JP2720062B2 - 肉厚成形品の製造方法 - Google Patents

肉厚成形品の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、多環ノルボルネン系ポリマーから成る新規
な肉厚成形品の製造方法に関し、さらに詳しくは、内部
に空孔あるいは空隙がない肉厚成形品を生産性よく製造
する方法に関する。
〔従来の技術〕
最近ジシクロペンタジエンに代表される多環ノルボル
ネン系モノマーを用いた反応射出成形(以下、RIMと略
記)についての技術開発が進められている。この方法で
得られる成形品は、吸水性が小さく、寸法安定性が良好
である上、軽量かつ耐熱性に優れるという特徴を有する
が、このRIM法による成形品は、通常、厚みが10mm以下
の薄いものが多く、切削加工用素材などのごとき肉厚の
ものは得られていない。また、たとえ切削加工用素材や
鍛造品、鋳造品が用いられているような高度の機械的強
度を要求される分野に使用し得るような成形品のごとき
肉厚成形品をRIM法で製造しようとしても、RIM法による
ノルボルネン系モノマーの塊状重合反応は、通常、90〜
130℃程度の高温に保持した金型内に室温またはそれに
近い温度の反応液を供給することによって行なわれるた
め、高温に保たれた金型壁面から重合が始まり、外周部
分が最初に固化し、固化の遅れる中心部分にいわゆる巣
と称する1mm以上、ときには5mmもの空孔あるいは空隙が
成形品内部に生じ易いという欠点があり、切削加工用素
材として不適当であるばかりか、他の成形品としても著
しく商品価値を損なうという問題があった。
この問題点を解決する方法として本発明者らは、先
に、(1)反応物の最大発熱温度を160℃以下に制御す
る方法、および(2)反応物の最大硬化発熱温度から反
応物のガラス転移温度までの冷却期間における反応物内
部の温度差を80℃以内に制御する方法が有効なことを見
出し、特許出願を行なった(特願昭63−188162号)。
しかし、(1)の方法では反応を徐々に進めることが
必要なために生産性の点で難があり、また、(2)の方
法では何らかの理由で重合反応時に空孔が発生してしま
うと、もはやその空孔を除去し得ないという問題があっ
た。
〔発明が解決しようとする課題〕
そこで本発明者らは、実質的に空孔のない多環ノルボ
ルネン系モノマーの肉厚成形品を効率よく得る方法を開
発すべく鋭意検討した結果、型枠に供給するモノマーの
温度を制御することが重要であり、かつ、その条件と上
記(2)の方法とを組み合わせると従来以上の大型肉厚
成形品であっても、空孔が実質的に形成されないことを
見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、本発明によれば、 (1)メタセシス触媒系を含有する三環体以上のノルボ
ルネン系モノマーを型枠内より高温の状態で型枠に注入
した後、型枠内を加圧しながら塊状重合せしめることを
特徴とする多環ノルボルネン系ポリマーからなる実質的
に空孔のない肉厚成形品の製造方法、および (2)上記(1)記載の方法で塊状重合した後、反応物
の最大硬化発熱温度から該反応物のガラス転移温度まで
の冷却期間における反応物内部の温度差を80℃以内に制
御することを特徴とする多環ノルボルネン系ポリマーか
らなる実質的に空孔のない肉厚成形品の製造方法、が提
供される。
以下、本発明の構成要素について詳述する。
(ノルボルネン系モノマー) 本発明において肉厚成形品の原料として使用するモノ
マーは、三環体以上の多環ノルボルネン系モノマーであ
る。三環体以上であることによって、熱変形温度の高い
重合体が得られ、肉厚成形品を切削加工用として用いる
場合に要求される耐熱性を満たすことができる。
また、本発明においては、生成する重合体を熱硬化型
とすることが好ましく、そのためには全モノマー中の少
なくとも10重量%、好ましくは30重量%以上の架橋性モ
ノマーを使用することが望ましい。熱硬化型とすること
により切削時の摩擦熱による溶融を防止することがで
き、切削性が顕著に改良される。
三環体以上のノルボルネン系モノマーとしては、ジシ
クロペンタジエンやジヒドロジシクロペンタジエンなど
のごとき三環体、テトラシクロドデセンなどのごとき四
環体、トリシクロペンタジエンなどのごとき五環体、テ
トラシクロペンタジエンなどのごとき七環体、これらの
アルキル置換体(例えば、メチル、エチル、プロピル、
ブチル置換体など)、アルキリデン置換体(例えば、エ
チリデン置換体など)、アリール置換体(例えば、フェ
ニル、トリル置換体など)、などが挙げられる。
一方、架橋性モノマーは、反応性の二重結合を2個以
上有する多環ノルボルネン系モノマーであり、その具体
例としてジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエ
ン、テトラシクロペンタジエンなどが例示される。した
がって、ノルボルネン系モノマーと架橋性モノマーが同
一物である場合には格別他の架橋性モノマーを用いる必
要はない。
これらのノルボルネン系モノマーは、単独で使用して
もよいし、また、2種以上を混合して用いることもでき
る。
なお、上記三環体以上のノルボルネン系モノマーの1
種以上と共に開環重合し得る2−ノルボルネン、5−メ
チル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボ
ルネン、5−フェニル−2−ノルボルネンなどの二環体
のノルボルネン系モノマー、あるいはシクロブテン、シ
クロペンテン、シクロベンタジエン、シクロオクテン、
シクロドデセンなどの単環シクロオレフィンなどを、本
発明の目的を損なわない範囲で併用することができる。
(メタセシス触媒系) 本発明で用いる触媒は、ノルボルネン系モノマーの開
環重合用触媒として公知のメタセシス触媒系であればい
ずれでもよく(例えば、特開昭58−127728号、同58−12
9013号、同59−51911号、同60−79035号、同60−186511
号、同61−126115号など)、特に制限はない。
メタセシス触媒の具体例としては、タングステン、モ
リブデン、タンタルなどのハロゲン化物、オキシハロゲ
ン化物、酸化物、有機アンモニウム塩などが挙げられる
が、適当な例としては、六塩化タングステン、オキシ四
塩化タングステン、酸化タングステン、トリドデシルア
ンモニウムタングステート、トリ(トリデシル)アンモ
ニウムタングステート、トリオクチルアンモニウムタン
グステートなどのタングステン化合物:五塩化モリブデ
ン、オキシ三塩化モリブデン、トリドデシルアンモニウ
ムモリブデート、メチルトリカプリルアンモニウムモリ
ブデート、トリ(トリデシル)アンモニウムモリブデー
ト、トリオクチルアンモニウムモリブデートなどのごと
きモリブデン化合物:五塩化タンタルなどのごときタン
タル化合物などがある。
中でも反応に使用するノルボルネン系モノマーに可溶
性の触媒を用いることが好ましく、その見地から有機ア
ンモニウム塩が賞用される。触媒がハロゲン化物の場合
には、アルコール系化合物やフェノール系化合物で事前
に処理することにより、触媒を可溶化することができ
る。また、必要によりベンゾニトリルやテトラヒドロフ
ランなどのごときルイス塩基やアセチルアセトン・アセ
ト酢酸アルキルエステルなどのごときキレート化剤を併
用することができ、それにより早期重合を予防すること
ができる。
活性剤(共触媒)の具体例としては、アルキルアルミ
ニウムハライド、アルコキシアルキルアルミニウムハラ
イド、アリールオキシアルキルアルミニウムハライド、
有機スズ化合物などが挙げられるが、適当な例として
は、エチルアルミニウムジクロリド、ジエチルアルミニ
ウムモノクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリ
ド、ジエチルアルミニウムイオダイド、エチルアルミニ
ウムジイオダイド、プロピルアルミニウムジクロリド、
プロピルアルミニウムジアイオダイド、イソブチルアル
ミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミド、
メチルアルミニウムセスキクロリド、メチルアルミニウ
ムセスキブロミド、テトラブチルスズ、アルキルアルミ
ニウムハライドとアルコールとの予備反応生成物などが
ある。
これらの活性剤の中でアルコキシアルキルアルミニウ
ムハライドやアリールオキシアルキルアルミニウムハラ
イドは、触媒成分を混合した場合でも室温では適度なポ
ットライフを有するので、操作上有利である(例えば、
特開昭59−51911号)。アルキルアルミニウムハライド
の場合は、触媒を混合すると即座に重合を開始するとい
う問題がある。その場合には活性剤とエーテル類、エス
テル類、ケトン類、ニトリル類、アルコール類などの調
節剤を併用することにより重合の開始を遅らせることが
できる(例えば、特開昭58−129013号、同61−120814
号)。もし、これらの調節剤を使用しない場合には、短
いポットライフのものでも使用できるように装置上、操
作上の配慮をする必要がある。しかし、ポットライフが
短い触媒系の場合には、反応が急激に進むため反応熱を
効率的に除去することが難しいので、25℃でのポットラ
イフが5分以上、好ましくは10分以上、さらに好ましく
は30分以上のものを用いるのがよい。
また、触媒、活性剤に加えてクロロホルム、四塩化炭
素、ヘキサクロロシクロペンタジエンなどのごときハロ
ゲン化炭化水素を併用してもよい(例えば、特開昭60−
79035号)。さらに、四塩化錫、四塩化ケイ素、塩化マ
グネシウム、塩化ゲルマニウムなどのハロゲン化物を併
用してもよい(例えば、特開昭63−186730号)。
メタセシス触媒は、ノルボルネン系モノマーの1モル
に対し、通常、約0.01〜50ミリモル、好ましくは0.1〜1
0ミリモルの範囲で用いられる。活性剤(共触媒)は、
触媒成分に対して、通常、0.1〜200(モル比)、好まし
くは2〜10(モル比)の範囲で用いられる。
メタセシス触媒および活性剤は、いずれもモノマーに
溶解して用いる方が好ましいが、生成物の性質を本質的
に損なわない範囲であれば少量の溶剤に懸濁または溶解
させて用いてもよい。
(重合条件) 本発明においては、型枠内の温度よりも高温に保持し
た反応原液を低温に保持した型枠内に導入し、型枠内で
加圧下に塊状重合せしめることにより、肉厚成形品を製
造する。
メタセシス触媒系を含有するノルボルネン系モノマー
からなる反応原液は、通常、20〜50℃の温度範囲で供給
される。型枠内の温度は、反応原液の温度よりも低温に
保持するが、両者の温度差は5℃以上、好ましくは10℃
以上、さらに好ましくは15℃以上にする。このように温
度差を設け、反応原液の温度を型枠内の温度より高くす
ることにより、中心部分から固化が始まるか、あるいは
中心部分における固化の遅れが解消されるため、空孔の
発生が防止される。
また、型枠内を加圧しながら塊状重合せしめるが、加
圧は、通常0.5kg/cm2以上、好ましくは1kg/cm2以上、さ
らに好ましくは2kg/cm2とする。加圧することにより、
硬化物の最大発熱温度が160℃を超えても、空孔の発生
が防止される。型枠内を加圧するには、窒素やアルゴン
等の不活性ガスを使用し、型枠内に直接不活性ガスを導
入して加圧するか、あるいは反応原液の供給ラインに不
活性ガスを導入して加圧する。
好ましい肉厚成形品の製造法では、ノルボルネン系モ
ノマーを二液に分けて別の容器に入れ、一方にはメタセ
シス触媒を、他方には活性剤を添加し、二種類の安定な
反応溶液を調製する。その二種類の反応溶液を混合し、
次いで混合して得られる反応原液を所定形状の型枠中に
注入し、そこで塊状による開環重合を開始し、肉厚成形
品を得る。二種類の反応溶液の混合をミキシング・ヘッ
ドで行ない、射出ラインを通じて型枠内に注入してもよ
い。
注入の形式は、特に限定されないが、室温におけるポ
ットライフが比較的長い場合には、ミキサー中で二種類
の反応溶液の混合が完了してから、型枠中へ1回もしく
は数回、さらに必要に応じてより多くの回数にわたって
射出あるいは注入してもよい(例えば、特開昭59−5191
1号)。また、混合物を連続的に供給することもでき
る。注入圧力は、格別制限はないが、通常、20kg/cm2
下で充分であり、好ましくはほぼ常圧で実施される。
また、本発明では二種類の反応溶液を使用する場合に
限定されない。当業者であれば容易に理解し得るよう
に、例えば第三番目の容器に反応溶液と添加剤を入れて
第三の流れとして使用するなど、各種の変形が可能であ
る。
重合時間は、適宜選択すればよいが、通常は2分〜1
時間程度である。
また、重合反応に用いる成分類は窒素ガスなどの不活
性ガス雰囲気下で貯蔵し、かつ操作することが好まし
い。成形金型(型枠)は不活性ガスでシールしてもよい
が、しなくてもかまわない。
型枠 本発明においては、RIM法を採用しているため、型枠
(金型)としては、必ずしも通常の熱可塑性樹脂用の高
価な金型である必要はない。一般の肉厚成形品を成形す
る場合には、常法にしたがってスチール、アルミニウム
などの金属製金型、あるいはエポキシ樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、ポリフッ化エチレンなどの樹脂型などが
用いられる。
しかし、肉厚成形品が切削加工用素材である場合に
は、硬化発熱温度に耐えられるものであれば何でもよ
く、上記の材料の他に木などから製作された型枠であっ
ても充分である。また、熱可塑性樹脂の射出成形とは異
なり粘度の低い反応原液を注入し型枠内で反応・硬化さ
せる方式であること、さらに、切削加工用の素材として
後で機械加工するのであるから、それほど精密な型枠で
ある必要もない。切削加工用素材(いわゆる加工用ブロ
ック材)は、通常、丸棒、角棒、厚板、パイプ等の形状
をしているので、型枠の形状もそれに合わせて作成す
る。反応原液の注入は、型枠の上部からか、あるいは下
部からでもよい。
反応物内部の温度差の制御 反応を開始した反応液は、最大硬化発熱温度に到達
し、反応が終了した後に冷却しながら取り出される。最
大硬化発熱温度は、反応原液の組成によって異なるが、
通常、200〜230℃であり、場合によっては235℃または
それ以上になり得る。
塊状重合した後、反応物の最大硬化発熱温度から該反
応物のガラス転移温度までの冷却時間における反応物内
部の温度差を制御することにより、空孔の発生を防止し
ながら、特に大型の切削加工用素材を好適に製造するこ
とができる。
最大硬化発熱温度から、反応物のガラス転移温度まで
冷却する際に、反応物内部の温度差を80℃以内、好まし
くは70℃以内、さらに好ましくは50℃以内に制御するこ
とが望ましい。反応物内部の温度差は、通常、肉厚部分
の中心部と型枠に接する部分との間が最大となることか
ら、この温度差を80℃以内に制御しながら、反応物全体
を均一に冷却していく。
温度差を制御しながら冷却する方法としては、格別制
限されないが、その具体例として、例えば、反応物が最
大硬化発熱温度に到達すると同時に、型枠の外側をスチ
ーム、電気ヒーターなどにより加熱し所定の温度差に保
つ方法が挙げられる。加熱温度は、上記条件下でできる
だけ温度差を大きく選ぶことが冷却速度を速め、生産性
を上げる観点から重要である。
反応物が冷却するにしたがい型枠の温度も下げて行
き、反応物の温度がガラス転移温度以下に冷却される
と、もはや反応物を急冷しても巣(空孔)の発生には影
響しない。
冷却方法は、加熱手段としてスチームを使用する場合
には、その圧力を下げたり、または水を導入することに
より、また、電子ヒーターの場合には、電流を下げるこ
とにより実施することができる。個々の型枠に冷却装置
を設けることもできるが、数個の型枠を集合させ、共通
の冷却設備を設けることもできる。
上記の温度差を制御するために、反応物中に温度セン
サーを導入し、型枠の温度を管理することが好ましい。
しかし、反応原液の組成やポットライフが一度決定され
ると、ほぼ同じパターンで反応温度および冷却速度を経
時的に変化させることができるので、予めテストを行な
い、好適な冷却速度を決めておくと、温度センサーを個
々の型枠に導入することは必ずしも必要ではない。
(任意成分) 充填剤、顔料、着色剤、酸化防止剤、エラストマー、
ジシクロペンタジエン系熱重合樹脂、難燃剤、摺動化剤
など種々の添加剤を配合することにより、本発明の肉厚
成形品の特性を改質することができる。
特に、反応物中に酸化防止剤を配合しておくと、ポリ
マーの発火点を120℃以上とすることができるので、切
削時および切削屑の発火がなく、しかも切削時の変色や
変形がないなど切削性に優れた肉厚成形品を得ることが
できる。
充填剤には、ガラス、カーボンブラック、タルク、炭
酸カルシウム、雲母などの無機質充填剤がある。
エラストマーとしては、天然ゴム、ポリブタジエン、
ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体(SB
R)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合
体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック
共重合体(SIS)、エチレン−プロピレン−ジエンター
ポリマー(EPDM)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EV
A)およびこれらの水素化物などがある。
これらの添加剤は、予め反応溶液のいずれか一方また
は双方に混合して用いられる。
(肉厚成形品の性状・用途) 本発明によれば、実質的に空孔を有しない高品質の肉
厚成形品が効率よく得られる。ここで、空孔とは、切断
面を目視で観察したときに判別可能なものであり、約0.
1mm以上の径を有するものである。かかる空孔は、0.5〜
10メガヘルツの超音波を成形品に流し、反射波の乱れを
検出することによって見出すことができる。また、実質
的に空孔を有しないとは、成形品を100mm間隔で切断し
たときに、いずれの断面にも空孔がないことを意味す
る。
本発明の肉厚成形品の形状は、例えば、丸棒、角棒、
シート、パイプなど各種の形状とすることができ、その
他、所定形状の三次元形状物であることができる。ま
た、肉厚成形品は、径または厚みは少なくとも20mm以
上、好ましくは50mm以上の部分をものであり、その形状
は使用目的に応じて選択することができる。RIM法を採
用しているため、容易に大型化することができ、その大
きさも丸棒を例にとれば直径約500mm程度のもの、さら
にはそれ以上のものまで製造することができる。肉厚成
形品の例として、重さで50kg以上のものを容易に製造す
ることができる。
本発明方法によれば、切削加工用素材、プラスチック
ポンプのケーシング部分、ポンプのモータベース、肉厚
の箱、大口径肉厚パイプ、タンクなどのごとき肉厚成形
品を生産性よく得ることができる。
[実施例] 以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定
されるものではない。なお、部や%などは、断わりのな
い限り重量基準である。
[実施例1] フェノール系酸化防止剤(商標名イルガノックス25
9、チバガイギー社製)を2%含有するジシクロペンタ
ジエン(以下、DCPという)を2つの容器に入れ、一方
にはDCPに対しジエチルアルミニウムクロリド(DEAC)
を33ミリモル濃度、n−プロパノールを34.6ミリモル濃
度、四塩化ケイ素を20ミリモル濃度になるように添加し
た。他方には、DCPに対しトリ(トリデシル)アンモニ
ウムモリブデートを4ミリモル濃度になるように添加し
た。反応原液のポットライフは、25℃で1分であった。
所定温度に保った両反応液をギヤーポンプとパワーミ
キサーを用いて1:1の比率で混合し30℃で、第1表に示
す形状を有する所定温度のスチール製型枠内へ、ほぼ常
圧で注入した後、所定の圧力に加圧した。これらの一連
の操作は窒素雰囲気下で行なった。
このようにして得られた丸棒状のブロック材を高さ方
向100mm間隔で切断し、その断面を目視で観察した。そ
の結果を第1表に示す。
また、各ブロック材のガラス転移温度(Tg)は、145
〜150℃、熱天秤法での加熱減量分は、2〜3%の範囲
にあり、いずれのブロック材も充分に反応が進行してい
ることが分った。
さらに、酸素圧10Kg/cm2の高圧下で示差熱分析での発
火点を測定した結果、いずれのブロック材も120℃をこ
える値を示した。
第1表から明らかなように、反応原液の温度を型枠内
の温度より高くし、かつ、型枠を加圧すると(実験番号
1〜3)、反応物の最大硬化発熱温度が160℃以上であ
っても、ブロック材の切断面に空孔が見られないのに対
して、型枠温度の方が高かったり、加圧をしない比較例
(実験番号4〜5)の場合には多数の空孔ができること
が分る。
[実施例2] 内径300mm、高さ500mmを有するジャケット付きのスチ
ール製の型枠を用い、実施例1と同一の反応原液を注入
した。反応原液の温度は25℃、型枠温度は15℃で、注入
後窒素ガスで2kg/cm2−Gの圧力をかけた。注入の7分
後に発熱が開始し、最大硬化発熱温度は225℃であっ
た。最大硬化発熱温度に到達後、ジャケットにスチーム
を通し、型内の中心部(反応物の中心部)の温度と型枠
との温度差を50〜55℃に制御しながらガラス転移温度に
まで徐冷した。最大硬化発熱温度到達からガラス転移温
度までの冷却時間は、160分であった。
このようにして得られた丸棒状のブロック材を高さ方
向100mm間隔で切断し、空孔の有無を目視で観察した結
果、空孔は全く認められなかった。
〔発明の効果〕
本発明の方法により、吸水性が小さく、寸法安定性が
良好であると共に軽量で、耐熱性に優れた多環ノルボル
ネン系ポリマーからなる実質的に空孔のない高品質の肉
厚成形品を生産性よく提供することができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メタセシス触媒系を含有する三環体以上の
    ノルボルネン系モノマーを型枠内より高温の状態で型枠
    に注入した後、型枠内を加圧しながら塊状重合せしめる
    ことを特徴とする多環ノルボルネン系ポリマーからなる
    実質的に空孔のない肉厚成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の方法で塊状重合した後、反
    応物の最大硬化発熱温度から該反応物のガラス転移温度
    までの冷却期間における反応物内部の温度差を80℃以内
    に制御することを特徴とする多環ノルボルネン系ポリマ
    ーからなる実質的に空孔のない肉厚成形品の製造方法。
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