JP2001284438A - 磁気支持機構、位置決め装置、露光装置、デバイス製造方法、半導体製造工場および露光装置の保守方法 - Google Patents
磁気支持機構、位置決め装置、露光装置、デバイス製造方法、半導体製造工場および露光装置の保守方法Info
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Abstract
プ依存性を小さくし、かつ浮上力の非線形性に起因する
剛性の変化を小さくする。 【解決手段】 第一の磁気手段と該第二の磁気手段との
間に働く磁気的な力により、固定部に対して浮上部を非
接触で浮上させる磁気浮上機構において、空隙の幅の増
減に起因する、第一の磁気手段または第二の磁気手段を
経由しない漏れ磁束の増加、または、空隙中の磁気回路
に沿う磁束の長さの増減を抑制する。
Description
部を固定部に対して浮上し、且つその浮上状態を維持で
きる磁気支持機構、並びに、該磁気支持機構を用いた位
置決め装置、露光装置、デバイス製造方法、半導体製造
工場および露光装置の保守方法に関する。
るタイプ、永久磁石を用いるタイプ、両者を併用するタ
イプに分類することができる。そして永久磁石を用いる
タイプの磁気支持機構は、磁気的な吸引力により吸引浮
上せしめるタイプと、磁気的な反撥力により浮上せしめ
るタイプに大別される。図32は、永久磁石の吸引力に
より浮上するタイプの従来例を説明する図である。同図
中、1は固定部であり、永久磁石からなる吸引磁石1
1、12と吸引磁石の背面に固着されたバックヨーク1
0からなり、2は浮上部でありヨーク20からなる。同
図に示したように吸引磁石11と12の磁化の方向は互
いに逆向きに設定されている。バックヨーク10および
ヨーク20は磁性体である。吸引磁石11のN極11N
から出た磁束が吸引磁石11と対向する浮上部2のヨー
ク20を経て、吸引磁石12のS極12Sに入り、バッ
クヨーク10を通って吸引磁石11に戻る磁気回路が構
成される。それにより固定部1と浮上部2の間に磁気的
な吸引力が働き、浮上部2が固定部1に吸引される。浮
上部2に働く鉛直方向zの磁気吸引力Fzおよび図示し
ないバネなどによる力fと浮上部2の自重Wとが釣り合
うように、すなわちW≒Fz+fとなるように永久磁石
の磁化の強さ、および各部の寸法が決められる。
機構の持つ課題を説明するグラフであり、横軸は固定部
と浮上部のギャップ長gで、縦軸は浮上部に働く力であ
り、上向きの吸引力Fzと、バネなどによる下向きの力
fである。
zで、直線41がバネなどによる力fであり、曲線42
が両者の合力(Fz+f)であり、431〜435が能
動制御による補償である。ギャップ長gは、g=g0か
らg=g1の範囲で用いるとする。ここで固定部と浮上
部の距離の増加に対する吸引力減少の割合を剛性と称す
る。すなわち剛性は曲線40の接線の傾きである。
負、すなわち不安定剛性であるために、バネなどによ
り、吸引力Fzとは逆方向に働く力fが必要であること
を示している。このことから、吸引力Fzのギャップ依
存性が大きいと、釣り合いを保つためには、バネ定数の
大きいバネが必要となり、望ましくないことが分かる。
また、図33は、固定部と浮上部の距離が変化すると吸
引力Fzは非線形に変化することを示している。具体的
には、距離によって剛性が変化していて、かつ距離が大
きくなるにつれ剛性が小さくなることを示している。ま
た、図33は、吸引力Fzの剛性が変化するので、合力
(Fz+f)を自重Wと釣り合わせるためには、能動制
御による補償431〜435が必要であることを示して
いる。つまり吸引力により磁気浮上させる機構におい
て、剛性が変化する不都合を回避するためには、剛性の
変化分をリニアモータ(LM)やボイスコイルモータ
(VCM)などによる能動制御によって補償する必要が
ある。よってこの時、剛性の変化率が大きいと能動制御
に伴なう発熱量が大きくなり、問題となる。以上、吸引
浮上方式について述べたが、反撥浮上方式についても同
様である。
の課題に鑑みてなされたものであり、磁気支持機構にお
いて、磁気浮上力のギャップ依存性が小さくできて、か
つ浮上力の非線形性に起因する剛性の変化を小さくでき
る機構を提供することを目的とするものである。
め、本発明は、第1の構成として、所定の空隙を介して
互いに相対移動可能な固定部と浮上部の一方に第一の磁
気手段が配置されていて、他の一方に第二の磁気手段が
配置されていて、該第一の磁気手段と該第二の磁気手段
との間に働く磁気的な力により、固定部に対して浮上部
を非接触で浮上させる磁気支持機構において、空隙の幅
の増加に起因する、第一の磁気手段または第二の磁気手
段を経由しない漏れ磁束の増加を抑制する構成であるこ
とを特徴とする。
空隙を介して互いに相対移動可能な固定部と浮上部の一
方に第一の磁気手段が配置されていて、他の一方に第二
の磁気手段が配置されていて、該第一の磁気手段と該第
二の磁気手段との間に働く磁気的な力により、固定部に
対して浮上部を非接触で浮上させる磁気支持機構におい
て、固定部と浮上部との空隙の増減に起因する、空隙中
の磁気回路に沿う磁束の長さの増減を抑制する構成であ
ることを特徴とする。
りの構成が挙げられる。第1の態様は、第二の磁気手段
が第一の磁気手段に対向する位置に配置されていて、第
一の磁気手段として、各々が第二の磁気手段に面して、
かつ所定の間隔を隔てた互いに異なる一対の磁極を備え
ていて、第二の磁気手段として磁性体を備えていて、一
対の磁極の間に所定の間隔を隔てて第三の磁気手段が配
置されていて、かつ該第三の磁気手段は連結手段により
第二の磁気手段と連結される。
ては、所定の間隔を隔てた一対の磁石や、U字型に屈曲
した単一の磁石の両磁極等が適用できる。また、第三の
磁気手段は、固定部と浮上部の間の空隙の幅が増加した
時に一対の磁極を構成し互いに異なる第一および第二の
磁極の近傍に、該磁極とそれぞれ同極の磁極が位置する
ように磁石を備えることが望ましい。
適用可能であり、磁石を用いる場合は、磁石は固定部と
浮上部の間の空隙の幅が増加していない時に第一および
第二の磁極の近傍に、これらの磁極とそれぞれ異極の磁
極が位置するように第二の磁気手段に固着する。
よび第三の磁気手段並びに連結手段が、一対の磁極の片
方を中心に水平方向に回転した回転体を構成しているこ
とが好ましい。
して、磁極を備え、かつU字型に屈曲した単一の磁石の
両磁極等のように極性が異なる磁極は高低差を設定され
ていて、第二の磁気手段として、磁極を備え、かつ極性
が異なる磁極は高低差を設定されていて、第一および第
二の磁気手段の各磁極は、それぞれ他方の磁気手段の磁
極と面している。
磁極は、それぞれ面している他方の磁気手段の磁極との
間に吸引力が作用するように、その極性が設定されてい
ればよい。また、第一および第二の磁気手段としては、
片方あるいは両方に、磁石を備えてもよい。更に本態様
の機構において、第一および第二の磁気手段が、磁極の
いずれか1つを中心に水平方向に回転した回転体を構成
していることが好ましい。
して、第二の磁気手段に面して、かつ所定の間隔を隔て
た互に異なる一対の磁極を備え、第二の磁気手段とし
て、第一の磁気手段の各磁極の近傍に各々一つの磁極を
有する磁石を備え、かつ該第二の磁気手段の磁石の磁化
の方向は第一の磁気手段の磁化の方向と直交し、通常、
第二の磁気手段の磁石の各磁極は、第一の磁気手段の一
対の磁極の内、近接するただ一つの磁極との間に吸引力
または反撥力が作用するように、その極性が設定されて
いる。
所定の間隔を隔てた一対の磁石、またはU字型に屈曲し
た単一の磁石からなり、一対の磁石を用いる場合は、更
に、第二の磁気手段に面する磁極と反対側の各磁極の近
傍に、該磁極と異極の磁極が位置するように磁石を固着
することが好ましい。また、第一の磁気手段の磁極間の
距離と、第二の磁気手段の磁極間の距離とは異なる距離
とすることが好ましい。
が、第二の磁気手段に面して、かつ所定の間隔を隔てた
互に異なる一対の磁極を備え、第二の磁気手段が、第一
の磁気手段に面して各磁極の近傍に各々一つの磁極と、
磁化の方向が第一の磁気手段の磁化の方向と直交してい
る磁石とを有し、通常、第二の磁気手段の有する磁石
は、第二の磁気手段の各磁極の近傍に同極の磁極が位置
するように、第二の磁気手段の各磁極の間に固着してい
る。ここで、第一および第二の磁気手段の各磁極は、通
常、それぞれ面している他方の磁気手段の磁極との間に
吸引力が作用するように、その極性が設定される。
てた一対の磁石、U字型に屈曲した単一の磁石等が挙げ
られ、一対の磁石を用いる場合は、第二の磁気手段に面
する磁極と反対側の各磁極の近傍に、該磁極と異極の磁
極が位置するように磁石を固着することが好ましい。
して、互に異なる一対の磁極を備え、かつ該磁極は第二
の磁気手段に面さず、第二の磁気手段として、一対の磁
極の近傍に各々一つの磁極を備え、かつ該磁極は第一の
磁気手段に面さず、かつ該第二の磁気手段の磁化の方向
と第一の磁気手段の磁化の方向とを並行とする。
磁気手段の一対の磁極の内近接するただ一つの磁極との
間に吸引力が作用するように、その極性が設定されてい
ることが望ましく、第一あるいは第二の磁気手段として
は、磁石を適用することができる。また、上記第3の態
様と同様に、第一の磁気手段の磁極間の距離と、第二の
磁気手段の磁極間の距離とは異なることが好ましい。
一の磁気手段の一対の磁極の近傍において該磁極と異な
る磁極が位置してかつ第1の磁気手段の磁化の向きと同
一の磁化の向きとなるように、または同一の磁極が第二
の磁気手段と面してかつ第1の磁気手段の磁化の向きと
直交する磁化の向きとなるように、第一の磁気手段の両
端に磁石が設けられており、該両端に設けられた磁石と
第二の磁気手段との対向面間の距離が、第一の磁気手段
と第二の磁気手段との対向面間の距離よりも遠い位置と
なるように、固着している構成とすることが好ましい。
上述したような本発明の磁気支持機構を少なくとも一組
有する構成とすれば良い。
保持面を定盤に対して相対的に移動する位置決め装置に
おいて、上述の磁気支持機構を用いてステージの自重を
定盤上で支持することを特徴とする。ここで、保持面を
定盤より重力方向であるZ軸方向に移動するための駆動
系の発生力は、磁気支持機構による支持力と同軸上にあ
ることが好ましい。
と定盤との間に、保持面をZ軸方向と直交する2軸であ
るX軸およびY軸方向に駆動するためのXYステージ
と、このXYステージ上に搭載されてZ軸方向とXYZ
の各軸廻り方向に移動するチルトステージが設けられて
いる。
系と磁気支持機構との組により、XYステージ上に支持
されることが望ましいが、例えば、チルトステージの両
端に1組ずつ、または1組でチルトステージ中心部を支
持するものであってもよい。チルトステージの上面であ
る保持面には、基板を保持するためのウエハチャックが
設けられている。
方向静圧案内面に沿って移動するYステージと、このY
ステージを移動させるYステージ用駆動系と、Yステー
ジと共に移動し且つYステージに設けられたX軸方向静
圧案内面に沿って移動するXステージと、このXステー
ジを移動させるXステージ用駆動系を有し、XおよびY
ステージがそれぞれ個別に定盤上にZ軸方向に関して静
圧軸受けにより支持されている。
動系も非接触駆動可能であることが望ましく、リニアモ
ータであることが好ましい。本発明の露光装置は、上記
本発明の位置決め装置に搭載した基板に、原版のパター
ンを露光することを特徴とする。
イと、ネットワークインタフェースと、ネットワーク用
ソフトウェアを実行するコンピュータとを設けることに
より、露光装置の保守情報をコンピュータネットワーク
を介してデータ通信することが可能となる。このネット
ワーク用ソフトウェアは、露光装置が設置された工場の
外部ネットワークに接続され露光装置のベンダーもしく
はユーザが提供する保守データベースにアクセスするた
めのユーザインタフェースをディスプレイ上に提供する
ことにより、外部ネットワークを介して該データベース
から情報を得ることを可能にする。
含む各種プロセス用の製造装置群を半導体製造工場に設
置する工程と、該製造装置群を用いて複数のプロセスに
よって半導体デバイスを製造する工程とを有することを
特徴とする。さらに、製造装置群をローカルエリアネッ
トワークで接続する工程と、ローカルエリアネットワー
クと半導体製造工場外の外部ネットワークとの間で、製
造装置群の少なくとも1台に関する情報をデータ通信す
る工程とを有してもよい。また、露光装置のベンダーも
しくはユーザが提供するデータベースに外部ネットワー
クを介してアクセスしてデータ通信によって製造装置の
保守情報を得る、または半導体製造工場とは別の半導体
製造工場との間で外部ネットワークを介してデータ通信
して生産管理を行うようにしてもよい。
露光装置を含む各種プロセス用の製造装置群と、該製造
装置群を接続するローカルエリアネットワークと、該ロ
ーカルエリアネットワークから工場外の外部ネットワー
クにアクセス可能にするゲートウェイを有し、製造装置
群の少なくとも1台に関する情報をデータ通信すること
を可能にしたものである。
のベンダーもしくはユーザーが、半導体製造工場の外部
ネットワークに接続された保守データベースを提供する
工程と、半導体製造工場内から外部ネットワークを介し
て保守データベースへのアクセスを許可する工程と、保
守データベースに蓄積される保守情報を外部ネットワー
クを介して半導体製造工場側に送信する工程とを有する
ことを特徴とする。
的強度、浮上部重量、空隙を含む各部の寸法を調整する
ことにより、磁気浮上力のギャップ依存性が小さくでき
て、かつ浮上力の非線形性に起因する剛性の変化を小さ
くできる。また、基板を位置決めするときには、安定し
て精密な位置決めが可能となる。
に基づいて以下に説明する。
気支持機構を示す正面図である。11、12は永久磁石
からなる吸引磁石であり、Z方向の磁化の向きが図中に
示したように互いに逆向きになるように設定されてい
る。21は永久磁石からなる補極であり、磁化の向きが
図中に示した向きになるように、Z方向に対して直交す
る向きであって永久磁石11、12に対して2つの極が
対面するように連結部材51によりヨーク20に固着さ
れている。固定部1は、吸引磁石11、12と吸引磁石
の背面に固着されたバックヨーク10から第一の磁気手
段を、ヨーク20は第二の磁気手段を、補極21は第三
の磁気手段を、連結部材51は連結手段を、それぞれ構
成する。2は浮上部であり、ヨーク20と補極21と連
結部材51から構成される。バックヨーク10およびヨ
ーク20は磁性体であり、磁束が飽和しない程度の厚さ
をもつ。
1(a)は、ギャップが小さい時の固定部1の吸引磁石
11、12と浮上部2の補極21の位置関係を示す正面
図であり、図1(b)は、ギャップが大きい時の位置関
係を示す正面図である。
たように、補極21が吸引磁石11のN極11Nと吸引
磁石12のS極13Sとの間に位置しないことで、補極
21が両磁極11Nと12Sの間に位置する時に比べ
て、11Nから12Sに向かう漏れ磁束を減ずることが
できないので、補極21は有効に働かず、補極21を有
しない場合と同じ程度の吸引力が得られる。一方、ギャ
ップが大きい時には図1(b)に示したように、補極2
1が吸引磁石11のN極11Nと吸引磁石12のS極1
2Sの間に位置することで、11Nから12Sに向かう
漏れ磁束を減ずることができるので、補極21が両磁極
の間に位置しない時に比べて両磁極が有効に働き、補極
がない場合と比べて大きな吸引力が得られる。この作用
により、従来例のもつ課題を解決できる。このことにつ
いて以下に詳細に説明する。
いて、固定部からの距離が離れれば磁気的な吸引力は急
激に減少することを示している。図34は、その物理的
理由を説明する正面図である。図34(a)はギャップ
が小さい時の、固定部1と浮上部2の位置関係を示し、
図34(b)はギャップが大きい時の、固定部1と浮上
部2の位置関係を示す。同図において矢印は磁束の流れ
を示す。711〜713は磁極11Nから出る磁束を、
721〜723は磁極12Sに入る磁束を、701〜7
02は磁極11Nから磁極12Sに向かう漏れ磁束をそ
れぞれ表わす。すなわち、浮上部2が固定部1から離れ
るにしたがって、先に従来例のところで述べた磁気回路
において、浮上部2を経由しない磁束すなわち吸引力に
寄与しない漏れ磁束701〜702が増え、かつギャッ
プ中の磁束711〜713、721〜723が広がると
いう二つの理由により、ギャップ中の磁束密度が低下す
るために吸引力が急激に減少しているのである。
引力を改善するための手段として補極と呼ばれる磁石を
付加する構成としている。図2は補極を用いた浮上機構
の正面図である。同図において、11および12は永久
磁石であり、磁化の向きが図中に示したように互いに逆
向きになるように設定されている。21は永久磁石から
なる補極であり、磁化の向きが図中に示した向きになる
ように、吸引磁石11と吸引磁石12の間に固着されて
いる。固定部1は、吸引磁石11、12と補極21と吸
引磁石の背面に固着されたバックヨーク10から、浮上
部2は、ヨーク20から、それぞれ構成される。バック
ヨーク10およびヨーク20は磁性体である。
吸引磁石11のN極11Nから吸引磁石12のS極12
Sに向かう漏れ磁束701〜702と逆向きなので、こ
れらの漏れ磁束を減ずることができる。
ップ長gで、縦軸は浮上部に働く上向きの吸引力Fzで
ある。曲線4は図32に示した従来の磁気支持機構の、
曲線5は図2に示した補極を固定部側に設けた磁気支持
機構の、曲線6が図1に示した本発明による補極を浮上
部側に設けた磁気支持機構の、それぞれ特性曲線であ
る。
極を設置しない従来の場合に比べて、磁気的吸引力はス
トローク全般にわたって改善されているが、吸引力のギ
ャップ依存性は改善されていないことが分かる。一方、
本実施例では、浮上部側に補極を設置したことにより、
ギャップが小さい時、すなわちg=g0 の近傍では補極
が有効に働かず、従来と同程度の吸引力が得られ、ギャ
ップが大きい時、すなわちg=g1 の近傍では補極が有
効に働き、補極がある時と同程度の、従来と比べて大き
い吸引力が得られる、すなわち特性曲線は曲線6のよう
になることが分かる。よって本実施例では、ストローク
全般にわたって安定的な吸引力が得られ、なおかつ剛性
の変化が小さくできる。
えに則って、該作用が得られるように、固定部1の吸引
磁石11、12の寸法と磁化の強さ、およびこれらに対
向する浮上部2のヨーク20の間の間隙寸法と、補極寸
法の比率と磁化の強さを適切に設定すればよい。なお本
実施例において、連結部材51は軟磁性体でも非磁性体
でもよいが、軟磁性体にした方が、より効果が大きい。
した本実施例において、連結部材51の材質を軟磁性体
にした場合と非磁性体にした場合と、図32に示した従
来例の、それぞれの構成に基づいて設計した装置につい
て、最小ギャップ長g0 における吸引力F(g0 )と最
大ギャップ長g1 における吸引力F(g1 )と、両吸引
力の比F(g0 )/F(g1 )をまとめた表である。な
お本発明の構成に基づく装置の磁石の対向面積は、従来
例による装置における対向面積と等しくなるように設定
してある。
材の材質がいずれの場合も、従来例に比べて、最小ギャ
ップ長g0 と最大ギャップ長g1 とにおける吸引力が大
きいが、吸引力の増加率が最小ギャップ長g0 における
増加率よりも最大ギャップ長g1 における増加率の方が
大きいため、両吸引力の比、すなわちギャップ依存性が
小さくなっている。この理由は、先に説明した作用によ
るものである。また同表1から、本実施例において、連
結部材の材質を非磁性体にするよりも軟磁性体にした方
が、ギャップ依存性を小さくできることが分かる。この
理由は、連結部材を軟磁性体にすると非磁性体にした場
合に比べて、ギャップが小さい時には吸引磁石の磁極か
ら出た磁束が連結部材にも広がるのでギャップ中の磁束
密度が低下するため吸引力が小さくなり、ギャップが大
きい時には磁極から出た磁束がヨークよりも近い連結部
材にも入るため吸引力が大きくなる作用によるものであ
る。
と浮上部2の配置を鉛直方向zに関して逆さにして、図
4に示すように補極21を有する方を固定部1、他方を
浮上部2としても全く同じように磁気支持機構として作
用する。すなわち補極21が固定部1に設置されている
か、浮上部2に設置されているかが重要なのではなく、
ギャップの変化にしたがって補極21の効果が変化する
作用が得られるように構成されていることが、本例の構
成において本質的なのである。
して、一対の磁石からなる構成だけでなく、図5に示し
た様に、単一の磁石14である構成としても構わない。
この場合でもギャップの変化にしたがって補極21の効
果が変化する作用が得られるように、磁極14N,14
Sが配置されていればよい。なお本発明の実施例におい
ては、磁石の磁極はS極とN極とを全て置換しても構わ
ない。
磁気支持機構を示す正面図である。11および12は永
久磁石からなる吸引磁石であり、磁化の向きが図中に示
したように互いに逆向きになるように設定されている。
21および23は永久磁石からなる補極であり、磁化の
向きが図中に示したように互いに逆向きになるように、
ヨーク20に固着されている。固定部1は、吸引磁石1
1,12と吸引磁石の背面に固着されたバックヨーク1
0から第一の磁気手段を、ヨーク20は第二の磁気手段
を、補極21は第三の磁気手段を、補極23は連結手段
を、それぞれ構成する。2は浮上部であり、ヨーク20
と補極21と補極23から構成される。バックヨーク1
0およびヨーク20は磁性体であり、磁束が飽和しない
程度の厚さをもつ。
実施例特有の作用を図6を用いて説明する。図6(a)
は、ギヤップが小さい時の固定部1の吸引磁石11,1
2と浮上部2の補極21,23の位置関係を示す正面図
であり、図6(b)は、ギャップが大きい時の位置関係
を示す正面図である。
1と12の間に、補極23を経由しない磁気回路C1
と、補極23を経由する磁気回路C2の二つがあり、こ
れら二つの磁気回路により固定部1と浮上部2の間に磁
気的な吸引力が発生し、浮上部2が固定部1に吸引され
る。具体的には、吸引磁石11のN極11Nから出た磁
束が吸引磁石11と対向する浮上部2のヨーク20を経
て、吸引磁石12のS極12Sに入り、バックヨーク1
0を通って吸引磁石11に戻る磁気回路C1と、吸引磁
石11のN極11Nから出た磁束91,92が補極23
のS極23Sに入り、補極23を経て、補極23のN極
23Nから出た磁束93,94が吸引磁石12のS極1
2Sに入り、バックヨーク10を通って吸引磁石11に
戻る磁気回路C2とが構成される。
じである。したがって連結部23を非磁性体から永久磁
石に変更したことによる効果に絞って説明を行なう。
補極23に変更したことにより、磁気回路C2を経由す
る磁束が増え、磁気回路C1を経由する磁束は減少す
る。したがって吸引磁石11のN極11Nとヨーク20
の間の吸引力と吸引磁石12のS極12Sとヨーク20
の間の吸引力は減少する。一方、吸引磁石11のN極1
1Nと補極23のS極23Sとの間に吸引力F1が、吸
引磁石12のS極12Sと補極23のN極23Nとの間
に吸引力F2がそれぞれ働く。
磁束91,93の鉛直成分が小さいために、吸引力F
1,F2の向きは水平方向となって鉛直方向の力には寄
与しない。したがって固定部1と浮上部2の間に働く吸
引力は、補極23が両磁極の間に位置しない時に比べて
小さくなる。
ては、磁束92,94の鉛直成分が大きいために、吸引
力F1,F2は鉛直方向となって鉛直方向の力に寄与す
る。補極23はヨーク20よりも吸引磁石11および1
2に近いため、補極23の存在によって、吸引磁石11
および12とヨーク20の間の吸引力が減少する程度よ
りも、吸引磁石11および12と補極23との間に働く
吸引力の鉛直成分の増加の程度の方が大きい。したがっ
て固定部1と浮上部2の間に働く吸引力は、補極23が
両磁極の間に位置する時に比べて大きくなる。
記表1に示す。表1から、本実施例による装置は、従来
例に比べて、最小ギャップ長g0 と最大ギャップ長g1
とにおける吸引力が大きく、吸引力の比、すなわちギャ
ップ依存性が小さいことが分かる。また連結部材を非磁
性体あるいは軟磁性体にした第一実施例と比べても、さ
らに吸引力を大きく、かつギャップ依存性を小さくでき
ることが分かる。この理由は、第一実施例において連結
部材を軟磁性体とした方が非磁性体とした場合に比べ
て、ギャップが小さい時には吸引磁石の磁極から出た磁
束が連結部材にも広がるのでギャップ中の磁束密度が低
下するため吸引力が小さく、ギャップが大きい時には磁
極から出た磁束がヨークよりも近い連結部材にも入るた
め吸引力が大きくなる作用を、連結部材を磁石にするこ
とにより、さらに強調する作用が働くことによるもので
ある。
気支持機構の正面図を示すものである。同図において、
11、12、13、21および22は永久磁石からな
り、11、12および13は吸引磁石であり、21およ
び22は補極である。10および20は磁性体からな
り、10は吸引磁石11、12、13の背面に固着され
たバックヨークであり、20はヨークである。51およ
び52は補極21,22をヨーク20に固着する連結部
材である。図中に示した様に、吸引磁石11と13は磁
化の向きが同じ方向になるように、吸引磁石12は磁化
の向きが、それらとは反対向きになるように、それぞれ
設定してある。補極21と22は磁化の向きが、それぞ
れ図中に示したように互いに逆向きになるように設定し
ている。
バックヨーク10から第一の磁気手段を、ヨーク20は
第二の磁気手段を、補極21,22は第三の磁気手段
を、連結部材51,52は連結手段を、それぞれ構成し
ている。2は浮上部であって、補極21,22と連結部
材51,52とヨーク20から構成される。
る。図7(a)は、ギャップが小さい時の固定部1の吸
引磁石11,12,13と浮上部2の補極21,22の
位置関係を示す正面図であり、図7(b)は、ギャップ
が大きい時の位置関係を示す正面図である。
いて説明した磁気回路と同等の回路が、吸引磁石11と
12のあいだで形成される磁気回路C3と、吸引磁石1
2と13により形成される磁気回路C4の二つあり、こ
れら二つの磁気回路により固定部1と浮上部2の間に磁
気的な吸引力が発生し、浮上部2が固定部1に吸引され
る。具体的には、吸引磁石11のN極11Nから出た磁
束が吸引磁石11と対向する浮上部2のヨーク20を経
て、吸引磁石12のS極12Sに入り、バックヨーク1
0を通って吸引磁石11に戻る磁気回路C3と、吸引磁
石13のN極13Nから出た磁束が13と対向する浮上
部2のヨーク20を経て、吸引磁石12のS極12Sに
入り、バックヨーク10を通って吸引磁石13に戻る磁
気回路C4とが構成される。
た様に、前者の磁気回路C3において補極21が吸引磁
石11のN極11Nと吸引磁石12のS極12Sの両磁
極間に位置しないことにより、補極を有しない場合と同
程度の吸引力が得られ、後者の磁気回路C4においても
補極22が吸引磁石13のN極13Nから吸引磁石12
のS極12Sの両磁極間に位置しないことにより、補極
を有しない場合と同程度の吸引力が得られる。
に示した様に、前者の磁気回路C3において補極21
が、吸引磁石11のN極11Nと吸引磁石12のS極1
2Sの両磁極間に位置することにより、N極11Nから
S極12Sに向かう漏れ磁束を減ずることができる。し
たがって、補極が両磁極の間に位置しない時に比べて両
磁極が有効に働いて、補極がない場合と比べて大きな吸
引力が得られ、後者の磁気回路C4においても補極22
が、吸引磁石13のN極13Nと吸引磁石12のS極1
2Sの両磁極間に位置することにより、13Nから12
Sに向かう漏れ磁束を減ずることができるので、補極が
両磁極の間に位置しない時に比べて両磁極が有効に働い
て、補極がない場合と比べて大きな吸引力が得られる。
って安定的な吸引力が得られ、なおかつ剛性の変化が小
さくできる。このことから、第一実施例以外の構成で
も、本発明の効果が得られることが分かる。
て、同程度の吸引力を有すると仮定した場合には、第一
実施例よりもヨーク厚を薄くできる、すなわち装置の高
さを低くできる特徴を有する。なぜならば、第一実施例
においては磁気回路が一つであるのに対し、第三実施例
においては磁気回路が二つ(複数)であることにより、
両実施例において同程度の吸引力を仮定した時に、第三
実施例では一つ当たりの磁気回路中の磁束を第一実施例
よりも小さく抑えることができることにより、磁束が飽
和しない程度にヨークの厚さを薄くできるからである。
さらにこのことから、両実施例においてヨークの厚さ、
すなわち装置の高さが同じ程度であれば、第一実施例よ
りも第三実施例の方が吸引力を大きくできることが分か
る。
軸対称構成の磁気支持機構を示す。図8(a)は構成を
分かりやすくするためにモデルの一部を切り取ってある
斜視図で、図8(b)は軸断面図である。11および1
2は永久磁石からなる吸引磁石であり、磁化の向きが図
中に示したように互いに逆向きになるように設定されて
いる。21は永久磁石からなる補極であり、磁化の向き
が図中に示した向きになるように、連結部材51により
ヨーク20に固着されている。固定部1は、吸引磁石1
1,12と吸引磁石の背面に固着されたバックヨーク1
0から第一の磁気手段を、ヨーク20は第二の磁気手段
を、補極21は第三の磁気手段を、連結部材51は連結
手段を、それぞれ構成する。2は浮上部であり、ヨーク
20と補極21と連結部材51から構成される。バック
ヨーク10およびヨーク20は磁性体であり、磁束が飽
和しない程度の厚さをもつ。
明する。図8に示した機構においては、図32を用いて
説明した磁気回路と同等の磁気回路が、吸引磁石11と
12の間で、z軸周りに軸対称に形成される。軸対称を
なすこれらの磁気回路により、固定部1と浮上部2の間
に磁気的な吸引力が発生し、浮上部2が固定部1に吸引
される。具体的には、吸引磁石11のN極11Nから出
た磁束が吸引磁石11と対向する浮上部2のヨーク20
を経て、吸引磁石12のS極12Sに入り、バックヨー
ク10を通って吸引磁石11に戻る磁気回路が軸対称に
構成される。
いて補極21が吸引磁石11のN極11Nと吸引磁石1
2のS極12Sの両磁極間に位置しないことにより、補
極を有しない場合と同程度の吸引力が得られる。
路において補極21が、吸引磁石11のN極11Nと吸
引磁石12のS極12Sの両磁極間に位置することによ
り、N極11NからS極12Sに向かう漏れ磁束を減ず
ることができるので、補極が両磁極の間に位置しない時
に比べて有効に働いて、補極がない場合と比べて大きな
吸引力が得られる。
って安定的な吸引力が得られ、なおかつ剛性の変化が小
さくできる。このことから、第一実施例と第三実施例で
示した矩形構成以外の軸対称構成でも、本発明の効果が
得られることが分かる。
構成の場合には、先の第一実施例、第三実施例である矩
形構成と比べて、より大きい吸引力を得られることがで
きる。このことを、図9を用いて次に説明する。図9
は、第四実施例においてギャップが大きい時の、すなわ
ち補極21が吸引磁石11のN極11Nと吸引磁石12
のS極12Sの両磁極間に位置する時の、ギャップ中の
磁束の流れを、鉛直方向から見た図である。811〜8
18は磁極11Nから出る磁束を表わす。同図から、ギ
ャップが大きくなっても、軸対称構成になっているの
で、磁極12S近傍において、磁極12Sと同極である
補極21のS極21Sが径方向に位置することにより、
磁極12S近傍の磁束は、径方向への広がりが抑制され
ることが分かる。これに対して、図1あるいは図7に示
した矩形構成では、ギャップが大きくなった時の、各図
中の磁極12S近傍のギャップ中の磁束は、紙面に対し
て奥行き方向に広がりが増している。また図1、あるい
は図7に示した矩形構成では、ギャップが大きくなった
時に、図1中の磁極11N近傍において、あるいは図7
に示した磁極11N近傍と磁極13N近傍において、そ
れぞれ紙面に対して奥行き方向にも、ギャップ中の磁束
の広がりが増すのに対して、図8に示した軸対称構成に
おいては、ギャップが大きくなっても、吸引磁石11が
軸対称形状であることにより、図8(b)に示した断面
に対して奥行き方向ヘの磁束の広がりはない。すなわち
図8に示した軸対称構成では、矩形構成に比べて、ギャ
ップ中の磁束の広がりが少ないので、より大きい吸引力
を得ることができる。
る磁気支持機構を示す正面図である。11および12は
永久磁石からなる吸引磁石であり、磁化の方向が図中に
示したように互いに逆向きになるように設定されてい
る。21は永久磁石からなる吸引磁石であり、磁化の方
向が図中に示した向きになるように設定されている。1
0は磁性体からなるバックヨークであり、吸引磁石1
1,12の背面に固着されていて、磁束が飽和しない程
度の厚さをもつ。1は固定部であり、吸引磁石11、1
2とバックヨーク10から第一の磁気手段を、2は浮上
部であり、吸引磁石21から第二の磁気手段を、それぞ
れ構成する。図10(a)は、ギャップが小さい時の固
定部1の吸引磁石11,12と浮上部2の吸引磁石21
の位置関係を示す正面図であり、図10(b)は、ギャ
ップが大きい時の位置関係を示す正面図である。吸引磁
石11のN極11Nから出た磁束81aあるいは81b
が浮上部2の吸引磁石21のS極21Sに入り、吸引磁
石21を経て、N極21Nから出た磁束82aあるいは
82bが吸引磁石12のS極12Sに入り、バックヨー
ク10を通ってもとの吸引磁石11に戻る磁気回路が構
成される。それにより固定部1と浮上部2の間に磁気的
な吸引力が働き、浮上部2が固定部1に吸引される。
て、詳細に説明する。以下、ギャップ中の磁束の、磁気
回路(磁路)に沿った長さを磁路長と呼ぶことにする。
おいては、固定部1の磁極11N、12Sに対向するヨ
ーク20上の箇所に磁極が誘起されるので、ギャップ中
の磁束の磁路長とギャップ長がほぼ等しくなる。図35
はこのことを説明する従来の磁気支持機構の正面図であ
る。同図中、1は固定部であり、永久磁石からなる吸引
磁石11,12と吸引磁石の背面に固着されたバックヨ
ーク10からなり、2は浮上部でありヨーク20からな
る。同図に示したように吸引磁石11と12の磁化の方
向は互いに逆向きに設定されている。バックヨーク10
およびヨーク20は磁性体である。磁極20Na,20
Nbと20Sa,20Sbは、それぞれヨーク20上に
誘起されたN極とS極であり、それぞれ固定部1の磁極
12Sと磁極11Nに対向する。図35(a)は、ギャ
ップが小さい時、すなわちg=g 0 における固定部1の
吸引磁石11、12と浮上部2のヨーク20の位置関係
を示す正面図であり、図35(b)は、ギャップが大き
い時、すなわちg=g1 における両者の位置関係を示す
正面図である。矢印は磁束の流れを示す。91bおよび
92bは磁極11Nから12Sに向かう漏れ磁束であ
る。吸引磁石11のN極11Nから出た磁束93a〜9
5aあるいは93b〜95bが浮上部2のヨーク20の
表面上に誘起されたS極20Saあるいは20Sbに入
り、ヨーク20を経て、ヨーク20の表面上に誘起され
たN極20Naあるいは20Nbから出た磁束96a〜
98aあるいは96b〜98bが吸引磁石12のS極1
2Sに入り、バックヨーク10を通ってもとの吸引磁石
11に戻る磁気回路が構成される。それにより固定部1
と浮上部2の間に磁気的な吸引力が働き、浮上部2が固
定部1に吸引される。この時、ギャップが小さい図35
(a)、すなわちg=g0における磁束94a,97a
の磁路長をL0 として、ギャップが大きい図35
(b)、すなわちg=g1 における磁束94b,97b
の磁路長をL1 とすると、L0 ≒g0 であり、かつL1
≒g1 である。
0に示した様に、磁束が吸引磁石21の磁極に回り込ん
で入るのでギャップ長gが小さいほど磁路長とギャップ
長の差が大きくなる。つまり、ギャップが小さい図10
(a)、すなわちg=g0 における磁束81a,82a
の磁路長をL0 ’として、ギャップが大きい図10
(b)、すなわちg=g1 における磁束81b,82b
の磁路長をL1 ’とすると、図10(a)からL0 ’>
>g0 であり、図10(b)からL1 ’≒g1 かつL
1 ’>glである。よって、L0 ’>>L0 であり、L
1 ’≠L1 かつL1 ’>L1 が成り立つ。
プ中の磁束の磁路長Lであり、縦軸は浮上部に働く上向
きの吸引力Fzである。曲線4は図35に示した従来の
磁気支持機構の、曲線5は図10に示した本実施例によ
る浮上部側に磁石を設けた磁気支持機構の、それぞれ特
性曲線である。従来に比べて本実施例では、まず、浮上
部の第二の磁気手段を従来の軟磁性体から永久磁石に変
更したことにより、起磁力が向上するので特性曲線は従
来の曲線4から曲線5のように変化する。つぎに、(L
0 ’>>L0 ≒g0 )より、図11に示した様にF0’
<F0、すなわち最小ギャップ長g0 における吸引力を
小さくできる。さらに、L1 ’≒L1 (≒g1 )より、
図11に示した様にF1’>F1、すなわち最大ギャッ
プ長g1における吸引力を大きくできる。
0’/F1’)となり、本実施例によると、吸引力の
比、すなわちギャップ依存性を小さくできることが分か
る。またそれに伴い、吸引力の非線型性も小さくなるの
で、剛性の変化も小さくできることが分かる。
す。表2は、図10に示した本実施例と、図35に示し
た従来例の、それぞれの構成に基づいて設計した装置に
ついて、最小ギャップ長g0 と最大ギャップ長g1 とに
おける吸引力と、両吸引力の比をまとめた表である。
比べて、最小ギャップ長g0 における吸引力が小さくな
って、最大ギャップ長g1 における吸引力が大きくなっ
ているため、ギャップ依存性が小さいことが分かる。こ
の理由は、上に説明した作用によるものである。
示した様に、浮上部2の吸引磁石21の幅W2と固定部
1の吸引磁石11と12の幅W1とを変えることによ
り、後述する効果が得られる。図12と図13は、その
ことを説明する図であり、図12はW2をW1よりも短
くした場合であり、図13はW2をW1よりも長くした
場合である。また図12(a)と図13(a)はギャッ
プ長g=g0 の小さい場合であり、図12(b)と図1
3(b)はギャップ長g=g1 の大きい場合である。こ
のとき、図13に示したW2>W1の方が、図12に示
したW2<W1よりも、吸引力のギャップ依存性を小さ
くできる。一方で、図12に示したW2<W1の方が、
図13に示したW2>W1よりも、吸引力を大きくでき
て、かつ明らかに磁石寸法を小さくできて、さらにこの
ことから吸引磁石21近傍の漏れ磁束を少なくできるメ
リットがある。吸引力に関するこれらの理由は、次に示
す作用によるものである。すなわち、W2<W1である
図12においては、ギャップ長gが小さいg=g0 の図
12(a)におけるギャップ中の磁束71aあるいは7
2aの磁路長と、ギャップ長gが大きいg=g1 の図1
2(b)におけるギャップ中の磁束71bあるいは72
bの磁路長との差をΔL4として、W2>W1である図
13においては、ギャップ長gが小さいg=g0 の図1
3(a)におけるギャップ中の磁束73aあるいは74
aの磁路長と、ギャップ長gが大きいg=g1 の図13
(b)におけるギャップ中の磁束73bあるいは74b
の磁路長との差をΔL5とすると、ΔL4>ΔL5とな
る。このことから図13に示したW2>W1の方が、図
12に示したW2<W1よりも、吸引力のギャップ依存
性を小さくできるのである。また、同じギャップ長gで
両者のギャップ中の磁束の磁路長を比べると、図12に
示したW2<W1の磁路長の方が、図13に示したW2
>W1の磁路長よりも常に短いことから、図12の方が
図13よりも吸引力を大きくできるのである。また図1
2と図13に示したW2≠W1の場合には、図10に示
したW2=W1の場合に比べて、組立て誤差が浮上装置
の性能、例えば磁気浮上力や横方向の剛性に及ぼす影響
を小さくできるメリットもある。
の磁石の各磁極に対しては、前記第一の磁気手段の近接
するただ一つの磁極との間に働く磁気力が支配的であ
る。すなわち図10において、磁極21Sに対しては磁
極11Nとの間に、磁極21Nに対しては磁極12Sと
の間に、それぞれ働く磁気力が支配的であり、例えば磁
極21Sと磁極12Sとの間には殆ど磁気力が働かな
い。このことにより、ストローク全般にわたって安定的
な吸引力が得られ、なおかつ剛性の変化が小さくでき
る。
固定部1と浮上部2の配置を鉛直方向zに関して逆さに
して、図14に示すように吸引磁石21を有する方を固
定部1、他方を浮上部2としても全く同じように磁気支
持機構として作用する。すなわち固定部に設置されてい
る吸引磁石と、浮上部に設置されている吸引磁石のそれ
ぞれの磁化の方向が直交していることが重要で、ギャッ
プの変化にしたがってギャップ中の磁束の磁路長の変化
が小さくなる作用が得られるように構成されていること
が、本例の構成において本質的なのである。
して、一対の磁石と軟磁性体からなる構成だけでなく、
図15に示した様に、単一の磁石14である構成として
も構わない。この場合でもギャップの変化に対して、ギ
ャップ中の磁束の磁路長の変化が小さくなる作用が得ら
れるように、磁極が配置されていればよい。
る磁気支持機構を示す正面図である。11および12は
永久磁石からなる吸引磁石であり、磁化の方向が図中に
示したように互いに逆向きになるように設定されてい
る。13は永久磁石からなる補極であり、磁化の方向が
図中に示した向きになるように、吸引磁石11,12の
背面に固着されている。21は永久磁石からなる吸引磁
石であり、磁化の方向が図中に示した向きになるように
設定されている。固定部1は、吸引磁石11,12と補
極13から第一の磁気手段を、浮上部2は、吸引磁石2
1から第二の磁気手段を、それぞれ構成する。図16
(a)は、ギャップが小さい時の固定部1の吸引磁石1
1、12と浮上部2の吸引磁石21の位置関係を示す正
面図であり、図16(b)は、ギャップが大きい時の位
置関係を示す正面図である。図16に示した機構におい
て、吸引磁石11,12と吸引磁石21の間に構成され
る磁気回路により、固定部1と浮上部2の間に磁気的な
吸引力が発生し、浮上部2が固定部1に吸引される。具
体的には、吸引磁石11のN極11Nから出た磁束51
aあるいは51bが浮上部2の吸引磁石21のS極21
Sに入り、吸引磁石21を経て、N極21Nから出た磁
束52aあるいは52bが吸引磁石12のS極12Sに
入り、補極13を通って、もとの吸引磁石11に戻る磁
気回路が構成される。
たことによる本実施例の効果を上記表2に示す。同表か
ら、本実施例による装置は、まず従来例に比べて、最小
ギャップ長g0 における吸引力を小さくできて、かつ最
大ギャップ長g1 における吸引力を大きくできる作用に
より、吸引力の比、すなわちギャップ依存性を小さくで
きることが分かる。この理由は、第五実施例のところで
述べた作用によるものである。このことから、第五実施
例以外の構成でも、本発明の効果が得られることが分か
る。
五実施例に比べて、補極13により起磁力が向上したこ
とにより、最小ギャップ長g0 と最大ギャップ長g1 と
における吸引力が大きくなり、かつ最大ギャップ長g1
における吸引力の増加の程度の方がより大きいことで、
吸引力の比、すなわちギャップ依存性が小さいことが分
かる。
て、起磁力が向上したことから、同程度の吸引力を発生
させるためには、第五実施例よりも吸引磁石11,12
の厚さを薄くできる、すなわち装置の高さを低くできる
特徴を有することが分かる。
る磁気支持機構を示す正面図である。31および32は
永久磁石からなる反撥磁石であり、磁化の方向が図中に
示したように互いに逆向きになるように設定されてい
る。22は永久磁石からなる反撥磁石であり、磁化の方
向が図中に示した向きになるように設定されている。1
0は磁性体からなるバックヨークであり、反撥磁石3
1,32の背面に固着されていて、磁束が飽和しない程
度の厚さをもつ。1は固定部であり、反撥磁石31,3
2とバックヨーク10から第一の磁気手段を、2は浮上
部であり、反撥磁石22から第二の磁気手段を、それぞ
れ構成する。図17(a)は、ギャップが小さい時の固
定部1の反撥磁石31,32と浮上部2の反撥磁石22
の位置関係を示す正面図であり、図17(b)は、ギャ
ップが大きい時の位置関係を示す正面図である。図17
に示した機構において、反撥磁石31,32と反撥磁石
22の間に構成される磁気回路により、固定部1と浮上
部2の間に磁気的な反撥力が働き、浮上部2が固定部1
に反撥され、浮上する。具体的には、反撥磁石31のN
極31Nから出た磁束61aあるいは61bが、ギャッ
プ中を経て、反撥磁石32のS極32Sに入り、バック
ヨーク10を通ってもとの反撥磁石31に戻る磁気回路
C1と、浮上部2の反撥磁石22のN極22Nから出た
磁束62aあるいは62bが、ギャップ中を経て、S極
22Sに入る磁気回路C2とが構成される。
ら、本実施例による装置は、従来例に比べて、最小ギャ
ップ長g0 における浮上力を小さくできて、かつ最大ギ
ャップ長g1 における浮上力を大きくできることによ
り、浮上力の比、すなわちギャップ依存性を小さくでき
ることが分かる。このことから、第五実施例以外の構成
でも、本実施例の効果が得られることが分かる。
る磁気支持機構を示す正面図である。11および22は
永久磁石からなる吸引磁石であり、磁化の向きが図中に
示したように互いに逆向きになるように設定されてい
る。10と20は磁性体からなるヨークであり、吸引磁
石11あるいは吸引磁石22にそれぞれ固着され、いず
れも磁束が飽和しない程度の厚さをもつ。1は固定部で
あり、吸引磁石11とヨーク10から第一の磁気手段
を、2は浮上部であり、吸引磁石22とヨーク20から
第二の磁気手段を、それぞれ構成する。
定部1の吸引磁石11と浮上部2の吸引磁石22の位置
関係を示す正面図であり、図18(b)は、ギャップが
大きい時の位置関係を示す正面図である。
り、固定部1と浮上部2の間に磁気的な吸引力が働き、
浮上部2が固定部1に吸引され、浮上する。具体的に
は、吸引磁石11のN極11Nから出た磁束31a〜3
3aあるいは31b〜33bが浮上部2のヨーク20上
に誘起される磁極20Saあるいは磁極20Sbに入
り、ヨーク20を通って、吸引磁石22のS極22Sか
ら吸引磁石22を経て、N極22Nから出た磁束34a
〜36aあるいは34b〜36bがヨーク10上に誘起
される磁極10Saあるいは磁極10Sbに入り、ヨー
ク10を通って、吸引磁石11のS極11Sを経て、も
との吸引磁石11に戻る磁気回路が構成される。
て説明を行なう。先に説明したように図33は、図32
に示した従来の磁気支持機構において、固定部からの距
離が離れれば磁気的な吸引力40は急激に減少すること
を示している。その物理的理由は第5実施例において図
35を用いて説明した通りである。すなわち、浮上部が
固定部から離れるにしたがって、先に従来例のところで
述べた磁気回路において、浮上部2を経由しない磁束す
なわち吸引力に寄与しない漏れ磁束91b〜92bが増
え、かつギャップ中の磁束93b〜95b、96b〜9
8bが広がるという二つの理由により、ギャップ中の磁
束密度が低下するために吸引力40が急激に減少している
のである。
が小さい図18(a)においては、従来例と同様に漏れ
磁束は殆どなく、ギャップ長gが大きい図18(b)に
おいても、近接する吸引磁石11のN極11Nと吸引磁
石22のN極22Nは同極であることから、これらの磁
極間において吸引力に寄与しない漏れ磁束は生じない。
ップ中の磁束密度の低下を抑制することができて、吸引
力の比、すなわちギャップ依存性を小さくできることが
分かる。本実施例による効果を表3に示す。表3は、図
18に示した本実施例と、図32に示した従来例の、そ
れぞれの構成に基づいて設計した装置について、最小ギ
ャップ長g0 と最大ギャップ長g1 とにおける吸引力
と、その両吸引力の比F(g0 )/F(g1 )をまとめ
た表である。なお本発明の構成に基づく装置の磁石の対
向面積と、同表中の従来例による装置における対向面積
とは等しくなるように設定してある。
比べて、最小ギャップ長g0 における吸引力は同程度
で、かつ最大ギャップ長g1 における吸引力が大きくな
っているため、ギャップ依存性が小さいことが分かる。
この理由は、上に説明した作用によるものである。
きるため、従来例に比べて、二つの吸引磁石間の横方向
の距離を小さくできることから、装置の横幅を小さくで
きるという特徴を有する。
磁気手段として、両方に磁石を備えた構成だけでなく、
例えば図19に示した様に、固定部1は単一の磁石12
からなり、浮上部2は磁性体であるヨーク20からなる
構成としても構わない。すなわちギャップの変化に伴っ
た漏れ磁束の増加を抑制する作用が得られるように、磁
極が配置されていることが本質的なのである。
磁気支持機構の正面図を示すものである。11、12、
21および22は永久磁石からなる吸引磁石である。図
中に示した様に、吸引磁石11と21は磁化の向きが同
じ方向になるように、吸引磁石12と22は磁化の向き
が、それらとは反対向きになるように、それぞれ設定し
てある。10と20は磁性体からなるヨークであって、
吸引磁石11,12あるいは吸引磁石21,22にそれ
ぞれ固着され、いずれも磁束が飽和しない程度の厚さを
もつ。固定部1は、吸引磁石11,12とヨーク10か
ら第一の磁気手段を、浮上部2は、吸引磁石21,22
とヨーク20から第二の磁気手段を、それぞれ構成す
る。
部1の吸引磁石11,12と浮上部2の吸引磁石21,
22の位置関係を示す正面図で、図20(b)はギャッ
プが大きい時の位置関係を示ず正面図である。
用いて説明した磁気回路と同等の磁気回路が、吸引磁石
11,12と吸引磁石21,22のあいだで形成され、
この磁気回路により固定部1と浮上部2の間に磁気的な
吸引力が発生し、浮上部2が固定部1に吸引され、浮上
する。具体的には、固定部1の吸引磁石11のN極11
Nから出た磁束51a〜53aあるいは51b〜53b
が吸引磁石11と対向する浮上部2の吸引磁石21のS
極21Sから吸引磁石21に入り、吸引磁石21を経
て、N極21Nから、ヨーク20を経て、浮上部2の吸
引磁石22のS極22Sから吸引磁石22に入り、吸引
磁石22を経て、N極22Nから出た磁束54a〜56
aあるいは54b〜56bが対向する固定部1の吸引磁
石12のS極12Sから吸引磁石12に入り、この吸引
磁石12を経て、N極12Nから、ヨーク10を経て、
11に戻る磁気回路が構成される。
第八実施例において説明したのと同様に、ギャップ長g
が小さい図20(a)においては、従来例と同様に漏れ
磁束は殆どなく、ギャップ長gが大きい図20(b)に
おいても、近接する吸引磁石11のN極11Nと吸引磁
石22のN極22Nとは同極であることから、磁気回路
における、従来生じていたギャップ中の磁極間の漏れ磁
束を抑制することができるので、従来例に比べて大きな
吸引力が得られる。
3は、図20に示した本発明の構成に基づいて設計した
装置について、最小ギャップ長g0 と最大ギャップ長g
1 とにおける吸引力と、両吸引力の比F(g0 )/F
(g1 )をまとめている。なお本実施例による装置の磁
石の対向面積は、同表中の従来例、および第八実施例の
構成に基づく装置における対向面積と等しくなるように
設定してある。同表から、本実施例による装置は従来例
に比べて、最大ギャップ長g1 における吸引力がより大
きくなっているため、ギャップ依存性が小さくなってい
ることが分かる。この理由は、上に説明した作用による
ものである。このことから、第八実施例以外の構成で
も、本発明の効果が得られることが分かる。
の起磁力を有する場合にも、第八実施例よりも大きい吸
引力を得られる特徴を有する。なぜならば、第八実施例
においては磁束31a〜33a,34a〜36aあるい
は磁束31b〜33b,34b〜36bが大きく広がるこ
とによりギャップ中の磁束密度が低下するのに対して、
第九実施例においては磁石を対向させていることによ
り、磁束51a〜53a,54a〜56aあるいは磁束
51b〜53b,54b〜56bが第八実施例ほど広が
らないので、磁束密度の低下を第八実施例よりも小さく
抑えることができるからである。
きいので、ギャップ依存性を改善する効果がある。第九
実施例のギャップ依存性が、第八実施例と比べても小さ
くなっている理由は、このためである。
磁気支持機構の正面図を示すものである。11、12お
よび22は永久磁石からなる吸引磁石である。図中に示
した様に、吸引磁石11と12は磁化の向きが同じ方向
になるように、吸引磁石22は磁化の向きが、それらと
は反対向きになるように、それぞれ設定してある。10
と20は磁性体からなるヨークであって、吸引磁石11
および12、または吸引磁石22にそれぞれ固着され、
いずれも磁束が飽和しない程度の厚さをもつ。
10から第一の磁気手段を、浮上部2は、吸引磁石22
とヨーク20から第二の磁気手段を、それぞれ構成して
いる。
定部1の吸引磁石11、12と浮上部2の吸引磁石22
の位置関係を示す正面図で、図21(b)は、ギャップ
が大きい時の位置関係を示す正面図である。
用いて説明した磁気回路と同等の、吸引磁石11と22
のあいだで形成される磁気回路C1と、吸引磁石12と
22により形成される磁気回路C2の二つがあり、これ
ら二つの磁気回路により固定部1と浮上部2の間に磁気
的な吸引力が発生し、浮上部2が固定部1に吸引され
る。具体的には、吸引磁石11のN極11Nから出た磁
束が吸引磁石11と対向する浮上部2のヨーク20を経
て、吸引磁石22のS極22Sに入り、吸引磁石22を
経て、N極22Nから出た磁束がヨーク10を通って吸
引磁石11に戻る磁気回路C1と、吸引磁石12のN極
12Nから出た磁束が吸引磁石12と対向する浮上部2
のヨーク20を経て、吸引磁石22のS極22Sに入
り、吸引磁石22を経て、N極22Nから出た磁束がヨ
ーク10を通って吸引磁石12に戻る磁気回路C2とが
構成される。
第八実施例において説明したのと同様に、ギャップ長g
が小さい図21(a)においては、従来例と同様に漏れ
磁束は殆どなく、ギャップ長gが大きい図21(b)に
おいても、近接する吸引磁石11のN極11Nと吸引磁
石22のN極22N、あるいは磁極12Nと22Nは同
極であることから、磁気回路C1,C2における、従来
生じていたギャップ中の磁極間の漏れ磁束を抑制するこ
とができるので、従来例に比べて大きな吸引力が得られ
る。
3は、図21に示した本実施例と、図32に示した従来
例の、それぞれの構成に基づいて設計した装置につい
て、最小ギャップ長g0 と最大ギャップ長g1 における
吸引力と、両吸引力の比F(g 0 )/F(g1 )をまと
めた表である。なお本実施例による装置の磁石の対向面
積は、同表中の従来例、および第八実施例の構成に基づ
く装置における対向面積と等しくなるように設定してあ
る。同表から、本実施例による装置は従来例に比べて、
最小ギャップ長g0 における吸引力が小さくなってい
て、かつ最大ギャップ長g1 における吸引力が大きくな
っているため、ギャップ依存性が小さくなっていること
が分かる。この理由は、上に説明した作用によるもので
ある。
も、本発明の効果が得られることが分かる。さらに第十
実施例は、第八実施例と比較して、同程度の吸引力を発
生させるためには、第八実施例よりもヨーク厚を薄くで
きる、すなわち装置の高さを低くできる特徴を有する。
路が一つであるのに対し、第十実施例においては磁気回
路が二つ(複数)であることにより、両実施例において
同程度の吸引力を発生させるためには、第十実施例では
一つ当たりの磁気回路中の磁束密度を第八実施例よりも
小さく抑えることができることにより、磁束が飽和しな
い程度にヨークの厚さを薄くできるからである。さらに
このことから、両実施例においてヨークの厚さ、すなわ
ち装置の高さが同じ程度であれば、第八実施例よりも第
十実施例の方が吸引力を大きくできることが分かる。
による軸対称構成の磁気支持機構を示す。図22(a)
は構成を分かりやすくするためにモデルの一部を切り取
ってある俯瞰図であり、図22(b)は軸断面図であ
る。11および22は永久磁石からなる吸引磁石であ
り、磁化の向きが図中に示したように互いに逆向きにな
るように設定されている。10と20は磁性体からなる
ヨークであって、吸引磁石11あるいは吸引磁石22に
固着されていて、いずれも磁束が飽和しない程度の厚さ
をもつ。固定部1は、吸引磁石11とヨーク10から第
一の磁気手段を、浮上部2は、吸引磁石22とヨーク2
0から第二の磁気手段を、それぞれ構成する。
用いて説明した磁気回路と同等の磁気回路が、吸引磁石
11と22の間で、z軸周りに軸対称に構成される。軸
対称をなすこれらの磁気回路により、固定部1と浮上部
2の間に磁気的な吸引力が発生し、浮上部2が固定部1
に吸引される。具体的には、吸引磁石11のN極11N
から出た磁束が浮上部2のヨーク20上に誘起される磁
極20Sに入り、ヨーク20を通って、吸引磁石22の
S極22Sから22を経て、N極22Nから出た磁束が
ヨーク10上に誘起される磁極10Sに入り、ヨーク1
0を通って、吸引磁石11のS極11Sを経て、もとの
吸引磁石11に戻る磁気回路が構成される。
施例において説明したように、ギヤップ長gが大きい場
合に、従来生じていた漏れ磁束を抑制することができる
ので、従来例に比べて大きな吸引力が得られる。
3は、図22に示した本実施例と、図32に示した従来
例の、それぞれの構成に基づいて設計した装置につい
て、最小ギャップ長g0 と最大ギャップ長g1 とにおけ
る吸引力と、両吸引力F(g0)/F(g1 )の比をま
とめた表である。なお本実施例による装置の磁石の対向
面積は、同表中の従来例、および第八実施例の構成に基
づく装置における対向面積とほぼ等しくなるように設定
してある。同表から、本発明による装置は、従来例に比
べて、最大ギャップ長g1 における浮上力をより大きく
できることにより、浮上力の比、すなわちギャップ依存
性を小さくできることが分かる。この理由は、上に示し
た作用によるものである。
第十実施例以外の構成でも、本発明の効果が得られるこ
とが分かる。さらに、図22に示した軸対称構成の場合
においては、ギャップが大きくなっても、吸引磁石11
が軸対称形状であることにより、図22(b)に示した
断面に対して奥行き方向への磁束の広がりはない。すな
わち図22に示した軸対称構成では、矩形構成に比べ
て、ギャップ中の磁束の広がりが少ないので、より大き
い吸引力を得ることができる。
による磁気支持機構を示す正面図である。11および1
2は永久磁石からなる吸引磁石であり、磁化の方向が図
中に示したように互いに逆向きになるように設定されて
いる。23は永久磁石からなる補極であり、磁化の方向
が図中に示した向きになるように設定されている。10
は磁性体からなるバックヨークであり、吸引磁石11,
12の背面に固着されている。201および202は磁
性体からなるヨークであり、補極23に固着されてい
て、いずれも磁束が飽和しない程度の厚さをもつ。1は
固定部であり、吸引磁石11、12とバックヨーク10
から第一の磁気手段を、2は浮上部であり、補極23と
ヨーク201、202から第二の磁気手段を、それぞれ
構成する。
なわちg=g0 における固定部1の吸引磁石11,12
と浮上部2の補極23およびヨーク201,202の位
置関係を示す正面図であり、図23(b)は、ギャップ
が大きい時、すなわちg=g 1 における両者の位置関係
を示す正面図である。図示した機構において構成される
磁気回路により、固定部1と浮上部2の間に磁気的な吸
引力が働き、浮上部2が固定部1に吸引され、浮上す
る。具体的には、吸引磁石11のN極11Nから出た磁
束81a〜83aあるいは81b〜83bが浮上部2の
ヨーク201のS極201Saあるいは201Sbから
入って、ヨーク201を通って、補極23のS極23S
から入って、補極23を経て、N極23Nから出て、ヨ
ーク202を通って、該ヨーク202のN極202Na
あるいは202Nbから出た磁束84a〜86aあるい
は84b〜86bが吸引磁石12のS極12Sに入り、
バックヨーク10を通ってもとの吸引磁石11に戻る磁
気回路が構成される。但し、87bおよび88bは漏れ
磁束であり、吸引力には寄与しない。
て、従来のものと比較しながら、次に示す。先に図32
に示した従来の磁気支持機構においては、ギャップ長の
変化に対するギャップ中の磁束密度の変化が大きく、そ
れに伴い、吸引力のギャップ依存性が大きくなる。図3
5により、このことを説明する。なお、図35における
各部材および磁気回路の基本構成については、実施例5
で説明した通りであるので省略する。
時、すなわちg=g0 におけるヨーク20の表面上に誘
起されたN極20NaあるいはS極20Saの面積をS
0として、ギャップが大きい図35(b)、すなわちg
=g1 におけるヨーク20の表面上に誘起されたN極2
0NbあるいはS極20Sbの面積をS1とすると、図
示したようにギャップが大きいほど磁束が広がるので、
S0<S1である。さらに、ギャップが大きいほど吸引
力には寄与しない漏れ磁束91b,92bが増える。よ
ってギャップ長の変化に対するギャップ中の磁束密度の
変化が大きく、それに伴い、ギャップ依存性も大きい。
ップ長gの変化に対するギャツプ中の磁束密度の変化が
小さく、それに伴い、吸引力のギャップ依存性も小さい
ことを説明する。ギャップが小さい図23(a)、すな
わちg=g0 における、ヨーク201の表面上に誘起さ
れたN極201Naあるいはヨーク202の表面上に誘
起されたS極202Saの面積をS0’として、ギャッ
プが大きい図23(b)、すなわちg=g1 における、
ヨーク201の表面上に誘起されたN極201Nbある
いはヨーク202の表面上に誘起されたS極202Sb
の面積をS1’とすると補極23を設けたことにより誘
起される磁極の範囲が制限されるので、S0’≒S1’
が成り立つ。さらに補極23が作る磁界によりギャップ
中に生じる補極23のS極23SからN極23Nに向か
う不図示の磁束の向きは漏れ磁束87b,88bと逆向
きであるので、これら吸引力には寄与しない漏れ磁束8
7b,88bを弱める作用がある。よってギャップ中の
磁束密度のギャップ依存性が小さくなるので吸引力のギ
ャップ依存性も小さくなる。またこれに伴い、吸引力の
非線型性も小さくなるので剛性の変化も小さくできるこ
とが分かる。
は、図23に示した本実施例と、図35に示した従来例
の、それぞれの構成に基づいて設計した装置について、
最小ギャップ長g0 と最大ギャップ長g1 とにおける吸
引力と、両吸引力の比F(g0)/F(g1 )をまとめ
た表である。なお従来例による装置の固定部と浮上部の
幅は揃えていて、かつ第十二実施例による装置における
幅とも等しくなるように設定してある。
比べて、最小ギャップ長g0 における吸引力と最大ギャ
ップ長g1 における吸引力の両方とも大きくなっている
が、特に最大ギャップ長における吸引力の増加が大きい
ため、ギャップ依存性が小さくなっていることが分か
る。この理由は、上に説明した作用によるものである。
部1と浮上部2の配置を鉛直方向zに関して逆さにし
て、図24に示した様に、補極23を有する方を固定部
1、他方を浮上部2としても全く同じように磁気支持機
構として作用する。すなわち、ヨーク201,202上
に誘起される磁極面積のギャップ依存性と、吸引力に寄
与しない漏れ磁束のギャップ依存性とを小さくする作用
が得られるように構成されていることが、本実施例にお
いて本質的なのである。
して、一対の磁石と軟磁性体からなる構成だけでなく、
図25に示した様に、単一の磁石14である構成として
も構わない。この場合もヨーク201,202上に誘起
される磁極面積と、吸引力に寄与しない漏れ磁束の、ギ
ャップ依存性をいずれも小さくする作用が得られるよう
に構成されていればよい。
による磁気支持機構を示す正面図である。11および1
2は永久磁石からなる吸引磁石であり、磁化の方向が図
中に示したように互いに逆向きになるように設定されて
いる。13および23は永久磁石からなる補極であり、
磁化の方向が図中に示したように吸引磁石11,12の
磁化の方向と直交するように設定されている。101お
よび102は磁性体からなるヨークであり、飽和しない
程度の厚味を持たせていて、補極13と共に吸引磁石1
1,12の背面に固着されている。201および202
は磁性体からなるヨークであり、飽和しない程度の厚味
を持たせていて、補極23に固着されている。固定部1
は、吸引磁石11,12と補極13とヨーク101,1
02から第一の磁気手段を、浮上部2は、補極23とヨ
ーク201,202から第二の磁気手段を、それぞれ構
成する。図26(a)は、ギャップが小さい時の固定部
1の吸引磁石11,12と浮上部2の補極23およびヨ
ーク201,202の位置関係を示す正面図であり、図
26(b)は、ギャップが大きい時の両者の位置関係を
示す正面図である。図26に示した機構において構成さ
れる磁気回路により、固定部1と浮上部2の間に磁気的
な吸引力が発生し、浮上部2が固定部1に吸引され、浮
上する。具体的には、固定部1の吸引磁石11のN極1
1Nから出た磁束51a〜53aあるいは51b〜53
bが浮上部2のヨーク201のS極201Saあるいは
201Sbから入って、ヨーク201を通って、補極2
3のS極23Sから入って、補極23を経て、N極23
Nから出て、ヨーク202を通って、202のN極20
2Naあるいは202Nbから出た磁束54a〜56a
あるいは54b〜56bが吸引磁石12のS極12Sに
入って、吸引磁石12を経て、N極12Nから出て、ヨ
ーク102を通って、補極13を経て、ヨーク101を
通って、もとの吸引磁石11に戻る磁気回路が構成され
る。ここで、57bおよび58bは漏れ磁束であり、吸
引力には寄与しない。
変更したことによる本実施例の効果を表4に示す。なお
本実施例による装置の固定部1と浮上部2の幅は、第十
二実施例による装置における幅、すなわち従来例による
装置の幅と等しくなるように設定している。同表から、
本実施例による装置は、従来例に比べて、最小ギャップ
長g0 における吸引力と、最大ギャップ長g1 における
吸引力の両方とも大きくなっているが、特に最大ギャッ
プ長g1 における吸引力の増加が大きいため、ギャップ
依存性が小さくなっていることが分かる。この理由は、
第十二実施例のところで述べた作用によるものである。
またそれに伴い、吸引力の非線型性も小さくなるので、
剛性の変化も小さくできることが分かる。このことか
ら、第十二実施例以外の構成でも、本発明の効果が得ら
れることが分かる。
による磁気支持機構を示す正面図である。11,12お
よび21,22は永久磁石からなる吸引磁石であり、そ
れぞれ磁化の方向が図中に示したように互いに逆向きに
なるように設定されている。23は永久磁石からなる補
極であり、磁化の方向が図中に示したように吸引磁石と
垂直な向きになるように設定されている。10は磁性体
からなるバックヨークであり、吸引磁石11,12の背
面に固着されていて、磁束が飽和しない程度の厚さをも
つ。1は固定部であり、吸引磁石11,12とバックヨ
ーク10から第一の磁気手段を、2は浮上部であり、補
極23と吸引磁石21,22から第二の磁気手段を、そ
れぞれ構成する。図27(a)は、ギャップが小さい時
の固定部1の吸引磁石11,12と浮上部2の補極23
および吸引磁石21,22の位置関係を示す正面図であ
り、図27(b)は、ギャップが大きい時の位置関係を
示す正面図である。図27に示した機構において、吸引
磁石11,12と補極23および吸引磁石21,22の
あいだに構成される磁気回路により、固定部1と浮上部
2の間に磁気的な吸引力が働き、浮上部2が固定部1に
吸引され、浮上する。具体的には、吸引磁石11のN極
11Nから出た磁束が、ギャップを経て、吸引磁石21
のS極21Sに入り、補極23を通って、吸引磁石22
のN極22Nから出た磁束が、ギャップを経て、吸引磁
石12のS極12Sに入り、バックヨーク10を通って
もとの吸引磁石11に戻る磁気回路が構成される。
例による装置の固定部1と浮上部2の幅は、第十二実施
例による装置における幅、すなわち従来例による装置の
幅と等しくなるように設定している。同表から、本実施
例による装置は、従来例に比べて、最小ギャップ長g0
における吸引力と、最大ギャップ長g1 における吸引力
の両方とも大きくなっているが、特に最大ギャップ長g
1 における吸引力の増加が大きいため、ギャップ依存性
が小さくなっていることが分かる。またそれに伴い、吸
引力の非線型性も小さくなるので、剛性の変化も小さく
できることが分かる。
も、本発明の効果が得られることが分かる。また本実施
例によれば、第十二実施例あるいは第十三実施例におけ
る浮上部の軟磁性体を、磁石に変更したことにより起磁
力が向上するので、表4にも示されるように、第十二実
施例あるいは第十三実施例と比べて、より大きな吸引力
を得ることができる。
による磁気支持機構を示す正面図である。11および2
1は永久磁石からなる吸引磁石であり、磁化の方向が図
中に示したように互いに逆向きになるように設定されて
いる。固定部1は、吸引磁石11から第一の磁気手段
を、浮上部2は、吸引磁石21から第二の磁気手段を、
それぞれ構成する。図28(a)は、ギャップが小さい
時の固定部1の吸引磁石11と浮上部2の吸引磁石21
の位置関係を示す正面図であり、図28(b)は、ギャ
ップが大きい時の位置関係を示す正面図である。図示し
た機構において、構成される磁気回路により固定部1と
浮上部2の間に磁気的な吸引力が働き、浮上部2が固定
部1に吸引される。具体的には、吸引磁石11のN極1
1Nから出た磁束81aあるいは81bが浮上部2の吸
引磁石21のS極21Sに入り、吸引磁石21を経て、
N極21Nから出た磁束82aあるいは82bが吸引磁
石11のS極11Sに入って、もとの吸引磁石11に戻
る磁気回路が構成される。
詳細な説明を行なう。第5実施例で述べたように、図3
2に示した従来の磁気支持機構においては、固定部1の
磁極11N,12Sに対向するヨーク20上の箇所に磁
極が誘起されるので、ギャップ中の磁束の磁路長とギャ
ップ長がほぼ等しくなる。第5実施例で述べたのと同様
に従来の装置においては、ギャップが小さい図35
(a)、すなわちg=g0 における磁束94a、97a
の磁路長をL0 、吸引力をF0として、ギヤップが大き
い図35(b)、すなわちg=g1 における磁束94
b、97bの磁路長をL1 、吸引力をF1とするとL0
≒g0 、かつL1≒g1 であるので、L1 −L0 ≒Δg
(=g1 −g0 )である。またギャップ依存性は(F0
/F1)で表わされる。
8に示した様に、ギャップ長gにかかわらず、磁路長と
ギャップ長の差はほぼ一定である。つまり、ギャップが
小さい図28(a)、すなわちg=g0 における磁束8
1a,82aの磁路長をL0’、吸引力をF0’とし
て、ギャップが大きい図28(b)、すなわちg=g1
における磁束81b,82bの磁路長をL1 ’、吸引力
をF1’とすると、図28(a)と図28(b)から、
L1 ’−L0 ’≒Δg(=g1 −g0 )が成り立つ。
+Δg)/L0 ’<(L0 +Δg)/L0 であるので、
すなわち(L1 ’/L0 ’)<(L1 /L0 )が成り立
つ。つまり、従来に比べて本発明では、ギャップの変化
に対する、磁路長の変化は小さくなるので、吸引力のギ
ャップ依存性が小さくなる作用、すなわち(F0’/F
1’)<(F0/F1)となる作用が働く。また、図2
8と図35からL0 ’>L0 なので、最小ギャップ長に
おける吸引力は小さくなる、すなわちF’0<F0とな
る作用が働く。
つれて増えていた漏れ磁束を、本実施例では抑制できる
ことを、図28と図35を用いて、次に説明する。従来
においては図35に示したように、固定部1の磁極11
Nと12Sが浮上部2の磁気手段に面していたことによ
り、ギャップ長が大きくなるにつれて、11Nと12S
間の磁気抵抗が、磁極11Nと20Sb間の磁気抵抗、
あるいは磁極12Sと20Nb間の磁気抵抗に比べて相
対的に小さくなって、漏れ磁束91b,92bが増えて
いた。これに対して、本実施例では、固定部の磁極11
Nと11Sの位置が真反対であることにより、11Nと
11S間の磁気抵抗が大きいので、ギャップ長が大きく
なっても、従来に比べて漏れ磁束は大きく増えない。つ
まり、最大ギャップ長における吸引力は大きくなる、す
なわちF1’>F1となる作用が働く。
(F0/F1)となり、本発明では、吸引力の比、すな
わちギャップ依存性を小さくできることが分かる。また
それに伴い、吸引力の非線型性も小さくなるので、剛性
の変化も小さくできることが分かる。
す。表5は、図28に示した本発明と、図35に示した
従来例の、それぞれの構成に基づいて設計した装置につ
いて、最小ギャップ長g0 と最大ギャップ長g1 とにお
ける吸引力と、両吸引力の比F(g0 )/F(g1 )を
まとめた表である。なお従来例による装置の固定部と浮
上部の幅は揃えていて、かつ第十五実施例による装置に
おける幅とも等しくなるように設定してある。
比べて、最小ギヤップ長g0 における吸引力が小さくな
って、最大ギャップ長g1 における吸引力が大きくなっ
ているため、ギャップ依存性が小さいことが分かる。こ
の理由は、上に説明した作用によるものである。
段の磁石の各磁極に対しては、前記第一の磁気手段の近
接するただ一つの磁極との間に働く磁気力が支配的であ
る。すなわち図28において、磁極21Sに対しては磁
極11Nとの間に、磁極21Nに対しては磁極11Sと
の間に、それぞれ働く磁気力が支配的であり、例えば磁
極21Sと磁極11Sとの間には殆ど磁気力が働かな
い。このことにより、ストローク全般にわたって安定的
な吸引力が得られ、なおかつ剛性の変化が小さくでき
る。
による磁気支持機構を示す正面図である。11および2
1は長さの異なる永久磁石からなる吸引磁石であり、磁
化の方向が図中に示したように互いに逆向きになるよう
に設定されている。固定部1は、吸引磁石11から第一
の磁気手段を、浮上部2は、吸引磁石21から第二の磁
気手段を、それぞれ構成する。図29(a)は、ギャッ
プが小さい時の固定部1の吸引磁石11と浮上部2の吸
引磁石21の位置関係を示す正面図であり、図29
(b)は、ギャップが大きい時の位置関係を示す正面図
である。図示した機構において、構成される磁気回路に
より固定部1と浮上部2の間に磁気的な吸引力が働き、
浮上部2が固定部1に吸引される。具体的には、吸引磁
石11のN極11Nから出た磁束31aあるいは31b
が浮上部2の吸引磁石21のS極21Sに入り、吸引磁
石21を経て、N極21Nから出た磁束32aあるいは
32bが吸引磁石11のS極11Sに入って、もとの吸
引磁石11に戻る磁気回路が構成される。
施例による装置の浮上部2の磁石幅は、第十五実施例に
よる装置における幅、すなわち従来例による装置の幅と
等しくなるように設定していて、固定部1の磁石幅を短
くしている。同表から、本実施例では図32に示した従
来例に比べて吸引力のギャップ依存性を小さくできる効
果があることが分かる。この理由は第十五実施例におい
て説明した作用によるものである。このことから、第十
五実施例以外の構成でも本発明の効果が得られることが
分かる。
と、固定部1の吸引磁石11の幅W1と浮上部2の吸引
磁石21の幅W2とを違えることにより、図28の第十
五実施例に示したW2≒W1の場合と比ベても、W2≠
W1の場合には、吸引力のギャップ依存性をさらに小さ
くできる効果があることが分かる。
W1をW2よりも短くした場合であるが、W1をW2よ
りも長くした場合も対称性から理屈は同じである。ギャ
ップ長gが小さいg=g0 の図29(a)におけるギャ
ップ中の磁束31aあるいは32aの磁路長L”0 (≒
g0 +α)と、ギャップ長gが大きいg=g1 の図29
(b)におけるギャップ中の磁束31bあるいは32b
の磁路長L”1 (≒g 1 +β)との差をΔL”(=L”
1 −L”0 )とするとΔL”−Δg≒(β−α)であ
り、一方ギャップ長gが大きくなる程、磁路長とgとの
差は小さくなる、つまり(β<α)なのでΔL”<Δg
となる。
方が、図32に示した従来例、あるいは図28に示した
第十五実施例よりも、吸引力のギャップ依存性を小さく
できるのである。またそれに伴い、吸引力の非線型性も
小さくなるので、剛性の変化も小さくできることが分か
る。また第十六実施例の方が、第十五実施例よりも、組
立て誤差が浮上装置の性能、例えば磁気浮上力や横方向
の剛性に及ぼす影響を小さくできるメリットがある。
による磁気支持機構を示す正面図である。11および2
1は長さの異なる永久磁石からなる吸引磁石であり、磁
化の方向が図中に示したように互いに逆向きになるよう
に設定されている。12および13は永久磁石からなる
補極であり、磁化の方向が吸引磁石11と同じ向きにな
るように、吸引磁石11に固着されている。固定部1
は、吸引磁石11と補極12,13から第一の磁気手段
を、浮上部2は、吸引磁石21から第二の磁気手段を、
それぞれ構成する。図30(a)は、ギャップが小さい
時の固定部1の吸引磁石11,補極12,13と浮上部
2の吸引磁石21との位置関係を示す正面図であり、図
30(b)は、ギャップが大きい時の位置関係を示す正
面図である。図30に示した機構において、構成される
磁気回路により、固定部1と浮上部2の間に磁気的な吸
引力が発生し、浮上部2が固定部1に吸引される。具体
的には、吸引磁石11のN極11Nから出た磁束41a
あるいは41bが浮上部2の吸引磁石21のS極21S
に入り、吸引磁石21を経て、N極21Nから出た磁束
43aあるいは43bが吸引磁石11のS極11Sに入
り、もとの吸引磁石11に戻る磁気回路と、補極12の
N極12Nから出た磁束42aあるいは42bが浮上部
2の吸引磁石21のS極21Sに入り、吸引磁石21を
経て、N極21Nから出た磁束44aあるいは44bが
補極13のS極13Sに入り、吸引磁石11を通って、
もとの補極12に戻る磁気回路が構成される。
による本実施例の効果を、表5に示す。なお本実施例に
よる装置の固定部1と浮上部2の幅は、第十五実施例に
よる装置における幅、すなわち従来例による装置の幅と
等しくなるように設定していて、かつ図30に示した固
定部1の吸引磁石11の幅を、図29に示した第十六実
施例による装置における固定部の吸引磁石幅と揃えてい
る。同図から、本発明による装置は、まず従来例に比べ
て、吸引力の比、すなわちギャップ依存性を小さくでき
ることが分かる。またそれに伴い、吸引力の非線型性も
小さくなるので、剛性の変化も小さくできることが分か
る。これらの理由は、第十五実施例のところで述べた作
用によるものである。このことから、第十五実施例以外
の構成でも、本発明の効果が得られることが分かる。ま
た同図から、本発明による装置は、第十六実施例に比べ
て、補極12,13により起磁力が向上したことによ
り、ギャップ長全般にわたって、吸引力が大きくなるこ
とが分かる。
と比較して、同程度の吸引力を発生させるためには、第
十六実施例よりも吸引磁石11,21の厚さを薄くでき
る、すなわち装置の高さを低くできる特徴を有すること
が分かる。
による磁気支持機構を示す正面図である。11および2
1は長さの異なる永久磁石からなる吸引磁石であり、磁
化の方向が図中に示したように互いに逆向きになるよう
に設定されている。14および15は永久磁石からなる
補極であり、磁化の方向は吸引磁石11と直交して、か
つ磁化の向きは、近接する浮上部2の磁極との間に吸引
力が作用する向きに、吸引磁石11に固着されている。
固定部1は、吸引磁石11と補極14,15から第一の
磁気手段を、浮上部2は、吸引磁石21から第二の磁気
手段を、それぞれ構成する。図31(a)は、ギャップ
が小さい時の固定部1の吸引磁石11と補極14,15
と浮上部2の吸引磁石21との位置関係を示す正面図で
あり、図31(b)は、ギャップが大きい時の位置関係
を示す正面図である。図31に示した機構において、構
成される磁気回路により、固定部1と浮上部2の間に磁
気的な吸引力が発生し、浮上部2が固定部1に吸引され
る。具体的には、吸引磁石11のN極11Nから出た磁
束51aあるいは51bが浮上部2の吸引磁石21のS
極21Sに入り、吸引磁石21を経て、N極21Nから
出た磁束53aあるいは53bが吸引磁石11のS極1
1Sに入り、もとの吸引磁石11に戻る磁気回路と、補
極14のN極14Nから出た磁束52aあるいは52b
が浮上部2の吸引磁石21のS極21Sに入り、吸引磁
石21を経て、N極21Nから出た磁束54aあるいは
54bが補極15のS極15Sに入り、吸引磁石11を
通って、もとの補極14に戻る磁気回路が構成される。
による本実施例の効果を表5に示す。なお本実施例によ
る装置の固定部1と浮上部2の幅は、第十五実施例によ
る装置における幅、すなわち従来例による装置の幅と等
しくなるように設定していて、かつ図31に示した固定
部1の吸引磁石11の幅を、図29に示した第十六実施
例による装置における固定部の吸引磁石幅と揃えてい
る。表5から、本発明による装置は、まず従来例に比べ
て、吸引力の比、すなわちギャップ依存性を小さくでき
ることが分かる。またそれに伴い、吸引力の非線型性も
小さくなるので、剛性の変化も小さくできることが分か
る。これらの理由は、第十五実施例のところで述べた作
用によるものである。このことから、第十五実施例以外
の構成でも、本発明の効果が得られることが分かる。
14,15の磁化の向きを図31に示したように、近接
する浮上部の磁極との間の吸引力が、第十七実施例に比
べて、より垂直方向に働く向きに設定したことにより、
ギャップ長全般にわたって、吸引力が大きくなることが
分かる。
と比較して、同程度の吸引力を発生させるためには、第
十七実施例よりも吸引磁石11,21の厚さを薄くでき
る、すなわち装置の高さを低くできる特徴を有すること
が分かる。
支持機構を用いた位置決め装置を示す。同図において3
01はチルトステージであり、その上面302にはウエ
ハ303を保持するためのウエハチャックが設けられて
いる。304はベースである。305は磁気支持機構で
あり第1実施例に示したのと同様に、Z方向の磁化の向
きが互いに逆向きになるように一対の吸引磁石がベース
304に設けられ、この一対の吸引磁石の間にはチルト
ステージ301に固定された補極が設けられている。な
お、本実施例において、磁気支持機構305は3個設け
られているが、図36にはそのうち2個のみを図示して
いる。
04を基準にチルトステージ301を重力方向であるZ
方向に駆動可能な、不図示のリニアモータが設けられ、
その駆動によって、ベース304を基準にチルトステー
ジ301の重力方向であるZ方向の位置、あるいは傾き
を高速に自動制御できる。
モータの駆動によりチルトステージのZ方向位置が変化
しても、磁気支持機構の浮上力の変化が抑制されるの
で、チルトステージ上に載値したウエハ面を安定して精
密に位置決めすることができる。
6軸ウエハステージの一実施例の斜視図である。本実施
例において、Xステージは第十九実施例のベース304
に相当し、チルトステージ301を静圧XYステージの
Xステージ上に搭載した6軸方向に駆動する位置決め装
置である。同図において、308がステージ定盤、30
7がYステージ、304がXステージである。
することにより定盤308から浮上され、その両側に配
置された2つの駆動アクチュエータ310により片側に
設けられている固定ガイド311に沿ってY方向に移動
される。また、Xステージ304は静圧空気軸受けに給
気することによりYステージ307と同様に定盤308
から浮上され、Yステージ307の側面を水平方向の案
内として駆動アクチュエーター310によりX方向に移
動される。このとき、Xステージ304およびYステー
ジ307は複数の与圧用磁石ユニットによって常に一定
の姿勢となるように調整されている。
導体デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パ
ネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の
生産システムの例を説明する。これは半導体製造工場に
設置された製造装置のトラブル対応や定期メンテナン
ス、あるいはソフトウェア提供などの保守サービスを、
製造工場外のコンピュータネットワークを利用して行う
ものである。
出して表現したものである。図中、401は半導体デバ
イスの製造装置を提供するベンダー(装置供給メーカ)
の事業所である。製造装置の実例として、半導体製造工
場で使用する各種プロセス用の半導体製造装置、例え
ば、前工程用機器(露光装置、レジスト処理装置、エッ
チング装置等のリソグラフィ装置、熱処理装置、成膜装
置、平坦化装置等)や後工程用機器(組立て装置、検査
装置等)を想定している。事業所401内には、製造装
置の保守データベースを提供するホスト管理システム4
08、複数の操作端末コンピュータ410、これらを結
んでイントラネットを構築するローカルエリアネットワ
ーク(LAN)409を備える。ホスト管理システム4
08は、LAN409を事業所の外部ネットワークであ
るインタネット405に接続するためのゲートウェイ
と、外部からのアクセスを制限するセキュリティ機能を
備える。
ザとしての半導体製造メーカの製造工場である。製造工
場402〜404は、互いに異なるメーカに属する工場
であっても良いし、同一のメーカに属する工場(例え
ば、前工程用の工場、後工程用の工場等)であっても良
い。各工場402〜404内には、夫々、複数の製造装
置406と、それらを結んでイントラネットを構築する
ローカルエリアネットワーク(LAN)411と、各製
造装置406の稼動状況を監視する監視装置としてホス
ト管理システム407とが設けられている。各工場40
2〜404に設けられたホスト管理システム407は、
各工場内のLAN411を工場の外部ネットワークであ
るインタネット405に接続するためのゲートウェイを
備える。これにより各工場のLAN411からインタネ
ット405を介してベンダー401側のホスト管理シス
テム408にアクセスが可能となり、ホスト管理システ
ム408のセキュリティ機能によって限られたユーザだ
けがアクセスが許可となっている。具体的には、インタ
ネット405を介して、各製造装置406の稼動状況を
示すステータス情報(例えば、トラブルが発生した製造
装置の症状)を工場側からベンダー側に通知する他、そ
の通知に対応する応答情報(例えば、トラブルに対する
対処方法を指示する情報、対処用のソフトウェアやデー
タ)や、最新のソフトウェア、ヘルプ情報などの保守情
報をベンダー側から受け取ることができる。各工場40
2〜404とベンダー401との間のデータ通信および
各工場内のLAN411でのデータ通信には、インタネ
ットで一般的に使用されている通信プロトコル(TCP
/IP)が使用される。なお、工場外の外部ネットワー
クとしてインタネットを利用する代わりに、第三者から
のアクセスができずにセキュリティの高い専用線ネット
ワーク(ISDNなど)を利用することもできる。ま
た、ホスト管理システムはベンダーが提供するものに限
らずユーザがデータベースを構築して外部ネットワーク
上に置き、ユーザの複数の工場から該データベースへの
アクセスを許可するようにしてもよい。
を図38とは別の角度から切り出して表現した概念図で
ある。先の例ではそれぞれが製造装置を備えた複数のユ
ーザ工場と、該製造装置のベンダーの管理システムとを
外部ネットワークで接続して、該外部ネットワークを介
して各工場の生産管理や少なくとも1台の製造装置の情
報をデータ通信するものであった。これに対し本例は、
複数のベンダーの製造装置を備えた工場と、該複数の製
造装置のそれぞれのベンダーの管理システムとを工場外
の外部ネットワークで接続して、各製造装置の保守情報
をデータ通信するものである。図中、501は製造装置
ユーザ(半導体デバイス製造メーカ)の製造工場であ
り、工場の製造ラインには各種プロセスを行う製造装
置、ここでは例として露光装置502、レジスト処理装
置503、成膜処理装置504が導入されている。なお
図39では製造工場501は1つだけ描いているが、実
際は複数の工場が同様にネットワーク化されている。工
場内の各装置はLAN506で接続されてイントラネッ
トを構成し、ホスト管理システム505で製造ラインの
稼動管理がされている。一方、露光装置メーカ510、
レジスト処理装置メーカ520、成膜装置メーカ530
などベンダー(装置供給メーカ)の各事業所には、それ
ぞれ供給した機器の遠隔保守を行なうためのホスト管理
システム511,521,531を備え、これらは上述
したように保守データベースと外部ネットワークのゲー
トウェイを備える。ユーザの製造工場内の各装置を管理
するホスト管理システム505と、各装置のベンダーの
管理システム511,521,531とは、外部ネット
ワーク500であるインタネットもしくは専用線ネット
ワークによって接続されている。このシステムにおい
て、製造ラインの一連の製造機器の中のどれかにトラブ
ルが起きると、製造ラインの稼動が休止してしまうが、
トラブルが起きた機器のベンダーからインタネット50
0を介した遠隔保守を受けることで迅速な対応が可能
で、製造ラインの休止を最小限に抑えることができる。
それぞれ、ディスプレイと、ネットワークインタフェー
スと、記憶装置にストアされたネットワークアクセス用
ソフトウェアならびに装置動作用のソフトウェアを実行
するコンピュータを備える。記憶装置としては内蔵メモ
リやハードディスク、あるいはネットワークファイルサ
ーバーなどである。上記ネットワークアクセス用ソフト
ウェアは、専用又は汎用のウェブブラウザを含み、例え
ば図40に一例を示す様な画面のユーザインタフェース
をディスプレイ上に提供する。各工場で製造装置を管理
するオペレータは、画面を参照しながら、製造装置の機
種(601)、シリアルナンバー(602)、トラブル
の件名(603)、発生日(604)、緊急度(60
5)、症状(606)、対処法(607)、経過(60
8)等の情報を画面上の入力項目に入力する。入力され
た情報はインタネットを介して保守データベースに送信
され、その結果の適切な保守情報が保守データベースか
ら返信されディスプレイ上に提示される。またウェブブ
ラウザが提供するユーザインタフェースはさらに図示の
ごとくハイパーリンク機能(610〜612)を実現
し、オペレータは各項目の更に詳細な情報にアクセスし
たり、ベンダーが提供するソフトウェアライブラリから
製造装置に使用する最新バージョンのソフトウェアを引
出したり、工場のオペレータの参考に供する操作ガイド
(ヘルプ情報)を引出したりすることができる。
半導体デバイスの製造プロセスを説明する。図41は半
導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す。
ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計
を行なう。ステップ2(マスク製作)では設計した回路
パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ
3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハ
を製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と
呼ばれ、上記用意したマスクとウエハを用いて、リソグ
ラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。
次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステッ
プ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化
する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボン
ディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組
立て工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で
作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テ
スト等の検査を行なう。こうした工程を経て半導体デバ
イスが完成し、これを出荷(ステップ7)する。前工程
と後工程はそれぞれ専用の別の工場で行い、これらの工
場毎に上記説明した遠隔保守システムによって保守がな
される。また前工程工場と後工程工場との間でも、イン
タネットまたは専用線ネットワークを介して生産管理や
装置保守のための情報がデータ通信される。
ーを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸
化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶
縁膜を成膜する。ステップ13(電極形成)ではウエハ
上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオ
ン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ1
5(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ス
テップ16(露光)では上記説明した露光装置によって
マスクの回路パターンをウエハに焼付露光する。ステッ
プ17(現像)では露光したウエハを現像する。ステッ
プ18(エッチング)では現像したレジスト像以外の部
分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエッ
チングが済んで不要となったレジストを取り除く。これ
らのステップを繰り返し行なうことによって、ウエハ上
に多重に回路パターンを形成する。各工程で使用する製
造機器は上記説明した遠隔保守システムによって保守が
なされているので、トラブルを未然に防ぐと共に、もし
トラブルが発生しても迅速な復旧が可能で、従来に比べ
て半導体デバイスの生産性を向上させることができる。
磁気力のギャップ依存性を小さくできて、かつ磁気力の
非線型性に起因する剛性の変化を小さくできる、すなわ
ち安定した浮上力が得られる磁気支持機構が実現でき
る。さらに極性が異なる磁極に高低差を設けることによ
り、従来に比べて横方向の寸法を小さくできる。
(a)はギャップが小さい時で、図1(b)はギャップ
が大きい時である。
面図である。
引力特性のグラフである。
ある。
面図である。
(a)はギャップが小さい時で、図6(b)はギャップ
が大きい時である。
(a)はギャップが小さい時で、図7(b)はギャップ
が大きい時である。
視図で、図8(b)は軸断面図である。
鉛直方向から見た図である。
0(a)はギャップが小さい時で、図10(b)はギャ
ップが大きい時である。
吸引力特性のグラフである。
効果を説明する、正面図である。
効果を説明する、正面図である。
である。
正面図である。
6(a)はギャップが小さい時で、図16(b)はギャ
ップが大きい時である。
7(a)はギャップが小さい時で、図17(b)はギャ
ップが大きい時である。
8(a)はギャップが小さい時で、図18(b)はギャ
ップが大きい時である。
である。
0(a)はギャップが小さい時で、図20(b)はギャ
ップが大きい時である。
1(a)はギャップが小さい時で、図21(b)はギャ
ップが大きい時である。
(a)は斜視図で、図22(b)は軸断面図である。
23(a)はギャップが小さい時で、図23(b)はギ
ャップが大きい時である。
図である。
の正面図である。
26(a)はギャップが小さい時で、図26(b)はギ
ャフプが大きい時である。
27(a)はギヤップが小さい時で、図27(b)はギ
ャップが大きい時である。
28(a)はギャップが小さい時で、図28(b)はギ
ャップが大きい時である。
29(a)はギャップが小さい時で、図29(b)はギ
ャップが大きい時である。
30(a)はギャップが小さい時で、図30(b)はギ
ャップが大きい時である。
31(a)はギャップが小さい時で、図31(b)はギ
ャップが大きい時である。
構の図である。
構の課題を説明するグラフである。
題を、磁束の流れにより説明する一断面図である。図3
4(a)はギャップが小さい時であり、図34(b)は
ギャップが大きい時である。
題を、磁束の流れにより説明する他の断面図である。図
35(a)はギャップが小さい時であり、図35(b)
はギャップが大きい時である。
面図である。
斜視図である。
から見た概念図である。
から見た概念図である。
る図である。
力特性曲線、10,101,102,20,201,2
02:ヨーク(バックヨーク)、11,12,13,1
4,15,21,22,23,31,32:磁石、4
1:バネなどによる力、42:磁気吸引力とバネなどに
よる力の合力、431〜435:能動制御による補償、
51,52:連結部材、31a〜36b,41a〜44
b,51a〜58b,61a〜62b,71a〜74
b,81a〜88b,93a〜98b,701〜70
2,711〜713,721〜723,811〜81
8,91〜94:磁束。
Claims (47)
- 【請求項1】 所定の空隙を介して互いに相対移動可能
な固定部と浮上部の一方に第一の磁気手段が配置されて
いて、他の一方に第二の磁気手段が配置されていて、該
第一の磁気手段と該第二の磁気手段との間に働く磁気的
な力により、固定部に対して浮上部を非接触で浮上させ
る磁気支持機構において、 前記空隙の幅の増加に起因する、前記第一の磁気手段ま
たは第二の磁気手段を経由しない漏れ磁束の増加を抑制
する構成であることを特徴とする磁気支持機構。 - 【請求項2】 前記第二の磁気手段が前記第一の磁気手
段に対向する位置に配置されていて、前記第一の磁気手
段として、各々が前記第二の磁気手段に面して、かつ所
定の間隔を隔てた互いに異なる一対の磁極を備えてい
て、前記第二の磁気手段として磁性体を備えていて、前
記一対の磁極の間に所定の間隔を隔てて第三の磁気手段
が配置されていて、かつ該第三の磁気手段は連結手段に
より前記第二の磁気手段と連結されることを特徴とする
磁気支持機構。 - 【請求項3】 前記一対の磁極は、所定の間隔を隔てた
一対の磁石を備えることを特徴とする請求項2に記載の
磁気支持機構。 - 【請求項4】 前記一対の磁極は、U字型に屈曲した単
一の磁石の両磁極からなることを特徴とする請求項2に
記載の磁気支持機構。 - 【請求項5】 前記第三の磁気手段は、前記固定部と浮
上部の間の空隙の幅が増加した時に前記一対の磁極を構
成し互いに異なる第一および第二の磁極の近傍に、該磁
極とそれぞれ同極の磁極が位置するように磁石を備えた
ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の
磁気支持機構。 - 【請求項6】 前記連結手段が軟磁性材料を用いたもの
であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に
記載の磁気支持機構。 - 【請求項7】 前記連結手段が磁石であり、該磁石は前
記固定部と浮上部の間の空隙の幅が増加していない時に
前記第一および第二の磁極の近傍に、これらの磁極とそ
れぞれ異極の磁極が位置するように前記第二の磁気手段
に固着したものであることを特徴とする請求項2〜6の
いずれか1項に記載の磁気支持機構。 - 【請求項8】 前記第一、第二および第三の磁気手段並
びに連結手段が、前記一対の磁極の片方を中心に水平方
向に回転した回転体を構成していることを特徴とする請
求項2〜7のいずれか1項に記載の磁気支持機構。 - 【請求項9】 前記第一の磁気手段として、磁極を備
え、かつ極性が異なる磁極は高低差を設定されていて、
前記第二の磁気手段として、磁極を備え、かつ極性が異
なる磁極は高低差を設定されていて、第一および第二の
磁気手段の各磁極は、それぞれ他方の磁気手段の磁極と
面していることを特徴とする請求項1記載の磁気支持機
構。 - 【請求項10】 前記第一および第二の磁気手段の各磁
極は、それぞれ面している他方の磁気手段の磁極との間
に吸引力が作用するように、その極性が設定されている
ことを特徴とする請求項9に記載の磁気支持機構。 - 【請求項11】 前記第一および第二の磁気手段として
片方あるいは両方に、磁石を備えたことを特徴とする請
求項9または10に記載の磁気支持機構。 - 【請求項12】 前記第一または第二の磁気手段の、前
記極性が異なる磁極は、U字型に屈曲した単一の磁石の
両磁極からなることを特徴とする請求項9〜11のいず
れか1項に記載の磁気支持機構。 - 【請求項13】 前記第一および第二の磁気手段が、前
記磁極のいずれか1つを中心に水平方向に回転した回転
体を構成していることを特徴とする請求項9〜12のい
ずれか1項に記載の磁気支持機構。 - 【請求項14】 所定の空隙を介して互いに相対移動可
能な固定部と浮上部の一方に第一の磁気手段が配置され
ていて、他の一方に第二の磁気手段が配置されていて、
該第一の磁気手段と該第二の磁気手段との間に働く磁気
的な力により、固定部に対して浮上部を非接触で浮上さ
せる磁気支持機構において、 前記固定部と浮上部との空隙の増減に起因する、前記空
隙中の磁気回路に沿う磁束の長さの増減を抑制する構成
であることを特徴とする磁気支持機構。 - 【請求項15】 前記第一の磁気手段として、前記第二
の磁気手段に面して、かつ所定の間隔を隔てた互に異な
る一対の磁極を備え、前記第二の磁気手段として、前記
第一の磁気手段の各磁極の近傍に各々一つの磁極を有す
る磁石を備え、かつ該第二の磁気手段の磁石の磁化の方
向は前記第一の磁気手段の磁化の方向と直交しているこ
とを特徴とする請求項1または14に記載の磁気支持機
構。 - 【請求項16】 前記第二の磁気手段の磁石の各磁極
は、前記第一の磁気手段の一対の磁極の内近接するただ
一つの磁極との間に吸引力が作用するように、その極性
が設定されていることを特徴とする請求項15に記載の
磁気支持機構。 - 【請求項17】 前記第二の磁気手段の磁石の各磁極
は、前記第一の磁気手段の近接するただ一つの磁極との
間に反撥力が作用するように、その極性が設定されてい
ることを特徴とする請求項15に記載の磁気支持機構。 - 【請求項18】 前記第一の磁気手段として、所定の間
隔を隔てた一対の磁石を備えたことを特徴とする請求項
15〜17のいずれか1項に記載の磁気支持機構。 - 【請求項19】 前記一対の磁石における、前記第二の
磁気手段に面する磁極と反対側の各磁極の近傍に、該磁
極と異極の磁極が位置するように磁石を固着しているこ
とを特徴とする請求項18に記載の磁気支持機構。 - 【請求項20】 前記第一の磁気手段の一対の磁極が、
U字型に屈曲した単一の磁石からなることを特徴とする
請求項15〜17のいずれか1項に記載の磁気支持機
構。 - 【請求項21】 前記第一の磁気手段の磁極間の距離
と、前記第二の磁気手段の磁極間の距離とが異なること
を特徴とする請求項15〜20のいずれか1項に記載の
磁気支持機構。 - 【請求項22】 前記第一の磁気手段は、前記第二の磁
気手段に面して、かつ所定の間隔を隔てた互に異なる一
対の磁極を備え、前記第二の磁気手段は、前記第一の磁
気手段に面して各磁極の近傍に各々一つの磁極と、磁化
の方向が前記第一の磁気手段の磁化の方向と直交してい
る磁石とを有することを特徴とする請求項1または14
記載の磁気支持機構。 - 【請求項23】 前記第二の磁気手段の有する磁石は、
前記第二の磁気手段の各磁極の近傍に同極の磁極が位置
するように、前記第二の磁気手段の各磁極の間に固着し
ていることを特徴とする請求項22に記載の磁気支持機
構。 - 【請求項24】 前記第一および第二の磁気手段の各磁
極は、それぞれ面している他方の磁気手段の磁極との間
に吸引力が作用するように、その極性が設定されている
ことを特徴とする請求項22または23に記載の磁気支
持機構。 - 【請求項25】 前記第一の磁気手段として、所定の間
隔を隔てた一対の磁石を備えたことを特徴とする請求項
22〜24のいずれか1項に記載の磁気支持機構。 - 【請求項26】 前記一対の磁石における、前記第二の
磁気手段に面する磁極と反対側の各磁極の近傍に、該磁
極と異極の磁極が位置するように磁石を固着しているこ
とを特徴とする請求項25に記載の磁気支持機構。 - 【請求項27】 前記第一の磁気手段の一対の磁極が、
U字型に屈曲した単一の磁石からなることを特徴とする
請求項22〜24のいずれか1項に記載の磁気支持機
構。 - 【請求項28】 前記第一の磁気手段として、互に異な
る一対の磁極を備え、かつ該磁極は前記第二の磁気手段
に面さず、前記第二の磁気手段として、前記一対の磁極
の近傍に各々一つの磁極を備え、かつ該磁極は前記第一
の磁気手段に面さず、かつ該第二の磁気手段の磁化の方
向と前記第一の磁気手段の磁化の方向とは並行であるこ
とを特徴とする請求項1または14に記載の磁気支持機
構。 - 【請求項29】 前記第二の磁気手段の磁石の各磁極
は、前記第一の磁気手段の一対の磁極の内近接するただ
一つの磁極との間に吸引力が作用するように、その極性
が設定されていることを特徴とする請求項28に記載の
磁気支持機構。 - 【請求項30】 前記第一あるいは第二の磁気手段とし
て、磁石を備えたことを特徴とする請求項28または2
9に記載の磁気支持機構。 - 【請求項31】 前記第一の磁気手段の磁極間の距離
と、前記第二の磁気手段の磁極間の距離とが異なること
を特徴とする請求項28〜30のいずれか1項に記載の
磁気支持機構。 - 【請求項32】 前記第一の磁気手段の一対の磁極の近
傍において該磁極と異なる磁極が位置し、かつ前記第1
の磁気手段の磁化の向きと同一の磁化の向きとなるよう
に、前記第一の磁気手段の両端に磁石が設けられてお
り、該両端に設けられた磁石と前記第二の磁気手段との
対向面間の距離が、前記第一の磁気手段と前記第二の磁
気手段との対向面間の距離よりも遠いことを特徴とする
請求項28〜31のいずれか1項に記載の磁気支持機
構。 - 【請求項33】 前記第一の磁気手段の一対の磁極の近
傍において該磁極と同一の磁極が前記第二の磁気手段と
面して、かつ前記第1の磁気手段の磁化の向きと直交す
る磁化の向きとなるように、前記第一の磁気手段の両端
に磁石が設けられており、該両端に設けられた磁石と前
記第二の磁気手段との対向面間の距離が、前記第一の磁
気手段と前記第二の磁気手段との対向面間の距離よりも
遠いことを特徴とする請求項28〜31のいずれか1項
に記載の磁気支持機構。 - 【請求項34】 基板を保持する保持面を定盤に対して
相対的に移動する位置決め装置において、請求項1〜3
3のいずれか1項に記載の磁気支持機構を用いて前記ス
テージの自重を前記定盤上で支持することを特徴とする
位置決め装置。 - 【請求項35】 前記保持面を前記定盤より重力方向で
あるZ軸方向に移動するための駆動系の発生力が、前記
磁気支持機構による支持力と同軸上にあることを特徴と
する請求項34に記載の位置決め装置。 - 【請求項36】 前記保持面と前記定盤との間には、前
記保持面をZ軸方向と直交する2軸であるX軸およびY
軸方向に駆動するためのXYステージと、このXYステ
ージ上に搭載されてZ軸方向とXYZの各軸廻り方向に
移動するチルトステージが設けられていることを特徴と
する請求項34または35に記載の位置決め装置。 - 【請求項37】 前記チルトステージは、少なくとも3
組の前記駆動系と前記磁気支持機構との組により、前記
XYステージ上に支持されていることを特徴とする請求
項34〜36のいずれか1項に記載の位置決め装置。 - 【請求項38】 前記XYステージは前記定盤上に設け
られたY軸方向静圧案内面に沿って移動するYステージ
と、このYステージを移動させるYステージ用駆動系
と、前記Yステージと共に移動し且つ前記Yステージに
設けられたX軸方向静圧案内面に沿って移動するXステ
ージと、このXステージを移動させるXステージ用駆動
系を有し、前記XおよびYステージがそれぞれ個別に前
記定盤上にZ軸方向に関して静圧軸受けにより支持され
ていることを特徴とする請求項34〜37のいずれか1
項に記載の位置決め装置。 - 【請求項39】 前記駆動系は、非接触駆動可能なリニ
アモータであることを特徴とする請求項34〜38のい
ずれか1項に記載の位置決め装置。 - 【請求項40】 請求項34〜39のいずれか1項に記
載の位置決め装置に搭載した基板に、原版のパターンを
露光することを特徴とする露光装置。 - 【請求項41】 請求項40記載の露光装置を含む各種
プロセス用の製造装置群を半導体製造工場に設置する工
程と、該製造装置群を用いて複数のプロセスによって半
導体デバイスを製造する工程とを有することを特徴とす
る半導体デバイス製造方法。 - 【請求項42】 前記製造装置群をローカルエリアネッ
トワークで接続する工程と、前記ローカルエリアネット
ワークと前記半導体製造工場外の外部ネットワークとの
間で、前記製造装置群の少なくとも1台に関する情報を
データ通信する工程とをさらに有する請求項41記載の
方法。 - 【請求項43】 前記露光装置のベンダーもしくはユー
ザが提供するデータベースに前記外部ネットワークを介
してアクセスしてデータ通信によって前記製造装置の保
守情報を得る、もしくは前記半導体製造工場とは別の半
導体製造工場との間で前記外部ネットワークを介してデ
ータ通信して生産管理を行う請求項42記載の方法。 - 【請求項44】 請求項40記載の露光装置を含む各種
プロセス用の製造装置群と、該製造装置群を接続するロ
ーカルエリアネットワークと、該ローカルエリアネット
ワークから工場外の外部ネットワークにアクセス可能に
するゲートウェイを有し、前記製造装置群の少なくとも
1台に関する情報をデータ通信することを可能にした半
導体製造工場。 - 【請求項45】 半導体製造工場に設置された請求項4
0記載の露光装置の保守方法であって、前記露光装置の
ベンダーもしくはユーザが、半導体製造工場の外部ネッ
トワークに接続された保守データベースを提供する工程
と、前記半導体製造工場内から前記外部ネットワークを
介して前記保守データベースへのアクセスを許可する工
程と、前記保守データベースに蓄積される保守情報を前
記外部ネットワークを介して半導体製造工場側に送信す
る工程とを有することを特徴とする露光装置の保守方
法。 - 【請求項46】 請求項40記載の露光装置において、
ディスプレイと、ネットワークインタフェースと、ネッ
トワーク用ソフトウェアを実行するコンピュータとをさ
らに有し、露光装置の保守情報をコンピュータネットワ
ークを介してデータ通信することを可能にした露光装
置。 - 【請求項47】 前記ネットワーク用ソフトウェアは、
前記露光装置が設置された工場の外部ネットワークに接
続され前記露光装置のベンダーもしくはユーザが提供す
る保守データベースにアクセスするためのユーザインタ
フェースを前記ディスプレイ上に提供し、前記外部ネッ
トワークを介して該データベースから情報を得ることを
可能にする請求項46記載の装置。
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