JP3116471B2 - 着色されたノルボルネン系ポリマーの製造方法 - Google Patents

着色されたノルボルネン系ポリマーの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塊状重合によるノルボル
ネン系ポリマーの製造方法に関し、更に詳しくは、着色
剤の分散操作が容易で、色むらのないノルボルネン系ポ
リマーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】反応射出成形(RIM)により、ジシク
ロペンタジエン(DCP)やメチルテトラシクロドデセ
ン(MTD)等のノルボルネン系モノマーを、金型内
で、メタセシス触媒系の存在下に塊状重合することによ
りノルボルネン系ポリマーを得ることは周知の技術であ
る。(特開昭58−129013号、特開昭59−51
911号、特開昭61−179214号、特開昭61−
293208号等)。
【0003】一般にこれらの塊状重合においては、メタ
セシス触媒とノルボルネン系モノマーを含む反応原液
と、共触媒とノルボルネン系モノマーを含む反応原液と
をそれぞれ調製し、この両反応原液を混合してメタセシ
ス重合を開始し、未反応モノマーが実質的に残留しない
程度まで反応させて、重合を完結させる。
【0004】メタセシス重合によって得られたノルボル
ネン系ポリマーは、ポリマー中に二重結合を有し、成形
品は一般に褐色を帯びている。かかるポリマーに着色を
施す方法として、該ポリマー成形品に塗装を施したり
(特開昭63−23971号)、反応原液中に顔料を分
散させて塊状重合を行う方法が知られている(特開平2
−214764号、特開平2−28214号等)。
【0005】しかしながら、ポリマーに塗装を施すこと
は、高価であるほか塗膜の剥離や外観不良等のトラブル
をおこしやすい。また、反応原液中に顔料を分散させて
塊状重合を行う方法は、顔料を均一に分散させることが
難しく、あらかじめホモジナイザーで十分に顔料を分散
させたマスターバッチを用いたり(特開平2−2942
3)、あらかじめ顔料を混練りしたエラストマーを反応
原液に溶解して、顔料の分散を改良する(特開平1−2
23115)等の方法がとられているにもかかわらず、
色ムラが生じやすい問題を有している。従って、顔料を
使用する場合は、顔料を均一に分散させるために細心の
注意と多大の労力が必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、着色されたノルボルネン系ポリマーの製造にあた
り、着色剤の分散操作の手間がかからず、均一に着色さ
れたポリマーを作成するため鋭意研究を行った結果、着
色剤として特定の染料を用いることにより、上記問題点
を克服できることを見いだし、本発明を完成するに到っ
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、ノルボルネン系ポリマーをメタセシス触媒の存在下
に塊状重合するにあたり、ノルボルネン系モノマーに可
溶な染料、好ましくは、油溶染料、分散染料、更に好ま
しくは、炭化水素系の溶剤に溶解する油溶染料を、その
ままメタセシス触媒を含有する反応原液に溶解して用い
ることを特徴とするノルボルネン系ポリマーの製造法が
提供される。
【0008】以下、本発明の構成要素について詳述す
る。
【0009】(ノルボルネン系モノマー)本発明におい
て用いるノルボルネン系モノマーは、ノルボルネン環を
もつものであればいずれでもよいが、三環体以上の多環
ノルボルネン系モノマーを用いると、熱変形温度の高い
重合体が得られる。また、生成する環状重合体を熱硬化
型とするために、全モノマー中の少なくとも10重量
%、好ましくは30重量%以上の架橋性モノマーを使用
してもよい。。
【0010】ノルボルネン系モノマーの具体例として
は、ノルボルネン、ノルボルナジエン等の二環体、ジシ
クロペンタジエンやジヒドロジシクロペンタジエン等の
三環体、テトラシクロドデセン等の四環体、トリシクロ
ペンタジエン等の五環体、テトラシクロペンタジエン等
の七環体、これらのアルキル置換体(例えば、メチル、
エチル、プロピル、ブチル置換体など)、アルケニル置
換体(例えば、ビニル置換体など)、アルキリデン置換
体(例えば、エチリデン置換体など)、アリール置換体
(例えば、フェニル、トリル、ナフチル置換体など)、
エステル基、エーテル基、シアノ基、ハロゲン原子など
の極性基を有する置換体等が例示される。これらのモノ
マーは、1種以上を組合わせて用いてもよい。なかで
も、入手の容易さ、反応性、耐熱性等の見地から、三環
体ないし五環体が賞用される。
【0011】架橋性モノマーは、反応性の二重結合を2
個以上有する多環ノルボルネン系モノマーであり、その
具体例としてジシクロペンタジエン、トリシクロペンタ
ジエン、テトラシクロペンタジエンなどが例示される。
ノルボルネン系モノマーと架橋性モノマーが同一物であ
る場合には格別他の架橋性モノマーを用いる必要はな
い。
【0012】なお、上記ノルボルネン系モノマーの1種
以上と共に開環重合し得るシクロブテン、シクロペンテ
ン、シクロペンタジエン、シクロオクテン、シクロドデ
センなどの単環シクロオレフィンなどを、本発明の目的
を損なわない範囲で併用することができる。
【0013】(メタセシス触媒系)本発明においては、
ノルボルネン系モノマーの開環重合用触媒として公知の
メタセシス触媒と活性剤とからなるメタセシス触媒系が
使用できる。メタセシス触媒の具体例としては、タング
ステン、モリブデン、タンタルなどのハロゲン化物、オ
キシハロゲン化物、酸化物、有機アンモニウム塩などが
挙げられる。活性剤(共触媒)の具体例としては、アル
キルアルミニウムハライド、アルコキシアルキルアルミ
ニウムハライド、アリールオキシアルキルアルミニウム
ハライド、有機スズ化合物などが挙げられる。
【0014】(塊状重合)ノルボルネン系ポリマーの好
ましい製造法では、一般に、ノルボルネン系モノマーを
二液に分けて別の容器に入れ、一方にはメタセシス触媒
を、他方には活性剤を添加し、二種類の安定な反応液を
調製する。この二種類の反応液を混合し、次いで所定形
状の金型中に注入し、そこで塊状による開環重合を行な
う。メタセシス触媒は、ノルボルネン系モノマーの1モ
ルに対し、通常、約0.01〜50ミリモル、好ましく
は0.1〜20ミリモルの範囲で用いられる。活性剤
は、メタセシス触媒成分に対して、好ましくは1〜10
(モル比)の範囲で用いられる。メタセシス触媒および
活性剤は、いずれもモノマーに溶解して用いる方が好ま
しいが、生成物の性質を本質的に損なわない範囲であれ
ば少量の溶剤に懸濁または溶解させて用いてもよい。
【0015】(染料)本発明に使用する染料はノルボル
ネン系モノマーに可溶性の染料である。
【0016】顔料が、溶剤に溶解せず微粒子状に基材中
に分散し、基材に対する結合力が弱いのに対し、染料は
水または溶剤に可溶で、基材に対しイオン結合、水素結
合、ファンデルワールス力、共有結合等の結合力で染着
するよう工夫されている。染料の種類は多様で、染料便
覧(有機合成化学協会編、昭和49年版、丸善(株)発
行、発行日昭和49.7.20)では、その構造から、
ニトロ染料、ニトロソ染料、アゾ染料、ケトイミン染
料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、アクリ
ジン染料、キノリン染料、メチン染料、チアゾール染
料、インダミン染料、アジン染料、オキサジン染料、チ
アジン染料、硫化染料、アミノケトン染料、アントラキ
ノン染料、インジゴイド染料、フタロシアニン染料等に
分類し、染色法から、直接染料、酸性染料、塩基性染
料、媒染染料、建染染料、硫化染料、アゾイック染料、
反応染料、カチオン染料、分散染料、酸化染料、油溶染
料等に分類している。例えば、直接染料は、大部分がア
ゾ染料だが、フタロシアニン染料、オキサジン染料のも
のもあり、また、酸性染料では、アゾ染料、アントラキ
ノン染料、トリフェニルメタン染料などがある。このよ
うに多様な染料を分類するために、染料便覧ではCol
our Index No.その他で染料を規定してい
る。
【0017】この中で、油溶染料はsolvent d
yesと称されるもので、アルコールのような極性溶剤
によく溶解するもの、ガソリンなどの非極性溶剤によく
溶解するものなどその溶解性の範囲は広く、主に溶解現
象により着色をおこなう染料であり、低分子量のものが
一般的である。黄色、赤系の色はアゾ染料が多く、青、
緑はアントラキノン染料、フタロシアニン染料が多い。
【0018】また、分散染料は、disperse d
yesと称されるもので、水に不溶または難溶な染料で
コロイドのように水中に分散する。分子量のあまり大き
くないアミンで構成され、エーテル、エステルの様な弱
親水基をもつものもある。
【0019】(染料の添加)ノルボルネン系のモノマー
をメタセシス触媒系で塊状重合させる場合、反応原液中
には水分や酸素等の重合阻害物質が極力混入しないよう
にする必要がある。顔料等の充填材を使用する場合も、
使用する顔料の種類と添加量によって、触媒系の失活に
見合うように触媒又は活性剤を過剰に添加する必要があ
る。染料は、その分子構造内に発色団、助色団、繊維な
どの基質に染着させるための官能基を有しているので、
顔料よりも重合阻害が大きく、添加しても転化率の高い
ポリマーは得られないと考えられていた。そのため、い
ままで、染料を反応原液中に添加してノルボルネン系ポ
リマーを着色することはなかった。
【0020】しかしながら、意外なことに、染料を着色
剤として反応原液中に添加しても、ノルボルネン系モノ
マーのメタセシス重合を実質上阻害せずに着色が可能な
染料があることがわかった。該染料は、モノマーに可溶
な染料であり、好ましくは、炭化水素系の溶剤(トルエ
ン、キシレン等)に溶解する油溶染料、分散染料、更に
好ましくは炭化水素系の溶剤に溶解する油溶染料であ
る。これらの染料はノルボルネン系モノマーに可溶であ
る。このことは、モノマーへの添加後、顔料のように沈
澱が生じないことを意味するばかりでなく、モノマーと
同等程度の極性であることを意味している。攪拌は、市
販の攪拌機で容易に行うことができる。
【0021】かかる染料の具体例としては、油溶染料で
アゾ系のソルベントイエロー2、同じくアントラキノン
系のソルベントブルー11、同じくフタロシアニン系の
ソルベントブルー55、同じくトリアリルメタン系のソ
ルベントブルー2、分散染料でアントラキノン系のディ
スパースブルー3、同じくアゾ系のディスパースレッド
13、酸性染料でアントラキノン系のアシドブルー4
5、塩基性染料でチアジン系のベーシックイエロー1
1、同じくベーシックブルー9、建染染料でアントラキ
ノン系のバットイエロー4、同じくバットブルー20等
があげられる。どのようなタイプの染料でもモノマーに
可溶なものならば、実質的にメタセシス重合を阻害しな
いで硬化物を得られるが、中でも油溶染料、分散染料、
その中でも特に炭化水素系溶剤に可溶の油溶染料はノル
ボルネン系モノマーにも溶解しやすく重合阻害も少ない
ので好ましい。
【0022】添加する染料は、そのまま反応原液に添加
する。また、メタセシス重合性は水分、酸素によって低
下するので、染料は、充分乾燥したものを用い、窒素等
不活性な雰囲気下で添加操作を行うことが好ましい。
【0023】染料は、反応原液の活性の安定化のため
に、活性剤とモノマーを含む反応原液ではなく、メタセ
シス触媒とモノマーを含む反応原液に添加する。染料を
含むノルボルネン系モノマーを新たな反応液の流れとし
て加えてもかまわない。染料の添加量は各反応液を合計
したモノマー量100部に対して0.002〜3.0
部、好ましくは0.01〜2.0部である。添加量は、
必要とする着色の程度に応じて決定する。添加量が少な
いと着色の効果が低く、添加量が多すぎると重合活性の
阻害が認められるようになり、又、経済的でない。
【0024】また、本発明による染料を、他の着色剤と
併用することにより、多様な色彩を作り出せることは、
当業者にとっては自明である。例えば、他の着色剤とし
て、カーボンブラック、黒鉛、黄鉛、酸化鉄黄色、二酸
化チタン、酸化亜鉛、四酸化三鉛、鉛丹、酸化クロム、
紺青、チタンブラック等があげられる。
【0025】ノルボルネン系ポリマーは褐色なので、染
料だけでは充分な着色がなされない場合がある。この時
に白色系の顔料を使用すると、褐色を目だたなくし、鮮
やかな染料色をだすことができる。
【0026】しかしながら、ノルボルネン系モノマーに
不溶性のものが入ると、反応原液を保存中にそれが沈降
することがあるので、注意を要する。
【0027】(充填剤他)ノルボルネン系ポリマーに
は、顔料、着色剤の他、酸化防止剤、充填材、補強材、
エラストマーなどの添加剤を配合することができる。こ
れらの添加剤は、反応液に溶解ないしは分散させて配合
するが、金型内に配設しておく場合もある。
【0028】反応液に添加するエラストマーとしては、
例えば、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、
スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン−
ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、ス
チレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、エ
チレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPD
M)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)および
これらの水素化物などが挙げられる。これらのエラスト
マーを反応液に添加すると、得られるポリマーに耐衝撃
性が付与されるだけではなく、反応液の粘度を調節する
ことができる。
【0029】(成形)本発明においては従来から反応射
出(RIM)成形装置として公知の衝突混合装置を、二
種類の反応原液を混合するために使用することができ
る。この場合、二種類の反応原液を収めた容器は別々の
流れの供給源となる。二種類の流れをRIM機のミキシ
ング・ヘッドで瞬間的に混合させ、次いで成形金型中に
注入し、そこで即座に塊状重合させて成形品を得る。
【0030】衝突混合装置以外にも、ダイナミックミキ
サーやスタチックミキサーなどの低圧注入機を使用する
ことができる。室温におけるポットライフが1時間もあ
るような場合には、ミキサー中で二種類の反応溶液の混
合が完了してから、予備加熱した金型中へ数回にわたっ
て射出あるいは注入してもよく、また、連続的に注入し
てもよい。この方式の場合には、衝突混合装置に比較し
て装置を小型化することができ、また、低圧で操作可能
という利点を有するうえ、ガラス繊維などの充填剤の充
填量が多い場合に、注入スピードをゆっくりすることに
より、系内に均一に反応液を含浸させることが可能とな
る。
【0031】また、本発明では二種類の反応原液を使用
する方法に限定されない。当業者であれば容易に理解し
うるように、例えば第三番目の容器にモノマーと所望の
添加剤を入れて第三の流れとして使用するなど各種の変
形が可能である。なお、反応液は、通常、窒素ガスなど
の不活性ガス雰囲気下で貯蔵され、また操作される。
【0032】金型温度は、通常、室温以上、好ましくは
40〜200℃、特に好ましくは50〜130℃であ
る。重合反応に用いる成分類は、窒素ガスなどの不活性
ガス雰囲気下で貯蔵し、かつ操作することが好ましい。
重合時間は、通常、20分より短く、好ましくは5分以
内である。
【0033】金型の形状、材質、大きさには、特に制限
はない。低粘度の反応液を使用するため、金属製のもの
だけではなく、各種合成樹脂、低融点合金など種々の材
料で作成されたものが使用できる。
【0034】
【発明の効果】ノルボルネン系モノマーに可溶性の染料
を使用することにより、着色の分散操作の手間がかから
ず、実質的に重合阻害性のない反応原液でノルボルネン
系ポリマーを製造することができる。
【0035】
【実施例】以下に実施例をあげて、更に具体的に説明す
る。なお、実施例および比較例中の部および%は特に断
わりのない限り重量基準である。
【0036】[実施例1]ジシクロペンタジエン(DC
P)100部にスチレン−イソプレン−スチレンブロッ
ク共重合体(SIS)(クインタック3420、日本ゼ
オン社製)5部、2,6−ジ−tert.−ブチル−p
−クレゾール(住友化学社製)2部、ジエチルアルミニ
ウムクロライド(DEAC)を40ミリモル濃度、n−
プロパノールを33ミリモル濃度、四塩化ケイ素を10
ミリモル濃度となるように添加し、溶解し、A液とし
た。
【0037】他方、DCP100部にSIS5部および
フェノール系酸化防止剤(エタノックス702、エチル
コーポレーション社製)2部、トリ(トリデシル)アン
モニウムモリブデートを10ミリモル濃度となるように
溶解し、B液とした。更にこのB液に表1の各種染料を
所定量添加し、溶解した。なお、染料はすべて、室温で
10分間の攪拌でモノマーに溶解したが、表1の実験番
号9のチタン白は配合液の攪拌により分散させたもの
で、溶解はしていなかった。
【0038】200×200×3mmの空間容積を有す
る80℃に加熱した型の中に両反応液を1対1の割合
で、ギヤーポンプとパワーミキサーを用いてほぼ常圧で
速やかに注入した。注入時間は約10秒であり、注入終
了後約3分してから金型を開いて、成形された平板を取
り出した。一連の重合、成形操作は窒素雰囲気の中で行
われた。得られた板は、いずれも充分な物性を有してお
り、外観は良好で着色ムラのないものだった。
【0039】[Tgと転化率の測定]ガラス転移温度
(Tg)の測定は、示差走差熱量計(DSC)によっ
た。また、転化率は、熱天秤によりポリマーサンプルを
室温から400℃まで加熱して求めた重量の残分率によ
った。
【0040】
【表1】
【0041】[表1の説明]実験番号1、2で用いたソ
ルベントブルーは(大栄化工製)は、
【化1】 に示す構造を有するアントラキノン系の油溶性染料であ
る。なお、構造式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基で
ある。実験番号3で用いたソルベントイエロー2は、
【化2】 に示す構造を有するアゾ系の油溶性染料である。実験番
号4で用いたベーシックブルー9は、
【化3】 に示す構造を有するチアジン系の塩基性の染料である。
実験番号5で用いたソルベントブルーは、実験番号1で
使用した染料と同じもので、チタン白はノルボルネン系
モノマーに不溶性の顔料である。添加部数は、B液10
0部に対する染料の添加部数を表す。沈澱の有無は、室
温1週間後のB液中の染料の沈澱の有無を肉眼で観察し
た結果を表す。
【0042】実験結果から、いずれの場合も染料はノル
ボルネン系モノマーに溶解し、ポリマーはきれいに着色
していた。また、重合阻害はほとんどなく、特に油溶性
染料(1,2,3)では重合阻害は全くみられなかっ
た。
【0043】[比較例1]実施例1において染料にかえ
て、カーボンブラック(三菱化成(株)#1000)を
B液に対して0.1部用いること及びB液をホモジナイ
ザー(特殊機化工業(株))にて6000rpmの回転
数で30分間攪拌し、顔料を分散させること以外は実施
例1に従って実験を行った。
【0044】得られた板は黒色で良好な物性を有する
が、太陽に透かして黒色度を観察すると、透明感があ
り、同一添加量の染料(実施例1、実験番号2)が黒色
で透明感がなかったのに対し、着色の効果が低かった。
また、カーボンブラックを分散させたB液は、室温で1
週間試験管中に放置したところ、管底部に黒色粒が認め
られ、配合液を長期に渡って使用する場合には、容器の
底を時々掃除しなければならないことを予想させた。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 61/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノルボルネン系モノマーをメタセシス触
    媒系の存在下に塊状重合するにあたり、ノルボルネン系
    モノマーに可溶な染料を、そのままメタセシス触媒を含
    有する反応原液に溶解して用いることを特徴とするノル
    ボルネン系ポリマーの製造方法。
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