JP2001289356A - 固定具 - Google Patents

固定具

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JP2001289356A
JP2001289356A JP2000100928A JP2000100928A JP2001289356A JP 2001289356 A JP2001289356 A JP 2001289356A JP 2000100928 A JP2000100928 A JP 2000100928A JP 2000100928 A JP2000100928 A JP 2000100928A JP 2001289356 A JP2001289356 A JP 2001289356A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 目的物と取付対象物との間の距離を簡易な操
作で意図したときだけ変化させることができる固定具を
提供すること。 【解決手段】 固定具1は、目的物を把持する保持部1
1を備える把持部材10と、取付対象物に固定される固
定部31を備える固定部材30とからなる。把持部材1
0には、上下方向に延設された第1係合部材21と第2
係合部材25とが設けられ、これらの下端には第1係合
片22と第2係合片26とが夫々設けられている。ま
た、固定部材30には、第1係合片22に係合された第
1鋸歯状凹凸部51と第2係合片26に係合された第2
鋸歯状凹凸部55とが設けられている。第1係合片22
は、把持部材10の固定部材30に対する上方への移動
の際だけ第1鋸歯状凹凸部51上を移動でき、第2係合
片26は、把持部材10の固定部材30に対する下方へ
の移動の際だけ第2鋸歯状凹凸部55上を移動できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シャーシやパネル
等の取付対象物に電線の束やプリント基板等の目的物を
固定するための固定具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、シャーシやパネル等に、配線
後の電線の束を整理して保持させたり、プリント基板を
固定したりするための固定具が広く用いられている。こ
のような固定具には、電線の束やプリント基板等(以
下、「目的物」ともいう)を把持する保持部を上端に有
する第1部材と、シャーシやパネル等(以下、「取付対
象物」ともいう)に固定される固定部を下端に有する第
2部材とを備え、保持部に保持された目的物と固定部が
固定された取付対象物との間の距離を変化させることが
できるものもある。
【0003】この固定具では、例えば、上下方向に凹凸
が連続する鋸歯状凹凸部が第1部材に設けられ、この鋸
歯状凹凸部に係合する係合片を先端に有する弾性変形可
能な係合部材が第2部材に設けられている。そして、こ
の固定具では、鋸歯状凹凸部に係合片が係合された状態
にすれば、目的物と取付対象物との間の距離を一定に保
った状態で、目的物を取付対象物に固定することができ
る。また、第2部材を第1部材に近づく方向に押し込ん
だり第1部材から離れる方向に引き出したりするだけ
で、目的物と取付対象物との間の距離を調整することが
できる。
【0004】つまり、この固定具においては、目的物が
取付対象物に対して保持された状態(例えば、下方に位
置する取付対象物に対して上方に位置する目的物の重量
を保持させた状態)では、鋸歯状凹凸部に対する係合片
の係合状態が解除されないが、作業者の手等で所定の大
きさ以上の力を掛けて第2部材を上下動させれば、係合
部材の弾性変形を伴って鋸歯状凹凸部上で係合片を上方
又は下方に容易に移動させることができる。そして、所
望の位置で鋸歯状凹凸部に係合片を係合させることによ
り、目的物と取付対象物との間の距離を所望の距離に調
整できるのである。
【0005】そして、このような固定具を用いれば、目
的物の交換時等に目的物と取付対象物との間の距離を変
化させる必要性が生じた場合においても、目的物と取付
対象物との間の距離を一通りにしか設定できない固定具
の場合と異なり、固定具を他のものに変更する必要がな
くなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の固定具においては、第1部材または第2部材に対し
て所定の大きさ以上の力が上下方向に沿って加えられる
だけで、第2部材が第1部材に対して簡単に上下動して
しまうため、使い勝手が悪いという問題があった。
【0007】つまり、上記従来の固定具においては、第
2部材の第1部材に対する上下方向の位置を本当に変化
させたくなった場合のみならず、第1部材または第2部
材に意図せず上下方向の力が加わった場合においても第
2部材が第1部材に対して簡単に上下動してしまうた
め、目的物と取付対象物との間の距離が意図せず短くな
りすぎたり、長くなりすぎたりする場合があったのであ
る。
【0008】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、その目的は、目的物と取付対象物との
間の距離を簡易な操作で意図したときだけ変化させるこ
とができる固定具を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】かかる目
的を達成するためになされた本発明の請求項1に記載の
固定具は、固定すべき目的物を保持する保持部と取付対
象物に係合固定される固定部とのうちの一方と上下方向
に沿って延設された嵌合片とを備える第1部材と、前記
保持部と前記固定部とのうち前記第1部材に設けられて
いない他方と上下方向に沿って前記嵌合片を嵌合可能に
形成された嵌合溝とを備える第2部材と、からなり、前
記嵌合溝に対する前記嵌合片の嵌合深さを変化させるこ
とによって前記取付対象物と前記目的物との間の距離を
調整できる固定具であって、前記第1部材と前記第2部
材とのうちのいずれか一方に、上下方向に凹凸が連続す
る第1鋸歯状凹凸部を設け、該第1鋸歯状凹凸部を設け
ない他方に、該第1鋸歯状凹凸部に対して係合状態と係
合解除状態との双方を採り得る第1係合片を先端に有す
る弾性変形可能な第1係合部材を設け、前記第1部材と
前記第2部材とのうちのいずれか一方に、上下方向に凹
凸が連続する第2鋸歯状凹凸部を設け、該第2鋸歯状凹
凸部を設けない他方に、該第2鋸歯状凹凸部に対して係
合状態と係合解除状態との双方を採り得る第2係合片を
先端に有する弾性変形可能な第2係合部材を設け、前記
第1鋸歯状凹凸部及び前記第1係合部材は、前記第2係
合片の前記第2鋸歯状凹凸部に対する係合状態を解除し
た後における前記第2部材の前記第1部材に対する上方
への移動の際に、前記第1係合片が前記第1鋸歯状凹凸
部上を前記第1係合部材の弾性変形を伴って移動するこ
とができ、前記第2部材の前記第1部材に対する下方へ
の移動の際に、前記第1係合片が前記第1鋸歯状凹凸部
によって係止されるよう構成され、前記第2鋸歯状凹凸
部及び前記第2係合部材は、前記第2部材の前記第1部
材に対する上方への移動の際に、前記第2係合片が前記
第2鋸歯状凹凸部によって係止され、前記第1係合片の
前記第1鋸歯状凹凸部に対する係合状態を解除した後に
おける前記第2部材の前記第1部材に対する下方への移
動の際に、前記第2係合片が前記第2鋸歯状凹凸部上を
前記第2係合部材の弾性変形を伴って移動することがで
きるよう構成されたことを特徴とする。
【0010】このように構成された本発明の固定具によ
れば、第1鋸歯状凹凸部及び第2鋸歯状凹凸部に第1係
合片及び第2係合片を夫々係合させた状態で、保持部に
目的物を保持させ、固定部を取付対象物に固定すれば、
目的物と取付対象物との間の距離を一定に保った状態
で、目的物を取付対象物に固定することができる。
【0011】そして、本発明の固定具では、第2部材を
第1部材に対して下方に移動させようとすると、第1係
合片が第1鋸歯状凹凸部によって係止され、第2部材を
第1部材に対して上方に移動させようとすると、第2係
合片が第2鋸歯状凹凸部によって係止されるので、第1
部材または第2部材に意図せず上下方向の力が加わって
も第2部材が第1部材に対して上下動してしまうことが
ない。
【0012】また、第1係合部材及び第2係合部材は共
に弾性変形可能に構成されているので、第1係合部材を
作業者の手等で弾性変形させて第1係合片が第1鋸歯状
凹凸部に係合されていない状態(係合解除状態)にすれ
ば、第2部材を第1部材に対して下方に移動させること
が可能となり、第2係合部材を作業者の手等で弾性変形
させて第2係合片が第2鋸歯状凹凸部に係合されていな
い状態(係合解除状態)にすれば、第2部材を第1部材
に対して上方に移動させることが可能となる。
【0013】つまり、第1鋸歯状凹凸部に対する第1係
合片の係合状態を解除すれば、第2係合片が第2鋸歯状
凹凸部に係合されたままの状態であるものの、第2部材
の第1部材に対する下方への移動の際には、第2係合片
が第2鋸歯状凹凸部上を第2係合部材の弾性変形を伴っ
て移動することができるので、第2部材を第1部材に対
して下方に移動させることが可能となる。また、第2鋸
歯状凹凸部に対する第2係合片の係合状態を解除すれ
ば、第1係合片が第1鋸歯状凹凸部に係合されたままの
状態であるものの、第2部材の第1部材に対する上方へ
の移動の際には、第1係合片が第1鋸歯状凹凸部上を第
1係合部材の弾性変形を伴って移動することができるの
で、第2部材を第1部材に対して上方に移動させること
が可能となる。
【0014】そして、この場合、係合状態が解除された
第1係合片または第2係合片を所望の位置で再び第1鋸
歯状凹凸部または第2鋸歯状凹凸部に係合させれば、目
的物と取付対象物との間の距離を当該係合位置に対応す
る距離に変化させた状態で設定することができる。
【0015】即ち、本発明の固定具によれば、第1鋸歯
状凹凸部に対する第1係合片の係合状態の解除、また
は、第2鋸歯状凹凸部に対する第2係合片の係合状態の
解除という簡易な操作を意図して行った場合にのみ第2
部材を第1部材に対して下方または上方に移動させるこ
とができ、目的物と取付対象物との間の距離を変化させ
ることができるのである。
【0016】そして、このような固定具を用いれば、目
的物の交換時等に目的物と取付対象物との間の距離を変
化させる必要性が生じた場合においても、固定具を他の
ものに変更する必要がなくなる。次に、請求項2に記載
の固定具は、前記第1鋸歯状凹凸部及び前記第2鋸歯状
凹凸部が、前記第1部材と前記第2部材とのうちの一方
における一側面に左右に並んで設けられ、前記第1係合
片及び前記第2係合片が、前記第1鋸歯状凹凸部及び前
記第2鋸歯状凹凸部に対応する箇所に左右に並んで設け
られたことを特徴とする。
【0017】請求項2に記載の固定具によれば、第1鋸
歯状凹凸部と第2鋸歯状凹凸部とに対応して、第1係合
片と第2係合片とが左右に並んで設けられているので、
目的物と取付対象物との間の距離を変化させる際の操作
を行い易い。つまり、目的物と取付対象物との間の距離
を変化させる際には、第2部材を第1部材に対して上方
に移動させる操作と下方に移動させる操作との両方を自
由に組合せて行えることが好ましいが、請求項2に記載
の固定具では、第1係合片と第2係合片とが左右に並ん
で設けられているので、作業者等が、第1鋸歯状凹凸部
に対する第1係合片の係合状態の解除、及び、第2鋸歯
状凹凸部に対する第2係合片の係合状態の解除を片手で
自由に行うことができ、第2部材を第1部材に対して容
易に上下動させることができるのである。
【0018】尚、この場合の第1係合部材及び第2係合
部材の態様については、第1部材と第2部材とのうち第
1鋸歯状凹凸部及び第2鋸歯状凹凸部が設けられていな
い他方に設けられたものであれば、特に具体的限定はな
いが、請求項3に記載の態様であっても良い。
【0019】即ち、請求項3に記載の固定具は、前記第
1係合部材及び前記第2係合部材は同一方向に延設され
たものであり、一端から他端に至るまで相互に一体に結
合されたものであることを特徴とする。請求項3に記載
のように構成すれば、第1係合部材と第2係合部材とを
別体で設ける場合に比べ、第1係合部材と第2係合部材
とが一体に構成された分だけ、長期間使用しても当該第
1係合部材と第2係合部材とが折れるようなことが起こ
り難くなる。
【0020】次に、請求項4に記載の固定具は、前記第
1係合部材における前記第1係合片近傍の箇所及び前記
第2係合部材における前記第2係合片近傍の箇所の夫々
に操作用突起片を設けたことを特徴とする。
【0021】このようにすれば、第2部材を第1部材に
対して上下動させる際に、第1鋸歯状凹凸部に対する第
1係合片の係合状態の解除、及び、第2鋸歯状凹凸部に
対する第2係合片の係合状態の解除を操作用突起片を摘
みながら容易に行えるようになるので、作業者等が目的
物と取付対象物との間の距離を変化させる際の作業効率
を向上させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例を図面と
共に説明する。図1(a)は、本発明の一実施例として
の固定具1の全体的構成を示す斜視図である。図1
(a)に示す如く、本実施例の固定具1は、電線束(目
的物)を把持可能な保持部11を上端に備える把持部材
10と、板材(取付対象物)に固定される固定部31を
下端に備える固定部材30と、からなり、電線束を板材
に固定できるよう構成されている。把持部材10及び固
定部材30は、夫々、弾性変形可能な合成樹脂により一
体成形されている。
【0023】まず、図1〜図4を用いて、固定具1の構
成について説明する。ここで、図2(a)は、把持部材
10の形状を示す斜視図であり、図2(b)は図2
(a)の把持部材10をA−A切断面で切断した状態を
示す図である。また、図3(a)は、把持部材10にお
ける第1係合部材21及び第2係合部材25(後述)の
下端近傍部分の形状を示す斜視図であり、図3(b)は
その底面図であり、図3(c)はその側面図である。ま
た、図4(a)は、固定部材30の形状を示す斜視図で
あり、図4(b)は固定部材30における柱状部41
(後述)の形状を示す側面図であり、図4(c)は固定
部材30の平面図である。
【0024】把持部材10における保持部11は、前後
方向(図中に示すY方向)に長手軸を有する基部11a
と、基部11aの前後両端から上方に延出され、且つそ
の上端で鋭角的に屈曲して互いに接近する方向に延出さ
れた形状を有する一対の配線保持片11b,11cと、
からなり、2つの配線保持片11b,11c間の隙間
は、保持すべき配線或いは配線束の径より小さくされて
いる。
【0025】基部11aの下端の中央付近には、下方に
延出された形状を有する筒状部15が設けられており、
当該筒状部15の下端近傍にはガイド部18が設けられ
ている。筒状部15を下から見た形状は四角形であり、
当該筒状部15の内部には、外周面に沿った内周面を有
する中空部16が設けられている(図2(b)参照)。
筒状部15の前面15aには、当該筒状部15の下端か
ら上端近傍まで延びる切欠17が設けられており、切欠
17と中空部16とは連通した状態になっている。
【0026】尚、中空部16は筒状部15の下端に開口
端を有しており、後述の如く、この開口端から中空部1
6に固定部材30の後側支柱43が嵌合されるよう構成
されている。ガイド部18は、筒状部15の前面15a
における下端近傍に、前面15aを覆うように設けられ
ている。ガイド部18は、前面15aの左右両端(図中
に示すX方向上の両端)から前方(図中に示すY方向)
に延出された一対の側壁18a,18bと、側壁18
a,18bの前端間を連結する前板18cと、からな
る。前面15aと、側壁18a,18bと、前板18c
とで囲まれた領域は上下両端が開口した貫通穴19とな
っており、後述の如く、この貫通穴19には、第1鋸歯
状凹凸部51と第2鋸歯状凹凸部55とを含んだ、固定
部材30における前側支柱42が嵌挿されるよう構成さ
れている。
【0027】前面15aの前方には、当該前面15aと
所定の間隔を置いて、第1係合部材21と第2係合部材
25とが左右に並んで配置されている。第1係合部材2
1及び第2係合部材25は、共に上下方向に延設された
棒材であり、略同じ長さを有している。第1係合部材2
1及び第2係合部材25夫々の下端はガイド部18より
若干上方の箇所に配置され、夫々の上端は基部11aの
下端に連結されている。また、第1係合部材21の上端
近傍部分と第2係合部材25の上端近傍部分とは相互に
一体に結合されているが、第1係合部材21の下端近傍
部分と第2係合部材25の下端近傍部分とは所定の間隔
を置いて配置されている。
【0028】第1係合部材21の下端(先端)における
前面15a側の箇所には前面15a側(後方)に突出す
る第1係合片22が設けられ、第2係合部材25の下端
(先端)における前面15a側の箇所には前面15a側
(後方)に突出する第2係合片26が設けられている。
尚、本実施例では、第1係合部材21の上下方向の長さ
と第2係合部材25の上下方向の長さとが略同じなの
で、第1係合片22と第2係合片26とが左右に並んだ
状態となっている。
【0029】第1係合片22は、固定部材30における
第1鋸歯状凹凸部51(後述)に係合可能に構成された
ものであり、前面15a側の突端22aを挟んで上側に
上面22b、下側に下面22cを有している。一方、第
2係合片26は、固定部材30における第2鋸歯状凹凸
部55(後述)に係合可能に構成されたものであり、前
面15a側の突端26aを挟んで上側に上面26b、下
側に下面26cを有している。
【0030】図3(c)に示すように、第1係合片22
における上面22bは、当該上面22bの法線で第1係
合片22から離れる方向のものAと上方向Pとの間の角
度が鋭角α(0゜<α<90゜)となるよう構成された
面であり、第1係合片22における下面22cは、当該
下面22cの法線で第1係合片22から離れる方向のも
のBと上方向Pとの間の角度が略180゜となるよう構
成された面である。
【0031】一方、第2係合片26における上面26b
は、当該上面26bの法線で第2係合片26から離れる
方向のものCと上方向Pとの間の角度が略0゜となるよ
う構成された面であり、第2係合片26における下面2
6cは、当該下面26cの法線で第2係合片26から離
れる方向のものDと上方向Pとの間の角度が鈍角β(9
0゜<β<180゜)となるよう構成された面である。
【0032】また、第1係合片22における突端22a
及び第2係合片26における突端26aは、共に左右方
向に延びる線状端部であり(図3(b)参照)、夫々に
は面取りが施されている。第1係合部材21の下端にお
ける前面15aと反対側(前側)の箇所には前方に突出
する第1操作用突起片24が設けられ、第2係合部材2
5の下端における前面15aと反対側(前側)の箇所に
は前方に突出する第2操作用突起片28が設けられてい
る。第1操作用突起片24は、第1係合部材21から前
方に延出された第1前方延出片24aと、第1前方延出
片24aの終端から上方に延出された第1上方延出片2
4bと、からなる。第2操作用突起片28は、第1操作
用突起片24と同様の形状を有している。即ち、第2操
作用突起片28は、第1前方延出片24aに相当する第
2前方延出片28aと、第1上方延出片24bに相当す
る第2上方延出片28bと、からなる。
【0033】一方、固定部材30における固定部31
は、板材に穿設された取付穴61と係合穴63と(図1
(b)参照)に一部を係合させることにより板材に固定
されるよう構成されている。ここで、取付穴61は、板
材を貫通する円形穴61aと、円形穴61aに連通する
よう円形穴61aの周囲に180゜間隔で形成された一
対の矩形穴61bと、からなる。また、係合穴63は、
円形穴61aより径が小さい透孔であり、一方の矩形穴
61bに対し円形穴61aと反対側となる箇所に形成さ
れている。
【0034】固定部31は、円形穴61aに回動可能に
挿入される脚片32と、脚片32の下端の左右両端に突
設された一対の係止突片33と、脚片32の上端に設け
られた板状の基底部34と、基底部34の前後両端に突
設された一対の押圧翼部35と、からなり、一方の押圧
翼部35における基底部34と反対側の端部の下側には
係合穴63に対応した突起36が設けられている。
【0035】基底部34の上面には、上方に延出された
形状を有する柱状部41が設けられている。柱状部41
は、基底部34上の前方側に配置された前側支柱42
と、前側支柱42の後方に配置された後側支柱43と、
前側支柱42と後側支柱43とを連結する連結柱44
と、からなる。前側支柱42と、後側支柱43と、連結
柱44とにおける夫々の上下方向の長さは同じである。
【0036】後側支柱43を上から見た形状は、把持部
材10の中空部16に対応した四角形となっており、後
側支柱43の中空部16に対する嵌合が可能となるよう
構成されている。また、連結柱44は、後側支柱43を
中空部16に嵌合する際に切欠17に嵌合されるもので
ある。従って、連結柱44の左右方向の板厚は、後側支
柱43の左右方向の板厚よりも小さくなっており、切欠
17の幅に対応したものとなっている。一方、前側支柱
42の前面(後側支柱43と反対側の面)には、第1鋸
歯状凹凸部51と第2鋸歯状凹凸部55とが左右に並ん
で設けられており、第1鋸歯状凹凸部51と第2鋸歯状
凹凸部55とを含んだ前側支柱42は、後側支柱43を
中空部16に嵌合する際にガイド部18の貫通穴19に
嵌挿されるよう構成されている。
【0037】第1鋸歯状凹凸部51と第2鋸歯状凹凸部
55とは、共に上下方向に凹凸が連続する部分(本実施
例では、上下方向に複数の凸片が連設されてなる部分)
である点で共通する。しかし、夫々の凹凸部を構成する
凸片の形状は下記の如く異なる。
【0038】第1鋸歯状凹凸部51を構成する個々の凸
片52と、第2鋸歯状凹凸部55を構成する個々の凸片
56とは、共に前側支柱42の前面から前方に突出する
ように設けられた凸片である。そして、第1鋸歯状凹凸
部51側の凸片52は、前方側の突端52aを挟んで上
側に上面52b、下側に下面52cを有しており、第2
鋸歯状凹凸部55側の凸片56は、前方側の突端56a
を挟んで上側に上面56b、下側に下面56cを有して
いる。
【0039】第1鋸歯状凹凸部51側の凸片52は、上
下に連続する2つの凸片52間に第1係合片22を係合
させ得るよう構成されたものであり、第2鋸歯状凹凸部
55側の凸片56は、上下に連続する2つの凸片56間
に第2係合片26を係合させ得るよう構成されたもので
ある。
【0040】つまり、図4(b)に示すように、第1鋸
歯状凹凸部51側の凸片52における上面52bは、当
該上面52bの法線で凸片52から離れる方向のものE
と上方向Pとの間の角度が略0゜となるよう構成された
面であり、第1係合片22が係合された際には第1係合
片22における下面22cと当接するよう構成されてい
る。また、第1鋸歯状凹凸部51側の凸片52における
下面52cは、当該下面52cの法線で凸片52から離
れる方向のものFと上方向Pとの間の角度が鈍角γ(9
0゜<γ<180゜)となるよう構成された面であり、
第1係合片22が係合された際には第1係合片22にお
ける上面22bと当接するよう構成されている。
【0041】一方、第2鋸歯状凹凸部55側の凸片56
における上面56bは、当該上面56bの法線で凸片5
6から離れる方向のものGと上方向Pとの間の角度が鋭
角ε(0゜<ε<90゜)となるよう構成された面であ
り、第2係合片26が係合された際には第2係合片26
における下面26cと当接するよう構成されている。ま
た、第2鋸歯状凹凸部55側の凸片56における下面5
6cは、当該下面56cの法線で凸片56から離れる方
向のものHと上方向Pとの間の角度が略180゜となる
よう構成された面であり、第2係合片26が係合された
際には第2係合片26における上面26bと当接するよ
う構成されている。
【0042】また、第1鋸歯状凹凸部51側の凸片52
における突端52a、及び第2鋸歯状凹凸部55側の凸
片56における突端56aは、共に左右方向に延びる線
状端部であり、夫々には、面取りが施されている。そし
て、把持部材10と固定部材30とは、例えば、下記の
手順にて一体に嵌合固定される。
【0043】まず、第1操作用突起片24と第2操作用
突起片28とを作業者の手等で摘んで前方(図1中Y方
向)に引き出し、第1係合部材21と第2係合部材25
とを弾性変形させることにより、第1係合片22と第2
係合片26とが前面15aから十分に離れた状態にす
る。
【0044】次に、後側支柱43を所望の嵌合深さとな
る長さだけ中空部16に嵌合して、連結柱44が切欠1
7に嵌合され、第1鋸歯状凹凸部51と第2鋸歯状凹凸
部55とを含んだ前側支柱42が貫通穴19に嵌挿され
た状態にする。次に、第1係合部材21と第2係合部材
25とを弾性変形していない元の状態に戻して、第1鋸
歯状凹凸部51に第1係合片22を係合させ、第2鋸歯
状凹凸部55に第2係合片26を係合させれば、把持部
材10と固定部材30との嵌合固定は完了である。
【0045】そして、このように把持部材10と固定部
材30とが嵌合固定された状態で、保持部11に電線束
を保持させ、固定部31を板材に固定すれば、電線束と
板材との間の距離を一定に保った状態で、電線束を板材
に固定することができる。尚、保持部11に電線束を保
持させる際には、電線束を一対の配線保持片11b,1
1c間に嵌通させるだけで良い。
【0046】また、固定部31の板材に対する固定は、
例えば、下記の手順にて行うことができる。まず、矩形
穴61bに係止突片33を挿通させて、円形穴61aに
脚片32を挿入可能な状態にする。つまり、係止突片3
3を上方または下方から見た形状は、矩形穴61bに対
応した略矩形の形状となっているので(図4(c)参
照)、係止突片33を矩形穴61bに挿通させれば、脚
片32を円形穴61aに挿入することが可能な状態とな
る。
【0047】次に、脚片32を円形穴61aに所定量以
上挿入することにより、押圧翼部35を板材の表面に当
接させて弾性変形させ、係止突片33が板材の裏面側に
配設された状態にする。次に、脚片32を円形穴61a
内で回動させ、係止突片33が押圧翼部35から加わる
弾性力によって板材の裏面に圧接された状態にした上、
突起36を係合穴63に係合させれば、固定部31の板
材に対する固定は完了である。つまり、係止突片33と
押圧翼部35とで板材が挟持された状態にし、突起36
と係合穴63との係合により脚片32の円形穴61a内
での回動が防止された状態にすることにより、固定部3
1は板材に対し動かないよう固定されるのである。
【0048】そして、このように構成された本実施例の
固定具1では、把持部材10を固定部材30に対して下
方に移動させようとすると、第1係合片22が第1鋸歯
状凹凸部51によって係止され、把持部材10を固定部
材30に対して上方に移動させようとすると、第2係合
片26が第2鋸歯状凹凸部55によって係止されるの
で、把持部材10または固定部材30に意図せず上下方
向の力が加わっても把持部材10が固定部材30に対し
て上下動してしまうことがない。
【0049】つまり、第1係合片22における下面22
cの法線Bと上方向Pとの間の角度が略180゜であ
り、第1鋸歯状凹凸部51側の凸片52における上面5
2bの法線Eと上方向Pとの間の角度が略0゜であるた
め、把持部材10を固定部材30に対して下方に移動さ
せる力が加わっても、下面22cと上面52bとの当接
によって把持部材10が固定部材30に対して下方に動
くことが防止される。
【0050】また、第2係合片26における上面26b
の法線Cと上方向Pとの間の角度が略0゜であり、第2
鋸歯状凹凸部55側の凸片56における下面56cの法
線Hと上方向Pとの間の角度が略180゜であるため、
把持部材10を固定部材30に対して上方に移動させる
力が加わっても、上面26bと下面56cとの当接によ
って把持部材10が固定部材30に対して上方に動くこ
とが防止される。
【0051】また、一方、本実施例では、第1係合部材
21と第2係合部材25とが共に弾性変形可能に構成さ
れているので、第1操作用突起片24を摘んで前方に引
き出し、第1係合片22が第1鋸歯状凹凸部51に係合
されていない状態にすれば、把持部材10を固定部材3
0に対して下方に移動させることが可能となる。また、
逆に、第2操作用突起片28を摘んで前方に引き出し、
第2係合片26が第2鋸歯状凹凸部55に係合されてい
ない状態にすれば、把持部材10を固定部材30に対し
て上方に移動させることが可能となる。
【0052】つまり、第1鋸歯状凹凸部51に対する第
1係合片22の係合状態を解除すれば、第2係合片26
が第2鋸歯状凹凸部55に係合されたままの状態である
ものの、第2係合片26における下面26cの法線Dと
上方向Pとの間の角度が鈍角βであり、第2鋸歯状凹凸
部55側の凸片56における上面56bの法線Gと上方
向Pとの間の角度が鋭角εであるため、把持部材10の
固定部材30に対する下方への移動の際には、第2係合
片26が第2鋸歯状凹凸部55上を第2係合部材25の
弾性変形を伴って移動することができ、把持部材10を
固定部材30に対して下方に移動させることが可能とな
る。
【0053】また、第2鋸歯状凹凸部55に対する第2
係合片26の係合状態を解除すれば、第1係合片22が
第1鋸歯状凹凸部51に係合されたままの状態であるも
のの、第1係合片22における上面22bの法線Aと上
方向Pとの間の角度が鋭角αであり、第1鋸歯状凹凸部
51側の凸片52における下面52cの法線Fと上方向
Pとの間の角度が鈍角γであるため、把持部材10の固
定部材30に対する上方への移動の際には、第1係合片
22が第1鋸歯状凹凸部51上を第1係合部材21の弾
性変形を伴って移動することができ、把持部材10を固
定部材30に対して上方に移動させることが可能とな
る。
【0054】そして、この場合、係合状態が解除された
第1係合片22または第2係合片26を所望の位置で再
び第1鋸歯状凹凸部51または第2鋸歯状凹凸部55に
係合させれば、電線束と板材との間の距離を当該係合位
置に対応する距離に変化させた状態で設定することがで
きる。
【0055】即ち、本実施例の固定具1によれば、第1
鋸歯状凹凸部51に対する第1係合片22の係合状態の
解除、または、第2鋸歯状凹凸部55に対する第2係合
片26の係合状態の解除という簡易な操作を意図して行
った場合にのみ把持部材10を固定部材30に対して下
方または上方に移動させることができ、電線束と板材と
の間の距離を変化させることができるのである。
【0056】尚、本実施例では、上述の如く、第1係合
部材21の下端近傍部分と第2係合部材25の下端近傍
部分とが間隔を置いて配置されているので、第1鋸歯状
凹凸部51に対する第1係合片22の係合状態の解除
と、第2鋸歯状凹凸部55に対する第2係合片26の係
合状態の解除とのうち一方だけを確実に行うことができ
る。
【0057】そして、本実施例の固定具1を用いれば、
電線束と板材との間の距離を変化させる必要性が生じた
場合においても、固定具1を他のものに変更する必要が
なくなる。また、本実施例では、第1鋸歯状凹凸部51
と第2鋸歯状凹凸部55とが、前側支柱42の前面に左
右に並んで設けられ、これらに対応する第1係合片22
と第2係合片26とが筒状部15の前方に左右に並んで
配置されているので、電線束と板材との間の距離を変化
させる際に、作業者等が、第1鋸歯状凹凸部51に対す
る第1係合片22の係合状態の解除、及び、第2鋸歯状
凹凸部55に対する第2係合片26の係合状態の解除を
片手で自由に行うことができ、把持部材10を固定部材
30に対して容易に上下動させることができる。
【0058】また、本実施例では、第1係合部材21の
下端に第1操作用突起片24が設けられ、第2係合部材
25の下端に第2操作用突起片28が設けられているの
で、上記の係合状態の解除操作を第1操作用突起片24
または第2操作用突起片28を摘みながら容易に行うこ
とができる。
【0059】尚、本実施例では、把持部材10が本発明
の第2部材に相当し、固定部材30が本発明の第1部材
に相当する。また、後側支柱43と連結柱44との組合
せが本発明の嵌合片に相当し、中空部16と切欠17と
の組合せが本発明の嵌合溝に相当する。また、第1操作
用突起片24と第2操作用突起片28とが本発明の操作
用突起片に相当する。
【0060】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、
種々の態様を採ることができる。例えば、上記実施例で
は把持部材10に保持部11を設け、固定部材30に固
定部31を設けたが、反対に、把持部材10に固定部3
1を設け、固定部材30に保持部11を設けても良いの
は勿論である。
【0061】また、保持部11は、電線束保持用のもの
に限らず、板材等を保持するスペーサ部材等、目的物を
保持可能なものであればどのようなものであっても良
い。また、固定部31も、取付対象物に対して固定可能
なものであればどのようなものであっても良い。
【0062】また、上記実施例では、第1係合部材21
及び第2係合部材25を把持部材10に設け、第1鋸歯
状凹凸部51及び第2鋸歯状凹凸部55を固定部材30
に設けたが、第1係合部材21及び第2係合部材25に
相当する第1係合部材及び第2係合部材を固定部材30
に設け、第1鋸歯状凹凸部51及び第2鋸歯状凹凸部5
5に相当する第1鋸歯状凹凸部及び第2鋸歯状凹凸部を
把持部材10に設けても良い。
【0063】また、第1係合部材21及び第2係合部材
25に相当する第1係合部材及び第2係合部材のうち一
方を把持部材10に設け、他方を固定部材30に設け、
第1鋸歯状凹凸部51に相当する第1鋸歯状凹凸部を把
持部材10と固定部材30とのうち第1係合部材が設け
られていない一方に設け、第2鋸歯状凹凸部55に相当
する第2鋸歯状凹凸部を第2係合部材が設けられていな
い他方に設けても良い。
【0064】また、上記実施例では、第1鋸歯状凹凸部
51と第2鋸歯状凹凸部55とが、柱状部41における
前側支柱42の前面に左右に並んだ状態となるよう構成
したが、第1鋸歯状凹凸部51と第2鋸歯状凹凸部55
との夫々を柱状部41の他の箇所(例えば、前側支柱4
2の左右の側面)に離して設けても良い。
【0065】この場合は、第1係合部材21と第2係合
部材25とが第1鋸歯状凹凸部51と第2鋸歯状凹凸部
55とに対応して離れた箇所に配置されることになり、
作業者等が、第1操作用突起片24と第2操作用突起片
28とを片手で操作することが困難になるが、第1係合
部材21と第2係合部材25とが離れている分だけ、第
1操作用突起片24と第2操作用突起片28とを誤って
同時に操作してしまうことを防止することができる。つ
まり、把持部材10を固定部材30に対して下方にだけ
移動させたいときに第1操作用突起片24だけを確実に
操作することができ、把持部材10を固定部材30に対
して上方にだけ移動させたいときに第2操作用突起片2
8だけを確実に操作することができるのである。
【0066】また、上記実施例では、第1係合部材21
と第2係合部材25とを同一方向(本実施例では上下方
向)に延設された棒材としたが、第1係合片22が第1
鋸歯状凹凸部51に対応する箇所に配置され、第2係合
片26が第2鋸歯状凹凸部55に対応する箇所に配置さ
れるよう構成されていれば、第1係合部材21と第2係
合部材25とを異なった方向に異なった長さだけ延設さ
れた棒材としても良い。
【0067】尚、第1係合部材21と第2係合部材25
とを、上記実施例のように同一方向に延設された棒材と
する場合においては、第1係合部材21と第2係合部材
25とを、一端から他端に至るまで(上記実施例では
「上端から下端に至るまで」)相互に一体に結合された
ものとしても良い。このようにすれば、第1係合部材2
1と第2係合部材25とを別体で設ける場合に比べ、第
1係合部材21と第2係合部材25とが一体に構成され
た分だけ、長期間使用しても当該第1係合部材21と第
2係合部材25とが折れるようなことが起こり難くなる
という効果が得られる。
【0068】そして、この場合においても、第1操作用
突起片24と第2操作用突起片28とを摘んで第1係合
部材21と第2係合部材25との長手方向(上記実施例
では「上下方向」)を回転軸として第1係合部材21と
第2係合部材25とを回転させれば、第1鋸歯状凹凸部
51に対する第1係合片22の係合状態と、第2鋸歯状
凹凸部55に対する第2係合片26の係合状態とのうち
一方だけを解除することが可能となる。
【0069】また、第1鋸歯状凹凸部51と第2鋸歯状
凹凸部55とを、前側支柱42の前面(一側面)に左右
に並べて設ける態様としては、上記実施例のように第1
鋸歯状凹凸部51側の凸片52の突出方向と、第2鋸歯
状凹凸部55側の凸片56の突出方向とを同一方向(上
記実施例では「前方」)とするものに限らず、異方向と
するものであっても良い。
【0070】そして、第1鋸歯状凹凸部51側の凸片5
2の突出方向と、第2鋸歯状凹凸部55側の凸片56の
突出方向とを異方向とする具体的態様としては、例え
ば、図5に示すものが考えられる。尚、図5(a)は、
この態様の具体例としての固定部材30’の形状を示す
斜視図であり、図5(b)はその平面図である。
【0071】この態様の固定部材30’において、上記
実施例の固定部材30と異なる部分は、第1鋸歯状凹凸
部51’側の凸片52’の突出方向と、第2鋸歯状凹凸
部55’側の凸片56’の突出方向だけである。つま
り、第1鋸歯状凹凸部51’側の凸片52’の形状は、
上記実施例における第1鋸歯状凹凸部51側の凸片52
の形状と同じであり、第2鋸歯状凹凸部55’側の凸片
56’の形状も、上記実施例における第2鋸歯状凹凸部
55側の凸片56の形状と同じであるが、これら2種類
の凸片52’,56’は、前側支柱42’の前面形状を
扇形とすることにより、当該前側支柱42’の前面から
左右に広がるように突出した状態となっているのであ
る。具体的には、第1鋸歯状凹凸部51’側の凸片5
2’の突出方向Rと、第2鋸歯状凹凸部55’側の凸片
56’の突出方向Sとの間の角度がθとなるよう構成さ
れている(図5(b)参照)。
【0072】そして、この場合は、第1係合片22の第
1係合部材21からの突出方向と、第2係合片26の第
2係合部材25からの突出方向とを、夫々、第1鋸歯状
凹凸部51’側の凸片52’の突出方向と、第2鋸歯状
凹凸部55’側の凸片56’の突出方向とに対応させて
異方向とするよう構成すれば、上記実施例と同様の作用
・効果が得られることになる。
【0073】また、この場合、第1係合部材21と第2
係合部材25とが同一方向に延設された棒材であれば、
更に、第1係合部材21と第2係合部材25とを、上述
の如く、一端から他端に至るまで相互に一体に結合され
たものとしても良いのは勿論である。
【0074】図6は、この態様の具体例を示すものであ
り、この図では、一体に結合された第1係合部材21’
と第2係合部材25’とが、上記実施例のように上下方
向に延設されたものとして示されている。尚、図6
(a)は、図3(a)と同様の角度から見た第1係合部
材21’及び第2係合部材25’の下端近傍部分の形状
を示す斜視図であり、図6(b)はその底面図である。
【0075】この態様の第1係合部材21’及び第2係
合部材25’では、第1係合部材21’における第1係
合片22’の形状が、上記実施例における第1係合片2
2の形状と同じであり、第2係合部材25’における第
2係合片26’の形状も、上記実施例における第2係合
片26の形状と同じであるが、第1係合片22’の突出
方向Tと、第2係合片26’の突出方向Uとが異方向と
なっており、TとUとの間の角度がθとなるよう構成さ
れている(図6(b)参照)。
【0076】そして、第1係合片22’と第2係合片2
6’とを、第1鋸歯状凹凸部51’と第2鋸歯状凹凸部
55’とに夫々係合させる態様では、上記実施例の固定
具1の変形例として説明した第1係合部材21と第2係
合部材25とを一端から他端に至るまで一体に結合して
なる態様に比べ、第1鋸歯状凹凸部に対する第1係合片
の係合状態と、第2鋸歯状凹凸部に対する第2係合片の
係合状態とのうち一方を解除する際に必要となる第1係
合部材と第2係合部材との回転角度(この場合は、上下
方向を回転軸とした回転角度)を小さくすることが可能
となる。
【0077】つまり、図5(b)に示すように、第1鋸
歯状凹凸部51’側の凸片52’における突端52a’
の外側の端部152a’と、第2鋸歯状凹凸部55’側
の凸片56’における突端56a’の外側の端部156
a’とが、夫々に対応する内側の端部152b’,15
6b’より後方(図5(b)中に示すY方向と反対方
向)に位置し、且つ、図6(b)に示すように、第1係
合片22’における突端22a’の内側の端部122
b’と、第2係合片26’における突端26a’の内側
の端部126b’とが、夫々に対応する外側の端部12
2a’,126a’より前方(図6(b)中に示すY方
向)に位置しているので、第1係合部材21と第2係合
部材25とを一体に結合してなる態様に比べ、上記係合
状態の解除操作を第1係合部材と第2係合部材とを小さ
な角度だけ回転させるだけで行うことができるのであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、実施例の固定具の全体的構成を示
す斜視図であり、(b)は、この固定具のため板材(取
付対象物)に穿設される穴の形状を示す平面図である。
【図2】 (a)は、実施例の固定具の構成要素である
把持部材の形状を示す斜視図であり、(b)は、(a)
の把持部材をA−A切断面で切断した状態を示す説明図
である。
【図3】 (a)は、把持部材における第1係合部材及
び第2係合部材の下端近傍部分の形状を示す斜視図であ
り、(b)はその底面図であり、(c)はその側面図で
ある。
【図4】 (a)は、実施例の固定具の構成要素である
固定部材の形状を示す斜視図であり、(b)はこの固定
部材における柱状部の形状を示す側面図であり、(c)
はこの固定部材の平面図である。
【図5】 (a)は、他の実施例としての固定部材の形
状を示す斜視図であり、(b)はこの固定部材の平面図
である。
【図6】 (a)は、他の実施例としての把持部材にお
ける第1係合部材及び第2係合部材の下端近傍部分の形
状を示す斜視図であり、(b)はその底面図である。
【符号の説明】
1…固定具、10…把持部材、11…保持部、15…筒
状部、16…中空部、17…切欠、21…第1係合部
材、22…第1係合片、24…第1操作用突起片、25
…第2係合部材、26…第2係合片、28…第2操作用
突起片、30…固定部材、31…固定部、41…柱状
部、42…前側支柱、43…後側支柱、44…連結柱、
51…第1鋸歯状凹凸部、55…第2鋸歯状凹凸部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定すべき目的物を保持する保持部と取
    付対象物に係合固定される固定部とのうちの一方と上下
    方向に沿って延設された嵌合片とを備える第1部材と、
    前記保持部と前記固定部とのうち前記第1部材に設けら
    れていない他方と上下方向に沿って前記嵌合片を嵌合可
    能に形成された嵌合溝とを備える第2部材と、からな
    り、前記嵌合溝に対する前記嵌合片の嵌合深さを変化さ
    せることによって前記取付対象物と前記目的物との間の
    距離を調整できる固定具であって、 前記第1部材と前記第2部材とのうちのいずれか一方
    に、上下方向に凹凸が連続する第1鋸歯状凹凸部を設
    け、該第1鋸歯状凹凸部を設けない他方に、該第1鋸歯
    状凹凸部に対して係合状態と係合解除状態との双方を採
    り得る第1係合片を先端に有する弾性変形可能な第1係
    合部材を設け、 前記第1部材と前記第2部材とのうちのいずれか一方
    に、上下方向に凹凸が連続する第2鋸歯状凹凸部を設
    け、該第2鋸歯状凹凸部を設けない他方に、該第2鋸歯
    状凹凸部に対して係合状態と係合解除状態との双方を採
    り得る第2係合片を先端に有する弾性変形可能な第2係
    合部材を設け、 前記第1鋸歯状凹凸部及び前記第1係合部材は、前記第
    2係合片の前記第2鋸歯状凹凸部に対する係合状態を解
    除した後における前記第2部材の前記第1部材に対する
    上方への移動の際に、前記第1係合片が前記第1鋸歯状
    凹凸部上を前記第1係合部材の弾性変形を伴って移動す
    ることができ、前記第2部材の前記第1部材に対する下
    方への移動の際に、前記第1係合片が前記第1鋸歯状凹
    凸部によって係止されるよう構成され、 前記第2鋸歯状凹凸部及び前記第2係合部材は、前記第
    2部材の前記第1部材に対する上方への移動の際に、前
    記第2係合片が前記第2鋸歯状凹凸部によって係止さ
    れ、前記第1係合片の前記第1鋸歯状凹凸部に対する係
    合状態を解除した後における前記第2部材の前記第1部
    材に対する下方への移動の際に、前記第2係合片が前記
    第2鋸歯状凹凸部上を前記第2係合部材の弾性変形を伴
    って移動することができるよう構成されたことを特徴と
    する固定具。
  2. 【請求項2】 前記第1鋸歯状凹凸部及び前記第2鋸歯
    状凹凸部が、前記第1部材と前記第2部材とのうちの一
    方における一側面に左右に並んで設けられ、前記第1係
    合片及び前記第2係合片が、前記第1鋸歯状凹凸部及び
    前記第2鋸歯状凹凸部に対応する箇所に左右に並んで設
    けられたことを特徴とする請求項1に記載の固定具。
  3. 【請求項3】 前記第1係合部材及び前記第2係合部材
    は同一方向に延設されたものであり、一端から他端に至
    るまで相互に一体に結合されたものであることを特徴と
    する請求項2に記載の固定具。
  4. 【請求項4】 前記第1係合部材における前記第1係合
    片近傍の箇所及び前記第2係合部材における前記第2係
    合片近傍の箇所の夫々に操作用突起片を設けたことを特
    徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の固定
    具。
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