重縮合反応は1段階
で行っても良いし、また多段階に分けて行っても良い。
固相重合反応は、溶融重縮合反応と同様、回分式装置や
連続式装置で行うことが出来る。溶融重縮合と固相重合
は連続で行っても良いし、分割して行ってもよい。
媒としてGe、Sb、Tiの化合物が用いられるが、特
にGe化合物またはこれとTi化合物の混合使用が好都
合である。
ニウム、結晶性二酸化ゲルマニウム粉末またはエチレン
グリコールのスラリー、結晶性二酸化ゲルマニウムを水
に加熱溶解した溶液またはこれにエチレングリコールを
添加加熱処理した溶液等が使用されるが、特に本発明で
用いるポリエステルを得るには二酸化ゲルマニウムを水
に加熱溶解した溶液、またはこれにエチレングリコール
を添加加熱した溶液を使用するのが好ましい。これらの
重縮合触媒はエステル化工程中に添加することができ
る。Ge化合物を使用する場合、その使用量はポリエス
テル樹脂中のGe残存量として10〜150ppm、好
ましくは13〜100ppm、更に好ましくは15〜7
0ppmである。
−ト、テトライソプロピルチタネ−ト、テトラ−n−プ
ロピルチタネ−ト、テトラ−n−ブチルチタネ−ト等の
テトラアルキルチタネ−トおよびそれらの部分加水分解
物、蓚酸チタニル、蓚酸チタニルアンモニウム、蓚酸チ
タニルナトリウム、蓚酸チタニルカリウム、蓚酸チタニ
ルカルシウム、蓚酸チタニルストロンチウム等の蓚酸チ
タニル化合物、トリメリット酸チタン、硫酸チタン、塩
化チタン等が挙げられる。Ti化合物は、生成ポリマ−
中のTi残存量として0.1〜10ppmの範囲になる
ように添加する。
酢酸アンチモン、酒石酸アンチモン、酒石酸アンチモン
カリ、オキシ塩化アンチモン、アンチモングリコレ−
ト、五酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン等が挙
げられる。Sb化合物は、生成ポリマ−中のSb残存量
として50〜250ppmの範囲になるように添加す
る。
リメチルフォスフェート等の燐酸エステル類等を使用す
るのが好ましい。これらの安定剤はテレフタル酸とエチ
レングリコールのスラリー調合槽からエステル化反応工
程中に添加することができる。P化合物は、生成ポリマ
−中のP残存量として5〜100ppmの範囲になるよ
うに添加する。
レングリコ−ル含量を制御するためにエステル化工程に
塩基性化合物、たとえば、トリエチルアミン、トリ−n
−ブチルアミン等の第3級アミン、水酸化テトラエチル
アンモニウム等の第4級アンモニウム塩等を加えること
が出来る。
主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートから構成
されるポリエステルの極限粘度は0.50〜1.30デ
シリットル/グラム、好ましくは0.55〜1.20デ
シリットル/グラム、さらに好ましくは0.60〜0.
90デシリットル/グラムの範囲である。極限粘度が
0.50デシリットル/グラム未満では、得られた成形
体等の機械的特性が悪い。また、1.30デシリットル
/グラムを越える場合は、成型機等による溶融時に樹脂
温度が高くなって熱分解が激しくなり、保香性に影響を
及ぼす遊離の低分子量化合物が増加したり、成形体が黄
色に着色する等の問題が起こる。
に、主たる繰り返し単位がエチレン−2、6−フタレー
トから構成されるポリエステルの極限粘度は0.40〜
1.00デシリットル/グラム、好ましくは0.42〜
0.95デシリットル/グラム、さらに好ましくは0.
45〜0.90デシリットル/グラムの範囲である。極
限粘度が0.40デシリットル/グラム未満では、得ら
れた成形体等の機械的特性が悪い。また、1.00デシ
リットル/グラムを越える場合は、成型機等による溶融
時に樹脂温度が高くなって熱分解が激しくなり、保香性
に影響を及ぼす遊離の低分子量化合物が増加したり、成
形体が黄色に着色する等の問題が起こる。
−型、角型、または扁平な板状等の何れでもよく、その
大きさは、縦、横、高さがそれぞれ通常1.6〜3.5
mm、好ましくは1.8〜3.5mmの範囲である。例
えばシリンダ−型の場合は、長さは1.8〜3.5m
m、径は1.8〜3.5mm程度であるのが実用的であ
る。また、チップの重量は15〜30mg/個の範囲が
実用的である。
アセトアルデヒド含量は10ppm以下、好ましくは8
ppm以下、更に好ましくは5ppm以下、ホルムアル
デヒド含量は7ppm以下、好ましくは6ppm以下、
更に好ましくは4ppm以下である。本発明で用いられ
るポリエステルのアセトアルデヒド含有量を10ppm
以下、またホルムアルデヒド含有量を7ppm以下にす
る方法は特に限定されるものではないが、例えば低分子
量のポリエステルを減圧下または不活性ガス雰囲気下に
おいて170〜230℃の温度で固相重合する方法を挙
げることが出来る。
共重合されたジエチレングリコール量は該ポリエステル
を構成するグリコール成分の1.0〜5.0モル%、好
ましくは1.3〜4.5モル%、更に好ましくは1.5
〜4.0モル%である。ジエチレングリコール量が5.
0モル%を越える場合は、熱安定性が悪くなり、成型時
に分子量低下が大きくなったり、またアセトアルデヒド
含量やホルムアルデヒド含量の増加量が大となり好まし
くない。またジエチレングリコ−ル含量が1.0モル%
未満の場合は、得られた成形体の透明性が悪くなる。
環状3量体の含有量は0.50重量%以下、好ましくは
0.45重量%以下、さらに好ましくは0.40重量%
以下である。本発明のポリエステルから耐熱性の中空成
形体等を成形する場合は加熱金型内で熱処理を行うが、
環状3量体の含有量が0.50重量%以上含有する場合
には、加熱金型表面へのオリゴマー付着が急激に増加
し、得られた中空成形体等の透明性が非常に悪化する。
マー類が成形時に金型内面や金型のガスの排気口、排気
管等に付着することによる金型汚れ等を防止するため
に、前記の溶融重縮合または固相重合の後に水との接触
処理を行なう。水との接触処理の方法としては、水中に
浸ける方法が挙げられる。水との接触処理を行う時間と
しては5分〜2日間、好ましくは10分〜1日間、さら
に好ましくは30分〜10時間であり、水の温度として
は20〜180℃、好ましくは40〜150℃、さらに
好ましくは50〜120℃である。
にポリエステルのチップを受け入れる段階で既にポリエ
ステルのチップに付着しているファインや、水処理時に
ポリエステルのチップ同士あるいは処理槽壁との摩擦で
発生するポリエステルのファインが含まれている。従っ
て、処理槽から排出した処理水を再度処理槽へ戻して再
利用すると、処理槽内の処理水に含まれるファイン量は
次第に増えていく。そのため、処理水中に含まれている
ファインが処理槽壁や配管壁に付着して、配管を詰まら
せることがある。また処理水中に含まれているファイン
が再びポリエステルのチップに付着し、この後、水分を
乾燥除去する段階でポリエステルのチップにファインが
静電効果により付着するため、ポリエステルのファイン
含量が非常に多くなる。したがって、乾燥工程の前にフ
ァインを出来るだけ除去しておくことが重要である。
ァインには結晶化促進効果があるが、水処理工程を経た
ポリエステルチップから前記のような工程で発生したフ
ァインの結晶化促進効果は非常に高いことが判明した。
このようなファインによりポリエステルの結晶性が促進
されて、得られたボトルの透明性は悪くなり、またボト
ル口栓部結晶化時の結晶化度が過大となって口栓部の寸
法が規格に入らなくなり、そのため口栓部のキャッピン
グ不良、したがって内容物の漏れの原因になる。
ップから処理水を分離し引き続き水洗処理を行うか、又
は該ポリエステルチップから該処理水を分離すると同時
に水洗処理を行うものである。この方法によりポリエス
テルチップのファイン量を好ましくは100ppm以
下、より好ましくは50ppm以下、さらに好ましくは
20ppm以下に低下させることによって上記の問題点
を解決するものである。ポリエステルチップのファイン
量が100ppmを越える場合には、ポリエステルの結
晶性が促進されて、透明性の悪いボトルとなったり、ま
た口栓部結晶化時の結晶化度が過大となり、口栓部の寸
法が規格に入らなくなり口栓部のキャッピング不良とな
ることがある。
網製ベルト上に水処理槽よりポリエステルチップを排出
させ、処理水を十分に分離した後、又は分離するのと同
時に該チップ上よりイオン交換水をスプレ−する方法、
処理水を分離したポリエステルチップをイオン交換水を
満たした槽中に設置した連続式金網製ベルト上に送り、
イオン交換水をチップと向流方向に流して洗浄する方法
等が挙げられる。
ずれの場合であっても、処理槽から排出した処理水のす
べて、あるいは殆どを工業排水としてしまうと、新しい
水が多量に入用であるばかりでなく、排水量増大による
環境への影響が懸念される。即ち、処理槽から排出した
処理水および水洗処理後の洗浄水の少なくとも一部を、
水処理槽へ戻して再利用することにより、必要な水量を
低減し、また排水量増大による環境への影響を低減する
ことが出来、さらには水処理槽へ返される排水がある程
度温度を保持していれば、処理水の加熱量も小さく出来
る。
り、水処理槽中に流す処理水の流量を上げることがで
き、その結果、処理槽中の水の品質が不均一になること
を防げるため、効率よく水処理を行うことが出来、品質
の安定した樹脂が得られる。
するが、これに限定するものではない。また処理方法は
連続方式、バッチ方式のいずれであっても差し支えない
が、工業的に行なうためには連続方式の方が好ましい。
をする場合は、サイロタイプの処理槽が挙げられる。す
なわち、バッチ方式でポリエステルのチップをサイロへ
受け入れ水処理を行なう。あるいは回転筒型の処理槽に
ポリエステルのチップを受け入れ、回転させながら水処
理を行ない水との接触をさらに効率的にすることもでき
る。
に投入、充填すると共に処理水を満たし、処理水は必要
により継続的又は断続的(総称して連続的ということが
ある)に循環し、また、継続的又は断続的に一部の処理
水を排出して新しい処理水を追加供給して水処理する。
そして、水処理終了後処理槽から排出したポリエステル
チップから処理水を分離し、引き続きイオン交換水によ
り水洗処理を行うか、又は該ポリエステルチップから該
処理水を分離すると同時に水洗処理を行ってポリエステ
ルのファイン含量を好ましくは100ppm以下に低下
させることによって上記の問題点を解決する。
る場合は、塔型の処理槽に継続、あるいは断続的にポリ
エステルのチップを上部より受け入れ、並流又は向流で
水を連続供給して水処理させることができる。そして、
水処理終了後処理槽から排出するポリエステルチップか
ら処理水を分離し、引き続きイオン交換水により水洗処
理を行うか、又は該ポリエステルチップから該処理水を
分離すると同時に水洗処理を行ってポリエステルのファ
イン含量を好ましくは100ppm以下に低下させるこ
とによって上記の問題点を解決する。
てイオン交換水が使用できるが、Na含量が0.002
〜1.0ppm、Ca含量およびMg含量が0.005
〜0.5ppmおよびSi含量が0.025〜1.5p
pmの範囲のイオン交換水が好適である。また、水洗処
理用水の温度は、約5℃から約80ないし90℃の範囲
が好都合である。
の連続式水処理法の場合は処理槽からポリエステルチッ
プと共に排水する処理水の微粉量を1000ppm以
下、好ましくは500ppm以下、さらに好ましくは3
00ppm以下に維持しながら処理槽から排出される処
理水の一部を処理槽に戻して繰り返し使用するのが望ま
しい。またバッチ式水処理法の場合は、水処理の終了時
点での水中の微粉量は1000ppm以下、好ましくは
500ppm以下、さらに好ましくは300ppm以下
にするように処理槽から排出された処理水の少なくとも
一部を処理槽に戻して繰り返し使用する。ここで、微粉
量は下記の測定法によって求めたものである。
ために、処理槽から排出した処理水が再び処理槽に返さ
れるまでの工程で少なくとも1ヶ所以上にファインを除
去する装置を設置する。ファインを除去する装置として
はフィルター濾過装置、膜濾過装置、沈殿槽、遠心分離
器、泡沫同伴処理機等が挙げられる。例えばフィルター
濾過装置であれば、方式としてベルトフィルター方式、
バグフィルター方式、カートリッジフィルター方式、遠
心濾過方式等の濾過装置が挙げられる。中でも連続的に
行うにはベルトフィルター方式、遠心濾過方式、バグフ
ィルター方式の濾過装置が適している。またベルトフィ
ルター方式の濾過装置であれば濾材としては、紙、金
属、布等が挙げられる。またファインの除去と処理水の
流れを効率良く行なうため、フィルターの目のサイズは
5〜100μm、好ましくは10〜70μm、さらに好
ましくは15〜40μmがよい。
場合、処理に用いる水が大量であることから天然水(工
業用水)や排水を再利用して使用することが多い。通常
この天然水は、河川水、地下水などから採取したもの
で、水(液体)の形状を変えないまま、殺菌、異物除去
等の処理をしたものを言う。また、一般に工業的に用い
られる天然水には、自然界由来の、ケイ酸塩、アルミノ
ケイ酸塩等の粘土鉱物を代表とする無機粒子や細菌、バ
クテリア等や、腐敗した植物、動物に起源を有する有機
粒子を多く含有している。これらの天然水を用いて水処
理を行うと、ポリエステルチップに粒子が付着、浸透し
て結晶核となり、このようなポリエステルチップを用い
た中空成形容器の透明性が非常に悪くなる。
するために系外から導入する水として、粒径1〜25μ
mの粒子を10〜50000個/10cc含む水を利用
することが必要である。処理水中の粒径25μmを越え
る粒子は、特に規定するものではないが、好ましくは2
000個/10cc以下、より好ましくは500個/1
0cc以下、さらに好ましくは100個/10cc、特
に好ましくは10個/10cc以下である。
関しては、本発明で特に規定するものではないが、透明
な樹脂や適正な結晶化速度の樹脂を得るためには、少な
い方が好ましい。粒径1μm未満の粒子数としては好ま
しくは100000個/10cc以下、より好ましくは
50000個/10cc以下、さらに好ましくは200
00個/10cc以下、特に好ましくは10000個/
10cc以下である。1μm以下の粒子を水中から除
去、コントロールする方法としてはセラミック膜、有機
膜等の膜を用いた精密濾過法や限外濾過法、等を用いる
ことができる。以下に水処理に用いる、粒径1〜25μ
mの粒子を10〜50000個/10cc含む水を得る
方法を例示する。水中の粒子数を50000個/10c
c以下にする方法としては、工業用水等の自然水を処理
槽に供給するまでの工程の少なくとも1ヶ所以上に粒子
を除去する装置を設置する。好ましくは自然界の水の採
取口から、前記した処理槽、処理槽から排水した水を再
度処理槽に戻す配管、ファイン除去装置等、水処理に必
要な付帯設備を含めた処理装置に至るまでの間に粒子を
除去する装置を設置し、処理装置に供給する水中の、粒
径1〜25μmの粒子の含有量を10〜50000個/
10ccにすることが好ましい。処理槽内の処理水の粒
子を除去する装置としては前記の水中のファイン除去装
置を使用することができる。
属イオンを大量に含んでいる場合があり、このような天
然水を用いて水処理を行うと、これらがポリエステルチ
ップに付着、浸透して結晶化促進剤として作用し、この
ようなポリエステルチップを用いた中空成形容器の透明
性が非常に悪くなる。
合は、イオン交換装置等によってNa含量が0.002
〜1.0ppm、Ca含量およびMg含量が0.005
〜0.5ppmおよびSi含量が0.025〜1.5p
pmの範囲にしておくのが好都合である。
機、シモンカーターなどの水切り装置で水分離処理し、
水洗工程へ移送する。当然のことながら水分処理装置及
び水洗装置でポリエステルチップと分離された水はフィ
ルタ−式濾過装置、遠心分離器等のファイン除去の装置
へ送られ、再度水処理に用いることができる。
るポリエステルチップの乾燥処理を用いることができ
る。連続的に乾燥する方法としては上部よりポリエステ
ルチップを供給し、下部より乾燥ガスを通気するホッパ
ー型の通気乾燥機が通常使用される。乾燥ガス量を減ら
し、効率的に乾燥する方法としては回転ディスク型加熱
方式の連続乾燥機が選ばれ、少量の乾燥ガスを通気しな
がら、回転ディスクや外部ジャケットに加熱蒸気、加熱
媒体などを供給した粒状ポリエステルチップを間接的に
乾燥することができる。
ルコーン型回転乾燥機が用いられ、真空下であるいは真
空下少量の乾燥ガスを通気しながら乾燥することができ
る。あるいは大気圧下で乾燥ガスを通気しながら乾燥し
てもよい。乾燥ガスとしては大気空気でも差し支えない
が、ポリエステルの加水分解や熱酸化分解による分子量
低下を防止する点からは乾燥窒素、除湿空気が好まし
い。
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、本明細書中における主な特性値の測定法を以
下に説明する。
(2:3重量比)混合溶媒中30℃での溶液粘度から求
めた。
℃で測定した。
ム混合液に溶解し、さらにクロロフォルムを加えて希釈
する。これにメタノールを加えてポリマ−を沈殿させた
後、濾過する。濾液を蒸発乾固し、ジメチルフォルムア
ミドで定容とし、液体クロマトグラフ法よりエチレンテ
レフタレ−ト単位から構成される環状3量体を定量し
た。
い、1000kgのサンプルを篩い分け、篩を通過した
ファインの量を秤量し含量を求める。
り、東洋製作所製ヘイズメ−タ−で測定。
び寸法850μmのふるいを通過した処理水を1000
cc採取し、岩城硝子社製1G1ガラスフィルターで濾
過後、100℃で2時間乾燥し室温下で冷却後、重量を
測定して算出する。
ーバッグPE−1P2S(ポリエステルフェルト、濾過
精度1μm)である水中の粒子除去装置(9)を設置
し、この装置(9)を経由したイオン交換水の導入口
(8)、処理槽上部の原料チップ供給口(1)、処理槽
の処理水上限レベルに位置するオーバーフロー排出口
(2)、処理槽下部のポリエステルチップと処理水の混
合物の排出口(3)、オーバーフロー排出口から排出さ
れた処理水と、処理槽下部の排出口から排出されたポリ
エステルチップの水分離装置(4)を経由した処理水
が、濾材が紙製の30μmのベルト式フィルターである
濾過装置(5)を経由して再び水処理槽へ送る配管
(6)、これらのファイン除去済み処理水の導入口
(7)およびファイン除去済み処理水中のアセトアルデ
ヒドやグリコ−ル等を吸着処理させる吸着塔(10)を
備えた内容量320リットルの塔型の、図1に示す処理
槽を使用してポリエチレンテレフタレート(以下、PE
Tと略称)チップを水処理した。固相重合後のポリエス
テルチップを篩分工程を通過させて得た、ファイン含量
が約180ppmであり、極限粘度が0.74デシリッ
トル/グラム、密度が1.399g/cm3、環状3量
体含量が0.31重量%であるPETチップを処理水温
度95℃にコントロールされた水処理槽へ50kg/時
間の速度で処理槽の上部(1)から連続投入を開始し
た。投入開始から5時間経過後に、PETチップの水処
理槽への投入を続けたまま水処理槽の下部(3)からP
ETチップを50kg/時間の速度で処理水ごと抜出し
を開始し、水分離装置(4)で処理水を分離し、引き続
き水洗処理装置(11)でイオン交換水による水洗処理
を行うと共に、水分離装置(4)を経由した処理水およ
び水洗処理装置(11)からの洗浄水を濾過装置(5)
を経由して再び水処理槽に戻して繰り返し使用を開始し
た。100時間連続運転後のPETのファイン含量は約
18ppmであった。上記のPETチップを減圧乾燥
し、名機製作所製M−100射出成形機によりボトルの
予備成形体を成形した。射出成形温度は295℃とし
た。次にこの予備成形体の口栓部を、近赤外線ヒーター
方式の自家製口栓部結晶化装置で加熱して口栓部を結晶
化した。次にこの予備成形体をCOPOPLAST社製
のLB−01E成形機で縦方法に約2.5倍、周方向に
約5倍の倍率に二軸延伸ブローし、容量が2000cc
の容器を成形した。延伸温度は100℃にコントロール
した。得られた容器のヘイズは0.8%で優れた透明性
を示す。
を水洗処理工程(11)を通過させずに処理する以外
は、実施例1と同様の方法で水処理した。得られたPE
Tチップのファイン含量は約150ppmで、実施例1
と同一方法で得た容器のヘイズは9.1%と非常に悪か
った。
水を処理槽に供給してポリエステルチップを水処理する
ポリエステルの製造方法であって、処理槽から処理水と
共に排出するポリエステルチップから該処理水を分離処
理し、引き続き水洗処理を行ってポリエステルのファイ
ン含量を100ppm以下に低下させることにより、ボ
トルの透明性や口部結晶化が良好となるポリエステルが
得られる。
置の概略図。
Claims (9)
- 【請求項1】 処理層中で、主として芳香族ジカルボン
酸成分とグリコ−ル成分とから得られるポリエステルチ
ップを水処理するポリエステルの製造方法において、処
理層中で、溶融重縮合または固相重合して得られたポリ
エステルチップを、温度50〜180℃の水で30分〜
10時間水処理した後、処理槽から処理水と共に排出す
るポリエステルチップから該処理水を分離し引き続き水
洗処理を行うか、又は該ポリエステルチップから該処理
水を分離すると同時に水洗処理を行うことを特徴とする
ポリエステルの製造方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載のポリエステルの製造方
法であって、処理槽から排出された処理水の少なくとも
一部を処理槽に戻して繰り返し使用することを特徴とす
るポリエステルの製造方法。 - 【請求項3】 請求項1に記載のポリエステルの製造方
法であって、処理槽から排出された処理水を処理槽に戻
さずに排出することを特徴とするポリエステルの製造方
法。 - 【請求項4】 ポリエステルチップを、処理槽に継続的
に、または間欠的に供給し、抜き出すことを特徴とする
請求項1、2、3に記載のポリエステルの製造方法。 - 【請求項5】 ポリエステルチップの全量を処理層に充
填し、水処理終了後ポリエステルチップの全量を抜き出
すことを特徴とした請求項1、2、3に記載のポリエス
テルの製造方法 - 【請求項6】 処理槽からの処理水の排出および排出し
た処理水の処理槽への戻りが継続的、または間欠的であ
ることを特徴とする請求項2に記載のポリエステルの製
造方法。 - 【請求項7】 水洗処理装置から排出されたファインを
含有する洗浄水を、ベルトフィルター方式の濾過装置に
より濾過することによりファインを除去した後、処理槽
に戻して繰り返し使用することを特徴とする請求項1、
2、3、4、5又6記載のポリエステルの製造方法。 - 【請求項8】 水洗処理装置から排出されたファインを
含有する洗浄水を、バグフィルター方式の濾過装置によ
り濾過することによりファインを除去した後、処理槽に
戻して繰り返し使用することを特徴とする請求項1、
2、3、4、5又は6記載のポリエステルの製造方法。 - 【請求項9】 イオン交換水を水洗処理に用いることを
特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8
記載のポリエステルの製造方法。
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