JP2010110243A - 海藻種苗の生産方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ホンダワラ類の藻場造成や養殖に適した良質な海藻の種苗を生産する。
【解決手段】受精卵から繊維状の仮根6が伸長して、付着器表層細胞が形成される前、もしくは付着器表層細胞が形成され始めた直後のホンダワラ類の幼体5を一次着生基質7に固定する。
【選択図】図4

Description

本発明は、海藻、例えばホンダワラ類を増養殖するための種苗を生産する方法に関するものである。なお本発明でのホンダワラ類とは、褐藻類ホンダワラ科の海藻で、分類学的には「ヒバマタ目植物」の総称を意味するものであり、例えばスギモク、ウガノモク、ヤバネモク、ジョロモク、フシスジモク、アカモク、ヤツマタモク、ヨレモク、ノコギリモク等がある。
大型の褐藻であるホンダワラ類が繁茂する藻場は、有用魚介類に摂餌場所、隠れ場、産卵場所や仔稚の生育場所を提供するだけでなく、海域の栄養塩類を吸収することで水質浄化にも寄与していることが知られており、各地でホンダワラ類の藻場造成が積極的に試みられている。
また、近年ホンダワラ類にはフコキサンチンをはじめとする様々な機能性成分が含まれていることが明らかになり、健康増進食材としての需要も高まりつつある。
一般にホンダワラ類の幼胚は、海中での落下速度が大きいため拡散性が小さく、投石やコンクリート製藻礁などの着生基質を設置しても、これの近隣に母藻となる藻体が存在しなければ幼胚の着生が期待できない。
そこで効率的に藻場を造成するため、屋内で培養した海藻の種苗を移植する方法が考えられている。そしてこの褐藻類の種苗の生産方法としては、例えば特許文献1〜5に記載された技術が知られている。
特開2000−23582号公報 特開2004−65号公報 特開2004−357613号公報 特開2006−42687号公報 特開2007−135523号公報
特許文献1に記載された海藻種苗の生産方法は、種苗糸などの種苗着生基材に海藻の胞子を着生させて発芽させた後に、その種苗着生基材をそのまま担体に装着して、さらに育成する方法が開示されている。
特許文献2は海藻の着生部材に関するもので、複数の線状体が表面に突出するシート状の基材に海藻の受精卵や遊走子を着生させて、海藻種苗を育成する方法が開示されている。
特許文献3は藻場造成方法に関するもので、表面が粗い多孔質の基材に海藻の胞子を付着させる方法が開示されている。
特許文献4は海藻類種苗の生産方法に係るもので、太径のロープを平板状に束ねた集合体を海水中に設置して、その表面に海藻の生殖細胞などを付着させて育成する方法が開示されている。
特許文献5は海藻種苗の生産方法に関するもので、海水の比重と等しい小ブロック状の海藻育成基質に海藻の幼胚を播種し、幼体になるまで培養し、培養後の基質をそのまま海水中で浮遊状態を維持されるように攪拌しながら育成する方法が開示されている。
上記した各特許文献に記載された各海藻種苗の育成方法にあっては、いずれも平板状、もしくは紐状の基質の上に直接播種した海藻の受精卵や胞子などが、もっぱら基質上の凹凸を頼って、自ら着生することを期待する方法である。
この方法は、コンブ類のように付着器の発達が早く、基質への付着力が強い海藻類の種苗生産には適しているものの、ホンダワラ類のような付着器の発達が遅い藻体の種苗を生産する場合には、藻体が基質に活着する前に、基質から脱落してしまう頻度が極めて高いという問題がある。
本発明は上記のことに鑑みなされたもので、ホンダワラ類の種苗の基質への着生率を向上させて、幼体を確実に基質に活着させた種苗として培養育成して海域での藻場造成やホンダワラ類の養殖に適した良質な海藻の種苗生産方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明に係る海藻種苗の生産方法は、受精卵から繊維状の仮根が伸長して、付着器表層細胞が形成される前、もしくは付着器表層細胞が形成され始めた直後のホンダワラ類の幼体を一次着生基質に固定する。
また、前記一次着生基質に固定されたホンダワラ類の幼体を、さらに一次着生基質ごと二次着生基質に固定する。
そして、前記一次着生基質または前記二次着生基質に固定したホンダワラ類の幼体の付着器が、それぞれ一次着生基質または二次着生基質に活着する。
さらに本発明に係る海藻種苗の生産方法は、受精卵から繊維状の仮根が伸長して、付着器表層細胞が形成される前、もしくは付着器表層細胞が形成され始めた直後のホンダワラ類の幼体を一次着生基質に固定し、前記一次着生基質に固定したホンダワラ類の幼体を、仮根や付着器表層細胞が一次着生基質に活着するまで培養し、上記幼体が活着した一次着生基質を二次着生基質に固定し、二次着生基質に固定された幼体の付着器が二次着生基質に活着するまで培養するようにしている。
そして上記海藻種苗の生産方法において、一次着生基質が撚り糸または組み糸であり、この糸の繊維の間に幼体の仮根を挟み込んで固定するようにしており、また二次着生基質が板状であり、この二次着生基質に設けた固定部に一次着生基質を固定するようにしている。
上記した本発明に係る海藻種苗の生産方法によれば、基質に強固に活着した海藻種苗を生産することができ、特に(1)強い付着力が得られること、(2)適切な密度で培養することが可能であること、(3)天然着生した藻体よりも早い成熟が見込めること、(4)確実な種苗生産であること、(5)栄養繁殖の可能性があること、(6)取り扱いの簡便性があること等の作用効果を奏することができるものである。
すなわち、(1)強い付着力が得られることは、従来の移植個体による藻場造成においては、移植個体が基質に定着する前に剥離脱落してしまうことによる高い初期減耗率が課題であったが、本発明の方法では基質への付着力が十分に強い海藻種苗を生産することができるため、着生の効率が非常に高く、剥離脱落による初期減耗を減少させることができることによるものである。また、従来の方法で生産した海藻種苗では、剥離脱落してしまうような波当たりの強い海域にあっても海藻の種苗を移植することも可能となる。
(2)適切な密度で培養することが可能であることは、従来のような海藻種苗の生産方法にあっては、藻体の生長に伴い基質上で次第に過密になり、培養中の藻体が光や栄養塩などを巡る過度の競争にさらされて、個体数の減少や生長不良に陥っていたが、本発明の方法にあっては、仮根の伸長が始まった幼胚を単離して基質に付着させていることから、減耗や生長不良を生じさせないように培養密度を調節しながら培養することが可能であることによるものである。
(3)天然着生した藻体よりも早い成熟が見込めることは、本発明の方法にあっては、より大型に生長させた海藻の種苗を海域に移植することができるため、その後の生長も促進され、通常、着生から2年目以降でなければ成熟が始まらない海藻種であっても、本発明方法における移植藻体では1年以内に成熟が始まることも見込めることによるものである。すなわち、移植した藻体は各地先において、より早く母藻として機能することになり、周辺海域へのすみやかな藻場の拡張が期待できる。
(4)確実な種苗生産であることは、本発明の方法にあっては培養中の初期減耗が少ないため、入手できる受精卵数が限られているような藻体であっても、それぞれを確実に移植用の種苗に生長させることが可能となることによるものである。
(5)栄養繁殖の可能性があることは、本発明の方法にあっては、付着器が一次着生基質や二次着生基質にしっかりと活着していることから、仮に波浪などにより移植藻体の葉状部が流失したとしても、基質上には付着器が残る可能性が高く、その付着器から藻体が栄養繁殖によって発生して生長することが期待できることによるものである。
(6)取り扱いの簡便性があることは、本発明の方法にあっては、一次着生基質は撚り糸もしくは組み糸であり、二次着生基質は板状の小片であることから、軽量で小型の海藻種苗を作成することが可能であり、移植先までの輸送コストを低減することができ、移植作業の際の取り扱いも簡便であることによるものである。
図1はホンダワラ類(ウガノモク)のライフサイクルを示すもので、雌雄異体の成体の枝の先端部に形成されている雌の生殖器床の表面に放出された卵が雄の生殖器床から放出された精子にて受精して受精卵となり、卵割を経て繊維状仮根を有する一次仮根胚となり、ついで繊維状仮根が増加した二次仮根胚、主軸形成体に生長し、さらに上記繊維状仮根上に付着器表層細胞が発生して付着器に生長した付着器形成体となって、この付着器にて基質に固定されて上記成体へと生長する。
上記ホンダワラ類のライフサイクルにおいて、受精卵から一次仮根胚までの大きさは1mm未満であり、二次仮根胚から主軸形成体までの大きさは1cm未満である。
次に本発明の実施の形態を図2から図6に基づいて説明する。
野外(海中)から成熟して受精している卵が表面に付着している雌の生殖器床1を採集して、オートクレーブで滅菌した濾過海水を入れたシャーレ(容器)2の中に入れる。シャーレ2に入れた滅菌濾過海水内で、生殖器床1の表面をカバーガラス3の縁辺部などでこそぐことにより、生殖器床1の表面に付着している受精卵4をシャーレ2内に採取する(図2)。
採取した受精卵4は、滅菌濾過海水ですすぎながら洗浄して珪藻などの夾雑物を取り除く。
次に滅菌濾過海水に栄養塩類を添加した培養海水をシャーレ2に満たし、その中に上記受精卵4を互いに接触しないような密度で播種する(図3)。この受精卵4を播種したシャーレ2を適切な温度に設定した培養庫内で、受精卵から繊維状の仮根が伸長して付着器表層細胞が形成され始めた直後の幼体(二次仮根胚、もしくは主軸形成体)になるまで静置培養する。この静置培養中は、幼体が流れ出さないように注意を払いながら1週間に1度以上培養海水を交換する。
付着器表層細胞が形成される前、もしくは付着器表層細胞が形成され始めた直後に、繊維状の仮根が伸長した幼体(二次仮根胚、もしくは主軸形成体)を、静置培養していたシャーレの底面から、仮根細胞を損傷しないように採取して単離する。
単離した幼体5の繊維状二次仮根6の一部を一次着生基質7に挟み込んで固定する(図4(a)、(b))。この一次着生基質7は、例えば4〜12号の3本撚りのクレモナ(商品名、以下同様)撚り糸が挙げられる、このクレモナ撚り糸の撚りを戻して、繊維の間に幼体5の仮根6の一部を挟み込む。なお、この一次着生基質7は組み紐であったり、紐状の繊維であってもよい。
一次着生基質7に挟み込んだ後、この一次着生基質7上に幼体5の付着器が活着するまで、上記培養海水中で培養する(図5)。
一次着生基質7に挟み込んだ幼体5の仮根6上に、付着器表層細胞が形成されて、一次着生基質7に付着器が活着したら、この幼体5を一次着生基質7ごと二次着生基質8の凹部に揺動しないようにしっかりと固定する。
図6はその様子を示すもので、これの(a)図に示すように、二次着生基質8は、樹脂にて形成されており、例えば厚さ3mmの塩化ビニール板で、一次着生基質7として用いたクレモナ撚り糸の太さと等しい直径の穴9が4個1列に並べて設けてあり、その中央寄りの2個の穴は、上記クレモナ撚り糸の太さよりもやや浅い溝10でつながっている。そして(b)、(c)図に示すように、塩化ビニール板上の溝10にクレモナ撚り糸に活着した幼体5をクレモナ撚り糸ごとはめ込んで、これの両側のクレモナ撚り糸を中央寄りの穴から裏側へ通し、ついで両端側の穴から表側へ通すことにより、上記幼体5は一次着生基質7ごと二次着生基質8の溝10内に固定される。
一次着生基質7ごと二次着生基質8に固定された幼体5は、その後上記培養海水中で付着器が二次着生基質8に伸展して活着するまで培養して、ホンダワラ類の海藻種苗を生産する。
上記培養工程において、培養容器内に付着珪藻やラン藻などが混入して増殖すると、海藻種苗の生長や付着器の発達に悪影響を与える可能性があるので、必要に応じて培養容器内の内部や培養中の海藻種苗の表面のクリーニングを行う。また、珪藻やラン藻などの夾雑物の混入をなるべく少なくするために、培養に使用する器具や材料は予めオートクレーブで滅菌したものを使用する。
以下に実施例を示して本発明をより詳細に説明するが、以下の実施例によって本発明が限定されるものではない。
この実施例1では、ホンダワラ属フシスジモクを材料として実施した。野外から成熟した雌の生殖器床を採集して、直径180μmの受精卵を得た。この受精卵を、直径90mm、深さ20mmのプラスチックシャーレに、シャーレあたり30〜50個になるように播種し、ついでオートクレーブで滅菌した濾過海水1000mlに対して、藻類用培養液Grund 1mlを添加してなる培養海水を入れた。そしてこのシャーレを15℃に設定した培養庫の中に静置した。
上記培養庫内の照明は、白色蛍光灯を光源として光量子束密度240μE/m/sで、明期12時間/暗期12時間に設定した。また、培養海水は1週間に1度交換した。
3週間後、藻長が3〜7mmまで生長した幼体を単離してこれの繊維状二次仮根の一部を一次着生基質となる12号のクレモナ撚り糸の撚りの間に挟み込んだ。そしてこの幼体を、栄養塩を添加した滅菌濾過海水中で、幼体の付着器がクレモナ撚り糸上に活着するまで培養した。この間に横30mm、縦25mm、厚さ3mmの塩化ビニール板に、直径2mmの4個の穴を1列に穿孔して、その中央寄りの2個の穴を深さが1.6mmの溝でつなげたものをフシスジモク用の二次着生基質として用意した。
4週間後、藻長が10〜15mmになり、付着器がクレモナ撚り糸上に活着した藻体を、クレモナ撚り糸ごとこのクレモナ撚り糸を二次着生基質の溝と穴に通すことにより固定した。その後、付着器が二次着生基質に活着するまで、栄養塩を添加した滅菌濾過海水中で培養し、2ヶ月後、藻長が3〜4cmのフシスジモクの海藻種苗が生産できた。
この実施例2では、ウガノモク属ウガノモクを材料として実施した。野外から成熟した雌の生殖器床を採集して、直径130〜150μmの受精卵を得た。この受精卵を、直径90mm、深さ20mmのプラスチックシャーレに、シャーレあたり30〜50個になるように播種し、ついでオートクレーブで滅菌した濾過海水1000mlに対して、藻類用培養液Grund 1mlを添加してなる培養海水を入れた。そしてこのシャーレを15℃に設定した培養庫の中に静置した。
上記培養庫内の照明は、白色蛍光灯を光源として光量子束密度240μE/m/sで、明期12時間/暗期12時間に設定した。また、培養海水は1週間に1度交換した。
2週間後、藻長が2〜3mm程度まで生長した幼体を単離してこれの繊維状二次仮根を一次着生基質となる4号のクレモナ撚り糸の撚りの間に挟み込んだ。そしてこの幼体を、栄養塩を添加した滅菌濾過海水中で、幼体の付着器がクレモナ撚り糸上に活着するまで培養した。この間に横30mm、縦25mm、厚さ3mmの塩化ビニール板に、直径1.1mmの4個の穴を1列に穿孔して、その中央寄りの2個の穴を深さが1mmの溝でつなげたものをウガノモク用の二次着生基質として用意した。
4週間後、藻長が10〜15mmになり、付着器がクレモナ撚り糸上に活着した藻体を、クレモナ撚り糸ごとこのクレモナ撚り糸を二次着生基質の溝と穴に通すことにより固定した。その後、付着器が二次着生基質に活着するまで、栄養塩を添加した減菌海水中で培養し、3ヶ月後、藻長が3〜4cmのウガノモクの海藻種苗が生産できた。
上記した各実施例において、一次着生基質であるクレモナ撚り糸への幼体の付着器の活着工程では、図7(a)に示すように、幼体5の仮根を挟み込んだクレモナ撚り糸7aの両端を結んで輪状にし、これを図7(b)に示すように海藻培養海水が入っている水槽11内に棒12で吊り下げて多数並べて収納して培養した。
このようにすることにより、一次着生基質への付着器の活着を省スペースにて行うことができると共に、各幼体5への光の照射を効率よく行うことができた。
また図8は、上記した各実施例において用いた二次着生基質8を示すもので、この二次着生基質8は折り曲げることにより容易に分離可能にして多数連結した状態で板状に成形されており、この基質板Aの各二次着生基質8に、上記付着器の活着工程を終了した幼体5をクレモナ撚り糸ごと固定する。その後この各基質板Aを幼体5の固定側を表側にして2枚ずつ背中合わせにして培養海水を入れた培養用水槽に浸漬する。
このようにすることにより、培養用水槽内に多くの幼体を入れることができ、大量培養を行うことができる。
図6(c)に示したように、二次着生基質8に一次着生基質7ごと固定され、この二次着生基質8にて活着するまで培養された海藻種苗は、海藻種苗取り付け器に取り付けられ、この海藻種苗取り付け器を海底に沈設した藻礁に固定することにより藻場が形成される。
図9はその様子を示すもので、海底に沈設する藻礁13の表面、例えば上面に上記二次着生基質8を取り付けた海藻種苗取り付け器14をボルトあるいは接着剤にて固定する。
なお、上記した各実施例にて用いた二次着生基質8は、塩化ビニール板にて構成した例を示したが、これに限るものではなく、セラミックや金属等他の材質を用いてもよい。
また、二次着生基質8に一次着生基質7を固定するための手段として、この二次着生基質8に穴9と溝10を設けた例を示したが、一次着生基質7を固定する手段としては穴や溝に限るものではなく、二次着生基質8にスリットを設け、このスリットに一次着生基質7をはさみ込むようにしてもよく、要は二次着生基質8に固定部を設け、この固定部に一次着生基質7を固定する。
図10から図12は上記二次着生基質8(8a,8b,8c)の固定部の他例及び固定状態を示すものである。
図10(a),(b)は第1の他例を示すもので、二次着生基質8aの中央部表面に設けた溝10の長手方向側にくさび状の切り込み溝15,15を設けている。そして上記溝10にクレモナ撚り糸7aに活着した幼体5をクレモナ撚り糸7aごとはめ込むと共に、クレモナ撚り糸7aの両端を切り込み溝15,15にはさみ込んで固定するようになっている。
図11(a),(b),(c)は第2の他例を示すもので、二次着生基質8bの中央部表面に設けた溝10の長手方向両側に、この溝10まで連通するくさび状の切り込み溝16,16と、この切り込み溝16,16より溝10の長手方向の外側に他の切り込み溝17,17が設けられている。そして上記溝10にクレモナ撚り糸7aに活着した幼体5をクレモナ撚り糸7aごとはめ込み、ついでクレモナ撚り糸7aの両端を内側の切り込み溝16,16にはさみ込むと共に、裏側から外側の切り込み溝17,17に挟み込んでこれを固定するようにしている。
図12(a),(b)は第3の他例を示すもので、二次着生基質8cの表面に、裏側でわずかな厚みによって繋がる深さのスリット18が設けてある。そして二次着生基質8cを折り曲げることにより広くなったスリット18にクレモナ撚り糸7aごと幼体5をはさみ込んでこれを折り戻すことにより固定するようにしている。
上記した本発明の実施例では、(A)受精卵を静置培養して得られた幼体を一次着生基質に固定する工程と、(B)上記一次着生基質に固定された幼体を、さらに一次着生基質ごと二次着生基質に固定し、(C)上記一次着生基質または二次着生基質に固定した幼体の付着器が、それぞれの着生基質に活着する工程を経て海藻種苗を得るようにした例について説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではない。
すなわち、受精卵を静置培養して得られた幼体を一次着生基質に固定し、この一次着生基質を海中に垂下したロープに結びつけて海中で上記幼体が一次着生基質に活着させると共に所定の大きさまで生長させて海藻種苗としてもよい。
ホンダワラ類のライフサイクルを示す説明図である。 受精卵の採取状態を示す斜視図である。 受精卵の静置培養状態を示す斜視図である。 (a),(b)は幼体を一次着生基質に固定する様子を示す説明図である。 一次着生基質に幼体が活着した状態を示す説明図である。 (a),(b)は二次着生基質に一次着生基質を取り付ける作用説明図であり、(c)は断面図である。 (a),(b)は一次着生基質に取り付けた幼体の培養作用を示す説明図である。 二次着生基質に取り付けた幼体の培養作用を示す説明図である。 海藻種苗取り付け器を用いて藻場を造成する様子を示す斜視図である。 (a),(b)は二次着生基質の第1の他例を示す斜視図である。 (a),(b),(c)は二次着生基質の第2の他例を示す斜視図である。 (a),(b)は二次着生基質の第3の他例を示す斜視図である。
符号の説明
1…生殖器床、2…シャーレ、3…カバーガラス、4…受精卵、5…幼体、6…仮根、7…一次着生基質、7a…クレモナ撚り糸、8,8a,8b,8c…二次着生基質、9…穴、10…溝、11…水槽、12…棒、13…藻礁、14…海藻種苗取り付け器、15,16,17…切り込み溝、18…スリット、A…基質板。

Claims (6)

  1. 受精卵から繊維状の仮根が伸長して、付着器表層細胞が形成される前、もしくは付着器表層細胞が形成され始めた直後のホンダワラ類の幼体を一次着生基質に固定することを特徴とする海藻種苗の生産方法。
  2. 前記一次着生基質に固定されたホンダワラ類の幼体を、さらに一次着生基質ごと二次着生基質に固定することを特徴とする請求項1記載の海藻種苗の生産方法。
  3. 前記一次着生基質または前記二次着生基質に固定したホンダワラ類の幼体の付着器が、それぞれ一次着生基質または二次着生基質に活着する工程を含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の海藻種苗の生産方法。
  4. 受精卵から繊維状の仮根が伸長して、付着器表層細胞が形成される前、もしくは付着器表層細胞が形成され始めた直後のホンダワラ類の幼体を一次着生基質に固定し、
    前記一次着生基質に固定したホンダワラ類の幼体を、仮根や付着器表層細胞が一次着生基質に活着するまで培養し、
    上記幼体が活着した一次着生基質を二次着生基質に固定し、
    二次着生基質に固定された幼体の付着器が二次着生基質に活着するまで培養する
    ことを特徴とする海藻種苗の生産方法。
  5. 一次着生基質が撚り糸または組み糸であり、この糸の繊維の間に幼体の仮根を挟み込んで固定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項記載の海藻種苗の生産方法。
  6. 二次着生基質が板状であり、この二次着生基質に設けた固定部に一次着生基質を固定することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項記載の海藻種苗の生産方法。
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