JPH06228285A - ノルボルネン系ポリマーの製造方法 - Google Patents

ノルボルネン系ポリマーの製造方法

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JPH06228285A
JPH06228285A JP23884493A JP23884493A JPH06228285A JP H06228285 A JPH06228285 A JP H06228285A JP 23884493 A JP23884493 A JP 23884493A JP 23884493 A JP23884493 A JP 23884493A JP H06228285 A JPH06228285 A JP H06228285A
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JP
Japan
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halogen
norbornene
compound
based polymer
metathesis catalyst
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JP23884493A
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English (en)
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Tomoo Sugawara
智雄 菅原
Yasumasa Wada
泰昌 和田
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 メタセシス触媒系の存在下にノルボルネン系
ポリマーを製造する方法において、ノルボルネン系モノ
マーの重合活性が高く、かつ、金型腐食が抑制されたノ
ルボルネン系ポリマーの製造方法を提供する。 【構成】 ハロゲンフリーなメタセシス触媒と、ハロゲ
ンフリーなメタセシス共触媒と、1分子中のハロゲン原
子数が2つ以下で2重結合を有する炭素にはハロゲンを
含有しないハロゲン含有化合物とから実質的に成るメタ
セシス触媒系を用いることを特徴とするノルボルネン系
ポリマーの製造方法

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メタセシス触媒系を用
いたノルボルネン系ポリマーの製造方法に関し、さらに
詳しくは、ノルボルネン系モノマーの重合活性が高く、
かつ、成形時に発生する腐食性物質による金型の腐食が
抑制されたメタセシス触媒系を用いたノルボルネン系ポ
リマーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】反応射出成形(RIM)により、ジシク
ロペンタジエン(DCP)やメチルテトラシクロドデセ
ン(MTD)等のノルボルネン系モノマーを、金型内
で、メタセシス触媒系(メタセシス触媒と共触媒)の存
在下に塊状重合することによりノルボルネン系ポリマー
を得ることは周知の技術である(特開昭58−1290
13号、特開昭59−51911号、特開昭61−17
9214号、特開昭61−293208号等)。
【0003】一般に、これらの塊状重合においては、メ
タセシス触媒とノルボルネン系モノマーを含む反応液
と、共触媒とノルボルネン系モノマーを含む反応液とを
それぞれ調製し、この両反応液を混合後、メタセシス重
合を開始し、未反応モノマーが実質的に残留しない程度
まで反応させて、重合を完結させる。この触媒系とし
て、一般には、ジエチルアルミニウムクロライド(以下
DEAC)のようなハロゲン含有有機金属と、六塩化タ
ングステン、五塩化モリブデンのようなハロゲン含有金
属化合物または有機アンモニウムモリブデン酸塩、有機
アンモニウムタングステン酸塩のようなハロゲンフリー
な金属化合物が用いられる。
【0004】これらの触媒系において、ハロゲン含有金
属化合物を用いる場合には、触媒も共触媒もハロゲンを
含むため、金型の腐食が大きいという問題がある。
【0005】一方、ハロゲンフリーな金属化合物を用い
る場合には、一般に活性向上のため四塩化珪素のような
腐食性の大きな金属ハロゲン化物を組み合わせて用いる
ことが多く、それらの金属に由来するハロゲンによって
腐食が生じる。
【0006】従って、腐食防止のためには完全にハロゲ
ンフリーな触媒系を用いることが望まれるが、ハロゲン
フリーなモリブデンやタングステン触媒にトリアルキル
アルミニウム化合物を組み合わせても重合活性が乏し
く、実用に供しえない(特開昭63−186730号公
報)。
【0007】他方、特開昭63−210122号公報、
特開平1−221416号公報には、メタセシス触媒の
活性の向上のために、カルボン酸ハライドやテトラクロ
ロエチレンを用いる触媒系が開示されている。しかし、
カルボン酸ハライドはハロゲンが2重結合を有する炭素
に結合しているため遊離しやすく、テトラクロロエチレ
ンは1分子中のハロゲン数が多いので、共に金型腐食は
激しい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、メタ
セシス触媒系を用いたノルボルネン系ポリマーの製造方
法において、ノルボルネン系モノマーの重合活性が高
く、かつ、金型等の金属の腐食が抑制されたメタセシス
触媒系を用いてノルボルネン系ポリマーを製造する方法
を提供することにある。
【0009】
【発明を解決する手段】本発明者らは、前記従来技術の
有する問題点を克服するために鋭意研究した結果、メタ
セシス触媒系の存在下にノルボルネン系モノマーを塊状
重合してノルボルネン系ポリマーを製造する方法におい
て、(1)ハロゲンフリーなモリブデン化合物およびハ
ロゲンフリーなタングステン化合物から選ばれる少なく
とも1種のメタセシス触媒と、(2)トリ低級アルキル
アルミニウム化合物共触媒と、(3)1分子中のハロゲ
ン原子数が2つ以下で2重結合を有する炭素にはハロゲ
ン原子を有しないハロゲン含有化合物とから本質的に成
るメタセシス触媒系を用いることを特徴とするノルボル
ネン系ポリマーの製造方法を発明するに到った。
【0010】以下、本発明について詳述する。
【0011】(ノルボルネン系モノマー)本発明におい
ては、モノマーとしてノルボルネン系モノマーを用い
る。ノルボルネン系モノマーとしては、例えば、2−ノ
ルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチ
ル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネ
ン、5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−ビニル−2
−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、
5−フェニルノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボル
ネン、5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネンなど
の二環体、ジシクロペンタジエンやジヒドロジシクロペ
ンタジエンなどのごとき三環体、テトラシクロドデセ
ン、メチルテトラシクロドデセン、エチルテトラシクロ
ドデセン、ジメチルテトラシクロドデセン、エチリデン
テトラシクロドデセン、フェニルテトラシクロドデセン
などのごとき四環体、トリシクロペンタジエンなどのご
とき五環体、テトラシクロペンタジエンなどのごとき七
環体などが例示される。側鎖には、腐食に影響のない限
り、シアノ基、エステル、エーテル、ピリジル基等を有
するものでもよい。なかでも、入手の容易さ、反応性、
耐熱性等の見地から、三環体ないしは五環体が賞用され
る。これらのノルボルネン系モノマーは、単独で使用し
てもよいし、2種以上を混合して用いることもできる。
【0012】なお、上記ノルボルネン系モノマーの1種
以上と共に開環重合し得るシクロブテン、シクロペンテ
ン、シクロペンタジエン、シクロオクテン、シクロドデ
センなどの単環シクロオレフィンなどを、本発明の目的
を損なわない範囲で併用することができる。
【0013】(メタセシス触媒系)メタセシス触媒 メタセシス触媒としては、ハロゲンを含有しないハロゲ
ンフリーのモリブデン化合物および/またはタングステ
ン化合物であって、モノマー可溶性のものであればいず
れも使用することができる。その中でも、モリブデンも
しくはタングステンの有機アンモニウム塩またはヘテロ
ポリ酸塩が好ましく、特に、特開昭59−51911号
に記載の有機アンモニウム塩が好ましい。
【0014】メタセシス触媒の具体例としては、タング
ステン、モリブテンなどの酸化物、有機アンモニウム
塩、モリブデン酸ナトリウム、ヘキサモリブデン酸アン
モニウムなどの酸素酸塩、ヘテロポリ酸塩などが挙げら
れる。これらの中でも腐食防止の点からタングステンお
よびモリブデンの有機アンモニウム塩が好ましい。その
具体例としては、トリドデシルアンモニウムモリブデン
酸塩及びタングステン酸塩、メチルトリカプリルアンモ
ニウムモリブデン酸塩及びタングステン酸塩、トリ−
(トリデシル)アンモニウムモリブデン酸塩及びタング
ステン酸塩、並びにトリオクチルアンモニウムモリブデ
ン酸塩及びタングステン酸塩、トリドデシルアンモニウ
ムジ(フェニルホスホ)ペンタモリブデン酸塩及びタン
グステン酸塩などを挙げることができる。
【0015】共触媒 本発明においては、共触媒としてトリ低級アルキルアル
ミニウム化合物が用いられる。ここでトリ低級アルキル
アルミニウム化合物とは、炭素数が8以下のアルキル基
をもつアルミニウム化合物、好ましくは炭素数が4以下
のアルキル基をもつアルミニウム化合物、特に好ましく
はトリメチルアルミニウムである。
【0016】具体的には、トリメチルアルミニウム、ト
リエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウ
ム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチル
アルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等をあげる
ことができる。有機アルミニウム化合物を共触媒として
使用する場合には、活性調節剤として、例えば、アルコ
ール、ケトン、エーテル、エステル、ニトリル化合物な
どを適宜添加する。
【0017】活性化剤 本発明においては、活性化剤として特定の有機ハロゲン
化合物が用いられる。ノルボルネン系モノマーのメタセ
シス塊状重合においては、ハロゲン化合物を用いること
により、モノマーの残存率の少ないポリマーが得られる
が、ハロゲンの絶対量が多かったり、ハロゲンの遊離し
やすい化合物を用いると、雰囲気中にハロゲンが放出さ
れやすくなる。係る遊離のハロゲンは雰囲気中の水分と
反応し、腐食製の塩酸を生じるため、金属製の金型を使
用している場合には、金型が腐食されてしまうため好ま
しくない。
【0018】本発明で使用するハロゲン化合物は、触媒
系の活性は向上させるが、金型等の金属の腐食作用が少
ない化合物である。
【0019】1分子中にハロゲンが3つ以上あるハロゲ
ン化合物は、触媒系の活性作用は高いが、ハロゲンの絶
対量が多くなり、金型の腐食作用は強い。このため、本
発明に係るハロゲン含有化合物は1分子中のハロゲン原
子数が2つ以下である必要がある。また、該ハロゲン含
有化合物は、2重結合を有する炭素にはハロゲン原子を
有しないハロゲン含有化合物であることも必要である。
2重結合を有するハロゲン化合物としては、分子中にC
=C、C=Oの構造を有する化合物が挙げられる。これ
らの炭素原子に結合したハロゲンは不安定で遊離しやす
いため、前記同様金型の腐食作用が強く、本発明では使
用出来ない。
【0020】本発明に使用するハロゲン化合物の具体例
としては、ハロアルコール類として、2−クロロ−エタ
ノール、2,2−ジクロロ−エタノール、1−クロロ−
2−プロパノール、1,3−ジクロロ−2−プロパノー
ル、1,1−ジクロロ−2−プロパノール、1−クロロ
−2−ブタノール、1−クロロ−3−メトキシ−2−プ
ロパノール、1,3−ジブロモ−2−プロパノール、
1,3−ジヨード−2−プロパノール、2−クロロシク
ロヘキサノールなどが挙げられる。
【0021】さらに、ハロケトン類として、1−クロロ
アセトン、1,1−ジクロロアセトン、1,3−ジクロ
ロアセトン、クロロメチルエチルケトン、2−クロロシ
クロペンタノン、2−クロロシクロヘキサノン、1,1
−ジクロロアセトフェノン、などが挙げられる。
【0022】さらに、ハロゲン化フェノール類として、
3−クロロフェノール、2,6−ジブロモフェノール、
2,6−ジブロモ−4−メチルフェノール、2,4−ジ
クロロナフトールなどが挙げられる。
【0023】さらに、ハロゲン化珪素化合物として、
(ジクロロメチル)トリメチルシラン、(1,3−ジク
ロロ−2−プロポキシ)−トリメチルシランなどが挙げ
られる。
【0024】さらに、ハロゲン化炭化水素として、モノ
クロルエタン、1,1−ジクロルエタン、1,2−ジク
ロルエタン、1−ブロモエタン、1,1−ジブロモエタ
ン、1,2−ジブロモエタン、1−クロルプロパン、1
−クロルブタン、1−クロルペンタン、1−クロルシク
ロペンタン、1,3−ジクロルペンタン、1,3−ジク
ロルシクロペンタン、1−クロルヘキサン、1−クロル
シクロヘキサン、1,3−ジクロルヘキサン、5−クロ
ルシクロペンテン−2、1,2−ジクロルエチレン等が
挙げられる。
【0025】これらの中でも、触媒活性の点から、ハロ
アルコール類、ハロケトン類、ハロフェノール類が好ま
しく、なかでもβ−ハロアルコール類、o−ハロフェノ
ール類、m−ハロフェノール類が特に好ましい。
【0026】腐食に影響のない限り、本発明の共触媒と
組合わせて他の共触媒を用いることができる。併用する
ことによって、反応速度を変化させることができる。他
の共触媒としては、メタセシス触媒を還元する作用をも
つ化合物が用いられる。その具体例としては、本発明の
共触媒以外のアルキルアルミニウム、アルコキシアルキ
ルアルミニウムおよびアリールオキシアルキルアルミニ
ウム、有機スズ化合物、有機亜鉛化合物、有機マグネシ
ウム化合物、有機シラン化合物などが挙げられる。
【0027】メタセシス触媒は、モノマー1モルに対
し、通常、約0.01〜50ミリモル、好ましくは0.
1〜20ミリモルの範囲で用いられる。共触媒は、触媒
成分に対して、通常、0.1〜200(モル比)、好ま
しくは1〜10(モル比)の範囲で用いられる。活性化
剤は、触媒成分に対して、通常、0.1〜100(モル
比)、好ましくは0.5〜10(モル比)の範囲で用い
られる。メタセシス触媒、共触媒及び活性化剤は、いず
れもモノマーに溶解して用いる方が好ましいが、生成物
の性質を本質的に損なわない範囲であれば少量の溶剤に
懸濁または、溶解させて用いてもよい。
【0028】各種添加剤 酸化防止剤、紫外線吸収剤、エラストマー、高分子改質
剤、充填剤、着色剤、難燃剤、架橋剤、摺動化剤、着臭
剤、軽量化のためのフィラー類、発泡剤、表面平滑化の
ためのウイスカーなど種々の添加剤を配合することによ
って、成形体の特性を改質することができる。
【0029】反応液に添加するエラストマーとしては、
例えば、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、
スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン−
ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、ス
チレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、エ
チレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPD
M)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)および
これらの水素化物などが挙げられる。これらのエラスト
マーを反応液に添加すると、得られるポリマーに耐衝撃
を付与することができる。配合割合は、通常、ノルボル
ネン系モノマーに対して0.5重量部以上、好ましくは
1〜10重量部である。
【0030】酸化防止剤としては、フェノール系、リン
系、アミン系など各種のプラスチック・ゴム用酸化防止
剤がある。配合割合は、通常、ノルボルネン系モノマー
に対して0.5重量部以上、好ましくは1〜3重量部で
ある。また酸化防止剤はモノマーと共重合可能なもので
もよく、その具体例として5−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジル−2−ノルボルネンなどの
ごときノルボルネニルフェノール系化合物などが例示さ
れる(特開昭57−83522号公報参照)。
【0031】充填剤には、ガラス粉末、カーボンブラッ
ク、タルク、炭酸カルシウム、雲母、水酸化アルミニウ
ムなどの無機質充填剤がある。かかる充填剤はシランカ
ップリング剤などで表面処理したものが好ましい。架橋
剤としてイオウまたは過酸化物を用いると耐熱性が向上
する。添加剤は、反応射出成形においては予めノルボル
ネン系モノマーに溶解または分散させ、少なくとも一つ
の反応液に混合しておき、その後金型内で重合する。
【0032】重合方法 本発明に従って、上記メタセシス共触媒を含むメタセシ
ス触媒系の存在下にシクロオレフィンを重合するには、
塊状重合法および溶液重合法を採ることができるが、塊
状重合法、特に反応射出成形(RIM)法によりノルボ
ルネン系モノマーを金型内において塊状で開環重合する
方法が有用である。このRIM法は実質的に塊状重合で
あればよく、少量の不活性化合物が存在していてもかま
わない。好ましい塊状開環重合法では、シクロオレフィ
ンモノマー混合物を二液に分けて別の容器に入れ、一方
にはメタセシス触媒を添加するが共触媒を添加せず、他
方にはメタセシス共触媒を添加するがメタセシス触媒を
添加しないで二種類の安定な反応原液を調製する。この
二種類の反応原液を混合し、次いで所定形状の金型中に
注入し、そこで塊状による開環重合を行なう。
【0033】本発明に用いるハロゲン含有化合物は共触
媒側の反応原液に添加して用いることもできるし、触媒
側の反応原液に添加して用いることもできる。ハロゲン
含有化合物が共触媒と反応性を有するものの場合には、
通常、触媒側の反応原液に添加して用いられる。また、
ハロゲン含有化合物を第三の流れとして添加しても構わ
ない。
【0034】塊状開環重合においては、従来からRIM
装置として公知の衝突混合装置を、二種類の反応原液を
混合するために使用することができる。この場合、二種
類の反応原液を収めた容器は別々の流れの供給源とな
る。二種類の流れをRIM機のミキシング・ヘッドで瞬
間的に混合させ、次いで、高温の成形金型中に注入し、
そこで即座に塊状重合させて成形品を得る。
【0035】また、ミキサー中で二種類の反応原液の混
合が完了してから、予備加熱した金型中へ数回にわたっ
て射出あるいは注入してもよく(例えば、特開昭59−
51911号、米国特許第4,426,502号)、あ
るいは連続的に注入してもよい。この方式の場合には、
衝突混合装置に比較して装置を小型化することができ、
低圧で操作可能にという利点を有するうえ、ガラス繊維
などの補強材の充填量が多い場合に、注入スピードをゆ
っくりすることにより、系内に均一に反応原液を含浸さ
せることが可能となる。
【0036】また、上記の開環塊状重合法は二種類の反
応原液を使用する方法に限定されない。当業者であれば
容易に理解しうるように、例えば第三番目の容器にモノ
マーと所望の活性化剤または添加剤を入れて第三の流れ
として使用するなど各種の変形が可能である。
【0037】本発明で使用する金型の材質は、特に金属
に限定されず、合成樹脂、木材、セメントなどいずれで
も使用できるが、経済性からみて樹脂型およびその表面
をメッキしたもの、電鋳型などが賞用される。
【0038】金型温度は、通常、室温以上、好ましくは
40〜200℃、さらに好ましくは50〜120℃であ
る。型締圧力は通常0.1〜100kg/cm2 の範囲内で
ある。反応原液は、通常、窒素ガスなどの不活性ガス雰
囲気下で貯蔵され、また操作されるが、成形金型は必ず
しも不活性ガスでシールしなくてもよい。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、メタセシス触媒系を用
いたノルボルネン系ポリマーの製造方法ににおいて、ノ
ルボルネン系モノマーの重合活性が高く、かつ、金型腐
食が抑制されたノルボルネン系ポリマーを製造する方法
が提供される。
【0040】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて、本発明
についてさらに具体的に説明するが、本発明は、これら
の実施例のみに限定されるものではない。また、これら
の例における部および%は、特に断りのない限り重量基
準である。
【0041】ポットライフ(PL):触媒を含む反応原
液と共触媒を含む反応原液の混合を開始した時点から、
反応液が液体状からプリン状になるまでの時間を測定
し、ポットライフ(PL)とした。
【0042】硬化発熱までの時間(ETPT):両反応
原液の混合開始時点から、発熱ピークまでの時間を測定
し、硬化発熱までの時間(ETPT)とし、重合反応の
目安とした。なお、PLおよびETPTを測定する一連
の操作は窒素ガス雰囲気中で行った。
【0043】腐食性:ハロゲンを添加した側の反応原液
に金属板(SS−41)を温度23℃、湿度約50%の
空気下に浸漬して10時間後の金属表面の腐食を観察し
た。腐食されていないものおよび腐食の程度が極微小で
あるものは、腐食性を○とした。
【0044】実施例1〜3 ジシクロペンタジエン(DCP)90部とトリシクロペ
ンタジェン10部からなるモノマー混合物にトリドデシ
ルアンモニウムモリブデートを10ミリモル濃度となる
ように溶解し、更に、2−クロロフェノールを表1にし
めす濃度になるようにそれぞれ添加して、A液とした。
【0045】ジシクロペンタジエン(DCP)90部と
トリシクロペンタジェン10部からなるモノマー混合物
に1.0モル濃度の(トリメチルアルミニウム)TMA
を40ミリモル濃度になるようにくわえ、B液とした。
【0046】50ミリリットル容量のバイアル瓶に、3
0℃、窒素雰囲気下でA液、B液を10ミリリットルず
つ加えて混合し、ポットライフ及び硬化発熱(発熱ピー
ク)までの時間を測定した。硬質なポリマーが得られ
た。結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】比較例1 2−クロロフェノールを用いないこと以外は実施例1と
同様にして実験を行った。A液とB液を混合後10分た
ってもわずかに増粘しただけで、ポットライフとならな
かった。結果を表1に示す。
【0049】以上の結果から、ハロゲン活性剤がないと
重合しないが、ハロゲン活性剤が存在することにより重
合することがわかった。
【0050】なお、2−クロロフェノールを40ミリモ
ル濃度とした実施例2の場合のA液の腐食性を確認した
ところ、錆の発生は認められなかった。
【0051】比較例2 ジシクロペンタジエン(DCP)90部とトリシクロペ
ンタジエン10部からなるモノマー混合物に1.0モル
濃度のトリドデシルアンモニウムモリブデートを10ミ
リモル濃度、1.0モル濃度の四塩化珪素を20ミリモ
ル濃度用いてA液とし、また、ジシクロペンタジエン
(DCP)90部とトリシクロペンタジェン10部から
なるモノマー混合物に1.0モル濃度のジエチルアルミ
ニウムクロライドを40ミリモル濃度、n−プロピルア
ルコールを40ミリモル濃度となるように溶解してB液
とした以外は実施例1と同様にして重合を行った。硬質
の重合体が得られた。
【0052】前記比較例2におけるA液を用いて腐食性
を確認したところ、赤錆が発生していた。以上の結果か
ら、実施例2と比較例2のA液による腐食性の確認結果
から本発明にかかる配合は金属の腐食性が非常に少ない
ことがわかった。
【0053】実施例4〜10 ジシクロペンタジエン(DCP)90部とトリシクロペ
ンタジェン10部からなるモノマー混合物にトリドデシ
ルアンモニウムモリブデートを10ミリモル濃度になる
ように加え、更に、表2に示すハロゲン化合物を40ミ
リモル濃度になるようにそれぞれ添加して、A液とし
た。
【0054】ジシクロペンタジエン(DCP)90部と
トリシクロペンタジェン10部からなるモノマー混合物
に1.0モル/リットル濃度のTMAを40ミリモル濃
度となるように溶解し、B液とした。ポットライフ及び
硬化発熱までの時間を測定し、また、A液を用いて腐食
性を確認した。結果を表2にしめす。
【0055】
【表2】
【0056】以上の結果から、種々のハロゲン活性剤が
存在することにより重合することがわかった。また、こ
れらのハロゲン活性剤を用いた配合は関族の腐食性も少
ないことがわかった。
【0057】実施例11 ジシクロペンタジエン(DCP)90部とトリシクロペ
ンタジェン10部からなるモノマー混合物にトリドデシ
ルアンモニウムモリブデートを10ミリモル濃度になる
ようにくわえ、更に、2,6−ジブロモフェノールを4
0ミリモル濃度になるようにそれぞれ添加して、A液と
した。
【0058】ジシクロペンタジエン(DCP)90部と
トリシクロペンタジェン10部からなるモノマー混合物
に1.0モル濃度のトリエチルアルミニウム(TEA)
を40ミリモル濃度となるように溶解しB液とした。
【0059】ポットライフが6秒、硬化発熱までの時間
が55秒で、硬質の重合体が得られた。また、A液を用
いて腐食性を確認したところ、赤錆の発生はなかった。
【0060】以上の結果から、トリエチルアルミニウム
を強触媒としても重合し、得られる重合体は腐食性が少
ないことがわかった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタセシス触媒系の存在下にノルボルネ
    ン系モノマーを塊状重合してノルボルネン系ポリマーを
    製造する方法において、(1)ハロゲンフリーなモリブ
    デン化合物およびハロゲンフリーなタングステン化合物
    から選ばれる少なくとも1種のメタセシス触媒と、
    (2)トリ低級アルキルアルミニウム化合物共触媒と、
    (3)1分子中のハロゲン原子数が2つ以下で2重結合
    を有する炭素にはハロゲン原子を有しないハロゲン含有
    化合物とから本質的に成るメタセシス触媒系を用いるこ
    とを特徴とするノルボルネン系ポリマーの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007077407A (ja) * 1996-02-08 2007-03-29 Advanced Polymer Technologies Inc オレフィン複分解触媒を使用する低グレードdcpdモノマーの重合
WO2015198992A1 (ja) * 2014-06-27 2015-12-30 Rimtec株式会社 ゲル化促進剤

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