JP2001275505A - 藻場造成用海藻種苗の生産方法 - Google Patents

藻場造成用海藻種苗の生産方法

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JP2001275505A JP2000102180A JP2000102180A JP2001275505A JP 2001275505 A JP2001275505 A JP 2001275505A JP 2000102180 A JP2000102180 A JP 2000102180A JP 2000102180 A JP2000102180 A JP 2000102180A JP 2001275505 A JP2001275505 A JP 2001275505A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】藻場造成の核として用いる海藻種苗の生産にお
いて、藻場造成用の各種構造物に対する取付けを簡便に
する、保持具と一体になった形態の海藻種苗を効率的に
生産することが可能な方法を提供する。 【解決手段】ロープ等の適宜太さの担持条体に、予め海
藻の配偶体等を水槽内で付着させた種苗糸を巻き付けた
種苗糸付き担持条体1を用意し、これを造成用構造物に
対する固定手段にもなる略環状の保持具10の外側面に
添着する。次いで、複数の保持具10は、それぞれの挿
通孔20に挿入した細紐21と、各保持具10間に介在
させたスペーサとしてのチューブ22により、所定の間
隔を保持した並列関係で連結され、この状態で海中に吊
り下げられる。適宜の期間が経過すると、種苗糸に付着
していた配偶体等が保持具10上で成長し、保持具10
と一体の海藻種苗となる。この海藻種苗は、例えば柱状
部分を有する造成用構造物に対して保持具10を介して
簡単に取り付けることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚介類の繁殖をも
たらし、海中環境の改善に大きく寄与する藻場(海中林
ともいう)を造成あるいは再生するに当たり、施工時に
対象区域に導入する海藻種苗の生産方法に関する。詳し
くは、例えばコンクリートブロックなど、海藻類の着生
礁として機能し得る各種の素材、形状からなる構造体
(本明細書においては「造成用構造物」という)に予め
海藻種苗を取り付け、造成用構造物に定着したその海藻
種苗を基点として周囲に海藻を繁茂させる藻場造成技術
において、特にその施工性や成功率に大きな影響を及ぼ
す造成用構造物に対する海藻種苗の取付作業等が良好な
海藻種苗の生産方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、我国においては沿岸漁業の振興が
重要な課題であり、魚介類、海藻類の増殖および養殖が
図られている。しかるに、沿岸部においては種々の原因
によって藻場が消滅し、藻場を生活の場としている魚介
類が激減する、いわゆる「磯焼け」と呼ばれる現象が各
地に拡大している。
【0003】一般に、海藻は比較的浅い海底の岩石表面
に着生し、そこで繁殖する。ところが、磯焼け海域では
近くに遊走子の供給源となる母藻が存在しないか、自生
していてもごく僅かである。さらに、磯焼けが進むと岩
石表面が石灰藻で覆われ、海藻が着生し難い状態になる
ことから、自然回復にはきわめて長い時間がかかる。ま
た、砂泥質の海域では海藻の生育は元々困難であり、こ
のような磯焼け海域での藻場の再生や砂質海域での藻場
造りにおいては、施工時に外部から海藻を持ち込むこと
が重要である。
【0004】従来、藻場の造成方法としては、海中に種
々の工夫を施した培養体を設置し、その培養体に海藻が
自然着生するのを待って造成する方法などが知られてい
る。ところが、この方法は自然着生に依存するものであ
るから、特に重要な造成初期における海藻の着生状態
が、不確定な自然的要素によって大きく左右され、しか
も造成に時間がかかるといった造成効率や確実性の点に
おいて根本的な問題があった。
【0005】そこで、ワカメ養殖などにおいて使用され
ている種苗糸と呼ばれる細い撚糸に予め造成用海藻の幼
体を着生させ、この種苗糸をコンクリートブロック等か
らなる造成用構造物の適宜部位に巻き付けて海中に沈設
することにより、その海藻種苗を基点として造成用構造
物の表面に海藻を繁茂させようとする試みがなされてい
る。しかるに、この従来方法は、種苗糸自体が細い糸状
で形状的に不安定であることから、造成用構造物に対す
る取付作業が面倒であるばかりか取付後においても動き
やすく、特に根本的な問題として海藻種苗をごく小さな
幼体の状態で造成用構造物に固定するものであるから、
造成用構造物の表面において順調に着生しないことも多
く、造成の成功率が低いものであった。さらに、この方
法は海中に設置済みの造成用構造物には適用が困難であ
るなど、作業性、成功率等の点から海藻種苗の導入方法
としては実用化が進んでいないのが実情である。
【0006】そこで、本出願人は、種苗糸を造成用構造
物に直接的に取り付ける上記方法に代えて、棒状木片の
表面に種苗糸を介して海藻を着生させた形態の海藻種苗
担持片を予め用意し、この海藻種苗担持片を造成用構造
物の適宜部位に取り付けることにより藻場造成を行う技
術を提案している(特開平9−271279号)。この
海藻種苗担持片を用いる方法では、予め造成用構造物自
体に当該担持片を挿着するための孔部を形成するか、あ
るいは別途固定のための補助部材を併用する必要がある
など、施工面において幾つかの制約があることから、本
出願人はそれを解決するものとして特開2000−23
582号あるいは特開平10−136813号に開示さ
れる海藻種苗担持用具を提案した。すなわち、この海藻
種苗担持用具は、海藻種苗を保持し且つ造成用構造物に
対する固定具としての機能を兼備する基体として、合成
樹脂等からなる略リング状の部材を採用し、少なくとも
一部に柱状部分を有する造成用構造物を対象として開発
されたものである。この海藻種苗担持用具は、既設ある
いは新設の人工的な造成用構造物のみならず、天然の岩
場などに対しても、嵌合可能な適宜部分を選ぶことによ
り、簡単に海藻種苗を移植できるようになっている。
【0007】ところで、大規模な藻場造成では、施工前
に大量の海藻種苗を確保する必要があり、上記リング状
基体と一体化させた状態の海藻種苗をいかに効率よく生
産し、且つ良好な状態で施工場所に供給できるかが、藻
場造成を計画通りに実現させる必須要件であると同時に
コスト低減を図る上での特に重要な技術事項である。こ
れら従来技術においては、種苗生産における作業手順や
使用する補助部材などにそれぞれ違いはあるものの、基
本的にはコンブ、ワカメなどの一般的な海藻養殖技術と
共通する採苗、培養、外海仮植、本養成などの各工程を
経て生産される。その第一段階である採苗作業では、リ
ング状基体の表面に直に海藻の配偶体等を付着させるこ
とも考えられるが、採苗に使用する水槽の大きさなどの
陸上施設のスペース等を含めて総合的に考慮すれば、コ
ンブ等の養殖技術と同様に種苗糸を使用する方法が大量
生産に適し、またコスト面でも有利である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、特開200
0−23582号の場合には、種苗糸を巻き付けたロー
プ(支持綱)等の紐状体を垂直もしくは水平状態で海中
に浸漬し、海藻種苗が移植に耐え得る大きさになるまで
育成した後、この海藻が着生した状態のロープを、所要
の大きさの海藻種苗が少なくとも一株含まれるように短
い長さに切り分け、リング状基体の適宜位置に装着する
ものであって、一般の海藻養殖で行われているロープ養
殖技術を利用できる利点がある。しかるに、この育成方
法においては、それほど太くない狭い表面積のロープを
着生基盤とするため、隣り合う海藻種苗が互いに競合し
て淘汰されやすく、ロープ全体では海藻種苗の密度がそ
れほど高くはならない。特に、ロープを垂直に設置した
場合には、同じロープの上方に着生している海藻種苗が
下方のものに対して影を形成することから斑が生じやす
く、しかも海藻種苗が大きくなるに伴いその影響が強く
現れる。したがって、同じロープ上で多量の海藻種苗を
育成する従来方法は、空間の利用効率でみると無駄の多
いものといえる。さらに、この育成方法で得られる海藻
種苗は、ロープに対して仮根部が不規則に絡み付き、ま
た藻体自体のロープ上での着生位置やそのサイズも一定
ではないことから、このような状態の海藻種苗付きロー
プをリング状基体に装着する場合は、それら伸長した仮
根部等が邪魔になり作業性低下の原因になりやすい。無
理に装着すると、仮根部を損傷させて海藻種苗にダメー
ジを与えることになり、その後の成育に重大な悪影響を
及ぼす虞がある。
【0009】また、ロープを介さずに種苗糸をリング状
基体の外周面に沿って直に取り付けた場合、すなわち特
開平10−136813号における第8実施例(図1
2,13)として開示される担持用具は、その状態で一
時的に養生をすることはあっても、基本的にはそのまま
施工に供することを前提としており、施工時においては
抵抗力の低いごく小さな幼体の状態で使用するものであ
る。したがって、この方法によって得られる海藻種苗
は、施工までの一時的な保管や施工地までの輸送、さら
に施工中においても海藻種苗としての鮮度維持に格別の
配慮をする必要がある。なお、種苗糸を沿わせた状態の
上記担持用具を海中に移して十分な大きさになるまで育
成することも考えられるが、この場合には、作業が天候
等の影響を受けやすいという問題がある。すなわち、海
中への浸漬までを前提として陸上施設でリング状基体に
種苗糸を取り付けたにもかかわらず、天候の急変により
そのまま海上に移せないことがあり、そのような状況に
なると、種苗糸上の海藻幼体等を保護する必要からリン
グ状基体と一体のまま一時的に水槽内に保管せざるを得
ない。このため、その数量が多くなったときの保管スペ
ースの確保が問題となる。
【0010】そこで、本出願人は、藻場造成用海藻種苗
の生産において、さらなる合理化を図るため、採苗、培
養、育成、養生および種苗輸送などの各工程を改めて総
合的に検討した結果、本発明に想到したのである。すな
わち本発明は、造成用構造物に対して簡単に固定するこ
とができ、施工前における取扱い上の制約が少ない海藻
種苗の効率的な生産方法の提供をその目的とするもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明による藻場造成用海藻種苗の生産方法は、予
め海藻の配偶体等を付着させた種苗糸をそれよりも太径
で適宜長さの担持条体に添着した後、この種苗糸付き担
持条体の複数を、造成用構造物の所定位置に固定が可能
で互いに所定間隔を保持してほぼ並列関係に連結される
複数の保持具にそれぞれ展着した状態で海中に浸漬し、
前記種苗糸に付着している海藻の配偶体等を各保持具上
で育成して種苗とすることを特徴としている。
【0012】本発明における海藻種苗は、造成用構造物
に対する海上あるいは海中での海藻種苗の取付作業を考
慮し、造成用構造物に簡単に固定が可能な保持具と一体
の形態として生産されるが、その生産工程の初期段階に
おいて、細径で取り扱いにくい種苗糸をそれよりも太径
の担持条体と一体の状態とすることにより、その後の保
持具への装着や装着前の一時的な保管等における取扱い
を良好ならしめた点に技術的に大きな特徴がある。すな
わち、本発明で使用する担持条体とは、種苗糸よりも太
径で適度な剛性を有し、保持具の形状や大きさなどに適
合した適宜長さの線条体である。具体的には、前記養殖
用ロープやホースなど、適度な剛性と可撓性を兼ね備え
た中実もしくは中空状の素材が好適に使用される。この
種苗糸が取り付けられた状態の担持条体は、種苗糸を育
成の初期段階でリング状基体に固定してしまう従来例と
比べて嵩張らず、しかも多数を密接状態で水槽内に保管
した場合でも、種苗糸に付着している配偶体やその後の
幼体が数日間は枯死することなく保存できる利点があ
る。当該種苗糸付きの担持条体は、適宜の時期と場所を
選んでそのままあるいは適宜変形させた状態で保持具に
展着され、その後の海中での育成工程に供される。した
がって、天候等の理由により、種苗糸を付けた状態の担
持条体を陸上の水槽内で一時的に保管する状況になって
も、格別に大きな水槽を用意する必要がなく、その対応
は従来のものに比べるとはるかに容易であり、作業手順
や場所などの制約も少ない。さらに、保持具に対する装
着も上記のような素材からなる担持条体を介して行うこ
とにより、簡単で確実に行うことができ、作業性の面で
も良好である。
【0013】なお、上記担持条体として、天然繊維ある
いは合成繊維を撚り合わせてなるロープを使用した場合
には、当該担持条体表面での種苗糸のずれがなくなり、
海藻種苗の成育に伴って伸長する仮根の担持条体への付
着を容易にするので好適である。種苗糸を上記担持条体
に添着するには、例えば1本の種苗糸をロープの撚り目
に沿わせて螺旋巻きしたり、あるいはそれとは反対の方
向に巻き付けてもよく、さらに複数本の種苗糸が交差す
るように巻き付けることも可能である。これら巻付状態
の種苗糸の端部は、ロープの撚り目に挟み込んだりロー
プに対して縛るなどして脱落を阻止する。また、短く切
断した複数本の種苗糸をロープの撚り目の所々に差し込
むようにしてもよい。
【0014】次に、上記種苗糸付き担持条体が装着され
る保持具とは、海中での育成中にそれら種苗糸付き担持
条体の複数を適宜間隔でほぼ並列関係に保持するととも
に、そこで成育した海藻種苗を造成用構造物の所要位置
に固定する際には、海藻種苗が一体の状態でそのまま固
定具として利用するものである。すなわち、本発明にお
ける保持具は、施工時に各種の造成用構造物の所要位置
に簡単かつ確実に固定できることに加え、育成中にあっ
ては上記連結状態にある個々の保持具に対して十分な日
照を確保できるような形状が選択される。特に、海中に
おける単位空間当たりの設置数量が多くなる場合には、
その影響は大きく現れるから配慮が必要である。この条
件に適う保持具の形状としては、板のような面状体より
はリング状、その一部が開いている略リング状、あるい
は帯状などの担持条体と同様な線条体に近い形態のもの
が好適である。さらに、当該保持具の限られた表面を有
効に利用するため、前記種苗糸付き担持条体は重なるこ
となくできるだけ広がるように装着される。したがっ
て、前記のごときリング状の保持具では、種苗糸付き担
持条体をその周面に沿うように装着するのが望ましい。
そして、これら保持具は連結状態で海中に浸漬され、種
苗糸に付着している海藻の配偶体等が各保持具上におい
て所要の大きさになるまで適宜の期間にわたり育成され
る。これにより、保持具と一体になった海藻種苗を得る
ことができる。本発明によれば、特に垂下方式で種苗育
成を行う場合において、中層あるいは下層に位置する保
持具に対しても十分な日照が確保されることから、多数
の保持具を連結することで海中を有効に利用することが
できる。
【0015】また、上記保持具を適用する造成用構造物
としては、少なくともその一部が柱状となっているもの
が好都合であり、当該柱状部分を保持具の固定場所とし
て利用することにより、造成用構造物に対して海藻種苗
を簡単かつ確実に取り付けることが可能になる。保持具
の固定は、例えば無端状のリング体では柱状部の外径に
適合するものを予め用意し、柱状部の上端部から挿入し
て嵌着することができる。この場合、保持具の位置ずれ
を防止する手段としては、例えば挿入時に拡径可能な弾
性材料からなる小さめのリング体を使用したり、あるい
は柱状部と保持具との間に楔を打ち込むようにしてもよ
い。また、一個所が開放している略リング状あるいは帯
状などの有端状のものでは、素材として合成樹脂等の適
度な弾性を有する可撓性材料が好適である。前者の場合
には、柱状部の上端部からの挿入に加え、その開放端部
間を広げることにより造成用構造物の柱状部に対して横
方向からの挿着も可能であり、しかも柱状部外径の変動
に対する融通性も高いことから、固定作業における自由
度が高いという利点がある。後者の場合には、柱状部の
周面に沿わせて環状に湾曲した状態で固定することがで
きる。なお、これら有端状の保持具では、素材自身が有
する弾性もしくは端部に適宜設けた掛止手段などによ
り、柱状部への固定後もその環状状態を保持し得るもの
であればよく、竹材、合成樹脂、ゴム、金属などの可撓
性素材により適宜長さ・形状に形成される。合成樹脂の
具体例としては、ポリアミド系樹脂、熱可塑性エラスト
マー、ポリウレタン、ポリオレフィン系樹脂などが挙げ
られる。その中でも、ポリプロピレンからなるリング状
あるいは略リング状の保持具を使用した場合には、リン
グの中心から外れた周上の一個所で連結して吊り下げた
場合であっても、比重が水より小さい保持具と成育した
海藻種苗の重量とが均衡を保つことにより、海中での連
結状態が良好に保たれる。このため、それぞれを周上の
一個所で連結すればよいので、連結作業および育成終了
後の解体作業等を合理化することができる。
【0016】なお、本発明に適用可能な海藻は、藻場造
成の主たる目的に応じて選択され、特にその種類は限定
されない。たとえば、魚類の産卵場所としてはホンダワ
ラのような大型海藻が好ましく、またアワビやサザエの
養殖に利用する場合には、アラメ、カジメ、クロメ等の
コンブ科海藻が好ましい。その中でもツルアラメは、水
深に対する適応範囲が他の海藻類に比べて広いことか
ら、特に多数の保持具を長く連結して垂下方式で育成す
る場合において、水深方向の上下の間で海藻の生育に大
きな差が生じることがなく、海中を有効利用する上で最
適な海藻である。しかも、造成用構造物に移植した後の
成育が良好であるという特長がある。また、海中での育
成期間、あるいは藻場造成に使用する際の海藻種苗の大
きさは、海藻種苗が移植に耐えうる程度の大きさになる
まで行うことが原則である。これらは海藻の種類、施工
時期、造成区域の環境により異なるが、一般的には葉状
部の長さが10cm程度以上が望ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施
の形態について説明する。図1は、本発明において用い
る種苗糸付き担持条体1の斜視図である。この種苗糸付
き担持条体1は、適宜太さの担持条体2と、その周面に
添着される細い種苗糸3から構成され、当該種苗糸3に
は藻場造成に用いる海藻の配偶体等が予め付着されてい
る。この種苗糸3は、コンブやワカメ養殖などにおいて
広く行われている採苗技術の利用により得ることができ
る。すなわち、海藻の配偶体が浮遊している陸上の水槽
内において、クレモナ(商品名)等の付着に適した細糸
を適宜の期間にわたり浸漬すればよく、種苗糸3はその
浸漬期間により配偶体の状態、あるいは発芽した小さな
幼体の状態など、状況に応じて適宜生育段階のものを選
択して担持条体2に取り付ける。なお、小さな幼体にま
で水槽内で育成した種苗糸3を使用する場合には、担持
条体2に取り付ける前に海に移して養生することが、そ
の後の育成を確実なものとする上で望ましく、養生期間
としては5〜10日間程度が好適である。次に、担持条
体2はワカメ養殖等において親綱として利用されている
太径のロープであり、種苗糸3は当該ロープ2の撚り方
向とは反対の向きでその長手方向に沿って螺旋状に巻き
付けられ、両端部分をロープ2の撚り目に差し込むこと
により脱落しないようになっている。この添着方法以外
には、種苗糸3をロープ2の撚り方向に対して同じ方向
に巻き付けたり、あるいは短く切断したものをロープ2
の所々に差し込むようにしてもよい。そして、この種苗
糸付き担持条体1は、使用する保持具の形状および大き
さ等に応じて適宜長さに調製される。この状態の種苗糸
付き担持条体1は、水槽内に高密度で詰め込んだ場合で
も、海水の流通に配慮すれば数日間の保存が可能である
という特長がある。このため、次工程である海上の養殖
施設での浸漬作業が気象条件により中止せざるを得ない
状況になっても、従来のように大きな水槽を確保する必
要がなくなる。
【0018】図2は、上記種苗糸付き担持条体1をリン
グ状の保持具10に装着した状態を示す平面図である。
この場合、種苗糸付き担持条体1は保持具10の円周に
ほぼ近い長さのものが使用され、保持具10の外側周面
に沿って装着されている。この保持具10はポリプロピ
レン等の適度な弾性を有する合成樹脂からなり、図3お
よび図4に示すように、略環状に形成された帯状本体1
1の一端部に鉤状突起12が、また他端部には前記鉤状
突起12を受け入れて環状に保持するための掛止孔13
がそれぞれ設けられている。さらに、帯状本体11の外
側面の五個所には前記種苗糸付き担持条体1を掛止する
ための略L字状の受部14が突設され、この受部14の
先端の内側には突起15が形成されるとともに、この突
起15に対向するように帯状本体11の外周面にも軸心
方向に突起16が設けられている。また、帯状本体11
の中間部分の二個所に略U字状の膨出部17が外側に向
けて突設され、帯状本体11の受部14の内面側には軸
方向に向けて5個の突起18が形成されている。なお、
実施例では帯状本体11の各端部近傍に一対の把手19
が突設されている。そして、帯状本体11の三個所に
は、適宜の線を介して連結するための挿通孔20が設け
られ、これら挿通孔20は、次工程である海中での育成
において、複数の保持具10を所定間隔で連結する際に
使用され、また運搬や一時保管において嵩張らないよう
に積み重ねて連結するような場合にも利用される。
【0019】次に、種苗糸付き担持条体1が装着された
保持具10(図2の状態)は、海中での育成に際して適
宜の耐食性を有する細紐等によりその複数が連結され
る。図5は、その連結状態の要部を示す説明図である。
連結状態にある複数の保持具10は、それぞれ帯状本体
11の三個所に設けられた挿通孔20のうちの一個所に
細紐21が挿通されることにより連結されるが、当該細
紐21の各保持具10間には所定長さのチューブ22が
嵌挿され、このチューブ22により各保持具10間の間
隔が保持されるようになっている。なお、各保持具10
間の間隔は、対象とする海藻種苗の種類、藻場造成工事
において求められる藻体の大きさ、その他これらを吊下
げる海上養殖施設の状況等により異なるが、一般的には
5〜30cm程度が好ましい。間隔が狭すぎると日照条
件の悪化により育成面で悪影響が生じ、間隔が広すぎる
場合には限られた海中空間の利用効率が低下する。これ
ら種苗糸付き担持条体1が装着された保持具10の連結
作業は、陸上あるいは海上のいずれの場所で行ってもよ
く、また予め保持具10のみの状態で連結し、海上で各
保持具10に種苗糸付き担持条体1を装着することも可
能であり、海中に浸漬するまでの各工程は気象条件等に
応じて自由に変更することができる。さらに、各保持具
10間の間隔保持手段は、例えば保持具自体にスペーサ
部分を一体に設けるなど、チューブ22以外の方法に変
更することはもちろん可能である。
【0020】図6は、種苗糸付き担持条体1が装着され
た保持具10を上記連結状態で海中に浸漬した育成中の
状態を示す説明図であり、基本的にはワカメ養殖等で使
用している養殖施設を利用することができる。図示の施
設において、図5の方法により連結された複数の保持具
10を吊り下げるための幹綱30は、フロート31から
垂下されたフロート綱32の下端側にて支持されるとと
もに、その両端側において錨綱33を介してコンクリー
トブロック34により海中の所定位置に固定されるよう
になっている。さらに、連結状態の保持具10の最下端
部には錘35が取り付けられる。この吊下げ状態におい
て、保持具10の素材としてポリプロピレンなどの水よ
りも比重の小さいものを使用することにより、保持具1
0とそこで成育した海藻の重量とが均衡し、各保持具1
0がそれぞれの中心から外れた位置で連結されていて
も、各保持具10の姿勢がそのまま保持される。したが
って、育成後に各保持具10の連結状態を解除する場合
には、1本の細紐21を抜き取るだけで簡単に分離する
ことができる。この場合、海中での育成期間は、海藻の
種類、藻場造成工事において求められる海藻種苗の大き
さなどにより異なるが、少なくとも二ヶ月程度は育成す
ることが望ましい。因みに、ツルアラメの場合では、一
ヶ月間の育成で藻体長が10cm程度、三ヶ月では60
〜80cm程度まで成長し、他のコンブ科海藻に比べて
成長が速いという特長がある。さらに、ツルアラメは水
深に対する適応性が高いので、特に本実施例のように垂
直に吊り下げて育成する場合に、多数の保持具10を長
く連結した状態であっても下方に位置する保持具10で
も海藻種苗は良好に育ち、限られた海中空間を効率的に
利用することができる。なお、この実施例は垂直(のれ
ん)式を適用した場合について説明しているが、連結状
態にある保持具10を水平に設置する水平(延縄)式で
ももちろん可能である。
【0021】図7は、上記生産方法によりリング状の保
持具10と一体の状態で育成された海藻種苗4を用いて
藻場造成を行う場合の説明図である。ここで使用する藻
場造成用構造物40は、コンクリート等から形成された
基盤41に同様な素材からなる円形の柱体42を互いに
所定の間隔をおいて複数本立設したもので、当該柱体4
2に嵌着可能なようにリング状の保持具10の径が設定
されている。この基盤41の形状としては、矩形、十字
形、三つ又状、六角形など適宜形状のものが選択され
る。また、柱体42は実施例のような円柱の他に多角柱
でもよいが、その場合には保持具10の形状もそれに応
じて多角形に形成されることは言うまでもない。このよ
うな造成用構造物40に対して、海藻種苗4を保持具1
0を介して取り付けるには、保持具10の両端部を弾性
に抗して拡げ、その間から柱状部42に嵌めてもよい
し、柱状部42の上端部から外嵌することもできる。そ
して、柱状部42が内部を貫通した状態で帯状本体11
の両端に設けられた鉤状突起12と掛止孔13を、それ
らの近くに設けられた一対の把手19を用いて引き寄せ
ながら掛合させる。これにより、有端状であった帯状本
体11を環状状態に保持することができる。このとき、
帯状本体11の中間部分の2個所に設けられた略U字状
の膨出部17が適宜開くことから、柱状部42の外径に
多少の変動があっても確実に適用することができ、しか
も保持具10自体の弾性復元力を補強する効果もある。
なお、保持具10を構成する素材の弾性が高ければ、こ
のような膨出部17は不要であり、また環状状態を保持
するための両端の掛止手段12,13も不要である。さ
らに、造成用構造物40にあっては、その柱状部42の
外周面に環状溝を形成してこれに保持具10を受け入れ
るようにすれば、特に上下方向への位置ずれを防止する
上で有効である。また、帯状本体11の内周側面に設け
られた突起18は、保持具10の径方向の移動を阻止す
るもので、いずれも保持具10の取着状態を固定するこ
とにより、海藻種苗4の仮根が柱状部42の表面に確実
かつ短期間に定着するのを助ける上で効果がある。
【0022】このようにして造成区域に沈設された造成
用構造物40では、保持具10に着生している多数の海
藻種苗4の仮根が伸長して柱状部42に定着する。そし
て、そこで成長して成熟すると、海藻種苗4から遊走子
が放出され、それら遊走子に基づいて基盤41やその周
囲に海藻が繁茂し藻場が造成される。この造成方法によ
れば、藻場造成の核となる海藻が、所定位置に設置され
た造成用構造物40のほぼ垂直方向に立設している柱状
部42を着生床としていることから、湧昇流等の影響で
良好に生育し、しかも造成用構造物40が永久構造物で
あるためそこで順調に世代交代が行われ、長期間に渡っ
て存在し、周囲にたくさんの遊走子を放散することにな
る。
【0023】上記実施例では、保持具として予めリング
状に形成されているものを例に説明したが、これ以外に
例えば電線やケーブルなどの結束に多用されている合成
樹脂製の結束バンドのようなものでもよい。すなわち、
一端側に設けられたボックス状の掛止部に鋸刃状の他端
部を挿入することによりリング体となる構造であって、
育成中において前記種苗糸付き担持条体1を支持するこ
とができ、且つ造成用構造物の固定位置に合せて湾曲が
可能な適度な硬さを有するものでもよい。この場合に
は、リング体としたときの寸法を自由に選択することが
できるから、前記実施例のものに比べて固定場所の適用
範囲が広くなるという利点がある。
【0024】なお、種苗糸付き担持条体の保持具への装
着は、陸上あるいは海上のいずれでもよく、また連結状
態の保持具に装着したり、個々の保持具に装着してから
連結するなど、この発明の技術思想内での種々の変更実
施はもちろん可能である。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、造成
用構造物に対して固定が容易な保持具と一体にした藻場
造成用海藻種苗を生産する場合に、その生産工程の初期
段階において、細径で取り扱いにくい種苗糸をそれより
も太径の担持条体に添着した状態で扱うことにより、そ
の後の保持具への装着や装着前の一時的な保管等におけ
る取扱いを良好ならしめるという実用上優れた効果があ
る。
【0026】なお、担持条体としてロープの使用が海藻
種苗の着生に好影響を与え、また保持具としては略環状
のものが育成中の日照確保および造成用構造物に対する
固定のし易さの点から好都合であり、さらに当該保持具
を比重が1未満の合成樹脂で形成した場合には、中心か
ら外れた一個所での連結状態であっても育成中の並列状
態が保持されることから、連結および解体作業が容易に
なるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明において使用する種苗糸付き担持条体
の斜視図である。
【図2】 図1に示す種苗糸付き担持条体を保持具に装
着した状態を示す平面図である。
【図3】 保持具の平面図である。
【図4】 保持具の正面図である。
【図5】 種苗糸付き担持条体が装着された保持具の連
結状態の要部を示す説明図である。
【図6】 図5に示す連結状態で海中に浸漬した育成中
の状態を示す説明図である。
【図7】 本発明により得られる海藻種苗の藻場造成に
おける適用状態を示す説明図ある。
【符号の説明】
1…種苗糸付き担持条体、2…担持条体、3…種苗糸、
4…海藻種苗、10…保持具、11…帯状基体、20…
挿通孔、21…細紐、22…チューブ、30…幹綱、3
1…フロート、40…造成用構造物、41…基盤、42
…柱状部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】予め海藻の配偶体等を付着させた種苗糸を
    それよりも太径で適宜長さの担持条体に添着した後、こ
    の種苗糸付き担持条体の複数を、造成用構造物の所定位
    置に固定が可能で互いに所定間隔を保持してほぼ並列関
    係に連結される複数の保持具にそれぞれ展着した状態で
    海中に浸漬し、前記種苗糸に付着している海藻の配偶体
    等を各保持具上で育成して種苗とする藻場造成用海藻種
    苗の生産方法。
  2. 【請求項2】前記担持条体がロープである請求項1に記
    載の藻場造成用海藻種苗の生産方法。
  3. 【請求項3】前記保持具が略環状であり、その周面に沿
    って前記種苗糸付き担持条体を装着した請求項1または
    2に記載の藻場造成用海藻種苗の生産方法。
  4. 【請求項4】前記保持具が比重1未満の合成樹脂からな
    り、周上の一個所でそれらを互いに連結した請求項3に
    記載の藻場造成用海藻種苗の生産方法。
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