JP2001278961A - ポリノルボルネン系樹脂 - Google Patents
ポリノルボルネン系樹脂Info
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Abstract
び任意の色調に鮮やかに着色されたポリノルボルネン系
樹脂を提供する。 【解決手段】 ルテニウムに少なくとも1つのヘテロ原
子含有カルベン化合物が配位してなる錯体触媒の存在下
に、ノルボルネン系モノマーを塊状開環メタセシス重合
して得られるポリノルボルネン系樹脂。この樹脂は無色
であり、好ましくは黄色度が10以下である。樹脂に含
有されるルテニウムの濃度は25ppm以下にすること
が可能である。また、上記触媒および着色剤の存在下
に、ノルボルネン系モノマーを塊状重合すれば、任意の
色調に着色されたポリノルボルネン系樹脂が得られる。
Description
媒の存在下に、ノルボルネン系モノマーを塊状開環メタ
セシス重合して得られる無色の、および着色されたポリ
ノルボルネン系樹脂に関する。
タセシス重合することにより、エラストマーや室温で軟
質な樹脂、硬質樹脂が得られ、これらのエラストマーや
樹脂が各種成形品の製造に用いられている。
系モノマーを溶液重合した後、その重合体を射出成形や
カレンダー成形などの熱成形により成形品とする方法が
ある。また、反応射出成形(RIM)法のように、金型
内でノルボルネン系モノマーを塊状(バルク)重合して
成形品を得る方法も知られている。後者のRIM法にお
いては、ノルボルネン系モノマーを金型内で塊状重合す
ることにより、液状原料から一挙に耐熱性のよい熱硬化
性樹脂となるため、近年、各種の成形品の製造に実用化
され、注目を浴びている。その代表的な成形品として
は、バンパーやグローブボックスカバーなどの車輛部
品、パイプの継手や浄化槽の筐体のような土木建築用部
材、浴槽パンや防水パンなどの住宅設備部材などが挙げ
られる。
メタセシス重合は、従来、モリブテン、タングステン、
タンタルなどの化合物からなるメタセシス触媒(主触
媒)とアルキルアルミニウムハライドなどの共触媒から
なる触媒系の存在下に行われてきた。このような触媒系
を用いて得られるポリノルボルネン系樹脂は、通常、黄
色また褐色を呈しているので、着色剤(顔料、染料)を
配合して着色する方法が提案されている(特開平2−2
8214号公報、特開平2−214764号公報、特開
平5−112633号公報など参照)。しかしながら、
ポリノルボルネン系樹脂自体の地の色の影響を受けて、
鮮やかな色調を樹脂に付与することは難しく、意匠性の
観点から改善が求めれている。
シートをポリノルボルネン系樹脂に積層することによ
り、成形物の表面状態の改質も試みられているが、これ
らのシートはポリノルボルネン系樹脂と接着性の悪いも
のが多いため、未だ実用化には至っていない。
−186511号公報には、タンタル系のメタセシス触
媒と有機アルミニウム系の共触媒からなる触媒系を用い
て、ジシクロペンタンジエンを開環メタセシス重合して
得られる熱硬化性架橋重合ポリマーは、肉眼による検査
で殆ど無色と良好な透明性を示すと記載されている。
は、オスミウムまたはルテニウムに同一または異なる中
性電子供与体が配位した触媒を用いて、ジシクロペンタ
ジエンを開環メタセシス重合して得られる重合体は、透
明(transparent)または半透明(tran
slucent)であると記載されている。該明細書に
具体的に開示される触媒は、配位子としてトリメチルホ
スフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフ
ィン、トリシクロヘキシルホスフィンのような中性電子
供与体が2つ配位したルテニウム−ビニリデン系の化合
物である。
号公報に記載されるタンタル系触媒やWO97/291
35号明細書に開示されるオスミウムまたはルテニウム
錯体は触媒活性が低いため、塊状開環メタセシス重合に
使用するには比較的多量に使用する必要がある。このた
め得られる重合物は、触媒に由来する色調を呈して十分
に無色であるとは言い難い。
発明の第1の目的は、ルテニウム錯体触媒の存在下に、
ノルボルネン系モノマーを塊状開環メタセシス重合して
得られるポリノルボルネン系樹脂であって、触媒に由来
する樹脂自体の地の色調を呈さない、無色なポリノルボ
ルネン系樹脂を提供することにある。また、本発明の第
2の目的は、ルテニウム錯体触媒および着色剤の存在下
に、ノルボルネン系モノマーを塊状開環メタセシス重合
して得られる着色されたポリノルボルネン系樹脂であっ
て、任意の色調に鮮やかに着色されたポリノルボルネン
系樹脂を提供することにある。
的を達成すべく鋭意検討を重ねたところ、特定な構造を
有するルテニウム錯体触媒は極めて高活性であり、この
ものを用いてノルボルネン系モノマーの塊状開環メタセ
シス重合を行うと、得られる重合物は完全に無色で黄色
度が非常に低いこと、含有されるルテニウム金属の濃度
が一定値以下でも重合可能であること、そしてまた、重
合を行うに際して着色剤を添加すれば、任意の色調に鮮
やかに着色できることを見出し、本発明を完成するに到
った。
ルテニウム錯体触媒の存在下に、ノルボルネン系モノマ
ーを塊状開環メタセシス重合して得られるポリノルボル
ネン系樹脂であって、前記ルテニウム錯体触媒として、
ルテニウムに少なくとも1つのヘテロ原子含有カルベン
化合物が配位してなる錯体を用いたことを特徴とするポ
リノルボルネン系樹脂が提供される。この樹脂は無色で
あり、光路長4mmにおける黄色度(YI)が10以下
であることを好ましい特徴とする。さらに、この樹脂は
含有されるルテニウムの濃度が25ppm以下であるこ
とも好ましい特徴とする。
ニウム錯体触媒および着色剤の存在下に、ノルボルネン
系モノマーを塊状開環メタセシス重合して得られる着色
されたポリノルボルネン系樹脂であって、前記ルテニウ
ム錯体触媒として、ルテニウムに少なくとも1つのヘテ
ロ原子含有カルベン化合物が配位してなる錯体を用いた
ことを特徴とするポリノルボルネン系樹脂が提供され
る。
態について、項目に分けて詳細に説明する。
は、ルテニウムに少なくとも1つのヘテロ原子含有カル
ベン化合物が配位してなる錯体であれば特に限定されな
いが、通常、下記の一般式1または一般式2で表わされ
るルテニウムカルベン錯体である。
いに独立に水素、またはハロゲン原子、酸素原子、窒素
原子、硫黄原子、リン原子、けい素原子を含んでもよい
C1〜C20の炭化水素基を示す。X1およびX2は、
互いに独立に任意のアニオン性配位子を示す。L1はヘ
テロ原子含有カルベン化合物を示し、L2はヘテロ原子
含有カルベン化合物または任意の中性の電子供与性化合
物を示す。R1、R2、X1、X2、L1、L2の2
個、3個、4個、5個、6個は互いに結合して多座キレ
ート化配位子を形成してもよい)
周期律表第15族および第16族の原子のことで、具体
的には、N、O、P、S、As、Se原子などを挙げる
ことができる。なかでもN、O、P、S原子などが安定
なカルベン化合物を得るためには好ましく、N原子が特
に好ましい。
基を有する化合物の総称であり、(>C:)で表される
ような電荷のない2価の炭素原子を持つ化合物のことで
ある。一般的にカルベンは、反応中に生じる不安定な中
間体として存在するが、ヘテロ原子を有すると比較的安
定なカルベン化合物として単離することができる。
は、下記の式3または式4で示される化合物が挙げられ
る。
いに独立に水素、またはハロゲン原子、酸素原子、窒素
原子、硫黄原子、リン原子、けい素原子を含んでもよい
C1〜C20の炭化水素基を示す。)
ソプロピルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジ
シクロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3
−ジ(メチルフェニル)イミダゾリジン−2−イリデ
ン、1,3−ジ(メチルナフチル)イミダゾリジン−2
−イリデン、1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−
イリデン、1,3−ジアダマンチルイミダゾリジン−2
−イリデン、1,3−ジフェニルイミダゾリジン−2−
イリデン、1,3,4,5−テトラメチルイミダゾリジ
ン−2−イリデンなどが挙げられる。
ソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3
−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリン−2−イリデ
ン、1,3−ジ(メチルフェニル)−4−イミダゾリン
−2−イリデン、1,3−ジ(メチルナフチル)−4−
イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジメシチル−4
−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジアダマンチ
ル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジフェ
ニル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3,4,
5−テトラメチル−4−イミダゾリン−2−イリデン、
1,3,4,5−テトラフェニル−4−イミダゾリン−
2−イリデンなどが挙げられる。
物のほかに、1,3,4−トリフェニル−2,3,4,
5−テトラヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−
5−イリデン、3−(2,6−ジイソプロピルフェニ
ル)−2,3,4,5−テトラヒドロチアゾール−2−
イリデン、1,3−ジシクロヘキシルヘキサヒドロピリ
ミジン−2−イリデン、N,N,N’,N’−テトライ
ソプロピルホルムアミジニリデン、1,3,4−トリフ
ェニル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリア
ゾール−5−イリデン、3−(2,6−ジイソプロピル
フェニル)−2,3−ジヒドロチアゾール−2−イリデ
ンなどのヘテロ原子含有カルベン化合物も挙げることが
できる。
カルベンに隣接するヘテロ原子が嵩高い置換基を有する
飽和環状化合物が特に好ましく、その具体例としては、
1,3−ジイソプロピルイミダゾリジン−2−イリデ
ン、1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−2−イ
リデン、1,3−ジ(メチルフェニル)イミダゾリジン
−2−イリデン、1,3−ジ(メチルナフチル)イミダ
ゾリジン−2−イリデン、1,3−ジメシチルイミダゾ
リジン−2−イリデン、1,3−ジアダマンチルイミダ
ゾリジン−2−イリデン、1,3−ジフェニルイミダゾ
リジン−2−イリデン、1,3,4,5−テトラフェニ
ルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3,4−トリフ
ェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,
2,4−トリアゾール−5−イリデン、3−(2,6−
ジイソプロピルフェニル)−2,3,4,5−テトラヒ
ドロチアゾール−2−イリデン、1,3−ジシクロヘキ
シルヘキサヒドロピリミジン−2−イリデンなどが挙げ
られる。
ン)性配位子X1、X2は、中心金属から引き離された
ときに負の電荷を持つ配位子であればいかなるものでも
よい。例えば、F、Br、Cl、Iなどのハロゲン原
子、水素、アセチルアセトナト基、ジケトネート基、置
換シクロペンタジエニル基、置換アリル基、アルケニル
基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリール
オキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、
アルキルまたはアリールスルフォネート基、アルキルチ
オ基、アルケニルチオ基、アリールチオ基、アルキルス
ルホニル基、アルキルスルフィニル基などを挙げること
ができる。好ましくはハロゲン原子であり、より好まし
くは塩素原子である。
属から引き離されたときに中性の電荷を持つ配位子、す
なわちルイス塩基であればいかなるものでもよい。その
具体例としては、酸素、水、カルボニル、アミン類、ピ
リジン類、エ−テル類、ニトリル類、エステル類、ホス
フィン類、ホスフィナイト類、ホスファイト類、スチビ
ン類、スルホキシド類、チオエーテル類、アミド類、芳
香族化合物、環状ジオレフィン類、オレフィン類、イソ
シアニド類、チオシアネ−ト類などが挙げられる。好ま
しくはホスフィン類であり、特にトリアルキルホスフィ
ンやトリアリールホスフィンなどが好ましい。
は、水素、C2〜C20アルケニル基、C2〜C20アル
キニル基、C1〜C20アルキル基、アリール基、カル
ボキシル基、C2〜C20アルケニルオキシ基、C2〜C
20アルキニルオキシ基、アリールオキシ基、C2〜C
20アルコキシカルボニル基、C1〜C20アルキルチ
オ基、アリールチオ基、C1〜C20アルキルスルホニ
ル基、C1〜C20アルキルスルフィニル基などが挙げ
られる。
は、例えば、(1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジ
ン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)
ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジシク
ロヘキシル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリ
シクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジ
クロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−
イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリ
デンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミ
ダゾリジン−2−イリデン)(トリフェニルホスフィ
ン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジ
メシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシ
クロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジク
ロリド、(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2
−イリデン)(トリフェニルホスフィン)ベンジリデン
ルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(メチルフェニ
ル)イミダゾリジン−2−イリデン](トリシクロヘキ
シルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、
[1,3−ジ(メチルナフチル)イミダゾリジン−2−
イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリ
デンルテニウムジクロリド、(1,3,4,5−テトラ
フェニルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロ
ヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリ
ド、(1,3−ジシクロヘキシルヘキサヒドロピリミジ
ン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)
ベンジリデンルテニウムジクロリドなどのヘテロ原子含
有カルベン化合物と中性の電子供与性化合物が配位した
ルテニウム錯体化合物;
ジン−2−イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリ
ド、ビス(1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−
2−イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビ
ス(1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−
イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス
(1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリン−2−
イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリドなどの2
つのヘテロ原子含有カルベン化合物が配位したルテニウ
ム錯体化合物などが挙げられる。
は、例えば、(1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジ
ン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)
フェニルビニリデンルテニウムジクロリド、(1,3−
ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシク
ロヘキシルホスフィン)t−ブチルビニリデンルテニウ
ムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリ
ン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)
フェニルビニリデンルテニウムジクロリド、[1,3−
ジ(メチルフェニル)イミダゾリジン−2−イリデン]
(トリシクロヘキシルホスフィン)t−ブチルビニリデ
ンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(メチルナフチ
ル)イミダゾリジン−2−イリデン](トリシクロヘキ
シルホスフィン)フェニルビニリデンルテニウムジクロ
リド、(1,3,4,5−テトラフェニルイミダゾリジ
ン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)
t−ブチルビニリデンルテニウムジクロリド、(1,3
−ジシクロヘキシルヘキサヒドロピリミジン−2−イリ
デン)(トリシクロヘキシルホスフィン)フェニルビニ
リデンルテニウムジクロリドなどのヘテロ原子含有カル
ベン化合物と中性の電子供与性化合物が配位したルテニ
ウム錯体化合物;
ジン−2−イリデン)フェニルビニリデンルテニウムジ
クロリド、ビス(1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリ
ジン−2−イリデン)t−ブチルビニリデンルテニウム
ジクロリド、ビス(1,3−ジイソプロピル−4−イミ
ダゾリン−2−イリデン)t−ブチルビニリデンルテニ
ウムジクロリド、ビス(1,3−ジシクロヘキシル−4
−イミダゾリン−2−イリデン)フェニルビニリデンル
テニウムジクロリドなどの2つのヘテロ原子含有カルベ
ン化合物が配位したルテニウム錯体化合物などが挙げら
れる。
錯体化合物を、ジ−μ−クロロビス[(p−シメン)ク
ロロルテニウム]、ジ−μ−クロロビス[(p−シメ
ン)クロロオスミウム]、ジクロロ(ペンタメチルシク
ロペンタジエニル)ロジウムダイマーなどの複核金属錯
体と反応させて得られる、複核ルテニウム−カルベン錯
体化合物を用いてもよい。
ン系モノマーに対する触媒の割合は、触媒中の金属ルテ
ニウム/ノルボルネン系モノマーのモル比として、通常
1:2,000〜1:2,000,000、好ましくは
1:5,000〜1,000,000、より好ましくは
1:10,000〜1:500,000である。
溶解して使用することができる。かかる溶媒としては、
例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの鎖状脂肪
族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチル
シクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチル
シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシク
ロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ビシクロヘプタ
ン、トリシクロデカン、ヘキサヒドロインデンシクロヘ
キサン、シクロオクタンなどの脂環式炭化水素;ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ニトロ
メタン、ニトロベンゼン、アセトニトリルなどの含窒素
炭化水素;ジエチルエ−テル、テトラヒドロフランなど
のエ−テルなどの溶媒を使用することができる。これら
の中では、工業的に汎用な芳香族炭化水素や脂肪族炭化
水素、脂環式炭化水素が好ましい。
て、前記の触媒の存在下に塊状開環メタセシス重合され
るモノマーは、ノルボルネン環構造を有するノルボルネ
ン系モノマーである。かかるノルボルネン系モノマーと
しては、置換および未置換の二環もしくは三環以上の多
環ノルボルネンが用いられる。
ボルナジエン、メチルノルボルネン、ジメチルノルボル
ネン、エチルノルボルネン、塩素化ノルボルネン、エチ
リデンノルボルネン、クロロメチルノルボルネン、トリ
メチルシリルノルボルネン、フェニルノルボルネン、シ
アノノルボルネン、ジシアノノルボルネン、メトキシカ
ルボニルノルボルネン、ピリジルノルボルネン、ナヂッ
ク酸無水物、ナヂック酸イミドなどの二環ノルボルネン
類;
ペンタジエンやそのアルキル、アルケニル、アルキリデ
ン、アリール置換体などの三環ノルボルネン類;ジメタ
ノヘキサヒドロナフタレン、ジメタノオクタヒドロナフ
タレンやそのアルキル、アルケニル、アルキリデン、ア
リール置換体などの四環ノルボルネン類;トリシクロペ
ンタジエンなどの五環ノルボルネン類、ヘキサシクロヘ
プタデセンなどの六環ノルボルネン類;ジノルボルネ
ン、二個のノルボルネン環を炭化水素鎖またはエステル
基などで結合した化合物、これらのアルキル、アリール
置換体などのノルボルネン環を含む化合物などが挙げら
れる。
ン、シクロペンテン、シクロオクテン、シクロドデセン
などの単環シクロオレフィンおよび置換基を有するそれ
らの誘導体を共重合することもできる。
種以上を使用してもよいが、二種以上の使用が好まし
い。二種以上使用する場合には、熱可塑性樹脂となる1
つの二重結合を有するモノマーと、熱硬化性樹脂となる
複数の二重結合を有するモノマーを適宜組合せると、種
々の物性を有する樹脂を入手することができる。また、
モノマーを単独で使用する場合と比較して、二種以上併
用すると凝固点降下により、凝固点温度が高いモノマー
でも液状として取扱えるという利点がある。
ノルボルネン系樹脂を得る重合方法は、塊状開環メタセ
シス重合である。特にレジントランスファーモールディ
ング(RTM)法や反応射出成形(RIM)法により、
ノルボルネン系モノマーを金型内において塊状で重合す
る方法が有用である。金型は所定形状の成形物を得るた
めに使用する。これらの方法は、実質的に塊状であれば
よく、少量の不活性溶剤が存在していてもよい。かかる
塊状重合においては、従来からRTM機やRIM機とし
て公知の成形機を、モノマーや触媒を含有する反応液ま
たは触媒液を混合するために使用することができる。
ク、触媒配合液タンク、計量ポンプ、ミキサーなどから
なる。計量ポンプにより、モノマー配合液と触媒配合液
を1000:1から10:1の容量比でミキサーに送り
込み、次いで所定温度に加熱した成形金型内に注入し、
そこで即座に塊状重合させて成形品を得ることができ
る。RTM機を用いた好ましい成形法は、ノルボルネン
系モノマーを含有するモノマー配合液と、ルテニウムに
少なくとも1つのヘテロ原子含有カルベン化合物が配位
してなる錯体触媒を、少量の溶媒に溶解させた触媒配合
液を用意し、これらを混合して成形する方法である。
シングヘッドに送り込み衝突エネルギーによって混合さ
せ、次いで高温の成形金型中に注入し、そこで即座に塊
状重合させて成形品を得る。RIM機を用いた好ましい
成形法は、ノルボルネン系モノマーを二つの部分に分
け、三液目にルテニウムに少なくとも1つのヘテロ原子
含有カルベン化合物が配位してなる錯体触媒を少量の溶
媒に溶解させた液を使用し、これらの三液を衝突混合に
よって混合して成形する方法である。
なわちコア型とキャビティー型を有する成形金型を用
い、それらの空隙部(キャビティー)に反応液を注入し
て塊状重合を行なう。コア型とキャビティー型は、目的
とする成形品の形状にあった空隙部を形成するように作
成される。金型の形状、材質、大きさには、特に制限は
ない。低粘度の反応液を用い、比較的低温低圧で成形で
きるため、金属製の金型だけではなく、各種合成樹脂、
低融点合金など種々の材料で作成されたものが使用でき
る。
原液の温度は、好ましくは20〜80℃である。反応液
の粘度は、例えば30℃において、通常、2〜1000
cps、好ましくは、5〜300cpsである。反応原
液をキャビティー内に充填する際の充填圧力(射出圧)
は、通常0.1〜100kgf/cm2、好ましくは
0.2〜50kgf/cm2である。充填圧力が低すぎ
ると、キャビティー内周面に形成された転写面の転写が
良好に行われない傾向にあり、充填圧が高すぎると、金
型の剛性を高くしなければならず経済的ではない。
40〜200℃、特に好ましくは50〜130℃であ
る。型締圧力は通常0.1〜100kg/cm2 の範囲
内である。重合時間は適宜選択すればよいが、通常、1
0秒〜20分、好ましくは5分以内である。
合した反応液を、金型の空隙部に注入すると、即座に塊
状重合反応を開始し、硬化する。重合反応は発熱反応で
あり、硬化時間(キュアー時間)が長くなるにつれて、
金型内の成形品の温度は徐々に低下していく。
型に付着させた状態で金型を開いて成形体を脱型するこ
とができる。成形品のコア型への付着は、成形条件を制
御することによつて行われる。金型温度を高くする程、
あるいはキュアー時間を長くする程、コア型に付着する
可能性が高くなる。キュアー時間が短い場合には、金型
を開けると、成形品はキャビティー型に付着して残る。
キュアー時間が長くなると、成形品は、冷却されて収縮
するため、コア型に付着するようになる。しかし、コア
型に付着させても、キュアー時間があまり長すぎると成
形品の冷却による収縮がかなりの程度まで進むため、過
度に成形体が冷却しない状態で、エアーエジェクターま
たは金型に設けた脱型装置により脱型すればよい。
のポリノルボルネン系樹脂は、実質的に無色透明である
ことを特徴とする。一般的に無色または白色を呈するプ
ラスチックの色の評価方法は、JISのK7103に黄
色度(YI)として規定されているが、本発明のポリノ
ルボルネン系樹脂は、光路長4mmにおける黄色度(Y
I)が10以下であり、より好ましくは5以下である。
含有されるルテニウム金属の濃度は、通常25ppm以
下である。好ましくは20ppm以下、より好ましくは
15ppm以下である。
て、酸化防止剤、紫外線吸収剤、エラストマー、高分子
改質剤、充填剤、難燃剤、架橋剤、摺動化剤、着臭剤、
軽量化のためのフィラー類、発泡剤、表面平滑化のため
のウイスカーなど種々の添加剤を配合することによっ
て、成形体の特性を改質することができる。通常、これ
らの添加剤は、反応射出成形において予めノルボルネン
系モノマーに溶解または分散させて、少なくとも一つの
反応原液に混合しておき、その後金型内で重合させる。
ル系、リン系、アミン系などの各種のプラスチック・ゴ
ム用酸化防止剤がある。これらの酸化防止剤は単独で用
いてもよいが、併用することが好ましい。酸化防止剤の
配合割合は、通常、ノルボルネン系モノマーに対して
0.5重量部以上、好ましくは1〜3重量部である。ま
た酸化防止剤はモノマーと共重合可能なものでもよく、
その具体例として5−(3,5−ジ−tert−ブチル
−4−ヒドロキシ)ベンジル−2−ノルボルネンなどの
ごときノルボルネニルフェノール系化合物などが例示さ
れる(特開昭57−83522号公報参照)。
酸カルシウム、雲母、水酸化アルミニウムなどの無機質
充填剤が挙げられる。かかる充填剤はシランカップリン
グ剤などで表面処理したものが好ましい。架橋剤として
イオウまたは過酸化物を用いると耐熱性が向上する。
発明のノルボルネン系ポリマーは無色透明なので、塊状
重合する際に着色剤を添加するだけで任意の色調に着色
することができる。その結果、着色されたポリノルボル
ネン系樹脂を得ることができる。着色剤は特に限定され
ないが、染料、顔料などが好ましく用いられる。染料
は、ポリノルボルネン系樹脂に鮮やかな染料色を付与で
きるので、特に好ましい。一般に顔料が、溶剤に溶解せ
ず微粒子状に基材中に分散し、基材に対する結合力が弱
いのに対し、染料は各種の溶剤に可溶であり、基材に対
しイオン結合、水素結合、ファンデルワールス力、共有
結合等の結合力で染着するよう工夫されている。
用すればよい。例えば、染料便覧(有機合成化学協会
編、昭和49年版、丸善(株)発行、発行日昭和49.
7.20)では、その構造から、ニトロ染料、ニトロソ
染料、アゾ染料、ケトイミン染料、トリフェニルメタン
染料、キサンテン染料、アクリジン染料、キノリン染
料、メチン染料、チアゾール染料、インダミン染料、ア
ジン染料、オキサジン染料、チアジン染料、硫化染料、
アミノケトン染料、アントラキノン染料、インジゴイド
染料、フタロシアニン染料等に分類している。また、染
色法から、直接染料、酸性染料、塩基性染料、媒染染
料、建染染料、硫化染料、アゾイック染料、反応染料、
カチオン染料、分散染料、酸化染料、油溶染料等に分類
している。
ロシアニン染料、オキサジン染料のものもあり、また、
酸性染料では、アゾ染料、アントラキノン染料、トリフ
ェニルメタン染料などがある。このように多様な染料を
分類するために、染料便覧ではColour Inde
x番号、その他で染料を規定している。
yesと称されるもので、本発明の着色してあるポリノ
ルボルネン系樹脂の着色剤として好ましく用いられる。
アルコールのような極性溶剤によく溶解するもの、ガソ
リンなどの非極性溶剤によく溶解するものなど、その溶
解性の範囲は広く、主に溶解現象により着色を行う染料
であり、低分子量のものが一般的である。黄色、赤系の
色はアゾ染料が多く、青、緑はアントラキノン染料、フ
タロシアニン染料が多い。
アゾ系のソルベントイエロー2、同じくアントラキノン
系のソルベントブルー11、同じくフタロシアニン系の
ソルベントブルー55、同じくトリアリルメタン系のソ
ルベントブルー2、分散染料でアントラキノン系のディ
スパースブルー3、同じくアゾ系のディスパースレッド
13、酸性染料でアントラキノン系のアシドブルー4
5、塩基性染料でチアジン系のベーシックイエロー1
1、同じくベーシックブルー9、建染染料でアントラキ
ノン系のバットイエロー4、同じくバットブルー20等
が挙げられる。どのようなタイプの染料でも、ポリノル
ボルネン系モノマーに可溶なものが好ましい。なかでも
油溶染料、分散染料、その中でも特に炭化水素系溶剤に
可溶の油溶染料は、ノルボルネン系モノマーに溶解しや
すいので、特に好ましく推奨される。
ク、黒鉛、黄鉛、酸化鉄黄色、二酸化チタン、酸化亜
鉛、四酸化三鉛、鉛丹、酸化クロム、紺青、チタンブラ
ック等があげられる。
使用しても、2種以上を併用してもよい。2種以上の着
色剤を併用することにより、多様な色彩を作り出せるこ
とは、当業者にとっては自明である。
加するか、またはノルボルネン系モノマーにできるだけ
高濃度に溶解したマスターバッチを作成し、反応液に加
える。マスターバッチの濃度は5%以上、好ましくは1
0%以上にすると、添加する上で取扱いやすい。着色剤
の添加量は、各反応液を合計したモノマー量100部に
対して0.002〜3.0部、好ましくは0.01〜
2.0部である。添加量は、必要とする着色の程度に応
じて決定する。添加量が少ないと着色の効果が低く、添
加量が多すぎると経済的でない。
についてさらに具体的に説明するが、本発明は、これら
の実施例に限定されるものではない。
合物が配位したルテニウム触媒を使用した小スケール塊
状重合 30mlの広口ガラス瓶に、ベンジリデン(1,3−ジ
メシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロ
ヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド(Org.
Lett.1999年、1巻、953頁の記載に基づい
て合成したもの)を、表1に示す量だけ加え、さらに攪
拌子を入れた。このガラス瓶の広口に密栓できるゴム栓
とポリエチレン製T字管を用意し、ゴム栓の中央付近に
横向きのT字になるようにT字管を貫通させた後、ガラ
ス瓶に装着した。T字管の横方向の口から窒素気流を流
し、T字管上方向の口を指で押さえたり、離したりする
動作を40回ほど繰返して、ガラス瓶内を窒素置換し
た。その後、窒素気流をゆるやかに流し続けた。
5mlを加えて、マグネティックスターラーで攪拌して
ルテニウム触媒を溶解させた後、ジシクロペンタジエン
(純度98.5%)9.95mlを加えて、さらに10
秒間攪拌した。その後は、数分間で重合反応熱により温
度が急激に上昇して重合反応が完結した(このとき、モ
ノマー蒸気のミストが発生した)。なお、実験は、40
℃に設定した恒温槽中で行ない、モノマーが入った容
器、反応用ガラス瓶および注射器も、40℃に設定した
恒温槽中に置いて恒温になったものを使用した。
室温に冷やし、ポリマーを取り出し、示差走査熱量計に
よりそのガラス転移温度(Tg)を測定した。また、T
g測定と同様にガラス瓶から取り出したポリマーについ
て、熱天秤により室温から400℃まで加熱して求めた
重量の残分率を求めた。これらの測定結果を表1に示
す。
が配位したルテニウム触媒を使用した小スケール塊状重
合 ルテニウム触媒としてベンジリデン(1,3−ジメシチ
ル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘ
キシルホスフィン)ルテニウムジクロリド(Tetra
hedron Lett.1999年、40巻、224
7頁の記載に基づいて合成したもの)を、1.7mg
(塊状重合物全体に対してルテニウム濃度20ppm)
だけ添加する以外は、実施例1〜3と同様に操作した。
測定結果は、Tgが140℃、加熱残分が97.0%と
なった。
ィンが配位したルテニウム触媒を使用した小スケール塊
状重合 ルテニウム触媒としてベンジリデンビス(トリシクロヘ
キシルホスフィン)ルテニウムジクロリド(Strem
Chemical社製)を表2に示す量だけ添加する
以外は、実施例1〜3と同様に操作した。測定結果を表
2に示す。
が配位したルテニウム触媒を使用した小スケール塊状重
合 ルテニウム触媒としてベンジリデンビス(トリシクロペ
ンチルホスフィン)ルテニウムジクロリド(Strem
Chemical社製)を3.7mg(塊状重合物全
体に対してルテニウム濃度50ppm)だけ添加する以
外は、実施例1〜3と同様に操作した。測定結果は、T
gが85℃、加熱残分が89.3%となった。
り、本発明に用いられるヘテロ原子含有カルベン化合物
が配位したルテニウム触媒は、メタセシス開環重合に対
する活性が極めて高く、ルテニウム濃度25ppm以下
でも充分に重合反応が進行することがわかる。
が配位したルテニウム触媒を使用した平板の成形および
成形品の黄色度測定 100mlのポリエチレン製の瓶にベンジリデン(1,
3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリ
シクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリドを
5.1mg(塊状重合物全体に対してルテニウム濃度1
0ppm)と攪拌子を入れ、トルエン0.3mlを加
え、マグネチックスターラーで攪拌してルテニウム触媒
を溶解させた。これに、ジシクロペンタジエン(10%
のシクロペンタジエン3量体を含む)を60ml加え攪
拌し、金型内に圧送した。以上の操作は、室温、窒素雰
囲気下で行った。
形用で、ヒーター付きクロームメッキ鉄板にコの字型ス
ペーサーをはさんだものである。金型温度は、製品面側
は80℃、裏面側は60℃にセットしてあった。配合液
を金型内に圧送してから3分後に脱型し、平板成形品を
取り出した。この平板のTg、加熱残分を実施例1〜3
と同様に測定した。また、黄色度をJIS K 710
3にしたがって透過法により測定した。測定結果は表3
に示す。
が配位したルテニウム触媒を使用した平板の成形および
成形品の黄色度測定 ルテニウム触媒としてベンジリデン(1,3−ジメシチ
ル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘ
キシルホスフィン)ルテニウムジクロリドを10mg
(塊状重合物全体に対してルテニウム濃度20ppm)
使用する以外は、実施例5と同様に操作した。測定結果
は表3に示す。
が配位したルテニウム触媒を使用した平板の成形および
成形品の黄色度測定 ルテニウム触媒としてベンジリデンビス(トリシクロヘ
キシルホスフィン)ルテニウムジクロリド(Strem
Chemical社製)を25mg(塊状重合物全体
に対してルテニウム濃度50ppm)使用する以外は、
実施例5と同様に操作した。測定結果は表3に示す。
が配位したルテニウム触媒を使用した平板の成形および
成形品の黄色度測定 以下の成形法は、WO97/20865号明細書に開示
された実験方法に基づくものである。400mlのPE
Tカップに、ジシクロペンタジエン(10%のシクロペ
ンタジエン3量体を含む)を250mlとトリフェニル
ホスフィン0.13gを加え攪拌して溶解させた。これ
に、ベンジリデンビス(トリシクロヘキシルホスフィ
ン)ルテニウムジクロリド(Strem Chemic
al社製)を0.21g(塊状重合物全体に対してルテ
ニウム濃度100ppm)を加えて、攪拌・溶解させ、
金型に注いだ。以上の操作は、空気中・室温で行った。
ここで、金型は、4×200×200の平板成形用で、
クロームメッキ鉄板にコの字型スペーサーをはさんだも
のである。金型温度は、室温であった。
ュアーを行なった。オーブン温度は、40℃で30分保
った後、90℃で30分、160℃で30分と昇温して
いった。その後、平板成形品を取り出し、実施例5と同
様Tg、加熱残分、黄色度を測定した。測定結果は表3
に示す。
が配位したルテニウム触媒で重合すると、黄色度の低い
成形品が得られることが分かる(実施例5〜6)。一
方、比較例にある触媒を使用した場合は、特に比較例5
は黄色度が大きくなる。比較例4のように触媒量を減量
しても、実施例5〜6に比べて黄色度が大きい上に、T
gが低下している。
による塊状重合 触媒を加えた後に、PD−143Nブラック(大日精化
工業製)を1mg加える以外は、実施例2と同様に操作
した。薄い黒色の透明の重合物が得られた。
による塊状重合 触媒を加えた後に、PD−143Nブラック(大日精化
工業製)を1mg加える以外は、比較例1と同様に操作
した。薄い黒色に黄色みが加わった透明の重合物が得ら
れた。
による塊状重合 触媒を加えた後に、PD−235Nホワイト(大日精化
工業製)を20mg加える以外は、実施例2と同様に操
作した。目的とした白色の重合物が得られた。
による塊状重合 触媒を加えた後に、PD−235Nホワイト(大日精化
工業製)を20mg加える以外は、比較例1と同様に操
作した。目的とした白色にはならず、薄い黄色の重合物
が得られた。
による塊状重合 触媒を加えた後に、KET Blue 111(大日本
インキ化学工業製)を1mg加える以外は、実施例2と
同様に操作した。目的とした青色透明の重合物が得られ
た。
による塊状重合 触媒を加えた後に、KET Blue 111(大日本
インキ化学工業製)を1mg加える以外は、比較例1と
同様に操作した。目的とした青色にはならず、緑色透明
の重合物が得られた。
は着色剤本来の色にはならず、触媒の色である黄色が混
じった色になる。
であるので、光学材料などの分野において極めて有用で
ある。また、本発明の樹脂は、含有されるルテニウムの
濃度が25ppm以下であり、低い金属含有量が要求さ
れる各種の材料分野においても有用である。さらに、本
発明の着色された樹脂は、任意の色調に鮮やかに着色で
きるので、意匠性に優れるという効果を奏する。
Claims (4)
- 【請求項1】 ルテニウム錯体触媒の存在下に、ノルボ
ルネン系モノマーを塊状開環メタセシス重合して得られ
るポリノルボルネン系樹脂であって、 前記ルテニウム錯体触媒として、ルテニウムに少なくと
も1つのヘテロ原子含有カルベン化合物が配位してなる
錯体を用いたことを特徴とするポリノルボルネン系樹
脂。 - 【請求項2】 光路長4mmにおける黄色度(YI)が
10以下であることを特徴とする請求項1記載のポリノ
ルボルネン系樹脂。 - 【請求項3】 含有されるルテニウムの濃度が25pp
m以下であることを特徴とする請求項1記載のポリノル
ボルネン系樹脂。 - 【請求項4】 ルテニウム錯体触媒および着色剤の存在
下に、ノルボルネン系モノマーを塊状開環メタセシス重
合して得られる着色されたポリノルボルネン系樹脂であ
って、 前記ルテニウム錯体触媒として、ルテニウムに少なくと
も1つのヘテロ原子含有カルベン化合物が配位してなる
錯体を用いたことを特徴とするポリノルボルネン系樹
脂。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000096211A JP4288826B2 (ja) | 2000-03-31 | 2000-03-31 | ポリノルボルネン系樹脂 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006342212A (ja) * | 2005-06-07 | 2006-12-21 | Kuraray Co Ltd | 開環メタセシス重合体の製造方法、並びに、開環メタセシス重合体及びそれから得られる成形体 |
WO2008038772A1 (fr) * | 2006-09-29 | 2008-04-03 | Zeon Corporation | Objet moulé, son procédé de fabrication et article moulé réticulé et stratifié enrobé de cuivre obtenus chacun à partir de celui-ci |
US8411416B2 (en) * | 2009-06-22 | 2013-04-02 | Panasonic Corporation | Surface mount electronic component and method for manufacturing the same |
-
2000
- 2000-03-31 JP JP2000096211A patent/JP4288826B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US8411416B2 (en) * | 2009-06-22 | 2013-04-02 | Panasonic Corporation | Surface mount electronic component and method for manufacturing the same |
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