JP4229728B2 - 藻場造成方法 - Google Patents

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  • Cultivation Of Seaweed (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚介類の繁殖をもたらし、海中環境の改善に大きく寄与する海藻類を中心とした藻場(海中林ともいう。)の造成技術に係り、より詳しくは、藻場造成時に母藻として外部から導入する移植用海藻種苗の造成用構造物に対する定着技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、我国においては沿岸漁業の振興が重要な課題であり、魚介類、海藻類の増殖および養殖が図られている。しかるに、沿岸部では種々の原因によって藻場が消滅し、藻場を生活の場としている魚介類が激減する、いわゆる「磯焼け」と呼ばれる現象が各地に拡大し、その早急な対策が求められている。
【0003】
海藻類は、一般に比較的浅い海底の岩石表面に着生し、そこで繁殖する。ところが、磯焼け海域では遊走子の供給源となる母藻群が近くに存在せず、しかも着生床となる岩石表面が石灰藻で覆われている場合が多いこと等により、環境的に海藻がきわめて着生し難い状況になっている。また、砂泥質の海域では海藻の生育は元々困難である。したがって、このような磯焼け海域での藻場の再生や砂泥海域での藻場造りにおいては、外部からの海藻の導入を図ることが重要である。
【0004】
従来、藻場の造成方法としては、海藻の着生床として機能し得る種々の工夫を施したコンクリートブロック等の既製の構造体(「着定基質」あるいは「着生基盤」とも称されるが、本明細書においては「造成用構造物」という。)を設置し、その構造体表面に海藻が自然着生するのを待って造成する方法が一般的である。しかしながら、これら従来方法では、遊走子を介した自然着生に依存するため、特に重要な造成初期における海藻の着生状態が不確定な自然的要素によって大きく左右されるばかりか、藻場造成に時間がかかるといった造成効率や確実性の点において根本的な問題があった。
【0005】
そこで、ワカメ養殖などで行われている種苗糸を利用し、予め造成用の海藻幼体を着生させた細い撚糸をコンクリートブロック等の既製の造成用構造物に巻き付けて海中に沈設することにより、種苗糸から造成用構造物の表面に着生した成熟海藻から放出される遊走子を介して繁茂状態を実現しようとする試みがなされている。しかしながら、この従来方法は、造成用構造物に対する前記種苗糸の固定作業が難しいばかりでなく、その取付後の状態が不安定であり、しかも海中に設置済みの造成用構造物に対して適用することはほとんど不可能であった。また、取付後においても、造成用構造物に対する種苗糸の固定状態に少しでも問題があると、細い糸状で形状的に不安定な種苗糸は、その問題個所から固定状態の悪化が拡大し、簡単に脱落してしまうという欠点があった。特に、種苗糸自体の強度がほとんどないために海藻種苗をごく小さな幼体の段階で取り扱わなければならず、施工後において順調に着生して生育しないことが多く、造成の成功率が低いものであった。このため、海藻種苗の移植手段として、種苗糸をそのまま適用する上記方法には多くの問題があり、実用化が進んでいないのが実情である。
【0006】
このように不安定な種苗糸に代えて、適宜素材からなる基板の表面に予め移植用の海藻種苗を着生(担持)させた海藻種苗付き基板を造成用構造物に取り付ける方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0007】
また、これとは別の観点から、本出願人は移植用の海藻種苗の生産、その後の造成用構造物への取付・沈設までの各工程、造成用構造物の形状等を総合的に検討した結果、合成樹脂等の適度な弾性素材からなる環状部材に海藻種苗を担持させた海藻種苗付きのリング(海藻種苗担持具)を用意し、これを柱状構造からなる既製の造成用構造物に取り付けることにより、立体的な藻場の造成を図る技術を既に提案している(特許文献4参照)。
【0008】
【特許文献1】
実開昭63−155366号全文(明細書第2頁、第1図)
【特許文献2】
特開昭61−260818号公報(第1頁右欄第12行−第2頁左欄第14行)
【特許文献3】
特公平2−20211号公報(第3頁第5欄第12行−40行、第3図)
【特許文献4】
特開2000−116256号公報(第4頁第6欄第10行−40行、図3)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前者の方法における海藻種苗付き基板の生産は、初めに陸上の水槽内で基板(担持具)の表面に海藻種苗を着生させ、しかる後、幼体が着生した基板を海に移動し、養殖筏等の海上施設から海中に吊り下げて育成するのが一般的である。しかしながら、収容空間に制約がある水槽内での着生作業において、プレート状の担持具は嵩張るため、限られた空間の水槽内では適度な隙間を残して多量に基板を並置することが難しく、この方法はあまり効率的ではない。さらに、幼体が着生した基板を数珠玉状に吊るして行う海中での育成作業では、上方に位置する基板と、その影が形成される下方の基板との間では光環境に大きな差が生じ、移植用海藻種苗の生産方法としては、歩留まりが悪いという問題点があった。また、斯かるプレート状担持具の適用対象となる造成用構造物には、予め所定位置にボルト等の結合手段を設けてく必要があり、基本的に既設の造成用構造物に適用できないという問題点もあった。
【0010】
一方、後者の方法で用いる海藻種苗付きリングは、前者の海藻種苗付き基板に存在する種苗の着生ならびに育成上での問題点が改善され、その活用が大いに期待されている。しかるに、ここで使用するリング状担持具は、合成樹脂を薄板状に成形したものあるから、取付部位の外側形状に応じて自在に変形するほどの柔軟性は示さない。このため、造成用構造物には、基本的にリング状担持具の内側形状とほぼ同じ断面形状の取付部が必要であり、その適用対象が柱状構造のような特定形状の造成用構造物に限定されるという問題点が残されていた。
【0011】
本発明は、これら従来技術の問題点に鑑みなされたもので、施工時に対象海域に導入する移植用の海藻種苗として、生産性や取扱いやすさ等に優れるリング状の海藻種苗担持具に着目し、これを柱状構造物以外の各種形状の既製の造成用構造物に適用させて行う藻場造成方法の提供をその目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明による藻場造成方法は、断面円形状で持運び可能な定着体を既製の造成用構造物の平面部分に固定するとともに、略円環状の担持具の外周面に沿って、種苗糸等の付着基材を介して海藻種苗を着生させ、それを海中で中間育成してなる太の紐状体が取り付けられた海藻種苗担持具を前記定着体の外周面に嵌着し、該定着体を介して前記造成用構造物に付設された海藻種苗を基点として周囲に海藻を繁茂させることを特徴とするものである。
【0013】
この方法によれば、略円環状の担持具に担持された海藻種苗は、海藻種苗担持具を外嵌可能な定着体を介しての移植になるから、ほぼ同じ径で断面円形状の定着体の使用により、各種形状既製の造成用構造物に対して簡単かつ確実に付設することが可能である。しかも、その後の取付状態が安定する利点もある。これにより、それら海藻種苗を造成初期の核となる母藻として有効に活用することができ、そこで成熟した海藻種苗が、遊走子の供給源としての役割を果たし、造成用構造物の表面、さらにはその周辺区域に海藻の繁茂状態を実現する。
【0014】
また、上記方法で用いる定着体としては、略円環状の担持具に海藻種苗が担持された海藻種苗担持具を外周面に嵌着できる断面円形状をなし、かつ持運び可能であって、造成用構造物との結合面に予め貯溜された接着剤の流出により造成用構造物に結合されるもの、あるいは一部に設けられた帯状部材の結束により造成用構造物に結合されるものなど、既製の造成用構造物に対して後で簡単に固定できるものが好適である。これら定着体の既製の造成用構造物の平面部分に対する取付作業は、例えば予め施工現場近くの陸上において造成用構造物の所要位置に固定したり、あるいは沈設直前に台船上で固定することはもちろん可能であるが、その固定手段によっては沈設された造成用構造物に対して海中での取付も可能である。
【0015】
なお、海藻種苗は空気中に曝される時間が長くなるにつれその鮮度が低下する。このように鮮度の低下した海藻種苗を適用した場合には、施工後の海藻種苗の生育が順調でなくなるばかりか、生存率にも悪影響が避けられない。したがって、海藻種苗担持具の定着体への嵌着作業は、少なくとも沈設直前に台船上で行うか、あるいは造成用構造物を先に所定場所に沈設した後、海中で装着することが望ましい。なお、斯かる海藻種苗担持具は、施工後において海藻種苗の生育状態が思わしくない場合には、簡単に海藻種苗の追加、交換ができるという利点もある。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明では、略円環状の海藻種苗担持具を、その外周面に嵌着可能な断面円形状で、かつ持運び可能な定着体の使用により、各種の既製の造成用構造物に対して、海藻種苗担持具を所要の場所に付設することができ、その取付作業が簡便になると同時に適用対象となる範囲の拡大が実現される。その結果、担持具に担持された移植用の海藻種苗が、造成用構造物の表面部分に確実に定着し、遊走子の供給源として藻場造成の基点となるものである。ここで、定着体の形状としては、基本的には担持具の内側形状に適合していればよく、例えば断面円形状で短尺の柱状体や筒状体などが好適であり、持運び可能な大きさ、質量に設定される。なお、定着体の形状ならびに造成用構造物に対する固定手段は、造成用構造物の形状や取付位置などに応じて適宜選定される。また、既製の造成用構造物としては、格子枠状に形成されたいわゆる並型漁礁、その他各種形状の既製構造物が適用可能であり、その形状や素材も特に限定されない。
【0017】
さらに、定着体の表面には、海藻種苗担持具から供給される遊走子の付着を高め、その後の生育をより確かなものにする効果が期待できる養藻塗料の塗布が望ましい。造成用構造物の表面についても同様に養藻塗料を塗布するのが好ましい。この場合の養藻塗料としては、一般的な化成肥料を主体とする塗料でもよいが、本出願人の提案に係る光合成細菌、多孔質粒子および当該光合成細菌の栄養成分からなる水域環境改善用塗料(特許第3175964号公報参照)が特に好適である。この塗料を塗布した場合には、移植した海藻種苗の成長に有効であるばかりか、胞子を介しての海藻類の高い着生率を維持し、かつ海藻の生育に必要な栄養分を長期間にわたり安定的に供給することができる。さらに、各種の海洋生物が付着しやすいことから、多様な生態系を備えた藻場が形成される。
【0018】
また、海藻種苗を担持する担持具としては、合成樹脂等の可撓性材料を用いて一個所が開放している略円環状に形成し、その開放端部間を広げることにより当該定着体に対して横方向からの取付が可能であるものが好適である。さらに、同様な素材を略帯状に形成し、定着体への取付時にその周面に沿わせて環状に湾曲して取り付けるもの、あるいは閉鎖された環状体として形成され、定着体に対してはその上端部から挿入して固定するものなども使用できる。
【0019】
ところで、上記担持具に海藻種苗を着生させる方法としては、例えば一般にワカメ養殖などにおいて行われている方法を応用することができる。すなわち、まず海藻遊走子が浮遊する水槽内にクレモナ(商品名)等の海藻遊走子の付着に適した種苗糸等の付着基材を浸漬し、これに海藻遊走子を付着させて発芽させる。その後、海藻幼体が数ミリ程度になった段階で付着基材をそのままロープやホースなどの適度な太さを有する紐状体に螺旋巻きするなどして添着し、直ちにこれをリング状の担持具に添わせるように取り付ける。そして、これらを海に移し、海上の筏から吊り下げるなどして育成を行う。この中間育成により、海藻幼体の仮根が紐状体や担持具に十分に付着し、海藻種苗と担持具とが一体化した海藻種苗担持具となる。この中間育成では、移植に耐えうる程度の適宜大きさになるまで育成する。その大きさは、海藻の種類、施工時期、造成区域の環境等により異なるが、例えばコンブ科海藻の場合では、一般的に葉状部の長さとして50cm〜1m程度が望ましい。前記担持具に対する紐状体の固定は、例えば定着体に取り付たときに外側となる担持具の面に複数の鉤状部を所定間隔で形成してその内部に嵌入したり、あるいは別途ファスナーを使用して担持具と紐状体とを結束するなどして両者を一体化することができる。本発明に用いる海藻の種類として、アラメ、カジメ、クロメ等のコンブ科海藻は餌料的価値が高く、海中林と称される大規模藻場の形成が可能である等の点から好ましい。その中でも、ツルアラメは本発明のような取扱いに適している。もちろんコンブ科海藻に限定されるものではなく、魚介類の産卵場所としての役割に主眼を置く場合など、藻場造成の目的によっては他の種類の海藻でも広く適用が可能である。
【0020】
【実施例】
以下、図面に基づき本発明の実施例について説明する。図1は、本発明に係る藻場造成方法の説明図であり、造成用構造物1、定着体2および海藻種苗担持具3から構成されている。図示の造成用構造物1は、いわゆる並型魚礁と称される立方格子枠状に製作された既製のコンクリート構造物であり、その上面の四隅にそれぞれ後付けされた定着体2を介して海藻種苗担持具3が取り付けられている。なお、実施例では造成用構造物1の周囲に捨て石Sが設けられている。
【0021】
図2は、上記実施例で使用する定着体2の斜視図である。この定着体2は、高さの低いコンクリート製の円柱体21の上面に持運び用の把手22が設けられ、接着剤の刷毛塗り等の適宜結合手段により造成用構造物1に固定される。この場合、定着体2の固定位置はこのように上面の四隅に限定されることはなく、上面側の各辺の中間部分はむろんのこと、場合によっては垂直部分等の他の部分でもよい。また、孔明け作業が必要となるが、接着剤に代えて両端側にウエッジを備える後施工アンカー(例えば特開平9−217720号公報等参照)などを用いて結合することも可能である。
【0022】
次に、本発明で用いる海藻種苗担持具3について詳述する。図3,4は、それぞれ海藻種苗担持具3の正面図と平面図である。この海藻種苗担持具3において、担持具31はポリプロピレン等の適度な弾性を有する合成樹脂からなり、一部が開いた帯状のリングとして形成されている。そして、この担持具31の外周面の5個所に設けられた略L字状の受け部31aに対して、海藻種苗32が着生している短尺のロープ(紐状体)33が外周面に添うようにして嵌入され、前述した中間育成により海藻種苗32の仮根が伸長して担持具31と一体化したものである。なお、ここで使用する海藻種苗32は、ワカメ養殖などで行われている方法を応用した養殖種苗である。すなわち、海藻の遊走子が浮遊する水槽内にクレモナ(商品名)等の遊走子の付着に適した採苗糸を浸漬し、これに海藻の遊走子を付着させて発芽させた後、幼体が適宜の大きさになるまで育成した種苗糸33aをそのままロープ33に螺旋巻きし、それを担持具31に装着して海中に設置し、海藻種苗32として適宜大きさになるまで育成したものである。
【0023】
そして、上記構成の海藻種苗担持具3が取り付けられた造成用構造物1を対象区域の海底に設置した後、担持具31に担持されている海藻種苗32が成熟すると、周囲に無数の遊走子を放出し、それらが近くにある造成用構造物2や捨て石Sなどの表面に付着する。ここに着生して成育した海藻は、同様に遊走子を放出する。これが繰り返されることにより、次第に海藻の生育範囲が拡大し、藻場が形成される。この場合、海藻種苗担持具3は定着体2を介しての固定であるから、従来のような柱状構造物に限らず、少しの平面部分を備えるものであれば、各種形状の造成用構造物に適用することができる。
【0024】
次に、図5,6は本発明で使用する定着体の別の実施例である。図示の定着体4は、前記実施例のものと同様にコンクリート製の円柱体41からなり、その底面の中央に設けられた凹部に接着剤42がシール材43により封入されたものである。なお、実施例では把手44が上面に形成された凹部45の内部に設けられ、積重ねの妨げとならないようになっている。斯かる定着体4の固定作業は、平坦部分を有する造成用構造物5の所定位置に適宜の塊状物51を載置し、底面の中央を塊状物51に合わせて上方から降ろす。これにより、シール材43が破れて接着剤42が流れ出し、塊状物51と凹部内面との間を満たすとともに、塊状物51の底面側にも回り込み、さらに円柱体41の底面と造成用構造物5の表面との間に浸透してそれら三者を結合することになる。ここで、塊状物51の形状は、シール材43の破断が容易となるように上部に鋭角な部分を有するような形状にしてもよい。なお、海藻種苗担持具の定着体4に対する装着作業は、前記実施例と同様である。
【0025】
図7,8は、本発明で使用する定着体のさらに異なる実施例を示し、それぞれ正面図と平面図である。図示の定着体6は、矩形板61の片面中央に円筒62が一体化され、さらに矩形板61の四隅に結束バンド63が取り付けられたものである。また、円筒62の外周面には、2個所に設けられた突起64aを利用することにより後述する海藻種苗担持具7を固定することができる狭幅の固定リング64が、ほぼ中間の高さ位置に嵌着され、それらの表面には前述した養藻塗料(図示せず)が塗布されている。
【0026】
図9は、上記定着体6に適用する別の海藻種苗担持具の実施例で用いる担持具の正面図である。この担持具71は、略L字状の受け部72、略U字状の膨出部
73、端部近くに設けられる一対の把手74等については前記実施例の担持具31と同様であるが、端部の形状が異なるものである。すなわち、一対の把手74よりも終端に近い位置には、上記定着体6に嵌着された固定リング64の突起64aと掛合可能な掛止孔75が形成されている。そして、図10に示すように、海藻種苗76が着生している短尺のロープ(紐状体)77を、その5個所に設けられた略L字状の受け部72に嵌入することにより、海藻種苗76と担持具71とが一体化した海藻種苗担持具7が得られる。
【0027】
図11,12は、それぞれ上記定着体6の使用方法を示す正面図と平面図である。この造成用構造物8は、3本の柱状体が交差するように一体化されたコンクリートからなる既製の構造体であり、X字状に配置される2本の柱状体8a,8bに対してそれらを跨ぐように配置される柱状体8cが下方に位置するように海底に設置されるものである。斯かる造成用構造物8に対して、定着体6は、その2本の柱状体8a,8bの上部の側面に矩形板61をあてがった状態で、それぞれ結束バンド63を用いて固定される。そして、上記海藻種苗担持具7は、定着体6の固定リング64に外嵌され、2個の突起64aに担持具71の2個の掛止孔75をそれぞれ掛合することにより確実に固定される。なお、海藻種苗担持具7の取付時期については特に限定されないが、この定着体を使用する場合には、付着物で表面が汚損された既設(沈設状態)の造成用構造物に対してもそのままの状態で固定することができるので、接着手段を採用する前記実施例に比べて適用対象が広がるという利点がある。
【0028】
なお、上記各実施例では、必須要件となる海藻種苗担持具における担持具の形状が円形で、これに適合する定着体が断面円形状のものについて説明したが、その他の要件である定着体と既製の造成用構造物の結合手段や造成用構造物の形状は任意であり、本発明の技術思想内での種々の変更実施はもちろん可能である。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による藻場造成方法では、略円環状の担持具の外周面に沿って、種苗糸等の付着基材を介して海藻種苗を着生させ、それを海中で中間育成してなる太の紐状体が取り付けられた海藻種苗担持具と、これを外周面に嵌着可能な断面円形状で、かつ持運び可能な定着体を使用することにより、各種の既製の造成用構造物に対して、遊走子の供給源として藻場造成の基点となる移植用の海藻種苗を所要の場所に簡便に付設することが可能になり、併せて対象となる造成用構造物の適用範囲が拡大するなど、その実用上の効果はきわめて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による藻場造成方法の一例を示す説明図である。
【図2】 図1に示す定着体の斜視図である。
【図3】 図1に示す海藻種苗担持具の正面図である。
【図4】 図3に示す海藻種苗担持具の平面図である。
【図5】 本発明で使用する他の定着体の固定方法を示す説明図である。
【図6】 図5の定着体の固定状態を示す説明図である。
【図7】 本発明で使用する定着体の他の実施例を示す正面図である。
【図8】 図7に示す定着体の平面図である。
【図9】 本発明で使用する担持具の他の実施例を示す正面図である。
【図10】 図9の担持具を用いた海藻種苗担持具の平面図である。
【図11】 図7に示す定着体の適用状態を示す正面図である。
【図12】 図11に示す適用状態の平面図である。
【符号の説明】
1,5,8…造成用構造物、2,4,6…定着体、3,7…海藻種苗担持具、31,71…担持具、32,76…海藻種苗、42…接着剤、63…結束バンド

Claims (1)

  1. 断面円形状で持運び可能な定着体を既製の造成用構造物の平面部分に固定するとともに、略円環状の担持具の外周面に沿って、種苗糸等の付着基材を介して海藻種苗を着生させ、それを海中で中間育成してなる太の紐状体が取り付けられた海藻種苗担持具を前記定着体の外周面に嵌着し、該定着体を介して前記造成用構造物に付設された海藻種苗を基点として周囲に海藻を繁茂させることを特徴とする藻場造成方法。
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