JP2001294060A - 自動車用インストルメントパネル及びその製造方法 - Google Patents

自動車用インストルメントパネル及びその製造方法

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JP2001294060A
JP2001294060A JP2000109589A JP2000109589A JP2001294060A JP 2001294060 A JP2001294060 A JP 2001294060A JP 2000109589 A JP2000109589 A JP 2000109589A JP 2000109589 A JP2000109589 A JP 2000109589A JP 2001294060 A JP2001294060 A JP 2001294060A
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resin
instrument panel
mold
injection
molten
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JP2000109589A
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Katsunori Oda
克則 小田
Hirofumi Yamada
宏文 山田
Shoichi Miura
昭一 三浦
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Toyota Auto Body Co Ltd
Original Assignee
Toyota Auto Body Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エアバッグ装置を備えたインストルメントパ
ネルにおいて、意匠面に継ぎ目や溝がなく、色調の統一
感のある自動車用インストルメントパネル及びその製造
方法を提供すること。 【解決手段】 インストルメントパネルの製造において
は、金型3のキャビティ内に硬質な樹脂である溶融PP
樹脂PPmが先に射出され、キャビティの80〜90%
を充填した時点で溶融PP樹脂PPmの射出を停止し、
次に、エアバッグドアを形成したい位置に設けられたゲ
ートから軟質な樹脂である溶融TPO樹脂TPOmを射
出する。このとき溶融PP樹脂PPmの表面は既に固化
しており、溶融TPO樹脂TPOmは表面に露出するこ
となく溶融PP樹脂PPmの内部に拡がっていく。この
ため、表面に樹脂の継ぎ目がなく、且つ十分な厚さを持
った軟質樹脂層を備えたエアバッグドアを一体に形成で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用インスト
ルメントパネル及びその製造方法に関し、詳しくは、エ
アバッグドアを一体に有する自動車用インストルメント
パネルのエアバッグドアの部分と一般部との間の境目が
できないように形成したインストルメントパネル及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車車両においてパッセンジャーシー
トの乗員を保護するため、パッセンジャーシート用のエ
アバッグ装置が備えられている。図19は従来のインス
トルメントパネルIPpを示す図である。図19に示す
ように、パッセンジャーシート用のエアバッグ装置AA
はインストルメントパネルIPp内に装備されていた。
図17は、図19のA−A部分におけるインストルメン
トパネルIPp及びエアバッグ装置AAの模式的な断面
図である。また、図18は、図19に示すインストルメ
ントパネルIPpのエアバッグドアADpの近傍を示す
図である。図17に示すように、エアバッグ装置AA
は、インストルメントパネルIPp側が開口したエアバ
ッグケースACを備え、その内部にインフレータIfと
エアバッグ袋体ABを保持する。このように構成された
エアバッグ装置AAは、インストルメントパネルIPp
の裏面に設けられたリブ部分(図示を省略)により固定
される。自動車の衝突時等にはエアバッグ装置AAが作
動し、インフレータIfにより高圧ガスが生成されエア
バッグ袋体ABが膨張させられる。インストルメントパ
ネルIPpの前記エアバッグ装置AAと対向する位置に
は、エアバッグドアADpが設けられる。エアバッグド
アADpの裏面には、図18に点線で示すH形のティア
ラインTLが刻設されている。膨張させられたエアバッ
グ袋体ABは、エアバッグドアADpをティアラインT
Lに沿って破断し、さらにエアバッグ袋体ABは破断し
てできた開口部から車室内に膨出する。そして、展開さ
れたエアバッグ袋体ABにより乗車している人間を保護
するように構成されていた。ここで、インストルメント
パネルIPp全体は、強度等の問題からポリプロピレン
(PP)等からなる硬質樹脂により成形されていた。一
方、エアバッグ袋体ABが膨出するエアバッグドアAD
pの部分には、エアバッグドアADpが破断しても飛散
しないようにオレフィン系エラストマー(TPO)等の
軟質樹脂により成形されていた。
【0003】ここで、図16は、従来の射出成形用金型
の一例を示す図面である。図16に示すように固定型で
あるキャビティ型104の本体141と可動型であるコ
ア型105の本体151とにより形成された空間に、ラ
ンナ(図示を省略)を介して射出ユニットのノズル(図
示を省略)から溶融PP樹脂PPmをキャビティ内に射
出してインストルメントパネルIPpの本体IPbp,
IPbp(図17参照)を成形する。このときコア型ス
ライドは、図16に示す2点鎖線157bの位置にあっ
て、キャビティ型スライド147と接触部CP,CPで
接触して溶融PP樹脂PPmがエアバッグドアADpが
形成される空間へ進入するのを阻む。そして、溶融PP
樹脂PPmが冷却されると硬化しインストルメントパネ
ルIPpの本体IPbp,IPbpが形成される。この
工程に続き、コア型スライドが、シリンダ158及びプ
ランジャ159により2点鎖線157bで示す位置か
ら、実線157aで示す位置に移動する。そうしてでき
た空間にランナ(図示を省略)を介して射出ユニットの
ノズル(図示を省略)から溶融TPO樹脂TPOmを射
出してエアバッグドアADpを形成する。このとき、コ
ア型スライドが157bから157aに移動し、先に形
成されたPP樹脂製のインストルメントパネルIPpの
本体IPbpの一部が露出するので、この部分と後に射
出した溶融TPO樹脂TPOmとが接合され、インスト
ルメントパネルIPpと一体にエアバッグドアADpが
形成される。このように成形することで、PP樹脂から
成形された部分とTPO樹脂から成形された部分を一体
に成形することができ、別途に成形したエアバッグドア
を事後的に取り付ける場合に比較して工程が減少する。
なお、PP樹脂から成形された部分とTPO樹脂から成
形された部分との継ぎ目はには、溝Dr(図17参照)
が形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図1
7、図18に示すようにエアバッグドアADp自体は、
裏面に形成されたティアラインTLから開裂するもので
あり、意匠面における溝Drは、機能的な必要性から設
けられたものではなく、成形上必然的に形成されるもの
である。そして、この溝Dr自体がインストルメントパ
ネルIPpの意匠面のデザインを制限してしまうという
問題があった。また、PP樹脂とTPO樹脂の異なる樹
脂材料から成形されたインストルメントパネルIPpで
は、異なる樹脂材料の継ぎ目部分をいくら隠しても、異
なる樹脂材料から成形された部分同士の色調を完全に同
一にすることは困難であり、インストルメントパネルI
Ppの一部に色調の異なる部分が生じれば、インストル
メントパネルIPp全体のデザイン上の統一感を損なう
という問題があった。
【0005】この発明は、エアバッグドアを有する自動
車のインストルメントパネルにおいて、意匠面に異なる
樹脂の継ぎ目や溝が形成されず、且つ色調の統一感のあ
るデザインとすることができる自動車用インストルメン
トパネル及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
請求項1に係る発明の自動車用インストルメントパネル
では、エアバッグドアを有する自動車用インストルメン
トパネルにおいて、第1の樹脂材料から全体が構成され
るとともに、前記エアバッグドア部が前記第1の樹脂材
料の内部に、前記第1の樹脂材料より軟質な第2の樹脂
材料を流入させて第1の樹脂材料と該第1の樹脂材料に
よって被覆された第2の樹脂材料とにより一体に形成さ
れたことを特徴とする。
【0007】この構成に係る自動車用インストルメント
パネルによれば、例えばパッセンジャーシート用エアバ
ッグ装置を備えたインストルメントパネルにおいて、意
匠面に異なる樹脂の継ぎ目や溝が形成されず、且つ色調
の統一感があるデザインのインストルメントパネルとす
ることができる。
【0008】また請求項2に係る発明の自動車用インス
トルメントパネルの製造方法では、複数の樹脂の射出ノ
ズルを備えた射出成形機により、第1の樹脂材料をキャ
ビティ内に射出する第一の工程と、前記第1の樹脂材料
より軟質な第2の樹脂材料を、前記第一の工程において
射出された前記第1の樹脂材料のエアバッグドアの部分
の内部に射出する第二の工程とを含むことを特徴とす
る。
【0009】この構成に係る自動車用インストルメント
パネルの製造方法では、例えばパッセンジャーシート用
エアバッグ装置を備えたインストルメントパネルにおい
て、複数の樹脂の射出ノズルを備えた射出成形機によ
り、第1の樹脂材料をキャビティ内に射出後、先に射出
された第1の樹脂材料においてエアバッグドアを設けた
い部分の内部に第1の樹脂材料より軟質な第2の樹脂材
料を射出することで、軟質な樹脂材料によるエアバッグ
ドアを設けることができる。そのため、エアバッグ装置
の作動を損なうことがないエアバッグドアを備えなが
ら、意匠面に異なる樹脂の継ぎ目や溝を設けず、且つ色
調の統一感があるデザインのインストルメントパネルと
することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る自動車用イン
ストルメントパネル及びその製造方法を好ましい1の実
施の形態であるインストルメントパネルIPにより、添
付図面を参照して説明する。
【0011】図1は、本実施の形態のインストルメント
パネルIPの車両後方側(車室側)から意匠面を見た図
である。図1に示すように、エアバッグ装置AAは、パ
ッセンジャーシート(図示を省略)の前方のインストル
メントパネルIP内に設けられる。図2は、図1に示す
インストルメントパネルIPのエアバッグドアの近傍を
示す図である。図2に示すように、インストルメントパ
ネルIPの意匠面には、従来のインストルメントパネル
IPpのように2点鎖線で示す溝Drは設けられておら
ず、インストルメントパネルIPの本体IPbとエアバ
ッグドアADの間には境目がない。そのため、パッセン
ジャーシートからみても、どこがエアバッグドアADか
は判別できない。また、インストルメントパネルIPの
全体の色調も統一されている。なお、従来のインストル
メントパネルIPpの説明において使用した部材名のう
ち同一または等価のものは、以下の説明においても共通
の符号を用いることとする。また、図1から図4におい
て車両前方側をFR、上方をUP、左方をLHで表す。
【0012】図3は、図1のB−B部分におけるインス
トルメントパネルIP及びエアバッグ装置AAの模式的
な断面図である。図3に示すように、従来のインストル
メントパネルIPp(図17参照)と同様、エアバッグ
装置AAは、インストルメントパネルIPの内部(車両
前方側)に配設されている。このエアバッグ装置AA
は、インストルメントパネルIP側が開口したエアバッ
グケースACを備え、その内部に点火により瞬時に高圧
のガスを発生させることができるインフレータIfがエ
アバッグケースACの底部に配置され、インフレータI
fのインストルメントパネルIP側に連続してエアバッ
グ袋体ABが折り畳まれて配設される。このエアバッグ
袋体ABはインフレータIfにより発生したガスにより
膨張し、パッセンジャーシートの前方へ展開する。この
ように構成されたエアバッグ装置AAは、インストルメ
ントパネルIPの裏面に設けられたリブ部分(図示を省
略)により固定される。
【0013】インストルメントパネルIPは、図3に示
すように、外側に、例えばPP樹脂から形成された硬質
樹脂層Phを備え、その内部に、例えばTPO樹脂から
形成された軟質樹脂層Psを備える。インストルメント
パネルIP全体の一般部(図示を省略)は、硬質樹脂層
Phから形成されている。そのため、高い強度を有し、
速度計等の各計器類、カーナビゲーションシステム、オ
ーディオシステム、エアーコンディショナー等様々な内
装機器を支持する。そして、エアバッグドアADの部分
を中心に、硬質樹脂層Phの中に軟質樹脂層Psが形成
される。エアバッグドアADの部分では、総板厚3.5
mmに対し、意匠面及び取り付け面側におよそ0.1〜
0.2mmの硬質樹脂層Phによるスキン層が形成され
る。そして、軟質樹脂層PsはエアバッグドアADの周
縁よりエアバッグドアADの周囲のインストルメントパ
ネルIPの本体IPb,IPbに拡がっている。もちろ
ん、それぞれの樹脂の特性や、インストルメントパネル
IP自体の厚み、形状により軟質樹脂層Psの拡がりの
範囲は変化するものである。
【0014】図2、図3に示すようにエアバッグドアA
Dの周縁には、インストルメントパネルIPのエアバッ
グ装置AAのエアバッグケースACの開口部の周縁に対
面した位置に、断面V字状の溝であるティアラインTL
が設けられる。ティアラインTLは、上方が開放したコ
字状に刻設される。エアバッグケースACと対面した上
部の部分は、ティアラインTLは設けられず、ヒンジ部
Hgとなる。ヒンジ部Hgの部分は、軟質樹脂層Psが
殆どを占めているため柔軟性に富み、エアバッグ装置A
Aが作動した時に、ヒンジ部Hgが屈曲することでエア
バッグドアADを容易に回動させ開口部を形成させると
ともに、エアバッグドアAD全体が破断してインストル
メントパネルIPからパッセンジャーシート方向に飛散
しないように構成されている。
【0015】ここで図4は、図3の状態からエアバッグ
装置AAが作動した時のインストルメントパネルIPの
状態を示す図である。自動車の衝突時等にはエアバッグ
装置AAが作動し、インフレータIfにより高圧ガスが
生成されエアバッグ袋体ABが膨張させられる。インス
トルメントパネルIPの裏面には、エアバッグドアAD
の部分に図2に点線で示すコ字状のティアラインTLが
刻設されている。ティアラインTLは、断面V字状の溝
状の凹部で、エアバッグ装置AAが作動してエアバッグ
袋体ABが膨張したときに応力を集中させてこの部分か
ら開裂するようにした構造である。エアバッグ装置AA
の作動時には、内部から膨張されたエアバッグ袋体AB
にエアバッグドアADが押圧され、ティアラインTLの
部分からエアバッグドアADが開裂し本体IPbよりヒ
ンジ部Hg部分を残して破断し、図2において一点鎖線
で示すヒンジ部Hgを回転中心にしエアバッグドアAD
が回動して押し開かれ開口部を形成する。さらにエアバ
ッグ袋体ABが破断してできた開口部から車内に膨出し
て展開し乗車している人間を保護するように構成されて
いる。
【0016】この場合、もしエアバッグドアADが、P
P樹脂等の硬質樹脂層Phから形成されていれば、いく
らティアラインTLが設けられていてもエアバッグドア
ADは容易に開裂することができず、また開裂すること
があっても硬質樹脂であればエアバッグドアADが粉砕
され破片が飛散することも考えられる。それに対して、
本実施の形態のインストルメントパネルIPのエアバッ
グドアADは、上記のようにその殆どがTPO樹脂から
なる軟質樹脂層Psから形成されているため、エアバッ
グドアADが容易にティアラインTLから開裂し且つ柔
軟に屈曲する。また、その表面に形成された硬質樹脂層
Phの厚みは薄く、軟質樹脂層Psと密着しているた
め、エアバッグドアADが開裂した場合でも飛散するこ
とはない。従って、従来のインストルメントパネルIP
pと同様パッセンジャーシートに乗車した人間に飛散し
たエアバッグドアADの破片が当たるようなことはな
い。
【0017】以上のように構成されるインストルメント
パネルIPの製造方法について説明する。本実施の形態
のインストルメントパネルIPは、射出成形により成形
される。本実施の形態のインストルメントパネルIPの
製造を行う射出成形装置には、キャビティ型(雌型)で
ある固定型4と、コア型(雄型)である可動型5とから
なる金型3と(図7参照)、これを型締めする型締め装
置1(図5参照)と、金型3に溶融した樹脂材料を供給
する射出ユニット(図示を省略)が用いられている。ま
ず、これらの構成について説明する。なお、図5〜図1
3の説明において固定型4側を前方としてFR、上方を
UPで表すものとする。
【0018】ここで図5は、本実施の形態の型締め装置
1の閉鎖状態を示す模式図である。図5に示すように、
型締め装置1は、基台17の上に金属製の枠状の板状部
材である固定プラテン11と、同じく金属製の枠状の板
状部材である型締め用油圧シリンダ支持枠13とが対面
して平行に載置される。そして、棒状のレール状部材で
ある2本のタイバー16a,16b及び、タイバー16
aの図5において奥側に配置されるタイバー16c(図
示を省略)と、タイバー16bの図5において奥側に配
置されるタイバー16d(図示を省略)との4本のタイ
バーが、前面から見て正方形の頂点を形成するような位
置で長手方向が前後方向になるように配置される。これ
らタイバー16a,16b,16c,16dが相互に平
行、且つ基台17に平行に配置され、固定プラテン11
と型締め用油圧シリンダ支持枠13の上端部同士はタイ
バー16aとタイバー16cに、下端部同士はタイバー
16bとタイバー16dにより連結され固定されてい
る。そして、このタイバー16a,16bを含む4本の
タイバーにその上下端の左右端部を貫通されて金属製の
枠状の板状部材である可動プラテン12が、固定プラテ
ン11及び型締め用油圧シリンダ支持枠13と平行な姿
勢で、前後方向に摺動可能に支持される。型締め用油圧
シリンダ14は、型締め用油圧シリンダ支持枠13の後
方に固定されて支持され、型締め用油圧シリンダ14の
前方方向に型締めプランジャ15が型締め用油圧シリン
ダ14から突出されて配置され、型締め用油圧シリンダ
14により前後方向に変位可能に構成される。型締めプ
ランジャ15の前方先端は可動プラテン12に固定され
る。型締めプランジャ15に固定された可動プラテン1
2は、図示しない油圧制御装置により制御された型締め
用油圧シリンダ14により前後方向に変位する。
【0019】金型3は、キャビティ型である固定型4
と、コア型である可動型5とから構成される。固定型4
は固定プラテン11の後部に装着され、可動型5は可動
プラテン12の前部に固定型4と対面するように装着さ
れる。型締め装置1の閉鎖時には固定型4と可動型5は
それぞれの分割面40,50(図7参照)において当接
された状態となる。固定型4の前部には、射出ユニット
の射出シリンダ(図示を省略)の射出ノズル21が固定
型4からキャビティに溶融PP樹脂PPmを注入可能に
配置される。また、可動型5の上部には、射出ユニット
の射出シリンダの射出ノズル22が配置され可動型5か
らキャビティに溶融TPO樹脂TPOmをそれぞれ注入
可能に配置される。
【0020】ここで、図示しない射出ユニットは、周知
のスクリュインライン射出成形機(screw inline injec
tion machine)や、スクリュプリプラ射出成形機(scre
w preplasticating injection molding machine)等が
用いられる。図示しない射出成形機のホッパに投入され
た成形材料は、射出シリンダ内のスクリュ回転、樹脂移
送、圧縮熱交換、或いはヒータ加熱により可塑化され溶
融樹脂としてスクリュ先端部或いは射出用加熱シリンダ
に貯留され、必要に応じて射出ノズル21,22から固
定型4のランナ43、可動型5のランナ58を通じてキ
ャビティに溶融PP樹脂PPm、溶融TPO樹脂TPO
mがそれぞれ供給される(図8〜図10参照)。
【0021】図6は、本実施の形態の型締め装置1の開
放状態を示す模式図である。図5に示す状態から、制御
装置(図示を省略)によりオイルポンプが作動され、型
締め用油圧シリンダ14の戻し方向に油圧がかかると、
型締めプランジャ15が型締め用油圧シリンダ14に引
き込まれて後方に変位する。型締めプランジャ15の変
位により、型締めプランジャ15の前端部に固定された
可動プラテン12が後方に移動し、ここに固定された可
動型5が後方に移動する。そのため、分割面50で固定
型4の分割面40に当接していた可動型5は、固定型4
から離れて金型3は開放状態になる。
【0022】次に、金型3について詳細に説明する。こ
こで、図7は、型開き時の金型3の中心部における前後
方向の垂直面に沿った断面を表す模式図であり、図8
は、図7の金型3を閉成状態にし、キャビティへの溶融
PP樹脂PPmの射出が完了した状態を示す模式図であ
り、図9は、図8に示す溶融PP樹脂PPmの射出後に
溶融TPO樹脂TPOmの射出を開始した状態を示す模
式図であり、図10は、図9に示す状態からさらに溶融
TPO樹脂TPOmを射出して、射出を完了した状態を
示す模式図であり、図11は、成形品取出し時の状態を
示す模式図である。なお、説明のため図7〜図11にお
いて金型3の形状が、やや誇張した図で示めされてお
り、また細部を省略している。
【0023】図7に示すように、金型3の固定型4は、
本実施の形態では、固定型4の本体41の背面側が凹形
に形成された雌型、いわゆるキャビティ型で、形成され
るインストルメントパネルIPの意匠面を形成するキャ
ビティ面42を備える。意匠面は、インストルメントパ
ネルIPのドライバーズシートやパッセンジャーシート
に乗車した人間から目に触れる面であり、キャビティ面
42により形成される面はインストルメントパネルIP
の外観を左右する。従って、この部分のデザインや、傷
や色調の差は商品価値に大きな影響を与える。固定型4
の内部には、溶融PP樹脂PPmの流入経路であるラン
ナ43が設けられる。また、射出ノズル21から溶融P
P樹脂PPmが注入される溶融樹脂注入口44が本体4
1の前面部の中央に設けられる。そして後述するゲート
53に溶融PP樹脂PPmを供給するゲート連絡口45
とがランナ43により連通されている。なお、固定型4
には、内部に冷却水の循環用水路である冷却水循環パイ
プ(図示を省略)が設けてあり、ここに冷却水を循環さ
せてキャビティ内の溶融PP樹脂PPmの熱をキャビテ
ィ面42から吸収している。
【0024】可動型5は、本体51の前面側が凸形に形
成され、固定型4の内部にこの凸形部分が入り込む雄型
であるいわゆるコア型で、コア面52を備える。コア面
52は、一般にボスやリブが形成されて車両等に取り付
けられる取り付け面を形成する面である。射出ノズル2
2から溶融TPO樹脂TPOmが注入される溶融樹脂注
入口60が可動型5の本体51の上端部に配設され、ま
た本体51の上部には、溶融樹脂注入口60と連通した
溶融TPO樹脂TPOmの流入経路であるランナ58が
設けられる。そして、このランナ58は、キャビティ内
に溶融TPO樹脂TPOmを射出するためにコア面52
に設けられたゲート56に連通されている。
【0025】ゲート56は溶融TPO樹脂TPOmを既
に射出された溶融PP樹脂PPm内に射出するようにラ
ンナ58より断面積を小さくし、溶融PP樹脂PPm内
の所望の位置に溶融TPO樹脂TPOmを射出するもの
である。なお、型開き時に容易にインストルメントパネ
ルIPをランナ58から切り離し、離型を容易にする役
割も有する。また、可動型5にも、内部に冷却水の循環
用水路である冷却水循環パイプ(図示を省略)が設けて
あり、ここに冷却水を循環させてキャビティ内の溶融P
P樹脂PPmの熱をコア面52から吸収している。
【0026】また可動型5は、本体51の後方側にプレ
ート55が積層され、可動プラテン12に装着され、ボ
ルト、ナット(図示を省略)等の固定手段により固定さ
れる。プレート55は、金属製の板状部材で、成形品突
出し機構を配置するために用いられるスペーサの役割を
果たし、ここに成形品突出し機構が配置される。成形品
突出し機構は、いわゆるエジェクタであり、成形が完了
したインストルメントパネルIPを、可動形5から離型
するための機構である。成形品突出し機構は、図5に示
す突出し用油圧シリンダ81、突出し用プランジャ8
2、突出しプレート83、ノックアウトロッド84と、
図7に示すエジェクタプレート85a,85b、エジェ
クタピン86とから構成される。
【0027】図5に示す型締めプランジャ15の内部は
空間が設けられており、その中に、突出し用油圧シリン
ダ81が設けられる。突出し用油圧シリンダ81には、
前方に突出した突出し用プランジャ82が備えられる。
突出し用油圧シリンダ81には、図示しない配管が施さ
れ、図示しない油圧ポンプに接続される。そして図示し
ない制御装置により油圧がかけられて突出し用プランジ
ャ82を前後に変位させる。突出し用プランジャ82の
前端には金属製の板状部材である突出しプレート83が
可動プラテン12に対面するように備えられる。突出し
プレートには複数、例えば4本のノックアウトロッド8
4が前方に向けて植設され、ノックアウトロッド84の
前端は可動プラテン12を貫通して可動型5の方に突出
される。
【0028】図7に示すように、プレート55の中空部
において可動プラテン12の前面に対面するようにエジ
ェクタプレート85a,85bが配置される。エジェク
タプレートは、前側に配置されたプレート85aと、後
側に配置されたプレート85bの2枚の金属板から構成
される。可動プラテン12を貫通している複数のノック
アウトロッド84の前端は、このエジェクタプレート8
5bを貫通して、キノコ状の頭部で固定される。また、
エジェクタプレート85aには、複数のエジェクタピン
86が貫通され、後端部のキノコ状の頭部でエジェクタ
プレート85aに固定され、先端部は前方に突出され
る。エジェクタプレート85a,85bはボルト、ナッ
ト等の固定手段(図示を省略)で固定され、ノックアウ
トロッド84及びエジェクタピン86は、いずれもエジ
ェクタプレート85a,85bに固定される。前方に植
設された複数のエジェクタピン86は、可動型5の本体
51を貫通して穿設された孔内に位置し、エジェクタピ
ン86の前端部は、成形品取出し時以外は、コア面52
と略同一面に配置される。また、成形品取出し時には、
突出し用油圧シリンダ81によりエジェクタピン86の
前端がコア面52より突出して、樹脂成形品Pを可動型
5のコア面52から離型させる。
【0029】以上のように構成された射出成形装置によ
る射出成形方法について説明する。図14は、本実施の
形態のインストルメントパネルIPの射出成形方法の工
程を示すタイムテーブルの1例である。本実施の形態の
インストルメントパネルIPの製造方法は、型締め、射
出、冷却、型開き、成形品取出しの各工程からなり、こ
の一連の工程を1サイクルとして繰り返し、インストル
メントパネルIPを連続して製造する。1サイクル時間
はおよそ90秒である。
【0030】まず、型締めの工程は、図6に示す状態か
ら、図示しない制御装置で図示しない油圧ポンプにより
型締め用油圧シリンダ14に油圧をかけ、可動プラテン
12を前方に変位させ、固定型4に対して可動型5を接
近させて分割面40,50を当接させ、図5に示す状態
にする。
【0031】射出の工程に移行する。ここで、図15
は、図14に示すタイムチャートの射出の工程を、詳細
に示した図である。射出ノズル21,22は、それぞれ
がバルブにより射出タイミングを個別に調整することが
可能に構成されており、図15に示すように、時間差を
もって制御される。
【0032】射出の工程では、まずスクリュインライン
射出成形機(図示を省略)から構成される射出ユニット
の射出ノズル21のバルブを開放し、溶融PP樹脂PP
mを固定型4の本体41の溶融樹脂注入口44にサイク
ル開始の15秒後から5秒間射出する。射出圧力は80
〜180MPaとする。ここでは、成形材料であるPP
樹脂の溶融温度が概ね160〜170℃であるので、十
分な流動性を持たせるため、およそ200℃に加熱して
注入される。溶融PP樹脂PPmは、ランナ43からゲ
ート53を通って、キャビティ内に射出される。その結
果、図8に示すようにインストルメントパネルIPを形
成する樹脂の必要量のおよそ80〜90%がキャビティ
内に充填される。
【0033】次に、射出ノズル21のバルブを射出から
5秒経過した時点で閉鎖し、射出ノズル22のバルブを
開放し、溶融TPO樹脂TPOmを溶融樹脂注入口60
から注入し、ランナ58を通って、ゲート56からキャ
ビティ内に射出する。この射出は、サイクル開始から2
0秒経過後より射出を開始し、5秒間射出して射出を停
止する。このときキャビティ内は、先に射出された溶融
PP樹脂PPmが80〜90%充填されているが、この
射出された溶融PP樹脂PPmは、キャビティ内のキャ
ビティ面42とコア面52に接触する。キャビティ内の
キャビティ面42とコア面52は、前述のように冷却水
によりその表面が冷却されており、射出された溶融PP
樹脂PPmは、この冷却されたキャビティ面42とコア
面52により接触した面が急速に固化される。しかしな
がらこの冷却されたキャビティ面42とコア面52から
離れた溶融PP樹脂PPmの内部は、温度の低下がなく
依然高い流動性を有している。そのため、図9に示すよ
うにゲート56からの溶融TPO樹脂TPOmは、先に
射出された溶融PP樹脂PPmの内部に射出される。
【0034】そして、既に冷却されたキャビティ面42
またはコア面52に接した部分以外の溶融PP樹脂PP
mを押し拡げながら溶融TPO樹脂TPOmがキャビテ
ィ内に射出される。このため、図8に示すキャビティの
上端部の溶融PP樹脂PPmが充填されていない部分
は、図9に示すように徐々に小さくなり、図10に示す
ように、溶融TPO樹脂TPOmに押し拡げられた溶融
PP樹脂PPmがキャビティの末端部まで充填する。
【0035】そして、図10に示すようにキャビティ内
が完全に充填されるとキャビティ内の内圧が高まり、そ
れ以上溶融TPO樹脂TPOmをキャビティ内に射出す
ることができなくなる。前述した射出終了の時間は、こ
のタイミングと一致するように制御される。以上で射出
の工程が完了する。
【0036】射出の工程が終了すると、冷却の工程に移
行する。冷却の工程は、図10に示す状態で、固定型4
の本体41と可動型5の本体51に配設された冷却水循
環パイプ(図示を省略)により冷却を続ける(図5参
照)。この冷却工程においておよそ30秒でインストル
メントパネルIPの平均温度はおよそ60〜70℃にな
り冷却の工程が完了する。
【0037】冷却の工程が完了すると型開きの工程に移
行する。型開きの工程では、図5に示す状態から型締め
装置1の型締め用油圧シリンダ14に戻し方向に油圧を
かけて型締めプランジャ15を引き込ませ図6に示す状
態に移行させ、図11に示すように可動型5を後方に変
位させて、固定型4から離間させ金型3を開放状態にす
る。なお、図11においては簡略のため、ランナ43,
58及びゲート53,56に滞留する樹脂の部分につい
てはその図示を省略した。このようにして型開きの工程
が終了したら引き続き、成形品取出しの工程に入る。成
形品取出しの工程では、開放された金型3から、冷却さ
れたインストルメントパネルIPを取り出す。この場
合、インストルメントパネルIPは、可動型5の面にボ
ス等を備えているため、可動型5に密着された状態で金
型3が開放されるが、コア面52に密着したインストル
メントパネルIPは、ボスの引き抜きの抵抗等により離
型しにくいため、図5に示す突出し用油圧シリンダ81
に油圧をかけ、突出し用プランジャ82を突出させて突
出しプレート83を前方に変位させる。突出しプレート
83が前方に変位すると、図11に示すように、ここに
植設されたノックアウトロッド84がエジェクタプレー
ト85a,85bを前方に変位させ、エジェクタピン8
6をコア面52より突出させインストルメントパネルI
Pを突き出す。以上の工程でインストルメントパネルI
Pの射出成形方法のおよそ90秒の1サイクル時間が終
了し次のサイクルを繰り返す。
【0038】本実施の形態のインストルメントパネルI
Pは、上記のように製造、構成されるので以下のような
効果がある。即ち、図1に示すように、パッセンジャー
シート用のエアバッグ装置AAを備えたPP樹脂等の硬
質樹脂製のインストルメントパネルIPにおいて、エア
バッグドアADを、PP樹脂等の硬質樹脂材料の内部
に、TPO樹脂等の軟質樹脂材料を流入させてインスト
ルメントパネルIPと一体に成形することで、意匠面に
異なる樹脂の継ぎ目や溝を設けず、且つ色調の統一感の
あるデザインとすることができるという効果がある。
【0039】以上、本発明の自動車用インストルメント
パネル及びその製造方法を1の実施の形態であるインス
トルメントパネルIP及びその製造方法により説明した
が、本発明は、上記実施の形態により限定されるもので
はない。
【0040】ここで、図12は、本実施の形態の金型3
の変形例103を示す図である。なお、本実施の形態と
同一または等価の部材には同一の符号を付することとす
る。溶融PP樹脂PPmをキャビティに射出するための
固定型4側の射出ノズルは、本実施の形態では説明の簡
略化のため射出ノズル21の1カ所であったが、実際の
インストルメントパネルIPを製造するためには、生産
効率及び品質を上げるため、周縁部や開口部等の端部に
設けられた5〜6カ所のゲートから溶融PP樹脂PPm
が射出される。この場合、多数の射出ノズルを用いても
よいが、1つの射出ノズルから枝分かれした複数のラン
ナとゲートを連通させ、ゲートを開閉自在のバルブゲー
トとして、それぞれのゲートを制御するようにしてもよ
い。
【0041】図13は、本実施の形態の金型3の変形例
である金型203を示す図である。本実施の形態の金型
3においては、射出ノズル22(図7参照)が、可動型
5の本体51の溶融樹脂注入口60に設けられていた
が、変形例の金型203においては、図13に示すよう
に、射出ノズル27を固定型4の本体41の溶融樹脂注
入口612に設け、ランナ592により溶融TPO樹脂
TPOmを可動型5の方に導き、可動型5の本体51に
金型203が閉鎖した時に連通するようなランナ593
を設ける。そしてランナ593を介して、コア面52に
設けられたゲート562から溶融TPO樹脂TPOmを
射出するような構成としてもよい。また、ゲートによる
マークが意匠面に残るが、そのマークの処理が可能であ
れば、固定型4のゲート533をキャビティ面42に設
け、射出ノズル26からランナ433を介しゲート56
2から射出するような構成をとってもよい。
【0042】この変形例の金型203のように構成する
ことで、射出ノズル26,27を固定型4側のみに設け
ればよいので、可動型5に射出ノズルを設ける必要がな
く射出成形装置の構成を簡易にすることができる。ま
た、溶融PP樹脂PPmのゲート533をキャビティ面
42に設けることで軟質樹脂層Ps(図3参照)が形成
される位置をさらにコントロールし易くなる。
【0043】さらに、例えば、金型203内に設けられ
るティアラインTLのための突起を利用して流動する溶
融樹脂の流れをコントロールするようにすればより正確
な位置及び厚さで所望の軟質樹脂層Psを形成できる。
また、本実施の形態では固定型4をキャビティ型(雌
型)、可動型5をコア型(雄型)としているが、固定型
4をコア型(雄型)、可動型5をキャビティ型(雌型)
としてもよいことはいうまでもない。
【0044】成形される樹脂成形品は、自動車用の板状
のインストルメントパネルIPに限らず、射出成形によ
り成形される種々の部材・部品を生産するものに適用で
きる。例えば、ドアパネル、ルーフパネルやフロントピ
ラー等にサイドエアバッグ装置を配設するような場合に
おいても適用できる。また、インストルメントパネルI
Pを構成する熱可塑性樹脂もPPに限らず、PUF、P
CV、EVA、ABS、HDPE等広く使用することが
できる。また、エアバッグドアADを構成する樹脂も、
TPOに限らず、各種TPE、例えばSBC、TPV
C、TPU、TPEE、TPAE等広く使用することが
できる。そして、射出成形方法における各工程も、これ
に限定されるものではなく、他の工程を付加してもよい
ことはいうまでもなく、冷却時間や加圧時間等は、樹脂
の材料、形状、加熱、冷却の条件等により種々選択する
ことができる。
【0045】その他、特許請求の範囲を逸脱しない範囲
で当業者が種々変形し改良して本発明を実施できること
はいうまでもない。
【0046】
【発明の効果】上記説明から明らかなように、請求項1
に係る発明の自動車用インストルメントパネルによれ
ば、意匠面に異なる樹脂の継ぎ目や溝を設けず、且つ色
調の統一感があるデザインのインストルメントパネルと
することができるという効果がある。
【0047】請求項2に係る発明の自動車用インストル
メントパネルの製造方法では、例えばパッセンジャーシ
ート用エアバッグ装置を備えたインストルメントパネル
において、複数の樹脂の射出ノズルを備えた射出成形機
により、第1の樹脂材料をキャビティ内に射出後、先に
射出された第1の樹脂材料においてエアバッグドアを設
けたい部分の内部に第1の樹脂材料より軟質な第2の樹
脂材料を射出することで、軟質な樹脂材料によるエアバ
ッグドアを設けることができるという効果がある。その
ため、意匠面に異なる樹脂の継ぎ目や溝を設けず、且つ
色調の統一感があるデザインのインストルメントパネル
を製造することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態のインストルメントパネルIPの
車両後方側から意匠面を見た図である。
【図2】図1に示すインストルメントパネルIPのエア
バッグドアの近傍を示す図である。
【図3】図1のB−B部分におけるインストルメントパ
ネルIP及びエアバッグ装置AAの模式的な断面図であ
る。
【図4】図3の状態からエアバッグ装置AAが作動した
時のインストルメントパネルIPの状態を示す図であ
る。
【図5】本実施の形態の型締め装置1の閉鎖状態を示す
模式図である。
【図6】本実施の形態の型締め装置1の開放状態を示す
模式図である。
【図7】型開き時の金型3の中心部における前後方向の
垂直面に沿った断面を表す模式図である。
【図8】図7の金型3を閉成状態にし、キャビティへの
溶融PP樹脂PPmの射出が完了した状態を示す模式図
である。
【図9】図8に示す溶融PP樹脂PPmの射出後に溶融
TPO樹脂TPOmの射出を開始した状態を示す模式図
である。
【図10】図9に示す状態からさらに溶融TPO樹脂T
POmを射出して、射出を完了した状態を示す模式図で
ある。
【図11】成形品取出し時の状態を示す模式図である。
【図12】本実施の形態の金型3の変形例103を示す
図である。
【図13】本実施の形態の金型3の変形例203を示す
図である。
【図14】本実施の形態のインストルメントパネルIP
の射出成形方法の工程を示すタイムテーブルの1例であ
る。
【図15】図14に示すタイムチャートの射出の工程
を、詳細に示した図である。
【図16】従来の射出成形用金型の一例を示す図面であ
る。
【図17】図19のA−A部分におけるインストルメン
トパネルIPp及びエアバッグ装置AAの模式的な断面
図である。
【図18】図19に示すインストルメントパネルIPp
のエアバッグドアADpの近傍を示す図である。
【図19】従来のインストルメントパネルIPpを示す
図である。
【符号の説明】
IP…インストルメントパネル、IPb…インストルメ
ントパネルの本体、Ph…硬質樹脂層、Ps…軟質樹脂
層、PPm…溶融PP樹脂、TPOm…溶融TPO樹
脂、Dr…溝、AA…エアバッグ装置、AB…エアバッ
グ袋体、AC…エアバッグケース、AD…エアバッグド
ア、TL…ティアライン、1…型締め装置、21,22
…射出ノズル、3…金型、4…固定型(キャビティ
型)、41,51…本体、42…キャビティ面、43,
58…ランナ、44,60…溶融樹脂注入口、45…ゲ
ート連絡口、5…可動型(コア型)、52…コア面、5
3,56…ゲート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29L 31:58 B29L 31:58 (72)発明者 三浦 昭一 愛知県刈谷市一里山町金山100番地トヨタ 車体株式会社内 Fターム(参考) 3D044 BA00 BA07 BA11 BA14 BB01 BD04 3D054 AA03 AA07 AA14 BB08 FF17 4F206 AA11 AG03 AH25 JA07 JB22 JL02 JM04 JN12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エアバッグドアを有する自動車用インス
    トルメントパネルにおいて、 第1の樹脂材料から全体が構成されるとともに、 前記エアバッグドア部が前記第1の樹脂材料の内部に、
    前記第1の樹脂材料より軟質な第2の樹脂材料を流入さ
    せて、第1の樹脂材料と該第1の樹脂材料によって被覆
    された第2の樹脂材料とにより一体に形成されたことを
    特徴とする自動車用インストルメントパネル。
  2. 【請求項2】 複数の樹脂の射出ノズルを備えた射出成
    形機により、第1の樹脂材料をキャビティ内に射出する
    第一の工程と、 前記第1の樹脂材料より軟質な第2の樹脂材料を、前記
    第一の工程において射出された前記第1の樹脂材料のエ
    アバッグドアの部分の内部に射出する第二の工程とを含
    むことを特徴とする自動車用インストルメントパネルの
    製造方法。
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