JP2001270258A - 平版印刷版用支持体 - Google Patents

平版印刷版用支持体

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JP2001270258A
JP2001270258A JP2000089337A JP2000089337A JP2001270258A JP 2001270258 A JP2001270258 A JP 2001270258A JP 2000089337 A JP2000089337 A JP 2000089337A JP 2000089337 A JP2000089337 A JP 2000089337A JP 2001270258 A JP2001270258 A JP 2001270258A
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mass
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printing plate
surface roughening
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JP2000089337A
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English (en)
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Hirokazu Sawada
宏和 澤田
Akio Uesugi
彰男 上杉
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電気化学的粗面化処理における粗面化効率に優
れるとともに、耐刷性に優れ、プレートクリーナ液で版
面を拭いた以降もこの特性を保持する平版印刷版用支持
体に関する。 【解決手段】Feを0.2〜0.5質量%、Siを0.
04〜0.20質量%、Cuを0.005〜0.040
質量%、Tiを0.010〜0.040質量%およびM
gを0.001〜0.020質量%含み、かつ、In、
Pb、Sn、Bi、Cr、MnおよびZnから選択され
る1種以上の元素を合計で0.001〜0.05質量%
含み、残部がAlと不可避的不純物とからなるアルミニ
ウム合金板に、電気化学的粗面化処理を含む粗面化処理
を施してなることを特徴とする平版印刷版用支持体を提
供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平版印刷版用支持体
に関し、詳しくは、電気化学的粗面化処理における粗面
化効率に優れるとともに、耐刷性に優れ、プレートクリ
ーナ液で版面を拭いた以降もこの特性を保持する平版印
刷版用支持体に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム板を支持体とする感光性平
版印刷版はオフセット印刷に幅広く使用されている。平
版印刷版原版は、一般的に、アルミニウム板の表面を粗
面化し、さらに陽極酸化処理を行った後、感光液を塗
布、乾燥して感光層を形成することによって製造され
る。平版印刷版原版は、画像に露光された後、現像液に
よって現像され、ポジ型の平版印刷版原版では、露光部
が除去され、またネガ型の平版印刷版原版では、非露光
部が除去され、製版され、平版印刷版となる。その後、
平版印刷版は、その表面にインクが塗布され、印刷に供
される。このように、平版印刷版原版では露光によって
感光層の物性を変化させ、この物性変化を利用して製版
を行っている。
【0003】アルミニウム板の粗面化方法としては、従
来から、ボールグレインやブラシグレイン等の機械的粗
面化法、塩酸や硝酸等を主体とする電解液を用いて電解
エッチングする電気化学的粗面化法、酸溶液やアルカリ
溶液によりエッチングする化学的粗面化法等が知られて
いる。近年では、電気化学的粗面化法により得られた粗
面が印刷性能に優れることから、電気化学的粗面化法と
他の粗面化法とを組み合わせて粗面化することが主流と
なっている。
【0004】このようにして粗面化されるアルミニウム
板には、感光層との密着性、およびアルミニウム板の保
水性を向上させるため、適度な深さ、直径を有し、それ
らの大きさが均一であるピット(凹凸)を、支持体表面
全体に均一に生成することが要求される。ピットは深い
ほど感光層との密着性は強力となる。
【0005】また、オフセット印刷では、版から直接用
紙にインキを転移せず、図1に示すように、版1から一
度弾力性のあるゴム布(ブランケット2)に移し、この
ブランケット2と用紙3とを接触加圧して印刷を行う
が、非画像部のピットが不均一の場合、湿し水の保持が
不十分になり、インキの侵入を許し、版面の非画像部に
インキが付着し、汚れ、その汚れがブランケットに転写
し、しいては印刷物の汚れとして現れる。このような印
刷物への汚れを除去するためには、通常、ブランケット
の汚れが確認された時点で、印刷機を停止し、非画像部
に付着したインキを洗浄するとともに、湿し水の供給量
を増して、汚れを防止する。洗浄する際は、版面全体、
すなわち画像部、非画像部をともに酸性またはアルカリ
性のプレートクリーナ液を適当量、スポンジに湿らせて
拭きとり、洗浄する。このようにすることで、非画像部
に付着したインキを除去することができる。
【0006】しかし、プレートクリーナ液で版面全体を
洗浄すると、クリーナ液によって感光層が膨潤して強度
が低下したり、感光層と支持体間に浸透して密着性が低
下するために、版面を洗浄した後に大部数の印刷を行う
と、ブランケットとの摩擦面積が大きいベタ画像部や、
支持体との接着面積が小さいハイライト画像部が、磨耗
したり、剥離しやすくなる。したがって、平版印刷版と
してはプレートクリーナ液で版面を洗浄した以降も耐刷
性に優れることが要求される(以下、耐クリーナ耐刷性
とする)。このように、平版印刷版においては、優れた
耐刷性および耐クリーナ耐刷性を得るため、感光層と支
持体との密着性は重要なファクターであり、その密着性
に深く影響するピットの深さ、直径およびその均一性
や、支持体表面での分散の均一性および分散密度を改良
するため、数多く研究、開発されている。さらに、最近
では粗面化処理コストを低減するため、電気化学的粗面
化処理に際し、電解エッチングの効率を上げて、より短
時間で所望のピットを生成することも望まれている。
【0007】短時間の電気化学的処理で均一なピットを
得る方法としては、Feを0.20〜0.6重量%、S
iを0.03〜0.15重量%、Tiを0.005〜
0.05重量%およびNiを0.005〜0.20重量
%を含み、さらにCu、Znから選択される1種以上を
0.005〜0.05重量%、In、Sn、Pbから選
択される1種以上を0.001〜0.020重量%含む
アルミニウム合金板が提案されている(特開平9−27
2937号公報)。さらに、Feを0.20〜0.6重
量%、Siを0.03〜0.15重量%、Tiを0.0
05〜0.05重量%、Niを0.005〜0.20重
量%、Gaを0.005〜0.05重量%およびVを
0.005〜0.020重量%を含み、かつ濃度比(T
i+Ga)/Vが1以上、15以下であるアルミニウム
合金板が提案されている(特開平9−279274号公
報)。これらの公報によれば、特定の金属(Zn、N
i、In、Sn、Pb、Ti、V、Ga)を添加するこ
とにより、短時間の電気化学的処理にもかかわらず、均
一なピットを生成できる。
【0008】また、アルミニウム合金支持体中のFeを
0.20〜0.6重量%、Siを0.03〜0.15重
量%、およびTiを0.005〜0.05重量%含有
し、かつ前記元素の一部または全部が金属間化合物を形
成し、前記金属間化合物のうち、表面に存在し、粒子径
が1〜10μmであるものを1000〜8000個/m
2 に規制することにより、短時間の電気化学的粗面化
処理で、未エッチング部がないピットを生成するととも
に、ピットが浅い場合であっても、粗面化ピットを均一
に生成する方法が提案されている(特開平11−115
333号公報)。
【0009】また、アルミニウム合金支持体中のFeを
0.05〜1重量%、Siを0.015〜0.2重量
%、およびCuを0.001重量%以下として、かつ金
属組織中に分布する単体Siを0.015重量%以上に
規制し、電解エッチングによる粗面の均一性、疲労強
度、バーニング特性に優れた支持体を得る方法が提案さ
れている(特開平11−99764号公報)。しかし、
これらの公報のように、Cuが含有されていない場合、
またはその含有量が0.001重量%以下の少量である
場合、電気化学的粗面化処理により得られるピットが浅
く、耐刷性が劣る欠点がある。また、Cuの含有量が少
ない場合に発生する微少ストリーク(わずかな筋状ム
ラ)も問題視されるようになっている。
【0010】一方で、アルミニウム合金支持体中の、F
eを0.05〜1重量%、Siを0.01〜0.15重
量%およびCuを0.05〜0.1重量%含有する方法
が提案されている(特開平11−99763号公報)。
この方法によれば、Cuを適当量含み、かつSi含有量
を規制することにより微少ストリークの発生を防止でき
る。しかし、Cuを0.05重量%以上含むと、電気化
学的粗面化処理が均一に行えず、未エッチと称する粗面
化不足の箇所が発生しやすく、特に耐汚れ性が劣る欠点
がある。そのため、電気化学的粗面化処理に際し、低電
気量でも、ピットの深さ、直径、およびそれらの大きさ
の均一性や、支持体表面での分散の均一性および分散密
度を所望の範囲とする平版印刷版用支持体を製造し、耐
刷性、耐クリーナ耐刷性に優れる平版印刷版の開発が望
まれていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、電
気化学的粗面化処理における粗面化効率に優れ、従来に
ない優れた耐刷性および耐クリーナ耐刷性に優れる平版
印刷版用アルミニウム合金支持体を提供することを目的
とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来のアル
ミニウム合金支持体において、さらにMgを必須元素と
して含み、In、Pb、Sn、Bi、Cr、Mnおよび
Znから選択される1種以上の元素を合計で0.001
〜0.05質量%含むと、電気化学的粗面化処理を施し
て得られるピット(以下、電解粗面化ピットとする)の
深さ、直径、およびそれらの大きさの均一性や、支持体
表面での分散の均一性および分散密度を、低電気量でも
所望の範囲とする平版印刷版用支持体を製造でき、それ
を使用する平版印刷版が耐刷性、耐クリーナ耐刷性に優
れることを見出し、本発明を完成した。
【0013】すなわち、本発明は、Feを0.2〜0.
5質量%、Siを0.04〜0.20質量%、Cuを
0.005〜0.040質量%、Tiを0.010〜
0.040質量%およびMgを0.001〜0.020
質量%含み、かつ、In、Pb、Sn、Bi、Cr、M
nおよびZnから選択される1種以上の元素を合計で
0.001〜0.05質量%含み、残部がAlと不可避
的不純物とからなるアルミニウム合金板に、電気化学的
粗面化処理を含む粗面化処理を施してなることを特徴と
する平版印刷版用支持体である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の平版印刷版用支持体はアルミニウム合金
である。必須の合金成分は、Al、Fe、Si、Cu、
TiおよびMgである。
【0015】Feは、アルミニウム合金中で、他の元素
と結合して、Al−Fe系の共晶化合物を形成する。A
l−Fe系の共晶化合物は、再結晶粒を微細化するとと
もに、均一な電解粗面(電気化学的粗面化処理を施した
面)を形成するが、Fe含有量が0.2質量%未満で
は、均一な粗面が得られず、電解不足によりピットの均
一性が低下する。一方、0.5質量%を超えると、粗大
化合物が形成されて電解粗面化が不均一になる。よっ
て、Feの含有量は0.2〜0.5質量%である。
【0016】Feはアルミニウム合金の機械的強度を高
める作用があり、Fe含有量が0.2質量%未満では、
機械的強度が低過ぎて、平版印刷版として印刷機の版胴
に取り付ける際に、版切れを起こしやすくなる。高速で
大部数の印刷を行う際にも同様であり、耐刷性の観点か
らも好ましくない。一方、含有量が0.5質量%を超え
ると、必要以上の高強度となり、平版印刷版として印刷
機の版胴に取り付ける際に、フィットネス性が劣り、印
刷中に版切れを起こしやすくなるので好ましくない。支
持体の強度を重視する場合には、Fe含有量を0.2〜
0.4質量%とするのが好ましい。
【0017】SiはAlに固溶する、またはAl−Fe
−Si系金属間化合物またはSi単独の析出物を形成し
て、Al中に固溶したSiは、電解粗面を均一にする作
用と電解粗面化ピットの主として深さを大きくする作用
をする。ところで、Siは原材料であるAl地金に不可
避的不純物として含有されており、場合によっては、す
でにSi含有量が0.03質量%以上のことがある。そ
のため、0.03質量%未満の含有量は現実的ではな
く、また、原材料差によるばらつきを防ぐため、意図的
に微量添加されることが多い。しかし、Si含有量が
0.04質量%未満では、上記作用が現れないし、高純
度のAl地金が必要になり、高価となるため、この点か
らも現実的でない。逆に、Si含有量が0.20質量%
を超えると、印刷した際に苛酷インキ汚れが悪くなると
いう不具合がある。ここで、苛酷インキ汚れとは、印刷
を何度も中断しつつ行った場合に、平版印刷版の非画像
部表面部分にインキが付着しやすくなった結果、印刷さ
れた紙等に表れる点状または円環状の汚れをいう。した
がって、Si含有量は0.04〜0.20質量%、好ま
しくは0.05〜0.10質量%である。
【0018】Cuは電解粗面化を制御する上で非常に重
要な元素であり、電解粗面の均一性と、主として電解粗
面化ピットの直径を大きくする作用がある。Cu含有量
が0.005質量%未満では、電気化学的にピットを生
成する際の表面酸化皮膜の抵抗が過小となるため均一な
ピットが生成されない。一方、含有量が0.040質量
%を超えると、逆にピットを生成する際の表面酸化皮膜
の抵抗が過大となるため、粗大なピットが生成されやす
くなる。したがって、Cu含有量は0.005〜0.0
40質量%、好ましくは0.01〜0.02質量%とす
る必要がある。
【0019】Tiは従来より鋳造時の結晶組織を微細に
するために含有されている。Ti含有量が0.040質
量%を超える場合には、電解粗面化処理において、表面
酸化皮膜の抵抗が過小となるため、均一なピットが生成
されないという不具合が生じる。一方、含有量が0.0
10質量%未満では、鋳造時の結晶組織が微細化されな
いために、種々の工程を経て0.1〜0.5mmの厚み
に仕上げた後も、鋳造時の粗大な結晶組織の痕跡が残
り、外観に著しい不良を生じるという不具合がある。本
発明においては、0.010〜0.040質量%、好ま
しくは0.020〜0.030質量%がAl−Ti合
金、またはAl−B−Ti合金として添加される。
【0020】MgはAlの再結晶組織を微細にする作用
や、引張強度、耐力、疲労強度、折り曲げ強度、耐熱軟
化性等の機械的強度を向上させる作用がある。また、M
gは適当量添加することで電解粗面化時のピットの分散
を均一にする作用もある。Mg含有量が0.001質量
%未満の場合は、ピットの分散が悪くなり、0.020
質量%を超える場合は、やはりピットの分散が悪くな
る。よって、Mg含有量は0.001〜0.020質量
%、好ましくは0.005〜0.020質量%、より好
ましくは0.008〜0.020質量%である。
【0021】本発明のアルミニウム合金板は、上記の必
須合金成分に加えて、In、Pb、Sn、Bi、Cr、
MnおよびZnから選択される1種以上の元素(以下、
微量合金成分とする)を合計で0.001〜0.05質
量%含む。これらの微量合金成分は、少量添加すること
で、電解粗面化処理における電解エッチングを促進し、
低電気量でも支持体表面全体にピットを均一に分散して
生成する作用がある。また、従来のアルミニウム合金板
では、低電気量で電解粗面化処理を行うと、ピットは均
一に分散するが、深さが十分でなく、印刷枚数が多い場
合や、印刷時にプレートクリーナ液で洗浄する場合、ベ
タ画像部、ハイライト画像部の耐クリーナ耐刷性が低下
することがあったが、本発明で生成するピットは、同じ
電気量で生成する電解粗面化ピットが均一に分散するこ
とに加え、より深く生成できるため、耐刷性および耐ク
リーナ耐刷性が向上する。本発明において、微量合金成
分の添加量は、合計0.001質量%以上あれば十分で
あり、合計0.05質量%以上では経済的観念から好ま
しくない。
【0022】本発明においては、Al純度が99.0質
量%以上、好ましくは99.4質量%以上である。した
がって、Al純度(含有量)、前記の必須合金成分の前
記特定含有量および前記微量合金成分の前記特定含有量
を差し引いた残りが、不可避的不純物の含有量である。
アルミニウム合金の機械的強度はAl純度に依存し、通
常はAl純度が低いと、アルミニウム合金の柔軟性は低
くなる。したがって、該純度より低くなり過ぎると、平
版印刷版用支持体とした時の印刷機への装着性が悪くな
る等の不具合が生じる傾向がある。
【0023】アルミニウム合金を板材とするには、例え
ば下記の方法が採用される。まず、所定の合金成分に調
整したアルミニウム合金溶湯に、常法に従い、清浄化処
理を施し、鋳造する。清浄化処理には、溶湯中の水素な
どの不要ガスを除去するために、フラックス処理、Ar
ガス、Clガス等を使った脱ガス処理や、セラミックチ
ューブフィルタ、セラミックフォームフィルタ等のいわ
ゆるリジッドメディアフイルターや、アルミナフレー
ク、アルミナボール等を濾材とするフィルターや、グラ
スクロスフィルター等を使った、あるいは、脱ガスとフ
ィルターリングを組み合わせた処理が行われる。
【0024】ついで、アルミニウム合金溶湯を、DC鋳
造法に代表される固定鋳型を用いる鋳造法、連続鋳造法
に代表される駆動鋳型を用いる鋳造法のいずれかによ
り、鋳造する。DC鋳造法の場合、板厚300〜800
mmの鋳塊が製造されるので、常法に従い、面削りによ
り表層の1〜30mm、好ましくは1〜10mmが切削
される。その後、必要に応じて、均熱化処理が行われ
る。均熱化処理を行う場合、金属間化合物が粗大化しな
いように、450〜620℃で1〜48時間の熱処理を
行う。1時間未満の場合は、均熱化処理の効果が不十分
となる。
【0025】その後、熱間圧延、冷間圧延を行ってアル
ミニウム合金板の圧延板とする。熱間圧延の開始温度は
350〜500℃が適当である。冷間圧延の前、後、途
中において、中間焼鈍処理を行ってもよい。その条件
は、バッチ式焼鈍炉を用いて280〜600℃で2〜2
0時間、好ましくは350〜500℃で2〜10時間加
熱するか、連続焼鈍炉を用いて400〜600℃で6分
以下、好ましくは450〜550℃で2分以下加熱する
かである。連続焼鈍炉を用いて10℃/秒以上の昇温速
度で加熱して、結晶組織を細かくすることもできる。所
定の厚さ、例えば、0.1〜0.5mmに仕上げられた
アルミニウム合金板は、さらにローラレベラ、テンショ
ンレベラ等の矯正装置によって平面性を改善してもよ
い。また、所定の板幅に加工するため、スリッタライン
を通すことも通常行われる。
【0026】アルミニウム合金板は、ついで、平版印刷
版用支持体とするために粗面化処理されるが、本発明の
アルミニウム合金板は、前述したように電気化学的粗面
化処理に適しており、電気化学的粗面化処理と機械的粗
面化処理および/または化学的粗面化処理との組合わせ
にも好都合である。電気化学的粗面化処理はアルミニウ
ム合金板の表面に微細な凹凸を付与することが容易であ
るため、印刷性の優れた平版印刷版を作るのに適してい
る。電気化学的粗面化処理は硝酸または塩酸を主体とす
る水溶液中で、直流または交流を用いて行われる。
【0027】粗面化により平均深さ約0.05〜1μ
m、平均直径約0.2〜20μmのクレーターまたはハ
ニカム状のピットをアルミニウム合金板の表面に30〜
100%の分散密度(面積率)で生成することができ
る。また、電気化学的粗面化処理では、十分なピットを
表面に設けるために必要なだけの電気量、すなわち電流
と通電時間との積が電気化学的粗面化処理における重要
な条件となる。より少ない電気量で十分なピットを生成
することは省エネの観点からも好ましい。本発明におい
ては、電気化学的粗面化処理の条件は限定されるもので
はなく、一般的な条件で行うことができるが、いずれの
場合も、所要電気量を大幅に削減することができる。所
要電気量は、所望のピットの深さ、直径、および分散の
均一性、分散密度により異なるが、30〜500C/d
2 、好ましくは100〜300C/dm2 の範囲であ
れば、耐刷性、耐クリーナ耐刷性が十分に優れる電解粗
面を得ることができる。
【0028】電気化学的粗面化処理と組み合わせる機械
的粗面化処理は、アルミニウム合金板の表面を、一般的
には平均表面粗さRaを0.35〜1.0μm、好まし
くは0.40〜0.80μmとするために行われる。平
均表面粗さRaは、JISB0601−1994で規定
される、支持体表面のうねり状態を示す因子であるが、
これが大きいほど凹凸が大きく、保水性がよい。本発明
における機械的粗面化処理の条件は特に制限されるもの
ではないが、特公昭50−40047号公報に記載され
ている方法に従って行うことができる。また化学的粗面
化処理も特に制限されるものではなく、公知の方法に従
って実施できる。
【0029】粗面化処理に引き続き、アルミニウム合金
板の表面の耐磨耗性を高めるために陽極酸化処理が行わ
れる。この場合に使用される電解質は多孔質酸化皮膜を
形成するものであれば、いかなるものでもよい。一般に
は、硫酸、リン酸、シュウ酸、クロム酸、またはこれら
の混合物が用いられる。電解質の濃度は電解質の種類に
よって適宜決められる。陽極酸化処理の条件は、電解質
によってかなり変動するので、特定しにくいが、一般的
には電解質の濃度が1〜80質量%、液温5〜70℃、
電流密度1〜60A/dm2 、電圧1〜100V、電解
時間10〜300秒であればよい。
【0030】また、印刷時の耐汚れ性能を向上させるた
め、電気化学的粗面化処理および水洗を行った後、アル
カリ溶液で軽度のエッチング処理を行ってから水洗し、
アルミニウム板の表面に残存するアルカリに不要な物質
(スマット)を除去する酸によるデスマット処理を行っ
た後、水洗し、硫酸中で直流電解を行って陽極酸化皮膜
を設けてもよい。さらに、必要に応じて、シリケート等
による親水化処理を行ってもよい。
【0031】以上のようにして本発明の平版印刷版用支
持体が得られるが、該支持体は、粗面化処理を施して生
成するピットを、処理条件により深さおよび直径を選択
できるとともに、支持体表面上に大きさが均一であるピ
ットを、所望の分散密度で、均一に分散させて生成でき
る。したがって、本発明の平版印刷版支持体を用いる平
版印刷版は、感光層との密着力が強く、耐刷性に優れて
おり、この特性は、印刷時に版面をプレートクリーナ液
で洗浄した以降も保持される。そのうえ、本発明では、
これらの特性を付与するために要する電解処理コストを
大幅に低減できる。
【0032】平版印刷版とするには、表面に感光剤を塗
布、乾燥して感光層を形成すればよい。感光剤は特に限
定されるものではなく、通常感光性平版印刷版に用いら
れるものを使用することができる。そして、リスフィル
ムを用いて画像を焼付け、現像処理、ガム引き処理を行
うことで、印刷機に取り付け可能な印刷版とすることが
できる。また、レーザー等を使って、フィルムを用いず
に画像を直接焼付けることもできる。
【0033】感光剤としては、露光の前後で現像液に対
する溶解性または膨潤性が変化するものであればいずれ
でも差支えない。代表的なものを列記する。 (1)o−キノンジアジド化合物からなる感光層 ポジ型感光性化合物としては、o−ナフトキノンジアジ
ド化合物で代表されるo−キノンジアジド化合物が挙げ
られる。o−ナフトキノンジアジド化合物としては、特
公昭43−28403号公報に記載されている1,2−
ジアゾナフトキノンスルホン酸クロライドとピロガロー
ル−アセトン樹脂とのエステルが好ましい。米国特許第
3,046,120号および第3,188,210号明
細書に記さいされた1,2−ジアゾナフトキノンスルホ
ン酸クロライドとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂と
のエステルも好ましい。その他公知のo−ナフトキノン
ジアジド化合物も使用可能である。
【0034】特に好ましいo−ナフトキノンジアジド化
合物は、分子量が1,000以下のポリヒドロキシ化合
物と1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロライド
との反応で得られた化合物である。ポリヒドロキシ化合
物の水酸基1当量に対し、1,2−ジアゾナフトキノン
スルホン酸クロライドを0.2〜1.2当量の割合で、
特に0.3〜1.0当量の割合で反応させるのが好まし
い。1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロライド
としては、1,2−ジアゾナフトキノン−5−スルホン
酸クロライドが好ましいが、1,2−ジアゾナフトキノ
ン−4−スルホン酸クロライドも使用可能である。
【0035】o−ナフトキノンジアジド化合物は、1,
2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロライドの置換基
の位置および導入量の種々異なるものの混合物になる
が、水酸基が全て1,2−ジアゾナフトキノンスルホン
酸エステルに転換されたものが混合物に占める割合(完
全にエステル化されたものの含有率)は5モル%以上で
あること、特に20〜90もる%であるのが好ましい。
【0036】またo−ナフトキノンジアジド化合物を用
いずに、ポジ型に作用する感光性化合物として、例えば
特公昭56−2696号公報に記載されているo−ニト
ロカルビノールエステル基を有するポリマーも使用可能
である。さらに、光分解により酸を発生する化合物と、
酸により解離する−C−O−C−基または−C−O−S
i−基を有する化合物との組合せ系も使用可能である。
例えば、光分解により酸を発生する化合物とアセタール
またはO,N−アセタール化合物との組合せ(特開昭4
8−89003号)、オルトエステルまたはアミドアセ
タール化合物との組合せ(特開昭51−120714
号)、主鎖にアセタールまたはケタール基を有するポリ
マーとの組合せ(特開昭53−133429号)、エノ
ールエーテル化合物との組合せ(特開昭55−1299
5号)、N−アシルイミノ炭素化合物との組合せ(特開
昭55−126236号)、主鎖にオルトエステル基を
有するポリマーとの組合せ(特開昭56−17345
号)、シリルエステル化合物との組合わせ(特開昭60
−10247号)およびシリルエーテル化合物との組合
わせ(特開昭60−37549号、特開昭60−121
446号)等が挙げられる。
【0037】感光層の感光性組成物中に占めるポジ型感
光性化合物(前記のような組合せ系も含む)の割合は1
0〜50質量%が好ましく、15〜40質量%がより好
ましい。
【0038】o−キノンジアジド化合物は単独でも感光
層を構成し得るが、結合剤(バインダー)としてのアル
カリ水に可溶な樹脂とともに使用することが好ましい。
アルカリ水に可溶な樹脂としては、ノボラック樹脂があ
り、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、m−
クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾール−
ホルムアルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾール−ホ
ルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール混合(m
−、p−、m−/p−混合のいずれでもよい)−ホルム
アルデヒド樹脂等のクレゾール−ホルムアルデヒド樹
脂、フェノール変性キシレン樹脂、ポリヒドロキシスチ
レン、ポリハロゲン化ヒドロキシスチレン、特開昭51
−34711号公報に開示されているようなフェノール
性水酸基を含有するアクリル系樹脂、特開平2−866
号公報に記載のスルホンアミド基を有するアクリル系樹
脂や、ウレタン系樹脂等種々のアルカリ可溶性のポリマ
ーを含有させることができる。アルカリ可溶性のポリマ
ーは重量平均分子量が500〜20,000で、数平均
分子量が200〜60,000のものが好ましい。
【0039】アルカリ可溶性のポリマーは全組成物の7
0質量%以下含有される。さらに米国特許第4,12
3,279号明細書に記載されているように、t−ブチ
ルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、オクチルフェノ
ール−ホルムアルデヒド樹脂のような炭素数3〜8のア
ルキル基を置換基として有するフェノールとホルムアル
デヒドとの重縮合で得られる樹脂を併用することは画像
の感脂性を向上させるので好ましい。
【0040】感光性組成物には、感度を高めるために環
状酸無水物、露光後直ちに可視像を得るための焼出し
剤、画像着色剤としての染料やその他の充填材等を含有
させることができる。環状酸無水物は、米国特許第4,
115,128号明細書に記載されているように無水フ
タル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水
フタル酸、3,6−エンドオキシ−△4 −テトラヒドロ
無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マレイ
ン酸、クロル無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイ
ン酸、無水コハク酸、無水ピロメリット酸等が使用され
る。環状酸無水物は、全組成物の質量に対して1〜15
質量%含有させることによって、感度を最大3倍程度に
高めることができる。露光後直ちに可視像を得るための
焼出し剤としては、露光によって酸を放出する感光性化
合物と塩を形成し得る有機染料の組合せを代表として挙
げることができる。
【0041】具体的には、特開昭50−36209号公
報、特開昭53−8128号公報に記載されているo−
ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニドと塩
形成性有機染料の組合せや、特開昭53−36233号
公報、特開昭54−74728号公報、特開昭60−3
626号公報、特開昭61−143748号公報、特開
昭61−151644号公報、特開昭63−58440
号公報に記載されているトリハロメチル化合物と塩形成
性有機染料の組合せを挙げることができる。画像の着色
剤としては、前記の塩形成性有機染料以外の他の染料も
使用可能である。塩形成性有機染料を含めて好適な染料
は油溶性染料や塩基染料である。
【0042】具体的には、オイルイエロー#101、オ
イルイエロー#103、オイルピンク#312、オイル
グリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#6
03、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイ
ルブラックT−505(以上は全て、オリエント化学工
業株式会社製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタル
バイオレット(CI42555)、メチルバイオレット
(CI42535)、ローダミンB(CI45170
B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレ
ンブルー(CI52015)等を挙げることができる。
特開昭62−293247号公報に記載されている染料
が特に好ましい。
【0043】感光性組成物は、前記諸成分を溶解する溶
媒に溶解させて支持体に塗布される。溶媒としては、エ
チレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチル
ケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチ
ルアセテート、1−メトキシ−2−プロパノール、1−
メトキシ−2−プロピルアセテート、トルエン、酢酸メ
チル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシ
ド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、
水、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフルフリルア
ルコール、アセトン、ジアセトンアルコール、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、ジエチレングリコ
ール、ジメチルエーテル等が挙げられる。これらは混合
して使用することもできる。
【0044】溶液に占める前記成分(固形分)は2〜5
0質量%である。塗布量は用途により異なるが、例えば
感光性平版印刷版について言えば、一般的に固形分とし
て0.5〜3.0g/m2 が好ましい。塗布量が少なく
なるにつれて感光性は増大するが、感光膜の物性が低下
する。
【0045】感光性組成物には、塗布性を良くするため
に界面活性剤、例えば特開昭62−170950号公報
に記載されているようなフッ素系界面活性剤を含有させ
る。好ましい含有量は、全感光性組成物の0.01〜1
質量%、好ましくは0.05〜0.5質量%である。
【0046】(2)ジアゾ樹脂とバインダーとからなる
感光層 ネガ作用型感光性ジアゾ化合物としては、米国特許第
2,063,631号明細書および米国特許第2,66
7,415号明細書に開示されているジアゾニウム塩と
アルドールやアセタールのような反応性カルボニル基を
有する有機縮合剤との反応生成物であるジフェニルアミ
ン−p−ジアゾニウム塩とホルムアルデヒドとの縮合生
成物(いわゆる感光性ジアゾ樹脂)が好適に用いられ
る。
【0047】他の有用な縮合ジアゾ化合物は特公昭49
−48001号公報、特公昭49−45322号公報、
特公昭49−45323号公報等に記載されている。こ
の型の感光性ジアゾ化合物は通常水溶性無機塩の形で得
られるので、水溶液として塗布することができる。ま
た、水溶性ジアゾ化合物を特公昭47−1167号公報
に記載される方法により、1個またはそれ以上のフェノ
ール性水酸基、スルホン酸基またはその両者を有する芳
香族または脂肪族化合物と反応させ、その生成物である
実質的に水不溶性の感光性ジアゾ樹脂を使用することも
できる。
【0048】ジアゾ樹脂の含有量は、感光層中に5〜5
0質量%含有されているのがよい。その含有量が少なく
なれば感光性は当然増大するが、経時安定性が低下す
る。最適のジアゾ樹脂の含有量は約8〜20質量%であ
る。一方、バインダーとしては、種々のポリマーが使用
可能である、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、アミ
ド基、スルホンアミド基、活性メチレン基、チオアルコ
ール基、エポキシ基を含むものがよい。
【0049】具体的には、英国特許第1,350,52
1号明細書に記載されているシェラック、英国特許第
1,460,978号明細書および米国特許第4,12
3,276号明細書に記載されているようなヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート単位を主たる繰返単位とし
て含むポリマー、米国特許第3,751,257号明細
書に記載されているポリアミド樹脂、英国特許第1,0
74,392号明細書に記載されているフェノール樹
脂、および、例えばポリビニルフォルマール樹脂、ポリ
ビニルブチラール樹脂のようなポリビニルアセタール樹
脂、米国特許第3,660,097号明細書に記載され
ている線状ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコールの
フタレート化樹脂、ビスフェノールAとエピクロルヒド
リンから得られるエポキシ樹脂、ポリアミノスチレンや
ポリアルキルアミノ(メタ)アクリレートのようなアミ
ノ基を含むポリマー、酢酸セルロース、セルロースアル
キルエーテル、セルロースアセテートフタレート等のセ
ルロース誘導体が包含される。
【0050】ジアゾ樹脂とバインダーからなる組成物に
は、さらに、英国特許第1,041,463号明細書に
記載されているようなpH指示薬、米国特許第3,23
6,646号明細書に記載されているリン酸、染料等の
添加剤を含有させることができる。
【0051】感光層の膜厚は0.1〜30μm、より好
ましくは0.5〜10μmである。支持体上に設けられ
る感光層の量(固形分)は約0.1〜約7g/m2 、好
ましくは0.5〜4g/m2 である。平版印刷版は画像
露光された後、常法により現像を含む処理によって樹脂
画像が形成される。例えば、感光層(A)を有するポジ
型感光性平版印刷版の場合には、画像露光後、米国特許
第4,259,434号明細書および特開平3−903
88号公報に記載されているようなアルカリ水溶液で現
像することにより露光部分の感光層が除去されて、平版
印刷版が得られる。
【0052】また、ジアゾ樹脂とバインダーからなる感
光層(B)を有するネガ型感光性平版印刷版の場合に
は、画像露光後、例えば米国特許第4,186,006
号明細書に記載されているような現像液で現像すること
により、未露光部分の感光層が除去されて平版印刷版が
得られる。また、特開平5−2273号公報または特開
平4−219759号公報に記載されたネガ型感光性平
版印刷版の場合には、該公報に記載されているようにア
ルカリ金属ケイ酸塩の水溶液で現像することができる。
【0053】
【実施例】本発明を実施例によりさらに具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例中の「%」は特に断らない限り「質量
%」を示すものである。
【0054】[実施例1〜8、比較例1〜3]Feを
0.35質量%、Siを0.10質量%、およびTiを
0.020質量%、MgおよびCuを第1表に示す割合
で含み、さらにIn,Pb,Sn,Bi,Cr,Mnお
よびZnから選択される1種以上の元素を第1表に示す
割合で含有させたアルミニウム合金板を製造した。これ
らの合金板に、第2表に示すように処理を行った。処理
は第2表の左から順に行い、各処理の間では水洗を行っ
た。本実施例において、ブラシによる粗面化処理は行わ
なかった。アルカリエッチング処理(1)および(2)
には、エッチング液として、苛性ソーダ濃度26質量
%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%、液温65℃
の溶液を使用した。電気化学的粗面化処理時には、電解
液として硝酸濃度1質量%、アルミニウムイオン濃度
0.5質量%の溶液を使用し、交流電流で行った。陽極
酸化処理は、電解液として15質量%の硫酸溶液を使用
し、直流電流で行った。また、下塗り層の形成は行わな
かった。
【0055】粗面化処理されたアルミニウム合金板に、
下記の組成の感光剤組成物を乾燥後の塗布量が2.5g
/m2 となるように塗布、乾燥して感光層を設けた。 [感光剤組成物] ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロライド とピロガロール、アセトン樹脂とのエステル化物 0.75g (米国特許第3,635,709号明細書の実施例1に記載のもの) クレゾールノボラック樹脂 2.00g オレイルブルー#603(オリエント化学工業製) 0.04g エチレンジクロライド 16g 2−メトキシエチルアセテート 12g
【0056】得られた感光性平版印刷版を真空焼枠中
で、透明ポジティブフィルムを通して1mの距離から3
kwのメタルハライドランプにより、50秒間露光した
後、ケイ酸ナトリウムの5.26%水溶液(SiO2
Na2 Oのモル比1.74、pH12.7)で現像し
た。現像後、十分水洗し、ガム引きした後、常法の手順
で印刷した。
【0057】ここで、実施例、比較例について全面的に
均一なピットが生成するのに要する電気量を調べて評価
した。ピットが全面にできる電気量を調べるために、電
気量条件を変えて電気化学的粗面化処理を行った後、S
EMを使って表面を観察し、ピットが全面に生成できた
電気量を決定した。結果を第1表に示した。なお、電気
量は比較例−1を1.0とした相対値である。
【0058】また、通常耐刷性、耐クリーナ耐刷性を、
下記の方法で評価し、結果を第1表に合わせて示した。
実施例のアルミニウム合金板を用いた場合に、ピットを
全面に生成するのに要する電気量が少なく、通常耐刷性
および耐クリーナ耐刷性に優れていることが分かる。 [通常耐刷性]べた画像部が薄くかすれ始めたことが目
視で認められるまでの印刷枚数で評価した。なお、通常
耐刷性は、比較例−1の通常耐刷性を100とした相対
値である。 [耐クリーナ耐刷性]べた画像部をスポンジを用い、プ
レートクリーナ液(富士写真フィルム社製[マルチクリ
ーナ])を使って、5回洗浄した後、さらに印刷を続
け、べた画像部が薄くかすれ始めたことが目視で認めら
れるまでの印刷枚数で評価した。なお、耐クリーナ耐刷
性は、比較例−1の通常耐刷性を100とした相対値で
ある。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、少ない電気量で、所望
のピットの深さ、直径が得られるとともに、それらの大
きさが均一であるピットを支持体表面上に所望の分散密
度で、均一に分散する平版印刷版用支持体を提供するこ
とができる。該支持体を用いる平版印刷版は、耐刷性お
よび耐クリーナ耐刷性に優れており、これらの特性を付
与するために要する電解処理コストを大幅に低減でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 オフセット印刷の一例を示す模式的断面図。
【符号の説明】
1 版 2 ブランケット 3 用紙 4 インキ 5 版胴 6 転写胴 7 圧胴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA12 AB03 DA18 2H096 AA07 CA03 CA20 2H114 AA04 AA11 AA14 AA27 BA01 DA04 DA14 DA73 EA06 EA08 EA10 FA06 FA14 FA15 GA09

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Feを0.2〜0.5質量%、Siを0.
    04〜0.20質量%、Cuを0.005〜0.040
    質量%、Tiを0.010〜0.040質量%およびM
    gを0.001〜0.020質量%含み、かつ、In、
    Pb、Sn、Bi、Cr、MnおよびZnから選択され
    る1種以上の元素を合計で0.001〜0.05質量%
    含み、残部がAlと不可避的不純物とからなるアルミニ
    ウム合金板に、電気化学的粗面化処理を含む粗面化処理
    を施してなることを特徴とする平版印刷版用支持体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101934664A (zh) * 2009-06-26 2011-01-05 富士胶片株式会社 制造平版印刷版用支持体的方法和再循环平版印刷版的方法
EP3536820A4 (en) * 2016-11-02 2020-04-29 UACJ Corporation ALUMINUM ELEMENT AND PROCESS FOR PRODUCING ALUMINUM ELEMENT

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